生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_イソシアネートのブロック体の製造方法
出願番号:1999036829
年次:2009
IPC分類:C07C 263/16,C07C 265/04,C07C 269/06,C07C 271/20,C08G 18/80


特許情報キャッシュ

二上 優人 吉田 透 JP 4228450 特許公報(B2) 20081212 1999036829 19990216 イソシアネートのブロック体の製造方法 昭和電工株式会社 000002004 柿沼 伸司 100118740 二上 優人 吉田 透 20090225 C07C 263/16 20060101AFI20090205BHJP C07C 265/04 20060101ALI20090205BHJP C07C 269/06 20060101ALI20090205BHJP C07C 271/20 20060101ALI20090205BHJP C08G 18/80 20060101ALN20090205BHJP JPC07C263/16C07C265/04C07C269/06C07C271/20C08G18/80 C07C 263/16 C07C 265/04 C07C 269/06 C07C 271/20 C08G 18/80 国際公開第98/014425(WO,A1) 英国特許第01322971(GB,B) 特開昭48−092697(JP,A) 特開平08−199200(JP,A) 特開平11−116658(JP,A) 9 2000239249 20000905 8 20050407 山田 泰之 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、各種コーティング剤、接着剤、成形材料の原料モノマーとして好適なエチレン性不飽和基含有イソシアネートのブロック体の製造方法に関するものである。更に詳しくは、工業的生産において重合等による副生物の生成を回避し、高純度のエチレン性不飽和基含有イソシアネートのブロック体の製造方法に関するものである。【0002】【従来の技術】従来、イソシアネート基を亜硫酸( 水素塩) としてブロックする方法としては、イソシアネート基含有化合物をジオキサン等の溶媒に溶解し、亜硫酸( 水素塩) の水溶液を添加する方法が知られている。また、エチレン性不飽和基含有イソシアネートの例では、英国特許1322971号公報で、エチレン性不飽和基含有イソシアネートをジオキサンに溶解し、反応器を冷却しつつ、低温にて亜硫酸水素塩の水溶液を直接添加し、該イソシアネートの亜硫酸水素塩によるブロック体を生成させ、凍結乾燥法により単離精製する方法が提案されている。【0003】【発明が解決しようとする課題】英国特許1322971号公報に提案されている、エチレン性不飽和基含有イソシアネートに直接亜硫酸水素塩の水溶液を添加しエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸水素塩によるブロック体を製造する方法では、反応する際に大きい反応熱が生じるため、反応液を冷却する必要が有り、また、この反応熱によりエチレン性不飽和基の重合等による副生物の生成が避けられず、工業的な生産には大きな妨げになっている。また、該公報によれば、精製法について凍結乾燥法による精製が示されているが、この方法ではイソシアネート基と水との反応で生成する尿素型の架橋性モノマーが除去されないため、該ブロック体をモノマーとして使用する際に、得られるポリマーにゲル化等の悪影響が生じる。工業的生産には有利な精製法とはいえない。【0004】そこで、本発明は、エチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体を製造する際に、反応熱の発生がほとんどなくその結果重合物が副生しない反応方法と、尿素型の架橋性モノマーなどの不純物を簡便に除くことができる精製方法とからなる高純度のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体の製造方法を提供することを課題とする。【0005】【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために鋭意検討した結果、工業的生産において重合等による副生物を生成せず、安全かつ簡便で、高純度のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体を得るのに有用な製造方法を完成するに至った。【0006】すなわち、本発明は以下の発明に関する。[1]ケトンまたはアルデヒドの亜硫酸( 水素塩) 付加物に、エチレン性不飽和基含有イソシアネートを反応させることを特徴とするエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体の製造方法。[2]ケトンまたはアルデヒドと、亜硫酸( 水素塩) またはメタ重亜硫酸塩とを反応させ、ついでエチレン性不飽和基含有イソシアネートを反応させることを特徴とするエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体の製造方法。[3]ケトンまたはアルデヒドの亜硫酸( 水素塩) 付加物が、亜硫酸( 水素塩) またはメタ重亜硫酸塩と、ケトンまたはアルデヒドとの反応により得られる付加物である[1]に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体の製造方法。[4]亜硫酸( 水素塩) またはメタ重亜硫酸塩が、亜硫酸水素・アルカリ金属塩またはメタ重亜硫酸・アルカリ金属塩である[2]または[3]に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体の製造方法。[5]ケトンまたはアルデヒドが下記一般式( I) 、【化1】( 式中、R1 、R2 は水素または炭素数1〜4個の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を表し、またはR1 とR2 とが結合しても構わない。但しR1 、R2 は同時に水素原子を表さない。) で示される化合物である[1]〜[4]に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体の製造方法。[6]ケトンまたはアルデヒドが、アセトンまたはメチルエチルケトンである[5]に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体の製造方法。[7]エチレン性不飽和基含有イソシアネートが、下記一般式(II)【化2】( 式中、R3 は水素原子またはメチル基を示し、Xは炭素数2〜6個の直鎖状または分岐鎖状の2価アルキル基、または−R4 −OCONH−R5 −(R4 は炭素数2〜6個の直鎖状または分岐鎖状の2価アルキル基を表し、R5 はジイソシアネート化合物の残基を表す。) を表す。) で示される化合物である[1]〜[6]に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体の製造方法。[8]エチレン性不飽和基含有イソシアネートが、2−イソシアナトエチル( メタ) アクリレートである[7]に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体の製造方法。[9]反応終了後、水混和性の有機溶媒を加え固体として単離することを特徴とする[1]〜[8]に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体の製造方法。[10]重合物および架橋性モノマーを実質的に含有しないことを特徴とするエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体。【0007】【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。本発明における、「亜硫酸( 水素塩) 」は「亜硫酸」または「亜硫酸水素塩」を表し、「( メタ) アクリ」は「メタクリ」または「アクリ」を表す。本発明によれば、エチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体は、反応容器にケトンまたはアルデヒドの亜硫酸( 水素塩) 付加物の水溶液を仕込み、攪拌下、反応熱が発生しないので冷却することなく、常温でエチレン性不飽和基含有イソシアネートを添加することにより得ることができる。【0008】亜硫酸( 水素塩) またはメタ重亜硫酸塩と、ケトンまたはアルデヒドとの反応は、例えば、好ましくは亜硫酸( 水素塩) またはメタ重亜硫酸塩をあらかじめ水に溶解させた後、ケトンまたはアルデヒドを分割または連続的に添加する方法で実施される。亜硫酸( 水素塩) としては、亜硫酸水素のナトリウム塩やカリウム塩、またメタ重亜硫酸塩としては、メタ重亜硫酸のナトリウム塩やカリウム塩のようなアルカリ金属塩が好ましい。また、亜硫酸( 水素塩) またはメタ重亜硫酸塩の水溶液濃度は、生成するケトンまたはアルデヒドとの亜硫酸( 水素塩) 付加物の溶解度の関係から10〜50重量%が好ましい。また、亜硫酸( 水素塩) またはメタ重亜硫酸塩と、ケトンまたはアルデヒドとの反応により液温が上昇するので、室温付近から反応を開始し、冷却下、0. 5〜5時間反応させるのが好ましい。【0009】ケトンまたはアルデヒドとしては、前記一般式( I) で表されるケトンまたはアルデヒドが適当であるが親水性を有するものが好ましく、具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、2−ヘキサノン、シクロヘキサノン等のケトン類、また、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルデヒド類が挙げられる。得られるケトンまたはアルデヒドの亜硫酸( 水素塩)付加物の水への溶解性や続くエチレン性不飽和基含有イソシアネートとの反応性の観点からアセトンまたはメチルエチルケトンが特に好ましい。【0010】上記ケトンまたはアルデヒドの配合量としては、亜硫酸( 水素塩)またはメタ重亜硫酸塩1当量に対して0.2〜5当量であり、好ましくは1〜2当量である。1当量より低い場合、ケトンまたはアルデヒドとの亜硫酸( 水素塩) 付加物の生成が不十分となり、続くエチレン性不飽和基含有イソシアネートとの反応でフリーに存在する亜硫酸( 水素塩)とイソシアネート基とが直接反応するため、その反応熱によるエチレン性不飽和基の重合等の副生物が生成するので、工業的生産に適さない。また、2当量、特に5当量より多く配合すると、続くエチレン性不飽和基含有イソシアネートとの反応に悪影響を及ぼすので好ましくない。これらのケトンまたはアルデヒドは1種類、または2種類以上を同時に使用可能である。また、活性水素を有しない他の親水性の有機溶媒を併用することもできる。【0011】エチレン性不飽和基含有イソシアネート( 以下「イソシアネート 」ともいう。) と、ケトンまたはアルデヒドの亜硫酸( 水素塩) 付加物との反応は、ケトンまたはアルデヒドの亜硫酸( 水素塩) 付加物の生成反応に続き、エチレン性不飽和基含有イソシアネートをケトンまたはアルデヒドの亜硫酸( 水素塩) 付加物の溶液へ添加し連続的に行うのが好ましい。エチレン性不飽和基含有イソシアネートの添加方法としては、一括あるいは連続的に添加する何れの方法でも良いが、不純物の生成を抑制する観点から連続的に供給することが好ましい。この時、ケトンまたはアルデヒドとの亜硫酸( 水素塩)付加物が完全溶解していることが好ましいが、完全溶解していなくても反応の進行に連れて溶解するような系も可能である。反応温度としては、0〜50℃、好ましくは10〜30℃である。反応中冷却の必要はなく、反応開始前にケトンまたはアルデヒドの亜硫酸( 水素塩) 付加物の水溶液を所望の温度まで冷却しておけばよい。反応時間は、0. 5〜10時間反応させるのが好ましい。【0012】エチレン性不飽和基含有イソシアネート化合物としては、具体例としては、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、2−イソシアナト−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナト−1,1−ジメチルエチル(メタ)アクリレート、4−イソシアナトシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(ここでアルキルとしてはエチル、n−プロピルが好ましく、エチルが特に好ましい。)とジイソシアネート化合物の1:1反応生成物も使用できる。ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(通称TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(同MDI)、3,5,5−トリメチル−3−イソシアナトメチルシクロヘキシルイソシアネート(同IPDI)、m−またはp−キシレンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、リジンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中で、工業的に有用な2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。【0013】イソシアネートの配合量としては、亜硫酸( 水素塩) またはメタ重亜硫酸塩1当量に対して1〜3当量であり、好ましくは1〜1.5当量である。1当量より低い場合、過剰量の亜硫酸( 水素塩)またはケトンまたはアルデヒドとの亜硫酸( 水素塩) 付加物が未反応のまま残り、製品の安定性に悪影響を及ぼす。また、必要以上に添加しても、イソシアネート基と水との反応で生成する尿素型の架橋性モノマーが多くなるに過ぎず、経済的にも好ましくない。【0014】本反応には、重合防止剤を使用することができる。エチレン性不飽和基またはイソシアネート基に起因する重合を防止でき、且つ本反応に悪影響をおよぼさない薬剤が使用可能である。例えば、重合防止剤としてジーt- ブチル-p- クレゾール(BHT)、p−メトキシフェノール、フェノチアジン等が挙げられる。【0015】上記の方法にて得られたエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体( 以下「ブロック体」ともいう。) の反応液は、そのまま重合反応等に使用可能であるが、未反応のイソシアネートやイソシアネート基と水との反応で生成する尿素型の架橋性モノマー等の不純物により、使用に際してゲル化等の問題が生じる場合があるので、精製工程を設けることが好ましい。【0016】精製方法としては、ブロック体と取り除くべき不純物との溶媒に対する溶解度の差を利用する方法が適用できる。例えば、反応液から疎水性の有機溶媒にてこれらの不純物を抽出する方法、あるいは水混和性の有機溶媒を反応完了液に添加してブロック体を固体として単離する方法が適用できるが、高純度品が得られる点で後者が好ましい。【0017】水混和性の有機溶媒としては、活性水素を有しないものが好ましく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトニルアセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、(ジ)エチレングリコールエチルエーテルアセテート等のエーテル類、アセトニトリル等が挙げられる。これらの有機溶媒は、1種類または2種類以上を同時に使用可能である。使用量としては、反応液に対して5〜30容量倍用いるのがよく、添加方法については任意に行うことができる。析出したブロック体は、濾過または遠心分離等の周知の方法で単離し、減圧乾燥して得ることができる。得られるブロック体は重合物および架橋性モノマーを実質的に含有せず、重合物および架橋性モノマーの両副生物とも0.1wt%以下である。【0018】【実施例】以下、実施例を示すことにより、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。<液体クロマトグラフ測定条件>カラム:SHODEX DM−614(昭和電工( 株) 製)溶離液:0. 1wt%リン酸水溶液検出器:示差屈折率計【0019】(実施例1)攪拌装置、滴下漏斗、還流冷却管、温度計を備えた4ツ口のフラスコに、メタ重亜硫酸ナトリウム20g( 0. 105mol 、SO2 として0. 21mol)、p-メトキシフェノール0. 03g、及びイオン交換水32gを仕込み室温にて溶解させた。攪拌下、アセトン12. 8g(0.22mol )を加え56℃にて1時間反応させ、アセトンの亜硫酸水素ナトリウム付加物を得た。この溶液を15℃まで水浴で冷却し、冷却完了後水浴をのぞいた。攪拌下、2−イソシアナトエチルメタクリレート( 昭和電工( 株) 製カレンズMOI) 34.3g(0.22mol )を2時間かけて滴下し、その後1時間反応を継続し、2−イソシアナトエチルメタクリレートの亜硫酸水素ナトリウムによるブロック体水溶液を得た。反応後、溶液の温度は15℃であり、液体クロマトグラフ( 以下「LC」という。) 分析の結果、ブロック体の純度は97wt%であり、重合物は0.1wt%以下であった。【0020】(実施例2)実施例1で得られたブロック体水溶液にアセトン970gとエチレングリコールエチルエーテルアセテート30gの混合液を加え固体を析出させた。得られた固体を濾過、減圧乾燥し、2−イソシアナトエチルメタクリレートの亜硫酸水素ナトリウムによるブロック体粉末48.7gを得た。LC分析の結果、得られたブロック体の純度は99. 5wt%であり、重合物や尿素型の架橋性モノマーは何れも0.1wt%以下であった。【0021】(実施例3)攪拌装置、滴下漏斗、還流冷却管、温度計を備えた4ツ口のフラスコに、33wt%亜硫酸水素ナトリウム水溶液66. 3g( SO2 として0.21mol)、p-メトキシフェノール0. 03gを仕込み、攪拌下、メチルエチルケトン15. 9g( 0.22mol)を加え60℃にて1時間反応させ、メチルエチルケトンの亜硫酸水素ナトリウム付加物を得た。この溶液を20℃まで水浴で冷却し、冷却完了後水浴をのぞいた。攪拌下、2−イソシアナトエチルメタクリレート34. 3g( 0.22mol)を1時間かけて滴下し、その後1時間反応を継続し、2−イソシアナトエチルメタクリレートの亜硫酸水素ナトリウムによるブロック体水溶液を得た。反応後の溶液の温度は20℃であった。なお、LC分析の結果、ブロック体の純度は96wt%であり、重合物は0.1wt%以下であった。【0022】(実施例4)2−イソシアナトエチルメタクリレートの代わりに2−イソシアナトエチルアクリレート35. 6g( 0.25mol)を用いた以外は実施例1と同様に反応させ、2−イソシアナトエチルアクリレートの亜硫酸水素ナトリウムによるブロック体水溶液を得た。なお、LC分析の結果、ブロック体の純度は96wt%であり、重合物は0. 1wt%以下であった。【0023】(実施例5)2−イソシアナトエチルメタクリレートの代わりに2−ヒドロキシエチルメタクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートの1:1反応生成物75. 2g( 0.25mol)を用いた以外は実施例1と同様に反応させ、対応するブロック体水溶液を得た。【0024】(比較例1)攪拌装置、滴下漏斗、還流冷却管、温度計を備えた4ツ口のフラスコに、33wt%亜硫酸水素ナトリウム水溶液66. 3g( SO2 として0.21mol)、p-メトキシフェノール0. 03gを仕込み、攪拌下、10℃にて2−イソシアナトエチルメタクリレート34. 3g( 0.22mol)とジオキサン20gの混合液を加えた。反応は直ちに開始し、約5分で反応温度が48℃に達した。反応終了後、得られたブロック体水溶液は粘調であり、不溶性のゲルも一部生成していた。LC分析の結果、ブロック体の純度は90wt%であり、重合物は8wt%であった。【0025】(比較例2)比較例1で、亜硫酸水素ナトリウム水溶液に、2−イソシアナトエチルメタクリレート34. 3gとジオキサン20gの混合液を10℃に保ちながら1時間かけて滴下した。反応終了後、得られたブロック体水溶液中には重合物は検出されなかったが、亜硫酸水素ナトリウムがイソシアネート基とメタクリル基に2モル反応した不純物の生成により、ブロック体の純度としては50wt%と低いものであった。【0026】【発明の効果】本発明により、高品質のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸( 水素塩) によるブロック体を工業的に簡便に製造することが可能となった。 ケトンまたはアルデヒドの亜硫酸(水素塩)付加物に、エチレン性不飽和基含有イソシアネートを反応させることを特徴とするエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸(水素塩)によるブロック体の製造方法。 ケトンまたはアルデヒドと、亜硫酸(水素塩)またはメタ重亜硫酸塩とを反応させ、ついでエチレン性不飽和基含有イソシアネートを反応させることを特徴とするエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸(水素塩)によるブロック体の製造方法。 ケトンまたはアルデヒドの亜硫酸(水素塩)付加物が、亜硫酸(水素塩)またはメタ重亜硫酸塩と、ケトンまたはアルデヒドとの反応により得られる付加物である請求項1に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸(水素塩)によるブロック体の製造方法。 亜硫酸(水素塩)またはメタ重亜硫酸塩が、亜硫酸水素・アルカリ金属塩またはメタ重亜硫酸・アルカリ金属塩である請求項2または3に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸(水素塩)によるブロック体の製造方法。 ケトンまたはアルデヒドが下記一般式(I)、 R1−CO−R2 (I)(式中、R1、R2は水素または炭素数1〜4個の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を表し、またはR1とR2とが結合しても構わない。但しR1、R2は同時に水素原子を表さない。)で示される化合物である請求項1ないし4のいずれかに記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸(水素塩)によるブロック体の製造方法。 ケトンまたはアルデヒドが、アセトンまたはメチルエチルケトンである請求項5に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸(水素塩)によるブロック体の製造方法。 エチレン性不飽和基含有イソシアネートが、下記一般式(II) CH2=C(R3)−COO−X−NCO (II)(式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Xは炭素数2〜6個の直鎖状または分岐鎖状の2価アルキル基、または−R4−OCONH−R5−(R4は炭素数2〜6個の直鎖状または分岐鎖状の2価アルキル基を表し、R5はジイソシアネート化合物の残基を表す。)を表す。)で示される化合物である請求項1ないし6のいずれかに記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸(水素塩)によるブロック体の製造方法。 エチレン性不飽和基含有イソシアネートが、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレートである請求項7に記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸(水素塩)によるブロック体の製造方法。 反応終了後、水混和性の有機溶媒を加え固体として単離することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のエチレン性不飽和基含有イソシアネートの亜硫酸(水素塩)によるブロック体の製造方法。


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