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タイトル:特許公報(B2)_シリコーンエラストマ−による低分子量シロキサン流体の増粘法
出願番号:1999029988
年次:2011
IPC分類:C08G 77/46,C08G 77/38,C08J 3/07,A61K 8/894


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デビッド ランデール メインハード シズホン ザン JP 4756667 特許公報(B2) 20110610 1999029988 19990208 シリコーンエラストマ−による低分子量シロキサン流体の増粘法 ダウ コーニング コーポレーション 590001418 DOW CORNING CORPORATION 本多 庸二 230102336 ウオーレン・ジー・シミオール 230000722 デビッド ランデール メインハード シズホン ザン US 09/019578 19980206 20110824 C08G 77/46 20060101AFI20110804BHJP C08G 77/38 20060101ALI20110804BHJP C08J 3/07 20060101ALI20110804BHJP A61K 8/894 20060101ALI20110804BHJP JPC08G77/46C08G77/38C08J3/07A61K8/894 C08G 77/00- 77/62 C08L 1/00-101/16 C08K 3/00- 13/08 C08J 3/00- 3/28 A61K 8/00- 8/99 A61Q 1/00- 99/00 CA/REGISTRY(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII) 特開平10−176059(JP,A) 特開平11−049957(JP,A) 特開平05−140320(JP,A) 特開平04−272932(JP,A) 特開平08−245790(JP,A) 特開平08−231857(JP,A) 特開平07−149906(JP,A) 特開平02−043263(JP,A) 特開平07−173384(JP,A) 特開昭64−030633(JP,A) 9 1999310637 19991109 12 20060207 吉備永 秀彦 【産業上の利用分野】【0001】本発明は、低分子量のシロキサン流体又は溶媒の増粘に関する。特に、シロキサン流体又は溶媒をシリコーンエラストマー、即ち、シリコーンゲルによって膨潤することに関する。膨潤されたシリコーンエラストマーゲルはその形態で使用てきるし、又はそれは、必要に応じてシリコーンペースト又はシリコーンエマルションに転化できる。【従来の技術】【0002】架橋は、三次元網目構造における重合体ストランドの接合である。それらは、長鎖の枝分れとして見られ、多数であるので連続不溶性網目又はゲルが形成される。それらの網目を形成するために、白金触媒化ヒドロシリル化反応が使用されてきた。典型的に、かかる反応は、≡Si−H基を含有する低分子量シロキサンと、≡Si−Hビニル基を含有する高分子量シロキサン(又はその逆)を含む。【0003】この機構の興味のある特徴は、(i)副生成物が形成されない、(ii)架橋部位、従って網目構造が狭く限定できる。そして(iii)ヒドロシリル化が室温でも進行して網目構造を形成することである。この機構において、架橋は二重結合にまたがる≡SiHの付加、即ち、≡SiH+CH2=CH−R→≡SiCH2CH2−R;又は架橋は三重結合に渡る≡SiHの付加、即ち、≡SiH+HC≡R−R→≡SiCH=CH−Rを含む。【発明が解決しようとする課題】【0004】我々は、この機構を利用するが、この機構は若干不明確であるか、ユニークな改良をすることによって、新規で特異の性質をもった新しい領域の製品形態および用途分野を開発することができた。特に、1つのユニークな特徴は、界面活性剤の必要がなく、シリコーンペーストを使用してエマルションを生成できることである。これは、ある界面活性剤の存在による皮膚の敏感性が問題となる化粧品の分野において、重要な価値がある。【課題を解決するための手段】【0005】本発明は、(1)(A)≡Si−H含有のポリシロキサンと;(B)モノアクリレート官能化ポリエーテル又はモノメタクリレート官能化ポリエーテルを;白金触媒の共存下において、ポリエーテル基をもった≡Si−H含有シロキサンが生成されるまで、即ち、ポリエーテル置換基および残留水素化ケイ素基を含有するポリシロキサンが生成されるまで反応させる第1の工程;及び(2)そのポリエーテル置換基と残留水素化ケイ素基を含有するポリシロキサン(C)と;α、ω−ジエンのような不飽和炭化水素(D)を;(E))溶媒及び白触媒の共存下において、そのα、ω−ジエンにおける二重結合にまたがる≡SiHの架橋及び付加によってシリコーンエラストマーが生成されるまで反応させる第2の工程からなることを特徴とするシリコーンエラストマーの製造法に関する。【0006】本発明は、低分子量のポリシロキサンのみでシリコーンエラストマーを膨潤させることに限定されず、他のタイプの溶媒もシリコーンエラストマーを膨潤させることができる。従って、単一溶媒又は溶媒の混合体も使用できる。【0007】用語溶媒は、他の材料を溶解、懸濁させる又はその物理的性質を変えるために、工業的スケールで使用される(1)有機化合物、(2)ケイ素原子含有化合物、(3)有機化合物の混合物、(4)ケイ素原子含有化合物の混合物、又は(5)有機化合物とケイ素原子含有化合物の混合物を意味する。【0008】本発明の別の特徴として、溶媒とシリコーンエラストマーがシリコーンペーストが形成されるまでせん断加工されながら、さらに追加の溶媒がシリコーンエラストマーに添加される。【0009】本発明のさらに別の特徴として、シリコーンエマルションが形成されるまで、水をシリコーンペーストに添加して水とシリコーンペーストをせん断加工する。【0010】これらの方法によって、調製されたシリコーンエラストマー、シリコーンペースト及びシリコーンエマルションは、人体のヘア、皮膚又は腕の下の部分の処理に特別の価値および有用性を有する。さらに、そのシリコーンエラストマー、シリコーンペーストおよびシリコーンエマルションは、溶媒又は揮発性成分の蒸発後に遮断膜を形成することができる。【0011】工程1:ポリエーテルの添加≡SiHシロキサン+アクリレートポリエーテル+白金触媒→ポリエーテル基と残留≡SiHをもったシロキサン【0012】工程2:ゲル化ポリエーテル基と残留≡SiHをもったシロキサン+≡SiHシロキサン (任意)+α、ω−ジエン+低分子量シロキサン流体+白金触媒 → ゲル(エラストマー)【0013】工程3:せん断及び膨潤ゲル(エラストマー)+シロキサン流体+せん断 → ペースト【0014】工程4:乳化シリコーンペースト+水+せん断 → シリコーンエマルション【0015】工程1におけるシロキサン中のポリエーテル:≡SiHのモル比は0.01:1.0以下の範囲内である。【0016】工程2において、低分子量シロキサン流体:ポリエーテル基をもった≡SiHシロキサン及びα、ω−ジエンの重量の重量比は1〜98であるが3〜10が望ましい。ポリエーテル基をもつシロキサンの≡SiH基:α、ω−ジエンの不飽和基のモル比は20:1〜1:20であるが、1:1が望ましい。工程2は種々のタイプの化合物の混合物を含むが、少なくとも1つの≡SiHを含有するシロキサンは、ポリエーテル基を含有しなれけばならない。【0017】例えば、工程2に特に適することがわかった。1つの配合物は、次の化合物を含有する混合物である:Me3SiO(Me2SiO)50〔MeQSiO〕4(MeHSiO)5SiMe3、HMe2SiO(Me2SiO)10SiHMe2、Me3SiO(Me2SiO)8(MeHSiO)4SiMe31,5−ヘキサジエンおよびデカメチルシクロペンタシロキサン。【0018】上記式及び以後において、Meは基−CH3を表しQは基−CH2CH(CH3)C(O)(OCH2CH2)9OCH3を表する。【0019】工程3において、シリコーンペーストは80〜98重量%の低分子量シロキサン流体又は増粘される他の流体又は溶媒を含有する。【0020】工程4における水:シリコーンペーストの重量比は95:5〜5:95である。【0021】≡SiH含有ポリシロキサンは、式R3SiO(R′2SiO)a(R″HSiO)bSiR3(タイプA1と呼ぶ)の化合物および式HR2SiO(R′2SiO)cSiR2Hの化合物又はタイプA2と呼ぶ式HR2SiO(R′2SiO)a(R″HSiO)bSiR2Hの化合物で示される。上記3つの式におけるR、R′およびR″は炭素原子数が1〜6のアルキル基であり、aは0〜250;bは1〜250;そしてcは0〜250である。化合物A2:A1のモル比は0〜20、望ましくは0〜5である。望ましい実施態様におけるタイプA1〜A2の化合物は反応に使用されるが、タイプA1の化合物のみを使用した反応を満足に行うことができる。必要ならば、これらの≡SiHを含有するポリシロキサンは、三官能性T単位RSiO3/2および四官能性Q単位SiO4/2も含むことがてきる。【0022】≡Si−H含有ポリシロキサンA1は、一般式(R′2SiO)d(R″HSiO)e(式中のR′およびR″は前記定義の通り、dは0〜10、そしてeは3〜10である)で表されるアルキル水素−ジアルキルシクロシロキサン共重合体又はアルキル水素シクロシロキサンからもなる。2、3の代表的な化合物は、(OSiMeH)4、(OSiMeH)3(OSiMeC6H13)、(OSiMeH)2(OSiMeC6H13)2および(OSiMeH)(OSiMeC6H13)3(式中のMeは−CH3を表す)である。必要ならば、これらの≡Si−H含有ポリシロキサンは三官能性T単位RSiO3/2および四官能性Q単位SiO4/2も含むことができる。【0023】最適の不飽和炭化水素は式CH2=CH(CH2)xCH=CH2(式中のxは1〜20である)のα、ω−ジエンである。ここで使用するのに適当なα、ω−ジエンのいくつかの代表的例は1,4−ペンタジエン;1,5−ヘキサジエン;1,6−ヘプタジエン;1,7−オクタジエン;1,8−ノナジエン;1,9−デカジエン;1,11−ドデカジエン;1,13−テトラデカジエンおよび1,19−アイコサジエンである。【0024】 しかしながら、他の不飽和炭化水素、例えば、式≡C(CH2)x(≡CHのα、ω−ジイン又は式CH2CH(CH2)xC≡CH(式中のxは1〜20である)のα、ω−エン−インが有用である。有用なα、ω−ジインの代表的な例は、1,3−ブタジインHC≡C−C≡CHおよび1,5−ヘキサジイン(ジプロパルギル)HC≡C−CH2CH2−C≡CHである。有用な適当なα、ω−エン−インの1つの代表的な例は、ヘキセン−5−イン−1CH2CH2C≡CHである。【0025】さらに、本発明は他の不飽和材料、例えば、2個以上のアルケニル末端基;2個以上のアルケニル側基;又は2個以上の末端基および側基を含有するシロキサン単量体又はシロキサン重合体の使用を意図している。例えば、適当なシロキサンの1つは1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサンH2C=CH(CH3)2SiOSi(CH3)2CH=CH2である。使用できるさらに別のシロキサンの例は、ケイ素原子数が2個以上のビニルを末端基とするポリジメチルシロキサン;ビニルを末端基とするジフエニルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体;ビニルを末端基とするポリフエニルメチルシロキサン;ビニルを末端基とするトリフルオロプロピルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体;トリメチルシロキシを末端基とするビニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体;ビニルを末端基とするビニルメチルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体;およびビニルメチルシロキサン単独重合体である。【0026】工程1と2における反応は、≡SiH含有シロキサンとモノアクリレート/モノメタクリレート官能化ポリエーテルおよびα、ω−ジエン間の反応をさせる触媒を必要とする。適当な触媒はVIII族の遷移金属、すなわち、貴金属である。かかる貴金属触媒は米国特許第3,923,705号に詳細に記載されているおり、典型的な白金触媒を示している。好適な白金触媒の1つは、Karstedtの米国特許第3,715,334号および第3,814,730号に記載されているカールステッズ触媒であって、それは白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、それは典型的に約1重量%以下の白金を含有しポリジメチルシロキサン流体又はトルエンのような溶媒に含有される。【0027】我々の実施例に使用した特定の触媒は、2センチストーク(mm2/s)のポリジメチルシロキサン流体に保持された白金が0.5重量%のカールステッズ触媒であった。別の望ましい白金触媒は、クロロ白金酸と末端脂肪族不飽和を含有する有機ケイ素化合物との反応生成物である。それは米国特許第3,419,593号に記載されている。その貴金属触媒は≡SiH含有ポリシロキサン100重量%当り0.00001〜0.5部、望ましくは0.00001〜0.02部、最適には0.00001〜0.002部の量で使用される。【0028】ここで使用されるモノアクリレート官能化ポリエーテルは、式CH2=CHCOO〔CH2CH2O〕m〔CH2CH(CH3)O〕n〔CH2CH(CH2CH3)O〕pTの化合物である。ここで使用されるモノメタクリレート官能化ポリエーテルは、CH2=C(CH3)COO〔CH2CH2O〕m〔CH2CH(CH3)O〕n〔CH2CH(CH2CH3)O〕pTである。これらの式におけるTは、末端基が水素原子;C1〜C30線状又は分枝鎖アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、デシルおよびオクタデシル;C1〜C20アシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ラウロイル、ミリストイルおよびステアロイルを示す。m、nおよびpは、それぞれ0又は1〜100の値を有する整数を表す。しかしながら、最適には、m、nおよびpは全て0ではない。かかるモノアクリレート官能化ポリエーテルおよびモノメタクリレート官能化ポリエーテルは、Sartomer社のような会社から商標SARTOMERで市販されている。【0029】m、nおよびpが全て0で、TがC18のような長鎖アルキル基の場合に、得られるシリコーンエラストマー生成物はより疎水性となり、その結果、シリコーンペーストは炭化水素ワックスおよび鉱物油のような脂肪族材料と相容性が増す。【0030】 用語低分子量シロキサン流体は、(1)低分子量線状および環状揮発性メチルシロキサン、(2)低分子量線状および環状揮発性および非揮発性アルキルおよびアリールシロキサン、および(3)低分子量の線状および環状揮発性メチルシロキサン(VMS)である。【0031】VMS化合物は平均単位式(CH3)aSiO(4−a)/2(式中のaは2〜3の平均値を有する)に対応する。その化合物は≡Si−O−Si≡結合によって結合されたシロキサン単位を含有する。代表的な単位は“M”単位(CH3)3SiO1/2および二官能性“D”単位(CH3)2SiO2/2である。三官能性“T”単位CH3SiO3/2の存在は枝分れ、線状又は環状揮発性メチルシロキサンの生成をもたらす。四官能性“Q”単位SiO4/2の存在は分枝線状又は環状揮発性メチルシロキサンの生成をもたらす。【0032】線状VMSは式(CH3)3SiO{(CH3)2SiO}ySi(CH3)3を有する。yの値は0〜5である。環状VMSは式{(CH3)2SiO}zを有する。zの値は3〜6である。これらの揮発性メチルシロキサンは250℃以下の沸点と0.65〜5.0センチストーク(mm2/s)の粘度を有することが望ましい。【0033】代表的な線状揮発性メチルシロキサンは、100℃の沸点、0.65mm2/sの粘度および式Me3SiOSiMe3を有するヘキサメチルジシロキサン(MM);152℃の沸点、1.04mm2/sの粘度および式Me3SiOMe2SiOSiMe3を有するオクタメチルトリシロキサン(MDM);194℃の沸点、1.53mm2/sの粘度および式Me3SiO(Me2SiO)2SiMe2を有するデカメチルテトラシロキサン(MD2M);229℃の沸点、2.06mm2/sの粘度および式Me3SiO(Me2SiO)3SiMe3を有するドデカメチルペンタシロキサン(MD3M);245℃の沸点、2.63mm2/sの粘度および式Me3SiO(Me2SiO)4SiMe3を有するテトラデカメチルヘキサシロキサン(MD4M);および270℃の沸点、3.24mm2/sの粘度および式Me3SiO(Me2SiO)5SiMe3を有するヘキサデカメチルヘプタシロキサン(MD5M)である。【0034】代表的な環状揮発性メチルシロキサンは、134℃の沸点と式{(Me2)SiO}3を有するヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3);176℃の沸点、2.3mm2/sの粘度および式{(Me2)SiO}4を有するオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4);210℃の沸点、3.87mm2/sの粘度および式{(Me2)SiO}5を有するデカメチルシクロペンタシロキサン(D5);および245℃の沸点、6.62mm2/sの粘度および{式(Me2)SiO}6を有するドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)である。【0035】代表的な枝分れ揮発性メチルシロキサンは、192℃の沸点、1.57mm2/sの粘度および式C10H30O3SiO4を有するヘプタメチル−3−{(トリメチルシリル)オキシ}トリシロキサン(M3T);222℃の沸点、2.86mm2/sの粘度および式C12H36O4Si5を有するヘキサメチル−3,3,ビス{(トリメチルシリル)オキシ}トリシロキサン(M4Q);および式C8H24O4Si4を有するペンタメチル{(トリメチルシリル)オキシ}シクロトリシロキサン(MD3)である。【0036】本発明の方法は、低分子量の線状および環状揮発性および非揮発性アルキルおよびアリールシロキサンの使用を含むことができる。代表的な線状ポリシロキサンは式R3SiO(R2SiO)ySiR3の化合物であり、代表的な環状ポリシロキサンは式(R2SiO)zの化合物である。これらの式中のRは炭素原子数が1〜6のアルキル基又はフエニルのようなアリール基であり;yの値は0〜80、望ましくは0〜20であり;zの値は0〜9、望ましくは4〜6である。これらのポリシロキサンは一般に1〜100センチストーク(mm2/s)の範囲内の粘度を有する。【0037】他の代表的な低分子量非揮発性ポリシロキサンは、次の一般式を有する(式中のnは粘度が100〜1,000センチストーク(mm2/秒)の範囲内の粘度をもった重合体を提供する値を有する):【0038】【化1】R2とR3は炭素原子数が1〜20のアルキル基又はフエニルのようなアリール基である。典型的に、nの値は80〜375であり、かかるポリシロキサンは、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルフエニルシロキサンおよびポリジフエニルシロキサンである。【0039】低分子量の官能性ポリシロキサンは、一般にアクリルアミド官能性シロキサンン流体、アクリレート官能性シロキサン流体、アミド官能性シロキサン流体、アミノ官能性シロキサン流体、カルビノール官能性シロキサン流体、カルボキシ官能性シロキサン流体、クロロアルキル官能性シロキサン流体、エポキシ官能性シロキサン流体、グリコール官能性シロキサン流体、ケタノール官能性シロキサン流体、メルカプト官能性シロキサン流体、メチルエステル官能性シロキサン流体、ペルフルオロ官能性シロキサン流体およびシラノール官能性シロキサンによって示される。【0040】一般に、有機化合物は、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、アミン、エステル、エーテル、グリコール、グリコールエーテル、アルキルハロゲン化物又は芳香族ハロゲン化物である。代表的ないくつかの一般的有機溶媒はメタノール、エタノール、1−プロパノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、2−オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセロールのようなアルコール類;ペンタン、シクロペンタン、ヘプタン、ワニスメーカーおよび塗料メーカー(VM&P)のナフサおよびミネラルスプリットのような脂肪族炭化水素;クロロホルム、カーボンテトラクロリド、ペルクロロエチレン、エチルクロリドおよびクロロベンゼンのようなアルキルハリド;イソプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、エタノールアミンおよびジエタノールアミンンのようなアミン類;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼンおよびキシレンのような芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、エチルアセトアセテート、酢酸アミル、イソブチルイソブチラートおよび酢酸ベンジルのようなエステル類;エチルエーテル、n−ブチルエーテル、テトラヒドロフランおよび1,4−ジオキサンのようなエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルおよびプロピレングリコールモノフエニルエーテルのようなグリコールエーテル類;アセトン、メチルエチメケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、メチルアミルケトンおよびジイソブチルケトンのようなケトン類;鉱物油、ガソリン、ナフサ、ケロシン、ガスオイル、重油および原油のような石油炭化水素類;スピンドル油およひタービン油のような潤滑油;トウモロコシ油、大豆油、オリーブ油、ナタネ種油、綿実油、イワシ油、にしん油、および鯨油のような脂肪油である。【0041】他の混和性有機溶媒は、アセトニトリル、ニトロメタン、ジメチルホルムアミド、プロピレンオキシド、トリオクチルホスフェート、ブチロラクトン、フルフラール、パイン油、ターペンタインおよびm−クレゾール等が使用できる。【0042】我々は、さらに溶媒として、冬緑油;ペパーミント油、スペアミント油;メントール;バニラ;シナモン油;丁香油;ベイ油;アニス油;ユーカリ油;タイム油;シーダ葉油;ナツメッグ油;サージ油;カッシア油;ココア;カンゾウ;高フルクトール・コーンシロップ;レモン、オレンジ、ライムおよびグレープフルーツのような柑橘油;りんご、セイヨウナシ、モモ、グレープ、ストロベリー、キイチゴ、サクランボ、プラム、パイナップルおよびあんずのようなフルーツ・エキスのような揮発性芳香剤;およびシンナミルアセテート、シンナムアルデヒド、オイゲニルギ酸、p−メチルアニソール、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、シトラール、ネラール、デカナル、バニリン、トリルアルデヒド、2,6−ジメチルオクタナルおよび2−エチルブチラールアルデヒドのようなエステル類およびアルデヒド類を含む他の有用な芳香剤を包含することを意図している。【0043】さらに、我々による溶媒は、天然品および芳香油のような揮発性芳香料を含むことを意図している。代表的な天然品および芳香油は、アンバークリス、安息香、シベット、クローブ、葉油、ジヤスミン、マテ茶、ネムリグサ属、ジャ香、没薬香、ビャクダン香油、およびベトリベット;アミルサリチラート、アミルケイ皮酸アルデヒド、酢酸ベンジル、シトロネロール、クマリン、ジエラニオール、酢酸イソボルニル、アンブレットおよびテルピニルアセテートのような芳香化学薬品;および種々のクラシック科芳香油、例えば、フローラル・ブーケ科、オリエンタル科、キプレ科、木質科、柑橘科、カヌー科、皮科、スパイス科およびハーブ科である。【0044】我々の方法は、≡Si−H含有シロキサン、モノアクリレート官能化ポリエーテル又はモノメタクリレート官能化ポリエーテル、α、ω−ジエン、低分子量シロキサン又は溶媒および白金触媒を一緒にし;これらの成分を室温でゲル、エラストマー、ペースト又はエマルションが形成されるまて混合することによって段階的に行う。必要ならば、ゲル、エラストマ−、ペースト又はエマルションは、追加の類似又は非類似溶媒でさらに希釈して最終組成物を生成させる。ヘキサンおよびテトラヒドロフラン、香料、油又は他の低分子量シロキサンのブレンドは使用できる希釈剤の例である。プロセスを加速するためにより高温も使用できる。【0045】得られた混合物にせん断力を与えるペーストを生成させながら、追加量の低分子量のシロキサン又は溶媒をゲルに添加できる(工程3)。工程4において、ペーストに水の添加中又は添加後に再びせん断力を加えてエマルションを生成させる。バッチ式ミキサ、プラネタリー・ミキサー、単軸又は多軸押出機、動又は静ミキサー、コロイドミル、ホモジナイザー、ソノレータ又はそれらの組合せのようないずれのタイプの混合およびせん断装置も使用してこれらの工程を実施できる。【0046】典型的に、我々は、ポリエーテル基をもつ≡Si−H含有シロキサンとα、ω−ジエンを約1:1のモル比で使用してプロセスを実施する。≡Si−H含有シロキサン又はα、ω−ジエンのいずれかを過剰にしてそのプロセスを実施することによっても有用な材料が調製されうることが期待されるか、これは材料の低効率使用と思われる。組成物の残部は、一般に組成物の65〜98重量%、望ましくは80〜98重量%の範囲内の量の低分子量シロキサン又は溶媒からなる。【0047】 本発明のシリコーンエラストマー、シリコーンゲルおよびシリコーンペースト組成物は、化粧品の分野で特に有用である。これら組成物のVMS成分のユニークな揮発特性のために、それらは単独又は他の化粧用液体とブレンドして使用して種々の処方箋なしの化粧品を生成する。【0048】従って、それらは、蒸発時に皮膚を冷さず、ドライな感触を残すので発汗防止剤および脱臭剤におけるキャリヤーとして有用である。それらは、潤滑剤であって、スキンクリーム、スキンケアローション、モイスチャライザー、フェイシヤルトリートメント(アクネ又はしわ除去剤)、化粧用クレンザー、バスオイル、香水、コロン、香粉、日焼防止剤、プレシェーブおよびアフターシェーブローション、液体石けん、シェービング石けんおよびシェビング泡の性質を改善する。それらは、ヘアシャンプ−、ヘアコンデイシナー、ヘアスプレー、ムース、パーマネント、化粧用脱毛剤およびキューテイクルコートに使用して、つやおよび乾燥時間を改善し状態調節の利点を与える。【0049】化粧品において、それらは化粧品の顔料、カラー化粧品、ファンデーション、ブラッシ、口紅、口唇用香油、アイライナー、マスカラ、油除去剤、カラー化粧品除去剤およびパウダーの均展剤と作用する。それらはビタミンのような油および水に可溶性物質の送達システムとして有用である。口紅、ゲル、ローション、エーロゾルおよびロールオンに添加したときに、その組成物はドライ、柔かで、なめらかにする。【0050】さらに、本組成物は透明性、貯蔵安定性および調製容易性のような種々の有利な性質を示す。従って、それらは広範囲の用途を有し、特に発汗防止剤、脱臭剤、キャリヤー剤として香水において、さらにヘアのコンデイショニングに用途を有する。【0051】我々のシリコーンエラストマー、ゲルおよびペーストは、化粧品分野の外に、天気ケーブル用充てん材又は絶縁材料、土壌又は水用バリヤー又は電子工業において使用されるエポキシ材料の代替品としての用途を有する。【0052】それらは架橋シリコーンゴム粒子用キャリヤーとしても有用である。その用途において、(i)それらは、シーラント、塗料、被膜、グリース、接着剤、消泡剤および注封材料のようなシリコーン又は有機相内への前記粒子の混和を容易にさせ;(ii)それらは、生又は最終状態におけるかかる相のレオロジー、物理的又はエネルギー吸収特性の改良をする。【0053】さらに、本発明のシリコーンエラストマー、ゲルおよびペーストは薬剤、殺生剤、除草剤、殺虫殺そ剤および他の生物活性剤用のキャリヤーとして作用できるし;水および水溶性物質の疎水性系への混和に使用できる。水溶性物質の例は、サリチル酸、グリセロール、酵素およびグリコール酸、等である。【0054】従って、本発明は、モノアクリレート官能化ポリエーテル又はモノメタクリレート官能化ポリエーテルを使用することによって、界面活性剤を使用することなく一般に非混和性材料を混合できるようにさせる安定で均一なエマルションの製造に別の実用的ルートを提供する。これは、界面活性剤の存在による皮膚の感受性が問題となる化粧品の分野において大いに価値がある。【実施例】【0055】次の実施例は、本発明をさらに詳細に説明するために示す。実施例1平均構造Me3SiO(Me2SiO)93(MeHSiO)6SiMe3(式中のMeは−CH3である)を有するオルガノポリシロキサン50g、米国のSartomer社によって商標Sartomer CD−550で販売されている化合物CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)9CH32.98g及びデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)231.40gを混合して100℃に加熱し、次に0.5重量%の白金を含有するKarstedtの触媒0.577gを添加した。20分後、その溶液に1,5−ヘキサジエンH2C=CHCH2CH2CH=CH210重量%とデカメチルシクロペンタシロキサン90重量%を含有する混合物15.606gを添加した。1時間以内にゲル化が生じた。そのゲルを炉内の70℃で2時間加熱した。次に、1重量部のゲルを1重量部のデカメチルシクロペンタシロキサンで剪断下で膨潤させた。得られた均一なペーストは90,000cP(mPa・s)の粘度を有した。そのペーストに脱イオン水を5:1の重量比でガラスジャー内において機械的に混合した。126,000cP(mPa・s)の粘度を有する滑らかで白色不透明のエマルションが生成した。粘度は、TC−形スピンドルを有し、2.5rpm(0.26rad/s)で作動するブルックフィールドDV−II型粘度計を使用して測定した。【0056】実施例2平均構造Me3SiO(Me2SiO)93(MeHSiO)6SiMe3(式中のMeは−CH3である)を有するオルガノポリシロキサン50g、米国のSartomer社によって商標Sartomer CD−550で販売されている化合物CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)9CH32.98g及びデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)298.09gを混合して100℃に加熱し、次に0.5重量%の白金を含有するKarstedtの触媒0.701gを添加した。20分後、平均構造式(Vi)Me2SiO(SiMe2O)8SiMe2(Vi)(式中のViはCH2=CH−である)を有するシリコーン重合体13.259g添加した。1時間以内にゲル化が生じた。そのゲルを炉内の70℃で2時間加熱した。次に、1重量部のゲルを1重量部のデカメチルシクロペンタシロキサンで剪断力下で膨潤させた。得られた均一なペーストは63,000cP(mPa・s)の粘度を有した。そのペーストに脱イオン水を5:1の重量比でガラスジャー内において機械的に混合した。78,000cP(mPa・s)の粘度を有する滑らかで白色不透明のエマルションが生成した。【0057】実施例3−比較例実施例1及び2で使用した共重合体Me3SiO(Me2SiO)93(MeHSiO)6SiMe350gと、デカメチルシクロペンタシロキサン229.92gを混合して100℃に加熱した。次に0.5重量%の白金を含有するKarstedtの触媒0.583gと1,5−ヘキサジエン10重量%とデカメチルシクロペンタシロキサン90重量%を含有する混合物17.835gを添加した。2分内にゲル化が生じた。そのゲルを炉内の70℃で3時間加熱した。次に、7重量部のゲルを5重量部のデカメチルシクロペンタシロキサンで剪断力下で膨潤させた。得られた均一なペーストは100,000cP(mPa・s)の粘度を有した。そのペーストに脱イオン水を5:1の重量比でガラスジャー内において機械的に混合した。しかしながら、この実施例において、水は分散できなかった。 次の第1の工程(1)と第2の工程(2)からなることを特徴とするシリコーンエラストマーの製造法: (1)(A)式R3SiO(R´2SiO)a(R´´HSiO)bSiR3又は式(R´2SiO)d(R´´HSiO)eの Si−Hを含有するポリシロキサン、および任意に、式HR2SiO(R´2SiO)cSiR2Hの≡Si−Hを含有するポリシロキサン又は式HR2SiO(R´2SiO)aR´´HSiO)bSiR2Hの≡Si−Hを含有するポリシロキサン〔式中のR,R´およびR´´は炭素原子数が1〜6のアルキル基,aは0〜250であり、bは1〜250であり、cは0〜250であり、dは0〜10であり、eは3〜10である〕;および (B)式CH2=CHCOO〔CH2CH2O〕m〔CH2CH(CH3)O〕n〔CH2CH(CH2CH3)O〕pTのモノアクリレート官能化ポリエーテル又は式CH2=C(CH3)COO〔CH2CH2O〕m〔CH2CH(CH3)O〕n〔CH2CH(CH2CH3)O〕pTのモノメタクリレート官能化ポリエーテル〔式中のTは水素;C1〜C30線状又は枝別れ鎖アルキル基、アリール基又はC1〜C20のアシル基を表し;m、nおよびpはそれぞれ0、又は1〜100の値を有する整数を表す、但しm、nおよびpの全てが0ではない〕を白金触媒の共存下で、ポリエーテル置換基および残留水素化ケイ素基を含有するポリシロキサンが形成されるまで反応させせる第1の工程;;および (2)(C)ポリエーテル置換基および残留水素化ケイ素基を含有するポリシロキサン;および (D)式CH2=CH(CH2)xCH=CH2のα、ω−ジエン、式CH≡C(CH2)xC≡CHのα、ω−ジインおよび式CH2=CH(CH2)xC≡CHのα、ω−エン−インからなる群から選択された不飽和炭化水素〔式中のxは1〜20である〕又は2つ以上の末端アルケニル基;2つ以上のアルケニル側基;又は2つ以上の末端基および側基を含有する不飽和シロキサン単量体又はシロキサン重合体からなる成分を; (E)式(CH3)3SiOCH3〕2SiO〕ySi(CH3)3の線状揮発性メチルシロキサン(式中のyは0〜5である)、又は式〔(CH3)2SiO〕zの環状揮発性メチルシロキサン(式中のzは3〜8である)である揮発性メチルシロキサンであり、そして250℃以下の沸点および0.65〜5.0のセンチストークス(mm2/s)粘度を有する該揮発性溶媒の存在下;および白金触媒の存在下で、シリコーンエラストマーが、不飽和炭化水素における二重結合又は三重結合にまたがるSi−Hの架橋および付加によって形成されるまで反応させる第2の工程。 前記第2の工程が、追加の反応物質として、(F)式R3SiO(R´2SiO)a(R´´HSiO)bSiR3又は式(R´2SiO)d(R´´HSiO)eの≡Si−Hを含有するポリシロキサン、および任意に、式HR2SiO(R´2SiO)cSiR2Hの≡Si−Hを含有するポリシロキサン又は式HR2SiO(R´2SiO)a(R´´HSiO)bSiR2Hの≡Si−Hを含有するポリシロキサン〔式中のR,R´およびR´´は炭素原子数が1〜6のアルキル基,aは0〜250であり、bは1〜250であり、cは0〜250であり、dは0〜10であり、eは3〜10である〕を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。 追加量の前記揮発性溶媒を請求項1または請求項2の製造方法により得られたシリコーンエラストマーに添加し、シリコーンペーストが形成されるまで該溶媒とシリコーンエラストマーをせん断加工する工程を含むことを特徴とするシリコーンペーストの製造方法。 請求項3の製造方法により得られるシリコーンペーストに水を添加し、水とシリコーンペーストをシリコーンエマルションが形成されるまでせん断加工する工程をさらに含むことを特徴とするシリコーンエマルションの製造方法。 前記シリコーンエマルションが、界面活性剤を添加することなく調製されることを特徴とする請求項4記載のシリコーンエマルションの製造方法。 ≡SiH含有ポリシロキサンにおける水素化ケイ素基に対するモノアクリレート官能化ポリエーテルおよびモノメタクリレート官能化ポリエーテルのモル比は、0.01〜1.0以下の範囲であり;m、nおよびpは全てが0ではない;そして≡SiH含有ポリシロキサンは任意に三官能性T単位RSiO3/2および四官能性Q単位SiO4/2を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。 第2の工程において、ポリエーテル置換基および残留水素化ケイ素基を含有するポリシロキサンおよび不飽和炭化水素の重量に対する溶媒の重量比は1−98であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。 第2の工程において、ポリエーテル置換基および残留水素化ケイ素基を含有するポリシロキサンと不飽和炭化水素のモル比が20:1〜1:20であることを特徴と請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。 請求項1又は2によって調製されるシリコーンエラストマー、又は請求項5の製造方法によって調製されるシリコーンペースト、又は請求項4又は5の製造方法によって調製されるシリコーンエマルションを含有することを特徴とする化粧品。


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