タイトル: | 特許公報(B2)_半導体装置用機械荷重試験方法 |
出願番号: | 1998271603 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,G01N3/34,G01M19/00,G01R31/02 |
廣畑 賢治 川村 法靖 JP 3618559 特許公報(B2) 20041119 1998271603 19980925 半導体装置用機械荷重試験方法 株式会社東芝 000003078 竹花 喜久男 100075683 廣畑 賢治 川村 法靖 20050209 7 G01N3/34 G01M19/00 G01R31/02 JP G01N3/34 C G01M19/00 Z G01R31/02 7 G01N 3/00-3/62 G01M 19/00-19/02 G01R 31/00-31/44 H01L 21/66 JICSTファイル(JOIS) 特開平9−243702(JP,A) 特開平8−111360(JP,A) 特開平7−27810(JP,A) 特開平4−175671(JP,A) 特開平10−213531(JP,A) 実開昭60−173053(JP,U) 実開昭55−5356(JP,U) 実開昭52−116981(JP,U) 実開平3−109148(JP,U) 3 2000097833 20000407 6 20010326 ▲高▼見 重雄 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置用機械荷重試験方法に関するものである。【0002】【従来の技術】周知のように、最近では半導体装置を実装したあらゆる機器の高機能化および多機能化が進んでいる。これに伴って半導体チップの高集積化、大規模化が一層進み、この半導体チップを搭載した半導体パッケージと回路基板とを接続する電気的接続部の数が大幅に増加する傾向にある。【0003】ところで、半導体パッケージを回路基板に実装する形態としては、ピン挿入実装形と表面実装形とに大別される。表面実装形の半導体パッケージはリード形状によって幾つかに分類される。最近では、半導体パッケージを回路基板に対して電気接続用はんだバンプを用いて直接接続するBGA(Ball Grid Array)型半導体パッケージが広く用いられつつある。BGA型半導体パッケージは実装面積の低減に有効であり、半導体装置の小型化に適している。図4(a)には従来のBGA型の半導体パッケージ1を回路基板2に実装した半導体装置3の模式的な断面図が示されている。図4(b)は半導体装置3を上から見た図が示されている。半導体パッケージ1は、内部に半導体チップ4を搭載している。半導体パッケージ1は偏平に形成されており、一方の表面に複数の外部電極5を格子状に露出させている。これら外部電極5は、多いものでは1000個程度の数となる。これら外部電極5と半導体チップ4とはパッケージ内において電気的に接続されている。最近では、図5のようにバンプ部の応力を緩和するためにバンプ周辺を充填樹脂(アンダーフィル)で封止・固着するタイプの半導体装置も存在する。【0004】各はんだバンプ6は、図4(a)に示すように、外部電極5の表面に、たとえば、はんだペーストを印刷した後にリフローして形成されている。そして、半導体パッケージ1を回路基板2に対して位置決め搭載した後に、リフロー処理によって各はんだバンプ6を溶融させて各外部電極5と回路基板2に対応して設けられた電極とをはんだ付けしたものとなっている。しかしながら、上記のようにBGA型の半導体パッケージ1を回路基板2に実装した従来の半導体装置3にあっては次のような問題があった。【0005】すなわち、半導体装置3には、自身で発生した熱や環境温度の変動に起因して、温度変動が繰り返し生じる。このとき、半導体パッケージ1と回路基板2との間には、両者の線膨張率差に起因した相対変位が生じる。その結果、接続部であるはんだバンプ6に熱応力が繰り返し生じ、これらのはんだバンプ6が熱疲労破壊する場合があった。因みに、たとえばエポキシ系樹脂の回路基板の線膨張率は13〜18×10−6/℃程度であり、プラスチック樹脂系の半導体パッケージの線膨張率はエポキシ系樹脂の回路基板の線膨張率に比較的近い値をもつことが多いが、両者が完全に一致することは極めて希である。また、セラミック系材料の半導体パッケージの線膨張率は4〜6×10−6/℃程度であり、エポキシ系樹脂の回路基板の線膨張率との差が著しく大きい。上述の如く、半導体パッケージを電気接続用のバンプを介して回路基板に直接実装するようにした従来の半導体装置にあっては、温度変動によって接続部であるバンプに熱応力が繰り返し生じ、これらバンプが熱疲労破壊する場合があり、機械的および電気的な接続の信頼性低下を招く問題があった。従来より、半導体装置の信頼性を立証するための加速試験として冷熱サイクル試験が行われている。最近では、半導体装置の冷熱サイクル試験に代わる信頼性試験として、機械荷重による疲労試験法が提案されている。【0006】【発明が解決しようとする課題】従来、機械荷重による疲労試験には、四点曲げや三点曲げという主に二次元的な変形を誘起することを目的とする試験装置が用いられてきた。図3に三点曲げ試験の模式図を示している。図6(a)は三点曲げ試験装置の断面図、(b)は上から見た図、(c)は概念図を示している。三点曲げあるいは四点曲げ試験法は、矩形形状試験片の奥行き方向の寸法より大きい奥行きを持つ二辺の支持点上に試験対象物を置き、試験片表面側の奥行き方向の一辺あるいは二辺に負荷を与え、一方向にのみ曲げを発生させることを目的とした試験法である。そのため、支持辺に垂直な試験片の断面では、曲げ変形を生じさせることができるが、奥行き方向にはほとんど曲げ変形が生じない。しかしながら、電子デバイスが熱負荷を受ける場合、変形は三次元的となる場合が多く、従来の三点曲げあるいは四点曲げ試験の場合の試験片に発生する応力分布と、熱負荷時の電子デバイスに発生する応力分布を比較すると、例えば角部のはんだ接合部応力分布に関し、必ずしも一致しない場合がある。【0007】【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置用機械荷重試験方法は、加重印加部、試験片支持部からなる機械荷重曲げ試験機において、内部に半導体チップが搭載され、表面に複数の外部電極が形成された半導体パッケージがはんだバンプ接合部を介して回路基板に実装された半導体装置に、前記接合部の電気的導通情報を取得しつつ機械荷重を繰り返し印加し、複数方向に曲げを発生させることにより、三次元的な曲げ変形を誘起することを特徴とするものである。【0008】【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1、2、3により説明する。【0009】【実施例】試験片となる半導体装置3の模式図を図4および図5に示している。試験片には、正方形型の回路基板上の中心部にはんだバンプを介しチップと接合されている構造の半導体パッケージや、マザーボード中心部に半導体パッケージが表面実装された電子デバイスが挙げられる。図1(a)は試験装置の断面図、(b)は試験片支持部を上から見た図、(c)は試験装置の概念図を示している。図1に示すように試験片は四点で支持されている。変位発生用のツール2により試験片中央部に集中荷重が負荷され、試験片には三次元的な変形が生じる。これにより、熱負荷時の変形モードにより近くなる。ロードセルにより検出した荷重と、変位計により検出した変位量との関係図を取得する。繰り返し変形を与える場合、同時に接合部の電気的導通を確認するために電気抵抗を測定する。【0010】機械荷重により三次元的な変形を誘起する別の方法として図2に示す方法も考えられる。図2(a)は試験装置の断面図、(b)は試験片支持部を上から見た図、(c)は試験装置の概念図を示している。上記実施例の試験片裏面に低弾性率材16を貼り剛体平面上に設置後、試験片上部から負荷することにより三次元的な変形を誘起する試験法である。この場合も、ロードセルにより検出した荷重と、変位計により検出した変位量との関係図を取得する。繰り返し変形を与える場合、同時に接合部の電気的導通を確認するために電気抵抗を測定する。【0011】三つ目の実施例を図3に示す。図3(a)は試験装置の試験片支持部を上から見た図、(c)は試験装置の概念図を示している。図3に示すように試験片は円周支持されている。変位発生用のツール2により試験片中央部に集中荷重が負荷され、試験片には三次元的な変形が生じる。これにより、熱負荷時の変形モードにより近くなる。ロードセルにより検出した荷重と、変位計により検出した変位量との関係図を取得する。繰り返し変形を与える場合、同時に接合部の電気的導通を確認するために電気抵抗を測定する。【0012】【発明の効果】本発明の電子デバイス用試験方法によれば、はんだ接合部の疲労試験に三次元的な変形効果を盛り込んだ試験が可能となる。また、バンプ接合部での応力を緩和するためにアンダーフィル(充填樹脂)で固着、封止される構造となっているフリップチップ実装において、アンダーフィル部の強度試験・疲労試験として有効な可能性がある。【図面の簡単な説明】【図1】本発明の実施例1の構成を示す図である。【図2】本発明の実施例2の構成を示す図である。【図3】本発明の実施例3の構成を示す図である。【図4】半導体装置の模式図1(試験片例1)である。【図5】半導体装置の模式図2(試験片例2)である。【図6】従来例(三点曲げ試験模式図)である。【符号の説明】1:半導体パッケージ、2:回路基板、3:半導体装置、4:チップ、5:電極、6:はんだバンプ、7:充填樹脂(アンダーフィル)、8:支持台、9:支持部、10:荷重印可機構部、11:ロードセル、12:動ひずみアンプ、13:変位計、14:レコーダ、15:接合部電気抵抗測定器、16:低弾性率材 加重印加部、試験片支持部からなる機械荷重曲げ試験機において、内部に半導体チップが搭載され、表面に複数の外部電極が形成された半導体パッケージがはんだバンプ接合部を介して回路基板に実装された半導体装置に、前記接合部の電気的導通情報を取得しつつ機械荷重を繰り返し印加し、複数方向に曲げを発生させることにより、三次元的な曲げ変形を誘起することを特徴とする半導体装置用機械荷重試験方法。 前記半導体装置は、三点又は三辺以上の試験片支持部によりその裏面が支持され、その表面側中央部に集中荷重が負荷されることを特徴とする請求項1に記載された半導体装置用機械荷重試験方法。 前記半導体装置は、その裏面に低弾性率材が貼付され、剛体平面上に設置された後、その表面側に荷重が負荷されることを特徴とする請求項1に記載された半導体装置用機械荷重試験方法。