タイトル: | 特許公報(B2)_メチルエチルケトン、グリコールエーテルおよび水よりなる混合溶液の共沸蒸留法およびそれを用いたメチルエチルケトンとグリコールエーテルの回収方法 |
出願番号: | 1998216515 |
年次: | 2006 |
IPC分類: | C07C 41/42,C07C 43/13,C07C 45/84,C07C 49/10,B01D 3/36 |
劉 芳芝 小田 昭晶 山崎 一雄 坂本 光良 川瀬 泰人 JP 3805109 特許公報(B2) 20060519 1998216515 19980715 メチルエチルケトン、グリコールエーテルおよび水よりなる混合溶液の共沸蒸留法およびそれを用いたメチルエチルケトンとグリコールエーテルの回収方法 日本リファイン株式会社 593053335 友松 英爾 100094466 川島 利和 100100664 日立化成工業株式会社 000004455 友松 英爾 100094466 劉 芳芝 小田 昭晶 山崎 一雄 坂本 光良 川瀬 泰人 20060802 C07C 41/42 20060101AFI20060713BHJP C07C 43/13 20060101ALI20060713BHJP C07C 45/84 20060101ALI20060713BHJP C07C 49/10 20060101ALI20060713BHJP B01D 3/36 20060101ALN20060713BHJP JPC07C41/42C07C43/13 AC07C45/84C07C49/10B01D3/36 C07C 41/42 C07C 43/13 C07C 45/84 C07C 49/10 CA(STN) 特開昭62−216601(JP,A) 特開昭63−243047(JP,A) 5 2000034250 20000202 6 20010820 松本 直子 【0001】【産業上の利用分野】 本発明は、メチルエチルケトン、グリコールエーテルおよび水よりなる混合溶液からメチルエチルケトンとグリコールエーテルをそれぞれ分離、回収する方法に関する。【0002】【従来技術】電子産業における製造工程より排出された廃液や排気等からメチルエチルケトン(以下MEKと略記することがある)、グリコールエーテルおよび水からなる溶剤を回収する必要性が高まっている。この回収溶剤を再利用するにはまず水の除去が必要になる。しかし水とMEKあるいは水とグリコールエーテルは共沸するため、通常の蒸留法では水分を除去することはできない。また濃縮による微量成分の蓄積等の問題もあり、これらの溶剤の精製リサイクルには種々の問題点が存在する。【0003】共沸蒸留法は酢酸と水の分離、無水アルコールの製造などの分離方法として良く知られている方法であるが、共沸蒸留法では、蒸留塔内の気液組成分布は通常の蒸留法に比べてかなり複雑になるので、蒸留塔を運転する上で蒸留塔内に供給する原料の供給量、その組成、エントレーナー(Entrainer、共沸剤)の循環量および共沸蒸留塔内とデカンターとの間の分配比などの運転条件の僅かな変動により塔内の気液組成分布が非常に影響を受けやすく、安定した状態での運転操作を行うことが困難である。その結果として、共沸蒸留塔の塔底から出るMEKとグリコールエーテルの半製品に水分が残ったり、エントレーナーが混入したりする。【0004】通常の単純な蒸留では運転条件の変動が起こっても、リボイラーへの熱供給量、留出量等の操作条件を制御することによって安定な運転を行うことができる。しかしながら共沸蒸留においては、単にリボイラーへの熱供給量や還流量を調節しても、蒸留塔内の気液組成の変動を十分に抑制することは困難である。また、原料中の水分値変動あるいはエントレーナーのロスを配慮した共沸蒸留の全自動制御方法について記載された文献を発明者らは見たことがない。【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、MEK、グリコールエーテル、水からなる混合溶液から水および他の不純物(例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、無機塩類等)を効率良く除去し、この混合溶液が発生する工程へリサイクルできる高純度な精製MEK、グリコールエーテルを得ること、共沸蒸留塔を全自動制御することおよび安定操作することにある。【0006】【課題を解決するための手段】 本発明は、メチルエチルケトン、グリコールエーテルおよび水よりなる混合溶液をエントレーナーの存在下に共沸蒸留を行うに当たり、特定のエントレーナーおよび特定のグリコールエーテルを用いて前記混合溶液の共沸蒸留を行うことを特徴とする前記混合溶液からメチルエチルケトンとグリコールエーテルをそれぞれ分離、回収する方法に関する。【0007】 本発明は、前記エントレーナーとして、n−ヘキサン、シクロヘキサン、これらの構造異性体およびそれらの2種以上の混合物よりなる群から選ばれたものを使用する。【0008】 前記グリコールエーテルとしては、エチレングリコールエーテル、プロピレングリコールエーテルなどを使用する。【0009】前記エントレーナーとしては、ヘキサン、シクロヘキサン、これらの構造異性体およびそれら2種以上の混合物などを例示することができるが、とくにn−ヘキサンが水への溶解度の小さい点で好ましい。【0010】本発明者らは共沸蒸留塔の操作および制御方法を検討した結果、共沸ゾーン(共沸塔の上部)における水の濃度分布およびエントレーナの濃度分布を安定させることが共沸蒸留の安定操作に対して効果的であることが分かった。【0011】共沸蒸留塔内の水およびエントレーナーの濃度分布に対して影響する要因は、主に原液の供給量およびその水分値、系内のエントレーナーの総量およびその塔内とデカンターとの間の分配比である。これらの分配比は、通常0.2〜2.0で、好ましくは1.0以下である。【0012】本発明においては、原液の供給量を一定させ、原液中の水分値を検出し、その水分により、(a)コンデンサーからデカンターへの循環量を調節すること、および/または(b)原液中の水分値に基づくリポイラーへの熱量を調節すること、が好ましい。【0013】エントレーナーは、設備運転する前にデカンターに入れ、運転が始まってから必要な量だけデカンターから共沸蒸留塔に流し、一部はデカンターに残した状態で使用することができる。エントレーナーは、共沸蒸留塔上部とデカンターの間を循環する。【0014】エントレーナーはデカンターの水相に微量溶けるため、運転時間に伴い系内におけるエントレーナーの総量は減り続ける。本発明はエントレーナーのロスを補正するため、共沸ゾーン内の温度特に中間部温度を検出し、その温度によりデカンターからの排水量を調節することにより、デカンター内のエントレーナー相と水相の界面の高さを調節することができ、塔内のエントレーナー濃度分布の変動を抑制することができる。運転時間に伴いエントレーナーのロスによりデカンターの界面は上がるので、デカンターに界面計を設置することによりエントレーナーの補充時期を自動的に検知することもできる。【0015】本発明により、MEK、グリコールエーテル、水からなる混合溶液に含まれた微量なトルエン、キシレン、エチルベンゼンなど不純物を除去することができる。本発明者らはMEK精製塔に対して検討した結果、それらの不純物が塔の中間部で濃縮されるので、この塔のサイドカットとして抜き出すことが好ましい。ただし、それらの不純物は、MEK、グリコールエーテルおよび水からなる混合溶液に対して5重量%以下とすることが好ましい。【0016】本発明は、MEK、グリコールエーテル、水からなる混合溶液に含まれた微量な樹脂類や塩類等不純物をも除去することができる。それらの不純物はグリコールエーテル精製塔の缶出液として除去される。【0017】本発明の方法では、共沸蒸留塔は常圧下、減圧下あるいは加圧下のいずれの条件でも実施できるが、通常は常圧下で実施される。【0018】本発明の方法ではMEK精製塔は常圧下、減圧下あるいは加圧下のいずれの条件でも実施できるが通常は常圧下あるいは減圧下に実施される。また、この塔は回分式でも連続式でも実施できる。【0019】本発明の方法では、グリコールエーテル精製塔は常圧下、減圧下あるいは加圧下のいずれの条件でも実施できるが、通常は常圧下あるいは減圧下で実施される。また、この塔は回分式でも連続式でも実施できる。【0020】【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は、これにより何等限定されるものではない。【0021】実施例1エントレーナーとしてn−ヘキサン20リットルをデカンターに入れて使用し、図1に示す常圧連続蒸留法により本発明を実施した。原料組成は46.9wt%MEK、41.5wt%プロビレングリコールモノメチルエテール(PGME)、9.8wt%水分、0.6wt%キシレン、1.2wt%その他の高沸点物である。共沸蒸留塔としては、直径200mm、30段のシーブトレイ蒸留塔を使用した。MEK精製塔としては直径150mm、30段のシーブトレイ蒸留塔を使用した。キシレンのサイドカットは20段から液抜きした。PGME精製塔としては直径150mm、10段のシーブトレイ蒸留塔を使用した。この装置を15時間連続運転した結果、共沸蒸留塔の塔底温度は92.6±0.1℃、塔頂温度は61.2±0.1℃の範囲内で安定し、さらに塔上部の7段温度は設定温度の62.5℃に安定し、デカンターから温度指示調節計(TIC)より自動的に水相を排出した。連続運転中には一切の手動調節は必要なかった。この間には、MEK精製品123Kg、PGME精製品113kgが得られた。MEK精製品とPGME精製品の純度はともに99.9wt%以上で、水分は200ppm以下で、エントレーナーのn−ヘキサンは全く検出されなかった。【0022】【発明の効果】(1)本発明の方法を採用することによって共沸蒸留塔内の濃度分布を安定させることができ、共沸蒸留塔を最適な操作条件で安定的に運転させることができる。その結果、脱水効率が安定化し、かつ塔底の缶出液へのエントレーナーの混入が完全に防止できるようになる。(2)デカンターからの排水量を自動的にコントロールできることによって、共沸蒸留塔を全自動制御できるようになる。(3)本発明の方法を採用することによって原料中の微量不純物を除去することができ、高純度のMEKおよびグリコールエーテル精製品を得られるようになる。その結果、精製したMEKおよびグリコールエーテルは元の工程ヘリサイクルできるようになる。【図面の簡単な説明】【図1】実施例1の共沸蒸留プロセスを示す。【図2】実施例1における共沸蒸留塔内の温度分布実測値と計算値を図2に示す。【符号の説明】FIC 流量指示調節計TIC 温度指示調節計 メチルエチルケトン、グリコールエーテルおよび水よりなる混合溶液をエントレーナーの存在下に共沸蒸留を行うに当たり、エントレーナーとして、n−ヘキサン、シクロヘキサン、これらの構造異性体およびそれらの2種以上の混合物よりなる群から選ばれたものを使用し、グリコールエーテルとして、エチレングリコールエーテルおよびプロピレングリコールエーテルよりなる群から選ばれたものを使用することにより、前記共沸蒸留を行うことを特徴とするメチルエチルケトン、グリコールエーテルおよび水よりなる混合溶液からメチルエチルケトンとグリコールエーテルをそれぞれ分離、回収する方法。 共沸蒸留が、共沸蒸留塔およびデカンターを用いて行われるものである請求項1記載のメチルエチルケトン、グリコールエーテルおよび水よりなる混合溶液からメチルエチルケトンとグリコールエーテルをそれぞれ分離、回収する方法。 共沸蒸留が、共沸蒸留塔、デカンター、リボイラーおよびコンデンサーを用いて行われるものであり、その際、原液中の水分を検出し、その水分により、(a)デカンターへのエントレーナーの循環量を制御するおよび/または(b)リボイラーへの加熱量を制御する、ものである請求項1記載のメチルエチルケトン、グリコールエーテルおよび水よりなる混合溶液からメチルエチルケトンとグリコールエーテルをそれぞれ分離、回収する方法。 共沸蒸留塔における共沸ゾーンの中間部温度を検出し、その温度によりデカンターからの排水量を制御するものである請求項2または3記載のメチルエチルケトン、グリコールエーテルおよび水よりなる混合溶液からメチルエチルケトンとグリコールエーテルをそれぞれ分離、回収する方法。 メチルエチルケトン、グリコールエーテルおよび水よりなる混合溶液の共沸蒸留を請求項1〜4いずれか記載の共沸蒸留で行い、共沸蒸留塔からの下部排出液をメチルエチルケトン精製塔に供給し、メチルエチルケトン精製塔からの上部留出分としてメチルエチルケトンを回収し、中間部留出分として芳香族系化合物を回収し、下部排出液はつぎのグリコールエーテル精製塔に供給し、グリコールエーテル精製塔の上部留出分としてグリコールエーテルを回収し、下部排出分として微量不純物を除去することを特徴とするメチルエチルケトン、グリコールエーテルおよび水よりなる混合溶液からメチルエチルケトンとグリコールエーテルをそれぞれ分離、回収する方法。