生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_脱水素によるオレフィン、特にプロピレンの製造方法
出願番号:1998529572
年次:2009
IPC分類:C07C 5/333,B01J 23/26,B01J 23/62,C07C 11/02,C07C 11/06


特許情報キャッシュ

ハイネケ,ダニエル バイエル,ミヒャエル デームート,ディルク ハルト,クラウス JP 4287909 特許公報(B2) 20090403 1998529572 19971209 脱水素によるオレフィン、特にプロピレンの製造方法 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 江藤 聡明 ハイネケ,ダニエル バイエル,ミヒャエル デームート,ディルク ハルト,クラウス DE 19654391.6 19961227 20090701 C07C 5/333 20060101AFI20090611BHJP B01J 23/26 20060101ALI20090611BHJP B01J 23/62 20060101ALI20090611BHJP C07C 11/02 20060101ALI20090611BHJP C07C 11/06 20060101ALI20090611BHJP JPC07C5/333B01J23/26 ZB01J23/62 ZC07C11/02C07C11/06 C07C 5/333 B01J 23/26 B01J 23/62 C07C 11/02 C07C 11/06 特開昭61−249539(JP,A) 特開平07−145086(JP,A) 米国特許第05436383(US,A) 特開平04−267947(JP,A) 特開平07−300433(JP,A) 特開平07−089724(JP,A) 特開昭62−021712(JP,A) 6 EP1997006858 19971209 WO1998029365 19980709 2001519771 20011023 7 20040901 山田 泰之 現在、プロピレンは、主として軽質ナフサの蒸気分解において生成される生成混合物から単離されている。経済上、および他の理由から、より融通の利く原料基盤を有することが望まれている。混合物中に存在するプロピレンを混合物から単離するのに代わる方法として、プロパンの脱水素がある。非酸化ルートとして、プロピレンを、Pt/Al2O3、Pt/Sn/Al2O3のような貴金属触媒、または、Cr/Al2O3のような貴金属不含有触媒上での、プロパンの脱水素によって得ることができる。反応は著しく吸熱性であり、高温においてのみ十分な速度で進行する。これは二次反応、例えば、エチレン及びメタンを生成するプロパンの分解を促進し、同時に、エチレンは脱水素中に遊離した水素により水素化される。反応の選択性は、副生物依存競合反応のために転化率の増大に伴って大幅に減少し、このため、この方法の工業的実現性は疑わしい。これに加え、二次反応により、用いた触媒上への炭素析出が引き起こされ、触媒は比較的短い運転期間の後、再生することが必要となる。工業的に成熟している方法においては、脱水素は低圧および比較的高温で行われ、また、触媒は、大気中の酸素を用いて連続的に再生される(EnergyProg.(1986),6(3)171−6,およびChem.Eng.Today,CopyingUncertainty Aust.Chem.Eng.Conf.11th(1983),663−71)。この方法は、Pt/Al2O3触媒を用いて、移動床において、600〜700℃および2〜5バールの圧力下で行うことができる。WO 9523123号公報中に記載された方法は、Cr/Al2O3触媒を使用しており、これは、周期的に、即ち、再生の手法を用いて運転される。この方法においては、プロパンを、炭素の燃焼中に発生した廃熱を用いて予熱する。Pt/Sn/Al2O3触媒は、Shiyou Huagong(1992),21(8),511〜515より、既知である。かかる参考文献には、これらの触媒を、カリウムまたはマグネシウムでドープすることができることも開示されている。スズでのドーピングは、炭素析出物の形成にもかかわらず、失活が遅いとされている(Stud.Surf.Sci.Catal.1994,88,519〜24)。最も低い酸化状態では存在しないレドックス活性元素を含む酸化触媒は、欧州特願公開−403 462号公報中に記載されている。ZSM−5型のゼオライトを用いたプロパンの脱水素も、同様に既知である。これらのゼオライトを亜鉛でドープすれば、これはゼオライトの酸−塩基挙動に影響し、即ち、分解反応を大部分抑制するといわれている(J.Chin.Inst.Chem.Eng.(1990),21(3),167〜72)。既知になっている方法は、特に選択性が転化率の増大に伴って大幅に減少するという不利益を有する。これに加え、触媒は頻繁に再生させなければならず、工業的方法としては極めて不利である。本発明の目的は、上述の不利益を取り除き、かつ、特には、プロピレンおよび他の低分子量オレフィンを対応するパラフィン系炭化水素の脱水素により製造する方法を可能にし、高い転化率においても高い選択性を達成する触媒を提供することにある。本発明者らは、この目的が、脱水素活性元素とあるいはさらなる元素とを包含しうる、好ましくは90%以上が1種の結晶改質物である、元素周期律表のIV遷移族のセラミック酸化物を基材とした触媒を用いることにより達成されることを見出した。好適なセラミック酸化物は、特には、酸化ジルコニウム(ZrO2)および酸化チタン(TiO2)である。セラミック酸化物は、0.005〜5重量%の遷移族VIおよびVIIIの金属、例えばパラジウム、白金および/またはロジウムを用いてドープしてもよい。好適な脱水素活性元素は、特に遷移族VIIIの金属であり、貴金属の白金およびパラジウムが好適で、好ましくは白金である。貴金属を脱水素活性元素として用いる場合には、貴金属の焼結を遅らせることができる金属、例えば、レニウム、IrおよびSn、特には、ReおよびSnの0.005〜5重量%を付加的に使用することも可能である。可能なさらなる元素は、触媒表面の酸度に影響しうるか、または、焼結に対して貴金属を安定化させうるものであることが知られている。このさらなる元素は、IおよびII主族の全ての元素、即ち、一方ではLi、Na、K、Rb、Csであり、他方ではMg、Ca、SrおよびBaである。好適な主族IIIの元素は、特にガリウム、インジウムおよびタリウムである。好適な遷移族IIIの元素は、特にYおよびLa、そしてまた希土類元素である。亜鉛もまた有効であることが見出されている。遷移族IVのセラミック酸化物の使用が本発明の目的に対し必須であるのに対し、他の成分は、基礎反応に関して重要であるだけで、補助的役割を担っている。従って、例えば、遷移族VIからの、特にクロムまたはモリブデンのような他の脱水素活性金属は、貴金属の代わりに存在しうる。本発明においては、脱水素の条件下で酸化ジルコニウムの結晶相が安定であることが重要である。正方晶ZrO2を使用する場合、これはLaまたはYを用いたドーピングにより安定化させることができる。触媒の気孔の幅は好ましくは2〜60nmを有し、かつ、10%の気孔が20nmより大きい幅を有し、比細孔容積は0.1〜1ml/gである。既知の触媒と比較して、本発明に係る触媒は、プロパンのプロピレンへの脱水素において高い転化率と同時に高い選択性という利益を有する。加えて、見出されているさらなる利益は、本発明に係る触媒が、さもなければ炭素析出物の形成を抑制するために用いなければならない付加的な水素なしで運転することができることである。さらなる利益は、それらの高い機械的強度、高い運転寿命および容易な成形である。本発明に係る触媒を調製するために、か焼により酸化物に転化することができる、ジルコニウムおよびチタンまたはこれらの混合物または好適な先駆物質の両性酸化物を用いることが可能である。この製造方法は、既知のモデル的方法、例えば、ゾル−ゲル方法、塩の沈殿、対応する酸の脱水、ドライブレンド、水性懸濁または噴霧乾燥などの中から選択することができる。塩基性化合物を用いたドーピングは、例えば、共沈による調製の間にか、または、その後適切なアルカリ金属またはアルカリ土類金属化合物などを用いての、セラミックの両性酸化物の含浸によるかのいずれによっても行うことができる。脱水素活性成分は、一般に、関係する元素の好適な化合物を用いて含浸することにより用いられる。このような化合物は、か焼により対応する金属酸化物に転化することができるように選択する。しかし、含浸の代わりに、脱水素活性成分は、噴霧のような他の方法により適用することも可能である。好適な金属塩は、例えば、対応する金属の硝酸塩、酢酸塩および塩化物であり、金属錯体の陰イオンを用いることも可能である。好ましくは、白金についてはH2PtCl6またはPt(NO3)2、またクロムについてはCr(NO3)3または(NH4)2CrO4を用いる。脱水素活性成分として貴金属を用いる場合の好適な先駆物質には、既知の方法の一つ、例えば、PVPのような安定剤の存在下で還元剤を用いた金属塩の還元により製造することのできる対応する貴金属のゾルも含まれる。この製造方法は、西独特許 195 00 366号公報中に詳細に記載されている。触媒は、固定層において、または、例えば、流動層形式において用いることができ、また適切な形状を有する。好適な形状は、例えば、車輪状、星状、リング状などの適切な断面を有するグラニュール、ペレット、モノリス、球体または押出物である。アルカリ金属、アルカリ土類金属または主族III若しくはIII族遷移金属または希土類金属または亜鉛の含有量は、20重量%以下、好ましくは1〜15重量%、特に好ましくは1〜10重量%である。用いられるアルカリ金属およびアルカリ土類金属の先駆物質は、か焼により対応する酸化物に直接転化することのできる化合物が有利である。好適例としては、水酸化物、炭酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩または混合ヒドロキシカーボネートである。セラミックの支持体が、付加的にまたは単独で、主族IIIまたは遷移族IIIの金属を用いてドープされるときは、この場合における出発化合物もまたか焼により対応する酸化物に転化されうるものである必要がある。ランタンを用いる場合、好適な化合物の例としては、ランタンオキシドカーボネート、La(OH)3La3(CO3)2、La(NO3)3、または、有機陰イオンを含有するランタン化合物、例えば、酢酸ランタン、ギ酸ランタンまたはシュウ酸ランタンである。触媒中の脱水素活性成分の含有量は、10重量%以下である。脱水素活性元素を含まない触媒を用いることも可能である。触媒が脱水素活性元素としてのV遷移族IIIの脱水素活性元素によりドープされている場合、含有量は0〜10重量%、好ましくは0.2〜8重量%、特に好ましくは0.5〜2重量%である。触媒が脱水素活性成分としての貴金属でドープされている場合は、含有量は0〜5重量%、好ましくは0.2〜2重量%、特に好ましくは0.5〜1.5重量%である。触媒は、500m2/g以下かあるいはそれ以上、好ましくは10〜300m2/g、特に好ましくは20〜100m2/gのBET表面積を有する。気孔体積は、一般に0.1〜1ml/g、好ましくは0.15〜0.6ml/g、特に好ましくは0.2〜0.4ml/gである。平均気孔直径は、Hg浸透分析により測定することができ、0.008〜0.06μm、好ましくは0.01〜0.04μmである。プロパンの脱水素は、300〜800℃、好ましくは450〜700℃、および10ミリバールから100バール、好ましくは100ミリバール〜40バールの圧力において、0.01〜100、好ましくは0.1〜20のWHSV(毎時の重量空間速度[(出発材料のg)・(cat.のg)-1・h-1])で、行う。脱水素されるべき炭化水素の他にも、稀釈剤、例えば、CO2、N2、希ガスまたは蒸気のようなものも、存在していてよい。適切な、即ち、厳密な反応条件下である場合には、水素を炭化水素蒸気に添加してよい。水素対炭化水素蒸気の比率は0.1〜100、好ましくは1〜20でよい。添加された水素は触媒の表面上に形成された炭素付着を除去する働きをする。反応の間の炭素付着を防ぐ、連続的なガスの添加は別として、触媒上に時々水素または空気を通過させることにより、触媒を再生することが可能である。再生自体は、300〜900℃、好ましくは400〜800℃で、遊離酸化剤を用いることにより、好ましくは空気を用いることにより、または還元雰囲気中で、好ましくは水素を用いることにより生ずる。再生は、減圧、大気圧、または加圧下で行うことができる。好ましくは、500ミリバール〜100バールの範囲内の圧力である。実施例触媒の調製実施例1〜44モルのNH3溶液を、24.85gのZrOCl2・H2Oと1.33gのLa(NO3)3・6H2Oとを50mlの水に溶解した溶液に、沈殿の生成が見られなくなるまで攪拌しながら加えた。沈殿を濾別し塩化物がなくなるまで水洗し、120℃で16時間乾燥した。乾燥した沈殿物を0.02モルの(NH4)2CrO4溶液50mlに懸濁させ、上清溶液を50℃で蒸発した。残査を120℃で16時間乾燥し、600℃で4時間か焼した。最終生成触媒は、0.66%のクロムと5.3%のランタンを含有していた。二酸化ジルコニウムの結晶相は、X線解析で主として正方晶であることが見出された。二酸化ジルコニウムの一次粒子の大きさは、TEM法で約5nmと測定された。実施例1では、新たな触媒を用いた。実施例2では、同じ触媒を大気中の酸素を用いて500℃で再生した後用いた。実施例3では、大気中酸素を用いて2回目に再生した触媒を用い、実施例4では、3回目に再生した触媒を用いた。実施例5及び6ZrO2(担体(support)SN9316335,ノルトン(Norton)、46m2/g、大部分単斜晶)に、Pt(NO3)2とSn(OAc)2とを用いて含浸させることによって触媒を調製した。Pt含有量は1重量%であり、Sn含有量は0.5重量%であった。触媒を、650℃で3時間か焼した。実施例7大部分単斜晶のZrO2(担体SN9316321,ノルトン、49m2/g)に2.5mlの水に溶解した0.821gのCr(NO3)3・9H2Oの溶液を用いて含浸させ、次いで2.5mlの水に溶解した1.763gのLa(NO3)3の溶液を用いて含浸させて触媒を調製した。触媒を120℃で16時間乾燥し、500℃で2時間か焼した。最終生成触媒はクロム含量0.9重量%、ランタン含量4.5重量%であった。比較例C1〜C4比較例触媒(C1は10%Cr/Al2O3、C2は1%Cr/Al2O3並びにC3は5%Cr/Al2O3)を、α−Al2O3(9.5m2/g)に諸種の量のCr(NO3)3を含浸させて調製した。これらの触媒を120℃で6時間乾燥し、次いで500℃で2時間か焼した。比較例触媒C4を、同じAl2O3支持体Pt(NO3)2を含浸させて調製した。触媒を120℃で16時間乾燥し、次いで500℃で2時間か焼した。脱水素化脱水素化を、マイクロ固定層(micro−fixed−bed)パルス反応器(pulse reactor)中500℃で実施した。この目的で、約0.6gの触媒をマイクロ固定層中に秤り込み、水素を添加していない(H2ナシの)プロパンガスを、大気圧の下、パルス状で、即ち、規則的に断続する流し方で、触媒を介して流した。反応生成物をオンラインのGCによって各パルスごとに定量分析した。断続するプロパンパルス(約1.5分間隔)の間には、ヘリウムのキャリアーガスを反応器に流した。一つのパルスは、約100μlのプロパンから成っていた。キャリアーガスの流速は、約21.5ml/分であった。滞留時間は、触媒の台の高さ(10〜25mm)に依存するが、約1〜2秒であった。パルスの間の触媒上のWHSVは、同様に台の高さに依存するが、1.7〜3.4であった。得られた結果を表1に示すが、これは、達成した最大の転化率に基づいている。滞留時間が短いことと、パルス間の約1.5分の間隔によって熱力学的平衡に達しないパルス操作により、平衡状態(500℃)に比して、有意に高い転化率が得られたことは、特筆すべきことである。この方法で高い転化率であるにもかかわらず、比較的良好な選択性となった。本発明の触媒により、比較的高い選択性で、同じ温度で比較例の触媒よりも高い転化率に達することが可能となった。従って、比較例の触媒よりも本発明の触媒の方が、有意に高い収率であった。 最長の鎖中に2〜5個の炭素原子を有するオレフィンを、対応するパラフィン系炭化水素の触媒上での脱水素により製造する方法において、該触媒が、a)90%以上が単斜晶系の改質物の状態である二酸化ジルコニウム、b)遷移金属VIII族の元素から選択される少なくとも1種の元素、c)スズ、d)遷移金属III族の化合物から選択される少なくとも1種の化合物、を含むことを特徴とするオレフィンの製造方法。 プロピレンをプロパンから得る請求項1記載の方法。 脱水素による、特に対応する飽和炭化水素からオレフィン性不飽和炭化水素の製造に用いる触媒であって、a)90%以上が単斜晶系の改質物の状態である二酸化ジルコニウム、b)遷移金属VIII族の元素から選択される少なくとも1種の元素、c)スズ、d)遷移金属III族の化合物から選択される少なくとも1種の化合物、を含むことを特徴とする触媒。 0.005〜5重量のパラジウム、白金、ロジウムを含むことを特徴とする請求項3に記載の触媒。 III族遷移金属の化合物として、ランタン、イットリウム化合物を含むことを特徴とする請求項3記載の触媒。 10〜500m2/gのBET表面積を有することを特徴とする請求項3から5何れか記載の触媒。


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