生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_パラ−アセトキシスチレンの製造方法
出願番号:1999104072
年次:2009
IPC分類:C07C 67/24,C07C 69/157,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

石川 真一 江口 久雄 JP 4304758 特許公報(B2) 20090515 1999104072 19990412 パラ−アセトキシスチレンの製造方法 東ソー株式会社 000003300 石川 真一 江口 久雄 JP 1998300492 19981022 20090729 C07C 67/24 20060101AFI20090709BHJP C07C 69/157 20060101ALI20090709BHJP C07B 61/00 20060101ALI20090709BHJP JPC07C67/24C07C69/157C07B61/00 300 C07C 67/24 C07B 61/00 C07C 69/157 CAplus(STN) CASREACT(STN) REGISTRY(STN) 特開2000−178227(JP,A) 特開平08−157410(JP,A) 特開昭63−150245(JP,A) 米国特許第04603101(US,A) 特開平01−106835(JP,A) 1 2000191598 20000711 5 20060224 水島 英一郎 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、医農薬、機能性高分子等の原料として有用なパラーアセトキシスチレン(以下、PACSと略記する)の製造方法に関する。該化合物は、医農薬、機能性高分子の原料として有用であり、特にレジスト原料として非常に注目されている。【0002】【従来の技術】本発明の目的化合物であるPACSについては、以下のような製造法が知られている。【0003】例えば、特開平2−73076号公報には、フェノールと無水酢酸とのFriedel−Craftsアシル化反応によって得られたパラ−ヒドロキシアセトフェノンを、再度無水酢酸と反応させてパラ−アセトキシアセトフェノンとした後、H2−Pd/Cの還元反応によってパラ−アセトキシフェニルメチルカルビノールとし、さらにK2SO4触媒下に脱水させる方法が開示されている。しかしながらこの方法は、製造工程が多く、また脱水工程が低収率であるため、PACSの製造法としては満足できるものではない。【0004】また、特開平8−157410号公報には、パラ−ヒドロキシベンズアルデヒドを無水酢酸でアセチル化したパラ−アセトキシベンズアルデヒドを、亜鉛、無水酢酸の存在下にジブロモメタンと反応させる方法が開示されている。しかしながらこの方法は、高価で毒性の強いジブロモメタンを多量に用いる必要があるため、PACSの製造法として満足できるものではない。【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の方法では満足出来なかったPACSの製造法を提供することにある。すなわち、従来の問題点を解決し、経済性及び安全性に優れたPACSの製造法を提供することにある。【0006】【課題を解決するための手段】 本発明者らは、上述したような従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、パラ−第三級−ブトキシスチレンを、スルホン酸系触媒の存在下に無水酢酸と反応させることによりパラ−アセトキシスチレンが容易に製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。【0007】 即ち本発明は、パラ−第三級−ブトキシスチレンを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびNafion−NR50から選ばれるスルホン酸系触媒の存在下に無水酢酸と反応させることを特徴とするパラ−アセトキシスチレンの製造方法である。【0008】以下、本発明を詳細に説明する。【0013】 本発明においては、スルホン酸系触媒が有効であり、反応成績、経済性、安全性等を考慮すると、硫酸の使用が特に有効である。本発明の方法においては、上記した触媒を単独に又は混合物として使用することができる。【0014】本発明の方法において触媒の使用量については特に限定するものではないが、通常、パラ−第三級−ブトキシスチレンに対して10-4〜1.0倍モル程度の使用量が選ばれる。【0015】本発明の方法で用いる無水酢酸の量は、特に限定するものではないが、パラ−第三級−ブトキシスチレンに対し、1.0〜20.0モル比の範囲が好ましい。このモル比が1.0より小では、パラ−第三級−ブトキシスチレンの十分な転化率が得られない場合があり、20.0より大では、無水酢酸の量が著しく増加して経済的でない。【0016】本発明の反応は、無溶媒下で実施することができるが、溶媒の存在下に実施することもできる。【0017】本発明において反応温度は、特に限定するものではないが、通常は、−20℃〜100℃の条件下で実施される。【0018】反応終了後は、反応液にアルカリを加えて酸性触媒を中和後、さらに水洗して有機層を分離した後、これに第三級−ブチルカテコール等の重合禁止剤を添加して蒸留することにより、目的とするPACSを得る。【0019】【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の方法によれば、従来技術の問題点を解決して、パラ−アセトキシスチレンを経済性良く、安全に製造することが可能となる。【0020】【実施例】以下に、本発明の方法を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。【0021】実施例11Lフラスコに、無水酢酸255.3g(2.50mol)、硫酸0.98g(10mmol)を仕込み、50℃でパラ−第三級−ブトキシスチレン176.3g(1.00mol)を1時間かけて滴下した。さらに同温度で1時間熟成した。【0022】反応終了後、得られた反応液に水酸化ナトリウム水溶液(20mmol)を加えて硫酸を中和した。さらに飽和食塩水で洗浄後、得られた有機層に重合禁止剤を加えて減圧蒸留を行い、無色液体107.7g(収率66.4%)を得た。【0023】核磁気共鳴分析、質量分析による分析の結果、該無色液体はパラ−アセトキシスチレンであることを確認した。また、ガスクロマトグラフィーで分析した結果、パラ−アセトキシスチレンの純度は99.3%であった。【0024】(分析結果)▲1▼1H−NMR(CDCl3)δ(ppm)=2.30(s,3H),5.26(d,1H,J=11.0Hz),5.73(d,1H,J=17.6Hz),6.85(dd,1H,J=11.0,17.6Hz),7.04−7.11(m,2H),7.40−7.47(m,2H)▲2▼質量分析(m/z):162(m+)▲3▼元素分析実施例2100mlフラスコに、無水酢酸25.5g(0.25mol)、硫酸0.10g(1mmol)を仕込み、50℃でパラ−第三級−ブトキシスチレン17.6g(0.10mol)を3時間かけて滴下した。さらに同温度で1時間熟成した。【0025】反応終了後、得られた反応液に水酸化ナトリウム水溶液(2mmol)を加えて硫酸を中和した。さらに飽和食塩水で洗浄後、得られた有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、PACSが73.8%の収率で生成していた。反応結果を表1に示す。【0026】【表1】【0027】実施例3〜5実施例2で使用した硫酸0.10g(1mmol)に代えて、表1に示した触媒(1mmol)を用いた以外は、実施例2の方法に準じて反応を行った。反応結果を表1にあわせて示す。【0028】実施例6100mlフラスコに、無水酢酸25.5g(0.25mol)、アンバーリスト−15E (1.0g)を仕込み、50℃でパラ−第三級−ブトキシスチレン17.6g(0.10mol)を3時間かけて滴下した。さらに同温度で1時間熟成した。【0029】反応終了後、得られた反応液から触媒をろ別した後、得られた有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、PACSが51.2%の収率で生成していた。反応結果を表1にあわせて示す。【0030】実施例7実施例6で使用したアンバーリスト−15E (1.0g)に代えて、Nafion−NR50 (1.0g)を用いた以外は、実施例6の方法に準じて反応を行った。反応結果を表1にあわせて示す。 パラ−第三級−ブトキシスチレンを、硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸およびNafion(登録商標)−NR50から選ばれるスルホン酸系触媒の存在下に無水酢酸と反応させることを特徴とするパラ−アセトキシスチレンの製造方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る