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タイトル:特許公報(B2)_ラテックスのカルボニル基の定量方法
出願番号:1999029990
年次:2007
IPC分類:G01N 31/00


特許情報キャッシュ

山内 豊昭 高野橋 寛朗 中林 亮 JP 3967026 特許公報(B2) 20070608 1999029990 19990208 ラテックスのカルボニル基の定量方法 旭化成ケミカルズ株式会社 303046314 山内 豊昭 高野橋 寛朗 中林 亮 20070829 G01N 31/00 20060101AFI20070809BHJP JPG01N31/00 V G01N 31/00-31/22 G01N 21/75-21/83 G01N 21/00-21/01、21/17-21/61 JSTPlus(JDream2) 特開平2−22558(JP,A) 特開平7−55792(JP,A) 特開平10−132802(JP,A) 特開2000−227427(JP,A) 5 2000227426 20000815 13 20060202 白形 由美子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、カルボニル基を含有するラテックスのカルボニル基の新規な定量方法に関する。【0002】【従来の技術】化合物中のカルボニル基量を定量する方法としては、ヒドロキシルアミンで直接定量する方法、カールフィッシャー法、ジニトロフェニルヒドラジンによる比色定量法、銀化合物による定量法、メチルベンゾチアゾロン−ヒドラゾン定量法、クロモトローブ酸による方法、紫外線吸収による定量法、赤外線吸収による定量法が挙げられる。近年、コーティング分野などにおいて有機溶剤系から水系への転換素材としてラテックスが利用される傾向にある。その際、塗膜の耐水性向上などのためにカルボニル基が利用されることがある。【0003】しかし、ラテックス中には、カルボニル基以外にカルボン酸などの他の官能基が共存することが多く、カルボニル基のみを精度良く定量することは従来困難であった。【0004】【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、カルボニル基を有するラテックスについて、ラテックス中のカルボニル基の分布が定量できる簡便な技術を提供することにある。特にラテックス粒子にカルボニル基以外の基例えばカルボン酸基などが存在する場合、もしくはラテックスに各種の不純物などが混在している場合などであってもラテックスのカルボニル基を精度良く定量できる定量方法を提供することを課題とする。【0005】さらには、ラテックス中でカルボニル基が分布を有している場合、すなわち、水相部、ラテックス粒子表面部、ラテックス粒子内部などでカルボニル基量が異なる場合に、各部分におけるカルボニル基の分布を精度良くかつ簡便に把握できる方法を提供することを課題とする。【0006】【課題を解決するための手段】発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ラテックスのカルボニル基を直接定量するのではなく、カルボニル基に他の化合物を反応せしめ、定量しやすい物質に変換することにより、従来、不純物が混在する場合に定量が難しかったラテックスのカルボニル基を、精度良く定量することができることを見いだし、本発明に到達した。【0007】即ち本発明の第1は、カルボニル基を含有するラテックスに、該ラテックス中のカルボニル基と反応しうる化合物(A)を該カルボニル基に対して過剰当量添加して該カルボニル基と反応させ、次いで、該化合物(A)と反応しうる化合物(B)を未反応の該化合物(A)に対して過剰当量添加して該未反応の化合物(A)と反応せしめて化合物(C)を生成せしめたのち、該化合物(C)を定量する、前記カルボニル基を有するラテックスのカルボニル基の定量方法である。【0008】発明の第2は、化合物(A)が水溶性第1級アミン化合物の酸性塩であり、化合物(B)がケトン化合物またはアルデヒド化合物であり、化合物(C)が該酸性塩由来の酸である発明の第1に記載の定量方法である。発明の第3は、水溶性第1級アミン化合物の酸性塩を添加してカルボニル基と反応せしめたのち、ラテックスのpHを2〜10に調整し、および水溶性第1級アミン化合物の酸性塩由来の酸の定量を、ラテックスのpHをケトン化合物若しくはアルデヒド化合物の添加前のpHとするのに要する塩基の量として測定する発明の第2記載の定量方法である。【0009】発明の第4は、化合物(A)が水溶性第1級アミン化合物であり、化合物(B)がケトン化合物またはアルデヒド化合物であり、化合物(C)がオキシム化合物である発明の第1に記載の定量方法である。発明の第5は、カルボニル基を有するラテックスに対し、下記の工程▲1▼〜▲6▼の少なくとも一種を行って、ラテックス各部分のカルボニル基量を計算する、カルボニル基を有するラテックスのカルボニル基分布の定量方法である。【0010】▲1▼ ラテックスに対し、発明の第1ないし4に記載のいずれかの方法でカルボニル基量Aを定量する。▲2▼ ラテックスを溶解せしめたあと、発明の第1ないし4に記載のいずれかの方法で全カルボニル基量Bを定量する。▲3▼ ラテックスに対して過剰の乳化剤を添加混合し、次に固液分離し、発明の第1ないし4に記載のいずれかの方法で、水相部分のカルボニル基量Cを定量する。【0011】▲4▼ ラテックスに対して過剰の乳化剤を添加混合し、次に固液分離し、発明の第1ないし4に記載のいずれかの方法で、固相部分のカルボニル基量Dを定量する。▲5▼ ラテックスに対して過剰の乳化剤を添加混合し、次に固液分離したあと、固相部分を溶解せしめ、発明の第1ないし4に記載のいずれかの方法で、カルボニル基量Eを定量する。【0012】▲6▼ ラテックスをそのまま固液分離し、発明の第1ないし4に記載のいずれかの方法で、水相部分のカルボニル基量Fもしくは固相部分のカルボニル基量Gを定量する。以下、本発明について詳細に説明する。本発明の定量方法では、まず、カルボニル基を有するラテックスに、該ラテックス中のカルボニル基と反応しうる化合物(A)を該カルボニル基に対して過剰当量添加して、カルボニル基の全量と反応させる。【0013】カルボニル基を有するラテックスとしては、分子中に少なくとも1個のケト基および/又はアルド基を含有するラテックスであれば良い。ラテックスとしては、スチレンブタジエンラテックス、NBRラテックス、塩化ビニリデン系ラテックス、ウレタンラテックス、酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル、酢酸ビニル−VeoVaラテックス等の酢酸ビニル系ラテックス、スチレン−アクリル系ラテックス、オールアクリル系ラテックス、シリコーン変性アクリル系ラテックス、フッソ−アクリルラテックス等のアクリル系ラテックスが挙げられる。これらの粒子径は、例えば0.01μ〜100μであり、さらには0.05μ〜10μである。【0014】カルボニル基を有するラテックスのカルボニル基は、分子中に少なくとも1個のアルド基またはケト基を有する単量体を共重合することによってラテックスに導入されるか、カルボニル基を有する高分子化合物をラテックスの重合中またはラテックスへ直接添加することによってラテックスと複合化され、カルボニル基を有するラテックスが得られる。【0015】分子中に少なくとも1個のアルド基またはケト基を有する単量体を具体的に示せば、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、ホルミルスチロール、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソブチルケトン、アクリルオキシアルキルプロパナール類、メタクリルオキシアルキルプロパナール類、ジアセトンアクリレート、ジアセトンメタクリレート、アセトニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレートアセチルアセテート、ブタンジオールアクリレートアセチルアセテート、アセトンジカルボン酸、ジヒドロキシアセトン、モノヒドロキシアセトン、及びジヒドロキシベンズアルデヒド等が挙げられ、これらの一種または二種以上を用いることができる。【0016】カルボニル基を有する高分子化合物としては、少なくとも2個のアルド基またはケト基を有するものであれば良く、従来公知のポリウレタン系、ポリエステル系、ポリ(メタ)アクリレート系、ポリビニルアセテート系、ポリブタジエン系、ポリ塩化ビニル系、塩素化ポリプロピレン系、ポリエチレン系、ポリスチレン系、ポリスチレン−(メタ)アクリレート系共重合体、ロジン系誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルコール付加物、セルロース系樹脂などのポリカルボニル化合物が挙げられ、これらの一種または二種以上を用いることができる。【0017】本発明においてカルボニル基を有するラテックスが該ラテックス中に、不純物として硫酸根および/又はカルボン酸根と共存していてもカルボニル基分布定量が可能であり、具体的には硫酸根が硫酸イオン化合物、スルホン酸基を持つ化合物、スホネート基を持つ化合物が挙げられおよびその塩も含まれ、カルボン酸根が、炭酸イオン化合物、カルボン酸基を持つ化合物が挙げられおよびその塩も含まれる。【0018】カルボニル基と反応しうる化合物(A)は、溶媒に溶解し、カルボニル基と反応性を有するものである。具体的には、第1級アミン化合物類、第1級アミン化合物類の酸性塩、シアン化物類、亜硫酸水素塩、ヒドラジン化合物類、アルコール類、ハロゲン化合物類、イリド化合物類、銀化合物類が例示される。具体的には、第1級のアミン化合物によるオキシム化合物の生成量を定量する方法、第1級アミン化合物の酸性塩を反応させる方法、シアン化物の付加反応によるニトリル化合物の生成量またはシアン化物の残量を定量する方法、亜硫酸水素塩による亜硫酸水素塩付加物の生成量または亜硫酸水素塩の残量を定量する方法、ヒドラジン化合物によるヒドラゾン化合物の生成量またはヒドラジン化合物の残量を定量する方法、アルコールの付加によるアセタール化合物の生成量またはアルコールの残量を定量する方法、ハロゲン化合物によるα−ハロゲン化物の生成量またはハロゲン化物の残量を定量する方法、イリド化合物を用いたwittig反応による化合物の生成量またはイリド化合物の残量を定量する方法、銀化合物等による銀の生成量または銀化合物等の残量を定量する方法が挙げられるが、分析精度、簡便さの点において、第1級アミン化合物もしくはその酸性塩を反応させる方法が優れている。特に簡便さに優れているのは酸性塩を反応させる方法である。【0019】第1級アミン化合物類としては、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、ヒドロキシルアミン、エタノールアミン、ジメチルヒドラジン等が挙げられ、好ましくはヒドロキシルアミンである。第1級アミン化合物類の酸性塩としては、上記に記載の第1級アミン化合物類の塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、硝酸塩、乳酸塩、ヒドロキシ酢酸塩が挙げられるが、好ましくは、ヒドロキシルアミン塩酸塩である。【0020】シアン化物類としては、シアン化ナトリウムシアン化カリウムが挙げられ、亜硫酸水素塩としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウムが挙げられ、ヒドラジン化合物類としては、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、セミカルバジド、フェニルセミカルバジドが挙げられ、アルコール類としては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールが挙げられ、ハロゲン化合物としては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられ、イリド化合物類としては、メチレントリフェニルホスホランが挙げられ、また、銀化合物類としては、Tollens試薬が挙げられる。【0021】本発明において、カルボニル基を有するラテックスに対する化合物(A)の添加量は、ラテックスのカルボニル基量より過剰であればよいが、ラテックスのカルボニル基1当量に対して1.05当量以上が好ましく、1.5当量以上であることがさらに好ましく、3当量以上であることがさらに好ましい。カルボニル基を定量するためには、上記化合物(A)とカルボニル基との反応による生成物の量もしくは化合物(A)の未反応量を定量しても良い。しかし、測定精度を高くするためには、さらに化合物(B)を添加して第2段目の反応を行うのがよい。【0022】第2段目の反応としては、カルボニル基と反応しないで残っている化合物(A)に対して、化合物(B)を過剰当量添加して、残っている化合物(A)の全量を化合物(B)と反応せしめて化合物(C)を生成せしめる。化合物(B)は、ラテックスの溶媒に溶解し、化合物(A)と反応するものであればよく特に制限されないが、生成する化合物(C)が簡便に精度良く測定できる化合物になるよう選択する。【0023】具体的には、化合物(A)として第1級アミン化合物もしくはその酸性塩を用いた場合には、化合物(B)として、ケトン化合物、アルデヒド化合物、エポキシ基含有化合物、カルボン酸ハロゲン化合物、スルホン酸ハロゲン化合物、酸無水物、亜硝酸塩等が挙げられる。これらの中では、化合物(B)として、ケトン化合物もしくはアルデヒド化合物を用いることが簡便で好ましい。【0024】化合物(A)として第1級アミン化合物を用い、化合物(B)として、ケトン化合物もしくはアルデヒド化合物を用いた場合は、生成する化合物(C)はケトオキシム化合物またはアルドオキシム化合物であり、これを定量すればよい。化合物(A)として第1級アミン化合物の酸性塩を用い、化合物(B)として、ケトン化合物もしくはアルデヒド化合物を用いた場合は、化合物(C)は遊離する酸であり、これを定量すればよい。特に優れているのは酸性塩を用いる方法である。【0025】その他、化合物(A)として第1級アミン化合物もしくは第1級アミン化合物の酸性塩を用いる場合に、化合物(B)としてエポキシ基含有化合物を用いてその反応生成物を定量する方法、カルボン酸ハロゲン化物またはスルホン酸ハロゲン化物との反応によるN−置換アミドまたはN−置換スルホンアミドを定量する方法、酸無水物との反応によるN−置換アミドを定量する方法、亜硝酸塩との反応によりジアゾニウム塩にした後、そのまま定量するかさらに、ハロゲン基、水酸基によるジアゾニウム基の置換反応物、または酸によるジアゾニウム基とH基との置換反応物を定量する方法も挙げられる。【0026】化合物(B)として用いることができるケトン化合物としては、低分子量のケトン化合物であれば特に制限無く、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが挙げられ、またアルデヒド化合物としては、低分子量のアルデヒド化合物であれは特に制限無く用いることができ、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒドが挙げられる。ただし、水溶性であることが好ましく、具体的にはアセトンが挙げられる。【0027】化合物(B)の添加量は、未反応の化合物(A)に対して過剰量であればよいが、添加した化合物(A)1当量に対して、1.01当量以上とすることが安全であり望ましい。また1.2当量以上であることがさらに好ましい。化合物(C)の測定方法としては、特に制限されないが、測定精度や簡便さを考慮するとガスクロマトグラフィーもしくは高速液体クロマトグラフィーを使用することが望ましい。【0028】なお、化合物(C)としてオキシム化合物を定量する場合は、カルボニル基を有するラテックスと化合物(A)として添加した第1級アミン化合物との反応物と、第1級アミン化合物と化合物(B)として添加したケトン化合物もしくはアルデヒド化合物との反応物が混在することになる。多くの場合、ラテックスと化合物(C)は分子量や疎水度が異なるため容易に分離できるが、区別することが困難な場合は、あらかじめ両者を何らかの手段を用いて分離しておく必要がある。【0029】化合物(A)として第1級アミン化合物の酸性塩を用い、化合物(B)として、ケトン化合物もしくはアルデヒド化合物を用いた場合は、化合物(C)として定量すべき酸を精度良く定量するために、カルボニル基を有するラテックスに、該ラテックス中のカルボニル基に対し過剰量の第1級アミン化合物の塩を添加し反応させた後、ラテックスのpHを2〜10の範囲内に調整することが反応速度を速める目的から好ましい。さらに系のpHを2〜8の範囲内に調整することは好ましく、3〜6に調整することはさらに好ましい。pHの調整には強塩基を使用することが好ましく、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用することが好ましい。【0030】この場合、化合物(C)としての酸の定量は、系のpHを上記のように2〜10の範囲内に調整したあとに、未反応の水溶性第1級アミン化合物の塩に対し過剰量のケトン化合物もしくはアルデヒド化合物を添加し、続いて系のpHを該ケトン化合物および/またはアルデヒド化合物の添加前の値にするのに要する塩基の量を定量するのがよい。また使用する塩基としては、強塩基を使用することが好ましく、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用することが好ましい。【0031】また、ラテックスに、過剰量の第1級アミン化合物の塩を添加し反応させるには、5℃〜100℃で30分以上加熱処理することが望ましく、特に反応時の分散安定性を確保する目的から、10℃〜80℃で1時間以上加熱処理することが好ましい。また20℃〜50℃の範囲で2時間以上加熱処理することがさらに好ましい。【0032】本発明において、ラテックスに化合物(A)として第1級アミン化合物を添加する際、界面活性剤を併せて添加することが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤を使用することが好ましく、さらに界面活性剤を添加すると共に液のpHを3〜11に調整することが好ましい。さらに好ましくは、ラテックスに化合物(A)として第1級アミン化合物の塩を添加する際に、ノニオン系界面活性剤を添加し、さらに液のpHを4〜10に調整することである。これらの操作により水性媒体中での正確な定量が可能となる。ノニオン系界面活性剤の添加量としては、好ましくはラテックス100重量部(水を含んだ量である。)に対し0.1〜300重量部、さらに好ましくはラテックスに対し0.5〜50重量部である。【0033】本発明の方法を用いてラテックスのカルボニル基を求めるには、定量した化合物(C)若しくは未反応の化合物(A)の量から、ラテックスのカルボニル基量を計算で求めればよい。次に、ラテックスのカルボニル基分布を定量する方法、すなわち発明の第5について説明する。【0034】ラテックスは、固相であるラテックス粒子部分と、水溶性ポリマーとなっている水相部分に分けることができ、いずれにもカルボニル基が存在しうる。カルボニル基がどの程度固相部分および水相部分に存在するのかは、ラテックスの性能に関係する重要な項目である。水相部分は、例えば水中に溶解している部分と、ラテック表面に吸着している部分とに分けることができる。またラテックス粒子は例えばラテックス粒子の表面部分と内部部分に分けることもでき、カルボニル基がどのようにそれぞれの部分に分布しているかも、ラテックス性能に関係する重要な項目である。【0035】発明の第5では、まずカルボニル基を有するラテックスに対し、目的に応じて、下記の工程▲1▼〜▲6▼の少なくとも一種を行う。▲1▼ ラテックスに対し、発明の第1ないし4に記載のいずれかの方法でカルボニル基量Aを定量する。▲2▼ ラテックスを溶解せしめたあと、発明の第1ないし4に記載のいずれかの方法で全カルボニル基量Bを定量する。【0036】▲3▼ ラテックスに対して過剰の乳化剤を添加混合し、次に固液分離し、発明の第1ないし4に記載のいずれかの方法で、水相部分のカルボニル基量Cを定量する。▲4▼ ラテックスに対して過剰の乳化剤を添加混合し、次に固液分離し、発明の第1ないし4に記載のいずれかの方法で、固相部分のカルボニル基量Dを定量する。【0037】▲5▼ ラテックスに対して過剰の乳化剤を添加混合し、次に固液分離したあと、固相部分を溶解せしめ、発明の第1ないし4に記載のいずれかの方法で、カルボニル基量Eを定量する。▲6▼ ラテックスをそのまま固液分離し、発明の第1ないし4に記載のいずれかの方法で、水相部分のカルボニル基量Fもしくは固相部分のカルボニル基量Gを定量する。【0038】上記の▲1▼〜▲6▼のいずれの工程でも、発明の第1〜4に記載のいずれかの定量方法を用いてラテックスの各部分のカルボニル基量を定量する。▲1▼の工程では、ラテックス粒子は粒子が分散している状態のままで定量を行うため、粒子内部に埋もれているカルボニル基は定量結果に寄与しないと考えられる。すなわち水相部分と粒子表面部分に存在するカルボニル基量を定量していると考えられる。このようにして定量されたカルボニル基量をAとする。【0039】▲2▼の工程では、ラテックス粒子を何らかの手段によって溶解せしめてから定量を行うため、粒子内部のカルボニル基も定量結果に寄与すると考えられる。すなわち水相部分、粒子表面部分、粒子内部部分のすべての部分のカルボニル基量が定量されると考えられる。このようにして定量されたカルボニル基量をBとする。なお、ラテックス粒子を溶解せしめる溶媒としては、例えば、テトラヒドロキシフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキシド、N,N−ジメチルアセトアミドが挙げられる。【0040】▲3▼の工程では、まずラテックスに対して過剰の乳化剤を添加混合する事により、粒子表面に吸着した成分を水性媒体中に溶解させ、しかるのちラテックスを限外濾過、遠心分離等により固液分離し、粒子部分と水相部分を分離してから、水相部分のカルボニル基量を定量する。このカルボニル基量をCとする。▲4▼の工程では、▲3▼の工程と同様にラテックスを固液分離した後、粒子部分を溶解せしめることなく、ラテックス粒子が分散しているままでカルボニル基量を定量する。具体的には、固相を分離した後、乳化剤等を添加し、超音波振動により再分散させてから、定量を行うことが好ましい。このようにすることにより粒子表面部分に固定しているカルボニル基量が定量されると考えられる。このカルボニル基量をDとする。【0041】▲5▼の工程では、▲3▼の工程と同様にラテックスを固液分離した後、粒子部分を▲2▼の工程と同様にして溶解せしめ、しかるのち、溶解した粒子部分のカルボニル基量を測定する。このようにすることにより粒子の表面部分と内部部分を併せた粒子全体に固定しているカルボニル基量が定量されると考えられる。このカルボニル基量をEとする。【0042】▲6▼の工程では、水相部分の一部がラテックス粒子表面に吸着したままの状態でのカルボニル基量を定量していると考えられる。▲1▼から▲6▼の工程は、これらの少なくとも一種を行って目的とする部分のカルボニル基量を測定すればよい。また、これらの工程の二種以上を行うことにより、より明確にラテックスのカルボニル基分布の全体像を把握することができるため好ましい。【0043】▲1▼から▲6▼の定量工程の定量結果に基づいて、各部分のカルボニル基量を計算するが、具体的には、例えば下記(1)〜(4)の式を適宜用いて必要な部分のカルボニル基量を計算すれば良い。(1)水相部分のカルボニル基量=CまたはA−DまたはB−E(2)ラテックス粒子表面部分のカルボニル基量=DまたはA−CまたはE+A−B(3)ラテックス粒子内部のカルボニル基量=E−DまたはB−AまたはB−C−D(4)ラテックス粒子表面に吸着しているカルボニル基量=C−FまたはG−D例えば、水相部分のカルボニル基量を知るためには、Cを定量するか、AとDを定量してその差を求めるか、もしくはBとEを定量してその差を求めるかの方法が挙げられる。また、水相部分と粒子表面部分のカルボニル基量を両方求めるためには、CとDを定量するか、AとDを定量するか、AとCを定量するかのいずれかを採用することで、できるだけ少ない工程でカルボニル基分布を知ることができる。また、どの部分のカルボニル基量を知りたいかにより、もっとも目的にかなった定量方法を組み合わせて選択すればよい。【0044】【発明の実施の形態】実施例中の部は重量部を意味する。実施例中に用いられる各種物性の測定方法は、下記の通りである。▲1▼ メチルエチルケトキシムの定量ガスクロマトグラフィーを用い内標法により求めた。【0045】使用機器:島津 14B▲2▼ 限外濾過は、アドバンテック(株)ウルトラフィルターユニットを使用した。▲3▼ 自動滴定装置による酸の定量三菱化学製 GT−05を使用した。【0046】【参考例1】カルボニル基を有するラテックス(1)の調整。還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水514重量部、界面活性剤(商品名:アデカリアソープSE−1025N、旭電化工業(株)製)の25%水溶液7.2重量部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げてから、過硫酸アンモニウムの2%水溶液13.5重量部を投入し5分間攪拌した。次にメタクリル酸メチル57.2重量部、アクリル酸ブチル108.4重量部、ダイアセトンアクリルアミド5.4重量部、メタクリル酸9重量部、イオン交換水120.2重量部、アデカリアソープSE−1025N25%水溶液を5.76重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(商品名:エマルゲン950、花王(株)製)の25%水溶液10.8重量部、過硫酸アンモニウム2%水溶液9重量部の混合液を反応容器中へ滴下槽より1時間かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入終了後、反応容器中の温度を80℃にして0.75時間保った。次にメタクリル酸メチル258.5重量部、アクリル酸ブチル430.9重量部、ダイアセトンアクリルアミド21.6重量部、メタクリル酸9.0重量部、イオン交換水384重量部、アデカリアソープSE−1025N25%水溶液を23.0重量部、過硫酸アンモニウム2%水溶液36.0重量部の混合液を反応容器中へ滴下槽より2.5時間かけて流入させた。流入終了後、反応容器中の温度を80℃にして1.5時間保った。続いてその後室温まで冷却し、25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュの金網で濾過し、固形分44.6%、平均粒径1020Åのカルボニル基を有するラテックス(1)を得た。【0047】【参考例2】カルボニル基を有するラテックス(2)の調整。還流冷却器、滴下槽、温度計および撹拌装置を有する反応器に、イオン交換水514.6重量部、ダイアセトンアクリルアミド27.0重量部、界面活性剤(商品名:アデカリアソープSE−1025N、旭電化工業(株)製)の25%水溶液7.2重量部を投入し、反応容器中の温度を80℃に上げた。次にメタクリル酸メチル57.2重量部、アクリル酸ブチル108.4重量部、メタクリル酸9重量部、イオン交換水120.2重量部、アデカリアソープSE−1025N25%水溶液を5.76重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(商品名:エマルゲン950、花王(株)製)の25%水溶液10.8重量部、過硫酸アンモニウム2%水溶液22.5重量部の混合液を反応容器中へ滴下槽より1時間かけて流入させた。流入中は反応容器中の温度を80℃に保った。流入終了後、反応容器中の温度を80℃にして0.75時間保った。次にメタクリル酸メチル258.5重量部、アクリル酸ブチル430.9重量部、メタクリル酸9.0重量部、イオン交換水384.5重量部、アデカリアソープSE−1025N25%水溶液を23.0重量部、過硫酸アンモニウム2%水溶液36.0重量部の混合液を反応容器中へ滴下槽より2.5時間かけて流入させた。流入終了後、反応容器中の温度を80℃にして1.5時間保った。続いてその後室温まで冷却し、25%アンモニア水溶液を添加してpHを8に調整してから100メッシュの金網で濾過し、固形分44.6%、平均粒径1150Åのカルボニル基を有するラテックス(2)を得た。【0048】【実施例1】<水相部分のカルボニル基量Fの定量>参考例1で得られたカルボニル基を有するラテックス(1)を2.00g、水3.00gを添加混合し、約1時間攪拌した。続いて分画分子量50000のフィルターにて限外濾過を行い、得られた濾液の内、1.20gを他容器に取り、2%塩酸ヒドロキシルアンモニウム水溶液0.50を添加し、30℃の温浴にて約8時間攪拌反応させた。この反応液に水20gを添加し充分攪拌した後、反応液のpHを測定したところ、pHは5.81であった。続いてこの反応液へ、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを4.00に調整した後、メチルエチルケトン1.00gを添加後、25℃にて充分攪拌し、pHを測定したところpHは3.96であった。続いて攪拌下にてこの反応液へ、0.02規定水酸化カリウム水溶液を滴下し、pH4.00になる量を測定した。この測定量から、カルボニル基Fの量として、水性エマルジョン固形分1gに対し0.0117mmolであり、水性エマルジョン中の全カルボニル量の6.7%が存在した。<水相部分のカルボニル基量Cの定量(その1)>参考例1で得られたカルボニル基をするラテックス(1)を2.00g、水3.00gおよび界面活性剤(商品名ニューコール506花王(株)製)25%水溶液0.35g添加し約1時間攪拌した。続いて分画分子量50000のフィルターにて限外濾過を行い、得られた濾液の内、1.20gを他容器に取り、2%塩酸ヒドロキシルアンモニウム水溶液0.50gを添加し、30℃の温浴にて約8時間攪拌反応させた。この反応液に水20gを添加し充分攪拌した後、反応液のpHを測定したところ、pHは5.62であった。続いてこの反応液へ、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを4.00に調整した後、メチルエチルケトン1.00gを添加後、25℃にて充分攪拌し、pHを測定したところpHは3.85であった。続いて攪拌下にてこの反応液へ、0.02規定水酸化カリウム水溶液を滴下し、pH4.00になる量を測定した。この測定量から、カルボニル基量Cは、ラテックス固形分1gに対し0.0152mmolであり、ラテックス中の全カルボニル量の8.7%が存在した。この定量結果を表1に示す。またこのCの値より前記のFの値を差し引くことによって、ラテックス粒子表面に吸着しているカルボニル基量(C−F)を0.0035mmolとして算出できた。<水相部分のカルボニル基量Cの定量(その2)>参考例1で得られたカルボニル基を有するラテックス(1)を2.00g、水3.00gおよび界面活性剤(商品名ニューコール506花王(株)製)25%水溶液0.35g添加し約1時間攪拌した。続いて遠心分離器により26000rpmで2時間遠心分離を行い上澄み相1.20gを他容器に取り、上記水相部分のカルボニル基量Cの定量(その1)と同様の方法でカルボニル量を測定したところ、上記(その1)の定量の値と一致した。<ラテックス表面部分のカルボニル基量Dの定量>参考例1で得られたカルボニル基を有するラテックス(1)2.00gへ水5.00gおよび界面活性剤(商品名ニューコール506花王(株)製)25%水溶液0.30gを加え約10分攪拌した後、1.96%塩酸ヒドロキシルアンモニウム水溶液1.80gを添加し、30℃の温浴にて約8時間攪拌し反応液を得た。この反応液のpHを測定したところ3.23であった。さらにこの反応液の内、2.50gを他容器に取り、水20gを添加し、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液にてpHを4.00に調整する。引き続き、メチルエチルケトン1.00gを添加し25℃で攪拌し、pHを測定したところ1.68であった。続いて攪拌下にてこの反応液へ、0.02規定の水酸化カリウム水溶液を滴下し、pH4.00になる量を測定した。この測定量から、カルボニル基量Aの値として、カルボニル量は水性エマルジョン固形分1gに対し0.1054mmolであり、ラテックス中の全カルボニル量の60.6%が存在した。このAの値と、前記Cの値の関係式:D=A−CからDを算出できる。この定量結果を表1に示す。<ラテックス粒子内部に存在しているカルボニル基量B−Aの定量>参考例1で得られたカルボニル基を有するラテックス(1)2.00gへにテトラヒドロキシフラン10.0gを加え充分に攪拌し、溶解またはほぼ溶解状態にした後、1.96%の塩酸ヒドロキシルアンモニウム水溶液を1.80g添加し、30℃の温浴にて約8時間攪拌し反応液を得た。この反応液のpHを測定したところpHは3.44であった。この反応液の一部である3.80gを他容器に取り、水2gを加え、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液にてpHを4.00に調整する。続いてメチルエチルケトン1.00gを添加し25℃で攪拌し、pHを測定したところpH1.68であった。続いて攪拌下にてこの反応液へ、0.02規定の水酸化カリウム水溶液を滴下し、pH4.00になる量を測定した。この測定量から、全カルボニル量Bはラテックス固形分1gに対し0.1740mmolであり、本発明の定量方法にて、ジアセトンアクリルアミドに由来する全カルボニル量0.1748mmolに対し99.5%のカルボニル量を検出することができた。この全カルボニル基量Bから上記Aの値を差し引き、ラテックス粒子内部に存在しているカルボニル基量を算出できる。この定量結果を表1に示す。【0049】【実施例2】<水性媒体中のカルボニル基量Fの定量>参考例2で得られたカルボニル基を有するラテックス(2)を2.00g、水3g添加し、約1時間攪拌した。続いて分画分子量50000のフィルターにて限外濾過を行い、得られた濾液の内、1.20gを他容器に取り、2%塩酸ヒドロキシルアンモニウム水溶液0.50gを添加し、30℃の温浴にて約8時間攪拌反応させた。この反応液に水20gを添加し充分攪拌した後、反応液のpHを測定したところ、pHは5.70であった。続いてこの反応液へ、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを4.00に調整した後、メチルエチルケトン1.00重量部を添加後、25℃にて充分攪拌し、pHを測定したところpHは3.89であった。続いて攪拌下にてこの反応液へ、0.02規定水酸化カリウム水溶液を滴下し、pH4.00になる量を測定した。この測定量から、カルボニル基Fの量として、水性エマルジョン固形分1gに対し0.0245mmolであり、ラテックス中の全カルボニル量の14.2%が存在した。<水相部分のカルボニル基量Cの定量(その1)>参考例2で得られたカルボニル基を有するラテックス(2)へ水3.00gおよび界面活性剤(商品名ニューコール506花王(株)製)25%水溶液0.35g添加し約1時間攪拌した。続いて分画分子量50000のフィルターにて限外濾過を行い、得られた濾液の内、1.20gを他容器に取り、2%塩酸ヒドロキシルアンモニウム水溶液0.61gを添加し、30℃の温浴にて約8時間攪拌反応させた。この反応液に水20gを添加し充分攪拌した後、反応液のpHを測定したところ、pHは5.44であった。続いてこの反応液へ、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液を使用してpHを4.00に調整した後、メチルエチルケトン1.00gを添加後、25℃にて充分攪拌し、pHを測定したところpHは1.85であった。続いて攪拌下にてこの反応液へ、0.02規定水酸化カリウム水溶液を滴下し、pH4.00になる量を測定した。この測定量から、カルボニル基量Cは、ラテックス固形分1gに対し0.0323mmolであり、ラテックス中の全カルボニル量の18.7%が存在した。この定量結果を表1に示す。またこのCの値より前記のFの値を差し引くことによって、ラテックス粒子表面に吸着しているカルボニル基量(C−F)を0.0078mmolとして算出できた。<ラテックス表面部分のカルボニル基量Dの定量>参考例2で得られたカルボニル基を有するラテックス(2)2.00gへ水5gおよび界面活性剤(商品名ニューコール506花王(株)製)25%水溶液0.30重量部を加え約10分攪拌した後、1.96%塩酸ヒドロキシルアンモニウム水溶液1.80gを添加し、30℃の温浴にて約8時間攪拌し反応液を得た。この反応液のpHを測定したところ3.11であった。さらにこの反応液の内、2.50gを他容器に取り、水2gを添加し、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液にてpHを4.00に調整する。引き続き、メチルエチルケトン0.50gを添加し25℃で攪拌し、pHを測定したところ1.89であった。続いて攪拌下にてこの反応液へ、0.02規定の水酸化カリウム水溶液を滴下し、pH4.00になる量を測定した。この測定量から、カルボニル基量Aの値として、カルボニル量はラテックス固形分1gに対し0.0822mmolであり、ラテックスの全カルボニル量の47.5%が存在した。このAの値と、前記Cの値の関係式:D=A−CからDを算出できる。この定量結果を表1に示す。<ラテックス粒子内部のカルボニル基量B−Aの定量>参考例2で得られたカルボニル基を有するラテックス(1)2.00gへテトラヒドロキシフラン10gを加え充分に攪拌し、溶解またはほぼ溶解状態にした後、1.96%の塩酸ヒドロキシルアンモニウム水溶液を1.80g添加し、30℃の温浴にて約8時間攪拌し反応液を得た。この反応液のpHを測定したところpHは3.54であった。この反応液の一部3.80重量部を他容器に取り、水20gを加え、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液にてpHを4.00に調整する。続いてメチルエチルケトン1.00gを添加し25℃で攪拌し、pHを測定したところpH1.65であった。続いて攪拌下にてこの反応液へ、0.02規定の水酸化カリウム水溶液を滴下し、pH4.00になる量を測定した。この測定量から、全カルボニル量Bはラテックス固形分1gに対し0.1730mmolであり、本発明の定量方法にて、ジアセトンアクリルアミドに由来する全カルボニル量0.1748mmolに対し99.0%のカルボニル量を検出することができた。この全カルボニル基量Bから上記Aの値を差し引き、ラテックス粒子内部に存在しているカルボニル基量を算出できた。この定量結果を表1に示す。【0050】【比較例1】参考例1で得られたカルボニル基を有するラテックス(1)2.00gに水5.00g、界面活性剤(商品名ニューコール506花王(株)製)25%溶液0.30gを加え約10分間充分に攪拌した後に、1.96%の塩酸ヒドロキシルアンモニウム1.80g添加し、30℃の温浴にて約8時間攪拌した。続いてこの水溶液6.06gを別容器に取り、水を24gを添加し、攪拌しながら0.02規定の水酸化カリウム水溶液にて自動滴定装置にて生成した塩酸の量を直接滴定したところ明確な変曲点が得られず、カルボニル基量Aを定量することができなかった。【0051】【比較例2】参考例2で得られたカルボニル基を有するラテックス(2)2.00gに水5g、界面活性剤(商品名ニューコール506花王(株)製)25%溶液0.30gを加え約10分間充分に攪拌した後に,2.01%の塩酸ヒドロキシルアンモニウム1.78g添加し、30℃の温浴にて約8時間攪拌した。続いてこの水溶液6.05gを別容器に取り、水を24gを添加し、攪拌しながら0.02規定の水酸化カリウム水溶液にて自動滴定装置にて生成した塩酸の量を直接滴定したところ明確な変曲点が得られず、カルボニル基量Aを定量することができなかった。【0052】【表1】【0053】【発明の効果】本法により、水性媒体中においてカルボニル基を有するラテックスについて、カルボン酸や不純物が存在しても精度良くかつ簡便にラテックス中のカルボニル基を測定できる。またラテックス中のカルボニル基の分布を知ることもできる。 カルボニル基を含有するラテックスに、該ラテックス中のカルボニル基と反応しうる化合物(A)を該カルボニル基に対して過剰当量添加して該カルボニル基と反応させ、次いで、該化合物(A)と反応しうる化合物(B)を未反応の該化合物(A)に対して過剰当量添加して該未反応の化合物(A)と反応せしめて化合物(C)を生成せしめたのち、該化合物(C)を定量する、前記カルボニル基を有するラテックスのカルボニル基の定量方法。 化合物(A)が水溶性第1級アミン化合物の酸性塩であり、化合物(B)がケトン化合物またはアルデヒド化合物であり、化合物(C)が該酸性塩由来の酸である請求項1に記載の定量方法。 水溶性第1級アミン化合物の酸性塩を添加してカルボニル基と反応せしめたのち、ラテックスのpHを2〜10に調整し、および水溶性第1級アミン化合物の酸性塩由来の酸の定量を、ラテックスのpHをケトン化合物若しくはアルデヒド化合物の添加前のpHとするのに要する塩基の量として測定する請求項2記載の定量方法。 化合物(A)が水溶性第1級アミン化合物であり、化合物(B)がケトン化合物またはアルデヒド化合物であり、化合物(C)がオキシム化合物である請求項1に記載の定量方法。 カルボニル基を有するラテックスに対し、下記の工程▲1▼〜▲6▼の少なくとも一種を行って、ラテックス各部分のカルボニル基量を計算する、カルボニル基を有するラテックスのカルボニル基分布の定量方法。▲1▼ ラテックスに対し、請求項1ないし4に記載のいずれかの方法でカルボニル基量Aを定量する。▲2▼ ラテックスを溶解せしめたあと、請求項1ないし4に記載のいずれかの方法で全カルボニル基量Bを定量する。▲3▼ ラテックスに対して過剰の乳化剤を添加混合し、次に固液分離し、請求項1ないし4に記載のいずれかの方法で、水相部分のカルボニル基量Cを定量する。▲4▼ ラテックスに対して過剰の乳化剤を添加混合し、次に固液分離し、請求項1ないし4に記載のいずれかの方法で、固相部分のカルボニル基量Dを定量する。▲5▼ ラテックスに対して過剰の乳化剤を添加混合し、次に固液分離したあと、固相部分を溶解せしめ、請求項1ないし4に記載のいずれかの方法で、カルボニル基量Eを定量する。▲6▼ ラテックスをそのまま固液分離し、請求項1ないし4に記載のいずれかの方法で、水相部分のカルボニル基量Fもしくは固相部分のカルボニル基量Gを定量する。


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