タイトル: | 特許公報(B2)_新規なフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物、樹脂組成物およびその硬化物 |
出願番号: | 1998218416 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | C07C 271/16,C08G 18/81,C03C 25/24,C08F 299/06,C09D 175/16,G02B 1/04,G02B 6/00,G02B 6/44 |
谷口 信雄 横島 実 JP 3960571 特許公報(B2) 20070525 1998218416 19980803 新規なフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物、樹脂組成物およびその硬化物 日本化薬株式会社 000004086 谷口 信雄 横島 実 20070815 C07C 271/16 20060101AFI20070726BHJP C08G 18/81 20060101ALI20070726BHJP C03C 25/24 20060101ALI20070726BHJP C08F 299/06 20060101ALI20070726BHJP C09D 175/16 20060101ALI20070726BHJP G02B 1/04 20060101ALI20070726BHJP G02B 6/00 20060101ALI20070726BHJP G02B 6/44 20060101ALI20070726BHJP JPC07C271/16C08G18/81C03C25/02 BC08F299/06C09D175/16G02B1/04G02B6/00 386G02B6/44 301A C07C 271/00-271/68 C08G 18/00- 18/87 CA(STN) REGISTRY(STN) 特開平04−321660(JP,A) 特開昭61−036374(JP,A) 10 2000044650 20000215 16 20040913 井上 千弥子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、新規なフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート、これを用いた樹脂組成物、光伝送用の光ファイバーコーティング剤およびその硬化物に関するものである。【0002】【従来の技術】光ファイバーは石英などの無機ガラス系とポリ(メチルメタクリレート)等の合成樹脂系に分けられる。どちらの材料系も透明性に優れた屈折率の高い芯(コア)部分と、屈折率の低い鞘(クラッド)部分から成り立っている。クラッド材としては、従来より屈折率の低いシリコン系化合物(特開昭58−30703)が知られていたが、このクラッド材は機械的強度が不足しているという欠点を有している。これに対して近年、一般的な性質として高度な耐熱性、耐薬品性、耐候性、発水性、発油性、表面潤滑性等を有し、とりわけ低屈折率であることが注目されてフッ素化合物の光ファイバークラッド材としての利用が活発化してきた。例えば、コア材としてポリ(メチルメタクリレート)を用い、クラッド材として、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートの重合体、フッ素化アルキル基含有(メタ)アクリレートと他のモノマーとの共重合体、または、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン)、ポリ(フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン)等の含フッ素重合体を用いる方法が知られている(例えば、特開昭59−84203、特開昭59−84204、特開昭59−98116、特開昭59−147011、特開昭59−204002)。また、紫外線硬化型樹脂組成物を用いた場合(例えば、特開昭62−250047、特開平3−166206、特開平5−32749)、樹脂組成物は紫外線硬化による架橋構造のため機械的強度に優れており、また生産性が向上するといった長所も有している。【0003】【発明が解決しようとする課題】含フッ素重合体によりクラッド材を形成する方法においては、高温の状態で未硬化である含フッ素重合体の溶融物や溶液を被覆するため、厚みが不均一になり易い。またコア部分とクラッド部分との密着性が十分でなく、種々の外的要因、例えば屈曲、温度変化等によって層間剥離が生じ易いため、耐久性等に問題があった。また、含フッ素重合体の溶融物または溶液を塗布する製造方法においては、クラッド部分の硬化に長時間を要し、また溶液塗布法においては、特に溶剤を系外に完全に除去する必要性から、生産性、安全性、経済性等に欠点があった。また樹脂組成物を構成する成分として単官能モノマーを多く含む場合、機械的強度が用途によっては多少不足することがある。【0004】【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するため、本発明者らは鋭意研究の結果、新規なウレタン(メタ)アクリレートを開発し、これを用いることにより、硬化速度が速く、屈折率が低く、コアとの密着性に優れ、機械的強度をさらに向上させた光伝送用ファイバーのクラッド材に適した樹脂組成物を開発することに成功した。すなわち本発明は、(1)式(1)【0005】【化3】【0006】および/または、式(2)【0007】【化4】【0008】(ただし、R1はCnF2n+1−(−CH2−)a−、CnF2n+1−(−CH2−)a−O−、(CF 3 )2CFCn-3F2(n-3)−(−CH2−)a−、(CF3)2CFCn-3F2(n-3)−(−CH2−)a−O−、またはH−(−CF2CF2−)b−(−CH2−)c−O−であり、R2はHまたはCH3であり、nは1〜10の整数、aは0、1または2、bは1〜5の整数、cは0または1である)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)と2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させることによって得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)。【0009】(2)(1)記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)を含有することを特徴とする樹脂組成物。(3)(1)記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)以外のフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)を含有することを特徴とする(2)の樹脂組成物。(4)フッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)が、ポリオール(C)と有機ポリイソシアネート(D)と(1)記載のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)との反応物である(3)の樹脂組成物。(5)光ファイバー用コーティング用である(2)ないし(4)のいずれか1項に記載の樹脂組成物。(6)(2)ないし(5)のいずれか1項記載の樹脂組成物の硬化物。(7)(5)記載の樹脂組成物の硬化物を有する物品。(8)光学製品である(7)の物品。(9)光学製品が光ファイバーである(8)の物品。(10)(1)記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)を含有することを特徴とする光ファイバー用コーティング剤。に関するものである。【0010】【発明の実施の形態】本発明のウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)は、前記式(1)および/または前記式(2)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)と2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させることによって得ることができる。【0011】前記式(1)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−パーフルオロ−n−ブチル−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−パーフルオロ−n−ヘキシル−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−パーフルオロ−n−オクチル−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−パーフルオロ−n−デシル−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(2−パーフルオロ−n−ブチル)エトキシ−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(2−パーフルオロ−n−ヘキシル)エトキシ−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(2−パーフルオロ−n−オクチル)エトキシ−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(2−パーフルオロ−n−デシル)エトキシ−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(パーフルオロ−9−メチルデシル)−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルオキシ)−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルオキシ)−2−プロパノール、1−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルオキシ)−2−プロパノール等を挙げることができる。【0012】また、前記式(2)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−パーフルオロ−n−ブチル−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−パーフルオロ−n−ヘキシル−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−パーフルオロ−n−オクチル−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−パーフルオロ−n−デシル−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(2−パーフルオロ−n−ブチル)エトキシ−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(2−パーフルオロ−n−ヘキシル)エトキシ−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(2−パーフルオロ−n−オクチル)エトキシ−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(2−パーフルオロ−n−デシル)エトキシ−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(パーフルオロ−9−メチルデシル)−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルオキシ)−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルオキシ)−1−プロパノール、2−(メタ)アクリロイルオキシ−3−(1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルオキシ)−1−プロパノール等を挙げることができる。【0013】式(1)および/または式(2)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)は、式(3)で表されるフッ素含有モノエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させることにより得ることができる。【0014】【化5】【0015】(ただし、R1はCnF2n+1−(−CH2−)a−、CnF2n+1−(−CH2−)aO−、(CF3)2CFCn-3F2(n-3)−(−CH2−)a−、(CF3)2CFCn-3F2(n-3)−(−CH2−)a−O−、またはH−(−CF2CF2−)b−(−CH2−)c−O−であり、nは1〜10の整数、aは0、1または2、bは1〜5の整数、cは0または1である)【0016】式(3)で表されるフッ素含有モノエポキシ化合物としては、例えば3−パーフルオロ−n−ブチル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロ−n−ヘキシル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロ−n−オクチル−1,2−エポキシプロパン、3−パーフルオロ−n−デシル−1,2−エポキシプロパン、3−(2−パーフルオロ−n−ブチル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン、3−(2−パーフルオロ−n−ヘキシル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン、3−(2−パーフルオロ−n−オクチル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン、3−(2−パーフルオロ−n−デシル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−1,2−エポキシプロパン、3−(パーフルオロ−9−メチルデシル)−1,2−エポキシプロパン、3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルオキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルオキシ)−1,2−エポキシプロパン、3−(1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルオキシ)−1,2−エポキシプロパン等を挙げることができる。【0017】式(1)および/または式(2)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)を合成するために、式(3)で表されるフッ素含有モノエポキシ化合物とアクリル酸またはメタクリル酸との反応において、フッ素含有モノエポキシ化合物1モルに対するアクリル酸またはメタクリル酸の仕込みの割合は0.90〜3.00モルが好ましく、より好ましくは1.00〜1.50モルである。式(3)で表されるフッ素含有モノエポキシ化合物にアクリル酸またはメタクリル酸を付加させる反応温度は50〜150℃が好ましく、より好ましくは70〜100℃である。【0018】反応をより促進させるために、触媒を用いることもできる。このとき用いることができる触媒としては、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等のアミン類、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、トリエチルベンジルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリブチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチルフェニルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムヨーダイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムヨーダイド等の第4級アンモニウム塩、トリフェニルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリ−m−トルイルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジフェニルホスフィナスクロライド、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン等の有機ホスフィン化合物を挙げることができる。上記触媒の添加量は、反応混合物全体に対して0.001〜5.0wt%が好ましく、より好ましくは0.01〜3.0wt%である。反応時間は3〜60時間が好ましく、より好ましくは8〜24時間である。【0019】この反応により得られる生成物は、通常、前記式(1)および前記式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステルの混合物となる。こうして得られた(メタ)アクリル酸エステルは、必要に応じて過剰の(メタ)アクリル酸あるいは触媒等を除くために、一旦トルエン等の非水系溶剤に溶解され、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ水溶液でよく洗浄される。その後水あるいは食塩水等で洗浄して残存するアルカリを除き、溶剤を十分に留去すると、より純度の高いフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルが得られる。また場合によっては、減圧蒸留により精製あるいは分溜されて用いられることもある。【0020】本発明のウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)は、上記のようにして合成された前記式(1)および/または前記式(2)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)と2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させることによって得ることができる。このときのウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)を合成する方法において、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートの仕込み量は、前記式(1)および/または前記式(2)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)1モルに対して0.80〜1.20モルになるように仕込むのが好ましく、より好ましくは0.98〜1.00モルとなるように仕込むのがよい。なおこの反応は、前記式(1)および/または前記式(2)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)の末端水酸基と2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートの末端イソシアネート基の反応を促進させるために、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン類、ジブチルスズジラウリレート、ジオクチルスズジラウリレート等のジラウリレートを触媒として用いて行うことができる。触媒の添加量は、反応混合物全体に対して0.001〜5.0wt%が好ましく、より好ましくは0.01〜1.1wt%である。反応時間は1〜10時間が好ましい。また反応温度は30〜100℃が好ましく、より好ましくは40〜80℃である。【0021】上記ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)の合成方法において、反応はいずれも無溶剤あるいは、イソシアネート基に不活性なアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン等の溶剤を反応溶剤として用いることができる。【0022】本発明の樹脂組成物には、上記のウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)以外のフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)をさらに含有することができる。フッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)は、ポリオール(C)と有機ポリイソシアネート(D)を十分に反応させ、次いで前記式(1)および/または前記式(2)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)を反応させることによって得ることができる。あるいは、有機ポリイソシアネート(D)と前記式(1)および/または前記式(2)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)を先に反応させ、次いでポリオール(C)を反応させることによって得ることもできる。【0023】ポリオール(C)としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の低分子量のジオール類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の二塩基酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類との反応によって得られるポリエステルポリオール、ポリ−ε−カプロラクトン変性ポリオール、ポリメチルバレロラクトン変性ポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。【0024】またポリオール(C)として、フッ素含有のジオール化合物を用いることもできる。フッ素含有のジオール化合物としては、例えば3−パーフルオロ−n−ブチル−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−パーフルオロ−n−ヘキシル−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−パーフルオロ−n−オクチル−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−パーフルオロ−n−デシル−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−(2−パーフルオロ−n−ブチル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−(2−パーフルオロ−n−ヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−(2−パーフルオロ−n−オクチル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−(2−パーフルオロ−n−デシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−(パーフルオロ−9−メチルデシル)−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルオキシ)−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−(1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルオキシ)−1,2−ジヒドロキシプロパン、3−(1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルオキシ)−1,2−ジヒドロキシプロパン、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,4−ブタンジオール、3,3,4,4−テトラフルオロ−1,6−ヘキサンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオール、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1,8−オクタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ−1,8−オクタンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロ−1,9−ノナンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジオール、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−イコサフルオロ−1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。【0025】有機ポリイソシアネート(D)としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。【0026】ポリオール(C)と有機ポリイソシアネート(D)を反応させ、次いで前記式(1)および/または前記式(2)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)を反応させることによって本発明のウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)を得る方法において、ポリオール(C)の水酸基1化学当量当たりの有機ポリイソシアネート(D)の仕込み量は、イソシアネート基1.10〜2.00化学当量であることが好ましく、特に1.60〜2.00化学当量であることがより好ましい。反応温度は20〜120℃が好ましく、より好ましくは50〜90℃である。次にこうして得られた末端にイソシアネート基を有する化合物のイソシアネート基1化学当量に対して0.90〜1.50化学当量、より好ましくは1.00〜1.05化学当量の前記式(1)および/または前記式(2)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)を反応させる。この反応はイソシアネート基と水酸基の反応を促進させるために、公知の触媒を添加して行うこともできる。このとき用いられる触媒としては、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン類、ジブチルスズジラウリレート、ジオクチルスズジラウリレート等のジラウリレート化合物が挙げられる。その添加量は、反応混合物全体に対して0.001〜5.0wt%が好ましく、より好ましくは0.01〜1.1wt%である。反応時間は1〜10時間が好ましい。反応温度は30〜100℃が好ましく、より好ましくは60〜90℃である。【0027】有機ポリイソシアネート(D)と前記式(1)および/または前記式(2)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)を先に反応させ、次いでポリオール(C)を反応させて本発明のウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)を得る方法において、有機ポリイソシアネート(D)のイソシアネート基1化学当量に対し、前記式(1)および/または前記式(2)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)の仕込み量は0.20〜0.50化学当量であることが好ましく、より好ましいのは0.50化学当量である。反応温度は20〜120℃であることが好ましく、より好ましくは50〜90℃である。こうして得られた化合物の残存イソシアネート基1化学当量に対して、0.95〜1.05化学当量、より好ましくは1.00化学当量の水酸基を有するポリオール(C)を反応させる。この反応はイソシアネート基と水酸基の反応を促進させるために、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン等の第3級アミン類、ジブチルスズジラウリレート、ジオクチルスズジラウリレート等のジラウリレート化合物のような触媒を添加して行うこともできる。その添加量は、反応混合物全体に対して0.001〜5.0wt%が好ましく、より好ましくは0.01〜1.1wt%である。反応時間は1〜10時間が好ましい。反応温度は30〜100℃が好ましく、より好ましくは40〜80℃である。【0028】上記2つの製造方法において、反応はいずれも無溶剤あるいはイソシアネート基に不活性なアセトン、メチルエチルケトン、トルエン等の溶剤を反応に用いることができる。また、後で述べる本発明の樹脂組成物または光ファイバー用コーティング剤に混合して使用できるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルを反応溶剤として用いることができる。【0029】本発明の樹脂組成物または光ファイバー用コーティング剤は、本発明のウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)を単独で使用してもよく、またウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)およびフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)を混合して使用してもよい。さらにウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)およびフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)はおのおの単一化合物である必要は必ずしもなく、おのおの2種類以上の化合物を混合して使用してもよい。ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)およびフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)を混合して使用する場合、それらの配合比率は重量比でウレタン(メタ)アクリレート化合物(B):フッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)=50:50〜95:5が好ましく、より好ましくは70:30〜90:10である。【0030】本発明の樹脂組成物または光ファイバー用コーティング剤には、本発明のウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)およびフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)以外のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルを混合して使用することができる。フッ素含有(メタ)アクリル酸エステルは、本発明の樹脂組成物または光ファイバー用コーティング剤において、本発明のウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)、またはウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)およびフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)の混合物全体100重量部に対して10〜900重量部を使用するのが好ましい。このようなフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3,−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−3−メチルブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート、6−(パーフルオロエチル)ヘキシル(メタ)アクリレート、6−(パーフルオロブチル)ヘキシル(メタ)アクリレート、2−パーフルオロエトキシ−2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−(パーフルオロ−n−ブチル)プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−(パーフルオロ−n−ヘキシル)プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−(パーフルオロ−n−オクチル)プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−(パーフルオロ−n−デシル)プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−〔(2−パーフルオロ−n−ブチル)エトキシ〕プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−〔(2−パーフルオロ−n−ヘキシル)エトキシ〕プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−〔(2−パーフルオロ−n−オクチル)エトキシ〕プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−〔(2−パーフルオロ−n−デシル)エトキシ〕プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−(パーフルオロ−3−メチルブチル)プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−(パーフルオロ−5−メチルヘキシル)プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−(パーフルオロ−7−メチルオクチル)プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−(パーフルオロ−9−メチルデシル)プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−(2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ)プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−(1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルオキシ)プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−(1H,1H,7H−ドデカフルオロヘプチルオキシ)プロパン、1,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕−3−(1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニルオキシ)プロパン、1,4−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3−テトラフルオロブタン、1,6−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4−テトラフルオロヘキサン、1,6−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロヘキサン、1,8−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロオクタン、1,8−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロオクタン、1,9−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−テトラデカフルオロノナン、1,10−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロデカン、1,12−ジ(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11−イコサフルオロドデカン等を挙げることができる。【0031】本発明の樹脂組成物または光ファイバー用コーティング剤に紫外線等を照射して硬化する場合は光重合開始剤を用いる。光重合開始剤としては公知のどのような光重合開始剤であっても構わないが、配合したあとの貯蔵安定性のよいことが要求される。このような光重合開始剤としては、例えば2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン等が挙げられる。これら光重合開始剤は、一種類でも二種類以上任意の割合で混合して使用しても構わない。また必要に応じてアミン化合物、またはリン化合物等の光増感剤を添加し、重合をより促進させることができる。開始剤の添加量は、本発明の樹脂組成物または光ファイバー用コーティング材全体に対して通常、0.1〜10.0w%が好ましく、より好ましくは0.5〜3.0w%である。【0032】また本発明の樹脂組成物または光ファイバー用コーティング材は、必要に応じてさらにシランカップリング剤、酸化防止剤、重合禁止剤、光安定剤等の各種の添加剤を添加することもできる。本発明の樹脂組成物または光ファイバー用コーティング材は、前記各成分を均一に混合することにより得ることができる。また、本発明の樹脂組成物または光ファイバー用コーティング材の硬化物は、紫外線等の活性エネルギー線を照射することにより得ることができる。【0033】本発明に係わる樹脂組成物を基材に塗布する方法としては、例えば刷毛塗り、バーコーター、アプリケーター、ロールコーターあるいはローラーブラシ等により直接塗布する方法、エアースプレーまたはエアーレススプレー塗装機等によるスプレー塗布法、シャワーコーターまたはカーテンフローコーター等による流し塗り法(フローコート)、浸漬法、キャスティング法、スピナーコーティング法を用いることができる。なお前記塗布法は、基材の材質、形状あるいは用途等に応じて適宜使い分けることが望ましい。【0034】本発明に係わる樹脂組成物を、光ファイバー用コーティング材として基材(例えば光伝送ファイバー芯線)に塗布する方法としては、当業界公知の種々の方法、例えば、本発明に係わる樹脂組成物を入れた貯槽に光ファイバー芯線を連続的に浸漬して引き上げ、紫外線等の活性エネルギー線を照射してクラッド部分硬化形成する方法、または本発明の樹脂組成物を連続的に供給できる口金に光伝送ファイバー芯線を通して連続塗布し、紫外線等の活性エネルギー線を照射してクラッド部を硬化形成する方法等が挙げられる。光伝送ファイバーのクラッド部を形成する場合、本発明のコーティング材による被膜の厚さは特に限定されないが、通常5〜300ミクロン程度が好ましい。【0035】本発明でいう光伝送ファイバー芯線としては、石英系、ならびにポリメチルメタクリレート、重水素化ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリカーボネート等のプラスチック系が挙げられる。【0036】紫外線等の活性エネルギー線を照射して硬化する場合に用いられる光源としては、例えばキセノンランプ、カーボンアーク、殺菌灯、紫外線用蛍光灯、複写用高圧水銀灯、中圧または高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルハライドランプ、あるいは走査型、カーテン型電子線加速路による電子線等を使用することができる。また硬化を十分に行うために、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で紫外線等の活性エネルギー線を照射することが望ましい。【0037】本発明の樹脂組成物は、光伝送ファイバーのクラッド材だけでなく、その低屈折率を利用したガラスまたはプラスチック類のコーティング剤、LED用封止剤等にも使用することができる。本発明の物品は上記の樹脂組成物の硬化物を有する。物品としては、例えば光ファイバー等の光学製品があげられる。【0038】【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお実施例中の部は重量部である。【0039】前記式(1)および/または前記式(2)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)の合成例合成例13−(2−パーフルオロ−n−ヘキシル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン1095.5部、アクリル酸235.4部、テトラメチルアンモニウムクロライド5.5部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.5部を仕込み、90〜95℃で18時間撹拌し、反応させた。得られた反応液をトルエン2000mLに溶解し、15%炭酸ナトリウム水溶液で2回、20%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄した後、トルエンを減圧留去して無色透明な液体1264.3部を得た。得られた反応物の25℃における屈折率は1.3714であり、25℃における粘度は180cpsであった。また、この得られた反応物は、下記構造式(4)および(5)の混合物である。【0040】【化6】【0041】【化7】【0042】合成例23−パーフルオロ−n−オクチル−1,2−エポキシプロパン1007.2部、アクリル酸191.8部、テトラメチルアンモニウムクロライド5.1部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.5部を仕込み、90〜95℃で21時間撹拌し、反応させた。得られた反応液をトルエン2000mLに溶解し、15%炭酸ナトリウム水溶液で2回、20%塩化ナトリウム水溶液で3回洗浄した後、トルエンを減圧留去して25℃でワックス状の白色固体1113.2部を得た。得られた反応物の融点は40℃であり、25℃における屈折率は1.3524であった。また、この得られた反応物は、下記構造式(6)および(7)の混合物である。【0043】【化8】【0044】【化9】【0045】ウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)の合成実施例実施例1式(4)および(5)で表されるフッ素含有アクリル酸エステル500.3部、ジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.3部を仕込み、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート153.7部をゆっくり仕込んで50℃〜60℃で4時間反応させ、無色透明な液体654.3部を得た。得られた反応物の25℃における屈折率は1.4048であり、25℃における粘度は830cpsであった。また、この得られた反応物は、下記構造式(8)および(9)の混合物である。【0046】【化10】【0047】【化11】【0048】実施例2加温してあらかじめ融解しておいた式(6)および(7)で表されるフッ素含有アクリル酸エステル500.3部、ジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.3部を仕込み、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート141.6部をゆっくり仕込んで50℃〜60℃で4時間反応させ、無色透明な液体654.3部を得た。得られた反応物の25℃における屈折率は1.3922であり、25℃における粘度は2830cpsであった。また、この得られた反応物は、下記構造式(10)および(11)の混合物である。【0049】【化12】【0050】【化13】【0051】ウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)の合成例合成例3トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート284.7部、1,6−ヘキサンジオール80.0部を仕込み、加熱および冷却を施しながら70〜80℃で5時間反応させた。次に合成例1で得られた式(4)および(5)で表されるフッ素含有アクリル酸エステル混合物666.4部を仕込み、40℃で30分撹拌して均一に溶解した後、ジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ0.5部を添加し、加熱および冷却を施しながら40〜50℃で1時間反応し、さらに加熱して70〜80℃で3時間反応して無色透明な高粘性の生成物を得た。このものの25℃における屈折率は1.4295であり、25℃における粘度は11万cpsであった。【0052】合成例4イソホロンジイソシアネート222.3部、1,4−ブタンジオール45.1部を仕込み、加熱および冷却を施しながら70〜80℃で3時間反応させた。次に合成例1で得られた式(4)および(5)で表されるフッ素含有アクリル酸エステル混合物 492.6部を仕込み、40℃で30分撹拌して均一に溶解した後、ジラウリン酸ジ−n−ブチルスズ 0.4部を添加し、加熱および冷却を施しながら40〜50℃で1時間反応し、さらに加熱して70〜80℃で3時間反応して無色透明な高粘性の生成物を得た。このものの25℃における屈折率は1.4395であり、25℃における粘度は18万cpsであった。【0053】樹脂組成物の実施例実施例3実施例1で得た式(8)および(9)で表される混合物100.0部に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.0を配合し、樹脂組成物を調製した。このものの25℃における屈折率は1.4066であり、25℃における粘度は750cpsであった。また、この樹脂組成物をガラス板上に200μmの厚さで塗布した後、窒素雰囲気下高圧水銀灯で500mJ/cm2 の照射強度で紫外線を照射して硬化物を得た。得られた硬化物の特性を表1に示す。【0054】実施例4実施例2で得た式(10)および(11)で表される混合物100.0部に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.0を配合し、樹脂組成物を調製した。このものの25℃における屈折率は1.4041であり、25℃における粘度は2760cpsであった。また、実施例3と同様にして得られた硬化物の特性を表1に示す。【0055】実施例5実施例1で得た式(8)および(9)で表される混合物80.0部、合成例1で得たウレタンアクリレート20.0部、および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.0を配合し、樹脂組成物を調製した。このものの25℃における屈折率は1.4113であり、25℃における粘度は2260cpsであった。また、実施例3と同様にして得られた硬化物の特性を表1に示す。【0056】実施例6実施例1で得た式(8)および(9)で表される混合物90.0部、合成例4で得たウレタンアクリレート10.0部、および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.0を配合し、樹脂組成物を調製した。このものの25℃における屈折率は1.4102であり、25℃における粘度は2730cpsであった。また、実施例3と同様にして得られた硬化物の特性を表1に示す。【0057】【表1】表1 実施例 3 4 5 6屈折率(25℃) 1.4275 1.4145 1.4303 1.4291硬度(ショアD) 65 57 43 47ヤング率(kg/mm2) 43 36 23 27破断点強度(kg/m2) 4.1 3.4 1.8 2.3破断点伸度(%) 10.3 11.4 19.7 17.2吸水率(%) 0.3 0.2 0.2 0.2【0058】硬度(ショアD)の測定は、試料受け台の硬さの影響を考慮し、厚さ約200μmの硬化物を10枚重ねて、JIS Z 2246の方法に準じて行った。ヤング率、破断点強度、破断点伸度の測定は、JIS K 7209の方法に準じて行った。【0059】【発明の効果】実施例3〜6、および表1から明らかなように、本発明の樹脂組成物は紫外線等の活性エネルギー線を照射して硬化することが可能であり、その硬化物は硬度、ヤング率、破断点強度が高く、かつ可とう性があって吸水率が低い。また本発明の樹脂組成物の硬化物は屈折率が低いため、光伝送用光学ファイバーのクラッド層に適用することができる。 式(1)および/または、式(2)(ただし、R1はCnF2n+1−(−CH2−)a−、CnF2n+1−(−CH2−)a−O−、CF3CF(CF3)Cn-3F2(n-3)−(−CH2−)a−、CF3CF(CF3)Cn-3F2(n-3)−(−CH2−)a−O−、またはH−(−CF2CF2−)b−(−CH2−)c−O−(ここで、nは1〜10の整数、aは0、1または2、bは1〜5の整数、cは0または1である)であり、R2はHまたはCH3である。)で表されるフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)と2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートとを反応させることによって得られる式(1’)および/または、式(2’)(ただし、R1、n、a、b、c、R2は式(1)及び式(2)と同じである。)で表されるウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)。 請求項1記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)を含有することを特徴とする樹脂組成物。 さらにウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)以外のフッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)を含有することを特徴とする請求項2の樹脂組成物。 フッ素含有ウレタン(メタ)アクリレート化合物(E)が、ポリオール(C)と有機ポリイソシアネート(D)とフッ素含有(メタ)アクリル酸エステル(A)との反応物である請求項3の樹脂組成物。 光ファイバー用コーティング用である請求項2ないし4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。 請求項2ないし5のいずれか1項記載の樹脂組成物の硬化物。 請求項6記載の樹脂組成物の硬化物を有する物品。 光学製品である請求項7の物品。 光学製品が光ファイバーである請求項8の物品。 請求項1記載のウレタン(メタ)アクリレート化合物(B)を含有することを特徴とする光ファイバー用コーティング剤。