生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_無機塩含有水中油型乳化組成物
出願番号:1999211162
年次:2004
IPC分類:7,A61K7/00,B01J13/00


特許情報キャッシュ

長谷川 優子 JP 3565320 特許公報(B2) 20040618 1999211162 19990726 無機塩含有水中油型乳化組成物 株式会社ノエビア 000135324 小川 篤子 594044059 長谷川 優子 20040915 7 A61K7/00 B01J13/00 JP A61K7/00 N B01J13/00 A 7 A61K 7/00 - 7/50 JICSTファイル(JOIS) 特開平10−053510(JP,A) 特開2000−344656(JP,A) 2 2001039826 20010213 6 20000801 内田 俊生 【0001】【発明の属する技術分野】この発明は、無機塩を含有しているにもかかわらず、安定性の良好な水中油型乳化組成物に関する。【0002】【従来の技術】無機塩は人体の代謝を活性化する作用を有することから、無機塩を化粧料に配合することが古くから提案されている。例えば、ムコ多糖類,ビタミンE類と併用した化粧料(特開昭62−209009)、ムコ多糖類,リン脂質と併用した化粧料(特開昭62−209010)等が開示されている。【0003】しかしながら、無機塩を含有する水中油型乳化組成物は、乳化安定性が悪く、経時での離水など安定性の悪化が認められた。そこで、無機塩を含有する水中油型エマルションにおいて、その安定性を高めるために、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルにクエン酸モノグリセライドやコハク酸モノグリセライドを併用した乳化剤を配合する(特開平1−210029),ポリグリセリン脂肪酸エステル組成物を乳化剤として配合する(特開平8−217724),ノニオン界面活性剤と常温で液状の多価アルコール多価脂肪酸エステルを配合する(特開平11−35447)等の技術が開示されているが、化粧料として長期保存に耐えうる乳化安定性の良好な無機塩含有水中油型乳化組成物は得られていない。【0004】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乳化安定性の良好な無機塩含有水中油型乳化組成物を提供することである。【0005】【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を解決するために研究を重ねた結果、無機塩を含有する水中油型乳化組成物において、1,2−ペンタンジオールを配合することにより、乳化安定性が飛躍的に向上することを見いだし、本発明を完成するに至った。【0006】【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する。【0007】本発明において使用する1,2−ペンタンジオールは、下記の式(1)で表される構造をとる。CH3(CH2)2CH(OH)CH2OH …式(1)この1,2−ペンタンジオールについては、通常は保湿成分として配合される他、防腐成分としての応用(熱測定,26(1),2−8,(1999))、マイクロエマルションにおける共溶媒としての応用(Langmuir,11(11),4185−4187,(1995))等が検討されている。【0008】1,2−ペンタンジオールは、通常公知の方法を用いて製造したものを本発明の水中油型乳化組成物に配合することができる。また、ドラゴコ,デグッサ,ストラトマンズなどより製品化されている市販品を使用することもできる。【0009】1,2−ペンタンジオールの本発明の水中油型乳化組成物への配合量は、特に制限されるものではないが、乳化安定性を向上させるためには、乳化組成物全量に対して、0.1重量%〜20.0重量%の割合で配合することが好ましい。【0010】本発明で用いられる無機塩は特に限定されないが、塩化ナトリウム,塩化マグネシウム,硫酸ナトリウム,塩化カリウム,臭化カリウム,塩化カルシウム等が例示される。これらの無機塩は、合成品を単品で若しくは組み合わせて配合するほか、海水由来のニガリ,海水乾燥末などの天然物を単独若しくは組み合わせて用いてもかまわない。なおニガリは、海水を濃縮し塩化ナトリウムを析出させた後に残る残塩で、塩化ナトリウムの他、塩化カリウム,硫酸マグネシウム,臭化マグネシウム,塩化マグネシウム,硫酸ナトリウム,臭化カリウム,塩化カルシウムなどの混合物である。【0011】これら無機塩の水中油型乳化組成物への配合量は、0.01〜10.0重量%が好ましい。また無機塩は水相成分に溶解した状態で,或いは粒状等結晶状態の何れで配合してもよい。【0012】本発明の水中油型乳化組成物には上記成分以外にも、乳化剤、グリセリン,1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール、アミノ酸,ムコ多糖類といった保湿剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、殺菌剤、抗炎症剤、防腐剤、香料など一般的に化粧料に用いられる添加成分を配合することができる。【0013】本発明においては、上記した無機塩と1,2−ペンタンジオールを併用することにより、安定性の良好な水中油型乳化組成物を提供する。本発明における水中油型乳化組成物は、乳液状若しくはクリーム状の膏剤若しくは化粧料の形で用いられる。さらに、本発明に係る水中油型乳化組成物においては、本発明の特徴を損なわない範囲で、各種油分,界面活性剤,低級一価アルコール,保湿剤,多価アルコール,細胞賦活剤,抗酸化剤,美白剤,紫外線吸収剤,防菌防黴剤,顔料,色素類,香料等、一般的な化粧料,医薬品配合成分を加えることができる。【0014】【実施例】さらに実施例により、本発明の特徴について詳細に説明する。【0015】製法:(1)〜(4)の油相及び(5)〜(8)の水相をそれぞれ均一に溶解して70℃に加熱する。水相を油相に添加してホモミキサーで乳化後、冷却する。【0016】製法:(1)〜(4)の油相及び(5)〜(7)の水相をそれぞれ均一に溶解して70℃に加熱する。油相を水相に添加してホモミキサーで乳化後、冷却する。【0017】製法:(1)〜(5)の油相及び(6)〜(10)の水相をそれぞれ均一に溶解して70℃に加熱する。油相を水相に添加してホモミキサーで乳化後、冷却する。【0018】製法:(1)〜(9)の成分を混合し、80℃に加熱してホモミキサーで予備分散させる。(10)〜(12)の成分を80℃に加熱して添加して乳化後、冷却する。【0019】本発明の実施例について、安定性の検討を行った。安定性は、40℃恒温槽にて1ヶ月保存後の状態を観察し、「○:離水や凝集が認められない」,「△:離水或いは凝集が僅かに認められる」,「×:離水或いは凝集が明確に認められる」の3段階で評価した。同時に、1,2−ペンタンジオールを実施例1ではグリセリンに、実施例2では精製水に、実施例3では1,3−ブチレングリコールに、実施例4ではマルチトールに代替して水中油型乳化組成物を調製し,それぞれ比較例1〜比較例4とし、安定性評価を行った。安定性評価結果を表1に示す。【0020】【表1】【0021】表1より明らかなように、本発明の実施例は乳化安定性が良好で、離水や分離は全く認められなかった。しかしながら、1,2−ペンタンジオールを他の多価アルコールや精製水に代替した比較例においては、すべて明確な離水が認められた。【0022】【発明の効果】以上詳述したように、本発明により無機塩を含有しているにもかかわらず、安定性の良好な水中油型乳化組成物を得ることができた。 塩化マグネシウム,硫酸ナトリウム,塩化カリウム,臭化カリウム,塩化カルシウムから選択される1種又は2種以上の無機塩と、1,2−ペンタンジオールを含有する水中油型乳化組成物。 ニガリと、1,2−ペンタンジオールを含有する水中油型乳化組成物。


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