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タイトル:特許公報(B2)_アミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドおよびそれをコードする核酸
出願番号:1998549565
年次:2008
IPC分類:C12N 15/09,C12N 1/15,C12N 1/19,C12N 1/21,C12N 5/10,C12N 9/48,C12P 21/02,C12P 21/06,A23J 3/30


特許情報キャッシュ

ブリンコフスキー,アレクサンダー ブラウン,キンバリー ゴライトリー,エリザベス ビュン,トニー コフォッド,レーネ ベー. JP 4128632 特許公報(B2) 20080523 1998549565 19980515 アミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドおよびそれをコードする核酸 ノボザイムス,インコーポレイティド 石田 敬 鶴田 準一 福本 積 西山 雅也 樋口 外治 ブリンコフスキー,アレクサンダー ブラウン,キンバリー ゴライトリー,エリザベス ビュン,トニー コフォッド,レーネ ベー. US 08/857,886 19970516 US 60/062,893 19971020 20080730 C12N 15/09 20060101AFI20080710BHJP C12N 1/15 20060101ALI20080710BHJP C12N 1/19 20060101ALI20080710BHJP C12N 1/21 20060101ALI20080710BHJP C12N 5/10 20060101ALI20080710BHJP C12N 9/48 20060101ALI20080710BHJP C12P 21/02 20060101ALI20080710BHJP C12P 21/06 20060101ALI20080710BHJP A23J 3/30 20060101ALI20080710BHJP JPC12N15/00 AC12N1/15C12N1/19C12N1/21C12N5/00 AC12N9/48C12P21/02 CC12P21/06A23J3/30 C12N 15/00 - 90 BIOSIS/WPIDS(STN) GenBanK/EMBL/DDBJ/GeneSeq SwissProt/PIR/GeneSeq PubMed 国際公開第96/28542(WO,A1) 15 NRRL B-21677 US1998009940 19980515 WO1998051804 19981119 2002514920 20020521 51 20050516 福間 信子 発明の背景発明の分野本発明は、アミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドおよび前記ポリペプチドをコードする単離された核酸配列に関する。本発明はまた、前記核酸配列を含んで成る核酸構成物、ベクターおよび宿主細胞、並びに前記ポリペプチドの生産方法にも関する。本発明は更に、風味改良剤として有用なタンパク質水解物を得る方法にも関する。関連技術の記載様々な食料品、例えばスープ、ソースおよび調味料は、タンパク様物質の加水分解により得られた着香剤を含有する。この加水分解は従来、強塩酸の使用に続いて水酸化ナトリウムでの中和により行われている。しかしながら、そのような化学的加水分解は、加水分解中に得られるアミノ酸の過酷な分解を引き起こし、更にこの化学反応の過程で有害な副産物の形成も引き起こす。化学的加水分解により得られる着香剤を使用することに対する懸念が高まり、酵素的加水分解法の開発に至った。タンパク様物質の酵素的加水分解法は高い加水分解度(DH)を得ることをめざし、これは通常、非特異的に作用するタンパク質分解酵素(即ち、非特異的作用エンドペプチダーゼとエキソペプチダーゼ)の複合体を使って達成される。例えば、WO 94/25580号公報は、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)から得られる非特異的作用酵素調製物の使用によるタンパク質の加水分解方法を記載している。特異的作用タンパク質分解酵素は、不適切な程度の加水分解しか引き起こさないので、この目的には使用されていない。アミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドは、ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク質のN末端からの1または複数のアミノ酸残基の開裂を触媒する。そのようなポリペプチドは、国際生化学および分子生物学連合(IUBMB)の酵素分類番号E.C. 3.4.11のもとに分類される。WO 96/28542は、35kDa(キロダルトン)の分子量を有するアミノペプチダーゼを開示している。JP-7-5034631(野田)明細書は、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)を含む黄色コウジカビから得られたロイシンアミノペプチダーゼを開示している。JP-7-4021798(財団法人野田産業)明細書は、アスペルギルス・オリゼ460株(ATCC 20386)とIAM 2616株を含む多数の菌株を培養することにより調製したロイシンアミノペプチダーゼIIの添加による、味噌の製造を開示している。アスペルギルス・オリゼ460株は多数のロイシンアミノペプチダーゼを生産することが知られており、そのうちの3つはゲル濾過により26.5kDa,56kDaおよび61kDaの分子量を有する(それぞれ、Nakada他,1972, Agricultural and Biological Chemistry 37:757-765; Nakada他,1972, Agricultural and Biological Chemistry 37:767-774およびNakada他,Agricultural and Biological Chemistry 37:775-782)。ペニシリウム・シトリウム(Penicillium citrium)は、SDS-PAGEによると65kDaの分子量を有する細胞内ロイシンアミノペプチダーゼを生産する(Kwon他,1996, Journal of Industrial Microbiology 17:30-35)。WO 97/04108(Roehm)公報は、アスペルギルス・ソヤエ(Aspergillus sojae)ロイシンアミノペプチダーゼをコードするDNAを開示している。ChangとSmith(1989, Journal of Biolological Chemistry 264:6979-6983)は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)由来の液胞アミノペプチダーゼをコードする遺伝子の分子クローニングと配列決定を開示している。Chang他(1992, Journal of Biological Chemistry 267: 8007-8011)は、サッカロミセス・セレビシエ由来のメチオニンアミノペプチダーゼをコードする遺伝子の分子クローニングと配列決定を開示している。望ましい感覚刺激性質と高い加水分解度を有するタンパク質水解物の生産は一般に、ペプチダーゼ活性の混合物の使用を必要とする。従って、単独でまたは他の酵素と共に食品に使われるタンパク質水解物の感覚刺激性と加水分解度を高めるのに有用な活性を有する一成分ペプチダーゼ酵素を提供することが望ましいだろう。本発明の目的は、アミノペプチダーゼ活性を有する改良ポリペプチドおよび望ましい感覚刺激性と高い加水分解度を有するタンパク質水解物を得る方法を提供することである。発明の要約本発明は、(a) 配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b) 中緊縮性条件下で、(i)配列番号1の核酸配列、(ii)それの相補鎖、または(iii)それらの部分配列、とハイブリダイズする核酸配列によりコードされるポリペプチド;(c) (a)または(b)の対立遺伝子変異体;(d) (a),(b)または(c)の断片であって、アミノペプチダーゼ活性を有する断片;および(e) 次の物理化学的性質:(i)Ala−p−ニトロアニリドの存在下で周囲温度で測定した時に約pH7.27から約pH10.95までの範囲内の最適pH;(ii)基質の不在下で60℃で20分間インキュベーションした後で測定した時に初期活性に関して90%以上の温度安定性;および(iii)Xaa−p−ニトロアニリド(ここでXaaはLeu,Glu,Gly,AlaおよびProから成る群より選ばれる)に対する活性を有する、アミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドから成る群より選ばれた、アミノペプチダーゼ活性を有する単離されたポリペプチドに関する。本発明は、前記ポリペプチドをコードする単離された核酸配列、並びに前記核酸配列を含んで成る核酸構成物、ベクターおよび宿主細胞、並びに前記ポリペプチドの生産方法にも関する。本発明はまた、タンパク様基質から水解物を得る方法であって、単独でまたはエンドペプチダーゼと組み合わせて、アミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドの作用に前記タンパク様基質をかけることを含んで成る方法、および前記方法より得られた水解物にも関する。本発明はまた、タンパク様基質から、遊離のグルタミン酸および/またはペプチド結合したグルタミン酸残基が富化された水解物を得る方法であって、脱アミド工程とアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドの作用に前記基質をかけることを含んで成る方法にも関する。本発明は更に、アミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドを含んで成る、風味改良用組成物に関する。この組成物は追加の酵素活性を更に含んでもよい。最後の面では、食品関連の用途で、例えばベーキングにおいて本発明の方法を用いることにより、風味を改良することができる。あるいは、食品の風味改良は、本発明の方法により得られる水解物の添加によって得ることができる。【図面の簡単な説明】図1はアスペルギルス・オリゼATCC 20386アミノペプチダーゼの核酸配列と推定アミノ酸配列を示す(それぞれ配列番号1と2)。図2はpMWR3の制限地図を示す。図3はpEJG19の制限地図を示す。図4はpDM181の制限地図を示す。図5はpEJG28の制限地図を示す。発明の詳細な説明本明細書中の「アミノペプチダーゼ活性」なる用語は、ペプチド、オリゴペプチドおよびタンパク質のN末端からのアミノ酸の開裂を触媒するペプチダーゼ活性として定義される。一般的なものとして定義されるアミノペプチダーゼ活性は、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質のN末端からアミノ酸Xを開裂することができる。ここでXはAla,Arg,Asn,Asp,Cys,Gln,Glu,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Met,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrおよびValから成る群より選ばれたいずれかのアミノ酸残基を表すが、少なくともLeu,Glu,Gly,Alaおよび/またはProを表す。本発明のアミノペプチダーゼ活性を有する単離されたポリペプチドは、開裂しようとするペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質のアミノ酸配列に関して非特異的であってもよいと理解されるだろう。第一の態様では、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列に対して少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約60%、好ましくは少なくとも約70%、より好ましくは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、最も好ましくは少なくとも約95%、更に最も好ましくは少なくとも約97%の一致度を有するアミノ酸配列を有する、アミノペプチダーゼ活性を有する単離されたポリペプチド(以降、「相同ポリペプチド」と称する)に関する。好ましい態様では、相同ポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列とは5アミノ酸、好ましくは4アミノ酸、より好ましくは3アミノ酸、更により好ましくは2アミノ酸、そして最も好ましくは1アミノ酸だけ異なるアミノ酸配列を有する。本発明の目的上、2つのアミノ酸配列間の相同性の程度は、相同性表、ギャップペナルティー10およびギャップ延長ペナルティー10を使ってClustal法(Higgins,1989, CABIOS 5:151-153)により決定される。好ましくは、本発明のポリペプチドは、配列番号2のアミノ酸配列もしくはそれの対立遺伝子変異体;またはそれらの断片であってアミノペプチダーゼ活性を有する断片を含んで成る。より好ましい態様では、本発明のポリペプチドは配列番号2のアミノ酸配列を含んで成る。別の好ましい態様では、本発明のポリペプチドは配列番号2のアミノ酸配列またはアミノペプチダーゼ活性を有するその断片を含んで成る。配列番号2の断片は、このアミノ酸配列のアミノ末端および/またはカルボキシ末端から1もしくは複数のアミノ酸が削除されているポリペプチドである。最も好ましい態様では、本発明のポリペプチドが配列番号2のアミノ酸配列を有する。好ましくは、断片は少なくとも330アミノ酸残基、より好ましくは少なくとも380アミノ酸残基、最も好ましくは少なくとも430アミノ酸残基を含む。対立遺伝子変異体は、同じ染色体の遺伝子座を占有する遺伝子の2以上の別形態のいずれかを意味する。対立遺伝子変異は普通は突然変異から生じ、そして集団内に表現型多形性をもたらし得る。遺伝子変異はサイレントであってもよく(コードされるポリペプチドに変化がない)、または変更されたアミノ酸変異を有するポリペプチドをコードしてもよい。対立遺伝子変異体という用語は、ある遺伝子の対立遺伝子変異体によりコードされるタンパク質を言及するためにも用いられる。相同ポリペプチドのアミノ酸配列は、1もしくは複数のアミノ酸残基の挿入もしくは削除および/または異なるアミノ酸残基による1もしくは複数のアミノ酸残基の置換により、配列番号2のアミノ酸配列と異なってもよい。好ましくは、アミノ酸変更は好ましくは重要でない性質のものであり、即ち、タンパク質の折り畳みおよび/または活性に有意な影響を及ぼさない保存的アミノ酸置換;小規模の、典型的には1〜約30アミノ酸の削除;小規模のアミノ末端もしくはカルボキシル末端伸長、例えば1つのアミノ末端メチオニン残基;約20〜25残基までの小型リンカーペプチドの付加;または実効電荷もしくは別の機能を変更することにより精製を容易にする小規模の伸長、例えばポリヒスチジン領域、抗原性エピトープもしくは結合ドメインの付加である。保存的置換の例は塩基性アミノ酸(例えばアルギニン、リジンおよびヒスチジン)、酸性アミノ酸(例えばグルタミン酸およびアスパラギン酸)、極性アミノ酸(例えばグルタミンおよびアスパラギン)、疎水性アミノ酸(例えばロイシン、イソロイシンおよびバリン)、芳香族アミノ酸(例えばフェニルアラニン、トリプトファンおよびチロシン)および小型アミノ酸(例えばグリシン、アラニン、セリン、スレオニンおよびメチオニン)のグループ内である。一般に特異的活性を変更しないアミノ酸置換は当該技術分野で知られており、そして例えばH. Neurath & R.L. Hill, 1979, The Proteins, Academic Press,New Yorkにより記載されている。最もよく起こる置換はAla/Ser,Val/Ile,Asp/Glu,Thr/Ser,Ala/Gly,Ala/Thr,Ser/Asn,Ala/Val,Ser/Gly,Tyr/Phe,Ala/Pro,Lys/Arg,Asp/Asn,Leu/Ile,Leu/Val,Ala/GluおよびAsp/Gly並びに上述の逆のものである。第二の態様では、本発明は、低緊縮性条件下で、より好ましくは中緊縮性条件下で、最も好ましくは高緊縮性条件下で、同条件下で配列番号1の核酸配列もしくはそれの相補鎖とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズする核酸配列によってコードされる、アミノペプチダーゼ活性を有する単離されたポリペプチド(J. Sambrook, E.F. Fritsch & T. Maniatis, 1989, Molecular Cloning : A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor, New York);または該ポリペプチドの対立遺伝子変異体、およびアミノペプチダーゼ活性を有する該ポリペプチドの断片に関する。ハイブリダイゼーションは、標準サザンブロット法の後、核酸配列が、低〜高緊縮性条件下で(即ち、5×SSPE,0.3%SDS,200μg/mlの剪断し変性させたサケ精子DNA,低、中および高緊縮性に対してそれぞれ25%,35%または50%ホルムアミド中、42℃での予備ハイブリダイゼーションとハイブリダイゼーション)、配列番号1に示される核酸配列のポリペプチドコード部分に相当するオリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズすることを示す。配列番号2のアミノ酸配列またはそれの部分配列を使ってオリゴヌクレオチドプローブをデザインすることができ、あるいは本発明のポリペプチドをコードする核酸配列、例えば配列番号1の核酸配列またはそれの部分配列を使って、当該技術分野で周知の方法に従って、異なる属または種の株からアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAを同定しそしてクローニングすることができる。特に、標準サザンブロット法の後、着目の属または種の中の対応する遺伝子を同定および単離するために、その着目の属または種のゲノムDNAまたはcDNAとのハイブリダイゼーションにそのようなプローブを使用することができる。そのようなプローブは配列全体よりもかなり短いが、少なくとも15ヌクレオチド、好ましくは少なくとも25ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも40ヌクレオチドの長さを有するべきである。更に長いプローブも使用できる。DNAプローブとRNAプローブの両方が使用できる。プローブは、対応する遺伝子を検出するために典型的には標識される(例えば、32P,3H,35S,ビオチンまたはアビジンにより)。かくして、そういった他の生物から調製したゲノムライブラリー、cDNAライブラリーまたは組合せ化学ライブラリーを、上記プローブとハイブリダイズし且つアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドをコードするDNAについてスクリーニングすることができる。他の生物からのゲノムDNAまたは他のDNAは、アガロースもしくはポリアクリルアミドゲル電気泳動または他の分離技術によって分離することができる。ライブラリーからのDNAまたは分離されたDNAをニトロセルロースかまたは他の適当な担体材料へと移行し、そして固定化することができる。配列番号1の核酸配列と相同であるDNAまたはクローンを同定するために、サザンブロットにおいて担体担体材料を使用し、その担体材料を、好ましくは少なくとも50℃で、より好ましくは少なくとも55℃で、より好ましくは少なくとも60℃で、より好ましくは少なくとも65℃で、更により好ましくは少なくとも70℃で、最も好ましくは少なくとも75℃で、2×SSC,0.2%SDSを使って最後に各回30分間ずつ3回洗浄する。それらの条件下でオリゴヌクレオチドプローブがハイブリダイズする分子を、X線フィルムを使って検出する。第三の態様では、本発明は、次の物理化学的性質を有する単離されたポリペプチドに関する:(i)囲温度でAla−p−ニトロアニリドの存在下で測定した時に約pH7.27から約pH10.95までの範囲内の最適pH;(ii)基質の不在下で60℃で20分間インキュベーションした後で測定した時にpH7.5において、初期活性に関して90%以上の温度安定性;および(iii)Xaa−p−ニトロアニリド(ここでXaaはLeu,Glu,Gly,AlaおよびProから成る群より選ばれる)に対する活性。本発明のポリペプチドは他の基質を加水分解する能力も有する。好ましい態様では、Ala−Pro−p−ニトロアニリドの存在下で周囲温度で5分間インキュベーションした後で測定した時、最適pHが約pH7.27から約10.95までの範囲内、より好ましくは約pH8.03から約pH10.95までの範囲内、最も好ましくは約pH8.62から約pH10.51までの範囲内である。第四の態様では、本発明は、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドに対して免疫化学的に同一であるかまたは免疫化学的に一部同一である単離されたポリペプチドに関する。免疫化学的性質は、周知のオクタロニー(Ouchterlony)二重免疫拡散法による免疫学的交差反応試験によ決定される。具体的に言えば、Harboe & Ingild, N.H. Axelsen, J. Kroll & B. Weeks編,A Manual of Quantitative Immunoelectrophoresis, Blackwell Scientific Pub lications, 1973,第23章、またはJohnstone & Thorpe, Immunochemistry in Practice, Blackwell Scientific Publications, 1982(より詳しくは第27〜31頁)により記載された方法に従って、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドのエピトープと免疫反応性であるかまたはそれに結合する抗体を含有する抗血清を調製する。免疫化学的同一性を有するポリペプチドは、特定の免疫化学技術を用いた時に、同一の様式、例えば沈澱物の完全融合、同一の沈澱物形態および/または同一の電気泳動移動度において抗血清と反応するポリペプチドである。免疫化学的同一性の更なる説明は、Axelen, Bock & Kroll, N.H. Axelen, J. Kroll & B. Weeks編,A Manual of Quantitative Immunoelectrophoresis, Blackwell Scientific Publications, 1973, 第10章に記載されている。部分的な免疫化学的同一性を有するポリペプチドは、特定の免疫化学技術を用いた時に、部分的に同一の様式、例えば沈澱物の部分融合、部分的に同一の沈澱物形態、および/または部分的に同一の電気泳動移動度において抗血清と反応するポリペプチドである。部分的な免疫化学的同一性の更なる説明は、Bock & Axelen, N.H. Axelen, J. Kroll & B. Weeks編,A Manual of Quantitative Immunoelectrophoresis, Blackwell Scientific Publications, 1973, 第11章に記載されている。配列番号1の核酸配列、それの相補鎖または配列番号1の対立遺伝子変異体および部分配列、とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズする核酸配列;該ポリペプチドの対立遺伝子変異体および断片;あるいは、同一のまたは部分的に同一の免疫学的性質を有する相同ポリペプチドおよびポリペプチドは、任意の属の微生物から得ることができる。好ましい態様では、それらのポリペプチドは細菌起源より得ることができる。例えば、それらのポリペプチドは、グラム陽性菌、例えばバシラス株、例えばバシラス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バシラス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・ロータス(Bacillus lautus)、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)、バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バシラス・サチリス(Bacillus subtilis)もしくはバシラス・スリンジェンシス(Bacillus thuringiensis);またはストレプトマイセス株、例えばストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)もしくはストレプトマイセス・ムリナス(Streptomyces murinus)より;あるいはグラム陰性菌、例えばE.コリ(E. coli)またはシュードモナス(Pseudomonas)種より得ることができる。該ポリペプチドは、真菌起源、より好ましくは酵母株、例えばカンジダ(Candida)、クルイベロミセス(Kluyveromyces)、ピチア(Pichia)、サッカロミセス(Saccharomyces)、シゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)もしくはヤロウィア(Yarrowia);または糸状菌株、例えばアクレモニウム(Acremonium)、アスペルギルス(Aspergillus)、オーレオバシディウム(Aureobasidium)、クリプトコッカス(Cryptococcus)、フィリバシディウム(Filibasidium)、フザリウム(Fusarium)、フミコラ(Humicola)、マグナポルテ(Magunaporthe)、ムーコル(Mucor)、ミセリオフトラ(Myceliophthora)、ネオカリマスティックス(Neocallimastix)、ニューロスポラ(Neurospora)、ペシロミセス(Paecilomyces)、ペニシリウム(Penicillium)、ピロミセス(Piromyces)、シゾフィラム(Schizophyllum)、タラロミセス(Talaromyces)、テルモアスクス(Thermoascus)、チエラビア(Thielavia)、トリポクラジウム(Tolypocladium)もしくはトリコデルマ(Trichoderma)株より得ることができる。好ましい態様では、該ポリペプチドはサッカロミセス・カールスバーゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・ディアスタチクス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロミセス・ドウグラッシイ(Saccharomyces douglassi)、サッカロミセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロミセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)またはサッカロミセス・オビフォルミス(Saccharomyces oviformis)株より得られる。別の好ましい態様では、該ポリペプチドはフザリウム・バクトリディオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クロークウエレンセ(Fusarium crookwellense)、フザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンディ(Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・レティクラタム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシナム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイテス(Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロサム(Fusarium tolurosum)、フザリウム・トリコセシオイデス(Fusarium trichothecioides)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ラヌギノーザ(Humicola lanuginosa)、ムーコル・ミーヘイ(Mucor miehei)、ミセリオフトラ・テルモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)、ペニシリウム・プルプロゲナム(Penicillium purpurogenum)、トリコデルマ・ハージアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギイ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーセイ(Trichoderma reesei)、またはトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma virde)株より得られる。本発明のポリペプチドは、アスペルギルス(Aspergillus)種、例えば非限定的にアスペルギルス・アクレータス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フェティダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)またはアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)より得られる。更に好ましい態様では、本発明のポリペプチドは、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)株、最も好ましくはアスペルギルス・オリゼATCC 203386またはその変異株より得られ、例えば配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドである。上述した種については、本発明は、完全な状態と不完全な状態の両方、並びに既知である種名に関係なく他の分類上の等価物、例えばアナモルフを包含すると理解すべきである。当業者は、適当な等価物の本質を容易に認識するだろう。本発明のポリペプチドは、Raper, K.D. およびFennel, D.I.. 1965, The Genus Aspergillus, The Wilkins Company, Baltimoreにより定義されたようなアスペルギルスのシノニムである微生物からも得ることができる。アスペルギルスは、小胞で終結する既知の完全世代を全く持たない分生子柄;小柄または梗子などと様々に呼称される同調形成された特殊細胞の一層もしくは二層;および分生胞子と呼ばれる無性生殖により形成された胞子、から成るアスペルギルム(aspergillum)により特徴づけられる。アスペルギルスの既知完全世代としては、ユーロチウム、ネオサルトルヤおよびエメリセラが挙げられる。アスペルギルスの株およびそれの完全世代は、多数の微生物寄託機関、例えばATCC(the American Type Culture Collection)、DSM(Deutche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)、CBS(Centraalbureau Voor Schimmelculture)およびNRRL(Agricultural Research Service Patent Culture Collection, Northern Regional Research Center)において一般大衆に容易に入手可能である。更に、そのようなポリペプチドは、上記プローブを使って、自然界(例えば土壌、堆肥、水など)より単離された微生物を含むその他の源より同定しそして獲得することができる。自然環境から微生物を単離する技術は当該技術分野で周知である。次いで別の微生物のゲノムライブラリーまたはcDNAライブラリーを同様にスクリーニングすることにより、核酸配列を誘導することができる。1または複数のプローブを使って該ポリペプチドをコードする核酸配列が検出されれば、当業者に知られている技術(例えば、Sambrook他,1989,前掲を参照のこと)を使って、その配列を単離またはクローニングすることができる。本発明の目的上、与えられた起源に関連して用いるときの「得られる」という語は、該ポリペプチドがその源より生産されるか、またはその起源由来の遺伝子が挿入されている細胞により生産されることを意味する。本明細書中で用いる「単離された」ポリペプチドは、SDS-PAGEにより分析した時に、別の非アミノペプチダーゼポリペプチドを本質的に含まないポリペプチド、例えば少なくとも約20%純粋、好ましくは少なくとも約40%純粋、より好ましくは約60%純粋、更に好ましくは約80%純粋、最も好ましくは約90%純粋、そして更に最も好ましくは約95%純粋であるポリペプチドである。核酸配列本発明は、本発明のポリペプチドをコードする単離された核酸配列にも関する。好ましい態様では、その核酸配列がアスペルギルス、例えばアスペルギルス・オリゼから得られたポリペプチドをコードし、そしてより好ましい態様では、その核酸配列がアスペルギルス・オリゼATCC 20386から得られ、例えば配列番号1の核酸配列である。別のより好ましい態様では、その核酸配列がエシェリキア・コリ(Escherichia coli)NRRL B-21677中に含まれるプラスミドpEJG18上に存在する配列である。本発明は、配列番号2のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするが、遺伝暗号の縮重によって配列番号1とは異なる核酸配列も包含する。本発明はまた、アミノペプチダーゼ活性を有する配列番号2の断片をコードする、配列番号1の部分配列にも関する。配列番号1の部分配列は、5′末端および/または3′末端から1もしくは複数のヌクレオチドが欠失していることを除いて、配列番号1に含まれる核酸配列である。好ましくは、該部分配列は少なくとも990ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも1140ヌクレオチド、最も好ましくは少なくとも1290ヌクレオチドを含む。前記核酸配列は、知られている種名にかかわらず、Raper, K.D. & Fennel, D.J., 1965(前掲)により定義されたアスペルギルスの分類上の等価物である。ポリペプチドをコードする核酸配列を単離またはクローニングする技術は当該技術分野において既知であり、それはゲノムDNAからの単離、cDNAからの調製またはそれらの組合せを含む。例えば、周知のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または発現ライブラリーの抗体スクリーニングを用いて構造特徴を共有しているクローン化DNA断片を検出することにより、そのようなゲノムDNAから本発明の核酸配列をクローニングすることができる。例えばInnis他,1990, PCR: A Guide to Methods and Application, Academic Press, New Yorkを参照のこと。リガーゼ連鎖反応(LCR)、連結活性化転写(LAT)および核酸配列に基づいた増幅(NASBA)のような他の核酸増幅方法を使用してもよい。核酸配列はアスペルギルスの株から、または別生物もしくは関連生物の株からクローニングしてもよく、よって核酸配列は例えばその核酸配列のポリペプチドコード領域の対立遺伝子変異体または種変異体であってもよい。本明細書中で用いる「単離された核酸配列」なる用語は、他の核酸配列を本質的に含まない核酸配列のことを言い、例えば、アガロースゲル電気泳動により測定すると、少なくとも約20%純粋、好ましくは少なくとも約40%純粋、より好ましくは少なくとも約60%純粋、更に好ましくは少なくとも約80%純粋、最も好ましくは少なくとも約90%純粋である核酸配列を指す。例えば、単離された核酸配列は、該核酸配列をその本来の位置から、それが再生されるであろう他の部位へと移す遺伝子操作において使われる標準的クローニング技術により得ることができる。クローニング技術は、ポリペプチドをコードする核酸配列を含んで成る所望の核酸断片の切除と単離、ベクター分子中へのその断片の挿入、並びに該核酸配列の多重コピーまたはクローンが複製されるであろう宿主細胞中への組換えベクターの導入を必要とし得る。核酸配列はゲノムDNA,cDNA,RNA,半合成,合成起源,またはそれらのいずれかの組合せでのものあることができる。本発明は、配列番号1の核酸配列に対して少なくとも約50%、好ましくは約60%、好ましくは約70%、より好ましくは約80%、より好ましくは約90%、更により好ましくは約95%、最も好ましくは約97%の相同性の程度を有する、活性ポリペプチドをコードする核酸配列に関する。本発明の目的上、2つの核酸配列間の相同性の程度は、同一性表、ギャップペナルティー10およびギャップ延長ペナルティー10を使ってClustal法(Higgins, 1989, 前掲)により決定される。本発明のポリペプチドに実質的に類似したポリペプチドの合成のためには該ポリペプチドをコードする核酸配列の修飾が必要な場合がある。ポリペプチドに「実質的に類似した」という語は、該ポリペプチドの非天然形態を指す。それらのポリペプチドは、それの本来の源から単離されたポリペプチドとは、何らかの操作により異なり得る。例えば、部位特異的突然変異誘発を使って、比活性、耐熱性、最適pHなどが異なる該ポリペプチドの変異体を合成することが重要であるかもしれない。類似配列は、配列番号1のポリペプチドコード部分として、例えばその部分配列として与えられた核酸配列に基づいて、そして/または該核酸配列によりコードされるポリペプチドの異なるアミノ酸配列を生じないけれども酵素の生産用の宿主生物のコドン使用法と一致するようなヌクレオチド置換の導入により、または異なるアミノ酸配列を生じ得るヌクレオチド置換の導入により、作製することができる。ヌクレオチド置換の一般的記載については、例えば、Ford他,1991, Protein Expression and Purification 2:95:107を参照のこと。当業者には、そのような置換が該分子の機能に重要な領域の外側で行われ、且つそのような置換がまだ活性ポリペプチドをもたらすことは明らかであろう。本発明の単離された核酸配列によりコードされるポリペプチドの活性に不可欠なアミノ酸残基、従って好ましくは置換を受けないアミノ酸残基は、当該技術分野で既知の方法、例えば部位特異的突然変異誘発またはアラニン−スキャニング突然変異誘発(例えばCunningham & Wells, 1989, Science 244: 1081-1085参照)に従って同定することができる。後者の技術では、分子内のあらゆる正電荷を有する残基のところに突然変異を導入し、得られた突然変異分子をアミノペプチダーゼ活性について試験して、該分子の活性に重要であるアミノ酸残基を同定する。核磁気共鳴法、結晶学または光親和性標識法のような技術により決定されたような三次元結晶構造の分析によって、基質−酵素相互作用部位も決定することができる(例えば、de Vos他,1992, Science 255: 306-312;Smith他,1992, Journal of Molecular Biology 224: 899-904, 1992 ; Wlodaver他,1992, FEBS Letters, 309: 59-64を参照のこと)。本発明のポリペプチドは、別のポリペプチドを該ポリペプチドのもしくはその断片のN末端またはC末端に融合せしめた融合ポリペプチドまたは開裂可能な融合ポリペプチドを包含する。融合ポリペプチドは、本発明の核酸配列(またはその一部分)に別のポリペプチドをコードする核酸配列(またはその一部分)を融合せしめることにより製造される。融合ポリペプチドの製造方法は当該技術分野で既知であり、そのようなものとしては、それらが枠内にあり且つ融合ポリペプチドが同じプロモーターとターミネーターの調節下にあるように、両ポリペプチドをコードするコード配列を互いに連結せしめることが挙げられる。本発明は、低緊縮性条件下で、好ましくは中緊縮性条件下で、最も好ましくは高緊縮性条件下で、同条件下で配列番号1の核酸配列もしくはその相補鎖とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズする、本発明のポリペプチドをコードする単離された核酸配列;またはそれの対立遺伝子変異体および部分配列にも関する(Sambrook他,1989,前掲)。核酸構成物本発明は、調節配列に適合した条件下において適当な宿主中での発現を指令する1または複数の調節配列に作用可能に連結された本発明の核酸配列を含んで成る核酸構成物にも関する。発現は、非限定的に転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾および分泌をはじめとするポリペプチドの生産に関係する任意の段階を包含すると理解されるだろう。「核酸構成物」は、本明細書中では、天然の遺伝子から単離された、または天然には存在しないような形で組み合わされそして並列された核酸のセグメントを含むように修飾されている、一本鎖または二本鎖のいずれかの核酸分子として定義される。核酸構成物という語は、核酸構成物が本発明のコード配列の発現に必要な全ての調節配列を含む場合に発現カセットなる語と同義語である。本明細書中で用いられる「コード配列」という語は、mRNAに転写されそして本発明のポリペプチドに翻訳される配列である。コード配列の境界は、一般にmRNAの5′末端の転写解読枠のすぐ上流に置かれたリボソーム結合部位(原核生物)またはATG開始コドン(真核生物)と該mRNAの3′末端の転写解読枠のすぐ下流に置かれた転写終結配列により限定される。コード配列としては、非限定的に、DNA,cDNAおよび組換え核酸配列を挙げることができる。本発明のポリペプチドをコードする単離された核酸配列は、該ポリペプチドの発現に備えて様々な方法で操作することができる。発現ベクターに依存して、核酸配列をベクターに挿入する前に、ポリペプチドをコードする核酸配列の操作が望ましいかまたは必要かもしれない。クローニング法を使った核酸配列の修飾技術が当該技術分野で周知である。「調節配列」という用語は、本明細書中では、本発明のポリペプチドの発現に必要であるかまたは有利である全ての成分を包含すると定義される。各々の調節配列は本発明のポリペプチドをコードする核酸配列に対して生来であっても外来であってもよい。そのような調節配列としては、非限定的に、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモーター、シグナル配列および転写ターミネーターが挙げられる。最小限、調節配列はプロモーター、並びに転写および翻訳終結シグナルを含む。ポリペプチドをコードする核酸配列のコード領域と調節配列との連結を容易にする特定の制限部位を導入する目的で、調節配列にリンカーを提供してもよい。「作用可能に連結された」という用語は、本明細中では、調節配列がポリペプチドの生産を指令するように、調節配列がDNA配列のコード配列に関して所定の位置に適切に置かれた配置として定義される。調節配列は、核酸配列の発現用の宿主細胞により認識される核酸配列である、適当なプロモーター配列であることができる。プロモーター配列は、該ポリペプチドの発現を媒介する転写調節配列を含む。プロモーターは、特定の宿主細胞中で転写活性を示す任意の核酸配列であることができ(変異体、先端の切り取られたもの、およびハイブリッドプロモーターを含む)、宿主細胞にとって相同または非相同である細胞外または細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。特に細菌宿主細胞中での本発明の核酸構成物の転写を指令する適当なプロモーターの例は、E.コリlacオペロン、ストレプトマイセス・ケリコロール(Streptomyces coelicolor)アガラーゼ遺伝子(dagA)、バシラス・サチリス(Bacillus subtilis)レバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ遺伝子(amyL)、バシラス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)麦芽形成アミラーゼ遺伝子(amyM)、バシラス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)α−アミラーゼ遺伝子(amyQ)、バシラスリヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)ペニシリナーゼ遺伝子(penP)、バシラス・サチリスxylAとxylB遺伝子、および原核生物のβ−ラクタマーゼ遺伝子(Villa-Kamaroff他,1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75:3727-3731)、並びにtacプロモーター(DeBoer他,1983, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 80:21-25)より得られたプロモーターである。その他のプロモーターは“Useful proteins from recombinant bacteria”, Scientific American, 1980, 242: 74-94およびSambrook他,1989,前掲に記載されている。糸状菌宿主細胞中での本発明の核酸構成物の転写を指令する適当なプロモーターの例は、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus orizae)TAKAアミラーゼ、リゾムーコル・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)中性α−アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー酸安定性α−アミラーゼ、アスペルギルス・ニガーまたはアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)グルコアミラーゼ(glaA)、リゾムーコル・ミーヘイリパーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus orizae)アルカリ性プロテアーゼ、アスペルギルス・オリゼのトリオースリン酸イソメラーゼ、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)アセトアミダーゼ、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)トリプシン様プロテアーゼ(米国特許第4,288,627号明細書)をコードする遺伝子に由来するプロモーター、並びにそれらの変異体、先端の切り取られたもの、およびハイブリッドプロモーターに由来するプロモーターである。糸状菌宿主細胞中での使用に特に好ましいプロモーターは、TAKAアミラーゼ、NA2-tpi(アスペルギルス・ニガーの中性α−アミラーゼをコードする遺伝子からのプロモーターとアスペルギルス・オリゼのトリオースリン酸イソメラーゼをコードする遺伝子からのプロモーターとのハイブリッド)およびglaAプロモーターである。酵母宿主中で有用なプロモーターは、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のエノラーゼ遺伝子(ENO-1)、サッカロミセス・セレビシエガラクトキナーゼ遺伝子(GAL1)、サッカロミセス・セレビシエのアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(ADH2/GAP)およびサッカロミセス・セレビシエの3−ホスホグリセレートキナーゼ遺伝子より得られる。酵母宿主細胞用の他の有用なプロモーターは、Romanos他,1992, Yeast 8: 423-488により記載されている。哺乳動物宿主細胞中で有用なプロモーターとしては、ウイルスプロモーター、例えばシミアンウイルス40(SV40)、ラウス肉腫ウイルス(RSV)、アデノウイルス、ウシ乳頭腫ウイルス(BPV)およびヒトシトメガロウイルス(CMV)からのプロモーターが挙げられる。調節配列は、宿主細胞が転写を終結すると認識する配列である適当な転写ターミネーター配列であってもよい。ターミネーター配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列の3′末端に作用可能に連結される。特定の宿主細胞中で機能的であるいずれのターミネーターも本発明において使用できる。糸状菌宿主細胞に好ましいターミネーターは、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus orizae)TAKAアミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)グルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)アントラニル酸シンターゼ、アスペルギルス・ニガーα−グルコシダーゼ、およびフザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)トリプシン様プロテアーゼをコードする遺伝子より得られる。酵母宿主細胞に好ましいターミネーターは、サッカロミセス・セレビシエのエノラーゼ、サッカロミセス・セレビシエのチトクロームC(CYC1)またはサッカロミセス・セレビシエのグリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼより得られる。他の酵母宿主細胞に有用なターミネーターはRomanos他,1992(前掲)に記載されている。哺乳動物宿主細胞用のターミネーター配列は当該技術分野で周知である。調節配列は、宿主細胞による翻訳に重要なmRNAの非翻訳領域である適当なリーダー配列であってもよい。リーダー配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列の5′末端に作用可能に連結される。特定の宿主細胞中で機能的であるいずれのリーダー配列も本発明において使用できる。糸状菌宿主細胞に好ましいリーダーは、アスペルギルス・オリゼのTAKAアミラーゼおよびアルペルギルス・ニデュランスのトリオースリン酸イソメラーゼをコードする遺伝子より得られる。酵母宿主細胞に適当なリーダーは、サッカロミセス・セレビシエのエノラーゼ遺伝子(ENO-1)、サッカロミセス・セレビシエの3−ホスホグリセレートキナーゼ遺伝子、サッカロミセス・セレビシエのα因子、およびサッカロミセス・セレビシエのアルコールデヒドロゲナーゼ/グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(ADH2/GAP)より得られる。調節配列は、核酸配列の3′末端に作用可能に連結され、且つ転写されると転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するシグナルとして宿主細胞により認識される配列である、ポリアデニル化配列であってもよい。特定の宿主細胞中で機能的であるいずれのポリアデニル化配列でも本発明において使用できる。糸状菌に好ましいポリアデニル化配列は、アスペルギルス・オリゼのTAKAアミラーゼ、アスペルギルス・ニガーのグルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニデュランスのアントラニル酸シンターゼ、およびアスペルギルス・ニガーのα−グルコシダーゼをコードする遺伝子より得られる。酵母宿主細胞に有用なポリアデニル化配列は、Guo & Sherman, 1995, Molecular Cellular Biology 15: 5983-5990により記載されている。哺乳動物宿主細胞用のポリアデニル化配列は周知である。調節配列は、コードされるポリペプチドを細胞の分泌経路へと差し向けることができるポリペプチドのアミノ末端に連結されたアミノ酸配列をコードする、シグナルペプチドコード領域であってもよい。核酸配列のコード配列の5′末端が本来、分泌型ポリペプチドをコードするコード領域のセグメントと翻訳読み枠内で生来に連結されているシグナルペプチドコード領域を含んでもよい。あるいは、コード配列の5′末端が、コード配列にとって外来であるシグナルペプチドコード領域を含んでもよい。外来のシグナルペプチドコード領域は、通常はコード配列がシグナルペプチドコード領域を含まない場合に必要とされるかもしれない。あるいは、ポリペプチドの分泌を増強するために、外来のシグナルペプチドコード領域が単純に生来のシグナルペプチドコード領域と置き替わってもよい。シグナルペプチドコード領域は、アスペルギルス種由来のアミラーゼもしくはグルコアミラーゼ遺伝子、リゾムーコル種由来のリパーゼもしくはプロテイナーゼ遺伝子、サッカロミセス・セレビシエ由来のα因子遺伝子、バシラス種由来のアミラーゼもしくはプロテアーゼ遺伝子、または子牛プレプロキモシン遺伝子より得られてもよい。しかしながら、発現されたポリペプチドを特定の宿主細胞の分泌経路へと差し向けるいずれのシグナルペプチドコード領域でも本発明に使用できる。細菌宿主細胞に有効なシグナルペプチドコード領域は、バシラスNCIB 11837からの麦芽形成アミラーゼ遺伝子、バシラス・ステアロサーモフィラスのα−アミラーゼ遺伝子、バシラス・リヘニフォルミスのブチリシン遺伝子、バシラス・リヘニフォルミスのβ−ラクタマーゼ遺伝子、バシラス・ステアロサーモフィルスの中性プロテアーゼ遺伝子(nprT,nprS,nprM)、またはバシラス・サチリスのPrsA遺伝子から得られたシグナルペプチドコード領域である。追加のシグナルペプチドは、Simonen & Palva, 1993, Microbiological Reviews 57: 109-137により記載されている。糸状菌宿主細胞に有効なシグナルペプチドコード領域は、アスペルギルス・オリゼのTAKAアミラーゼ遺伝子、アスペルギルス・ニガーの中性アミラーゼ遺伝子、リゾムーコル・ミーヘイのアスパラギン酸プロテイナーゼ遺伝子、フミコラ・ラヌギノーザ(Humicola lanuginosa)のセルラーゼ遺伝子、またはフミコラ・ラヌギノーザのリパーゼ遺伝子より得られたシグナルペプチドコード領域である。酵母宿主細胞に有用なシグナルペプチドは、サッカロミセス・セレビシエのα因子遺伝子およびサッカロミセス・セレビシエのインベルターゼ遺伝子より得られる。他の有用なシグナルペプチドコード領域はRomanos他,1992(前掲)により記載されている。調節配列は、ポリペプチドのアミノ末端に置かれたアミノ酸配列をコードするプロペプチドコード領域であってもよい。結果として得られるポリペプチドはプロ酵素またはプロポリペプチド(または場合によりチモーゲン)である。プロポリペプチドは通常は不活性であり、そして該プロポリペプチドからのプロペプチドの触媒または自己触媒開裂により成熟活性ポリペプチドに変換され得る。プロペプチドコード領域は、バシラス・サチリスのアルカリ性プロテアーゼ遺伝子(aprE)、バシラス・サチリスの中性プロテアーゼ遺伝子(nprT)、サッカロミセス・セレビシエのα因子遺伝子、リゾムーコル・ミーヘイのアスパラギン酸プロテイナーゼ遺伝子、またはミセリオフトラ・テルモフィラ(Myceliophthora thermophila)のラッカーゼ遺伝子(WO 95/33836)より得られてもよい。シグナルペプチド領域とプロペプチド領域の両方がポリペプチドのアミノ末端に存在する場合、プロペプチド領域がポリペプチドのアミノ末端に隣接して置かれ、そしてシグナルペプチド領域がプロペプチド領域のアミノ末端に隣接して置かれる。本発明の核酸構成物は、ポリペプチドの発現を指令するのに有利である1または複数の因子、例えば転写活性化因子(例えばトランス作用性因子)、シャペロン(chaperone)およびプロセシングプロテアーゼ、をコードする1または複数の核酸配列を含んで成ってもよい。選択した宿主細胞中で機能的であるいずれの因子も本発明において使用できる。それらの因子の1つまたは複数をコードする核酸配列は、ポリペプチドをコードする核酸配列と必ずしも縦に並んで存在する必要はない。転写活性化因子は、ポリペプチドをコードする核酸配列の転写を活性化するタンパク質である(Kudla他,1990, EMBO Journal 9: 1355-1364; Jarai & Buxton, 1994, Current Genetics 26: 2238-2244; Verdier, 1990, Yeast 6: 271-297)。活性化因子をコードする核酸配列は、バシラス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)NprA(nprA)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)ヘム活性化タンパク質1(hap1)、サッカロミセス・セレビシエのガラクトース代謝タンパク質4(gal4)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)アンモニア調節タンパク質(areA)およびアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)α−アミラーゼ活性化因子(amyR)をコードする遺伝子より得ることができる。更なる例についてはVerdier, 1990(前掲)およびMacKenzie他,1993, Journal of General Microbiology 139: 2295-2307を参照のこと。シャペロン(chaperone)は、別のポリペプチドが正しく折り畳むのを助けるタンパク質である(Hartl他,1994, TIBS 19: 20-25; Bergeron他,1994, TIBS 19: 124-128; Demolder他,1994, Journal of Biotechnology 32: 179-189; Craig, 1993, Science 260: 1902-1903; Geithing & Sambrook, 1992, Nature 355: 33-45; Puig & Gilbert, 1994, Journal of Biological Chemisty 269: 7764-7771; Wang & Tsou, 1993, The FASEB Journal 7:1515-11157; Robinson他,1994, Bio/Technology 1: 381-384; Jacobs他,1993, Molecular Microbiology 8: 957-966)。シャペロンをコードする核酸配列は、バシラス・サチリスのGroEタンパク質、バシラス・サチリスのPrsA、アスペルギルス・オリゼのタンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、サッカロミセス・セレビシエのカルネキシン、サッカロミセス・セレビシエのBiP/GRP78およびサッカロミセス・セレビシエのHsp70をコードする遺伝子より得ることができる。その他の例については、Gething & Sambrook, 1992(前掲)およびHartl他,1994(前掲)を参照のこと。プロセシングプロテアーゼは、プロペプチドを開裂せしめて生化学的に活性な成熟ポリペプチドを生成するプロテアーゼである(Enderlin & Ogrydziak, 1994, Yeast 10: 67-79; Fuller他,1989, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 86: 1434-1438; Julius他,1984, Cell 37: 1075-1089; Julius他,1983, Cell 32: 839-852; 米国特許第5,702,934号明細書)。プロセシングプロテアーゼをコードする核酸配列は、サッカロミセス・セレビシエのジペプチジルアミノペプチダーゼ、サッカロミセス・セレビシエのKex2、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lypolytica)の二塩基性プロセシングエンドプロテアーゼ(xpr6)およびフザリウム・オキシスポラムのメタロプロテアーゼ(p45遺伝子)をコードする遺伝子より得ることができる。宿主細胞の増殖に関してポリペプチドの発現の調節を可能にする調節配列を付加することも望ましいかもしれない。調節系の例は、化学的または物理的刺激物質(調節化合物の存在を含む)に応答して遺伝子の発現をオンまたはオフさせるものが挙げられる。原核生物系での調節系は、lac,tacおよびtrpオペレーター系を含むだろう。酵母では、ADH2系またはGAL1系を使うことができる。糸状菌では、TAKAα−アミラーゼプロモーター、アスペルギルス・ニガーのグルコアミラーゼプロモーター、およびアスペルギルス・オリゼのグルコアミラーゼプロモーターを調節配列として使用することができる。調節配列の他の例は、遺伝子増幅を考慮に入れたものである。真核生物系では、調節配列としては、メトトレキセートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸レダクターゼ遺伝子、および重金属を用いて増幅されるメタロチオネイン遺伝子が挙げられる。それらの場合、ポリペプチドをコードする核酸配列が調節遺伝子に作用可能に連結されるだろう。本発明は、本発明のポリペプチドをコードする内因性遺伝子の発現を変更するための核酸構成物にも関する。この構成物は、内因性遺伝子の発現を変更するのに必要な最少数の成分を含んでもよい。一態様では、核酸構成物が、好ましくは(a)ターゲティング(標的指向)配列、(b)調節配列、(c)エキソン、および(d)スプライス供与部位を含有する。この核酸構成物を細胞中に導入すると、内因性遺伝子部位のところでの相同組換えによって該構成物が細胞のゲノム中に挿入される。ターゲティング配列は、要素(b)〜(d)が内因性遺伝子に作用可能に連結されるような内因性遺伝子中への要素(a)〜(d)の組み込みを指令する。別の態様では、核酸構成物が(a)ターゲティング配列、(b)調節配列、(c)エキソン、(d)スプライス供与部位、(e)イントロン、および(f)スプライス受容部位を含有し、ここでターゲティング配列は、要素(b)〜(f)が内因性遺伝子に作用可能に連結されるような要素(a)〜(f)の組み込みを指令する。しかしながら、これらの構成物は選択マーカーのような追加の成分を含んでもよい。どちらの態様でも、それらの成分の導入は、内因性遺伝子の発現が変更される新規転写単位の生成をもたらす。本質的に、新規転写単位は、ターゲティング構成物と内因性遺伝子とにより導入された配列の融合生成物である。内因性遺伝子が変更される一態様では、その遺伝子が活性化される。この態様では、相同組換えを用いて、対応する親細胞において明らかであるよりも高いレベルで該遺伝子を発現させる調節配列の挿入によって親細胞の内因性遺伝子に通常関連した調節領域を置換、破壊、または無能にする。活性化された遺伝子は、当該技術分野で周知の方法(例えば、米国特許第5,641,670号明細書を参照のこと)を使って構成物中に増幅可能な選択マーカーを含めることにより更に増幅させることができる。内因性遺伝子の発現が変更される別の態様では、該遺伝子の発現が低減される。ターゲティング配列は、内因性遺伝子の内部に、該遺伝子にすぐに隣接して、または内因性遺伝子の上流に且つ離れた所にあることができる。1または複数のターゲティング配列を使用できる。例えば、環状プラスミドまたはDNA断片は好ましくは単一のターゲティング配列を使用し、一方直鎖状プラスミドまたはDNA断片は好ましくは2つのターゲティング配列を使用する。該構成物の調節配列は、1もしくは複数のプロモーター、エンハンサー、骨格付着領域もしくはマトリックス付着部位、陰性調節要素、転写結合部位、またはそれらの配列の組合せから成ることができる。該構成物は、内因性遺伝子の1または複数のエキソンを更に含んで成る。エキソンは、RNAにコピーされ、そしてエキソン配列が内因性遺伝子のコード領域と枠内になるように成熟mRNA分子中に存在するDNA配列として定義される。エキソンは、場合により、1または複数のアミノ酸をコードしそして/または1アミノ酸を部分的にコードするDNAを含むことができる。あるいは、エキソンは5′非コード領域に相当するDNAを含む。1または複数の外因性エキソンが1もしくは複数のアミノ酸および/または1アミノ酸の一部分をコードする場合、転写およびスプライシングを受けると、読み枠が内因性遺伝子のコード領域と枠内にあり、その結果第二エキソンから誘導されるmRNAの部分の適当な読み枠が未変更であるような核酸構成物がデザインされる。該構成物のスプライス供与部位は、あるエキソンから別のエキソンまでのスプライシングを指令する。典型的には、第一エキソンは第二エキソンの5′側にあり、そして第一エキソンと重複し且つその3′側に隣接しているスプライス供与部位は第二エキソンの5′側にある第二エキソンに隣接したスプライス受容部位を認識する。スプライス受容部位は、スプライス供与部位と同様に、あるエキソンから別のエキソンまでのスプライシングを指令する配列である。スプライス供与部位と共同して作用することにより、スプライシング装置はスプライス受容部位を使用してイントロンの除去を行う。発現ベクター本発明は、本発明の核酸配列、プロモーター、並びに転写および翻訳終結シグナルを含んで成る組換え発現ベクターにも関する。上述した様々な核酸配列および調節配列を一緒に連結して組換え発現ベクターを作製することができ、該組換え発現ベクターは1または複数の制限部位でのポリペプチドをコードする核酸配列の挿入または置換に備えてそのような便利な制限部位を含んでもよい。あるいは、本発明の核酸配列は、その核酸配列または該配列を含んで成る核酸構成物を適当な発現ベクター中に挿入することにより発現させることができる。発現ベクターを作製する場合、コード配列が発現のおよび可能なら分泌の調節配列と作用可能に連結されるようにベクター中に置かれる。組換え発現ベクターは、組換えDNA操作に便利に付すことができ且つ核酸配列の発現をもたらすことができる任意のベクター(例えばプラスミドまたはウイルス)であってもよい。組換えベクターの選択は、典型的には、該ベクターと該ベクターを導入しようとする宿主細胞との適合性に依存するだろう。該ベクターは直鎖状であっても閉環状プラスミドであってもよい。該ベクターは自己複製性ベクター、即ち、その複製が染色体の複製とは無関係である染色体外存在物として存在するベクター、例えばプラスミド、染色体外要素、小染色体または人工染色体であることができる。ベクターは自己複製を保証する任意の手段を含んでもよい。あるいは、ベクターは、宿主細胞中に導入すると、ゲノム中に組み込まれ、そしてそれが組み込まれている1または複数の染色体と一緒に複製されるものであってもよい。ベクター系は単一ベクターであるか、または宿主細胞のゲノム中に導入しようとする完全なDNAを一緒に含む2以上のベクターもしくはプラスミドであるか、またはトランスポゾンであることができる。本発明のベクターは、好ましくは形質転換された細胞の選択を容易にする1または複数の選択マーカーを含有する。選択マーカーは、その生成物が殺生物剤耐性またはウイルス耐性、重金属耐性、独立栄養体への原栄養性などに備える遺伝子である。細菌の選択マーカーの例は、バシラス・サチリスもしくはバシラス・リヘニフォルミスからのdal遺伝子、または抗生物質耐性、例えばアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコールもしくはテトラサイクリン耐性を付与するマーカーである。哺乳類に適当なマーカーはジヒドロ葉酸レダクターゼ(dfhr)、ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(hygB)、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼIIおよびフレオマイシン耐性遺伝子である。酵母宿主細胞に適当なマーカーは、ADE2,HIS3,LEU2,LYS2,MET3,TRP1およびURA3である。糸状菌宿主細胞中で使用される選択マーカーは、非限定的にamdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hygB(ヒグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、pyrG(オロチジン−5′−リン酸デカルボキシラーゼ)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)、trpC(アントラニル酸シンターゼ)並びに他の種からの等価物を包含する群より選ぶことができる。アスペルギルス細胞中での使用に好ましいのは、アスペルギルス・ニデュランスまたはアスペルギルス・オリゼのamdSおよびpyrG遺伝子、並びにストレプトマイセス・ヒグロスコピクス(Streptomyces hygroscopicus)のbar遺伝子である。更に、選択は例えばWO 91/17243に記載されたような、選択マーカーが別個のマーカー上に存在する同時形質転換により達成することができる。本発明のベクターは、好ましくは、宿主細胞ゲノム中へのベクターの安定した組み込みまたは宿主細胞のゲノムとは独立した宿主細胞中での該ベクターの自己複製を可能にする1または複数の要素を含有する。宿主細胞ゲノム中への組み込みには、ベクターは該ポリペプチドをコードする核酸配列、または相同組換えもしくは非相同組換えによるゲノム中への該ベクターの安定な組み込みのための別の要素を頼みにすることができる。あるいは、該ベクターが宿主細胞のゲノム中への相同組換えによる組み込みを指令する追加の核酸配列を含んでもよい。この追加の核酸配列は、染色体中の正確な位置での宿主細胞ゲノム中へのベクターの組み込みを可能にする。正確な位置での組み込みの可能性を高めるために、組み込み要素は、相同組換えの確率を増加させるために対応する標的配列と高度に相同である十分な数の核酸、例えば100〜1,500塩基対、好ましくは400〜1,500塩基対、最も好ましくは800〜1.500塩基対を含むべきである。組み込み要素は、宿主細胞のゲノム中の標的配列と相同であるいずれの配列でもよい。更に、組み込み要素は非コード核酸配列でもコード核酸配列でもよい。他方で、ベクターは非相同組換えによって宿主細胞のゲノム中に組み込むこともできる。自己複製の場合には、ベクターは、該ベクターを問題の宿主細胞中で自律的に複製できるようににする複製開始点を更に含んで成ってもよい。細菌の複製開始点の例は、E.コリ中での複製を可能にするプラスミドpBR322,pUC19,pACYC177およびpACYC184の複製開始点、並びにバシラス中での複製を可能にするプラスミドpUB110,pE194,pTA1060およびpAMβ1の複製開始点である。酵母宿主細胞中で用いられる複製開始点の例は、2μ複製開始点,ARS1,ARS4,ARS1とCEN3の組合せ、およびARS4とCEN6の組合せである。複製開始点は、宿主細胞中でその機能を温度感受性にする変異を有するものであってもよい(例えば、Ehrlich, 1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75:1433を参照のこと)。本発明のポリペプチドをコードする核酸配列の複数コピーを宿主細胞に挿入して該核酸配列を増幅せしめることができる。適当な核酸配列の増幅は、宿主細胞ゲノム中に該配列の少なくとも1つの追加コピーを組み込むことにより、または核酸配列と共に増幅可能な選択マーカー遺伝子を含めることにより達成することができ、そして適当な選択剤の存在下で細胞を培養することにより、選択可能な含マーカー遺伝子の増幅コピーを含む細胞を選択することができ、それによって該核酸配列の追加のコピーを選択することができる。上述の要素を連結せしめて本発明の組換え発現ベクターを作製するのに用いる手順は、当業者に周知である(例えば、Sambrook他,1989,前掲を参照のこと)。宿主細胞本発明は、ポリペプチドの組換え生産に有利に用いられる、本発明の核酸配列を含んで成る組換え宿主細胞にも関する。「宿主細胞」という用語は、複製中に起こる突然変異のために親細胞と同一でない、親細胞の任意の子孫を包含する。本発明の核酸配列を含んで成るベクターは、該ベクターが染色体組み込み物としてまたは自己複製性染色体外ベクターとして維持されるように宿主細胞中に導入される。核酸配列が細胞中に安定に維持されるようであるから、一般に組み込みが有利であると考えられる。宿主染色体中へのベクターの組み込みは、上述したような相同組換えまたは非相同組換えによって行われ得る。宿主細胞の選択は、大部分はポリペプチドをコードする遺伝子およびその起源に依存するだろう。宿主細胞は単細胞微生物、例えば原核生物、または多細胞微生物、例えば真菌生物であることができる。有用な単細胞は細菌細胞、例えばグラム陽性菌、例えば非限定的にバシラス細胞、例えばバシラス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バシラス・アミロリクファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バシラス・ブレビス(Bacillus brevis)、バシラス・サーキュランス(Bacillus circulans)、バシラス・クラウジイ(Bacillus clausii)、バシラス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バシラス・ロータス(Bacillus lautus)、バシラス・レンタス(Bacillus lentus)、バシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バシラス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バシラス・ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermophilus)、バシラス・サチリス(Bacillus subtilis)およびバシラス・スリンジェンシス(Bacillus thuringiensis);またはストレプトマイセス細胞、例えばストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)およびストレプトマイセス・ムリナス(Streptomyces murinus);あるいはグラム陰性菌、例えばE.コリ(E. coli)およびシュードモナス(Pseudomonas)種である。好ましい態様では、細菌宿主細胞がバシラス・レンタス、バシラス・リヘニフォルミス、バシラス・ステアロサーモフィラス、またはバシラス・サチリス細胞である。細菌宿主細胞中へのベクターの導入は、例えば、プロトプラスト形質転換により(例えばChang & Cohen 1979, Molecular General Genetics 168:111-115を参照のこと)、コンピテント細胞を使うことにより(例えば、Young & Spizizin, 1961, Journal of Bacteriology 81: 823-829、またはDubnau & Davidoff-Abelson, 1971, Journal of Molecular Biology 56: 209-221を参照のこと)、エレクトロポレーションにより(例えば、Shigekawa & Dower, 1988, Biotechniques 6: 742-751を参照のこと)、または接合により(例えばKoehler & Thorne, 1987, Journal of Bacteriology 169: 5771-5278を参照のこと)行うことができる。宿主細胞は、真核細胞、例えば哺乳動物細胞、昆虫細胞、植物細胞または真菌細胞であることもできる。有用な哺乳動物細胞としては、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、ヘラ(HeLa)細胞、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞、COS細胞、または例えばATCC(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション)から入手可能な多数の他の不死化細胞系が挙げられる。好ましい態様では、宿主細胞が真菌細胞である。本明細書中で用いる「真菌」という語は、子嚢菌門(Ascomycota)、担子菌門(Basidiomycota)、ツボカビ門(Chytridiomycota)および接合菌門(Zygomycota)〔Hawksworth他、Ainsworth and Bisby’s Dictionary of The Fungi,第8版,1995, CAB International, University Press, Cambridge, UKにより定義されたような〕並びに卵菌門(Oomycota)〔Hawksworth他,1995,前掲,第171頁に言及されたような〕および全ての有糸分裂性真菌類(Hawksworth他,1995,前掲)を包含する。子嚢菌門の代表群としては、例えばニューロスポラ(Neurospra)、ユーペニシリウム(=ペニシリウム)、エメリセラ(=アスペルギルス)、ユーロチウム(=アスペルギルス)および下記に列挙する真性酵母である。担子菌門の例としては、キノコ類、サビ病菌およびクロボ病菌が挙げられる。ツボカビ門の代表群としては、例えば、アロミセス(Allomyces)、ブラストクラジエラ(Blastocladiella)、コエロモミセス(Coelomomyces)および水生菌類が挙げられる。卵菌門の代表群としては、例えば、アクリヤ(Achlya)のような腐敗性水生菌類(水カビ)が挙げられる。有糸分裂性真菌類の例としては、アスペルギルス、ペニシリウム、カンジダおよびアルテルナリアが挙げられる。接合菌門の代表群としては、例えばリゾプス(Rhizopus)およびムーコル(Mucor)が挙げられる。より好ましい態様では、真菌宿主細胞が酵母細胞である。本明細書中で用いる「酵母」は、有子嚢胞子酵母(Endomycetales)、担子胞子酵母、および不完全菌類(Blastomycetes)に属する酵母を包含する。有子嚢胞子酵母はスペルモフトラ科(Spermophthoraceae)とサッカロミセス科(Saccharomycetaceae)に分けられる。後者は4つの亜科、すなわちシゾサッカロミセス科(例えばシゾサッカロミセス属)、ナドソニオ科、リポミセス科およびサッカロミセス科(例えば、クルイベロミセス、ピチアおよびサッカロミセス属)から構成される。担子胞子酵母としては、ロイコスポリジウム(Leucosporidium)、ロドスポオリジウム(Rhodosporidium)、スポリジオボラス(Sporidiobolus)、フィロバシディウム(Filobasidium)およびフィロバシディエラ(Filobasidiella)が挙げられる。不完全菌類に属する酵母は2つの科、スポロボロミセス科(Sporobolomycetaceae)〔例えばスポロボロミセス属(Sporobolomyces)およびブレラ属(Bullera)〕並びにクリプトコッカス科(Cryptococcaceae)〔例えばカンジダ属(Candida)に分類される。酵母の分類は将来変わるかもしれないので、本発明の目的上、酵母はBiology and Activities of Yeast(Skinner, F.A.,., Passmore, S.M., & Davenport, R.R. 編,Soc. App. Bacteriol. Symposium Series No.9, 1980)に記載のように定義すべきである。酵母の生物学および酵母遺伝学の操作は当該技術分野で周知である(例えば、Biochemistry and Genetics of Yeast, Bacil, M., Horecker, B.J., & Stopani, A.O.M.編,第2版,1987; The Yeasts, Rose, A.H. & Harrison, J.S. 編,第2版,1987;およびThe Mocecular Biology of the Yeast Saccharomyces, Strathern他編,1987を参照のこと)。更により好ましい態様では、酵母宿主細胞がカンジダ、ハンゼヌラ、クルイベロミセス、ピチア、サッカロミセス、シゾサッカロミセスまたはヤロウィア種の細胞である。最も好ましい態様では、酵母宿主細胞がサッカロミセス・カールスバーゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロミセス・ディアスタティカス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロミセス・ドウグラシイ(Saccharomyces douglasii)、サッカロミセス・クルイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロミセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)またはサッカロミセス・オビフォルミス(Saccharomyces oviformis)細胞である。別の最も好ましい態様では、酵母宿主細胞がクルイベロミセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)細胞である。別の最も好ましい態様では、酵母宿主細胞がヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)細胞である。別のより好ましい態様では、真菌宿主細胞が糸状菌細胞である。「糸状菌」は、真菌亜門と卵子菌亜門(Hawksworth他,1995,前掲により定義される)の全ての糸状形を包含する。糸状菌は、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナンおよび他の複合多糖類から構成される菌糸壁によって特徴付けられる。栄養増殖は菌糸の伸長によるものであり、そして炭素異化は偏性好気的である。対照的に、サッカロミセス・セレビシエのような酵母による栄養増殖は単細胞葉状体の出芽によるものであり、そして炭素異化は醗酵的である。より好ましい態様では、糸状菌宿主細胞は、非限定的に、アクレモニウム、アスペルギルス、フザリウム、フミコラ、ムーコル、ミセリオフトラ、ニューロスポラ、ペニシリウム、チエラビア、トリポクラジウムおよびトリコデルマ種の細胞である。更に好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がアスペルギルス細胞である。別の更に好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がアクレモニウム細胞である。別の更に好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がフザリウム細胞である。別の更に好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がフミコラ細胞である。別の更に好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がムーコル細胞である。別の更に好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がミセリオフトラ細胞である。別の更に好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がニューロスポラ細胞である。別の更に好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がペニシリウム細胞である。別の更に好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がチエラビア細胞である。別の更に好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がトリポクラジウム細胞である。別の更に好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がトリコデルマ細胞である。最も好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フェティダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)またはアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)細胞である。別の最も好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がフザリウム・バクトリディオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クロックウエレンス(Fusarium crookwellense)、フザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンディ(Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・レティクラタム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシナム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルコクロウム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロサム(Fusarium torulosum)、フザリウム・トリコセシオイデス(Fusarium trichothecioides)またはフザリウム・ベネアタム(Fusarium veneatum)細胞である。特に最も好ましい態様では、糸状菌親細胞がフザリウム・ベネアタム(Nirenberg種,nov.)細胞である。別の最も好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がフミコラ・インソレンス(Humicola insolens)またはフミコラ・ラヌギノーザ(Humicola lanuginosa)細胞である。別の最も好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がムーコル・ミーヘイ(Mucor miehei)細胞である。別の最も好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がミセリオフトラ・テルモフィルム(Myceliophthoragthermophilum)である。別の最も好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)である。別の最も好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がペニシリウム・プルプロゲナム(Penicillium purpurogenum)細胞である。別の最も好ましい態様では、糸状菌宿主細胞がチエラビア・テレストリス(Thieravia terrestris)細胞である。別の最も好ましい態様では、トリコデルマ細胞がトリコデルマ・ハージアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギイ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーセイ(Trichoderma reesei)またはトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)細胞である。真菌細胞は、それ自体既知の方法でプロトプラスト形成、プロトプラストの形質転換および細胞壁の再形成を含む方法により形質転換せしめることができる。アスペルギルス宿主細胞の適当な形質転換方法は欧州特許第238 023号およびYalton他,1984, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 81: 1470-1474中に記載されている。フザリウム種の適当な形質転換方法はMalardier他,1989, Gene 78: 147-156またはWO 96/00787中に記載されている。酵母は、Becker & Guarenete, Abelson, J.A. & Simmon, M.I.編,Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology, Methods in Enzymology, 第194巻,182-187頁,Acedemic Press, Inc., New York; Ito他,1983, Journal o Bacteriology 153:163; およびHinnen他,1978, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 75: 1920に記載された方法を使って形質転換せしめることができる。哺乳動物細胞は、GramamおよびVan der Ebのリン酸カルシウム沈澱法(1978, Virology 52: 546)を使った直接取込みにより形質転換させることができる。生産方法本発明は、本発明のポリペプチドの生産方法であって、(a)その野性型の形で前記ポリペプチドを生産することができる株を培養して、前記ポリペプチドを含んで成る上清を調製し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法にも関する。好ましくは、前記株はアスペルギルス属の株である。本発明は、本発明のポリペプチドの生産方法であって、(a)前記ポリペプチドの生産を促す条件下で宿主細胞を培養し;そして前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法にも関する。本発明は、本発明のポリペプチドの生産方法であって、(a)調節配列、エキソン、および/または前記ポリペプチドをコードする内因性核酸配列の第二のエキソンに作用可能に連結されたスプライス供与部位、を含んで成る新規転写単位が組み込まれている相同組換え細胞を、前記ポリペプチドの生産を促す条件下で培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法にも関する。この方法は、例えば、米国特許第5,641,670号明細書に記載されたような遺伝子活性化技術の使用に基づいている。遺伝子活性化技術は、通常は細胞中で発現されない遺伝子を活性化させるか、または細胞中でごく低レベルで発現される遺伝子の発現を増加させることに基づく。遺伝子活性化技術は、調節配列、エキソンおよび/またはスプライス供与部位を含有する外因性DNA構成物を、そのDNA構成物の挿入が結果として前記調節配列、エキソンおよび/またはスプライス供与部位が外因性遺伝子に作用可能に連結されそして前記外因性遺伝子の発現を活性化する新規転写単位の生成をもらすようにして、細胞のゲノムDNA中に導入するという手順を含む。本発明の生産方法では、当該技術分野で既知の方法を使ってポリペプチドの生産に適した栄養培地中で細胞を培養する。例えば、ポリペプチドの発現および/または単離を可能にする条件下で且つ適当な培地中で、実験用醗酵槽または工業用醗酵槽中で、振盪フラスコ培養、小規模もしくは大規模醗酵(連続醗酵、バッチ醗酵、フェドバッチ醗酵、または固形醗酵を含む)により、細胞を培養することができる。培養は、当該技術分野で既知の方法を使って、炭素源と窒素源並びに無機塩類を含む適当な栄養培地中で行われる(例えば、細菌と酵母については、Bennett, J,W, & LaSure, L.編,More Gene Manipulations in Fungi, Academic Press, CA, 1991を参照のこと)。適当な培地は販売業者より商業的に入手可能であるか、または公表された組成に従って調製することができる(例えば、American Type Culture Collectionのカタログ中に記載)。ポリペプチドが栄養培地中に分泌される場合には、培地から直接ポリペプチドを回収することができる。ポリペプチドが分泌されない場合には、それは細胞溶解物から回収することができる。本発明のポリペプチドは、該ポリペプチドに特異的である当該技術分野で既知の方法を使って検出することができる。それらの検出方法としては、特異抗体の使用、酵素生成物の形成または酵素基質の消失が挙げられる。例えば、酵素アッセイを使って、ポリペプチドの活性を測定することができる。アミノペプチダーゼ活性の測定方法は当該技術分野で既知であり、例えばp−ニトロアニリドの加水分解の初速度を405nmで測定することが挙げられる。得られたポリペプチドは、当該技術分野で既知の方法により回収することができる。例えば、該ポリペプチドは、常用技術により、例えば非限定的に、遠心分離、濾過、抽出、噴霧乾燥、蒸発または沈澱により回収することができる。本発明のポリペプチドは、非限定的に、クロマトグラフィー(例えばイオン交換、アフィニティー、疎水性、クロマトフォーカシングおよびサイズ排除クロマトグラフィー)、電気泳動法(例えば調製用等電点電気泳動)、分画溶解度法(例えば硫酸アンモニウム沈澱)、SDS-PAGE、または抽出をはじめとする様々な方法で精製することができる(例えば、Protein Purification, J.-C. Janson & Lars Ryden編,VCH Publishers, New York, 1989を参照のこと)。アミノペプチダーゼ活性の除去または低減本発明は、親細胞の変異細胞を作製する方法であって、ポリペプチドをコードする核酸配列またはそれの調節配列を破壊または除去することを含んで成り、親細胞よりも少量のポリペプチドを生産する変異細胞をもたらす方法にも関する。アミノペプチダーゼ活性が低減される株の作製は、便利には、細胞中でのアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドの発現に必要な核酸配列を修飾または不活性化することにより達成することができる。修飾または不活性化すべき核酸配列は、例えば、アミノペプチダーゼ活性を示すのに不可欠なポリペプチドをコードする核酸配列またはそれの部分であるか、あるいはそのような核酸配列は該核酸配列のコード配列からのポリペプチドの発現に必要とされる調節機能を有してもよい。そのような調節配列の例は、プロモーター配列またはそれの機能的部分、即ち、ポリペプチドの発現に影響を及ぼすのに十分である部分である。修飾が可能な他の調節配列としては、非限定的に、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、シグナル配列、および終結ターミネーターが挙げられる。核酸配列の修飾または不活性化は、細胞を突然変異誘発にかけ、そしてアミノペプチダーゼ生産力が低下または削除されている細胞について選択することにより、行うことができる。特異的であってもランダムであってもよい突然変異誘発は、例えば、適当な物理的もしくは化学的変異誘発剤の使用により、適当なオリゴヌクレオチドの使用により、またはDNA配列をPCR誘導突然変異誘発にかけることにより達成することができる。更に、突然変異誘発は、それらの変異誘発剤の任意の組合せを使って実施してもよい。この目的に適当な物理的または化学的変異誘発剤としては、紫外線(UV)照射、ヒドロキシルアミン、N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG)、O−メチルヒドロキシルアミン、亜硝酸、エチルメタンスルホネート(EMS)、亜硫酸水素ナトリウム、蟻酸およびヌクレオチド類似体が挙げられる。そのような剤を使う場合、典型的には、突然変異誘発させようとする細胞を、適当な条件下で特定の変異誘発剤の存在下でインキュベートし、そして低減されたアミノペプチダーゼ活性を示すかまたは全く示さない細胞について選択することにより突然変異誘発が行われる。本発明のポリペプチドの生産の修飾または不活性化は、該ポリペプチドをコードする核酸配列中またはそれの転写もしくは翻訳に必要な調節要素中の、1または複数のヌクレオチドの導入、置換または除去により達成することができる。例えば、終止コドンの導入、開始コドンの除去。または転写解読枠の変更を引き起こすようにヌクレオチドを挿入または除去することができる。そのような修飾または不活性化は、当該技術分野で既知の方法に従って部位特異的突然変異誘発またはPCR誘導突然変異誘発により達成することができる。理論上は、生体内で、即ち修飾しようとする核酸配列を発現する細胞上で直接修飾を実施できるけれども、下記に例示するように修飾を試験管内で実施するのが好ましい。着目の宿主細胞による生産を不活性化するまたは減少させる便利なやり方の一例は、遺伝子置換または遺伝子中断の技術に基づいたものである。例えば、遺伝子中断法では、着目の内因性遺伝子または遺伝子断片に相同する核酸配列を試験管内突然変異誘発せしめて欠損核酸配列を生成させ、次いでそれを宿主細胞中に形質転換せしめて欠損遺伝子を生成させる。相同組換えにより、欠損核酸配列が内因性遺伝子または遺伝子断片と置きかわる。欠損遺伝子または遺伝子断片は、該ポリペプチドをコードする遺伝子が修飾されているかまたは破壊されている形質転換体の選択に用いることができるマーカーも更にコードしているのが望ましいかもしれない。あるいは、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列の修飾または不活性化は、該ポリペプチドコード配列に相補的なヌクレオチド配列を使って確立されたアンチセンス技術により行ってもよい。より詳しくは、細胞中で転写可能であり且つ細胞中で生産されたポリペプチドmRNAにハイブリダイズすることができる、ポリペプチドをコードする核酸配列に相補的なヌクレオチド配列を導入することにより、細胞による該ポリペプチドの生産が低減または排除される。相補的アンチセンスヌクレオチド配列がポリペプチドmRNAにハイブリダイズできるような条件下では、翻訳されるポリペプチドの量が低減または削除される。本発明の方法に従って修飾する細胞は、微生物起源の細胞、例えばその細胞に対して相同または非相同のいずれかの所望のタンパク質生成物の生産に適当である真菌株であるのが好ましい。本発明は更に、親細胞よりも少量の本発明のポリペプチドを生産する変異細胞をもたらす、本発明のポリペプチドまたはそれの調節配列をコードする核酸配列の破壊または欠失を含んで成る親細胞の変異細胞に関する。そのようにして作製されたポリペプチド欠損変異細胞は、相同および/または非相同ポリペプチドの発現のための宿主細胞として特に有用である。従って、本発明は更に、相同または非相同ポリペプチドの生産方法であって、(a)前記ポリペプチドの生産を促す条件下で変異細胞を培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法にも関する。本明細書中では、「非相同ポリペプチド」という用語は、宿主にとって生来でないポリペプチド、生来の配列を変更する修飾が行われた生来のタンパク質、または組換えDNA技術による宿主細胞の操作の結果としてその発現が量的に変更されている生来のタンパク質として定義される。更に別の面では、本発明は、本発明のポリペプチドと着目のタンパク質生成物の両方を生産する細胞の醗酵により、アミノペプチダーゼ活性を本質的に持たないタンパク質生成物を生産する方法に関する。この方法は、アミノペプチダーゼ活性を阻害することができる剤の有効量を、醗酵中または醗酵が完了した後で醗酵ブロス中に添加し;醗酵ブロスから着目の生成物を回収し;そして所望により、回収された生成物を更なる精製にかけることを含んで成る。更に別の面では、本発明は、アミノペプチダーゼ活性を本質的に持たないダンパク質生成物の生産方法であって、ここで着目のタンパク質生成物が本発明のポリペプチドをコードする細胞に存在するDNA配列によりコードされることを特徴とする方法に関する。この方法は、生成物の発現を可能にする条件下で細胞を培養し、得られた培養ブロスを、アミノペプチダーゼ活性を実質的に減少させるようなpHと温度の組合せ処理にかけ、そして培養ブロスから生成物を回収することを含んで成る。あるいは、pHと温度の組合せ処理を、培養ブロスから回収した酵素調製物に対して行うことができる。pHと温度の組合せ処理を所望によりアミノプチダーゼ阻害剤処理と組み合わせて使用してもよい。pHと温度の組合せ処理は、好ましくは、9〜11の範囲内のpHと40〜70℃の範囲内の温度で、所望の効果を獲得するのに十分な時間(典型的には30〜60分が十分である)に渡って行われる。本発明のこの面によれば、アミノペプチダーゼ活性の少なくとも60%、好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、更により好ましくは少なくとも95%、そして最も好ましくは少なくとも99%を除去することが可能である。これらの方法を使うことによりアミノペプチダーゼ活性の完全な除去も得ることができると予想される。着目の生成物の培養および精製に使用する方法は、当該技術分野で既知の方法により実施することができる。本質的にアミノペプチダーゼ活性を持たない生成物を生産する本発明の方法は、真核ポリペプチド、特に真菌タンパク質、例えば酵素の生産において特に重要である。酵素は、例えばデンプン分解酵素、脂質分解酵素、タンパク質分解酵素、細胞分解酵素、酸化還元酵素または植物細胞壁分解酵素から選択することができる。そのような酵素の例としては、アミノペプチダーゼ、アミラーゼ、アミログルコシアーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリングリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、ヘミセルラーゼ、インベルターゼ、イソメラーゼ、ラッカーゼ、リガーゼ、リパーゼ、リアーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、フェノールオキシダーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスフェラーゼ、トランスグルタミナーゼまたはキシラナーゼが挙げられる。アミノペプチダーゼ欠損細胞は、ホルモン、増殖因子、レセプターなどといった医薬上重要な非相同タンパク質を発現させるのにも使用できるだろう。「真核ポリペプチド」なる用語は、生来のポリペプチドだけでなく、アミノ酸置換、削除もしくは付加により、または活性、耐性もしくはpH耐容性などを増強するような他のそのような置換により、修飾されているそれらのポリペプチド、例えば酵素、も包含すると理解されよう。更に別の面では、本発明は、本発明の方法により生産される、アミノペプチダーゼ活性を本質的に持たないタンパク質生成物に関する。タンパク質水解物の生産方法本発明のポリペプチドは、加水分解度および風味生成を高めるためにタンパク質水解物の生産に利用することができる。本発明は更に、高タンパク質物質において高い加水分解度を得るためにエンドペプチダーゼと組み合わせて本発明のポリペプチドを使用する方法にも関する。この方法は、タンパク様基質を本発明のポリペプチドとエンドペプチダーゼで処理することを含んで成る。これらの酵素で同時にまたは連続してタンパク様基質を処理することができる。本発明のポリペプチドは、タンパク様基質に、タンパク質加水分解工程で通常使用される有効量で、好ましくはタンパク質100gあたり約0.1〜約100,000アミノペプチダーゼ単位の範囲内で、より好ましくはタンパク質100gあたり約1〜約10,000アミノペプチダーゼ単位の範囲内の量で添加される。本明細書中に定義されるように、1アミノペプチダーゼ単位(APU)は、特定の条件下でLeu−p−ニトロアニリド(Sigma Chemical Co., St. Louis MO)から1分間あたり1マイクロモルのp−ニトロアニリドを遊離させるのに必要な酵素の量である。あるいは、アミノペプチダーゼは、好ましくは約0.5〜約500 LAPU/gタンパク質の範囲内、より好ましくは約5〜約50 LAPU/gタンパク質の範囲内で使用される。LAPUは、AF 298/1-GB(請求すればNovo Nordisk A/S, Denmarkより入手可能)に記載したように測定されるロイシンアミノペプチダーゼ活性として定義される。エンドペプチダーゼは、バシラス、好ましくはバシラス・リヘニフォルミス(Bacillus licheniformis)もしくはバシラス・サチリス(Bacillus subtilis)の株、スタフィロコッカス、好ましくはスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)の株、ストレプトマイセス、好ましくはストレプトマイセス・テルモブラリス(Streptomyces themovularis)もしくはストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)の株、アクチノマイセス種の株、アスペルギルス、好ましくはアスペルギルス・アクレータス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フェテイダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)もしくはアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)の株、またはフザリウム、好ましくはフザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)の株より得ることができる。エンドペプチダーゼは、タンパク質加水分解工程において通常使用される有効量で、好ましくは約0.05〜約15 AU/100gタンパク質の範囲内で、より好ましくは約0.1〜約8 AU/100gタンパク質の範囲内で、タンパク様基質に添加される。1AU(アンソン単位)は、標準条件(即ち、25℃,pH7.5,反応時間10分)下で1分あたりフェノール試薬で1ミリ当量のチロシンと同じ色を与えるTCA可溶性生成物の量が遊離されるような初速度でヘモグロビンを消化する酵素の量として定義される。分析法AF 4/5は請求すればNovo Nordisk(Denmark)より入手可能であり、これを参考として本明細書中に組み入れる。酵素処理、即ち基質と酵素調製物とのインキュベーションは、酵素調製物が不活性化されない任意の好都合な温度、好ましくは約20℃〜約70℃の範囲内の温度で行うことができる。次いで、確立された手順に従って、酵素が不活性化される温度にまで、例えば約70℃以上にインキュベーション混合物の温度を上げることにより、あるいは酵素が不活性化される値まで、例えば約4.0以下にインキュベーション混合物のpHを下げることにより、酵素調製物を不活性化する。更に、本発明の方法は、タンパク様基質の加水分解度の増加をもたらす。本明細書中で用いる「加水分解度(DH)」は、タンパク質分解酵素により加水分解されたタンパク質中のアミド結合の総数の百分率である。好ましい態様では、タンパク質水解物はLeu,Gly,Glu,Ser,Asp,Asn,Pro,Cys,Alaおよび/またはGlnの含量が増加され、例えば少なくとも1.1倍増加された含量を有する。より好ましい態様では、タンパク質水解物は増加されたLeu含量を有する。別のより好ましい態様では、増加されたGly含量を有する。別のより好ましい態様では、増加されたGlu含量を有する。別のより好ましい態様では、増加されたSer含量を有する。別のより好ましい態様では、増加されたAsp含量を有する。別のより好ましい態様では、増加されたAsn含量を有する。別のより好ましい態様では、増加されたPro含量を有する。別のより好ましい態様では、増加されたCys含量を有する。別のより好ましい態様では、増加されたAla含量を有する。別のより好ましい態様では、増加されたGln含量を有する。本発明は、遊離のグルタミン酸および/またはペプチド結合したグルタミン酸残基が富化されているタンパク質水解物の製造方法であって、(a) タンパク質基質を脱アミド工程にかけ;そして(b) 該基質をアミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドの作用にかけることを含んで成る方法にも関する。上記2段階は同時に実施することもでき、または第一段階に続いて第二段階を実施することもできる。上記本発明の方法は、遊離形にせよペプチド結合形にせよ、タンパク質水解物の風味と味覚にグルタミン酸(Glu)が重要な役割を果たすので、優れた風味のタンパク質水解物を提供する。それらの方法は、改善された機能性、特に改善された溶解性、改善された乳化性、高められた加水分解度、および改善された発泡性を有するタンパク質水解物をもたらす。アンモニアの遊離によるアミド(グルタミンまたはアスパラギン)から荷電アミノ酸(グルタミン酸またはアスパラギン酸)への変換は、脱アミドとして知られる。脱アミドは、非酵素的または酵素的脱アミド工程として行うことができる。好ましい態様では、脱アミドが酵素的脱アミド工程として行われ、例えば基質をトランスグルタミナーゼおよび/またはペプチドグルタミナーゼにかけることにより行われる。トランスグルタミナーゼは、任意の便利な起源のものであることができる。例えば、哺乳動物由来のもの(例えばJP 1050382およびJP 5023182参照)、例えば活性化第XIII因子(例えばWO 93/15234参照);魚類由来のもの(例えばEP 555,649参照);微生物由来のもの(例えばEP 379,606、WO 96/06931およびWO 96/22366参照)。好ましい態様では、トランスグルタミナーゼは卵菌綱(Oomycete)より得られ、例えばフィトフトラ、好ましくはフィトフトラ・カクトラム(Phytophthora cactorum)の株、またはピチウム、好ましくはピチウム・イレギュラレ(Pythium irregulare)、ピチウム種、ピチウム・インターメディウム(Pythium intermedium)、ピチウム・ウルチマム(Pythium ultimum)もしくはピチウム・ペリイラム(Pythium periilum)〔またはペチウム・ペリプロカム(Pythium periplocum)〕の株より得られる。別の好ましい態様では、トランスグルタミナーゼは細菌起源のものであり、そしてバシラス、好ましくはバシラス・サチリス(Bacillus subtilis)の株、ストレプトベルティシリウム、好ましくはストレプトベルティシリウム・モバエレンシス(Streptoverticillium mobaraensis)、ストレプトベルティシリウム・グリセオカルネウム(Streptoverticillium griseocarneum)またはストレプトベルティシリウム・シンナモネウム(Streptoverticillium cinnamoneum)の株、およびストレプトマイセス、好ましくはストレプトマイセス・リディカス(Streptomyces lydicus)の株より得られる。ペプチドグルタミナーゼは、ペプチドグルタミナーゼI(ペプチジル−グルタミナーゼ;EC 3.5.1.43)もしくはペプチドグルタミナーゼII(タンパク質−グルタミングルタミナーゼ;EC 3.5.1.44)またはそれらの混合物であることができる。ペプチドグルタミナーゼはアスペルギルス、好ましくはアスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、バシラス、好ましくはバシラス・サーキュラス(Bacillus circulans)、クリプトコッカス、好ましくはクリプトコッカス・アルビダス(Cryptococcus albidus)の株、またはデバリオミセス、好ましくはデバリオミセス・クレチェリ(Debaryomyces kloecheri)の株より得ることができる。トランスグルタミナーゼは、脱アミド工程において通常使用される有効量、好ましくは基質の量に関して約0.01〜約5%(w/w)の範囲内、より好ましくは約0.1〜約1%(w/w)の範囲内の酵素調製物の量で、タンパク様基質に添加される。ペプチドグルタミナーゼは、脱アミド工程において通常使用される有効量、好ましくは基質100gあたり約0.01〜約100,000 PGase単位の範囲内で、より好ましくは基質100gあたり約0.1〜約10,000 PGase単位の範囲内で、タンパク様基質に添加される。ペプチドグルタミナーゼ活性はCedrangoro他の手順(1965, Enzymologia 29:143)に従って測定することができる。この手順によると、1N NaOHでpH6.5に調整した酵素試料0.5mlを小さな容器に投入する。次いで1mlのホウ酸緩衝液(pH10.8)をその容器に添加する。遊離されるアンモニアを5N硫酸により吸収させ、そしてネスラー試薬により混合物を発色させ、それを420nmで測定する。1PGase単位は、それらの条件下で1分間あたり1マイクロモルのアンモニアを生成することのできる酵素の量である。あるいは、ペプチドグルタミナーゼ活性は米国特許第3,857,967号明細書または下記の実施例30に記載の手順に従って測定することができる。本発明の方法の段階(b)では、タンパク様基質が本発明のポリペプチドの作用にかけられる。本発明のポリペプチドは、タンパク質加水分解工程で通常使用される有効量で、好ましくは基質100gあたり約0.001〜約0.5 AUの範囲内で、より好ましくは基質100gあたり約0.01〜約0.1 AUの範囲内で、タンパク様基質に添加される。別の態様では、遊離のグルタミン酸/ペプチド結合したグルタミン酸残基が富化されている水解物を製造する本発明の方法は、(c) タンパク様基質を1または複数の非特異的作用エンドおよび/またはエキソ−ペプチダーゼ酵素にかけるという段階を更に含んで成る。この段階は、段階(a)および(b)と同時に行ってもよく、あるいは段階(a)と(b)の後に行ってもよい。好ましい態様では、非特異的作用エンドおよび/またはエキソ−ペプチダーゼ酵素は、アスペルギルス、好ましくはアスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・オリゼもしくはアスペルギルス・ソヤエ、またはバシラス、好ましくはバシラス・アミロリクファシエンス、バシラス・レンタス、バシラス・リヘニフォルミスもしくはバシラス・サチリスの株より得られる。非特異的作用エンドおよび/またはエキソ−ペプチダーゼ酵素は、タンパク質加水分解工程において通常使われる有効量、好ましくは基質100gあたり約0.05〜約15 CPUの範囲内、より好ましくは基質100gあたり約0.1〜約5 CPUの範囲内でタンパク様基質に添加される。1CPU(カゼインプロテアーゼ単位)は、標準条件下で(即ち25℃およびpH9.5で30分間のインキュベーション)1分間あたりカゼインから1マイクロモルの第一アミノ基を遊離する酵素の量(セリン標準試料との比較により測定)として定義される。分析法AF 228/1は請求すればNovo Nordisk A/S, Bagsvaerd, Denmarkより入手可能である(これは参考として本明細書中に組み込まれる)。各酵素処理は、酵素調製物が不活性化されないような任意の温度、好ましくは約20℃〜約70℃で行われる。次いで、温度を例えば約70℃以上に上げることにより、またはpHを例えば約4.0より下に低下することにより、酵素調製物を不活性化することができる。本発明の方法において使用するタンパク様基質は、完全なタンパク質、予備加水分解されたタンパク質(即ちペプチド)、またはそれらの混合物であることができる。タンパク様基質は植物起源のものでも動物起源のものでもよい。好ましくは、タンパク様基質が植物起源のもの、例えば大豆タンパク質、穀物タンパク質、例えば小麦グルテン、トウモロコシグルテン、大麦、ライ麦、エンバク、米、ゼイン、ルビン、綿実タンパク質、菜種タンパク質、落花生タンパク質、アルファルファタンパク質、エンドウ豆タンパク質、マメ科豆類タンパク質、胡麻タンパク質またはヒマワリ起源のものである。動物起源のタンパク様基質は、乳清タンパク質、カゼイン、肉タンパク質、魚タンパク質、赤血球、卵白、ゼラチンまたはラクトアルブミンであることができる。本発明は、それらの方法により製造されたタンパク質水解物にも関する。他の用途本発明は、本発明のポリペプチドを使って酵素を失活させる方法にも関する。更に、本発明のポリペプチドは、ペプチド配列の特異的開裂が望ましい多数の目的に有用である。例えば、幾つかのタンパク質やペプチドは、成熟タンパク質のN末端に多くの追加のアミノ酸残基を含んで成る不活性な前駆体の形で合成される。本発明のポリペプチドは、そのような前駆体タンパク質を活性化するために必要な翻訳後プロセシングを提供することができる。組成物更なる態様では、本発明は、本発明のポリペプチドを含んで成るポリペプチド組成物に関する。好ましくは、該組成物は本発明のポリペプチドが富化されている。ここで「富化された」という用語は、ポリペプチド組成物中のアミノペプチダーゼ活性が増加されている、例えば1.1の富化倍率で増加されていることを表す。ポリペプチド組成物は主要酵素成分として本発明のポリペプチドを含んで成ることができ、例えば一成分ポリペプチド組成物である。あるいは、ポリペプチド組成物は、複数の酵素活性、例えばアミノペプチダーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、カルボキシペプチダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、キチナーゼ、クチナーゼ、シクロデキストリン−グリコシルトランスフェラーゼ、デオキシリボヌクレアーゼ、エステラーゼ、α−ガラクトシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、α−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、ハロペルオキシダーゼ、インベルターゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、マンノシダーゼ、オキシダーゼ、ペクチン分解酵素、ペプチドグルタミナーゼ、ペルオキシダーゼ、フィターゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、タンパク質分解酵素、リボヌクレアーゼ、トランスグルタミナーゼまたはキシラナーゼを含んで成ってもよい。1または複数の追加の酵素は、次の属に属する微生物によって生産可能である:アスペルギルス、好ましくはアスペルギルス・アクレータス(Aspergillus aculeatus)、アスペルギルス・アワモリ(A. awamori)、アスペルギルス・ニガー(A. niger)もしくはアスペルギルス・オリゼ(A. oryzae)、またはトリコデルマ、フミコラ、好ましくはフミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フザリウム、好ましくはフザリウム・バクトリディオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(F. cerealis)、フザリウム・クロックウエレンス(F. crookwellense)、フザリウム・クルモラム(F. culmorum)、フザリウム・グラミネアルム(F. graminearum)、フザリウム・グラミナム(F. graminum)、フザリウム・ヘテロスポラム(F. heterosporum)、フザリウム・ネグンディ(F. negundi)、フザリウム・オキシスポラム(F. oxysporum)、フザリウム・レティクラタム(F.reticulatum)、フザリウム・ロゼウム(F. roseum)、フザリウム・サムブシナム(F. sambucinum)、フザリウム・サルコクロウム(F. sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイデス(F. sporotrichioides)、フザリウム・スルフレウム(F. sulphureum)、フザリウム・トルロサム(F. torulosum)、フザリウム・トリコセシオイデス(F. trichothecioides)もしくはフザリウム・ベネアタム(F. veneatum)。好ましい態様では、本発明は、アミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドと適当な担体とを含んで成る風味改良用組成物に関する。当業界で既知である任意の適当な担体を使用できる。別の好ましい態様では、風味改良用組成物がエンドペプチダーゼを更に含んで成る。別の好ましい態様では、風味改良用組成物が1または複数の特異的作用エンドおよび/またはエキソ−ペプチダーゼ酵素を更に含んで成る。別の好ましい態様では、風味改良用組成物が1または複数の非特異的作用エンドおよび/またはエキソ−ペプチダーゼ酵素を更に含んで成る。好ましい態様では、特異的作用タンパク質分解酵素が、例えばグルタミルエンドペプチダーゼ(EC 3.4.21.19);リジルエンドペプチダーゼ(EC 3.4.21.50);ロイシルエンドペプチダーゼ(EC 3.4. 21.57);グリシルエンドペプチダーゼ(EC 3.4.22.25);プロリルエンドペプチダーゼ(EC 3.4.21.26);トリプシン(EC 3.4.21.4)もしくはトリプシン様(リジン/アルギニン特異的)エンドペプチダーゼ;またはペプチジル−Aspメタロエンドペプチダーゼ(EC.3.4.24.33)のようなエンドペプチダーゼである。グルタミルエンドペプチダーゼ(EC 3.4.21.19)は、好ましくはバシラス株、特にバシラス・リヘニフォルミスおよびバシラス・サチリス、スタフィロコッカス株、特にスタフィロコッカス・アウレウス、ストレプトマイセス株、特にストレプトマイセス・テルモブリガリスおよびストレプトマイセス・グリセウス、またはアクチノマイセス株より得ることができる。リジルエンドペプチダーゼ(EC 3.4.21.50)は、好ましくはアクロモバクター株、特にアクロモバクター・リティカス(Achromobacter lyticus)、リゾバクター株、特にリゾバクター・エンザイモゲネス(Lysobacter enzymogenes)、またはシュードモナス株、特にシュードモナス・エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)より得ることができる。ロイシルエンドペプチダーゼ(EC 3.4.21.57)は植物起源のものであることができる。グリシルエンドペプチダーゼ(EC 3.4.22.25)は好ましくはパパイヤ植物(Carica papaya)より得ることができる。プロリルンドペプチダーゼ(EC 3.4.21.26)は好ましくはフラボバクテリウム株より得ることができ、またはそれは植物起源のものであることができる。トリプシン様エンドペプチダーゼは、例えばWO 89/06270またはWO 94/25583公報に記載されたように、好ましくはフザリウム株、特にフザリウム・オキシスポラムより得ることができる。ペプチジル−Aspメタロエンドペプチダーゼ(EC.3.4.24.33)は、好ましくはシュードモナス株、特にシュードモナス・フラギより得ることができる。別の好ましい態様では、特異的作用タンパク質分解酵素が、ペプチドの片方の端から作用するエキソペプチダーゼである。好ましい態様では、特異的作用タンパク質分解酵素が、ロイシルアミノペプチダーゼ(EC 3.4.11.1)またはトリペプチドアミノペプチダーゼ(EC 3.4.11.4)のようなアミノペプチダーゼである。別の好ましい態様では、特異的作用タンパク質分解酵素が、プロリンカルボキシペプチダーゼ(EC 3.4.16.2);カルボキシペプチダーゼA(EC 3.4.17.1);カルボキシペプチダーゼB(EC 3.4.17.2);カルボキシペプチダーゼC(EC 3.4.16.5);カルボキシペプチダーゼD(EC 3.4.16.6);リジン(アルギニン)カルボキシペプチダーゼ(EC 3.4.17.3);リジンカルボキシペプチダーゼ(EC 3.4.17.4);アラニンカルボキシペプチダーゼ(EC 3.4.17.6);グルタミン酸カルボキシペプチダーゼ(EC 3.4.17.11);ペプチジル−ジペプチダーゼA(EC 3.4.15.1);またはペプチジル−ジペプチダーゼ(EC 3.4.15.5)のようなカルボキシペプチダーゼである。ポリペプチド組成物は、当該技術分野で既知の方法に従って調製することができ、そして液体組成物または乾燥組成物の形であることができる。当該技術分野で既知の方法によりポリペプチドを安定化してもよい。本発明は、本発明の方法により得られたタンパク質水解物を含んで成る食品、例えばベークド製品にも関する。そのような食品は、高められた感覚刺激性、例えば風味、味覚、口ざわり、香りおよび皮の色の改善を示す。本明細書中、「ベークド製品」という語は柔らかい(ソフト)性質またはカリカリした(クリスプ)性質のいずれかに関係なく、生地(ドウ)から調製したいずれの食品も包含する。本発明により有利に製造できる、白色、薄色または濃色のタイプのいずれかのベークド製品の例は、パン、特に、典型的にはローフ形またはロール形の白パン、全粒粉パンまたはライ麦パン;バケット型のフランスパン;ピタパン;タコス;ケーキ;パンケーキ;ビスケット;クリスプパン、などである。そのようなベークド製品は、製粉と水を含んで成り、そして典型的には醗酵させた生地から調製される。生地は様々な方法で、例えば重炭酸ナトリウムなどを添加することにより、またはパン種(醗酵した練り粉)を添加することにより醗酵させることができるが、好ましくは、適当な酵母培養物、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae;パン酵母)の培養物を添加することにより生地を醗酵させるのが好ましい。市販のサッカロミセス・セレビシエ株のいずれを使ってもよい。更に、ベークド製品の調製に用いる生地は、生のものまたは冷凍のものであってもよい。冷凍生地の調製はK. KulpとK. Lorenzにより“Frozen and Refrigerated Doughs and Batters”中に記載されている。本発明の風味改良組成物は、典型的には0.01%〜5%、より好ましくは0.1〜3%の範囲内の量で生地に添加される。本発明の方法では、本発明のポリペプチド、エンドペプチダーゼ、トランスグルタミナーゼ、ペプチドグルタミナーゼ、1もしくは複数の特異的および/または非特異的作用のエンドおよび/またはエキソ−ペプチダーゼ酵素、および/または上記に明記した1もしくは複数の酵素を、別々にまたは同時に、生地を製造する混合物にまたは生地を製造するのに用いられる任意の成分(例えば製粉)に添加することができる。本発明は、更に、生地用および/または生地から作られるベークド製品用の、例えば製粉組成物の形の、プレミックスであって、本発明のポリペプチドまたは風味改良組成物、および担体またはベーキング成分、並びに所望により上記に明記した他の酵素を含んで成るプレミックスに関する。別の態様では、プレミックスは本発明の方法により得られた水解物を含んで成る。プレミックスは、関連する酵素を、適当な担体、例えば粉、デンプン、砂糖または塩と混合することにより調製することができる。このプレミックスは、他の生地改良および/またはパン改良用添加物を含んでもよい。本明細書中、「プレミックス」とは、指定した条件下での貯蔵を可能にし且つ生地調製工程における便宜性を提供する、通常は製粉を含むベーキング剤の混合物である。そのようなプレミックスは工業的および商業的なパン製造プラントおよび設備において、並びにに小売の製パン所(ベーカリー)において有利に使用できる。本発明は、感覚刺激性、例えば風味、味覚および香りを良くするための、ベークド製品のような食品の添加物としての、本発明の方法により得られた水解物の使用にも関する。本発明の方法により得られる、遊離のグルタミン酸および/またはペプチド結合したグルタミン酸残基が富化された水解物は、様々な工業的用途に利用でき、特に機能的特性の付加が必要とされる用途において利用できる。例えば、本発明は、本発明の方法によって得られる、遊離のグルタミン酸および/またはペプチド結合したグルタミン酸残基が富化された水解物を含んで成る食品、更には本発明の方法によって得られる、遊離のグルタミン酸および/またはペプチド結合したグルタミン酸残基が富化された水解物を含んで成る動物飼料添加物にも関する。本発明を下記の実施例により更に説明するが、それを本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。実施例実施例1:FLAVOURZYMETMアミノペプチダーゼIIの精製アミノペプチダーゼをFLAVOURZYMETMブロス(Novo Nordisk A/, Bagsvaerd, Denmark)から精製した。FLAVOURZYMETMブロスは、炭素源と窒素源並びに微量金属から成る培地中でアスペルギルス・オリゼ1568株(ATCC 20386)を培養することにより製造した。まず最初に、ブロス(タンパク質720mgを含む20ml)を180mlの20mMリン酸ナトリウム(pH7.0)緩衝液で希釈し、そして0.45μmフィルターが取り付けられたNalgene Filterware(Nalgene, Rochester, NY)を使って濾過した。20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液で予め平衡化しておいたQ-Sepharoseビーズ(大)31ml(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)の入った24×130mmカラムに濾液を導入した。7.0(20mMリン酸ナトリウム緩衝液)から5.0(20mM酢酸ナトリウム緩衝液)、5.0から3.5(20mM酢酸ナトリウム緩衝液)、次いで3.5から3.0(20mM酢酸ナトリウム緩衝液)のpH勾配を使ってタンパク質を溶出させた。pH3.5からpH3.0の間に溶出する画分を集め、プールし、そしてPM10膜(Amicon, New Bedford, MA)を使った限外濾過により20mlにまで濃縮した。濃縮溶液を100mlの20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液で希釈し、次いで20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液で予め平衡化しておいたPharmacia MonoQビーズ(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)の入った20×100mmカラム上に負荷した。20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液中の0→0.4M NaCl勾配を使ってタンパク質を溶出させた。0.330Mと0.343M NaClの間の画分を収集し、プールし、そして20mM酢酸ナトリウムpH4.0緩衝液に対する限外濾過を使って濃縮した。精製した調製物は、SDS-PAGE分析により評価すると3本の主バンドを含むことがわかった。試料は約65,50および33kDaの分子量を有する成分から成った。実施例2:アミノペプチダーゼIIのアミノ酸配列決定実施例1に記載の精製済アミノペプチダーゼII調製物のアリコートを電気泳動し、続いて10%メタノール中の10mM CAPS〔3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸〕pH11を使って2時間に渡りPVDF膜(Novox, San Diego, CA)にブロット移行せしめた。40%メタノール/1%酢酸中の0.1%クーマシーブルーR-250を使ってPVDF膜を20秒間染色し、次いで50%エタノール中で脱色してタンパク質バンドを観察した。65,50および33kDaのところの3成分を切り取り、製造業者の教示に従って、ブロットカートリッジと液相TFA配送を使ってApplied Biosystems Model 476Aタンパク質シークエンサー(Applied Biosystems, Inc., Foster City, CA)上でのアミノ末端配列決定にかけた。3成分全てが同じアミノ末端配列RALVSPDEFPEDIQLEDLLEGSQQLEDFAY(配列番号2)を生じた。タンパク質の300μl試料をSavant Speed Vac AS160(Savant Instruments, Farmingdale, NY)上で乾燥し、次いで300μlの70%蟻酸(水性)で再構成した。臭化シアンの結晶2,3粒を添加し、遮光下で室温で一晩インキュベートした。試料をSpeed Vac中で再乾燥し、そしてTricine試料緩衝液(Novex, San Diego, CA)中に再構成した。臭化シアン開裂断片は10〜20% Tricine SDS−ポリアクリルアミドゲル上で6,10,15,22,27,40および50kDaのバンドに分離され、それをPVDF膜にブロット移行せしめた。6,10,15および22kDaバンドを切除し、そしてアミノ末端配列決定にかけた。15kDaと22kDaバンドのアミノ末端配列は上記アミノ末端配列と同一であり、一方で6kDaと10kDaバンドの配列は両方とも配列TYSPSVEVTADVAVVKNLGTSEADYPDVEGKVAL(配列番号2)を含むと決定された。実施例3:アスペルギルス・オリゼ1568株のRNA単離アスペルギルス・オリゼ1568株を、1lあたり7.5gのジャガイモデンプン,10gの大豆ミール,2gのKH2PO4,5gのNa2HPO4-2H2Oおよび0.1gのZnSO4-7H2Oから成る培地中で醸酵槽の中で培養した。30℃で5日間増殖後に2l試料を取り、菌糸を収集し、液体N2中で凍結し、そして−80℃で保存した。アスペルギルス・オリゼ1568株の凍結粉砕菌糸から、チオシアン酸グアニジウムでの抽出後に5.7M塩化セシウムクッションを通した超遠心により、全RNAを調製した(Chirgwin他,1979, Biochemistry 18: 5294-5299)。AvivとLederの方法(1972, Proceedings of the National Academy of Sciences USA 69:1408-1412)に従ったオリゴ(dT)セルロースアフィニティークロマトグラフィーにより、ポリ(A)+RNAを単離した。実施例4:cDNAライブラリーの作製GublerとHoffman(1983, Gene 25: 263-269)およびSambrook他(1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York)により記載された手順を使って、ただし第一鎖合成反応においてオリゴ(dT)12-18プライマーの代わりにオリゴ(dT)−NotIアンカープライマーを使って、実施例3のアスペルギルス・オリゼ1568株のポリ(A)+RNA 5μgから二本鎖cDNAを合成した。合成後、cDNAをマングビーンヌクレアーゼ(Life Technologies, Gaithersburg, Md)で処理し、T4 DNAポリメラーゼ(Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)で平滑末端にし、そして約50倍モル過剰の非回文式BstXIアダプター(Invitrogen, San Diego, CA)を使って該アダプターに連結せしめた。アダプター付加cDNAをNotIで消化し、アガロースゲル電気泳動により1.2〜3.0kb cDNAについてサイズ分画し、そしてBstXI/NotIで開裂しておいたプラスミドpYES 2.0(Invitrogen, San Diego, CA)に連結せしめた。製造業者の教示に従って、連結混合物を用いて電気応答能のある(electrocompitent)E.コリ DH10B細胞(Life Technologies, Gaithersburg, MD)を形質転換せしめた。1×106個の独立クローンから成るライブラリーを、個々のプール(25,000-30,000コロニー形成単位/プール)として20%グリセロール中で−80℃にて保存し、そして二本鎖cDNAおよび連結混合物として−20℃で保存した。実施例5:ゲノムDNAの抽出アスペルギルス・オリゼ1568株を25mlの0.5%酵母エキス−2%グルコース(YEG)培地中で37℃および250rpmで24時間増殖させた。次いでMiracloth(Calbiochem, La Jolla, CA)を通した濾過により菌糸を収集し、25mlの10mM Tris−1mM EDTA(TE)緩衝液で1回洗浄した。菌糸調製物から過剰な緩衝液を排液し、続いて液体窒素中で凍結させた。凍結菌糸調製物を電気コーヒーひき機中で微粉末に粉砕し、その粉末を、20mlのTE緩衝液と5mlの20% w/vドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の入った使い捨てプラスチック遠心管に添加した。混合物を穏やかに数回反転させて確実に混合し、そして同容のフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1,v/v/v)で2回抽出した。抽出した試料に0.3Mの最終濃度になるように酢酸ナトリウム(3M溶液)を添加し、次いで2.5容の氷冷エタノールを添加してDNAを沈澱させた。遠心管を15,000×gで30分間遠心してDNAをペレットにした。DNAペレットを30分間風乾した後、0.5mlのTE緩衝液中に再懸濁した。その再懸濁したDNAペレットに100μg/mlの濃度でDNアーゼ不含有リボヌクレアーゼAを加え、次いで混合物を37℃で30分間インキュベートしたプロテイナーゼK(200μg/ml)を加え、37℃で更に1時間インキュベートした。最後に、試料をフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコールで2回抽出し、DNAをエタノール沈澱させた。沈澱させたDNAを70%アルコールで洗浄し、真空乾燥し、TE緩衝液中に再懸濁し、そして4℃で保存した。実施例6:アスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼIIのPCR増幅実施例2に記載したアスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼII部分ペプチドのアミノ酸配列に基づいて、製造業者の教示に従ってApplied Biosystems 394型DNA/RNA合成装置を使って、アスペルギルス・オリゼ1568ゲノムDNAからアミノペプチダーゼII遺伝子断片をPCR増幅せしめるための、下記縮重プライマーを合成した。(R=AまたはG;Y=CまたはT;N=GまたはAまたはCまたはT;H=AまたはCまたはT;I=イノシン)実施例5に記載したように調製した約1μgのアスペルギルス・オリゼ1568ゲノムDNAを使って増幅反応液(50μl)を調製した。各反応液は次の成分を含んだ:1μgのゲノムDNA、40ピコモルの正プライマー、40ピコモルの逆プライマー、各200μMのdATP, dCTP, dGTPおよびdTTP、1×Taqポリメラーゼ緩衝液(Perkin-Elmer Corp., Branchburg, NJ)並びに2.5単位のTaqポリメラーゼ(Perkin-Elmer Corp., Branchburg, NJ)。この反応液を次のようにプログラミングされたPerkin-Elmer 480型サーマルサイクラー中でインキュベートした:サイクル1は94℃で5分、50℃で2分、および72℃で2分;サイクル2〜26は94℃で2分、50℃で1分、および72℃で2分。反応生成物を1.5%アガロースゲル(Eastman Kodak, Rochester, NY)上で単離し、309bp生成物バンドをゲルから切り取り、製造業者の教示通りにQiaex II(Quiagen, Chatsworth, CA)を使って精製した。精製したPCR生成物を次いでpCRIIベクター(Invitrogen, San Diego, CA)中にクローニングし、そして正および逆プライマー(New England BioLabs, Beverly, MA)を使ってDNA配列を決定した。103コドンから成るアミノペプチダーゼII遺伝子セグメント(309bp)を、上記のアミノペプチダーゼII特異的PCRプライマーを使ってアスペルギルス・オリゼ1568から増幅させた。DNA配列分析は、増幅された遺伝子セグメントが対応するアスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼII遺伝子の一部分をコードすることを示した。このアミノペプチダーゼII遺伝子セグメントを使って、実施例5に記載のアスペルギルス・オリゼ1568 cDNAライブラリーを探査した。実施例7:アスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼIIクローンの同定Luria+50μl/mlカルベニシリン寒天プレート上にアスペルギルス・オリゼ1568 cDNAライブラリーを塗布した。コロニーリフト(Maniatis他,1982, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York)を約10,000コロニーに対して行い、そしてUV Stratalinker(Stratagene, La Jolla, CA)を使って膜(Hybond N+, Amersham, Arlington Heights, IL)上にDNAをクロスリンクさせた。5×SSPE, 0.3%SDS, 50%ホルムアミドおよび10μl/mlの変性させ剪断したニシン精子DNAを含有するハイブリダイゼーション緩衝液中に45℃で3時間膜を浸漬した。実施例6に記載の通りにアスペルギルス・オリゼ1568から単離したアミノペプチダーゼII遺伝子断片を、Random Primed DNA Labelingキット(Boehringer Mannheim, Mannheim, Germany)を使って放射性標識し、0.1Mの最終濃度になるようにNaOHを添加することにより変性させ、そして約1×106cpm/mlハイブリダイゼーション溶液の活性でハイブリダイゼーション溶液に添加した。混合物を振盪水浴中で45℃で一晩インキュベートした。インキュベーション後、膜を55℃で2×SSC+0.2% SDSを使って3回洗浄した。次いで膜をブロット紙上で15分間乾燥し、サランラップTMに包み、映像強化膜(Kodak, Rochester, NY)を使って−70℃で48時間X線フィルムに暴露した。11個のコロニーが該プローブとの強力なハイブリダイゼーションシグナルを提供した。この11個のコロニーをLB+50μl/mlカルペニシリン培地中に接種し、そして37℃で一晩増殖させた。Wizard 373 DNA精製キット(Promega, Madison, WI)を使って、それらのコロニーの各々からミニプレプDNAを調製した。DNA配列分析により確かめると、クローン9とクローン10はアミノペプチダーゼIIコード配列を含んだ。クローン9(pEJG18)は全長であった。プラスミドpEJG18をE.コリ DH5α細胞中にサブクローニングして、E.コリ DH5α EJG18を作製した。実施例8:アスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼII遺伝子のDNA配列分析Applied Biosystems 373型自動DNAシークエンサー(Applied Byosystems, Inc., Foster City, CA)を使って、色素終結化学とプライマー進行技術(Giesecke他,1992, Journal of Virology Methods 38:47-60)を使って両鎖において、実施例7に記載のE.コリ DH5α EJG18中のプラスミドpEJG18に含まれるアミノペプチダーゼII遺伝子のDNA配列分析を行った。オリゴヌクレオチド配列決定用プライマーは、アミノペプチダーゼII遺伝子中の相補的配列に対してデザインし、そして製造業者の教示に従って、Applied Biosystems Model 394 DNA/RNA合成装置上で合成した。アスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼコード遺伝子のヌクレオチド配列と推定アミノ酸配列を図1に示す(それぞれ配列番号1と2)。クローン化した挿入断片の配列分析は、496アミノ酸配列(配列番号2)のタンパク質をコードする1488ヌクレオチド(終止コドンを除く)の大きな転写解読枠を明らかにした。この転写解読枠のG+C含量は58%である。van Heijneの規則(van Heijne, 1984, Journal of Molecular Biology 173:243-251)によると、最初の15アミノ酸がおそらく、小胞体中に未成熟ポリペプチドを差し向ける分泌シグナルペプチドを含んでいるようだ(図1中に二重線が引かれている)。実施例2に記載した通りに精製アミノペプチダーゼIIから誘導された部分ペプチドのアミノ酸配列は図1中に下線が引かれており、これはアスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼIIcDNAの推定アミノ酸配列(配列番号2)に見つかるものと一致した。Clustal整列プログラム(Higgins,1989,前掲)を使ってアスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼIIの推定アミノ酸配列をサッカロミセス・セレビシエのアミノペプチダーゼIIY(配列番号5)と比較すると、33.7%の同一性が観察された。実施例9:アスペルギルス宿主用のアスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼII発現ベクターの作製下記に示す2つの合成オリゴヌクレオチドプライマーは、アスペルギルス宿主中でのサブクローニングと発現用に、プラスミドpEJG18(E.コリ DH5α-EJG18)からのアスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼII遺伝子コード配列をPCR増幅するためにデザインした。ボールド字体はコード配列を表す。pMWR3(図2)と称する発現ベクター中への前記遺伝子断片のサブクローニングを容易にするために、アミノペプチダーゼII遺伝子の3′末端にNsiI制限酵素部位を導入した。5′末端は、SwaI部位中への挿入のためにATGコドンを付加して平滑末端にした。ベクターpMWR3は調節配列としてTAKAプロモーターとターミネーターを含んだ。このプラスミドは真菌形質転換についての選択マーカーを含まないので、選択マーカーとしてamdSを含むpToC90(WO 91/17243)とそのプラスミドとを同時形質転換せしめた。上記プライマーの各々50ピコモルを、70ngのpEJG18(pYES2中のアスペルギルス・オリゼ1568 cDNAクローン)、1×Pwo緩衝液(Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)、8μlのdATP,dTTP,dGTPおよびdCTPの各10mM混合物、並びに2.5単位のPwoI(Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)を含むPCR反応液(50μl)中で使用した。増幅条件は、94℃で2分,55℃で30秒および72℃で1分を1サイクル;94℃で15秒,55℃で30秒および72℃で1分を9サイクル;各サイクルごとに20秒づつ延長しながら、94℃で15秒,55℃で30秒および72℃で1分を15サイクル;そして最終サイクルとして94℃で15秒,55℃で30秒および72℃で7分であった。次いで熱ブロックを4℃浸漬サイクルに移した。増幅された1500bp DNA断片をゲル電気泳動とQiaexIIにより精製した。アミノペプチダーゼクローンをNsiIで消化した(製造業者により指示された条件を使って)切断断片を、予めSwaIとNsiIで切断しておいたpMWR3中にクローニングして、アミノペプチダーゼIIの転写がTAKAプロモーターの調節下にある発現プラスミドpEJG19(図3)を得た。プラスミドpEJG19を用いてE.コリ DH5α細胞(Life Technologies, Gaithersburg, MD)を形質転換せしめた。pEJG19プラスミドを含有するE.コリ形質転換体を単離し、そしてSambrook他,1989(前掲)の手順に従ってプラスミドDNAを調製した。実施例10:アスペルギルス・オリゼ中でのアスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼII遺伝子の発現以下のプロトプラスト形質転換法を使って、アルカリ性プロテアーゼ欠損アスペルギルス・オリゼ宿主JaL142-6にpEGJ19プラスミドを導入した。形質転換は、約2×107プロトプラスト/mlの濃度でプロトプラストを使って行った。100μlのプロトプラストを約5μgのpEJG19と5μgのpTOC90と共に氷上に置き、そして250μlの60% PEG 4000,10mM Tris-HCl,pH7.5,10mM CaCl2を添加し、プロトプラストを37℃で30時間インキュベートした。3mlのSTC(1.2Mソルビトール,10mM Tris-HCl,pH7.5,10mM CaCl2)を添加した。生じた溶液を穏やかに混合し、そしてCOVE形質転換プレート上に注いだ(1lあたり、0.52gのKCl,0.52gのMgSO4-7H2O,1.52gのKH2PO4,1mlの下記微量金属,342.3gのショ糖,25gのNoble寒天,10mlの1Mアセトアミド,10mlの3M CsCl)。微量金属溶液(1000×)は、1lあたり、22gのZnSO4-7H2O,11gのH3BO3,5gのMnCl2-4H2O,5gのFeSO4-7H2O,1.6gのCoCl2-5H2O,1.6gの(NH4)6Mo7O24および50gのNa4EDTAから成った。プレートを37℃で7日間インキュベートした。形質転換体を同一培地のプレートに移し、そして37℃で2日間インキュベートした。唯一の窒素源としてアセトアミドを使ってCOVE培地上で増殖できる能力により、全部で140個の形質転換体が回収された。75% MY50塩で希釈した25% MY50培地をウエルあたり1ml含有する24ウエルプレート中で、200rpmで34℃にて4日間形質転換体を増殖させた。MY50培地は、1lあたりpH6.0に調整した50gのマルトデキストリン,2.0gのMgSO4-7H2O,10gのKH2PO4,2gのクエン酸,10gの酵母エキス,2.0gの尿素,2gのK2SO4および0.5mlの微量金属溶液から成った。微量金属溶液は、1lあたり、14.3gのZnSO4-7H2O,2.5gのCuSO4-5H2O,0.5gのNiCl2-6H2O,13.8gのFeSO4-7H2O,8.5gのMnSO4-H2O,3gのクエン酸から成った。MY50塩は、1lあたり2.0gのMnSO4-H2O,10gのKH2PO4,2gのクエン酸および2gのK2SO4,pH6.0から成った。140個のウエルの各々を、基質としてLeu-pNA(塩酸塩)を使ってアミノペプチダーゼII活性についてアッセイした。96ウエルのマイクロタイタープレート中の、50mMリン酸ナトリウムpH7.5緩衝液中1ml/mgのLeu-pNA 100μlに上清4μlを添加した。405nmでの吸光度をモニタリングした。最高レベルのアミノペプチダーゼII活性を有する4つの形質転換体20.88,90および137を、25mlのMYSO培地の入った125ml振盪フラスコ中で34℃で4日間培養した。10倍希釈した上清100μlを50mMリン酸ナトリウムpH7.5緩衝液中2ml/mgのLeu−pNA溶液100μlと混合することにより、2日目,3日目および4日目に試料をアミノペプチダーゼII活性についてアッセイした。形質転換体20,90および137は最高生産株であった。アミノペプチダーゼIIの精製のために、上述の通り振盪フラスコ中でまたは適当な炭素源と窒素源を含む醗酵培地中で形質転換体20および/または90を増殖させた。実施例11:アスペルギルス中で生産されたアスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼIIの精製実施例10に記載した振盪フラスコ培養物から得られた上清を一緒にし(約100ml中に約100mgのタンパク質)、そして3.7mSに希釈し且つpH7.0に調整した。希釈した試料を、20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液で予め平衡化しておいたQ-Sepharoseビーズ(大)に負荷した。20mMリン酸ナトリウムpH7.0緩衝液中の0→0.4M NaCl勾配に続いて0.4M NaClでの洗浄により、アミノペプチダーゼIIを溶出させた。各画分100μlを、50mMリン酸ナトリウムpH7.5緩衝液1mlあたり2mgのLeu-pNAを含む溶液100μlと混合することにより、それらの画分をアミノペプチダーゼII活性についてアッセイした。アッセイ結果は、アミノペプチダーゼIIが勾配の終わりと0.4M NaCl洗浄中に溶出することを示した。SDS-PAGEによる分析は、該酵素が均質であることを明らかにした。実施例12:フザリウム宿主用のアスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼII発現ベクターの作製フザリウム宿主中でのサブクローニングと発現用に、プラスミドpEJG18(E.コリ DH5α-EJG18)からのアスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼII遺伝子コード配列をPCR増幅するために、下記に示す2つの合成プライマーをデザインした。ボールド字体はコード配列を表す。小文字は発現を増強するためのコザック共通配列を表す(Kozal, 1981, Nucleic Acids Research 12:857-872)。pDM181(図4)と称する発現ベクター中への前記遺伝子断片のサブクローニングを容易にするために、アミノペプチダーゼII遺伝子の5′末端と3′末端にそれぞれSwaI制限酵素部位とPacI制限酵素部位を導入した。ベクターpDM181は調節配列としてフザリウム・オキシスポラムのトリプシン様プロテアーゼ(SP387)プロモーターとターミネーター(WO 96/00787)を含んだ。このプラスミドは真菌形質転換用の選択マーカーとしてbar遺伝子も含んだ(de Block他,1987, EMBO Journal 6:2513-2518)。上記プライマーの各々50ピコモルを、70ngのpEJG18、1×Pwo緩衝液、5μlのdATP,dTTP,dGTPおよびdCTPの10mM混合物、並びに2.5単位のPwoIを含むPCR反応液中で使用した。増幅条件は、94℃で2分,55℃で30秒および72℃で1分を1サイクル;94℃で15秒,55℃で30秒および72℃で1分を9サイクル;各サイクルごとに20秒づつ延長しながら、94℃で15秒,55℃で30秒および72℃で1分を15サイクル;そして最終サイクルとして94℃で15秒,55℃で30秒および72℃で7分であった。次いで熱ブロックを4℃浸漬サイクルで維持した。増幅された1500bp DNA断片をゲル電気泳動とQiaex IIにより精製し、次いでpCRII TOPO TAクローニングベクター(Stratagene, San Diego, CA)中にサブクローニングした。pCRIIアミノペプチダーゼクローンを制限エンドヌクレアーゼSwaIとPacIで切断した(製造業者により指示された条件を使って)。断片をゲル電気泳動とQiaexIIにより精製した。切断断片を、予めSwaIとPacIで切断しておいたpDM181中にクローニングして、アミノペプチダーゼII遺伝子の転写がフザリウム・オキシスポラムのトリプシン様プロテアーゼプロモーターの調節下にある発現プラスミドpEJG28(図5)を得た。プラスミドpEJG28を用いてE.コリABLEK細胞(Stratagene, San Diego, CA)を形質転換せしめた。pEJG28プラスミドを含有するE.コリ形質転換体を単離し、Sambrook他,1989(前掲)の手順に従ってプラスミドDNAを調製した。実施例13:フザリウムCC1-3の形質転換および形質転換体の分析フザリウム株A3/5の多分岐形態変異体であるフザリウム株CC1-3(ATCC 20334)(Wiebe他,1992, Mycological Research 96:555-562; Wiebe他,1991, Mycological Research 95:1284-1288 ;Wiebe他,1991, Mycological Research 96: 555-562)を、Vogel塩(Vogel, 1964, Am. Nature 98:435-446), 25mM NaNO3および1.5%グルコースを含む液体培地中で28℃および150rpmで4日間増殖させた。4重のチーズクロスを通した濾過と、1重のミラクロスを通した最終濾過により、分生子を精製した。分生子懸濁液を遠心分離により濃縮した。1%酵母エキス、2%バクトペプトンおよび2%グルコースから成るYPG培地50mlに約108個の分生子を接種し、そして24℃および150rpmで14時間インキュベートした。得られた菌糸を無菌0.4mmフィルター上にトラップし、そして無菌蒸留水と1.0M MgSO4で順次洗浄した。その菌糸を10mlのNOVOZYME 234TM溶液(1.0M MgSO4中2〜10mg/ml)中に再懸濁し、次いで80rpmで攪拌しながら34℃で15〜30分間消化した。NOVOZYME 234TMはNovo Nordisk A/S, Bagsvaerd, Denmarkより入手した。4重のチーズクロスと1重のミラクロスを通した連続濾過により、生成プロトプラスト懸濁液から未消化の菌糸材料を除去した。1Mソルビトール20mlをそのプロトプラスト溶液と混合した。混合後、遠心分離によりプロトプラストをペレットにし、そして20mlの1Mソルビトールと20mlのSTC(0.8M ソルビトール,0.05M Tris pH8.0,0.05M CaCl2)中への再懸濁と再遠心により洗浄した。洗浄したプロトプラストを5×107/mlの濃度で、STC4部とSPTC(0.8Mソルビトール,40%PEG 4000,0.05M Tris pH8.0,0.05M CaCl2)1部の混合物中に再懸濁した。100μlのプロトプラスト懸濁液を、ポリプロピレンチューブ(17×100mm)中の10μgのpEJG28に添加し、混合し、そして氷上で30分間インキュベートした。1mlのSPTCをそのプロトプラスト懸濁液中に穏やかに混和させ、室温で20分間インキュベーションを続けた。1×Vogel塩,25mM NaNO3,0.8Mショ糖および1%低融点アガロース(Sigma Chemical Company, St, Louis, MO)から成る融解溶液(40℃に冷やしたもの)12.5mlをプロトプラストと混合し、次いで空の100mmペトリ皿上に置いた。室温で10〜14日間インキュベーションを続けた。室温で24時間インキュベーション後、1mlあたり同培地12.5mlと10mgのBASTATM(Hoechst Schering, Rodovre, Denmark)をペトリ皿上に積層した。BASTATMは、使用前にフェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)で2回、そしてクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)で1回抽出した。2週間後、#1および#2と命名した2つの形質転換体が観察された。各形質転換体の縁からの菌糸断片を、Vogel/BASTATM培地の入った24ウエルプレートの個々のウエルに移した。その培地は1lあたり25gのショ糖,25gのNoble寒天,20mlの50×Vogel塩(Vogel,1964,前掲),25mM NaNO3および10gのBASTATMを含んだ。水分を保持するためにプレートをプラスチック袋中に封入し、そして室温で約1週間インキュベートした。実施例14:フザリウム中でのアスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼII遺伝子の発現実施例13に記載した2つのフザリウムCC1-3形質転換体からの菌糸断片を1lあたり50gのマルトデキストリン,2.0gのMgSO4-7H2O,2.OgのKH2PO4.4.0gのクエン酸,8.0gの酵母エキス,2.0gの尿素および0.5mlの微量金属溶液から成るM400Da培地20ml中に接種し、そして30℃および150rpmで7日間インキュベートした。5N NaOHを使って培地をpH6.0に調整した。微量金属溶液は1lあたり、14.3gのZnSO4-7H2O,2.5gのCuSO4-5H2O,0.5gのNiCl2-6H2O,13.8gのFeSO4-7H2O,8.5gのMnSO4-H2Oおよび3.0gのクエン酸を含んだ。未形質転換宿主も対照として実験した。7日目に培養上清1mlを収得し、保存し、アッセイした。アミノペプチダーゼII活性は、50mM リン酸ナトリウム pH7.5 緩衝液1mlあたり2mgのLeu−p−ニトロアニリドを含有する基質原液200μlと上清10μlとを混合し、そして4分間にわたり405nmでの吸光度の変化をモニタリングすることにより測定した。両形質転換体とも未形質転換体対照よりも大きいLeu−pNAに対する活性を示した。実施例13に記載した初代フザリウム形質転換体#2を、25mlのM400Da培地中37℃で5日間にわたり125mlの振盪フラスコ中で培養した。全培養ブロスを二重のミラクロスを使って濾過した。濾液を−20℃で保存した。実施例15:フザリウムにより生産された組換えアスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼIIの精製実施例14に記載した5日フザリウム培養物の20ml容量を、0.45ミクロンシリンジフィルターを通して濾過した。次いで試料を20mM リン酸ナトリウム pH7.0 緩衝液で8倍希釈した。試料の伝導率とpHはそれぞれ3.1mSと7.10であった。20mM リン酸ナトリウム pH7.0 緩衝液で予め平衡化しておいたQ-Sepharoseビーズ(大)60mlを充填したXK-26(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)カラムに試料を負荷した。ベースラインに達するまでカラムを洗浄し、次いで5ml/分の流速で8.3カラム容積に渡る20mM リン酸ナトリウム pH7.0 緩衝液中の0→0.5M NaClの直線勾配を使って試料を溶出させた。各画分10μlを、50mM リン酸ナトリウム pH7.5 緩衝液1mlあたり2mgのLeu-pNAを含む基質原液100μlおよび90μlの50mM リン酸ナトリウム pH7.5 緩衝液と混合し、そして4分間に渡り405nmでの吸光度の変化をモニタリングすることにより、基質としてLeu-pNAを使ってそれらの画分をアッセイした。Leu−pNAに対して活性である全画分をプールし、希釈し、そしてAmicon限外濾過装置を使ってPM10膜を用いて濃縮した。次いで濃縮試料を20mM リン酸ナトリウム pH7.0 緩衝液で予め平衡化しておいたMono Q 16/10(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)カラム上に負荷した。次いでカラムを0.15M NaClで洗浄した。2ml/分の流速で10カラム容積に渡る0.15→0.5M NaClの直線勾配をかけた。活性画分を50mM リン酸ナトリウム pH7.0 緩衝液中1.7M(NH4)2SO4で平衡化した。50mM リン酸ナトリウム pH7.0 緩衝液中 1.7M(NH4)2SO4で予め平衡化しておいたPhenyl Superose 5/5カラム(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)上に試料を負荷した。ベースラインに達するまでカラムを50mM リン酸ナトリウム pH7.0 緩衝液中 1.7M(NH4)2SO4で洗浄した。0.5ml/分の流速で30カラム容積に渡る1.7M→0M(NH4)2SO4勾配により酵素を溶出させた。溶出させた画分がLeu-pNAに対して活性を持ったのと同じように、素通り画分がLeu-pNAに対して活性を有していた。酵素はSDS-PAGE分析上で異なる程度にグリコシル化された一連の形態として現れた。製造業者が指示したプロトコールに従って、この様々な形態の酵素をエンドグリコシダーゼF/NグリコシダーゼF(Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)で処理すると、分析した全ての試料において約58kDaの分子量を有する単一バンドが現れた。次いで様々にグリコシル化された形態をプールし、50mM リン酸ナトリウム pH7.5緩衝液を使って脱塩し、そして生化学分析にかけた。実施例16:組換えアスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼIIの特徴づけ実施例11に記載の精製アミノペプチダーゼIIを下記の特徴づけに使用した。Leu-pNA,Gly-pNA,Ala-pNAおよびPro-pNAを含む幾つかのp−ニトロアニリド(pNA)(Sigma Chemical Co., St. Louis, MO;またはBachem, Torrance, CA)に対してアミノペプチダーゼIIの速度論パラメーターを測定した。ジメチルスルホキシド1mlあたり各p−ニトロアニリド100mgを含有する原液を50mM リン酸カリウム pH7.0緩衝液で希釈して0.0064mMから9.56mMまでの濃度を与えた。基質の溶解性はKmに匹敵する濃度を与えるのに必ずしも十分ではないことに注意すべきである。これは、通常予想されるよりも高い誤差を生じることがある。50mM リン酸カリウム pH7.0 緩衝液中の酵素溶液の100μlアリコートをマイクロタイタープレートウエル中の基質溶液100μlに添加して、アミノペプチダーゼIIとp−ニトロアニリドとの反応を開始し、そしてTHERMOmaxマイクロプレートリーダー(Molecular Devices Corp., Sunnyvale, CA)を使って25℃で405nmでモニタリングした。p−ニトロアニリドの加水分解の初速度の分析は、表1に示す結果を与えた:これらの結果は、アミノペプチダーゼIIが、Glyに対してよりもAlaに対する特異性がずっと低いという基質特異性を有することを示す。基質としてLeu-pNAを使って50mM Tris 7.5 緩衝液中でpH7.5において加水分解を405nmでモニタリングすることにより、1,10−フェナントロリンによるアミノペプチダーゼIIの阻害を評価した。メタノール中の1,10−フェナントロリンの200mM溶液を調製した。50mM リン酸ナトリウム pH7.5 溶液1mlあたり2mgのLeu-pNAを含有する溶液100μlおよび1,10−フェナントロリン溶液10μlを、50mM リン酸ナトリウム pH7.5 緩衝液中に5倍希釈したアミノペプチダーゼII 100μlと混合することにより、阻害反応を実施した。1,10−フェナントロリン溶液の代わりに10μlの20mM Tris pH7.6 緩衝液を使用する対照実験も行った。結果は、1,10−フェナントロリンがアミノペプチダーゼIIを阻害することを示した。このことは、アミノペプチダーゼIIがメタロプロテアーゼであることを示唆する。Leu-pNAの加水分解速度は、1,10−フェナントロリンの存在下で285mOD/分から21mOD/分に減少した。実施例15に記載の精製アミノペプチダーゼIIを下記の特徴づけに使用した。10N NaOHを使って0.5刻みに4.5〜11にpHを調整した、0.125M クエン酸,0.125M 第一リン酸ナトリウムおよび0.125M ホウ酸から成る万能緩衝液中、基質としてAla-pNAを使って最適pHを測定した。1mlのDMSO中に100mgのAla-pNAを溶かし、そして様々なpH値の万能緩衝液980μlにAla-pNA/DMSO溶液20μlを添加することにより、Ala-pNA基質を調製した。周囲温度で様々なpH値において2mg/mlのAla-pNA 200μlに、50mM リン酸ナトリウム pH7.5 緩衝液中のアミノペプチダーゼII溶液の15μlアリコートを添加することによりアッセイを開始した。405nmでの吸光度の変化を5分間モニタリングした。様々なpH値で2mg/mlのAla-pNA 200μlに50mM リン酸ナトリウム pH7.5 緩衝液 15μlを添加することにより、対照としての基質の自己加水分解を測定した。下表2に示す結果は、アミノペプチダーゼIIが、測定したpH領域4.91〜10.91に渡って基質としてのAla-pNAに対する活性を有し、最適活性はpH≒9.5〜10であることを証明した。11以下のpH値では、基質の自己加水分解は全く観察されなかった。次のプロコールを使ってアミノペプチダーゼIIの温度安定性を調べた:1.7mlのエッペンドフル管中で480μlの50mM リン酸ナトリウム pH7.5 緩衝液を37℃,45℃,55℃,60℃,65℃,70℃および75℃で30分間予備インキュベートした。次いで、20μlの精製アミノペプチダーゼIIを加え、試料を更に20分間インキュベートした。次いで試料を氷上に置いた。全ての温度のインキュベーションが終了したら、基質としてLeu-pNAを使って活性について試料をアッセイした。表3に示す結果は、アミノペプチダーゼIIが60℃,pH7.5で20分間のインキュベーション後にその活性の90%を保持することを証明した。次のプロトコールを使って様々なアミノペプチダーゼII基質に対する速度論パラメーターを求めた。0.581のA280を有する精製アミノペプチダーゼIIを使用した。各基質を100mg/ml濃度になるようにDMSO中に溶かし、それを50mM リン酸ナトリウム pH7.5 緩衝液中に50倍希釈して2mg/mlの濃度とした。基質はLeu-pNA,Glu-pNA(Bacham, Torrance, CA)およびAla-pNAを含んだ。96ウエルマイクロタイタープレート中、50μlの精製アミノペプチダーゼをGlu-pNAとインキュベートしたこと以外は下記の通りに、10μlの精製アミノペプチダーゼIIを各基質と共にインキュベートし、そして405nmの吸光度を4分間にわたり測定した。1.200μlの2mg/ml基質 + 0μlの50mMリン酸ナトリウム pH7.5 緩衝液2.100μlの2mg/ml基質 + 100μlの50mM リン酸ナトリウム pH7.5 緩衝液3.50μlの2mg/ml基質 + 150μlの50mM リン酸ナトリウム pH7.5 緩衝衝液4.25μlの2mg/ml基質 + 175μlの50mM リン酸ナトリウム pH7.5 緩衝液異なる程度にグリコシル化された形態について97kDaの平均分子量を使って、Lineweaver−Burketプロットを作成して、各基質についてのKmとkcatを求めた。Leu-pNAの場合、Kmとkcatはそれぞれ5.78mMと230.9分-1と測定された。Glu-pNAの場合、Kmとkcatはそれぞれ1.17mMと8.217分-1と測定された。Ala-pNAの場合、Kmとkcatはそれぞれ1.49mMと34.638分-1と測定された。実施例17:アスペルギルス・オリゼ1568アミノペプチダーゼIIを使ったタンパク質水解物の調製実施例11に記載の精製アミノペプチダーゼIIを、大豆、小麦グルテンおよびカゼインを基質として使って下記の手順により加水分解度試験において試験した。加水分解度(DH)は、必要ならpH7に調整した(加水分解中にはpH調整しない)、2%濃度の大豆ミールタブレット、小麦グルテンミールタブレット、およびカセイン酸ナトリウムを使って10mlスケールでの微量加水分解として50℃で18時間実施した。水解物を湯浴中で85℃で3分間インキュベートした。使用した酵素はFLAVOURZYMETMとアミノペプチダーゼIIであった。これらの酵素は次のように用量決定した。大豆の場合、3 LAPUのFLAVOURZYMETMに対比して、2 LAPUおよび5 LAPUのアミノペプチダーゼII(組換え)を添加した。グルテンの場合、3 LAPUのFLAVOURZYMETMに対比して、2 LAPUおよび5 LAPUのアミノペプチダーゼII(組換え)を添加した。カゼインの場合、3 LAPUのFLAVOURZYMETMに対比して、1 LAPUおよび2 LAPUのアミノペプチダーゼII(組換え)を添加した。1 LAPU(ロイシンアミノペプチダーゼ単位)は、次の条件下で1分間あたり1マイクロモルのL−ロイシン−p−ニトロアニリドを分解する酵素の量である:0.1M Tris pH8.0 緩衝液中の26mM L−ロイシン−p−ニトロアニリド、40℃で10分間。加水分解を受けると、p−ニトロアニリドが遊離されて溶液が黄色(405nmでモニタリングされる)に変わる。Adler-Nissen(1986, Enzymic Hydrolysis of Food Proteins, Elsevier Applied Science Publishers)により記載のように定義される加水分解度(DH)は、次の手順に従って、上清とOPA(o−フタルジアルデヒド,Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)との反応により測定した。まず、水解物を蒸留水中に100倍希釈した。次いで120μlをOPA試薬900μlに移した。OPA試薬は、160mgのOPAを4mlのエタノールに溶かし、次いで7.62gの四ほう酸二ナトリウム十水和物,200mgのドデシル硫酸ナトリウムおよび176mgのジチオスレイトールの溶液の入った200mlのメスフラスコにそれを移し、そしてフラスコを水でメスアップして200mlの容量にした。次いでこの溶液を十分に振盪し、正確に2分後、340nmでの吸光度を測定し、そしてブランク値(OPA試薬と反応させた水)を差し引いた後で0.95mM L−セリン(蒸留水)溶液の吸光度と比較した。真のDHを求めるために、水解物中に測定されたセリン当量を、トリニトロベンゼンスルホン酸法(これは記載のOPA法と同じ応答を与える)についてAdler-Nissenにより提唱された係数を使って補正した(Adler-Nissen, 1979, Agricultural and Food Chemistry 17: 1256)。DHは加水分解混合物中のタンパク質の総量に基づいて計算した(可溶性タンパク質に基づくのではない)。適当に希釈した上清25μl容量をマイクロタイタープレートウエル中の200μlのOPA試薬と混合し、そして25℃で正確に2分間反応させた。マイクロタイタープレートリーダーを用いて340nmでの吸光度を測定し、ブランク値(OPA試薬と反応させた水)を差し引いた後、それを95mM L−セリン標準溶液の吸光度と比較した。真のDHを求めるために、水解物中に測定されたセリン当量を、トリニトロベンゼンスルホン酸法(OPA法と同じ応答を与える)についてAdler-Nissenにより提唱された係数を使って補正した(Adler-Nissen, 1979, Agricultural and Food Chemistry 17: 1256)。DHは加水分解混合物中のタンパク質の総量に基づいて計算した(可溶性タンパク質に基づくのではない)。大豆の場合、3 LAPUのFLAVOURZYMETMへの2 LAPUと5 LAPUのアミノペプチダーゼIIの添加が、単独の3 LAPUのFLAVOURZYMETMを使った試料よりも、絶対DH値をそれぞれ少なくとも8%と10%増加させた。グルテンの場合、3 LAPUのFLAVOURZYMETMへの2 LAPUと5 LAPUのアミノペプチダーゼIIの添加が、絶対DH値をそれぞれ6%と9%増加させた。ゼラチンの場合、3 LAPUのFLAVOURZYMETMへの2 LAPUと5 LAPUのジペプチドアミノペプチダーゼIIの添加が、絶対DH値をそれぞれ4.9%と5.3%増加させた。カゼインの場合、3 LAPUのFLAVOURZYMETMへの1 LAPUと2 LAPUのアミノペプチダーゼIIの添加が、単独の3 LAPUのFLAVOURZYMETMの添加よりも、絶対DH値をそれぞれ7%と9%増加させた。実施例18:アスペルギルス・オリゼのアミノペプチダーゼIIによる大豆タンパク質の加水分解大豆タンパク質を7.0の開始pHと2%のタンパク質濃度を使って10mlスケール(微量加水分解)で加水分解した。加水分解時間と温度はそれぞれ18時間と50℃であった。酵素を85℃で5分間不活性化し、水解物を遠心分離した。OPA法を使って上清をDHについて分析した。Adler-Nissen(1986, Enzymic Hydrolysis of Food Proteins, Elsevier Applied Science Publishers)により記載のように定義されるDHは、上清とOPA(o−フタルジアルデヒド,Sigma Chemical Co., St. Louis, MO)との反応により測定した。OPA試薬は、160mgのOPAを4mlのエタノールに溶かし、次いで7.62gの四ほう酸二ナトリウム十水和物,200mgのドデシル硫酸ナトリウムおよび176mgのジチオスレイトールの溶液の入った200mlのメスフラスコにそれを移し、そしてフラスコを水でメスアップして200mlの容量にした。選択した試料を、製造業者の教示に従ってPicoTag HPLC法(Waters Associates, Milford, MA)を使って、遊離アミノ酸の含量について分析した。200mgの大豆タンパク質を含有する各加水分解フラスコに添加する酵素の用量を下表4に示す。アミノペプチダーゼIIは、実施例10に記載の通りにアスペルギルス・オリゼ中で組換え生産させ、そして精製した。アミノペプチダーゼII溶液は8.1のA280と、アミノ酸分析から5mg/mlの推定タンパク質含量を有した。DH分析の結果を表4に示す。DHは、2%の全タンパク質濃度から計算したのであって、可溶性タンパク質含量からではない。表5は、最大アミノペプチダーゼ量(0.5g/kg大豆タンパク質)の添加の時に、FLAVOURZYMETMバックグラウンド量に対する各アミノ酸の相対%増加が観察されることを示す。上記結果は、アミノペプチダーゼIIを低用量のFLAVOURZYMETM(1.5%)に添加した時にはGlyが最大の相対増加を示し、それにSer,Asp,Asn,Pro,CysおよびAlaが続いた。アミノペプチダーゼIIを高用量のFLAVOURZYMETM(6%)に添加した時にはProが最大の相対増加を示し、それにAsp,Glu,Cys,GlyおよびGlnが続いた。実施例19:脱アミドによるタンパク質溶解性とグルタミン酸遊離の増加小麦グルテン(WG)をCargill(JOB 5141)より入手し、脱アミド小麦グルテン(DWG)をStaPro Consultancy B.V., Lemdijk 32, 9422 TH Smilde, NLより入手した。11gのグルテンを89gの水と混合することにより8%タンパク質懸濁液を調製した。pHをNaOHで6.5に調整した。WO 91/13554に記載のようにして得られるグルタミン酸/アスパラギン酸特異的プロテアーゼ(SP446)またはWO 89/06270に記載のようにして得られるリジン/アルギニン特異的プロテアーゼ(SP387)を前記懸濁液に添加した。SP446の用量は0.01 AU/gタンパク質であり、そしてSP387の用量は0.006 AU/gタンパク質であった。FLAVOURZYMETM(エンドおよびエキソ−ペプチダーゼ活性を含み、そしてアスペルギルス・オリゼの醗酵により得られた、Novo Nordisk A/Sより入手可能な非特異的に作用するプロテアーゼ製剤)は20 LAPU/gタンパク質の用量で幾つかの水解物に添加した。更にpH調整せずに50℃で18時間加水分解を行った。85℃で15分間加熱することにより酵素を失活させた。pHを5に調整し、そして水解物を遠心分離した。上清中のタンパク質含量と遊離グルタミン酸含量を測定した。タンパク質含量は、6.25のKjeldahl係数を使ってKjeldahl分析により測定した。遊離グルタミン酸含量は、製造業者の教示に従ってグルタミン酸測定キットを使って測定した(Boehringer Mannheim, Indianapolis, IN)。その方法をマイクロタイタープレート用に改変した。小麦グルテン(WG)を脱アミド小麦グルテン(DWG)に比較した場合の表6に示す結果は、脱アミドが、特異的プロテアーゼに対するグルテンの感受性を増加させ、より多くのタンパク質を可溶性にすることを証明した。FLAVOURZYMETMと特異的プロテアーゼの添加することにより、脱アミドによるグルタミン酸の遊離が倍加された。実施例20:酵素的脱アミドおよびグルタミン酸の遊離1%ポリペプトン,0.5%ラクトース,0.025%MgSO4-7H2O,0.005%FeSO4-7H2O,0.025%KH2PO4および17%Na2HPO4-12H2Oから成る培地(pHを7.2に調整したもの)200mlの入った振盪フラスコ(400ml)中で、270rpmで混合しながら30℃で20時間に渡りバシラス・サーキュランスATCC 21590株を増殖させることにより、ペプチドアグルタミナーゼIIを生産させた。1lのフラスコ中での4000rpmでの遠心分離により細胞を収得した。次いで細胞を凍結させた。室温でバシラス・サーキュランスからのペプチドグルタミナーゼIIの精製を行った。凍結したバシラス・サーュランス細胞を解凍し、そして均質懸濁液が得られるまで溶解緩衝液〔50mM Tris/HCl; 25%(w/v)ショ糖,1mM EDTA,pH8.0〕中に懸濁させた−溶解緩衝液1lあたり100gの湿潤細胞を使用。リゾチーム(10mg/ml)とDNアーゼI(Sigma DN-25,10mg/ml)を溶解緩衝液に溶かした。次いで、細胞懸濁液1lあたり100mlのリゾチーム溶液、10mlの1.0M MgCl2および1mlのDNアーゼI溶液を添加した。酵素を1時間作用させた。懸濁液をSeiz深型フィルタープレートを通して濾過し、そして10mM KH2PO4/NaOH,pH8.0(緩衝液A)で平衡化されたSephadex G25カラム(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)上で緩衝液Aへと濾液を移した。次いで酵素溶液を、緩衝液Aで平衡化されたSOURCE Qカラム(Pharmacia Biotech AB, Uppsala, Sweden)に適用し、次いで緩衝液A中の直線NaCl勾配(0→500mM)を使って溶出させた。カラムから採取した画分を後述の通りにペプチドグルタミナーゼII活性について試験し、活性を有する画分をプールした。プールした画分の280nmでの吸光度は1.78であり、よってタンパク質含量は1.8mg/mlであると見積もられた。ペプチドグルタミナーゼIIプール中のタンパク質の純度は、SDS-PAGEゲルから判断すると約25%であった。よって、調製物は約0.5mg/mlの純粋なペプチドグルタミナーゼIIを含んだ。ペプチドグルタミナーゼ活性は、Boehringer Mannheimのアンモニア測定用キット(カタログ番号 1112732)を使って、N−tert−ブトキシカルボニル−Gln−Pro(N-t-BOC-Gln-Pro;Sigma No.B-4403)のγ−カルボキシアミドの加水分解中に形成されるアンモニアを測定することにより求めた。このキットでは、アンモニアの量はグルタミン酸デヒドロゲナーゼによるNADHの消費の測定によって求められ、そして別のNADH消費酵素の影響を差し引くために、N-t-BOC-Gln-Proを添加しないブランクも測定した。合計200mgの小麦グルテンタンパク質を9mlの沸騰水に添加し、そして冷却した後、pHを7.0に調整した。次いで上述したペプチドグルタミナーゼII調製物(PEP)250μlを添加した。実施例19に記載のグルタミン酸/アスパラギン酸特異的プロテアーゼ(SP446)を0.04 AU/gタンパク質の量で添加し、そして実施例19に記載のFLAVOURZYMETMを20 LAPU/gタンパク質の量で添加した。pH調整を行わずに、50℃で18時間加水分解を進行させた。ペプチドグルタミナーゼを添加しない対照も実験した。水解物を遠心分離し、そして実施例19に記載の通りにグルタミン酸を測定した。実施例18に記載の通りにDHも測定した。下表7に示す結果は、ペプチドグルタミナーゼ調製物による加水分解がDHだけでなくグルタミン酸の遊離も増加させることを証明した。生物学的材料の寄託下記の生物学的材料を、ブダペスト条約のもとにアグリカルチュラル・リサーチ・サービス・パテント・カルチャー・コレクション(Agrigultural Research Service Patent Culture Collection)のノーザン・レギオナル・リサーチ・センター(Northern Regional Research Center;1815 University Street, Peoria, Illinois, 61604)に寄託し、下記の受託番号を付与された。寄託生物 受託番号 寄託日E.コリ DH5α pEJG18 NRRL B-21677 1997年4月4日配列表(1) 一般情報(i) 出願人(A)名称:ノボ ノルディスク バイオテック,インコーポレイティド(B)通り:1445 ドリュー アベニュ(C)市名:カリフォルニア州デービス(D)国名:アメリカ合衆国(E)郵便番号(ZIP):95616-4880(F)電話:(530)757-8100(H)テレファックス:(530)758-0317(ii) 発明の名称:アミノペプチダーゼ活性を有するポリペプチドおよびそれをコードする核酸(iii)配列の数:9(vi) コンピューター読み取り形式(A)媒体型:フロッピーディスク(B)コンピューター:IBM互換型(C)動作システム:DOS(D)ソフトウエア:FastSEQ for Windows Version 2.0(v) 本願データ(A)出願番号:PCT/US98/09940(B)出願日:1998年5月16日(2) 配列番号1に関する情報(i) 配列の特徴:(A)配列の長さ:1491塩基対(B)配列の型:核酸(C)鎖の数:一本鎖(D)トポロジー:直鎖状(xi) 配列の記載:配列番号1(2) 配列番号2に関する情報(i) 配列の特徴:(A)配列の長さ:496アミノ酸(B)配列の型:アミノ酸(C)鎖の数:一本鎖(D)トポロジー:直鎖状(xi) 配列の記載:配列番号2:(2) 配列番号3に関する情報(i) 配列の特徴:(A)配列の長さ:20アミノ酸(B)配列の型:アミノ酸(C)鎖の数:一本鎖(D)トポロジー:直鎖状(ii) 配列の種類:None(xi) 配列の記載:配列番号3:(2) 配列番号4に関する情報(i) 配列の特徴:(A)配列の長さ:36アミノ酸(B)配列の型:アミノ酸(C)鎖の数:一本鎖(D)トポロジー:直鎖状(ii) 配列の種類:None(xi) 配列の記載:配列番号4:(2) 配列番号5に関する情報(i) 配列の特徴:(A)配列の長さ:537アミノ酸(B)配列の型:アミノ酸(C)鎖の数:一本鎖(D)トポロジー:直鎖状(xi) 配列の記載:配列番号5:(2) 配列番号6に関する情報(i) 配列の特徴:(A)配列の長さ:23塩基対(B)配列の型:核酸(C)鎖の数:一本鎖(D)トポロジー:直鎖状(xi) 配列の記載:配列番号6:(2) 配列番号7に関する情報(i) 配列の特徴:(A)配列の長さ:23塩基対(B)配列の型:核酸(C)鎖の数:一本鎖(D)トポロジー:直鎖状(xi) 配列の記載:配列番号7:(2) 配列番号8に関する情報(i) 配列の特徴:(A)配列の長さ:32塩基対(B)配列の型:核酸(C)鎖の数:一本鎖(D)トポロジー:直鎖状(xi) 配列の記載:配列番号8:(2) 配列番号9に関する情報(i) 配列の特徴:(A)配列の長さ:32塩基対(B)配列の型:核酸(C)鎖の数:一本鎖(D)トポロジー:直鎖状(xi) 配列の記載:配列番号9: アミノペプチダーゼ活性を有する単離されたポリペプチドであって、(a) 配列番号2のアミノ酸16〜496のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有するポリペプチド;(b) 高緊縮性条件下で、(i)配列番号1のヌクレオチド46〜1488の核酸配列、または(ii)その相補鎖、とハイブリダイズする核酸によりコードされるポリペプチド;および(c) (a)または(b)の対立遺伝子変異体;から成る群より選ばれたポリペプチド。 配列番号2のアミノ酸16〜496のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んで成る、請求項1のポリペプチド。 高緊縮性条件下で、配列番号1のヌクレオチド46〜1488の核酸配列、またはその相補鎖、とハイブリダイズする核酸によりコードされる、請求項1のポリペプチド。 次の物理化学的性質:(i)Ala−p−ニトロアニリドの存在下で周囲温度で測定した時にpH7.27からpH10.95までの範囲内の最適pH;(ii)基質の不在下で60℃で20分間インキュベーションした後で測定される、pH7.5での、初期活性と比較して90%以上の温度安定性;および(iii)N末端にAla,Arg,Asn,Asp,Cys,Gln,Glu,Gly,His,Ile,Leu,Lys,Phe,Pro,Ser,Thr,Trp,TyrまたはValを含む基質を加水分解する能力、を有する、請求項1のポリペプチド。 E.コリNRRL B−21677中に含まれるプラスミドpEJG18中に含まれる核酸配列によりコードされる、請求項1のポリペプチド。 請求項1のポリペプチドをコードする核酸配列を含んで成る、単離された核酸配列。 適当な発現宿主中での前記ポリペプチドの生産を指令する1または複数の調節配列に作用可能に連結された請求項6の核酸配列を含んで成る核酸構成物。 請求項7の核酸構成物、プロモーター、並びに転写および翻訳終結シグナルを含んで成る、組換え発現ベクター。 請求項7の核酸構成物を含んで成る組換え宿主細胞。 請求項1のポリペプチドの生産方法であって、(a)株を培養して前記ポリペプチドを含んで成る上清を生産し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。 ポリペプチドの生産方法であって、前記ポリペプチドの生産に適した条件下で請求項9の宿主細胞を培養し;そして(b)前記ポリペプチドを回収することを含んで成る方法。 完全なタンパク質、予備加水分解されたタンパク質及びそれらの混合物から成る群から選択されるタンパク様基質からの水解物の生産方法であって、前記基質を請求項1のポリペプチドとエンドペプチダーゼの作用にかけることを含んで成り、ここで、前記水解物がLeu,Gly,Glu,Ser,Asp,Asn,Pro,Cys,Alaおよび/またはGlnに富んでいる、方法。 前記水解物がGlyに富んでいる、請求項12の方法。 前記タンパク様基質が植物起源又は動物起源である、請求項12の方法。 請求項1のポリペプチドと適当な担体とを含んで成る、風味改良用組成物。


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