タイトル: | 特許公報(B2)_生分解性テレフタレートポリエステル−ポリホスフェートポリマー、組成物、物品、並びにその製造及び使用方法 |
出願番号: | 1998541949 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C08G 63/692,A61K 31/197,A61K 31/70,A61K 38/00,A61K 38/22,A61K 45/00,A61K 47/34,A61L 17/00,A61L 27/00 |
ハイ−クアン・マオ カム・ダブリュー・レオング ウエンビン・ダング ハングナン・ロー ツオング・ツアオ デービッド・ピー・ノボトニク ジェームズ・ピー・イングリッシュ JP 4496316 特許公報(B2) 20100423 1998541949 19980402 生分解性テレフタレートポリエステル−ポリホスフェートポリマー、組成物、物品、並びにその製造及び使用方法 エーザイ インコーポレイテッド ジョンズ ホプキンス ユニバーシティ スクール オブ メディシン 田中 政浩 ハイ−クアン・マオ カム・ダブリュー・レオング ウエンビン・ダング ハングナン・ロー ツオング・ツアオ デービッド・ピー・ノボトニク ジェームズ・ピー・イングリッシュ US 08/832,215 19970403 20100707 C08G 63/692 20060101AFI20100617BHJP A61K 31/197 20060101ALI20100617BHJP A61K 31/70 20060101ALI20100617BHJP A61K 38/00 20060101ALI20100617BHJP A61K 38/22 20060101ALI20100617BHJP A61K 45/00 20060101ALI20100617BHJP A61K 47/34 20060101ALI20100617BHJP A61L 17/00 20060101ALI20100617BHJP A61L 27/00 20060101ALI20100617BHJP JPC08G63/692A61K31/197A61K31/70A61K37/02A61K37/24A61K45/00A61K47/34A61L17/00A61L27/00 Y C08G 63/00 - 63/91 A61L 17/00 A61L 27/00 A61K 31/00 - 45/08 欧州特許出願公開第00057116(EP,A1) 特開昭59−133227(JP,A) 31 US1998006381 19980402 WO1998044021 19981008 2001519842 20011023 36 20050401 村上 騎見高 発明の背景技術1.発明の分野本発明は、生分解性ホモポリマー及びブロックコポリマー組成物、特にポリマーの主鎖にホスフェートとテレフタレートの両方のエステル結合を含み、インビボで無毒の残留物に分解されるそれらに関する。本発明のポリマーは、特に移植可能な医療器具やドラッグデリバリーシステムに有用である。2.従来技術の説明生体適合性ポリマー材料は治療薬デリバリー及び医薬移植器具への利用が拡大してきている。そのようなポリマーは生体適合性だけでなく、その治療上の価値が使い尽くされたときにこのポリマーを除去する必要性を排除する生分解性が望まれるときもある。ドラッグデリバリーの従来技術、例えば頻繁な定期的投薬は多くの場合理想的ではない。例えば毒性の高い薬の頻繁な従来の投薬は、投薬の際最初の薬レベルが高く、しばしば有毒に近いレベルになり、続いてそれらの治療値レベル以下にできる投薬間の低い薬レベルになる。しかし、ドラッグデリバリーがコントロールされている場合には予測されたやり方で長期間コントロールされた放出によってより容易に治療に有効であるが有毒ではない薬のレベルに維持することができる。もし、生分解性医療器具がドラッグデリバリー又は他のコントロールされたシステムとしての使用を意図しているのであれば、ポリマーキャリヤーの使用は治療薬をコントロールされたやり方で局所的に送り込む1つの有効な手段である。Langerら.,“Chemical and Physical Structures of Polymers as Carriers for Controlled Release of Bioactive Agents”,J.Macro.Science,Rev.Macro.Chem,Phys.,C23:1,61−126(1983)参照。その結果、要求される薬の全量が少なくなり、有毒な副作用を最小限にすることができる。ポリマーは、治療薬を局所的に放出を維持させるキャリヤーとして使用されている。Leongら.,“Polymeric Controlled Drug Delivery”,Advanced Drug Delivery Reviews,1:199〜233(1987);Langer,“New Methods of Drug Delivery”,Science,249:1527〜33(1990);Chienら.,Novel Drug Delivery Systems(1982)参照。このようなデリバリーシステムは治療効果の増進と全体としての毒性の減少の可能性を提供する。非生分解性マトリックスでは、治療薬を放出するステップはこのマトリックスの内部への水の拡散、治療薬の溶解、及びこのマトリックスのチャンネルを通じてのこの治療薬の拡散放出からなる。その結果、溶解状態にある治療薬の平均滞留時間は、それが起こるであろうマトリックスのチャンネルの通過がもはや必要なくなる生分解性マトリックスよりも非生分解性マトリックスのほうが長くなる。多くの医療は半減期が短いので、治療薬はそれが放出される前に非生分解性マトリックスのなかで分解されあるいは不活性化されることがある。これは、多くの生物学的巨大分子や比較的小さいポリペプチドにとって特に重要である、何故ならこれらの分子は一般的に加水分解的に不安定であり、またポリマーマトリックスの透過率が低いので。実際のところ、非生物分解マトリックスにおいては、多くの生物学的巨大分子が凝集あるいは沈澱してキャリヤーマトリックスの拡散放出に必要なチャンネルを塞いでしまう。これらの問題は、拡散放出に加えてポリマーマトリックスの分解による治療薬コントロールされた放出をもたらす生分解性マトリックスの使用によって緩和される。可能な生分解性材料として研究された合成ポリマーのクラスの例には、ポリエステル(Pittら.,Biodegradable Drug Delivery Systems Based on Aliphatic Polyesters:Application to contraceptives and Narcotic Antagonists”,Controlled Release of Bioactive Materials.19〜44(Richard Baker ed.,1980);poly(amino acids)及びシュードポリアミノ酸(Pulapuraら.,“Trends in the Development of Bioresorbable Polymers for Medical Applications”,J.of Biomaterials Appl.,6:1,216〜50(1992);ポリウレタン(Bruinら.,“Biodegradable Lysine Diisocyanate-based Poly(Glycolide-co-ε Caprolactone)-Urethane Network in Artificial Skin”,Biomaterials,11:4,291〜95(1990);ポリオルトエステル(Hellerら.,“Release of Norethindrone from Poly(Ortho Esters)”,Polymer Engineering Sci.,21:11,727〜31(1981);及びポリアンハイドライド(Leongら.,“Polyanhydrides for Controlled Release of Bioactive Agents”,Biomaterials 7:5,364〜71(1986)が含まれる。医療用の移植材料として使用される生分解性物質の具体例には、ポリラクチド、ポリグリコライド、ポリジオキサノン、ポリ(ラクチド−コ−グリコライド)、ポリ(グリコライド−コ−ポリジオキサノン)、ポリアンハイドライド、ポリ(グリコライド−コ−トリメチレンカーボネート)、及びポリ(グリコライド−コ−カプロラクトン)がある。ポリホスフェート、ポリホスホネート及びポリホスファイトと呼ばれるホスフェート結合を有するポリマーが知られている。Penczekら.,Handbook of Polymer Synthesis,Chapter 17:“Phosphorus-Containing Polymers”.(Hans R.Kricheldorf ed.,1992)参照。それぞれリン原子に結合されている異なる側鎖を有するこれらの三つのクラスの化合物のそれぞれの構造は次の通りである。ポリホスフェート ポリホスホネート ポリホスファイトこれらのポリマーの多用性は反応の多重性が知られているリン原子の多用性から来ている。その結合は3P軌道や各種の3S−3P混成軌道を含み、d軌道も受け入れられるのでspd混成軌道もまた可能である。こうして、これらのポリホスホエステルの物理化学的性質はRまたはR’基のどちらかを変えることによって容易に変えることができる。このポリマーの生分解性は基本的にこのポリマーの主鎖における生理学的に不安定なホスホエステル結合によるものである。主鎖や側鎖を操作することによって広範囲の生分解率を得ることができる。ポリホスホエステルの付加的特徴は官能側基を利用しうることである。リンは5価になりうるので、薬の分子あるいは他の生物学的活性物質をこのポリマーに化学的に結合させることができる。たとえば、−o−カルボキシル基を持っている薬を加水分解可能なエステル結合を介してリンに結合させることができる。この主鎖におけるP-O-C基はポリマーのガラス転移温度も下げ、さらに重要なことに特性決定と処理に望ましい普通の有機溶剤への溶解性を与える。Loginらは米国特許第4,259,222;4,315,847;4,315,969号明細書に、ハロゲン化テレフタレート繰返し単位を有するポリホスフェート−ポリエステルポリマーが側鎖を持つリンがない難燃材料として有用であることを示している。Kadiyalaら.,Biomedical Applications of Synthetic Biodegradable Polymers,Chapter 3:“Poly(Phosphoesters):Synthesis,Physicochemical Characterization and Biological Response”,33〜57(Jeffrey O.Hollinger ed.,1995)は第40頁にビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)の合成と対応するポリホスファイトを生成させる次のジメチルホスファイトとの反応を開示している。多数の他の特許は、ポリエステル結合テレフタレート繰返し単位を有し、あるR’基がポリホスファイトの水素原子と置換している−P−R’側鎖を有しているが、ポリホスフェートの仲介する酸素が欠けているポリホスフェート繰返し単位を有していてもよい難燃剤を開示している。例えば、Desitterら.,米国特許第3,927,231、及びReader,米国特許第3,932,566号明細書等参照。Starckらは米国特許第597,473号明細書にアルコキシ基を含む多種の基と置換しうる側鎖を開示しているが、この文献は全体として、ポリホスフェートよりはむしろポリホスホネートのことを考えていることが明らかにされている(第2欄第28〜40行参照)。Engelhardtらは米国特許第5,530,093号明細書に、テレフタレート繰返し単位を有するものも含む、多種のホスホエステル繰返し単位を有する重縮合構造を有する、多数の織物仕上組成物を開示しているが、そこにはホスホエステルポリマーの他の2つのクラスよりはむしろポリホスフェートを生分解性材料を製造するために選択すべきことは示されていない。こうして、生分解性材料の製造と他の生医学的適用に特に適する、本発明のテレフタレートポリエステル−ポリホスフェートポリマーのような材料の必要性が存在している。発明の要約本発明の生分解性テレフタレートポリマーは式Iに示される繰返しモノマー単位よりなる。式中、Rは2価の有機部分:R’は脂肪族、芳香族又は複素環式残基x≧1;そしてnは0−5,000この生分解性ポリマーは生体適合性を有する充分に純粋なものであり、生分解の際に生体適合性残留物に分解されるものである。別の態様においては、本発明は、式IIを有するジオール化合物のpモルを式IIIのホスホロジクロリデートのqモルと重合させて下記に示される式IVのホモポリマーqモルを生成させるステップよりなる生分解性テレフタレートホモポリマーの製造方法をもたらすものである。式中、Rは前記定義の通りである。式中、R’は前記定義の通りであり、p>qである。式中、R、R’及びKは前記定義のとおりである。本発明はまた、次のステップよりなる生分解性ブロックコポリマーの製造方法をもたらすものである。(a) 上記の重合ステップ、並びに、(b) 式IVのホモポリマーと式IIの過剰のジオールを式Vを有する(p−q)モルのテレフタロイルクロライドとさらに反応させて式Iのブロックコポリマーを生成させる。別の態様においては、本発明は、次の組成よりなる生分解性テレフタレートポリマー組成物よりなる。(a) 少なくとも1つの生物学的に活性な物質と、(b) 式Iで示される繰返しモノマー単位を有するポリマー本発明のさらに別の態様においては、式Iの生分解性テレフタレートポリマー又は前記のポリマー組成物よりなる、移植、注入あるいはその他の体内の全体もしくは一部に配置されるのに有用な物品よりなる。本発明のさらに別の態様においては、次のステップよりなる生物学的に活性な物質のコントロールされた放出をもたらす方法よりなる。(a) この生物学的に活性な物質を、式Iで示される繰返しモノマー単位を有する生分解性テレフタレートポリマーと組み合わせて混合物を形成させ、(b) この混合物を固形成形品にし、そして(c) この固形品を少なくとも1部は生物学的液体に接触するように、予め選定された部位にインビボで移植あるいは注入する。【図面の簡単な説明】図1AはP(BHET−EOP/TC,80/20)のDSC曲線を示し、図1BはP(BHET−EOP/TC,50/50)のDSC曲線を示す。図2AはP(BHET−EOP/TC,80/20)の1H−NMRスペクトルを示し、図2Bは、11P−NMRスペクトルを示す。図3はP(BHET−EOP/TC,80/20)のFT−IRスペクトルを示す。図4はP(BHET−EOP/TC,80/20)のGPCクロマトグラムを示す。図5はP(BHET−EOP/TC,80/20)とP(BHET−EOP/TC,90/10)の分子量と元素分析を示す。図6はP(BHET−EOP/TC,80/20)とP(BHET−EOP/TC,85/15)の保存安定性を示す。図7Aと7BはP(BHET−EOP/TC,80/20)and P(BHET−EOP/TC,85/15)のインビトロでの分解データを示す。図8はP(BHET−EOP)とP(BHET−EOP/TC)ポリ(ホスホエステル)のインビトロ分解中の分子量の変化を示す。図9はP(BHET−EOP/TC,80/20)のインビボでの分解における減量を示す。図10はFITC-BSAを含むP(BHET−EOP/TC,80/20)の微小球の電子顕微鏡写真を示す。図11は微小球からFITS-BSAを放出する動力学における充填レベルの効果を示す。図12はポリマーBHDPT-EOPとBHDPT-HOP微小球から放出されるリドカインを示す。図13はコポリマーP(BHDPT-EOP/TC)微小球からのリドカインの放出を示す。図14はP(CBHET-EOP/TC,80/20)微小球の細胞毒性を示す。図15は4種の別々のポリマーについての組織培養ウエルにおける分解ポリマーの濃度(mg/ml)と相対的な細胞増殖(%)をプロットする細胞毒性アッセイを示す。図16は2種の微小球とそれらのモノマーをプロットする細胞毒性アッセイを示す。発明の詳細な説明本発明のポリマーここで使用されている“脂肪族”の用語は、直鎖、分岐あるいは環状のアルカン、アルケンあるいはアルキンを意味する。本発明のポリホスフェートポリマーにおける好ましい脂肪族基は1から10個の炭素を有する直鎖又は分岐アルカンであり、好ましくは炭素原子が1から7個の直鎖アルカン基である。ここで使用されている“芳香族”の用語は、4n+2のπ電子を有する不飽和環状炭素化合物を意味する。ここで使用されている“複素環式”の用語は環の1以上の原子か炭素以外、例えば窒素、酸素あるいは硫黄である、飽和又は不飽和の環式化合物を意味する。、本発明の生分解性テレフタレートポリマーは式Iで示される繰返しモノマー単位からなる。式中、Rは2価の有機部分である。Rは、重合、共重合又はポリマーの生分解反応を阻害しない限り、如何なる2価の有機部分であってもよい。特に、Rは脂肪族基、例えば、アルキレン、例えばエチレン、1,2−ジメチルエチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、2−メチルプロピレン、2,2’−ジメチル−プロピレン又はtert−ブチレン、tert−ペンチレン、n−ヘキシレン、n−ヘプチレン等、アルケニレン、例えばエテニレン、プロペニレン、ドデカニレン等、アルキニレン、例えばプロピニレン、ヘキシニレン、オクタデセニニレン等、非阻害性置換基で置換された芳香族基、例えばヒドロキシ、ハロゲン又は窒素置換された脂肪族基又は脂環式基例えばシクロペンチレン、メチルシクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロヘキセニレン等であることができる。Rはまた2価の芳香族基、例えばフェニレン、ベンジレン、ナフタレン、フェナントレニレン等、又は非阻害性の置換基で置換された2価の芳香族基であってもよい。さらに、Rは2価の複素環式基、例えばピロリレン、フラニレン、チオフェニレン、アルキレン−ピロリレン−アルキレン、ピリジレン、ピリジニレン、ピリミジニレン等、又はこれらの非阻害性置換基で置換された如何なるものであってもよい。しかしながら、好ましくは、Rはアルキレン基、脂環式基、フェニレン基又は下記の式を有する2価の基である。式中、Xは酸素、窒素又は硫黄であり、nは1ないし3である。より好ましくは、Rは1〜7個の炭素原子を有するアルキレン基であり、最も好ましくは、Rはエチレン基、2−メチル−プロピレン基又は2,2’−ジメチルプロピレン基である。本発明のポリマーにおけるR’は脂肪族、芳香族又は複素環式残基である。R’が脂肪族の場合には、それは好ましくはアルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、−C8H17等、非阻害性置換基、例えばハロゲン、アルコキンもしくはニトロ、で置換されたアルキル、又は生物学的に活性な物質にアルキルを共役させた、官能基を有する側鎖を持ったペンダントドラッグデリバリーシステムである。R’が芳香族の場合には、それは典型的には約5から約14、好ましくは約5から12の炭素原子を含んでおり、互いに融合した1以上の環を含んでいてもよい。特に適する芳香族基にはフェニル、ナフチル、アントラセニル、ファナントレニル等が含まれる。R’が複素環式の場合には、それは典型的には約5から14の環形成原子、好ましくは約5から12の環形成原子と、1以上の異種原子を含む。適する複素環式基の例には、フラン、チオフェン、ピロール、イソピロール、3−イソピロール、ピラゾール、2−イソイミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール,1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3,4−オキサトリアゾール、1,2,3,5−オキサトリアゾール、1,2,3−ジオキサゾール、1,2,4−ジオキサゾール、1,3,2−ジオキサゾール、1,3,4−ジオキサゾール、1,2,5−オキサトリアゾール、1,3−オキサチオール、1,2−ピラン、1,4−ピラン、1,2−ピロン、1,4−ピロン、1,2−ジオキシン、1,3−ジオキシン、ピリジン、N−アルキルピリジニウム、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−オキサジン、1,3,2−オキサジン、1,3,5−オキサジン、1,4−オキサジン、o−イソオキサジン、p−イソオキサジン、1,2,5−オキサチアジン、1,2,6−オキサチアジン、1,4,2−オキサジアジン、1,3,5,2−オキサジアジン、アゼピン、オキセピン、チエピン、1,2,4−ジアゼピン、インデン、イソインデン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、チオナフテン、イソチオナフテン、インドール、インドレニン、2−イソベンザゾール、1,4−ピリンジン、ピランド[3,4−b]−ピロール、イソインダゾール、インドキサジン、ベンゾキサゾール、アンスラニル、1,2−ベンゾピラン、1,2−ベンゾピロン、1,4−ベンゾピロン、2,1−ベンゾピロン,2,3−ベンゾピロン、キノリン、イソキノリン、1,2−ベンゾジアジン、1,3−ベンゾジアジン、ナフチリジン、ピリド[3,4−b]−ピリジン,ピリド[3,2−b]−ピリジン、ピリド[4,3−b]ピリジン、1,3,2−ベンゾキサジン、1,4,2−ベンゾキサジン、2,3,1−ベンゾキサジン、3,1,4−ベンゾキサジン、1,2−ベンズイソキサジン、1,4−ベンズイソキサジン、カルバゾール、キサントレン、エクリジン、プリン、等が含まれる。好ましくは、R’が複素環式の場合には、それがフラン、ピリジン、N−アルキルピリジン、1,2,3−及び1,2,4−トリアゾール、インデン、アントラセン並びにプリンよりなる群から選ばれる。特に好ましい態様においては、R’はアルキル基又はフェニル基であり、特に好ましくは、1から7個の炭素原子を有するアルキル基である。最も好ましくは、R’はエチル基である。xの値は、ポリマーの望まれる溶解度、望まれるTg、ポリマーの望まれる安定性、最終ポリマーの望まれる剛さ、及びポリマーの望まれる生分解性と放出性に大きく依存して変化する。しかしながら、xは一般的にx≧1であり、典型的には約1と40の間で変化する。好ましくは、xは約1から約30、より好ましくは約1から約20であり、最も好ましくは約2から約20である。xの値をコントロールする最も普通のやり方は他のモノマーに対する“x”の部分の供給比率を変えることである。例えば、次のポリマーを製造する場合には、エチルホスホロジクロリデート“x”反応体(“EOP”)の供給比率はテレフタロイルクロライド反応体(“TC”)に対して広く変えたものを用いることができる。EOPのTCに対する供給比率は99:1から1:99まで、例えば95:5、90:10、85:15、80:20、75:30、65:35、60:40、55:45、50:50、45:55、20:80、15:85等に容易に変えることができる。EOP/TCの供給比率は好ましくは約90:10から約50:50まで、より好ましくは約85:15から約50:50まで、そして最も好ましくは約80:20から約50:50まで変えられる。nの数はポリマーに望まれる生分解性と放出性に基いて大きく変えることができるが、典型的には約0〜5000、好ましくは約2から500の間で変わる。より好ましくはnは約5から約300、最も好ましくは約5から約200である。生分解性ポリマーはインビボでの治療の間に分解しうるという点で非生分解性ポリマーとは異っている。これは、一般的にはそのポリマーのモノマーのサブユニットまでの破壊を含んでいる。原理的には、ポリホスフェートの究極の加水分解産物はホスフェート、アルコール及びジオールであり、それらの全ては無毒になりうるものである。この加水分解の中間のオリゴマー産物は異なる性質を持っているかも知れないが、移植や注入を意図している生分解生ポリマーの毒性は、例え明らかに見掛け上無害のモノマー構造物から合成されたとしても、一般的には1又はそれ以上のインビボ毒性分析の後に決定される。本発明の生分解性ポリマーは好ましくはそれ自身が生体適合性を有するのに充分に純粋であり、生分解の際に生体適合性を残している。“生体適合性”は生分解産物やポリマーが無毒であり、血管の多い組織に移植されあるいは注入されたときに最小限の組織への刺激をもたらすにすぎない。本発明のポリマーは成形や加工を容易にするために1以上の一般の有機溶媒に溶けることが好ましい。一般の有機溶媒にはクロロホルム、ジクロロメタン、アセトン、酢酸エチル、DMAC、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、及びジメチルスルホキシドなどの溶媒が含まれる。このポリマーは上記の溶媒の少なくとも1つに溶けることが好ましい。本発明のポリマーのガラス移転温度(Tg)はこのポリマーの製造に用いたジオールの分岐の程度、このポリマーの製造に用いたリン含有モノマーの相対的な比率等によって大巾に変えることができる。しかしながら、このTgは好ましくは約−10℃から約80℃の範囲、より好ましくは約0から50℃の間である。ポリエステル−ポリホスフェートポリマーの合成ポリホスフェートを製造する最も普通の一般反応は下記の式によるホスホロジクロリデートとジオールの間の脱塩酸反応である。フリーデル・クラフツ反応もまたポリホスフェートの合成に用いることができる。重合反応は典型的には、ビス(クロロメチル)化合物に芳香族炭化水素を反応させるかあるいはクロロメチル化ジフェニルエーテルにトリアリールホスフェートを反応させることによって実現できる。ポリホスフェートはホスホーラスジイミダゾリドと芳香族ジオール、例えばレゾルシノールとかキノリンを窒素又は他の不活性ガスのなかで塊状縮合させることによっても得ることができる。塊状重縮合の利点は溶媒と多量の他の添加剤の使用を避けて精製をより簡単にできることである。それはまた、適度に高分子量のポリマーを提供することができる。しかしながら、しばしばある程度厳密な条件が要求され、直鎖酸分解(もし水が存在していれば加水分解)をもたらす。もしポリマーの主鎖が高分子ラジカルの再結合が続いて起こる水素原子引抜きや酸化を受けやすい場合には、架橋反応のような望ましくない熱で引き起こされる副反応もまた起こりうる。これらの副反応を最少限にするために重合反応は溶液中で行なうことが好ましい。溶液重縮合反応はジオールとリン成分の両方が共通の溶媒に溶けることが必要である。一般的には塩素化有機溶媒、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、あるいはジクロロエタン等が使用される。溶液重合は好ましくは等モル量の反応体と化学量論量の酸受容体、通常はピリジンやトリエチルアミン等の第三アミンの存在下で行なわれる。生成物は一般的には非溶媒による沈殿で溶液から分離され、当業者が知っている常法、例えば希HCIのような酸性水溶液洗浄などによって塩酸塩を除去することにより精製される。反応時間は塊状重合より溶液重合のほうが長くなりやすい。しかしながら、全体としてより温和な反応条件を用いることができるので、副反応を最小限にすることができ、より敏感な官能基をポリマーに組み込むことができる。溶液重合法の欠点は高分子量の達成、例えば20,000より大きいMwにあまり適当でないことである。高分子量ポリマーを高い反応速度で得たいときには界面重縮合法を用いることができる。温和な条件によって副反応を最小限にすることができる。溶液法に本質的なジオールとジクロリデートの間の化学量論的な当量への高分子量の依存性もまた除かれる。しかしながら、酸クロライドの加水分解がアルカリ性水相で起こりうる。水に対していくらかの溶解度をもっている感受性ジクロリデートは一般的には重合よりむしろ加水分解される。クラウンエーテルや第三アンモニウムクロライドのような相移動触媒をイオン化されたジオールを界面へ移動させて重縮合反応を容易にするために使用することができる。界面重縮合後のポリマーの収率と分子量は反応時間、モノマーのモル比率、混ざり合わない溶媒の容量比率、酸受容体の種類、及び相移動触媒の種類と濃度によって影響される。本発明の好ましい態様においては、式Iの生分解性テレフタレートホモポリマーを製造する工程は、式IIを有するジオール化合物のpモルを式IIIのホスホロジクロリデートのqモルと重合させて下記に示される式IVのホモポリマーのqモルを生成させるステップよりなる。式中、Rは前記の定義の通りである。式中、R’は前記の定義の通りであり、p>qである。式中、R、R’及びxは前記の定義の通りである。このようにして生成されたホモポリマーは単離、精製してそのまま使用することができる。あるいは、このホモポリマーは単離しあるいはせずに、(a) 前記の重合を行い、そして(b) 式IVのホモポリマーと式IIの過剰のジオールを式Vを有するテレフタロイルクロライドの(p−q)モルとさらに反応させて式Iのポリマーを生成させることによって、本発明のブロックポリマーの製造に用いることができる。ステップ(a)の重合反応の作用は、ジエステル出発物質をホスホリル化してからそれを重合させてホモポリマーを生成させるものである。この重合ステップ(a)は、用いる溶媒、所望の分子量、所望の溶解度、及び反応体の副反応の起しやすさによって温度を巾広く変えることができる。しかしながら、好ましくは、重合ステップ(a)は、溶液重合法では約−40から約+160℃、好ましくは約0から65℃の温度が用いられ、塊状では約+150℃の範囲の温度が一般に用いられる。重合ステップ(a)に要求される時間もまた、用いられる重合反応の種類と所望の分子量によって巾広く変えることができる。しかしながら、好ましくはこの重合ステップ(a)は約30分から24時間の間の時間が用いられる。一方、この重合ステップ(a)は塊状でも、溶液でも、界面重縮合でも、あるいは他のいかなる都合のよい重合方法でもよいか、好ましくは、この重合ステップ(a)は溶液重合反応である。特に、溶液重合反応が用いられるときには、酸受容体を重合ステップ(a)の間に存在させることが望ましい。酸受容体の特に適当なクラスは、第三アミン、例えばピリジン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、置換アニリン、置換アミノピリジンなどである。最も好ましい酸受容体は置換アミノピリジンである4−ジメチルアミノピリジン(“DMAP”)である。重合ステップ(a)における添加順序は、式IIのジオール、式IIIのホスホロジクロリデート及び式IVのホモポリマーの相対的反応性、これらの反応体の純度、重合反応が行なわれる温度、重合反応に用いられる攪拌の程度等によってかなり変えることができる。しかしながら、好ましくは、式IIのジオールは溶媒と酸受容体を合わせ、それからホスホロジクロリデートをゆっくり添加するのが好ましい。例えば、ホスホロジクロリデートを溶媒に溶かした溶液をジオールと溶媒と酸受容体の冷却した反応混合物に滴下して重合反応の速度を調節することができるステップ(b)の共重合反応の目的は、(i)重合ステップ(a)で製造された、ホスホリル化されたホモポリマー鎖と、(ii)連続するポリエステル単位よりなるブロックコポリマーを生成させることである。結果として得られるブロックコポリマーは微小結晶構造を有し、特にコントロールされた放出媒体として用いるのに適している。本発明の共重合ステップ(b)では、通常重合ステップ(a)の温度よりもやや高い温度が用いられるが、用いる共重合反応の種類、1以上の触媒の存在、所望の分子量、所望の溶解度及び反応体の望まない副反応のしやすさによってやはり大きく変わりうる。しかしながら、共重合ステップ(b)が溶液重合反応で行われるときには、一般的に約−40と100℃との間の温度が用いられる。典型的な溶媒にはメチレンクロライド、クロロホルムあるいは多種の不活性有機溶媒が含まれる。ステップ(b)の共重合に要求される時間もまた、所望の物質の分子量と、一般的に、所望の完結の度合まで進行させる反応に使用される多かれ少なかれ厳密な条件の必要性によって巾広く変えることができる。しかしながら、一般的には、共重合ステップ(b)の時間は約30分から24時間の間である。共重合ステップ(b)の添加順序は、式IVのホモポリマーと式Vのテレフタロイルクロライドの相対的反応性、これらの反応体の純度、共重合反応が行われる温度、共重合反応に用いられる攪拌の程度等によってかなり変えることができる。しかしながら、式Vのテレフタロイルクロライドを反応混合物にゆっくり加えるほうがその反対より好ましい。例えば、テレフタロイルクロライドを溶媒に溶かした溶液を冷却したあるいは室温の反応混合物に滴下して共重合反応速度を調節してもよい。式Iのポリマーは、ホモポリマー(yは0)であってもブロックコポリマー(Yは0より大)であっても、沈殿、不混和性溶媒による抽出、蒸発、濾過、結晶化等の常法によって反応混合物から単離される。しかしながら、一般的には、式Iのポリマーはこのポリマーの溶液を非溶媒あるいは部分溶媒、例えばジメチルエーテルや石油エーテルで急冷(quench)することによって単離と精製の両方が行なわれる。本発明のポリマーが二段溶液重縮合でブロックコポリマーを製造することによって合成されるときには、反応性塩化物の添加順序と各ステップにおける反応温度は、共通の有機溶媒における良好な溶解度と所望の分子量との組合せが得られる最適にされることが好ましい。添加順序は、ビステレフタレート出発物質と酸受容体を両方が溶ける溶媒に溶解し、この溶液を攪拌しながら冷却し、等モル量のホスホロジクロリデート(同じ溶媒に溶解したもの)をこの溶液にゆっくり加え、室温で所定時間反応させ、やはり同じ溶媒に溶解したテレフタロイルクロライドの適当量をゆっくり加え、そして、温度を約50℃にまで上げて一夜還流させるのが好ましい。生分解性と放出性式Iのポリマーは、生分解中のポリマーのホスホエステル結合の加水分解の作用として少なくとも1部がコントロールされた、インビボでの生物学的に活性な物質の放出速度によって通常特徴づけられる。尚、この放出される生物学的に活性な物質はリン側鎖R’に共役してペンダントドラッグデリバリーシステムを形成させてもよい。さらに、この側鎖の構造はポリマーの放出挙動に影響を与えることができる。例えば、リン側鎖をより親油性に、より疎水性にあるいは嵩ばった基へ変えることにより分解プロセスをスローダウンさせるであろう。こうして、例えば嵩ばった芳香族側鎖よりも小さな脂肪族基側鎖をもたせることによって、ポリマー組成物からの放出が通常はやくなる。生分解ポリマーのインビボでの寿命はまたその分子量、結晶化度、生物学的な安定性及び架橋度によって変わる。一般的には、分子量が大きくなる程、結晶化度が高くなる程、そして生物学的な安定性が大きくなる程、生分解は遅くなる。従って、分解時間は巾広く、好ましくは1日未満から数カ月まで、変えることができる。ポリマー組成物式Iのポリマーは、それを単独で用いることも、各種の有用な生分解性材料を形成する生物学的に活性な物質をさらに含む組成物として用いることもできる。例えば、式Iのポリマーをたとえ生物学的に活性な物質が存在していなくても、生体吸収性縫合糸、骨や結合組織の傷をなおす整形外科の器具や骨セメント、分解性あるいは非分解性布用の薄片あるいは移植可能な器具用のコーティングの製造に使用することができる。しかしながら、この生分解性テレフタレートポリマー組成物は、(a) 少なくとも1つの生物学的に活性な物質と(b) R、R’及びxとnが前記に定義された通りである式Iに示された繰返しモノマー単位を有するポリマーの両方からなっているものが好ましい。本発明の生物学的に活性な物質は組成物の目的によって巾広く変わる。この活性物質は単一物質あるいは物質の組合せとして記載されていてもよい。このデリバリーシステムは、コントロールされた放出速度を有するデリバリーシステムをつくり出す水溶性の低い生物学的に活性な物質のほか水溶性の高いものも用いられるように設計されている。“生物学的に活性を有する物質”の用語は特に限定されるものではなく、薬物、ビタミン、ミネラル補給、病気の治療、予防、診断、療養又は緩和に使用される物質あるいは身体の構造や機能に影響を与える物質、あるいは予め定められた生理的な環境に置かれた後に生物学的活性になりあるいは活性が増加するプロドラッグを含む。有用な生物学的に活性な物質の広いカテゴリーの限定されない例には次の治療のカテゴリーが含まれる。同化剤、制酸薬、抗喘息薬、抗コレステロール血症及び抗脂質薬、抗凝固剤、抗痙攣剤、抗下痢剤、抗吐剤、抗感染症剤、抗炎症剤、抗うつ剤、抗嘔吐剤、抗新生物剤、抗肥満症剤、抗解熱及び鎮痛剤、抗ケイレン剤、抗トロンボチック剤、抗尿酸血症剤、抗アンギナ剤、抗ヒスタミン剤、抗咳嗽剤、食欲抑制剤、生物学的製剤、脳拡張剤、冠状拡張剤、充血除去剤、利尿剤、診断剤、赤血球造血剤、去痰剤、胃腸鎮静剤、過血糖症剤、睡眠薬、低血糖症剤、イオン交換樹脂、緩下剤、ミネラル補給剤、粘液溶解剤、筋神経薬、血管拡張剤、精神療法剤、鎮静剤、興奮剤、甲状腺及び抗甲状腺剤、ウテリン弛緩剤、ビタミン、及びプロドラッグ。より詳しくは、有用な生物学的に活性な物質の限定されない例には次の治療のカテゴリーが含まれる。非ステロイド系抗炎症薬、阿片剤働筋及びサリチル酸塩のような鎮痛薬、H1−ブロッカーやH2−ブロッカーのような抗ヒスタミン剤、駆虫剤、抗無気症剤、抗生物質、アミノグリコシド抗生物質、抗菌抗生物質、セファロスポリン抗生物質、マクロライド抗生物質、各種のβ−ラクタム抗生物質、ペニシリン抗生物質、キノロン抗生物質、スルホナミド抗生物質、テトラサイクリン抗生物質、抗マイコバクテリア剤、抗マラリア性抗原生動物剤、抗ウイルス剤、抗レトロウイルス剤、疥癬剤及び尿の抗感染剤等の抗感染剤、アルキル化剤、窒素マスタードアルキル化剤、ニトロソウレアアルキル化剤、抗代謝物質、プリン類縁抗代謝物質、ピリミジン類縁抗代謝物質、ホルモン性抗新生物剤、天然抗新生物剤、抗生物質天然抗新生物剤及びビンカアルカロイド天然抗新生物剤などの抗新生物剤、抗コリン性剤、抗ムスカリン性抗コリン性剤、エルゴットアルカロイド、副交感神経刺激興奮剤、コリン性働筋副交感神経刺激興奮剤、コリンエステラーゼ阻害剤副交感神経刺激興奮剤、交感神経遮断剤、α−ブロッカー交感神経遮断剤、β−ブロッカー交感神経遮断剤、交感神経興奮剤及びアドレナリン性働筋交感神経興奮剤などの自律神経剤;心臓血管剤、例えば抗アンギナ剤、β−ブロッカー抗アンギナ剤、カルシウム−チャンネルブロッカー抗アンギナ剤、ニトレート抗アンギナ剤、抗不整脈剤、心臓グリコシド抗不整脈剤、クラスI抗不整脈剤、クラスII抗不整脈剤、クラスIII抗不整脈剤、クラスIV抗不整脈剤、抗高血圧剤、α−ブロッカー抗高血圧剤、アンギオテンシン転換酵素インヒビター(ACEインヒビター)抗高血圧剤、β−ブロッカー抗高血圧剤、カルシウムチャンネルブロッカー抗高血圧剤、中枢作用アドレナリン性抗高血圧剤、利尿剤抗高血圧剤、末梢血管拡張剤、抗高血圧剤、抗脂血症剤、胆汁酸隔離抗脂血症剤、HMG-CoAレダクターゼインヒビター抗脂血症剤、筋変力症剤、心臓グリコシド筋変力症剤、及びトロンボリティック剤;皮膚剤、例えば抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、コルチコステロイド抗炎症剤、かゆみ止剤/局所麻酔薬、局所抗感染症剤、抗菌局所抗感染剤、抗ウイルス局所抗感染剤及び局所抗新生物剤;電解及び腎剤、例えば酸性化剤、アルカリ性化剤、利尿剤、カルボニックアンヒドラーゼインヒビター利尿剤、ループ利尿剤、浸透性利尿剤、カリウム回避利尿剤、チアジド利尿剤、電解質置換、及び尿酸尿剤;酵素、例えばパンクレアチン酵素及びトロンボリティック酵素;胃腸剤、例えば抗下痢剤、抗吐剤、胃腸用抗炎症剤、サリチル酸塩胃腸用抗炎症剤、抗酸抗潰瘍剤、胃酸ポンプインヒビター抗潰瘍剤、胃粘膜抗潰瘍剤、H2ブロッカー抗潰瘍剤、胆石症剤、消化薬、催吐剤、緩下剤及び軟便化剤、並びにプロカイネテック剤;一般の麻酔薬、例えば吸入麻酔薬、ハロゲン化吸入麻酔薬、静脈注射麻酔薬、バルビツール酸塩静脈注射麻酔薬、ベンゾジアゼピン静脈注射麻酔薬、及び阿片働筋静脈注射麻酔薬;血液剤、例えば抗貧血剤、造血剤抗貧血剤、凝固剤、抗凝固剤、止血凝固剤、血小板インヒビター凝固剤、トロンボリティック酵素凝固剤、及び血漿増量剤;ホルモン及びホルモン調節剤、例えば堕胎薬、副腎剤、コルチコステロイド副腎剤、アンドロゲン、抗アンドロゲン、抗糖尿病剤、スルホニルウレア抗糖尿病剤、抗低血糖症剤、経口避妊薬、プロゲスチン避妊薬、エストロゲン、受精剤、分娩促進剤、上皮小体剤、脳下垂体ホルモン、プロゲスチン、抗甲状腺剤、甲状腺ホルモン、及び陣痛剤;免疫生化学剤、例えばイムノグロブリン、免疫抑制剤、トキソイド、及びワクチン;局所麻酔薬、例えばアミド局所麻酔薬及びエステル局所麻酔薬;筋骨格剤、例えば抗痛風抗炎症剤、コルチコステロイド抗炎症剤、金化合物抗炎症剤、免疫抑制剤抗炎症剤、非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)、サリチル酸塩抗炎症剤、骨格筋弛緩剤、筋神経ブロッカー骨格筋弛緩剤、及び逆筋神経ブロッカー骨格筋弛緩剤;神経剤、例えば抗痙攣剤、バルビツール酸塩抗痙攣剤、ベンゾジアゼピン抗痙攣剤、抗片頭痛剤、抗パーキンソン病剤、抗めまい剤、阿片働筋剤、及び阿片拮抗剤、眼科薬、例えば抗緑内障剤、β−ブロッカー抗緑内障剤、縮瞳性抗緑内障剤、散瞳症剤、アドレナリン性働筋散瞳症剤、抗ムスカリン性散瞳症剤、眼科用麻酔薬、眼科用抗感染剤、眼科用アミノグリコシド抗感染症剤、眼科用マクロライド抗感染症剤、眼科用キノロン抗感染症剤、眼科用スルホナミド抗感染症剤、眼科用テトラサイクリン抗感染症剤、眼科用抗炎症剤、眼科用コルチコステロイド抗炎症剤、及び眼科用非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs);精神病剤、例えば抗ウツ剤、複素環式抗ウツ剤、モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOIs)、選択性セロトニン再摂取阻害剤(SSRIs)、トリサイクリック抗ウツ剤、抗躁病剤、抗精神病剤、フェノチアジン抗精神病剤、不安除去剤、鎮静剤、及び催眠薬、バルビツール酸塩鎮痛剤と催眠剤、ベンゾジアゼピン不安除去剤、鎮痛剤と催眠剤、並びに精神刺激剤;呼吸剤、例えば抗咳嗽剤、気管支拡張剤、アドレナリン性働筋気管支拡張剤、抗ムスカリン性気管支拡張剤、去痰剤、粘液除去剤、呼吸器抗炎症剤、及び呼吸器コルチコステロイド抗炎症剤;毒物学製剤、例えば解毒薬、重金属拮抗質/キレート化剤、物質濫用剤、阻止物質濫用剤、中止物質濫用剤;ミネラル;並びにビタミン、例えばビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、及びビタミンK。上記のカテゴリーにおける有用な生物学的に活性な物質の好ましいクラスは、次のものを含む。(1)非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、無痛覚薬、例えばジクロフェナック、イブプロフェン、ケトプロフェン、及びナプロキセン;(2)阿片働筋無痛覚薬、例えばコデイン、フェンタニル、ハイドロモルホン、及びモルフィネ;(3)サリチル酸塩無痛覚薬、例えばアスピリン(ASA)(腸溶性ASA);(4)H1ブロッカー抗ヒスタミン剤、例えばクレマスチン及びターフェナジン;(5)H2ブロッカー抗ヒスタミン剤、例えばシメチジン、ファモチジン、ニザジン、及びラニチジン;(6)抗感染症剤、例えばムピロシン;(7)抗無気性抗感染症剤、例えばクロラムフェニコール及びクリンダマイシン;(8)抗菌性抗生物質抗感染症剤、例えばアンホテリシンb、クロトリマゾール、フルコナゾール、及びケトコナゾール;(9)マクロライド抗物質抗感染症剤、例えばアジスロマイシン及びエリスロマイシン;(10)各種のβ−ラクタム抗生物質抗感染症剤、例えばアズトレオナム及びイミペネム;(11)ペニシリン抗生物質抗感染症剤、例えばナフシリン、オキサシリン、ペニシリンG、及びペニシリンV;(12)ノロン抗生物質抗感染症剤、例えばシプロフロキサシン及びノルフロキサシン;(13)テトラサイクリン抗生物質抗感染症剤、例えばドキシサイクリン、ミノサイクリン、及びテトラサイクリン;(14)抗結核性抗マイコバクテリア性抗感染症剤、例えばイソニアジド(INH)、及びリファムピン;(15)抗原生動物性抗感染症剤、例えばアトバクオン及びダプソン;(16)抗マラリヤ性抗原生動物抗感染症剤、例えばクロロキーネ及びピリメタミン;(17)抗レトロウイルス性抗感染症剤、例えばリトナビア及びジドブジン;(18)抗ウイルス性抗感染症剤、例えばアサイクロビア、ガンシクロビア、インターフェロンアルファ、及びリマンタジン;(19)アルキル化抗新生物剤、例えばカルボプラチン及びシスプラチン;(20)ニトロソウレアアルキル化抗新生物剤、例えばカルムスチン(BCNU);(21)抗代謝性抗新生物剤、例えばメトトレキセート;(22)ピリミジン類縁抗代謝性抗新生物剤、例えばフルオロウラシル(5−FU)及びゲムシタバイン;(23)ホルモン性抗新生物剤、例えばゴセレリン、ロイプロライド、及びタモキシフェン;(24)天然抗新生物剤、例えばアルデスロイキン、インターロイキン−2、ドセタキセル、エトポサイド(VP−16)、インターフェロンアルファ、パクリタキセル、及びトレチノイン(ATRA);(25)抗生物質天然抗新生物剤、例えばブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、及びミトマイシン;(26)ビンカアルカロイド天然抗新生物剤、例えばビンブラスチン及びビンクリスチン;(27)自律神経剤、例えばニコチン;(28)抗コリン性自律神経剤、例えばベンズトロピン及びトリヘキシフェニジル;(29)抗ムスカリン性抗コリン性自律神経剤、例えばアトロピン及びオキシブチニン;(30)エルゴットアルカロイド自律神経剤、例えばブロモクリプチン;(31)コリン性働筋副交感神経刺激興奮剤、例えばピロカルピン;(32)コリンエステラーゼインヒビター副交感神経刺激興奮剤、例えばピリドスチグミン;(33)α−ブロッカー交感神経遮断剤、例えばプラゾシン;(34)β−ブロッカー交感神経遮断剤、例えばアテノロール;(35)アドレナリン性働筋、例えばアルブテロール及びドウブタミン;(36)心臓血管剤、例えばアスピリン(ASA)(腸溶性ASA);(37)β−ブロッカー抗アンギナ剤、例えばアテノロール及びプロプラノロール;(38)カルシウム−チャンネルブロッカー抗アンギナ剤、例えばニフェジピン及びベラパミル;(39)ニトレート抗アンギナ剤、例えばイソソルバイドジニトレート(ISDN);(40)心臓グリコシド抗不整脈剤、例えばジゴキシン;(41)クラスI抗不整脈剤、例えばリドカイン、メキシレチン、フェニトイン、プロカインアミド、及びキニジン;(42)クラスII抗不整脈剤、例えばアテノロール、メトプロロール、プロプラノロール、及びチモロール;(43)クラスIII抗不整脈剤、例えばアミオダロン;(44)クラスIV不整脈剤、例えばディルチアゼム及びベラパミル;(45)α−ブロッカー抗高血圧剤、例えばプラゾシン;(46)アンジオテンシン転換酵素インヒビター(ACEインヒビター、抗高血圧剤、例えばカプトプリル及びエナラプリル;(47)β−ブロッカー抗高血圧剤、例えばアテノロール、メトプロロール、ナドロール、及びプロパノロール;(48)カルシウム−チャンネルブロッカー抗高血圧剤、例えばディルチアゼム及びニフェジピン;(49)中枢作用アドレナリン性抗高血圧剤、例えばクロニジン及びメチルドーパ;(50)利尿薬抗高血圧剤、例えばアミロライド、フロセマイド、ハイドロクロロチアジド(HCTZ)、及びスピロノラクトン;(51)末梢血管拡張剤抗高血圧剤、例えばヒドララジン及びミノキシジル;(52)抗脂肪血症剤、例えばゲムフィブロジル及びプロブコル;(53)胆汁酸隔離抗脂肪血症剤、例えばコレスチラミン;(54)HMG-CoAレダクターゼインヒビター抗脂肪血症剤、例えばロバスタチン及びプラバスタチン;(55)筋変力症剤、例えばアムリノン、ドウブタミン、及びドーパミン;(56)心臓グリコシド筋変力症剤、例えばジゴキシン;(57)トロンボリティック剤、例えばアルテプラーゼ(TPA)、アニストレプラーゼ、ストレプトキナーゼ、及びウロキナーゼ;(58)皮膚科用薬剤、例えばコルチシン、イソトレチノイン、メトトレキセート、ミノキシジル、トレチノイン(ATRA);(59)皮膚科用コルチコステロイド抗炎症剤、例えばベタメタソン及びデキサメタゾン;(60)抗菌性局所抗感染症剤、例えばアムホテリシンB、クロトリマゾール、マイコナゾール、及びニスタチン;(61)抗ウイルス性局所抗感染症剤、例えばアサイクロビル;(62)局所抗新生物剤、例えばフルオロウラシル(5−FU);(63)電解及び腎剤、例えばラクチュロース;(64)ループ利尿剤、例えばフロセミド;(65)カリウム回避利尿剤、例えばトリアムテレン;(66)チアジド利尿剤、例えばハイドロクロロチアザイド(HCTZ);(67)尿酸尿症剤、例えばプロベネシド;(68)酵素例えばRNアーゼ及びDNアーゼ;(69)トロンボリティック酵素、例えばアルテプラーゼ、アニストレプラーゼ、ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼ;(70)抗吐剤、例えばプロクロルペラジン;(71)サリチル酸性胃腸用抗炎症剤、例えばスルファサラジン;(72)胃酸ポンプインヒビター抗潰瘍剤、例えばオメプラゾール;(73)H2−ブラッカー抗潰瘍剤、例えばシメチジン、ファモチジン、ニザチジン、及びランチジン;(74)消化薬、例えばパンクレリパーゼ;(75)プロカイネティック剤、例えばエリスロマイシン;(76)阿片働筋静脈注射麻酔薬、例えばフェンタニル;(77)造血剤抗貧血剤、例えばエリスロポエチン、フィルグラスチム(G-CSF)、及びサルグラモスチム(GM-CSF);(78)凝固剤、例えば抗ヘモフィリック因子1−10(AHF 1-10);(79)抗凝固剤、例えばワルファリン;(80)トロンボリティック酵素凝固剤、例えばアルテプラーゼ、アニストレプラーゼ、ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼ;(81)ホルモン及びホルモン調節剤、例えばブロモクリプチン;(82)堕胎薬、例えばメトトレキセート;(83)抗糖尿病剤例えばインシュリン;(84)経口避妊薬、例えばエストロゲン及びプロゲスチン;(85)プロゲスチン避妊薬、例えばレボノルゲストレル及びノルゲストレル;(86)エストロゲン例えば共役エストロゲン、ジエチルスチルベストロール(DES)、エストロゲン(エストラジオール、エストロン、及びエストロピペイト);(87)受精剤、例えばクロミフェン、ヒトコリオニックゴナダトロピン(HCG)、及びメノトロピンズ;(88)上皮小体剤例えばカルシトニン;(89)脳下垂体ホルモン、例えばデスモプレッシン、ゴセレリン、オキシトシン及びバソプレッシン(ADH);(90)プロゲスチン、例えばメドロキシプロゲステロン、ノルエチンドロン、及びプロゲステロン;(91)甲状腺ホルモン、例えばレボチロキシン;(92)免疫生化学剤、例えばインターフェローベーター−1b及びインターフェロンガンマ−1b;(93)イムノグロブリン、例えば免疫グロブリンIM、IMIG、IGIM及び免疫グロブリンIV、IVIG、IGIV、;(94)アミド局所麻酔薬、例えばリドカイン;(95)エステル局所麻酔薬、例えばベンゾカイン及びプロカイン;(96)筋骨格コルチコステロイド抗炎症剤、例えばベクロメタゾン、ベタメタゾン、コルチゾン、デキサメタゾン、ハイドロコルチゾン及びプレドニゾン;(97)筋骨格抗炎症免疫抑制剤、例えばアザチオプリン、サイクロホスファミド、及びメトトレキセート;(98)筋骨格非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)、例えばジクロフェナック、イブプロフェン、ケトプロフェン、ケトルラック、及びナプロキャン;(99)骨格筋弛緩剤、例えばバクロフェン、サイクロベンザプリン、及びジアザパム;(100)逆筋神経ブロッカー骨格筋弛緩剤、例えばピリドスチグマイン;(101)神経剤、例えばニモジピン、リルゾール、タクリン及びチクロピジン;(102)抗ケイレン剤、例えばカルバマゼピン、ガバペンチン、ラモトリギン、フェニトメン、及びバルプロイン酸;(103)バルビツール酸塩抗ケイレン剤、例えばフェノバルビタール及びプリミドン;(104)ベンゾジアゼピン抗ケイレン剤、例えばクロナゼパム、ジアゼパム及びロラゼパム;(105)抗パーキンソン病剤、例えばブロモクリプチン、レボドーパ、カルビドーパ、及びペルゴライド;(106)抗めまい剤、例えばメクリジン;(107)阿片働筋剤、例えばコデイン、フェンタニル、ハイドロモルホン、メタドン、及びモルヒネ;(108)阿片拮抗剤、例えばナロキソン:(109)β−ブロッカー抗緑内障剤、例えばチモロール;(110)縮瞳性抗緑内障剤、例えばプロカルピン;(111)眼科用アミノグリコシド抗感染症剤、例えばゲンタマイシン、ネオマイシン、及びトブラマイシン;(112)眼科用キノロン抗感染症剤、例えばシプロフロキサシン、ノルフロキサシン、及びオフロキサシン;(113)眼科用コルチコステロイド抗炎症剤、例えばデキサメタゾン及びプレドニソロン;(114)眼科用非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)、例えばジクロフェナック;(115)抗精神病剤、例えばクロザピン、ハロペリドール、及びリスペリドン;(116)ベンゾジアゼピン不安定除去剤、鎮痛剤と催眠薬、例えばクロナゼパム、ジアゼパム、ローラゼパム、オキサゼパム及びプラゼパム;(117)精神刺激剤、例えばメチルフェニデート及びペモリン;(118)抗咳嗽剤、例えばコデイン;(119)気管支拡張剤、例えばテオフィリン;(120)アドレナリン性働筋気管支拡張剤、例えばアルブテロール;(121)呼吸器コルチコステロイド炎症剤、例えばデキサメタゾン;(122)解毒剤、例えばアルマゼニル及びナロキソン;(123)重金属拮抗質/キレート化剤、例えばペニシラミン;(124)阻止物質濫用剤、例えばジスルフィラム、ナルトレキゾン、及びニコチン;(125)中止物質濫用剤、例えばブロモクリプチン;(126)ミネラル、例えば鉄、カルシウム、及びマグネシウム;(127)ビタミンB化合物、例えばシアノコバラミン(ビタミンB12)及びニアシン(ビタミンB3);(128)ビタミンC化合物、例えばアスコルビン酸;並びに(129)ビタミンD化合物、例えばカルシトリオール。これまで述べてきたものに加えて、次のあまり一般的でない薬もまた使用できる。クロルヘキシジン;油中エストラジオールサイピオネート;油中エストラジオールバレレート;フルルビプロフェン;フルルビプロフェンナトリウム塩;イベルメクチン;レボドーパ;ナファレリン;及びソマトロピン。さらに、次の新薬も使うことができる:リコンビナントベータグルカン;牛イムノグロブリン濃縮物;牛スーパーオキシドジスムターゼ;フルオロウラシル、エピネフリン、及び牛コラーゲンからなる調剤;リコンビナントヒルジン(r-Hir)、HIV-1イムノゲン;ヒト抗−TAC抗体;リコンビナントヒト成長ホルモン(r-hGH);リコンビナントヒトヘモグロビン(r-Hb);リコンビナントヒトメカセルミン(r-IGF-1);リコンビナントインターフェロンベータ−1a;レノグラスチム(G-CSF);オランザピン;リコンビナント甲状腺刺激ホルモン(r-TSH)及びトポテカン。さらにまた、次の静脈内の産物も使用しうる:アサイクロビルナトリウム塩;アルデスロオイキン;アテノロール;ブレオマイシン硫酸塩、ヒトカルシトニン;サルモンカルシトニン;カルボプラチン;カルムスチン;ダクチノマイシン、ダウノルビシンHCL;ドウセタキセル;ドキソルビシン(HCL);エポエチンアルファ;エトポサイド(VP−16);フルオロウラシル(5−FU);ガンシクロビルナトリウム塩;ゲンタマイシン硫酸塩;インターフェロンアルファ;ロイプロライド酢酸塩;ナペリジンHCL;メタドンHCL;メトトレキセートナトリウム塩;パクリタキセル;ラニチジンHCL;ビンブラスチン硫酸塩;及びジドブジン(AZT)。これまでの述べたカテゴリーから有用な生物学的に活性な物質のより具体的な例は次のものを含む。(a)抗新生物剤例えばアンドロゲンインヒビター、抗代謝産物、細胞毒性剤、及びイムノモジュレーター;(b)抗咳嗽剤例えばデキストロメトルファン、デキストロメトルファン臭素酸塩、ノスカピン、カルベタペンタンクエン酸塩及びクロルフェジアノール塩酸塩;(c)抗ヒスタミン剤例えばクロルフェニラミンマレイン酸塩、フェニンダミン酒石酸塩、ピリラミンマレイン酸塩、ドキシラミンコハク酸塩、及びフェニルトロキサミンクエン酸塩;(d)充血除去薬例えばフェニルエフェリン塩酸塩、フェニルプロパノールアミン塩酸塩、シュードエフェドリン塩酸塩、及びエフェドリン;(e)各種のアルカロイド例えばコデインリン酸塩、コデイン硫酸塩及びモルヒネ;(f)ミネラル補給剤例えば塩化カリウム、塩化亜鉛、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、並びにその他のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩;(g)イオン交換樹脂例えばコレストリルアミン;(h)抗不整脈剤例えばN−アセチルプロカインアミド;(i)解熱剤及び鎮痛剤例えばアセタミノフェン、アスピリン及びイブプロフェン;(j)食欲抑制剤例えばフェニルプロパノールアミン塩酸塩又はカフェイン;(k)去痰剤例えばガイフェネシン;(l)制酸剤例えば水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム;(m)生化学製剤例えばペプチド、ポリペプチド、蛋白及びアミノ酸、ホルモン、インターフェロン又はサイトカイン、及び他の生物活性ペプチド性化合物、例えば変異物質及び類縁体を含むインターロイキン1-18、RNアーゼ、DNアーゼ、黄体化ホルモン放出ホルモン(LHRH)及び類縁体、ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)、形質転換成長因子−β(TGF-β)、繊維芽細胞成長因子(FGF)、腫瘍壊死因子−α及びβ(TNF-α&β)、神経成長因子(NGF)、成長ホルモン放出因子(GHRF)、表皮成長因子(EGF)、繊維芽細胞成長因子相同因子(FGFHF)、肝細胞成長因子(HGF)、インシュリン成長因子(IGF)、侵入禁止因子−2(IIF−2)、骨形成蛋白1−7(BMP1−7)、ソマトスタイン、チモシン−α−1、γ−グロブリン、スーパーオチシドジスムターゼ(SOD)、補体因子、hGH、tPA、カルシトニン、ANF、EPO及びインシュリン;並びに(n)抗感染症剤例えば抗菌剤、抗ウィルス剤、防腐剤及び抗生物質。あるいはこの生物学的に活性な物質は放射線感受性体、例えばメトクロプラミド、センサミドヌはニューセンサミド(Oxigen製);プロフィロマイシン(Vion製);RSR13(Allos製);チミタク(Agouron製)、エタンダゾール又はイオベングアン(Nycomed製;ガドリニウムテキサフィリン(Pharmacyclics製);BuDR/Broxinek(NeoPharm製);IPdR(Sparta製);CR2412(Therapeutic製);LIX(Terrapin製)等であってもよい。好ましく、この生物学的に活性な物質はペプチド、ポリペプチド、蛋白、アミノ酸、多糖類、成長因子、ホルモン、抗脈管形成因子、インターフェロン又はサイトカイン及びプロドラッグからなる群から選ばれる。特に好ましい態様においては、この生物学的に活性な物質は治療薬又はプロドラッグ、最も好ましくは化学療法剤及び他の抗新生物剤例えばパクリタキセル、抗生物質、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗炎症剤、及び抗凝固剤よりなる群から選ばれた医薬である。この生物学的に活性な物質は治療に有効な量が使用される。この生物学的に活性な物質の有効な量は、用いる物質によるけれども、約1%から約65%の生物学的に活性な物質の量がこのデリバリーシステムに容易に組み込まれ、コントロールされた放出を行なう。治療に効能のあるレベルに使用される量がより少なくてすむ生物学的に活性な物質もある。薬剤として受け入れられるキャリヤーは広範囲の材料から調製することができる。特に限定されないが、そのような材料には希釈剤、結合剤及び接着剤、滑剤、崩壊剤、着色料、増量剤、芳香剤、甘味料、及びその他の各種の材料、例えば特定の医薬組成物をつくるためのバッファー及び吸着剤などが含まれる。移植及び注入用に設計されたデリバリーシステムその最も簡単な形態は生分解生治療剤導入システムはポリマーマトリックスに治療剤が分散されているものである。この治療剤は、一般的には、ポリマーマトリックスがインビボで体内に吸収された最終的には体外へ排出される溶解性産物へ生分解されるに従って放出される。特に好ましい態様においては、移植、注入に使用され、あるいは体内に全部あるいは1部が配置される物品が本発明の生分解性テレフタレートポリマー組成物からなっている。この組成物の生物学的に活性な物質及び本発明のポリマーは均質なマトリックスを形成してもよく、あるいは生物学的に活性な物質がポリマーのなかに何らかの方法でカプセル化されていてもよい。例えば、生物学的に活性な物質がまず微小球のなかにカプセル化され、次に、少なくとも微小球構造体の1部が維持されるやり方でポリマーと組み合わせる。あるいは、生物学的に活性な物質が、本発明のポリマーに溶解されるというよりはむしろ小さな液滴として分解されるのに充分な程ポリマーに対して不混和性であってもよい。如何なる形でもよいが、この組成物の均質性にかかわりなく、生物学的に活性な物質のインビボでの放出速度が生分解の際にこのポリマーのホスホエステル結合の加水分解の機能として少なくとも1部がコントロールされたままであることが好ましい。好ましい態様においては、本発明の物品は動物の体内への移植あるいは注射用につくられる。特に重要なことは、このような物品が血管の多い組織に移植されあるいは注入されたときに組織への刺激が最小限になるということである。構造用医療器具として、本発明のポリマー組成物は、この組成物がインビボで無毒の残留物に分解するということに加えて、適用するのに充分な特定の化学的、物理的及び機械的な性質を有する物理的な形を提供する。典型的な構造用医療物品には、移植材、例えば整形外科用固定器具、心室の分流器、分解性織物用積層物、薬キャリヤー、生物吸収縫合材、火傷用包帯、他の移植器具に設けられる被覆材等が含まれる。整形外科用物品には、本発明の組成物は負傷した骨や結合組織の修復に有用と思われる。例えば生分解性多孔性材料を骨成形蛋白に加えて、平らで大きな分節の欠損に有用な骨の分岐を形成させることができる。血管分岐への適用では、布の形の生分解性材料を組織の内方への生長の促進に使用することができる。本発明のポリマー組成物は、例えば腹部の外科での組織のゆ着を防止する仮のバリヤーとして使用することができる。一方、神経再生物品では、生分解性支持マトリックスを細胞の接合や増殖を安易にするために使用することができる。このポリマー組成物を神経再生用のチューブに成形すれば、例えばこのチューブ状物品は機能回復の方向の軸索の伸長の幾何学的なガイドとして役立たせることもできる。ドラッグデリバリー器具としては、本発明のポリマー組成物は生物学的に活性な物質を隔離しうるポリマーマトリックスを提供し、この物質の予測できるコントロールされたデリバリーを提供できる。このポリマーマトリックスは無毒な残留物に分解される。生分解性医療用移植器具と薬導入産物はいくつかのやり方でつくることができる。このポリマーは溶解させて通常の押出成形や射出成形によって処理することができ、あるいはこれらの産物を適当な溶媒に溶解してその器具に成形し、続いて溶媒を蒸発や抽出で除去することによって作製することもできる。これらの方法によれば、このポリマーをほとんど如何なる所望の大きさや形状であっても、例えば移植可能な固形ディスクやウェハースあるいは注入できる棒、微小球、その他の微小粒子のドラッグデリバリーシステムに成形することができる。一旦医療用移植物品が設置されると、それは少なくとも一部が生物学的液、例えば血液、内部臓器分泌物、粘膜、髄液等と接触状態にされなければならない。次の実施例は本発明の好ましい態様を説明するものであるが、何ら本発明を限定するものではない。全てのポリマー分子量は平均分子量である。全てのパーセントは、特に注記がない限り、最後デリバリーシステムあるいは調製される処方の重量パーセントであり、全ての合計は100重量%と等しい。実施例[実施例1] モノマービス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(“BHET”)の作製ジメチルテレフタレート1,4モル(277g)とエチレングリコール7.2モル(445g)を計量して、真空ラインに接続されている1lの丸底フラスコに入れた。酢酸コバルト(II)4水和物(180mg,0.5モル)と酢酸カルシウム水和物(90mg,0.4モル)の触媒量を加えた。この反応混合物を中位の真空下で油浴中で160℃に加熱した。18時間後に反応が停止した。また融けている間に、この混合物を冷水に注加した。生成した沈殿物を集め、真空下で乾燥し、温メタノールに再溶解した。このスラッジ(大部分はオリゴマーよりなっている)を濾別した。濾液を−20℃に冷却して沈殿物を生成させ、メタノールと酢酸エチルで再結晶させて、“BHET”生産物を白色粉末で作製した。そのほか、非常によい純度のBHETは次の反応機構でつくることができる。BHETはまた市販されている。[実施例2] P(BHET-EOP/TC,80/20)コポリマーの合成アルゴン気流下で、実施例1で前述の通り作製した1,4−ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHET)10g、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)9.61g、及びメチレンクロライド70mLをロートを備えた250mLフラスコの入れた。このフラスコのなかの溶液を攪拌しながら−40℃まで冷し、エチルホスホロジクロリデート(EOP)(使用前に蒸留した)5.13gをメチレンクロライド20mLに溶解した溶液をロートを通じて滴下して加えた。添加完了後、この混合物を室温で4時間攪拌してBHET-EOPホモポリマーを生成させた。テレフタロイルクロライド(TC)1.60g(Aldrich Chemical Companyから入手して使用前にヘキサンで再結晶した。)をメチレンクロライド20mLに溶解した溶液を1滴づつ加えた。温度を約45〜50℃まで徐々に上げ、この反応混合物を一夜還流させてコポリマーP−(BHET-EOP/TC)を生成させるホモポリマーP(BHET-EOP)と追加のモノマーTCの共重合を完結させた。溶媒を蒸発させ、残渣を約100〜200mLのクロロホルムに再溶解した。このクロロホルム溶液を飽和NaCl溶液で3回洗浄し、無水Na2SO4で乾燥し、エーテルに入れて急冷した。この沈殿物をクロロホルムに再溶解し、エーテルに入れて再度急冷した。その結果強靱なオフホワイトの固形沈殿物を濾取して真空下で乾燥した。収率82%このP(BHET-EOP/TC,80/20)の構造を図2及び3に示すように1H-NMR、31P-NMR及びFT−1Rスペクトルで確かめた。この構造をまた元素分析で確認したところ、理論値と極めて相関していた。この元素分析の結果を図5に示す。P(BHET-EOP/TC,80/20)の分子量は最初にポリスチレンを検定の標準に用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。得られたグラフから、図4に示すように、重量平均分子量(Mw)が約6100で数平均分子量(Mm)が約2200であることが決定された。蒸気圧浸透圧法(“VPO”)で求めたこのコポリマーのMw値は約7900であった。これらの分子量を調べた結果もまた図5に示されている。[実施例3] P(BHET-EOP/TC)の供給比の変化本発明の一連の他のP(BHET-EOP/TC)コポリマーを、最初の重合ステップと共重合ステップにおいてそれぞれ用いたEOPとTCの供給比を変えたほかは、実施例2で述べた方法に従って作製した。その結果は後記する表1に示されている。このEOP/TCの供給比から下記の式の“x”の値を計算することができる。例えば、実施例2で作製されたP(BHET-EOP/TC,80/20)ではxは8である。[実施例4] コポリマーP(BHET-HOP/TC,80:20と90:20)の合成ホスホエステルコポリマーP(BHET-HOP/TC,80:20)とP(BHET)-HOP/TC,90:10)を、最初の重合ステップの間のモノマーエチルホスホロジクロリデート(EOP)をヘキシルホスホロジクロリデート(“HOP”)に代え、供給比を変えたほかは実施例2で前述した方法によって作製した。P(BHET-HOP/TC,90:10)の元素分析、GPCで求めたMw/Mn値及びVPOで求めたMnは全て確認され、図5に示されている。[実施例5] モノマービス(3−ヒドロキシ−2,2’−ジメチルプロピル)テレフタレート(“BHDPT”)ビス(3−ヒドロキシ−2,2’−ジメチルプロピル)テレフタレート(BHDPT)をテレフタロイルクロライド(TC)を酸受容体としてK2CO3を含むブタノン中で過剰のジオール2,2’−ジメチル−1,3−プロパンジオールと反応させて合成した。[実施例6] ホモポリマーP(BHDPT-EOP)の合成と単離上記の実施例5で作製したBHDPTモノマーと酸受容体4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)をメチレンクロライドに溶解した。その溶液をドライアイス/アセトン浴を用いて−70℃に冷却し、等モルのエチルホスホロジクロリデート(EOP)をゆっくり加えた。反応混合物を次いで加熱し、一夜還流した。この重合で生成した塩を濾過で除去した。残ったポリマー溶液(濾液)を飽和NaCl濾過で3回洗浄し、このホモポリマーをジエチルエーテル中に沈殿させた。[実施例7] コポリマーP(BHDPT-EOP/TC)の合成P(BHDPH-EOP)とTCのコポリマーを上に示す2段溶液共重合法で合成した。BHDPTとEOPの反応を室温で1時間進行させた後、反応フラスコをドライアイス/アセトン浴中で冷却した。適量のTC(TCとEOPのモル数の和をBHDPTのモル数と等しくした)をこのフラスコにゆっくり加えた。この反応混合物を次いで加熱し、一夜還流した。重合で生成した塩を濾過で除去した。残ったコポリマー溶液(濾液)を飽和NaCl溶液で3回洗浄し、このコポリマーをジエチルエーテル中に沈殿させた。[実施例8] P(BHDPT-EOP/TC)の供給比の変化本発明の一連の他のP(BHDPT-EOP/TC)コポリマーを、最初の重合ステップと共重合ステップにおいてそれぞれ用いたEOPとTCの供給比を変えたほかは、実施例7で述べた方法に従って作製した。その結果は後記する表2に示されている。このEOP/TCの供給比から下記の式の“x”の値を計算することができる。例えば、P(BHDPT-EOP/TC 80/20)ではxの値は8である。[実施例9] ホモポリマーP(BHDPT-EOP/TC)の合成と単離上記の実施例5で作製したBHDPTモノマーと酸受容体4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)をメチレンクロライドに溶解した。その溶液をドライアイス/アセトン浴を用いて−70℃に冷却し、等モルのヘキシルホスホロジクロリデート(HOP)をゆっくり加えた。反応混合物を次いで加熱し、一夜還流した。この重合で生成した塩を濾過で除去した。残ったポリマー溶液(濾液)を飽和NaCl溶液で3回洗浄し、このホモポリマーをジエチルエーテル中に沈殿させた。[実施例10] ポリ(ホスホエーテル)P(BHDPT-HOP/TC)の合成P(BHDPH-HOP)とTCのコポリマーを2段溶液共重合法で合成した。BHDPTとHOPの反応を室温で1時間進行させた後、反応フラスコをドライアイス/アセトン浴中で冷却した。適量のTC(TCとHOPのモル数の和をBHDPTのモル数と等しくした)をこのフラスコにゆっくり加えた。この反応混合物を次いで加熱し、一夜還流した。共重合の間に生成した塩を濾過で除去した。残ったコポリマー溶液(濾液)を飽和NaCl溶液で3回洗浄し、このコポリマーをジエチルエーテル中に沈殿させた。[実施例11] 他のジオール変種構造的にBHETとBHDPTのものに関連しているジオールテレフタレートを、実施例5と同様にして、TCをその構造を下記に示すn−プロピレンジオール又は2−メチルプロピレンのどちらかと反応させて対応するジオールテレフタレートを生成させて合成した。これらのジオールテレフタレートを次いでEOPと反応させて対応するホモポリマーを生成させた。このようにして生成させたホモポリマーは実施例7で前述したように、TCとの第2の反応で本発明のコポリマーを製造するのに利用した。[実施例12] P(BHET-EOP/TC)コポリマーのガラス転移温度示差走査熱量法(DSC)により決定したP(BHET-EOP/TC,80/20)とP(BHET-EOP/TC,50/50)のガラス転移温度(Tg)はそれぞれ24.5℃と62.2℃であった。これら2つのポリマーのDSC曲線を図1に示す。EOP/TC供給比の異なる4つの追加のP(BHET-EOP/TC)のTgを決定し、その結果を表にして下記の表3に示した。TgはEOPの減少割合とTCの増加割合に従って増加した。[実施例13] P(BHDPT-EOP/TC)コポリマーのガラス転移温度テレフタロイルクロライド(TC)の増加割合のP(BHDPT-EOP/TC)ポリマーのTgへの影響の研究も行った。結果を下記の表4に示す。[実施例14] 各種R基のガラス転移温度R基を変えた次の一連のジオールから作製したコポリマーのガラス転移温度(Tg)への影響を示す研究も行った。式中、Rは−CH2CH2−;−CH2CH2CH2;−CH2CH(CH3)CH2−;と−CH2CH(CH3)2CH2−である。結果を下記の表5に示す。表5に示すように、R基の大きさや分岐度が増すに従ってTgが増加した。また、これらのポリマーはTgの変化に従って物理的な状態も変わった。特に、Tgが増すにつれて、ポリマーはゴム状から微粉に変わった。[実施例15] 本発明のポリマーの溶解度ホモポリマーP(BHET-EOP,100/0)と次のブロックコポリマーP(BHET-EOP/TC,95/5),P(BHET-EOP/TC,90/10),P(BHET-EOP/TC,85/15),P(BHET-EOP/TC,80/20)及びP(BHET-EOP/TC,50/50)の有機溶媒への溶解度を求めた。テストに用いた有機溶媒はクロロホルム、メチレンクロライド、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)及びジメチルスルホキシド(DMSO)であった。これらの溶媒度テストの結果を下記の表6にまとめた。これらの結果は、これらのポリマーの有機溶媒への溶解度はEOP/TC比が増加するに従って増加することを示した。[実施例16] ポリマーの粘度供給比を変えた一連のP(BHET-EOP/TC)の極限粘度をウッベローデ粘度計でクロロホルム中で40℃で測定した。結果を下記の表7に示す。[実施例17] 物性各種供給比の一連のP(BHET-EOP/TC)コポリマーを溶液流延法でフィルムシートにした。P(BHET-EOP/TC,80/20)とP(BHET-EOP/TC,85/15)の両コポリマーのフィルム成形性は良好であった。これらの2つのコポリマーは、160℃で溶かしてポリマー樹脂にすることにも成功した。[実施例18] 安定性テスト本発明の(BHET-EOP/TC)コポリマーを室温のデシケーターに入れ、安定性を極限粘度とGPCで調べた。コポリマーはこれらの条件で安定で不活性ガス下での貯蔵は必要なかった。P(BHET-EOP/TC,80/20)とP(BHET-EOP/TC,85/15)もまた室内空気で室温で1ヵ月貯蔵した。安定性を1ヵ月の終わりに極限粘度で調べ、結果を図6にグラフで示す。[実施例19] インビトロ分解P(BHET-EOP/TC,80/20)とP(BHET-EOP/TC,85/15)のフィルムを実施例18で作製したように溶液流延法でつくり、真空下で2日間乾燥した。これらのフィルムシートから厚さ1mm直径6mmのディスクを切り取った。各コポリマーの3枚のディスクを37℃のリン酸塩緩衡生理食塩溶液(PBS)(0.1M,pH7.4)に入れた。ディスクを時間を変えてこのPBSから取り出して蒸留水で洗浄し、一夜乾燥した。サンプルの経時による分子量と減量の変化を分析し、図7Aと7Bに示した。P(BHET-EOP/TC,80/20)の重量平均分子量は3日間で約20%減少した。18日後にはP(BHET-EOP/TC,85/15)とP(B HET-EOP/TC,80/20)のディスクはそれぞれ約40%と20%重量を失っていた。このデータはコポリマーの分解速度の細かい調整の実行可能性を示しており、ホスフェート成分(EOP)の増加に従って加水分解滑性が増加することを確認した。同じプロセスを、EOPとTCの供給比の異なるコポリマーを含む、前記の実施例6〜8で合成したP(BHDPT-EOP)ポリマーについて繰返した。図8は、ホモポリマーP(BHDPT-EOP)と次のブロックコポリマーP(BHDPT-EOP/TC,85/15)P(BHDPT-EOP/TC,75/25)及びP(BHDPT-EOP/TC,50/50)の経時による分子量の変化を測定した分解の程度をグラフにしたものである。[実施例20] P(BHET-EOP/TC)コポリマーのインビボ分解重量損失で測定したP(BHET-EOP/TC,80/20)のインビボ分解を図9に示す。[実施例21] P(BHET-EOP/TC,80/20)のインビトロ生体適合性/細胞毒性P(BHET-EOP/TC,80/20)コポリマーの細胞毒性を、コポリマーP(BHET-EOP/TC,80/20)で被覆したカバースリップの上でヒト胚性腎(HEK)細胞を培養することによって評価した。対照としてHEK細胞をTCPSで被覆したカバースリップの上でも培養した。コポリマーを被覆したカバースリップの上で培養した細胞は全時において正常な形態を示し、同じHEK細胞をTCPSの上で培養したときのかなり少ない量と比較すると、72日間かなりの増殖を示した。[実施例22] P(BHET-EOP/TC,80/20)のインビボ生体適合性100mgポリマーウエハースをP(BHET-EOP/TC,80/20)と対照として生体適合性であることが知られている乳酸とグリコール酸のコポリマー(75/25,“PLGA”)から作製した。これらのウエハースを麻酔した成熟SPFスプラークードーリーラットの右脚の筋肉層の間に挿入した。ウエハースを一定時間後に回収し、その周囲の組織を次の評点を用いた免許保有病理学者による組織病理学的解析用に調製した。この組織病理学的解析の結果を下記の表8に示す。ホスホエステルコポリマーP(BHET-EOP/TC,80/20)はPLGA対照ウエハースと同様の受け入れ可能な生体適合性を有していることが示された。[実施例23] FITC−BSAをカプセル化したP(BHET−EOP/TC、80/20)微小球の作製微小球を、モデル蛋白医薬としてFITC標識牛血清アルブミン(FITC-BSA)を用いて二段エマルジョン/溶媒抽出法を通じて作製した。FITC-BSA溶液(10mg/ml)の100μLを、P(BHET-EOP/TC,80/20)100mgを1mLのメチレンクロライドに溶解した溶液に加え、氷上で15秒間音波処理して乳化した。このエマルジョンをただちに1%ポリビニルアルコール(PVA)と5%NaClの渦化水溶液に注ぎ入れた。この渦化は1分間維持した。得られたエマルジョンを、激しく攪拌されている0.3%PVAと5%NaClの水溶液20mLに注ぎ入れた。2%イソプロパノール溶液25mLを加え、この混合物を1時間攪拌して抽出を完全に行なわせた。得られた微小球を3000×gで遠心して集め、3回水洗してから凍結乾燥した。内部水相に水を用いたほかは同じやり方で空の微小球を作製した。これらの製造条件は、カプセル化率を向上させ、微小球の形態を改善し及び破裂放出を最少化するよう最適にされた。得られた微小球の大部分は直径が5から20μmの間にあり、表面形状は滑らかであった。電子顕微鏡で見た微小球の大きさと滑かさを図10に示す。FITC-BSAの充填レベルは、0.5NNaOH溶液で一夜微小球を加水分解した後FITCを測定することによって決定した。充填レベルは、FITC-BSA溶液のシリーズを用いて作成した標準曲線と比較することによって決定した。1.5,14.1及び22.8重量%の蛋白充填レベルが容易に得られた。微小球によるFITC-BSAのカプセル化率は蛍光分析によって捕捉されたFITC-BSAの量を最初の量と比較することにより、異なる充填レベルにおいて決定した。下記の表9に示すように、84.6と99.6%のカプセル化率が得られた。これらの結果から、70〜90%のカプセル化率が容易に得られることがわかる。さらに、カプセル化されたFITC-BSAが微小球内で均一に分布していることを共焦点(confocal)蛍光顕微鏡による観察で確認した。[実施例24] リドカインを含むP(BHDPT-EOP/TC,50/50)微小球の作製1.35gのPVAと270mLの脱イオン水を合わせて600mLビーカー内に0.5%w/vポリビニルアルコール(PVA)水溶液を作製した。この溶液を1時間攪拌し濾過した。900mgのP(BHDPT-EOP/TC,50/50)コポリマーと100mgのリドカインを9mlのメチレンクロライドに加えて渦化混合し、コポリマー/医薬溶液を作製した。前記PVA溶液をオーバーヘッドミキサーで800rpmで攪拌しながら前記ポリマー/医薬混合物を滴下した。これを1.5時間攪拌した。こうして生成された微小球を次いで濾過し、脱イオン水で洗浄し、一夜凍結乾燥した。この実験では3.7%のリドカインを含む微小球625mgが得られた。リドカイン含有微小球はまたP(BHDPT-HOP/TC,50/50)からも同じプロセスで作製した。この実験では5.3%w/wリドカインを含む微小球676mgが得られた。[実施例25] P(BHET-EOP/TC,80/20)コポリマーから作製された微小球のインビトロでの放出動力学FITC-BSAを含むP(BHET-EOP/TC,80/20)微小球5mgでpH7.4のリン酸塩緩衡生理食塩溶液(PBS)1mLに懸濁し、37℃に加熱したシェーカーに入れた。時間を変えて懸濁液を3000×gで10分間回転させ、上清液500μlをサンプルとして引き抜き、新しいPBSと置換した。微小球からのFITC-BSAの放出は引き抜いたサンプルの蛍光強度を519nmで測定して追跡した。スケールアップして、50mgのP(BHET-EOP/TC,80/20)微小球を10mLのリン酸塩緩衡生理食塩溶液(PBS)が入っているバイアル中に懸濁した。このバイアルをインキュベーター内で37℃に加熱し220rpmで振盪した。上清液のサンプルを時間を変えて引き抜いて置換し、サンプルから放出されるFITC-BSAの量は492nmの分光測定によって分析した。PBS中37℃でカプセル化されたFITC-BSAの80%を超える量が最初の2日以内に放出され、10日後にはさらに約5%が放出された。充填レベルの異なるP(BHET-EOP/TC,80/20)からのFITC-BSA放出動力学は図11に示してある。[実施例26] P(BHDPT-EOP/TC,50/50)コポリマーから作製された微小球のインビトロでの放出動力学リドカインを充填した約10mgのP(BHDPT-EOP/TC,50/50)微小球をシェーカーに置かれた37℃のPBS(0.1M,pH7.4)に入れた。インキュベートしている溶液からサンプルを定期的に引き抜いて、このサンプルから放出されるリドカインの量をHPLCで測定した。得られた放出動力学を図12,13に示す。P(BHDPT-HOP/TC,50/50)から作製した微小球についても同じ方法で行なった。この微小球から放出されるリドカインの放出動力学もまた図12,13に示す。【実施例27】細胞に対するコポリマーのインビトロでの細胞毒性アッセイP(BHET-EOP/TC,80/20)微小球を濃度を変えて96−ウエル組織培養プレートに加えた。このウエルにヒト胃癌細胞(GT3TKB)を104細胞/ウエルの量で接種した。この細胞を37℃で48時間微小球とともにインキュベートした。その結果の細胞増殖速度をMTTアッセイで分析し、組織培養ウエル内のコポリマー微小球の濃度に対する%相対増殖としてプロットした。結果を図14に示す。[実施例28] ポリマー分解産物のGT3TKB腫瘍細胞への毒性アッセイ次のポリマーのそれぞれ約100-150mgを20mLの1M NaOHに入れた37℃で1−2日間別々に分解した。PLLA(Mw=14,000)P(BHDPT-EOP)PCPP:SA(20:80)ポリL−リジン(Mw=88,000)これらのポリマーの全てで完全な分解が観察された。この溶液を20mLの1MHClで中和した。各種濃度のこの分解ポリマー産物の約200μLを96ウエル組織培養プレートに入れ、ヒト胃癌細胞(GT3TKB)を104/ウエルの量で接種した。分解ポリマー産物をこのGT3TKB細胞とともに48時間インキュベートした。このアッセイの結果を組織培養ウエル内の分解ポリマーの濃度に対する%相対増殖としてプロットし、図15に示した。追加の毒性アッセイをBHETモノマーから作製した微小球とBHET−EOPホモポリマーから作製した微小球について行い、LAとPLLAから作製した微小球と比較した。このアッセイの結果を組織培養セル内のポリマー又は微小球の濃度に対する%相対増殖としてプロットし、図16に示した。これまで説明してきた本発明は、多くのやり方に変えられることは明らかであろう。このような変更は本発明の精神と範囲からの離脱とはみなされないものであり、全てのこのような変更は次のクレームの範囲に含まれることを意味している。 式Iに示される繰返しモノマー単位からなる生分解性テレフタレートポリマー式中、Rは2価の有機部分であり、R’は脂肪族、芳香族又は複素環式残基であり、xは≧1であり、そして、nは2〜5,000であり、この生分解性ポリマーは生分解前及び生分解の際に生体適合性を有している。 Rがアルキレン基、脂環式基、フェニレン基又は下記の式の2価の基である請求項1のポリマー式中、Xは酸素、窒素又は硫黄であり、nは1ないし3である。 Rが1ないし7の炭素原子を有するアルキレン基である請求項1のポリマー R’がアルキル基又はフェニル基である請求項1のポリマー 式Iの繰返しモノマー単位からなり、式中、Rは2価の有機部分であり、R’は脂肪族、芳香族又は複素環式残基であり、xは≧1であり、そしてnは2〜5,000であり、生分解前及び生分解の際に生体適合性を有している生分解性テレフタレートポリマーの製造方法であって、この方法は、(a) 式IIを有するジオール化合物式中、Rは前記の定義の通りであるのpモルと、式IIIのホスホロジクロリデート式中、R’は前記の定義の通りであり、p>qのqモルを重合させて下記に示す式IVのホモポリマー式中、R,R’及びxは前記定義の通りであるのqモルを生成させ、そして(b) 式IVの前記ポリマーと式IIの過剰ジオールを、式Vを有するテレフタロイルクロライドの(p−q)モルとさらに反応させて前記の式Iのポリマーを生成させることを特徴とする前記生分解性テレフタレートポリマーの製造方法 Rが1ないし7の炭素原子を有するアルキレン基である請求項5の方法 R’が1ないし7の炭素原子を有するアルキル基である請求項5の方法 前記の重合ステップ(a)が溶液重合反応である請求項5の方法 酸受容体が前記の重合ステップ(a)の間に存在する請求項5の方法 前記の式Iのポリマーがこのポリマーの溶液を非溶媒又は部分溶媒で急冷することによって精製される請求項5の方法 請求項1のポリマーよりなる生体吸収性縫合糸 請求項1のポリマーよりなる骨及び結合組織の損傷の修復用整形外科用器具、骨セメント又は骨ワックス 請求項1のポリマーよりなる分解性又は非分解性布用薄片 請求項1のポリマーよりなる移植器具用コーティング 次の成分よりなる生分解性テレフタレートポリマー組成物。(a)少なくとも1つの生物学的に活性な物質及び(b)式Iに示される繰返しモノマー単位を有するポリマー(b)式Iに示される繰返しモノマー単位を有するポリマー式中、Rは2価の有機部分であり、R’は脂肪族、芳香族又は複素環式残基であり、xは≧1であり、そしてnは2〜5,000であり、このポリマーは生分解の際に生体適合性を有するこの生分解性組成物をつくるのに充分なほど純粋である。 Rがアルキレン基、脂環式基、フェニレン基又は下記の式の2価の基である請求項15のポリマー組成物式中、Xは酸素、窒素又は硫黄であり、nは1ないし3である。 R'がアルキル基又はフェニル基である請求項15のポリマー組成物 前記の生物学的に活性な物質がペプチド、ポリペプチド、蛋白、アミノ酸、多糖類、成長因子、ホルモン、抗血管形成因子、インターフェロン又はサイトカイニン、及びこれらの物質のプロドラッグよりなる群から選ばれたものである請求項15のポリマー組成物 前記の生物学的に活性な物質が治療薬又はプロドラッグである請求項15のポリマー組成物 前記の医薬が抗新生物剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗炎症剤及び抗凝固剤よりなる群から選ばれたものである請求項19のポリマー組成物 前記の生物学的に活性な物質と前記のポリマーが均質なマトリックスを形成している請求項15のポリマー組成物 次の成分よりなる生分解性テレフタレートポリマー組成物よりなる、体内に全体もしくは1部を設置することができる物品(a)少なくとも1つの生物学的に活性な物質及び(b)式Iに示される繰返しモノマー単位を有するポリマー式中、Rは2価の有機部分であり、R'は脂肪族、芳香族又は複素環式残基であり、xは≧1であり、そしてnは2〜5,000であり、このポリマーは生分解の際に生体適合性を有するこの生分解性組成物をつくるのに充分なほど純粋である。 Rがアルキレン基、脂環式基、フェニレン基又は下記の式の2価の基である請求項22のポリマー組成物式中、Xは酸素、窒素又は硫黄であり、nは1ないし3である請求項22の物品 R’がアルキル基又はフェニル基である請求項22の物品 前記の生物学的に活性な物質がペプチド、ポリペプチド、蛋白、アミノ酸、多糖類、成長因子、ホルモン、抗脈管形成因子、インターフェロン又はサイトカイニン、及びこれらの物質のプロドラッグよりなる群から選ばれたものである請求項22の物品 前記の生物学的に活性な物質が治療薬又はプロドラッグである請求項22の物品 前記の生物学的に活性な物質が抗新生物剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗菌剤、抗炎症剤、抗凝固剤及びこれらの物質のプロドラッグよりなる群から選ばれたものである請求項26の物品 前記の生物学的に活性な物質と前記のポリマーが均質なマトリックスを形成している請求項22の物品 前記の生物学的に活性な物質が前記のポリマー内にカプセル化されている請求項22の物品 前記の物品が分解性布用の薄片の形をしている請求項22の物品 前記の物品が生体吸収可能な縫合糸、骨の損傷修復用材料又は移植器具のコーティングである請求項22の物品