タイトル: | 特許公報(B2)_クロタミトン含有皮膚外用液剤 |
出願番号: | 1999241304 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | A61K 31/17,A61K 31/167,A61K 9/10,A61K 47/34,A61K 47/44,A61K 47/14,A61P 17/04,A61P 17/00 |
佐村 一久 JP 4521899 特許公報(B2) 20100604 1999241304 19990827 クロタミトン含有皮膚外用液剤 エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 506137147 稲葉 良幸 100079108 田中 克郎 100080953 大貫 敏史 100109346 内藤 和彦 100134120 佐村 一久 20100811 A61K 31/17 20060101AFI20100722BHJP A61K 31/167 20060101ALI20100722BHJP A61K 9/10 20060101ALI20100722BHJP A61K 47/34 20060101ALI20100722BHJP A61K 47/44 20060101ALI20100722BHJP A61K 47/14 20060101ALI20100722BHJP A61P 17/04 20060101ALI20100722BHJP A61P 17/00 20060101ALI20100722BHJP JPA61K31/17A61K31/167A61K9/10A61K47/34A61K47/44A61K47/14A61P17/04A61P17/00 A61K 31/00-31/327 A61K 9/00- 9/72 A61K 47/00-47/48 特開平07−097326(JP,A) 特開平07−126159(JP,A) 特開平05−229949(JP,A) 特開平06−247856(JP,A) 特開平06−219940(JP,A) 特開昭62−223163(JP,A) 特開2000−191543(JP,A) 特開平06−247847(JP,A) 特開平03−090023(JP,A) 特開平06−048939(JP,A) 特開平07−126164(JP,A) 特開平07−126158(JP,A) 2 2001064165 20010313 10 20060224 平林 由利子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、クロタミトンを含有する物理化学的に安定であり、且つ、刺激性の少ない外用液剤、特にローション剤に関する。【0002】【従来の技術】痒みを伴なう乾燥性皮膚疾患の治療薬として、尿素に抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、清涼化剤を配合したローション剤等の外用液剤、及び、尿素にクロタミトンを配合した乳剤等の外用液剤が知られている。しかし、尿素に抗ヒスタミン剤、局所麻酔剤、清涼化剤等を配合したローション剤等の外用液剤は、主剤の溶解補助剤として添加する場合が多いアルコールに由来する皮膚刺激性や、添加したリドカイン等の局所麻酔剤由来の刺激臭が強い等の問題がある。また、例えば特公平7ー74144には、クリーム剤等の尿素含有製剤剤におけるエーテル型非イオン性界面活性剤の添加による乳化が記載されているが、安定性確保の観点から高級アルコールや炭化水素を多量に配合している為、刺激性があり、クリーム剤においては高粘度に由来するべたつき感があり、いずれも使用感において満足がいくものではなかった。さらに、クロタミトン含有の外用液剤は、例えば特開平7ー126159に開示されている方法により調製可能であるが、その安定性確保の観点から高粘度のクリーム剤及び軟膏剤としている為、皮膚の広範囲への塗布や毛髪部への塗布には使いにくい。一方、尿素とクロタミトンを配合した乳剤等の外用液剤は、現在、市販品が存在するが、例えば40℃のような高温下でクリーミングや相分離を生じることが多く、流通過程及び保管過程における安定性に問題のある場合が多い。また、特開平9ー199306には、クロタミトンのアルコールやグリコール類への溶解性を利用した技術が開示されているが、一般にアルコールやグリコール類を多量に配合した場合は、べたつき感や皮膚刺激性が強く塗布使用感は良好とは言えない。【0003】【発明が解決しようとする課題】痒みを伴なう乾燥性皮膚疾患の治療薬として、使用時のべたつき、皮膚刺激性及び刺激臭が少なく塗布使用感に優れ、且つ、製剤の物理化学的安定性に優れる全身に塗布可能な外用液剤の開発が求められている。特に、鎮痒剤として有用性の高いクロタミトン、乾皮症及び角化症治療剤の尿素の両者を含有する外用液剤においては、現在市販品は存在するものの、1)クロタミトンはエステル油に溶解しやすいが低級アルコールやグリコール類との共存により水に溶解しやすいという物性を有する為、乳化されにくいこと 2)尿素及びその安定化の為に配合するpH調製剤や緩衝剤などの配合は、乳化系を不安定にしやすいという特性を有すること、の2点の理由により、高温保存下での相分離を生じることが多く、物理化学的に安定な外用液剤の開発が期待されている。【0004】【課題を解決するための手段】本発明は、クロタミトン及び尿素を含有する外用液剤において、非イオン性界面活性剤及び油脂を配合してなる外用液剤である。本発明に係るクロタミトンと尿素を含有する外用液剤は、高温保存下での相分離を生じることがなく物理化学的に安定であり、特にローション剤の良好な安定性と塗布使用感の確保を可能とするものである。同時に、本発明に係るクロタミトン及び尿素を含有する外用液剤においては、非イオン性界面活性剤及び油脂の配合により良好な乳化状態の達成が可能であり、アルコールやグリコール酸を多量に添加する必要がない為、使用時のべたつき、皮膚刺激性及び刺激臭が少なく塗布使用感に優れるという極めて優れた特徴を有する。【0005】本発明に係る非イオン性活性剤は親水性の非イオン性界面活性剤が望ましく、HLBが10以上であることがさらに望ましい。また、HLBが10以上である非イオン性界面活性剤に、HLB10未満の非イオン性界面活性剤を併用してもよい。非イオン性界面活性剤は、エーテル型非イオン性界面活性剤及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が望ましい。エーテル型非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルが挙げられるが、望ましくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル及び/又はポリオキシエチレンベヘニルエーテルである。エーテル型非イオン性界面活性剤以外の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどが挙げられ、特にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が望ましい。【0006】油脂としては、合成エステル油、天然トリグリセライド、炭化水素、シリコーン油などが挙げられ、これらのうち1種類又は2種類以上を混合して使用してもよい。本発明に係る油脂は、室温で液状のものが望ましく、特に、室温で液状のエステル油 を使用することが望ましい。油脂として、1種類のエステル油単独でもよいし、2種類以上のエステル油を併用してもよいし、エステル油と他の油脂を1種類以上組み合わせて使用してもよい。また、油脂基剤として、高級アルコールや高級脂肪酸を添加してもよい。尚、室温で液状の合成エステル油とは、例えば、中鎖脂肪酸トリグリセライド(ODO)、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジイソプロピル、ジカプリル酸プロピレングリコールが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。天然トリグリセライドは、例えば、オリーブ油、大豆油、月見草油が挙げられ、炭化水素は、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ポリイソブテンが挙げられる。高級アルコールとは、例えば、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられるが、もちろんこれらに限定される訳ではない。【0007】外用液剤とは、例えば、ローション剤、乳剤、懸濁剤などが挙げられる。ローション剤は、通常、医薬品を水性の液中に溶解又は微細均等に分散して製した、皮膚に塗布する液状の外用剤であり、例えば、薬剤を水、エタノール、グリセリン、グリコール類等の水性の液体中に完全に溶解させた溶液性ローション、水難溶性の固体又は液体の薬剤を水性の液中に微細均等に分散させた懸濁性ローション又は乳剤性ローション等がある。【0008】本発明に係る外用液剤、特にローション剤におけるクロタミトンと油脂との配合比率は、クロタミトン1重量部に対して油脂1.2〜4重量部であることが望ましい。また、油脂としては、室温で液状のエステル油の使用が望ましいが、本発明に係る外用液剤、特にローション剤におけるクロタミトンと室温で液状のエステル油との配合比率は、クロタミトン1重量部に対してエステル油0.6〜3重量部であることが望ましい。さらに、本発明に係る外用液剤、特にローション剤における非イオン性界面活性剤の配合比率は、外用液剤の総量1重量部に対して0.03〜0.1重量部であることが望ましい。【0009】本発明に係る痒みを伴なう乾燥性皮膚の治療薬としての外用液剤中のクロタミトンの配合量は、0.5〜10重量%であり、望ましくは、5〜10重量%である。また外用液剤中の尿素の配合量は、1〜25重量%であり、望ましくは5〜20重量%であり、更に望ましくは10〜20重量%である。【0010】本発明に係る外用液剤中には、クロタミトン、尿素の他に、抗ヒスタミン剤であるジフェンヒドラミン又はその塩酸塩、マレイン酸クロルフェニラミン、タンニン酸塩、プレドニゾロン等のステロイド剤、リドカイン等の局所麻酔剤、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、インドメタシン等の抗炎症剤、酢酸トコフェロール、ビタミンA油、コレカルシフェロール等のビタミン剤を配合してもよい。また、本発明に係る外用液剤には、非薬効成分として、保湿剤、防腐剤、抗酸化剤、キレート剤等を配合してもよい。保湿剤とは、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3ーブチレングリコール等の多価アルコール、ソルビトール、還元麦芽糖水飴、キシリトール、エリスリトール等の糖類、アラニン、グリシン、プロリン等のアミノ酸類、アラビアゴム、ムコ多糖類などの高分子を配合してもよい。防腐剤としては、例えば、パラベン類、安息香酸塩を、抗酸化剤は、例えば、トコフェロール(ビタミンE)、BHTを、キレート剤としては、例えば、EDTA又はそのアルカリ塩等が挙げられる。【0011】本発明に係る外用液剤、特にローション剤は、加温条件下及び低温条件下のいずれにおいても、その相分離を起こすことなく物理化学的に安定であり、また、塗布使用性は良好でべたつき感は少なく、さらに刺激臭もないという際立って優れた物性を有している。【0012】本発明に係る外用液剤は通常用いられる方法により製造することができる。例えば、流動パラフィン50g、セバシン酸ジイソプロピル50g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル60gを入れて十分に撹拌混合後、酢酸トコフェロール5g、クロタミトン50gを溶解させる。別に、適量の精製水にグリセリン60gと適量のクエン酸を添加し撹拌混合して溶解させ、さらに尿素100gを添加して溶解させる。次に、この両液を混合して乳化させ、主成分としてクロタミトン、尿素を配合してなる乳剤性ローションを製造することができる。【0013】【発明の効果】本発明によると、クロタミトン及び尿素を含有する物理化学的安定性に優れ、使用時のべたつき、皮膚刺激性及び刺激臭が少なく塗布使用感に優れ、且つ、全身に塗布可能な外用液剤とすることが可能である。その効果例を以下に示す。【0014】実験例(1)外用液剤中の油脂の効果下記に示す実施例4及び実施例6で得られた添加した油脂の種類と添加量の異なる外用液剤を、対照例1、対照例2及び対照例3と比較して、物性評価を行なった。評価項目は、目視による外観評価(製造初期、45℃と冷所(5℃)で各々1ヶ月保存)、製造初期における刺激臭の有無及び塗布使用感の官能検査である。その結果を表1に示した。【0015】【表1】【0016】実施例4及び実施例6のいずれにおいても、目視による外観評価(製造初期、45℃と冷所(5℃)で各々1ヶ月保存)では均一で良好な乳化状態が保たれて、いた。また、製造初期における刺激臭はなく、さらにべたつき感や皮膚刺激性もなく塗布使用感は良好であった。【0017】a)油脂の配合比率の効果実施例4と対照例3の外用液剤では、油脂として流動パラフィンと室温で液状のエステル油であるセバシン酸ジイソプロピル(DIS)を配合しているが、その配合量が異なる。油脂の配合量は、実施例4では6%(流動パラフィン3%、DIS3%)、対照例3では1.5%(流動パラフィン1%、DIS0.5%)であり、室温で液状のエステル油の配合量は、実施例4では3%、対照例3では0.5%である。したがって、クロタミトン1重量部に対する油脂の配合比率は、実施例4では1.2重量部、対照例3では0.3重量部である。また、クロタミトン1重量部に対する室温で液状のエステル油の配合比率は、実施例4では0.6重量部、対照例3では0.1重量部である。実施例4と対照例3の比較評価の結果、油脂の配合比率が大きい実施例3では、製造初期、45℃と冷所(5℃)における各々1ヶ月保存品のいずれにおいても、均一で良好な乳化状態の外観が保たれていたが、油脂の配合比率が小さい対照例3(クロタミトン1重量部に対する油脂の配合比率は0.3重量部、クロタミトン1重量部に対する室温で液状のエステル油の配合比率は0.1重量部)では、製造初期において既に水相と油相の相分離が生じていた。以上から、本発明における油脂の配合効果は明らかであり、クロタミトン1重量部に対して油脂を少なくとも0.3重量部より多く配合することにより良好な乳剤が得られることは明白である。同時に、クロタミトン1重量部に対して室温で液状のエステル油を少なくとも0.1重量部より多く配合することにより良好な乳剤が得られることは明らかである。b)室温で液状であるエステル油の効果実施例6の外用液剤では、油脂として流動パラフィンと室温で液状のエステル油である中鎖脂肪酸トリグリセライド(ODO)を配合しているが、対照例1及び対照例2では、油脂としては流動パラフィンのみを配合している。なお、油脂の配合量は、実施例6では10%(流動パラフィン5%、ODO5%)、対照例1では10%(流動パラフィン10%)、対照例2では6%(流動パラフィン6%)であり、したがって、クロタミトン1重量部に対する油脂の配合比率は、実施例6では2重量部であり、対照例1及び対照例2では、各々2重量部、1.2重量部である。実施例6と対照例1及び対照例2の評価の結果、油脂として室温で液状であるエステル油を配合した実施例6では、製造初期、45℃と冷所(5℃)における各々1ヶ月保存品のいずれにおいても、均一で良好な乳化状態の外観が保たれていたが、エステル油を配合していない対照例1及び対照例2では、製造初期において既に水相と油相の相分離又は液剤表面における油浮きが生じていた。以上から、本発明における室温で液状であるエステル油の配合による乳化安定化効果は明らかである。【0018】(2)外用液剤中の非イオン性界面活性剤の効果下記に示す非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル)を6%添加した実施例6で得られた外用液剤を、対照例4(添加量1.5%)と比較して、物性評価を行なった。評価項目は、目視による外観評価(製造初期、45℃と冷所(5℃)で各々1ヶ月保存)、製造初期における刺激臭の有無及び塗布使用感の官能検査である。その結果を同様に表1に示した。【0019】実施例6と対照例4の比較評価の結果、非イオン性界面活性剤の配合比率が外用液剤の総量1重量部に対して0.06重量部である実施例6の外用液剤では、製造初期、45℃と冷所(5℃)における各々1ヶ月保存品のいずれにおいても、均一で良好な乳化状態の外観が保たれていたが、非イオン性界面活性剤の配合比率が小さい(外用液剤の総量1重量部に対して0.015重量部配合)対照例4では、製造初期において既に外用液剤の表面に油浮きが生じていた。以上から、本発明における非イオン性界面活性剤の配合による乳化安定化効果は明らかであり、外用液剤の総量1重量部に対してポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル等の非イオン性界面活性剤を少なくとも0.015重量部より多く、望ましくは0.02重量部以上配合することにより良好な乳剤が得られることは明白である。【0020】【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されるわけではない。【0021】実施例1溶解槽Aに、流動パラフィン50g、セバシン酸ジイソプロピル(DIS)50g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(PBC)60gを入れて80℃にて十分に撹拌混合後、酢酸トコフェロール5g、クロタミトン50g、ジフェンヒドラミン10g、dーδートコフェロール(EmixD)0.5gを溶解させた。別に溶解槽Bに、適量の精製水、適量のクエン酸及びグリセリン60gを入れて撹拌混合後、グリチルリチン酸ジカリウム5gを添加して87℃にて撹拌溶解させ、さらに尿素100gを添加して溶解させた。次に、75℃で、乳化槽C中に溶解槽A中の溶液を吸引濾過し、さらに溶解槽B中の溶液を吸引濾過した後に、75℃で10分間の乳化を行ない、その後、撹拌を継続しながら冷却して、クロタミトン、非イオン性界面活性剤、油脂を配合してなる乳剤性ローションを得た。処方を表2に示した。【0022】【表2】【0023】実施例2〜実施例7溶解槽Aに、流動パラフィン0〜10g、セバシン酸ジイソプロピル(DIS)0〜5g、ミリスチン酸オクチルドデシル(MOD)0〜16g、ミリスチン酸イソプロピル(IPM−EX)0〜10g、プロピレングリコールジカプリレート(Sefsol228)0〜5g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(PBC)0〜8g、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル(BB)0〜3gを入れて80℃にて十分に撹拌混合後、酢酸トコフェロール0.5g、クロタミトン5〜10g、ジフェンヒドラミン0〜1g、dーδートコフェロール(EmixD)0.05gを溶解させた。別に溶解槽Bに、適量の精製水、適量のクエン酸、グリセリン4〜8g、メチルパラベン0.2gを入れて撹拌混合後、グリチルリチン酸ジカリウム0.5gを添加して87℃にて撹拌溶解させ、さらに尿素10gを添加して溶解させた。次に、75℃で、乳化槽C中に溶解槽A中の溶液を吸引濾過し、さらに溶解槽B中の溶液を吸引濾過した後に、75℃で10分間の乳化を行ない、その後、撹拌を継続しながら冷却して、クロタミトン、非イオン性界面活性剤、油脂を配合してなる乳剤性ローションを得た。各処方は、先述したように表1に示した。【0024】実施例2〜実施例7のいずれにおいても、目視による外観評価(製造初期、45℃と冷所(5℃)で各々1ヶ月保存)では均一で良好な乳化状態が保たれており、また製造初期における刺激臭はなく、さらに塗布使用感はべたつき感がなく良好であった。【0025】実施例8〜実施例10溶解槽Aに、流動パラフィン5g、中鎖脂肪酸トリグリセライド(ODO)5g、セトステアリルアルコール0〜1.2g、ベヘニルアルコール0〜0.5g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル(PBC)5gを入れて80℃にて十分に撹拌混合後、酢酸トコフェロール0.5g、クロタミトン5g、ジフェンヒドラミン1g、dーδートコフェロール(EmixD)0.05gを溶解させた。別に溶解槽Bに、適量の精製水、適量のクエン酸、グリセリン8g、メチルパラベン0.2gを入れて撹拌混合後、グリチルリチン酸ジカリウム0.5gを添加して87℃にて撹拌溶解させ、さらに尿素10gを添加して溶解させた。次に、75℃で、乳化槽C中に溶解槽A中の溶液を吸引濾過し、さらに溶解槽B中の溶液を吸引濾過した後に、75℃で10分間の乳化を行ない、その後、撹拌を継続しながら冷却して、クロタミトン、非イオン性界面活性剤、油脂を配合してなる乳剤性ローションを得た。各処方を表3に示した。【0026】【表3】【0027】実施例8〜実施例10のいずれにおいても、目視による外観評価(製造初期、45℃と冷所(5℃)で各々1ヶ月保存)では均一で良好な乳化状態が保たれており、また製造初期における刺激臭はなく、さらに塗布使用感はべたつき感がなく良好であった。【0028】実施例11〜16溶解槽Aに、流動パラフィン5g、中鎖脂肪酸トリグリセライド(ODO)5g、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO) 0〜5g、レシチン0〜0.5g、ステアリン酸ポリオキシル(MYS)0〜0.5g、グリセリン脂肪酸エステル0〜1g、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル0〜5gを入れて80℃にて十分に撹拌混合後、酢酸トコフェロール0.5g、クロタミトン5g、ジフェンヒドラミン1g、dーδートコフェロール(EmixD)0.05gを溶解させた。別に溶解槽Bに、適量の精製水、適量のクエン酸、グリセリン2〜4g、メチルパラベン0.2gを入れて撹拌混合後、グリチルリチン酸ジカリウム0.5gを添加して87℃にて撹拌溶解させ、さらに尿素10gを添加して溶解させた。次に、75℃で、乳化槽C中に溶解槽A中の溶液を吸引濾過し、さらに溶解槽B中の溶液を吸引濾過した後に、75℃で10分間の乳化を行ない、その後、撹拌を継続しながら冷却して、クロタミトン、非イオン性界面活性剤、油脂を配合してなる乳剤性ローションを得た。各処方を表4に示した。【0029】【表4】【0030】実施例11〜実施例16のいずれにおいても、目視による外観評価(製造初期、45℃と冷所(5℃)で各々1ヶ月保存)では均一で良好な乳化状態が保たれており、また製造初期における刺激臭はなく、さらに塗布使用感は、べたつき感及び皮膚刺激性がなく良好であった。 クロタミトン及び尿素を含有するローション剤において、非イオン性界面活性剤及び室温で液状のエステル油を配合してなる乳剤性ローション剤であって、 前記非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルからなる群から選択されるいずれか1種以上のエーテル型非イオン性界面活性剤及び/又はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油であり、 前記室温で液状のエステル油が、中鎖脂肪酸トリグリセライド、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチル、アジピン酸ジイソプロピル、ジカプリル酸プロピレングリコールからなる群から選択されるいずれか1種以上であり、 前記非イオン性界面活性剤の配合比率が、ローション剤の総量1重量部に対して0.03〜0.1重量部であり、 前記室温で液状のエステル油の配合比率が、クロタミトン1重量部に対して0.6〜3重量部である乳剤性ローション剤。 前記ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の配合比率が、ローション剤の総量1重量部に対して0.04〜0.1重量部である、請求項1記載の乳剤性ローション剤。