生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_凍結乾燥法
出願番号:1998236186
年次:2007
IPC分類:A61K 9/14,A61J 3/00,A61K 47/02,A61K 31/515


特許情報キャッシュ

松田 三郎 伊藤 隆弘 JP 3899694 特許公報(B2) 20070112 1998236186 19980824 凍結乾燥法 田辺製薬株式会社 000002956 石津 義則 100115473 松田 三郎 伊藤 隆弘 20070328 A61K 9/14 20060101AFI20070308BHJP A61J 3/00 20060101ALI20070308BHJP A61K 47/02 20060101ALI20070308BHJP A61K 31/515 20060101ALI20070308BHJP JPA61K9/14A61J3/00 300CA61K47/02A61K31/515 A61K 9/00-9/72 A61K 47/00-47/48 CA,REGISTRY(STN) 特開平04−338332(JP,A) 特開平03−264531(JP,A) 特表2002−516850(JP,A) 13 2000072661 20000307 9 20030205 小堀 麻子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は凍結乾燥時に剛性容器の破損を抑制する方法に関する。【0002】【従来の技術】凍結乾燥法は医薬品等の製造において頻繁に使用されている技術であり、とりわけ、注射剤等の製造においては薬剤を含む液剤を滅菌したアンプル、バイアル、シリンジ等に充填して凍結乾燥することにより凍結乾燥製剤を製造し、滅菌容器中に充填した凍結乾燥製剤の形で販売し、用時、滅菌した水等を加えて溶解し、患者に投与することが頻繁に行われている。【0003】このような滅菌容器中に充填した凍結乾燥製剤の自動化された製造工程において、容器の破損は連鎖的な容器破損、製造機械の損傷等を生じ易く、生産性の大きな低下につながる。一方、容器の強度を向上させるために容器の厚さを増加させると容器の製造コストが上昇するだけでなく、製品の重量増加により運搬効率の低下を招くこととなり、また、用時に、開口操作が必要なアンプル剤などでは強度向上により開口が困難になるなどの問題を引き起こすこととなる。【0004】ジャーナル・オブ・パレンテラル・サイエンス・アンド・テクノロジー(Journal of Parenteral Science & Technology)第45巻、第2号第94頁(1991年)には、D-マンニトール水溶液をバイアル中に充填して凍結乾燥する際に、バイアルの破損が生じ易いこと及び塩化ナトリウム、塩化カリウム等をD-マンニトールに対し、0.05%(w/w)以上添加することにより、破損を抑制することができることが報告されている。【0005】しかし、このジャーナル・オブ・パレンテラル・サイエンス・アンド・テクノロジーにはD−マンニトール異性体の水溶液を凍結乾燥する際のバイアル破損傾向がD−マンニトール水溶液の場合とは異なること及び糖類であってもラクトースは破損抑制効果を有することも報告されている。【0006】また、特開平8−126685号には、デキストラン類の水溶液を凍結乾燥する際にバイアルの破損が生じ易いこと及び特殊な形状のバイアルを使用すれば、破損を抑制できることが記載されている。【0007】しかしながら、糖類以外の水溶液を凍結乾燥する際の容器破損については、報告されていない。【0008】【発明が解決しようとする課題】本発明は、炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩を溶解した水性液剤を剛性容器中で凍結乾燥する際、剛性容器の破損を抑制する方法を提供するものである。【0009】【課題を解決するための手段】本発明の発明者らは、剛性容器に、炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩を溶解した水性液剤を充填して凍結乾燥を行うと剛性容器の破損を生じ易いこと及びかかる水性液剤に塩化アルカリ金属、塩化アルカリ土類金属又は硫酸アルカリ金属を添加しておけば、剛性容器の破損が抑制できることを見出し、本発明の方法を完成した。【0010】本発明は、炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩が溶解した水性液剤を剛性容器中で凍結乾燥するに際し、塩化アルカリ金属、塩化アルカリ土類金属及び硫酸アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩を添加することにより、剛性容器の破損を抑制する方法に関する。【0011】一般に、酸性領域で溶解度が低下する薬剤を含む注射用凍結乾燥製剤等を製造する際には、薬剤をアルカリ金属塩等の薬理的に許容しうるアルカリ性塩とし、又はアルカリ性条件で凍結乾燥することが頻繁に行われており、かかる凍結乾燥に際しては、凍結乾燥の段階で炭酸アルカリ金属又は炭酸水素アルカリ金属を添加しておくことが望ましいため、本発明の方法は酸性領域で溶解度が低下する薬剤を含む注射用凍結乾燥製剤等を製造する際にとりわけ有用である。【0012】【発明の実施の形態】本発明の方法において、凍結乾燥時に使用する剛性容器とは、容器自体の変形によって内容物の体積膨張を吸収できず、凍結乾燥時に物理的に破損を生じやすい容器をいい、ガラス(例えば、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス)、硬質合成樹脂(例えば、ポリスチレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂)等の硬質物質で形成されたものがあげられ、これら硬質物質で形成された容器を他の軟質樹脂でコーティングしたものも含まれる。また、硬質容器は透明であっても、着色されたものでも、遮光されたものであってもよい。かかる剛性容器のうち、凍結乾燥品が吸湿しない点で水分の透過性が低いガラス製のものが好ましい。【0013】また、凍結乾燥時に使用する剛性容器の形態としては、炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩を溶解した水性液剤を凍結乾燥できるものであれば如何なる形態のものであってもよいが、一般に、医薬品の製造においては、アンプル、バイアル、シリンジ等の形態で使用されることが多く、とりわけ、比較的物理的強度が低い方が開口時に好都合なアンプルの場合に、本発明の凍結乾燥法は特に優れた破損抑制効果を発揮することができる。【0014】炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩を溶解した水性液剤としては、薬剤の水溶液(例えば、不飽和水溶液、飽和水溶液、過飽和水溶液)、薬剤の水性サスペンジョン(例えば、リポソームサスペンジョン)、薬剤の水性エマルジョン(例えば、リピッドマイクロスフェアエマルジョン)があげられる。【0015】また、これら水性液剤には薬剤以外に、溶解補助剤[例えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(ポリソルベート80)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(HCO−60)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)、ソルビタン脂肪酸エステル(スパン80)]、安定化剤[例えば、チオグリセロール、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸水素ナトリウム、ニコチン酸]、分散補助剤[例えば、デキストリン、ゼラチン]、乳化剤[例えば、卵黄レシチン、大豆レシチン]、pH調製剤[例えば、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウム]、抗酸化剤[例えば、塩酸システイン、トコフェロール、アスコルビン酸]、等張化剤[例えば、グリセリン、グルコース]、保存剤[例えば、クロロブタノール、フェノール、パラベン、安息香酸]、有機溶媒[例えば、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール]等が含まれていてもよい。【0016】炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩を溶解した、薬剤の水溶液、薬剤の水性サスペンジョン、薬剤の水性エマルジョンにおける薬剤の含有率は凍結乾燥しうる範囲であれば制限がないが、工業的には水性液剤1リットル当たり 0〜200g、とりわけ、水性液剤1リットル当たり0〜20gの薬剤が含まれているものが好ましい。【0017】これら炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩を溶解した水性液剤のうち、これら塩を溶解した薬剤の水溶液が好ましい。【0018】本発明の凍結乾燥法を適用する水性液剤に含まれる薬剤としては、炭酸アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属、塩化アルカリ金属、塩化アルカリ土類金属、硫酸アルカリ金属と反応して分解・変性するものでなければよく、アルカリ性で水溶性が向上するものが好ましい。これら薬剤は化合物であってもよく、その薬理的に許容しうるアルカリ性塩であってもよいが、アルカリ性で水溶性が向上する薬剤化合物又は薬理的に許容しうるアルカリ性塩の形で使用される薬剤である場合が好ましい。【0019】かかる薬剤の具体例としては、つぎのようなものをあげることができる。【0020】麻酔剤(例えば、チオペンタール、チイアミラール、アモバルビタール等のバルビタール系薬物及びその塩)、止血剤(例えば、カルバゾクロムスルホン酸、トラネキサム酸及びその塩類)、抗凝血剤(例えば、ワルファリン及びその塩類)、消炎・鎮痛剤(例えば、ナプロキセン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、アセチルサリチル酸、サリチル酸及びその塩類)、抗炎症剤(例えば、フェニルブタゾン及びその塩類)、痛風治療剤(例えば、4−ヒドロキシ−8−(3−メトキシ−4−フェニルスルフィニルフェニル)ピラゾ[1,5−a]−1,3,5−トリアジン、スルフィンピラゾン、プロベネシト及びその塩類)、鎮痙剤(例えば、フェニトイン及びその塩類)、抗アレルギー剤(例えば、クロモグリク酸、アンレキサノクス、トラニラスト及びその塩類)、抗喘息薬(例えば、テオフィリン、テオブロミン及びその塩類)、抗生物質(例えば、セフロキシム、アスポキシシリン、セフタジジム、セファゾリン、セファロリジン及びその塩類)、抗菌剤(例えば、エノキサシン、ナリジクス酸及びその塩類)、利尿剤(例えば、カンレノ酸、ピレタニド、ヒドロクロロメチアジド、トリクロロメチアジド、セフロミド、ブメタニド及びその塩類)、抗腫瘍剤(例えば、メトトレキセート、メルカプトプリン、フルオロウラシル及びその塩類)、抗ウイルス剤(例えば、イドクスウリジン及びその塩類)、ホルモン剤(例えば、エチニルエストラジオール、チオチロニン及びその塩類)、抗甲状腺薬(例えば、プロピルチオウラシル及びその塩類)、造影剤(例えば、アジピオドン、アミドトリゾ酸、イオタラム酸及びその塩類)、ビタミン剤(例えば、ニコチン酸、葉酸及びその塩類)水性液剤に溶解された炭酸アルカリ金属としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムがあげられ、このうち、炭酸ナトリウムを使用するのが好ましい。炭酸水素アルカリ金属としては、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムがあげられる。炭酸アルカリ金属塩は水中では炭酸水素アルカリ金属との平衡関係にあり、炭酸アルカリ金属塩、炭酸水素アルカリ金属のいずれか又は両方が溶解した水性液剤を凍結乾燥する際に本発明の方法は適用できる。【0021】また、炭酸アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属を直接溶解させるだけでなく、水性液剤中でこれらの塩を溶解したと同様の結果を生じる場合(例えば、水酸化アルカリ金属及び炭酸ガスを溶解させた場合)も、炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩を溶解させた水性液剤に含まれる。水性液剤に溶解させる炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩の量は、水性液剤に、塩化アルカリ金属等を添加しない場合に剛性容器の破損を生じやすくさせる濃度であり、剛性容器の強度にもよるが、通常、0.005〜10%(w/v)であり、0.1〜6%(w/v)であるのが好ましい。【0022】一方、剛性容器の破損を抑制するために添加する塩化アルカリ金属、塩化アルカリ土類金属及び硫酸アルカリ金属としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム;塩化マグネシウム、塩化カルシウム;硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムを具体的にあげることができる。これらも炭酸アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属の場合と同様、水性液剤中に溶解された場合にこれら塩を溶解したと同様の結果を生じる場合(例えば、水酸化アルカリ金属及び塩化水素ガスを溶解させた場合)も、水性液剤に塩化アルカリ金属等を添加する場合に含まれる。【0023】剛性容器の破損を抑制するために添加する塩化アルカリ金属、塩化アルカリ土類金属及び硫酸アルカリ金属は、1種のみでも、これら塩の混合物であっても良いが、塩化アルカリ金属及び硫酸アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩を添加するのが好ましく、とりわけ、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウムを添加するのが好ましく、塩化ナトリウムを添加するのが最も好ましい。【0024】剛性容器の破損を抑制するために添加するこれらの塩は、剛性容器の破損を生じ易くさせる炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩の総量1gに対して、合計で0.001〜5gの範囲で、とりわけ、0.1〜1gの範囲で添加するのが好ましい。【0025】塩化アルカリ金属、塩化アルカリ土類金属及び硫酸アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩の添加は、炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩を溶解した水性液剤に、これらの添加物塩を溶解させることにより行うことができるが、添加物塩は実質的に薬理作用を有しないため、一部溶解しない状態のまま、凍結乾燥を行ってもよい。【0026】本発明の方法において、凍結乾燥自体には慣用の方法に従って行うことができる。【0027】例えば、剛性容器に、炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩を溶解した水性液剤を充填し、塩化アルカリ金属、塩化アルカリ土類金属及び硫酸アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩を添加した後、水性液剤を充填した剛性容器を冷却して凍結し、凍結状態で減圧下に溶媒を昇華させることにより実施することができる。【0028】剛性容器に充填する水性液剤は、剛性容器の内容積の5〜50%(v/v)、とりわけ、10〜25%(v/v)としておくのが好ましい。【0029】凍結乾燥工程の外温は−50〜60℃、とりわけ、−50〜40℃の範囲が好ましく、溶媒成分を昇華させる際の圧力は0.01〜0.2Torr、とりわけ、0.01〜0.1Torrの範囲が好ましい。【0030】凍結乾燥の速度は、凍結乾燥する液剤の組成、凍結温度、溶媒成分昇華時の圧力等の調整により、凍結体から溶媒成分が昇華する表面の1cm2当たり、1時間に10μl〜100μl、とりわけ30μl〜60μlの溶媒(液体換算)が昇華するように調整するのが好ましい。【0031】【実施例】実施例1チオペンタールナトリウム(500mg)、乾燥炭酸ナトリウム(75mg)及び下記表1記載の添加物(5mg)を注射用水に溶解し、5mlとした。この水溶液をホウケイガラス製アンプル(胴径:22mm、長さ:131mm、厚さ:0.55mm)に充填し、アンプルを棚上に設置し、約30分かけて−50℃に冷却した。−50℃以下の状態に3時間保持した後、外気圧0.1Torr下、約30分かけて20℃まで昇温させ、同温・同圧で40時間乾燥した。その後、棚の温度を約30分かけて60℃まで昇温し、同温・同圧で6時間乾燥した。この操作をアンプル180本について行った際のアンプル破損数を調べた。一方、比較のために、上記操作において、添加物(5mg)を加えなかった場合の破損数も同様に調べた。【0032】結果は下記表1記載の通りである。【0033】【表1】【0034】実施例2チオペンタールナトリウム(500mg)、乾燥炭酸ナトリウム(30mg)及び塩化ナトリウム(添加量:0mg、0.5mg、2.5mg、5mg)を注射用水に溶解し、5mlとした。この水溶液をホウケイガラス製アンプル(胴径:22mm、長さ:131mm、厚さ:0.55mm)に充填し、アンプルを棚上に設置し、約30分かけて−50℃に冷却した。−50℃以下の状態に3時間保持した後、外気圧0.1Torr下、約30分かけて20℃まで昇温させ、同温・同圧で40時間乾燥した。その後、棚の温度を約30分かけて60℃まで昇温し、同温・同圧で6時間乾燥した。この操作を下記表2記載の本数のアンプルについて行った際のアンプル破損数を調べた。【0035】結果は下記表2記載の通りである。【0036】【表2】【0037】実施例3チオペンタールナトリウム(500mg)、乾燥炭酸ナトリウム(添加量:0mg、30mg)、塩化ナトリウム(添加量:0mg、5mg)を注射用水に溶解させ、1N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH10.8に調整し、注射用水を加えて全量を5mlとした。この水溶液をホウケイガラス製アンプル(胴径:22mm、長さ:131mm、厚さ:0.55mm)に充填し、アンプルを棚上に設置し、約30分かけて−50℃に冷却した。−50℃以下の状態に3時間保持した後、外気圧0.1Torr下、約30分かけて20℃まで昇温させ、同温・同圧で40時間乾燥した。その後、棚の温度を約30分かけて60℃まで昇温し、同温・同圧で6時間乾燥した。この操作を下記表3記載の本数のアンプルについて行った際のアンプル破損数を調べた。【0038】結果は下記表3記載の通りである。【0039】【表3】【0040】【発明の効果】本発明の方法によれば、炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩が溶解した水性液剤を剛性容器中で凍結乾燥する際の剛性容器破損を抑制することができる。【0041】たとえば、チオペンタールナトリウム500mg及び炭酸ナトリウム75mgを水5mlに溶解して20mlアンプルに充填して凍結乾燥すると4%以上(180本で検討)のアンプル破損を生じたが、塩化ナトリウム5mgを添加して凍結乾燥すれば、アンプルの破損を完全に抑制することができた(180本で検討)。【0042】このため、本発明の方法を使用すれば、炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩が溶解した水性液剤を剛性容器で凍結乾燥して凍結乾燥製剤を製造する際の剛性容器の破損を大幅に抑制することができ、生産性を大きく向上させることができる。 炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩が溶解したチオペンタール又はその塩の水性液剤を剛性容器中で凍結乾燥するに際し、塩化アルカリ金属及び硫酸アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩を添加することにより、剛性容器の破損を抑制する方法。 剛性容器がガラス製容器である請求項1記載の方法。 剛性容器がガラス製のアンプル、バイアル又はシリンジである請求項1記載の方法。 剛性容器がガラス製のアンプルである請求項1記載の方法。 水性液剤がチオペンタールナトリウムの水溶液である請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。 水性液剤中に含まれる炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩の濃度が0.005〜10%(w/v)であり、塩化アルカリ金属及び硫酸アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩の総添加量が水性液剤中の炭酸アルカリ金属及び炭酸水素アルカリ金属から選ばれる1種以上の塩の総量1gに対して、0.001〜5gの範囲である請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。 凍結乾燥を−50〜60℃、0.01〜0.2Torrで行う請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。 炭酸ナトリウムが溶解した水性液剤を剛性容器中で凍結乾燥するに際し、塩化ナトリウム、塩化カリウム及び硫酸ナトリウムから選ばれる1種以上の塩を添加して行う請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。 炭酸ナトリウムを溶解したチオペンタールナトリウムの水溶液に、塩化ナトリウムを添加して凍結乾燥を行う請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。 炭酸ナトリウムを溶解したチオペンタールナトリウムの水溶液に、塩化カリウムを添加して凍結乾燥を行う請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。 炭酸ナトリウムを溶解したチオペンタールナトリウムの水溶液に、硫酸ナトリウムを添加して凍結乾燥を行う請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。 チオペンタールナトリウムの水溶液中の炭酸ナトリウム濃度が0.005〜10%(w/v)であり、塩化ナトリウムの添加量が炭酸ナトリウム1gに対して、0.001〜5gの範囲である請求項9記載の方法。 チオペンタールナトリウムの水溶液中の炭酸ナトリウム濃度が0.1〜6%(w/v)である請求項12記載の方法。


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