タイトル: | 特許公報(B2)_硫酸エステルの製造方法 |
出願番号: | 1999052276 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C07C 303/24,C07C 305/06,C07C 305/08,C07C 305/10,C11D 1/14,C11D 1/29 |
山本 五郎 JP 4372883 特許公報(B2) 20090911 1999052276 19990301 硫酸エステルの製造方法 株式会社ADEKA 000000387 曾我 道治 100110423 池谷 豊 100071629 古川 秀利 100084010 鈴木 憲七 100094695 長谷 正久 100081916 望月 孜郎 100077975 山本 五郎 20091125 C07C 303/24 20060101AFI20091105BHJP C07C 305/06 20060101ALI20091105BHJP C07C 305/08 20060101ALI20091105BHJP C07C 305/10 20060101ALI20091105BHJP C11D 1/14 20060101ALI20091105BHJP C11D 1/29 20060101ALI20091105BHJP JPC07C303/24C07C305/06C07C305/08C07C305/10C11D1/14C11D1/29 C07C 303/00 C07C 305/00 C11D 1/00 CA/REGISTRY(STN) 特開平10−279553(JP,A) 特開平09−316047(JP,A) 特開昭60−161960(JP,A) 特開2000−038374(JP,A) 特開昭62−096458(JP,A) 特開昭59−193863(JP,A) 1 2000247947 20000912 8 20060110 前田 憲彦 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、ヒドロキシ化合物の硫酸エステルの製造方法に関する。【0002】【従来の技術】アルコールサルフェート、アルコールエーテルサルフェート、脂肪酸モノグリセライドサルフェート等に代表される硫酸エステル化合物は、アニオン性界面活性剤として、シャンプー、台所用洗剤、衣料用洗剤、住居用洗剤、化粧料等のトイレタリー製品を中心として非常に広範に使用されている。これらの硫酸エステル化合物は、ヒドロキシ化合物を常圧下、硫酸化剤によって硫酸化して製造されるのが通常である。ヒドロキシ化合物を硫酸化する硫酸化剤としては、濃硫酸、発煙硫酸、三酸化硫黄(無水硫酸)、クロロスルホン酸、スルファミン酸等が使用されている。これらの中でも今日において最もよく使用されている硫酸化剤は三酸化硫黄又はクロロスルホン酸である。【0003】【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの硫酸化剤を使用してヒドロキシ化合物を硫酸化するにはそれぞれ固有の問題があった。例えば、硫酸化剤として発煙硫酸を使用する場合は、硫酸エステルの収率自体はよいが、強酸性で且つ反応性の高い三酸化硫黄蒸気が大量に発生し、特殊な設備を備えた製造設備でしか製造することができなかった。これは、三酸化硫黄を硫酸化剤として使用する場合も同様で、三酸化硫黄は気体であるため、やはり特殊な気液反応装置でしか製造することができなかった。硫酸化剤として三酸化硫黄を使用する場合は更に生成物の色調が悪くなるという問題もあった。硫酸化剤としてクロロスルホン酸を使用する方法もある。クロロスルホン酸を使用する方法は、硫酸エステルの収率も良く、色調も優れた生成物が得られるが、副生成物として塩酸が発生し、やはり特殊な設備を備えた製造設備でしか製造することができなかった。【0004】又、これらの硫酸化剤を使用し、ヒドロキシ化合物としてエーテル鎖を有する化合物を硫酸化して硫酸エステルを製造する場合に共通する問題は、人体に対して害を与えるおそれがあるジオキサンが副生することである。硫酸エステルは上記のとおりアニオン性界面活性剤として人体に触れる用途に使用されることが多いため、ジオキサンが含まれていることは好ましいことではない。硫酸化剤としてスルファミン酸を使用すればこのような問題は無いが、スルファミン酸を使用した場合は硫酸エステルはアンモニウム塩の形でしか得ることができない。そこで本発明者は鋭意検討した結果、特殊な設備を使用しなくても容易に硫酸エステルを製造することができ、且つ、従来よりもジオキサンの生成量を抑えたヒドロキシ化合物の硫酸エステルの製造方法を開発した。【0005】【課題を解決するための手段】 即ち本発明は、モノオールにエチレンオキサイドを付加して得られるヒドロキシ化合物と硫酸から硫酸エステルを製造する方法であって、硫酸エステル化すべきヒドロキシ化合物中の水酸基1モルに対して0.5〜1.5モルの硫酸を、硫酸濃度が10〜99重量%の硫酸水溶液の状態で、200mmHg以下で反応させることを特徴とするヒドロキシ化合物の硫酸エステルの製造方法である。【0006】【発明の実施の形態】本発明の製造方法の原料であるヒドロキシ化合物としては、例えば、モノオール類、ポリアルキレングリコールモノエーテル類、ポリアルキレングリコールモノエステル類、ポリオール類、脂肪酸モノグリセライド類、糖類、エタノールアミド類等が挙げられる。【0007】モノオール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、イソペンチルアルコール、2−メチル−4−ペンタノール、ヘキサノール、2級ヘキサノール、イソヘキサノール、ヘプタノール、2級ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、2級オクタノール、イソオクタノール、ノナノール、2級ノナノール、1―デカノール、イソデシルアルコール、2級デカノール、ウンデカノール、2級ウンデカノール、2―メチルデカノール、ラウリルアルコール、2級ドデカノール、1―トリデカノール、イソトリデシルアルコール、2級トリデカノール、ミリスチルアルコール、2級テトラデカノール、ペンタデカノール、2級ペンタデカノール、セチルアルコール、パルミチルアルコール、2級ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、2級ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、2級オクタデカノール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、ミリシルアルコール、ラッセロール、テトラトリアコンタノール、アリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、2―ブチルオクタノール、2―ブチルデカノール、2―ヘキシルオクタノール、2―ヘキシルデカノール、2―ヘキシルドデカノール、2―オクチルデカノール、2―オクチルドデカノール、2−オクチルテトラデカノール、2−デシルドデカノール、2―デシルテトラデカノール、2−デシルヘキサデカノール、2−ドデシルテトラデカノール、2−ドデシルヘキサデカノール、2−ドデシルオクタデカノール、2−テトラデシルオクタデカノール、2−テトラデシルイコサノール、2―ヘキサデシルオクタデカノール、2−ヘキサデシルイコサノール等の脂肪族アルコール;フェノール、クレゾール、エチルフェノール、ターシャリブチルフェノール、ヘキシルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、デシルフェノール、ウンデシルフェノール、ドデシルフェノール、トリデシルフェノール、テトラデシルフェノール、フェニルフェノール、ベンジルフェノール、スチレン化フェノール、p−クミルフェノール等のフェノールが挙げられる。【0008】ポリアルキレングリコールモノエーテル類としては、上記モノオールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、長鎖α−オレフィンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したものが挙げられる。具体的には例えば、ポリオキシエチレンモノオクチルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンモノオクチルエーテル、ポリオキシエチレンモノデシルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンモノデシルエーテル、ポリオキシエチレンモノラウリルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンモノラウリルエーテル、ポリオキシエチレンモノミリスチルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンモノミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンモノパルミチルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンモノパルミチルエーテル、ポリオキシエチレンモノステアリルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンモノステアリルエーテル、ポリオキシエチレンモノオレイルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンモノオレイルエーテル、ポリオキシエチレンモノヤシアルキルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンモノヤシアルキルエーテル、ポリオキシエチレンモノパームアルキルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンモノパームアルキルエーテル、ポリオキシエチレンモノ牛脂アルキルエーテル、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンモノ牛脂アルキルエーテル等が挙げられる。【0009】ポリアルキレングリコールモノエステル類としては、脂肪酸にアルキレンオキサイドを付加したものや、ポリアルキレングリコールと脂肪酸をエステル化反応させたもの等が挙げられる。具体的には例えば、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレン/ポリプロピレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールミリステート、ポリエチレン/ポリプロピレングリコールモノミリステート、ポリエチレングリコールパルミテート、ポリエチレン/ポリプロピレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレン/ポリプロピレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレン/ポリプロピレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールモノヤシ脂肪酸エステル、ポリエチレン/ポリプロピレングリコールモノヤシ脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールモノパーム脂肪酸エステル、ポリエチレン/ポリプロピレングリコールモノパーム脂肪酸エステルラウレート、ポリエチレングリコールモノ牛脂脂肪酸エステル、ポリエチレン/ポリプロピレングリコールモノ牛脂脂肪酸エステル等が挙げられる。【0010】ポリオール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、イソプレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ソルバイト、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、ダイマージオール等のジオール;グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタントリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、エリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール、ジグリセリン、ソルビタン等の4価アルコール;アドニトール、アラビトール、キシリトール、トリグリセリン等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、イジトール、イノシトール、ダルシトール、タロース、アロース等の6価アルコール;蔗糖等の8価アルコール、又はこれらの脱水縮合物等が挙げられる。【0011】脂肪酸モノグリセライドとしては、例えば、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート、グリセリンモノヤシ脂肪酸エステル、グリセリンモノパーム脂肪酸エステル、グリセリンモノ牛脂脂肪酸エステル等が挙げられる。【0012】糖類としては、例えば、エリスロース、スレオース、エリスルロース等のテトロース;リボース、アラビノース、キシロース、リクソース、キシルロース、リブロース等のペントース;アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、ギューロース、イドース、ガラクトース、タロース、フラクトース、ソルボース、プシコース、タガトース等のヘキソース等の単糖類;マルトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、メリビオース、ラクトース、ツラノース、トレハロース、サッカロース(ショ糖)、マンニノトリオース、セロトリオース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース、セロテトロース、スタキオース等のオリゴ糖類が挙げられる。又、その他の糖類、例えばヘプトース、デオキシ糖、アミノ糖、チオ糖、セレノ糖、アルドン酸、ウロン酸、糖酸、アスコルビン酸、ケトアルドン酸、アンヒドロ糖、不飽和糖、糖エステル、糖エーテル、グリコシド等でもよく、デンプン、グリコーゲン、セルロース等の多糖類を加水分解したものでもよい。【0013】エタノールアミド類としては、モノエタノールアミン又はジエタノールアミンの脂肪酸アミドや、これに更にアルキレンオキサイドを付加したもの等が挙げられる。具体的には例えば、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、ラウリン酸ジエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、ミリスチン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、ミリスチン酸ジエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、パルミチン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸ジエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、パルミチン酸ジエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、ステアリン酸ジエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、オレイン酸モノエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、オレイン酸モノエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、オレイン酸ジエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、ヤシ脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ヤシ脂肪酸モノエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、パーム脂肪酸モノエタノールアミド、パーム脂肪酸ジエタノールアミド、パーム脂肪酸モノエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、パーム脂肪酸ジエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、牛脂脂肪酸モノエタノールアミド、牛脂脂肪酸ジエタノールアミド、牛脂脂肪酸モノエタノールアミドエチレンオキサイド付加物、牛脂脂肪酸ジエタノールアミドエチレンオキサイド付加物等が挙げられる。【0014】本発明の硫酸エステルの製造方法は、これらのヒドロキシ化合物を原料として、硫酸化剤として硫酸水溶液を使用し、減圧状態において反応に伴って生成する水分及び反応系内に存在する水分を除去しつつ反応を行い、ヒドロキシ化合物の硫酸エステルを製造するものである。従って、反応中にこれらの水分を十分に系外に除去できるように減圧状態を維持することが必要である。ヒドロキシ化合物と反応させる硫酸は、その濃度が10〜99重量%の水溶液であり、好ましくは30〜80重量%の水溶液である。その濃度が10重量%未満であると、反応そのものは進行するが、系内に発生乃至存在する水分を除去するための熱量が大量に消費され、エネルギー的に効率が悪い。又、99重量%を超えると、特に100重量%以上では発煙硫酸となるので、特殊な設備を必要とするため好ましくない。ヒドロキシ化合物と硫酸の反応比は、硫酸エステル化しようとするヒドロキシ化合物の水酸基1モルに対して、0.5〜1.5モル、好ましくは0.8〜1.2モルである。硫酸の量がこの範囲を下回ると、硫酸エステル化の効率が悪くなり、反応に長時間を要すると共に反応収率が低下する。この範囲を上回ると、やはり硫酸エステル化の効率が悪く、又、副生するジオキサンの量が増加してしまう。【0015】ヒドロキシ化合物と硫酸の反応は、減圧下で行われる。減圧度が小さいと反応系内に発生乃至存在する水分を除去する速度が遅くなり、その結果反応の進行が遅れ、反応効率が良くなくなるので、圧力は200mmHg以下が好ましく、50mmHg以下がより好ましい。ヒドロキシ化合物と硫酸の反応温度は特に制限されないが、あまり温度が低いと減圧下でも水分を除去する速度が遅くなり、その結果反応の進行が遅れ、反応効率が良くなくなる。又、あまり温度が高いと生成物が着色したり、副生するジオキサンの量が増加するので、好ましい反応温度は−20〜100℃、より好ましくは0〜80℃、最も好ましくは10〜70℃である。従来の発煙硫酸やクロルスルホン酸を硫酸化剤として使用する方法では、非常に腐食性の強い気体が発生するため、反応槽以外の製造設備も耐腐食性に優れた特殊な合成樹脂製にするか、或いはこのような樹脂、ガラス等を内側にライニングした設備のような特殊な且つ高価な製造設備としなければならなかった。しかし、本発明の方法ではこのような特殊な製造設備は必要無く、反応槽のみを耐腐食性樹脂やガラスを内側にライニングしたものを使用するだけで済む。【0016】このようにして得られる硫酸エステルは、通常、その後塩基で中和される。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、(イソ)プロピルアミン、ジ(イソ)プロピルアミン、モノエタノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−エチルモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、アミノエチルエタノールアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン等が挙げられる。【0017】本発明の製造方法により製造された硫酸エステルは、アニオン性界面活性剤として使用することができ、主に洗浄剤に配合して使用することができる。洗浄剤としては例えばヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアーコンディショナー、ヘアートリートメント、ボディシャンプー、台所用洗剤、食器用洗浄剤、衣服用洗剤、住居用洗剤、金属表面洗浄剤、樹脂成形品用洗浄剤等が挙げられる。その他、化粧品や医薬品に配合して使用することができる。【0018】【実施例】 以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の実施例中、部及び%は特に記載が無い限り重量基準である。なお、製造例2及び製造例3は、参考例である。【0019】(製造例1)減圧排気装置を備えたガラスライニングステンレス製の反応槽に、ラウリルアルコールエチレンオキサイド3モル付加物を1モルと、1.1モルの硫酸を含有する硫酸濃度50%の硫酸水溶液を仕込んだ。温度20〜30℃、圧力5〜50mmHgで4時間エステル化反応を行い、目的物を得た。JIS−K−3362による石油エーテル可溶分は2.5%であった。又、エプトン法により硫酸エステル分を測定した。その結果、硫酸を基準にした転化率は96%であった。又、ガスクロマトグラフィーによりジオキサンの含有量を測定したところ、4.5ppmであった。得られた硫酸エステルを水酸化ナトリウム水溶液で中和し、25%水溶液に調整して色調を測定したところ、ガードナーでNo.1であった。【0020】(比較例1)反応槽に、ラウリルアルコールエチレンオキサイド3モル付加物を1モルと、クロロスルホン酸1.1モルを仕込んだ。温度30〜40℃、常圧で20分間反応を行い、目的物を得た。JIS−K−3362による石油エーテル可溶分は2.7%であった。又、エプトン法により硫酸エステル分を測定した。その結果、硫酸を基準にした転化率は96%であった。又、ガスクロマトグラフィーによりジオキサンの含有量を測定したところ、210ppmであった。得られた硫酸エステルを水酸化ナトリウム水溶液で中和し、25%水溶液に調整して色調を測定したところ、ガードナーでNo.1であった。製造例1に示すように、本発明の方法によれば、反応転化率、色調等の品質が比較例1に示すような従来の方法と同等であり、且つジオキサンの含有量が非常に少ないヒドロキシ化合物の硫酸エステルが得られる。【0021】(製造例2)減圧排気装置を備えたガラスライニングステンレス製の反応槽に、ラウリルアルコールを1モルと、1.1モルの硫酸を含有する硫酸濃度50%の硫酸水溶液を仕込んだ。温度40〜60℃、圧力5〜50mmHgで4時間エステル化反応を行い、目的物を得た。JIS−K−3362による石油エーテル可溶分は3.5%であった。又、エプトン法により硫酸エステル分を測定した。その結果、硫酸を基準にした転化率は94%であった。得られた硫酸エステルを水酸化ナトリウム水溶液で中和し、25%水溶液に調整して色調を測定したところ、ガードナーでNo.2であった。【0022】(製造例3)減圧排気装置を備えたガラスライニングステンレス製の反応槽に、グリセリンモノラウレートを1モルと、1.1モルの硫酸を含有する硫酸濃度50%の硫酸水溶液を仕込んだ。温度50〜60℃、圧力5〜50mmHgで4時間エステル化反応を行い、目的物を得た。JIS−K−3362による石油エーテル可溶分は4.2%であった。又、エプトン法により硫酸エステル分を測定した。その結果、得られた反応生成物はグリセリンモノラウレートの水酸基の1個がエステル化されたモノ硫酸エステルを主成分とするもので、硫酸を基準にした転化率は92%であった。得られた硫酸エステルを水酸化ナトリウム水溶液で中和し、25%水溶液に調整して色調を測定したところ、ガードナーでNo.1であった。【0023】【発明の効果】本発明の効果は、特殊な設備を使用しなくても容易に硫酸エステルを製造することができ、且つ、従来よりもジオキサンの生成量を抑えたヒドロキシ化合物の硫酸エステルの製造方法を提供したことにある。 モノオールにエチレンオキサイドを付加して得られるヒドロキシ化合物と硫酸から硫酸エステルを製造する方法であって、ヒドロキシ化合物中の硫酸エステル化すべき水酸基1モルに対して0.5〜1.5モルの硫酸を、硫酸濃度が10〜99重量%の硫酸水溶液の状態で、200mmHg以下で反応させることを特徴とするヒドロキシ化合物の硫酸エステルの製造方法。