生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_シアノベンズアルデヒドの製造方法
出願番号:1998355582
年次:2009
IPC分類:C07C 253/30,C07C 255/56


特許情報キャッシュ

安田 浩 JP 4335339 特許公報(B2) 20090703 1998355582 19981215 シアノベンズアルデヒドの製造方法 昭和電工株式会社 000002004 内田 幸男 100070792 寺田 實 100094178 菊地 精一 100070378 安田 浩 20090930 C07C 253/30 20060101AFI20090903BHJP C07C 255/56 20060101ALI20090903BHJP JPC07C253/30C07C255/56 C07C 253/30 C07C 255/56 CA(STN) 特開平9−227490(JP,A) 5 2000178241 20000627 8 20050119 爾見 武志 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、一般式(2)で示されるシアノベンズアルデヒド化合物の製法に関する。シアノベンズアルデヒド化合物は医薬、農薬、液晶、機能性高分子モノマーなどの重要な合成中間体である。【0002】【従来の技術】シアノベンズアルデヒド化合物の製法は古くからいくつか知られている。ここでは代表例としてp−シアノベンズアルデヒドの製法をあげる。▲1▼p−シアノベンズアルデヒドは、古典的には、p−シアノ安息香酸をチオニルクロライドなどの塩素化剤でp−シアノベンゾイルクコライドに変換し、それをローゼムンド(Rosenmund)還元することにより合成されていた(Rapoport et a1.,J.Am.Chem.Soc.,75<1953>1125)。▲2▼p−ブロモメチルベンゾニトリルをクロロホルム中でヘキサメチレンテトラミンと反応させた後、析出した塩を酢酸一水溶媒で加熱分解する方法がある(Dyer et a1.,J‐Chem.Soc.,<1952>4778)。▲3▼この変法として、p−クロロメチルベンゾニトリルとへキサメチレンテトラミンとを油水二層系で反応させる(特開昭60−166655)方法も知られている。▲4▼また、シアノベンジルアミン類を直接酸化する方法が知られており、p−シアノベンジルアミンを、2,6−ルチジン、過塩素酸塩存在下、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシドをメディエーターとして電解酸化する方法(Semmelhack et a1.,J‐Am.Chem.Soc.,105<1983>6732)がある。▲5▼さらに、p−シアノ−N,N−ジメチルベンジルアミンを触媒量の鉄一ポルフィリン錯体存在下、ヨードシルベンゼンにより酸化する方法が知られている(Smith et al.,J‐Chem.Soc.Chem.Commun.,<1985>64)。【0003】上記したように、p−シアノベンズアルデヒドのそれぞれの合成法では下記のの問題点を有している。▲1▼のRosenmund還元法では、原料のp−シアノ安息香酸の合成に多段階を要し原料が入手し難い。▲2▼及び▲3▼のp−ハロゲノメチルベンゾニトリルを原科とする合成方法では、原料の入手が困難なうえ、化学量論量以上のヘキサメチレンテトラミンを必要とするため副生する廃棄物が多く、環境上の問題点がある。また、▲4▼のp−シアノベンジルアミンの電解酸化では、8倍量の三級アミンが必要なうえ、酸化メディエーターが20%mo1量要し、反応の進行に伴い分解するという問題があり、安価に大量に製造する方法として適当でない。さらに、▲5▼のp−シアノ−N,N−ジメチルベンジルアミンの酸化では、酸化剤を化学量論量必要なうえ、高価で分解しやすいポルフィリン錯体触媒を用いるため、経済的な方法ではない。【0004】【発明が解決しようとする課題】 上記のように、p−シアノベンズアルデヒドは、従来知られている技術では合成が繁雑で高純度体を得るのが困難であり、また原料の入手も容易ではないという問題があった。 本発明は、一般式(2)のシアノベンズアルデビド化合物を、入手が容易な原料から、少ない反応段階で、少ない副生物で合成できる工業的に有利な方法により製造することにあり、特に医薬の合成中間体として有用なp−またはm−シアノベンズアルデヒドを高純度且つ高収率で製造することを主たる課題とする。【0005】【課題を解決するための手段】 本発明者は、一般式(1)で示されるシアノベンジルアミン化合物を出発原料として、ベンゼン環上のシアノ基を損なうことなく、アミノメチル基(−CH2 NH2 )をアルデヒド基(−CHO)に変換することにより、上記目的を達成することができた。 すなわち、本発明は以下の発明に関する。 [1] 一般式(1)【化4】 (式中、−CH2 NH2 と−Xはベンゼン環上の置換基を表わし、−CH2 NH2 は−CNのm位あるいはp位であり、−Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0〜4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同一であっても異なっていても良い。)のシアノベンジルアミン化合物と過硫酸塩を水溶液中で反応をおこなわせることを特徴とする一般式(2)【化5】 (式中、−CHOと−Xはベンゼン環上の置換基を表わし、−CHOは−CNのm位あるいはp位であり、−Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0〜4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同一であっても異なっていても良い。)のシアノベンズアルデヒド化合物の製造方法、 [2] 過硫酸塩が、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウムからなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする上記[1]に記載のシアノベンズアルデヒド化合物の製造方法、 [3] 反応を、水と有機溶媒との混合溶媒中でおこなわせる上記[1]または[2]のいずれかに記載のシアノベンズアルデヒド化含物の製造方法、 [4] 有機溶媒が、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジオキサン及び1,2−ジメトキシエタンからなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする上記[3]3に記載のシアノベンズアルデヒド化合物の製造方法、 [5] 一般式(1)のシアノベンジルアミン化合物が、m−シアノベンジルアミン、p−シアノベンジルアミン、3−シアノ−2,4,5,6−テトラクロロベンジルアミン、4−シアノ−2,3,5,6−テトラクロロベンジルアミン、3−シアノ−2,4,5,6−テトラフルオロベンジルアミン、4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアミンからなる群から選ばれる一種以上であり、一般式(2)のシアノベンズアルデヒドが対応するm−シアノベンズアルデヒド、p−シアノベンズアルデヒド、3−シアノ−2,4,5,6−テトラクロロベンズアルデヒド、4−シアノ−2,3,5,6−テトラクロロベンズアルデヒド、3−シアノ−2,4,5,6−テトラフルオロベンズアルデヒド、4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンズアルデヒドであることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載のシアノベンズアルデヒド化合物の製造方法、及び [6] 上記[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法で製造されることを特徴とする一般式(2)【化6】 (式中、−CHOと−Xはベンゼン環上の置換基を表わし、−CHOは−CNのm位あるいはp位であり、−Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0〜4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同一であっても異なっていても良い。)のシアノベンズアルデヒド化合物、を開発することにより上記の目的を達成した。【0006】【発明の実施の形態】本発明における反応方法は、好ましくはシアノベンジルアミン化合物、過硫酸塩及び水を反応容器に仕込み、所定の反応温度で、所定の時間加熱、攪拌することによりおこなわれる。原料の仕込およひ反応は、大気圧下でおこなうことができる。反応器としてはガラスまたは耐酸金属容器が適する。【0007】これまでベンジルアミンのアミノメチル基を過硫酸塩により酸化するときは、その反応メカニズムは完全には解明されていないが、ベンジルアミンの二量体が形成され、ベンズアルデヒドを得ることはできなかった。これに対し、本発明において使用されるp−またはm−位にシアノ基を有するシアノベンジルアミン化合物の場合は、シアノ基が置換されていないベンジルアミンとは異なりシアノベンジルアミン化合物の二量体が形成されにくく、また生成したシアノベンズアルデヒド化合物のアルデヒド基も過硫酸塩に対し比較的安定であって、過硫酸はアルデヒド基よりもアミノメチル基を優先的に酸化するものと思われる。【0008】本発明の反応機構については、次のように進行するものと推定している。以下過硫酸ナトリウム酸化によるp−シアノベンジルアミンからp−シアノベンズアルデヒドへの反応を例にとり説明する。本発明の詳細な反応機構はまだ十分に解明していないが、実験結果から推定すると、過硫酸ナトリウムはシアノベンジルアミン化合物から脱水素反応をおこし、対応するイミンを生じる。このときイミンは液性(中性〜塩基性)により二量化をおこしたり、未反応のp−シアノベンジルアミンと反応し、イミンの二量体が生ずる。この傍証として、参考例にあるように過硫酸ナトリウムとp−シアノベンジルアミンの反応系に重曹などの塩基を加え、反応系の液性を中性〜塩基性に保つとp−シアノベンジルアミン化合物の二量体(イミンの脱アンモニア二量化)が選択的に得られ、p−シアノベンズアルデヒドは全く得られない。しかし、本発明においては、p−シアノベンジルアミンの脱水素反応により過硫酸ナトリウムは硫酸第一水素ナトリウムとなり、反応系内は酸性となる。酸性でイミンおよび二量体は加水分解しp−シアノベンズアルデヒドが生ずる。【0009】本反応で用いられるシアノベンジルアミン化含物としては、無置換のシアノベンジルアミン化合物はp−シアノベンジルアミン、m−シアノベンジルアミンであり、それぞれテレフタロニトリルおよびイソフタロニトリルの2つのニトリル基のうちの1つのニトリル基を還元すること(特公昭40−10133)で容易に合成できる。ハロゲンで置換されたシアノベンジルアミン化合物は、4−シアノ−2,3,5,6−テトラクロロベンジルアミン、3−シアノ−2,4,5,6−テトラクロロベンジルアミンなどの塩素化シアノベンジルアミン化合物は、テレフタロニトリルまたはイソフタロニトリルの塩素化により得られるテトラクロロテレブタロニトリルなどの塩素化テレフタロニトリル化合物またはテトラクロロイソフタロニトリルなどの塩素化イソフタロニトリル化合物の2つのニトリル基のうちの1つのニトリル基を還元することにより容易に合成できる。【0010】4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアミン、3−シアノ−2,4,5,6−テトラフルオロベンジルアミンなどのフッ素化シアノベンジルアミン化合物は、テトラクロロテレフタロニトリルなどの塩素化テレフタロニトリル化合物またはテトラクロロイソフタロニトリルなどの塩素化イソフタロニトリル化合物のフッ素化反応で得られるテトラフルオロテレフタロニトリルなどのフッ素テレフタロニトリル化合物またはテトラフルオロイソフタロニトリルなどのフッ素化イソフタロニトリル化合物の2つのニトリル基のうち1つのニトリル基を還元反応で容易に合成できる。本発明においては、好ましくはシアノベンジルアミン化合物としてp−シアノベンジルアミンまたはm−シアノベンジルアミンが使用され、各々対応するp−シアノベンズアルデヒドまたはm−シアノベンズアルデヒドが合成できる。【0011】本発明で使用する過硫酸塩としては過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどを用いることができる。本反応系では、過硫酸塩の消耗にともない、反応系は徐々に酸性を強める。酸性においては過硫酸塩は徐々に分解するので、反応を完全に進行させるためには、過硫酸塩はシアノベンジルアミン化合物に対して若干過剰量を使用することが良い。過硫酸塩の量としては、シアノベンジルアミン化合物に対して、モル比で1〜l.8、望ましくは1.1〜1.4使用することである。【0012】本反応は水系溶液で反応を行うことが必要である。反応溶媒として水単独を使用して反応させたときには、溶液から反応原料、中間体、生成物などが析出する場合があるので、原料や生成物などの析出を防ぐために有機溶媒を併用することができる。例えば、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、メタノール、エタノールなどのアルコール類、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類等の有機溶媒を使用することができる。反応はアセトニトリルやエタノールを加え均一溶液にしておこなってもよいし、トルエンや1,2一ジクロロエタンを用いて二層系にして行ってもよい。精製に使用する溶媒に応じて反応系の溶媒を選択すればよい。【0013】本反応に使用する溶媒量は、シアノベンジルアミン化合物の重量の3〜30倍が好適であり、好ましくは5〜10倍が望ましい。反応温度は低すぎると反応速度が遅く、また高すぎると生成したシアノベンズアルデヒド化合物が分解し収率が低くなるため、20℃〜110℃で行うことができるが、好ましくは40℃〜80℃の間を選択する。反応時間は、原料化合物、反応温度、溶媒の組成などにより影響され一定とすることはできないが、通常は20分〜10時間が好適である。【0014】【実施例】以下、実施例を用いてさらに詳しく本発明を説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。[分析方法]高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析条件カラム: Shodex(昭和電工(株)の登録商標) DE一513L+ブレカラム溶離液: 水/アセトニトリル/酢酸=2250/750/15(m1)1−オクタンスルホン酸ナトリウム6.45g条 件: 流量1ml/min UV254nmカラムオーブン40℃【0015】(実施例1)反応容器にp−シアノベンジルアミン13.2g、過硫酸ナトリウム28.6g、水10ml及びメタノール100m1を供給し、攪拌混合しながら50℃、40分反応させた。室温に冷却した後、メタノールを留去した。固体が析出してくるが、その懸濁液にジグロロメタンを加え、抽出した。有機層を飽和重曹水で2回、水で2回洗浄したのち、硫酸マグネシウムを加えた。ジクロロメタンを留去した残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液、ヘキサン/酢酸エチル=5/1;vol/vol)にかけ、ヘキサン、酢酸エチルを留去した。濃縮乾固した粗生成物をシクロヘキサンから再結晶し、結晶をろ取し、乾燥してp−シアノベンズアルデヒド7.7g(収率58%)を得た。ガスクロマトグラフおよび高速液体クロマトグラフの分析により測定されたp−シアノベンズアルデヒドの純度は99%以上であった。【0016】(実施例2)m−シアノベンジルアミン13.2g、過硫酸ナトリウム23.8g、水200mm1を混合し、獲拝させながら70℃で2時間反応させた。室温に冷却した後、重曹を加え溶液を弱アルカリ性にした。実施例1と同様の分液、カラム、再結晶操作をおこなってm−シアノベンズアルデヒド6.7g(収率51%)を得た。純度は98%であった。【0017】(参考例)(p−シアノベンジルイミンの二量化)p−シアノベンジルイミン2.0g、過硫酸ナトリウム4.3g、炭酸水素ナトリウム3.0g、水40mlを混合し、攪拌しながら50℃で4時間反応させた。析出した固体をろ取し、水洗後乾燥してp−シアノベンジルアミンの二量体1.7g(収率92%)を得た。HPLC面積百分率は95%であった。【0018】【発明の効果】本発明によれば、フタロニトリル化合物から容易に得られるシアノベンジルアミン化合物を安価な過硫酸塩で酸化することにより、シアノベンジルアミンの二量体を形成することなく、少ない反応段階で、かつ処理に面倒な副生物を生成することなく、安価で、簡便に純度の高いシアノベンズアルデヒド化合物を収率良く製造することができる。 一般式(1) (式中、−CH2 NH2 と−Xはベンゼン環上の置換基を表わし、−CH2 NH2 は−CNのm位あるいはp位であり、−Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0〜4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同一であっても異なっていても良い。)のシアノベンジルアミン化合物と過硫酸塩を水溶液中で反応をおこなわせることを特徴とする一般式(2) (式中、−CHOと−Xはベンゼン環上の置換基を表わし、−CHOは−CNのm位あるいはp位であり、−Xは塩素原子またはフッ素原子を表わし、nは0〜4の整数を表わす。ただし、nが2以上の場合、Xは同一であっても異なっていても良い。)のシアノベンズアルデヒド化合物の製造方法。 過硫酸塩が、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム及び過硫酸カリウムからなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1に記載のシアノベンズアルデヒド化合物の製造方法。 反応を、水と有機溶媒との混合溶媒中でおこなわせる請求項1または2のいずれかに記載のシアノベンズアルデヒド化含物の製造方法。 有機溶媒が、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジオキサン及び1,2−ジメトキシエタンからなる群から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項3に記載のシアノベンズアルデヒド化合物の製造方法。 一般式(1)のシアノベンジルアミン化合物が、m−シアノベンジルアミン、p−シアノベンジルアミン、3−シアノ−2,4,5,6−テトラクロロベンジルアミン、4−シアノ−2,3,5,6−テトラクロロベンジルアミン、3−シアノ−2,4,5,6−テトラフルオロベンジルアミン、4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンジルアミンからなる群から選ばれる一種以上であり、一般式(2)のシアノベンズアルデヒドが対応するm−シアノベンズアルデヒド、p−シアノベンズアルデヒド、3−シアノ−2,4,5,6−テトラクロロベンズアルデヒド、4−シアノ−2,3,5,6−テトラクロロベンズアルデヒド、3−シアノ−2,4,5,6−テトラフルオロベンズアルデヒド、4−シアノ−2,3,5,6−テトラフルオロベンズアルデヒドであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のシアノベンズアルデヒド化合物の製造方法。


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る