タイトル: | 特許公報(B2)_ペリレン―3,4―ジカルボン酸イミドの製造方法 |
出願番号: | 1998500196 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C07D 221/18,C09B 5/62,C07B 61/00 |
アルノ ベーム ハラルト アルムス ヴィリー ヘルファー ゲオルク ヘニング JP 4436458 特許公報(B2) 20100108 1998500196 19970528 ペリレン―3,4―ジカルボン酸イミドの製造方法 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 508020155 BASF SE 矢野 敏雄 100061815 山崎 利臣 100094798 久野 琢也 100099483 杉本 博司 100110593 星 公弘 100128679 二宮 浩康 100135633 アインゼル・フェリックス=ラインハルト 100114890 アルノ ベーム ハラルト アルムス ヴィリー ヘルファー ゲオルク ヘニング DE 19622673.2 19960605 20100324 C07D 221/18 20060101AFI20100304BHJP C09B 5/62 20060101ALI20100304BHJP C07B 61/00 20060101ALN20100304BHJP JPC07D221/18C09B5/62C07B61/00 300 C07D221/18 C09B 5/62 CAplus/REGISTRY(STN) 独国特許出願公開第04440242(DE,A1) 特開平07−188178(JP,A) 独国特許出願公開第04338784(DE,A1) 5 EP1997002761 19970528 WO1997046533 19971211 2000511547 20000905 11 20040401 榎本 佳予子 本発明は、一般式I:で示されるペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドの新規製造方法に関し、前記式中置換基は次ぎのものを表す:R1は水素;C1〜C8−アルキル;C5〜C8−シクロアルキル;それぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又はシアノによって置換されていてもよいフェニル又はナフチルであり、R2は相互に独立的に水素;C1〜C18−アルキル;それぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又はシアノによって置換されていてもよいアリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ(Hetaryloxy)又はヘタリールチオ(Hetarylthio)である。式Iのペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドは、周知のように顔料添加物、蛍光染料及び蛍光顔料の製造の重要な中間生成物である(ヨーロッパ特許出願公開第636666号及び同第596292号明細書)が、しかし該化合物は有利にはそれ自体でも蛍光染料及び−顔料として適当である(ヨーロッパ特許出願公開第657436号明細書;未公告のヨーロッパ特許出願公開第19501737号明細書)。ペリレン骨格が置換されていないペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドI(R2=H)の製造のためには、多数の費用のかかる多段的方法が記載されているが、これらの方法はペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物から出発し、化合物Iを大抵あまり満足でない収率及び不良な純度で提供するので、費用のかかる精製法、例えば抽出及びカラムクロマトグラフィーが必要になる。すなわち非置換及びN−アルキル置換ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミド(アルキル:メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ドデシル)は、温度≧220℃で圧力下での、中間体として製造されたペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸イミド無水物のアルカリ脱炭酸反応(反応時間18時間)によって得られる(ドイツ国特許第486491号明細書;Bulletin of the Chemical Society of Japan 54,1575−1576(1981);ヨーロッパ特許出願公開第596292号明細書)。しかしこの方法は塩基に対して安定な脂肪族イミドの場合にしか適当ではない。N−メチル−及び−エチル置換(ならびにまたN−フェニル−、−トルイル−及び−アニシル置換)ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを製造するためには、初めに製造した非置換ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを発煙硫酸でスルホン化し、次ぎに苛性カリ液でスルホン化無水物に変え、次ぎにこのものを相応の第一アミンと反応させてスルホン化したN−置換イミドを生成し、同イミドを最後に硫酸で脱スルホン化して所望のペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドにする(Bulletin of the Chemical Society of Japan 52,1723−1726(1979),Shikizai Kyokaishi 49,29−34(1976)Chemical Abstract 85:209285)。この方法は極めて煩雑であり、硫酸に対して安定なイミドに対してしか使用することができない。ヨーロッパ特許出願公開第657436号明細書によれば、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物を水、酢酸亜鉛二水和物及びイミダゾールの存在で2,5−ジ−t−ブチルアニリンと縮合し、クロマトグラフィーにより精製したN−2,5−ジ−t−ブチルフェニルペリレンジカルボン酸イミドをアルカリによりケン化してペリレン−3,4−ジカルボン酸無水物となし、このものを相応の第一アミンと反応させることによって、非置換のペリレン骨格を有する、非置換、N−アルキル−、N−シクロアルキル−及びN−フェニル置換ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドが得られる。ヨーロッパ特許出願公開第657436号明細書に記載された、N−アルキル置換ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを製造するための他の方法は、非置換のペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドから出発するが、このものは先ず、前記のようにペルレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物から製造することができ、強塩基及び双極性非プロトン溶剤の存在で相応のアルキル臭化物と反応される。この場合にも同様に反応生成物をクロマトグラフィ−にかける。最後にヨーロッパ特許出願公開第657436号明細書によるN−1−ヘキシルヘプチル−及びN−1−オクチルノニルペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドは、中間生成物として製造されたN−2,5−ジ−t−ブチルフェニルペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドと同様にペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物から直接製造することもできる。しかしヨーロッパ特許出願公開第657436号明細書から公知の製造方法も極めて費用がかかりかつN−置換ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを僅かな全収率でしか与えない。ペリレン骨格が置換されたペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドの製造にも適当な方法が未公告のドイツ国特許出願公開第19501737号明細書に記載されている。この場合イミドIは、第三窒素塩基化合物例えばキノリン及び触媒としての亜鉛、銅又はそれらの塩の存在で水を加えることなくペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物と第一アミンを直接反応させることによって得られた。本発明の基礎には、前記の欠点を持たずかつイミド窒素及び/又はペリレン骨格が置換されていてもよいペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを良好な収率及び他の用途にとっても十分な純度で製造することを可能にする、簡素でかつ経済的な方法を提供するという課題がある。それにより一般式I:[式中置換基は次ぎのものを表す:R1は水素;C1〜C8−アルキル;C5〜C8−シクロアルキル;それぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又はシアノによって置換されていてもよいフェニル又はナフチルであり、R2は相互に独立的に水素;C1〜C18−アルキル;それぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又はシアノによって置換されていてもよいアリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ又はヘタリールチオである]で示されるペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを製造する方法が見いだされ、その特徴とするところは、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸又は式II:で示されるその無水物を、不活性希釈剤及び遷移金属触媒の存在で圧力下で式III:R3−CO−NHR1 III[式中R3はC1〜C4−アルキル又は基−NR4R5を表し、ここでR4及びR5は相互に独立的に水素、アルキル−、シクロアルキル−、フェニル−又はナフチル基R1の1つを表しかつ基R1、R4及び/又はR5の1つより多くが水素に等しくない場合には、これらの基は同じものを表す]で示されるアミドと反応させることである。式I、II及びIIIに存在するアルキル基は直鎖でも枝分かれであってもよい。置換されてる芳香族基は、一般には3個までの、好ましくは1又は2個の前記置換基を有することができる。適当な基R1及びR2又はR3、R4又はR5(又はそれらの置換基)の例としては詳細には次ぎのものが挙げられる:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル及びオクタデシル(上記の基名イソオクチル、イソノニル、イソデシル及びイソトリデシルは置換基名であり、オキソ合成により得られたアルコールから由来する−これに関してはUllmanns Encyklopaedie der technischen Chemie,4版,7巻,215−217頁,及び11巻,435及び436頁を参照されたい)、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、t−ペントキシ及びヘキソキシ;フェニル、2−ナフチル、2−、3−及び4−メチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−,3−及び4−エチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジエチルフェニル、2,4,6−トリエチルフェニル、2−、3−及び4−プロピルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジプロピルフェニル、2,4,6−トリプロピルフェニル、2−,3−及び4−イソプロピルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、2−,3−及び4−ブチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジブチルフェニル、2,4,6−トリブチルフェニル、2−,3−及び4−イソブチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジイソブチルフェニル、2,4,6−トリイソブチルフェニル、2−、3−及び4−s−ブチルフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジ−t−ブチルフェニル及び2,4,6−トリ−s−ブチルフェニル;2−、3−及び4−メトキシフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−,3−及び4−エトキシフェニル、2,4−,3,5−及び2,6−ジエトキシフェニル、2,4、6−トリエトキシフェニル、2−、3−及び4−プロポキシフェニル、2,4−、3,5−及び2,6−ジプロポキシフェニル、2−、3−及び4−イソプロポキシフェニル、2,4−及び2,6−ジイソプロポキシフェニル及び2−、3−及び4−ブトキシフェニル;2−、3−及び4−シャン−フェニル;フェノキシ、フェニルチオ、2−ナフトキシ、2−ナフチルチオ、2−、3−及び4−ピリジルオキシ、2−、3−及び4−ピリジルチオ、2−、4−及び5−ピリミジルオキシ及び2−、4−及びピリミジルチオ。ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIを製造するための本発明方法の場合には、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物II(又は相応の酸)は、常用のイミド化反応のように第一アミンとではなく、アミン当量としての式IIIのアミドと反応され、このアミドが反応の目的に適った制御、特に不所望のペリレンテトラカルボン酸ジイミドを生じる妨害的な副反応の十分な阻止も可能にしかつN−C1〜C4−アルキルイミドI及び非置換イミドIの製造も有利に許す。この場合アミドIIIとしては、脂肪族C1〜C4−カルボン酸、特にギ酸及び酢酸の相応のN−置換又は非置換アミド(R1=H)(aの場合)も、尿素(R1=H)及び相応のN−一置換、N,N−及びN,N´−二置換及びN,N,N´−三置換尿素誘導体(R1≠H;bの場合)も適当である。好ましくは、使用された希釈剤中で少なくとも一部分溶解するようなアミドIIIである。それとゆうのもこのようなアミドは反応混合物に有利には反応中に溶液として意識的に(連続的に又は不連続的に)加えることができるからである。カルボン酸アミドIIIaは好ましくは、式IおいてR1が(特に好ましくは)C1〜C4アルキル又はとりわけ水素又はアリールを表す、式Iのペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドの製造のために使用する。尿素誘導体IIIb、二−及び一置換誘導体は、全ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドI、また枝分かれ及び/又は高級アルキル−、シクロアルキル−及びアリールR1を有するようなものの製造のために、有利に使用することができる。特に適当なアミドIIIの例としては詳細には次ぎのもが挙げられる:ホルムアミド、アセトアミド、N−メチル−、N−エチル−、N−n−プロピル−及びN−n−ブチル−、N−フェニル−、N−o−トリル−及びN−p−トリルホルムアミド及び−アセトアミド、尿素、N−メチル−、N−エチル−、N−プロピル−、N−ブチル−、N−ペンチル−、N−ヘキシル−、N−ヘプチル−及びN−オクチル尿素、N,N−及びN,N´−ジメチル−及びN,N−及びN,N´−ジエチル尿素、N−シクロペンチル−、N−シクロヘキシル−、N−シクロヘプチル−、N−シクロオクチル−、N−フェニル−、N−o−トリル−、N−p−トリル−及びN−2−ナフチル尿素。カルボン酸アミドIIIaを使用する場合、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物II:IIIaのモル比は一般に0.5:1〜1.2:1、好ましくは0.9:1〜1.1:1である。尿素及びその誘導体IIIbを使用する場には、II:IIIbのモル比は一般に0.9:1〜2.5:1であり、一−及び三置換尿素の場合には好ましくは0.9:1〜1.1:1であり、尿素自体及び二置換尿素の場合には好ましくは1.8:1〜2.2:1である。ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物II(又は相応の酸)とアミドIIとの本発明による反応は、不活性希釈剤及び遷移金属触媒の存在で圧力下で行う。この場合希釈剤としては、好ましくは第三窒素塩基、例えばN−メチルピロリドンのような環状イミド、第三脂肪族アミンNR3(そのアルキル基RはC原子4〜8個を有する)、例えばトリヘキシルアミン、及びとりわけ芳香族ヘテロ環状化合物、例えばピリジン、キナルジン(Chinaldin)、イソキノリン及び特にキノリンが適当である希釈剤の量はそれ自体重要ではなく、通常はペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物IIIkg当たり2〜12kg、好ましくは4〜8kgである。遷移金属触媒としては、亜鉛及びその塩の他に、とりわけ銅及びその無機及び有機塩であり、これらは好ましくは無水の形で使用される。好ましい塩の例は酸価銅(I)、酸価銅(II)、塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、酢酸銅(II)、アセチルアセトン酸銅(II)、塩基性炭酸銅(II)及び硫酸銅(II)である。もちろんまた前記触媒の混合物も使用することができる。一般に、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物IIに対して20〜150重量%、好ましくは25〜60重量%の触媒を使用する。本発明の製造方法は有利には密閉撹拌圧力がま(オートクレーブ)で自己圧力下で行う。この場合反応の過程で選択された反応条件(例えば反応温度は一般に120〜250℃、好ましくは160〜200℃)に依存して25バールまでの圧力を調整することができる。しかし18バールまでの圧力が好ましい。保護ガス雰囲気(例えば窒素)の使用下に操作することが推奨される。本発明の反応は、通常は2〜30時間、特に3〜12時間で終わる。本発明方法の場合、方法技術的には、アミドIIIを反応温度に加熱する前の反応混合物に1度に加えるか又は使用した希釈剤の一部分中に溶解したアミドIIIを反応温度に加熱した反応混合物に(好ましくは連続的に)供給するように行うことができる。初めに挙げた操作法の場合には、有利には次ぎのように行う:全希釈剤量中のペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物II、触媒及びアミドIIIを受け器に入れ、窒素で圧力装置を洗浄する(約15分)。同装置を閉鎖後に混合物を撹拌下に反応温度に加熱し、この温度でこれを約3〜8時間撹拌する。通常20〜50℃に冷却しかつ減圧した後反応混合物を次ぎの変法の一つにより後処理することができる:後処理変法の場合には、一般に次ぎのように行う:反応混合物に約1倍〜1.5倍量のアルコール、好ましくはメタノールを加え、沈殿した粗製生成物を濾取する。次ぎに粗製生成物を約6〜10倍量の希釈された熱有機塩基(例えば10重量%の炭酸カリウム溶液又は5〜10重量%の苛性カリ液)中で0.5〜1時間撹拌し、再び濾取し、先ず無色になるまで熱水性塩基で洗浄し、次ぎに流出洗浄液が中性になるまで水で洗浄して未反応ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物IIを除去する。他の後処理変法の場合には、一般に次ぎのように行う:反応混合物に約1〜1.5倍量のアルキル酢酸塩、とりわけC1〜C4−アルキル酢酸塩、特に酢酸エチルを加え、沈殿した生成物を濾取し、先ず他のアルキル酢酸塩で無色になるまで洗浄し、次ぎに水で溶剤不含まで洗浄する。触媒を完全に除去するためには、濾過ケークを二つの後処理変法の場合とも次ぎに稀薄無機酸(例えば10〜15重量%の塩酸)中で約0.5〜1時間煮沸する。次ぎにイミドIを、通常のようにして冷却した混合物を濾過し、流出洗浄液が中性になりかつ塩を含まなくなるまで水で洗浄し、乾燥して単離することができる。第二に挙げた操作法の場合には有利には次ぎのように行う:ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物II及び触媒を希釈剤量の一部分(例えば約半分)中にのみ入れ、次ぎに前記と同様に、混合物を窒素での洗浄及び装置の閉鎖後に反応温度に加熱し、次ぎに残りの希釈剤量中に溶解したアミドIIIを一定の容積流で約4〜8時間で供給する。次いで約0.5〜8時間の撹拌後に反応混合物を通常20〜50℃に冷却しかつ減圧する。さらなる後処理は前記と同様に行うことができる。このように処理した生成物Iは、一般にそれ以上の精製が不要であるような高い有価含量(Wertgehalt)(>80%)を有する。しかし有価含量を>98%にまで高めようとする場合には、ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIに未公告のドイツ国特許出願公開第19501737号明細書に記載された精製法を施す、すなわち同イミドを先ずN−メチルピロリドン中で加熱し、次ぎに生成されたN−メチルピロリドン付加物を有機希釈剤(特に脂肪族アルコール、例えばイソプロパノール)の存在で熱時に塩基(特に水性アルカリ金属水酸化物)で処理し、次ぎに単離した生成物に所望の場合にはさらに稀薄無機酸(特に塩酸)での追加的処理を施す。本発明の製造方法を用いることによって、ペリレン骨格で置換された及び非置換のペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを有利には高い収率(一般に>70%)及び良好な純度で簡素にして、経済的に製造することができる。特にまたイミド窒素において非置換の又は低級アルキリ(C1〜C4−アルキル、特にメチル)によって置換されたペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドIも容易に製造することができる。実施例式IIaで示されるペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物から式I:のペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを製造する。例1〜17変法1(V1)1lの撹拌圧力がまでキノリン300ml中のペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物IIa0.15モル、アミドIII0.15モル(例1:尿素0.075モル;例5〜7:ジメチル尿素0.075モル)及び触媒xgの混合物を窒素で15分洗浄した。このかまを気密に閉じた後、かま内容物を撹拌下にT℃に加熱し、この温度でt時間保った。室温に冷却しかつ減圧した後反応混合物にメタノール400mlを加える。このようにして沈殿した粗製生成物をG3−ガラスフリットにより濾取して、キノリン不含までメタノールで洗浄した。さらに精製するためには、粗製生成物を10重量%の熱水性炭酸カリウム溶液500ml中で懸濁し、80℃で1時間撹拌し、再び濾取し、先ず熱炭酸カリウム溶液で無色になるまで洗浄し、次ぎに水で中性になるまで洗浄した。触媒を完全に除去するためには、濾過ケークを次ぎに10重量%の塩酸500ml中で煮沸し、中性でかつ塩不含まで水で洗浄しかつ乾燥した。変法2(V2)1lの撹拌圧力がまで、キノリン250ml中のペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物IIa0.15モル及び触媒Kxgの混合物を窒素で洗浄した。かまを気密に閉鎖した後かま内容物を撹拌下にT℃に加熱した。この温度でキノリン50ml中のアミドIII0.15モルの溶液(例8:溶解度を高めるために+N−メチルピロリドン20ml)をt1時間でポンプにより連続的に供給した。T℃でのt2時間の後撹拌後に、反応混合物を室温に冷却し、減圧しかつ変法V1で記載したように後処理した。それらの実験に関する他の細目及び実験の結果ならびにシリカゲル上での定量的薄層クロマトグラフィーにより高純度の標準に対して溶離剤としてのトリクロロ酢酸/トルオール−混合物(1:3〜1:10v/v)を用いて測定した有価含量は次表にまとめてある。例11に対する注釈:使用した1,7−ジフェノキシペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物は、以前のドイツ国特許出願第19547209.8号明細書に記載されているように、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物を臭素化し、生成された1,7−ジブロモペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物をシクロヘキシルアミンと反応させ、イミド化の際に生成されたN,N´−ジシクロヘキシル−1,7−ジブロモペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミドをフェノールと反応させ、次ぎにN,N´−ジシクロヘキシル−1,7−ジフェノキシペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミドをケン化することによって得られた。 一般式I:[式中置換基は次ぎのものを表す:R1は水素;C1〜C8−アルキル;C5〜C8−シクロアルキル;それぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又はシアノによって置換されていてもよいフェニル又はナフチルであり、R2は相互に独立的に水素;C1〜C18−アルキル;それぞれC1〜C10−アルキル、C1〜C6−アルコキシ又はシアノによって置換されていてもよいアリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシ又はヘタリールチオである]で示されるペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドを製造するに当たり、式II:[式中、R2は前記の意味を表す]で示されるペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物を、不活性希釈剤及び遷移金属触媒の存在下で、閉鎖系で発生する自己圧力下で式III:R3−CO−NHR1 III[式中、R1は前記の意味を表し、R3は水素、C1〜C4−アルキル又は基−NR4R5を表し、ここでR4及びR5は相互に独立的に水素又はR1で定義されたアルキル基、シクロアルキル基、フェニル基又はナフチル基の1つを表しかつ基R1、R4及び/又はR5の1つより多くが水素に等しくない場合には、これらの基は同じものを表す]で示されるアミドと反応させ、その際、前記遷移金属触媒は、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物IIに対して20〜150重量%の量で使用されることを特徴とする、上記ペリレン−3,4−ジカルボン酸イミドの製造方法。 希釈剤として第三窒素塩基性化合物を使用する、請求項1記載の方法。 希釈剤としてキノリン、イソキノリン又はキナルジンを使用する、請求項1又は2記載の方法。 遷移金属触媒として金属銅又は無機もしくは有機銅塩を使用する、請求項1から請求項3までのいずれか1項記載の方法。 120〜250℃で行う、請求項1から請求項4までのいずれか1項記載の方法。