生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_嗅覚障害治療剤
出願番号:1998189751
年次:2009
IPC分類:A61K 31/56,A61K 9/10,A61P 27/00


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木村 聖子 佐藤 喜一 JP 4263782 特許公報(B2) 20090220 1998189751 19980619 嗅覚障害治療剤 千寿製薬株式会社 000199175 谷 良隆 100071973 木村 聖子 佐藤 喜一 20090513 A61K 31/56 20060101AFI20090416BHJP A61K 9/10 20060101ALI20090416BHJP A61P 27/00 20060101ALI20090416BHJP JPA61K31/56A61K9/10A61P27/00 A61K 31/00-33/44 A61P 1/00-43/00 BIOSIS(STN) CA(STN) EMBASE(STN) MEDLINE(STN) 特開平08−151332(JP,A) 特開平10−259132(JP,A) 特開平10−316572(JP,A) 特開平09−504294(JP,A) 4 2000007569 20000111 10 20050502 小堀 麻子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、嗅覚障害治療剤に関する。さらに詳しくは、ロテプレドノール・エタボネートを含んでなる嗅覚障害治療剤に関する。【0002】【従来の技術】嗅覚障害はその障害部位によって、鼻副鼻腔疾患や形態異常により、ニオイ分子が嗅上皮に到達しないために起こる呼吸性嗅覚障害、嗅上皮に腫脹や分泌異常等の病変が生じたために起こる嗅上皮性嗅覚障害、呼吸性と嗅上皮性とが同時に原因として認められる混合性嗅覚障害、嗅神経の切断や嗅細胞の変性等によって起こる嗅神経性嗅覚障害、嗅球やさらに高位の中枢の障害のために起こる中枢性嗅覚障害に大別される。これら嗅覚障害のうち、日本人の場合嗅上皮に障害を持つタイプのもの、すなわち嗅上皮性嗅覚障害や混合性嗅覚障害が非常に多く、それらの治療法としては、ステロイド剤による点鼻療法が行われている。現在繁用されているステロイド点鼻液としては、コールタイジンスプレー(塩酸テトラゾリンとプレゾニドロンの合剤)やリンデロンA(硫酸フラジオマイシンとリン酸ベタメサゾンの合剤)があげられる。その使用方法は懸垂頭位をとり点鼻液を両側鼻腔にそれぞれ2〜3滴ずつ滴下し、そのまま5〜10分間保ち、これを朝と晩の1日2回行う方法である。【0003】【発明が解決しようとする課題】嗅覚障害の治療を目的とするステロイド点鼻液の使用期間は大体1〜6カ月間であるが、中には2年以上投与した例もある。これらのステロイド剤を使用する場合常に問題となるのは副作用であり、軽い満月様顔貌を呈した症例、鼻粘膜線毛の減少および眼圧上昇をきたした例等が報告されている。そこで、嗅上皮局所での充分な薬理作用を有し、且つ長期連用しても局所および全身への副作用が少ない嗅覚障害治療剤の開発が待ち望まれていた。【0004】【課題を解決するための手段】ロテプレドノール・エタボネートはプレドニゾロン誘導体であって、いわゆるソフトステロイド剤に属するものである。このロテプレドノール・エタボネートは既にアレルギー性鼻炎や血管運動性鼻炎に対する効果の検討はなされているが、嗅覚障害に対する効果については未だ検討されていない。かかる現況に鑑みて、本発明者らはロテプレドノール・エタボネートの嗅覚障害に対する効果について鋭意研究を行った結果、嗅上皮に障害をきたした動物の鼻腔にロテプレドノール・エタボネート点鼻液を投与すると、意外にも嗅上皮再生を促進し、眼圧上昇や体重の増減といった副作用もないことが明らかとなった。本発明はこの知見に基づいて完成されたものである。すなわち本発明は、(1)ロテプレドノール・エタボネートを含有してなる嗅覚障害治療剤、(2)嗅覚障害治療剤が点鼻用懸濁剤である前記(1)記載の剤、(3)0.01〜10.0w/v%のロテプレドノール・エタボネートを含有してなる前記(2)記載の剤、および(4)粒子径が1〜500μmのロテプレドノール・エタボネートを含有してなる前記(2)記載の剤、である。【0005】【発明の実施の形態】本発明に使用されるロテプレドノール・エタボネートは、その濃度が通常0.01〜10.0w/v%、好ましくは0.05〜5.0w/v%、より好ましくは0.1〜1.0w/v%となるように水に懸濁させて使用する。その粒子径は通常1〜500μm、好ましくは5〜100μmである。本発明の嗅覚障害治療剤が点鼻剤である場合には、公知の点鼻剤一般に用いられる添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば保存剤、等張化剤、緩衝剤、安定化剤、pH調整剤、増粘剤および懸濁化剤等が用いられる。保存剤としては、例えばパラベン類(パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル等)、逆性石ケン類(塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウム等)、アルコール誘導体(フェネチルアルコール等)、有機酸およびその塩類(デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸およびその塩等)、フェノール類(パラクロルメトキシフェノール、パラクロルメタクレゾール等)および有機水銀剤(チメロサール、硝酸フェニル水銀、ニトロメゾール等)等が挙げられる。等張化剤としては、例えば塩化ナトリウム、ソルビトール、濃グリセリンおよびマンニトール等が挙げられる。緩衝剤としては、例えばホウ酸およびその塩、リン酸塩、酢酸塩およびアミノ酸塩等が挙げられる。【0006】安定化剤としては、例えば酸化防止剤(亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ亜硫酸水素ナトリウム等)およびキレート剤(エデト酸ナトリウム、クエン酸およびその塩等)等が挙げられる。pH調整剤としては、例えば塩酸、酢酸、水酸化ナトリウム、リン酸等が挙げられる。増粘剤としては、例えば糖類(ソルビトール、マンニトール、ショ糖等)、セルロース類(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等)および合成高分子(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等)等が挙げられる。懸濁化剤としては、例えば上記セルロース類、合成高分子化合物、結晶セルロース・カルメロースナトリウムおよび界面活性剤(第4級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤、アルキル硫酸塩等の陰イオン界面活性剤、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、チロキサポール等の非イオン界面活性剤およびレシチン等の両性イオン界面活性剤等)等が挙げられる。なお、結晶セルロース・カルメロースナトリウム微粉末を0.5〜10w/v%、好ましくは1.0〜5.0w/v%程度添加した懸濁剤は、懸濁状態が長期にわたり安定化されるという効果がある。これらの添加剤の使用量は、通常鼻の生理状態に近似させること(鼻汁と等張)が望ましく、例えば、浸透圧が0.2〜4.0w/v%の食塩液に相当する範囲、好ましくは0.5〜2.0w/v%の食塩液に相当する範囲、より好ましくは0.8〜1.5w/v%の食塩液に相当する範囲である。【0007】本発明の点鼻剤は、点鼻に通常使用されるpH範囲内に調整して用いるのが有利であり、特にpH5〜7に調整して用いるのが好ましい。本発明の点鼻剤は、点鼻に通常使用される浸透圧の範囲内に調整して用いるのが有利であり、通常140〜1140mOsm、好ましくは200〜870mOsm、より好ましくは280〜310mOsmに調整して用いられる。本発明の点鼻剤は、点鼻に通常使用される粘度の範囲内に調整して用いるのが有利であり、通常25,000cps以下、好ましくは5,000〜1cpsに調整して用いられる。本発明の点鼻用水性懸濁液にはロテプレドノール・エタボネート以外に、必要によりたとえばメフェナム酸等の非ステロイド系抗炎症剤、たとえばフマル酸クレマスチン、テルフェナジン、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン等の抗ヒスタミン剤、たとえばトラニラスト、クロモグリク酸ナトリウム、フマル酸ケトチフェン等の抗アレルギー剤、たとえばエリスロマイシン、テトラサイクリン等の抗生物質、たとえばスルファメチゾール、スルファメトキサゾール、スルフイソキサゾール、ノルフロキサシン、オフロキサシン等の抗菌剤たとえば硝酸ナトリウム、塩酸フェニレフリン等の血管収縮剤等の1種または2種以上を適宜配合することができる。【0008】このようにして得られる本発明の嗅覚障害治療剤、特にその点鼻用懸濁剤は嗅上皮再生を促進し、嗅上皮および混合性嗅覚障害に対して有用であり、長期連用しても副作用が発生する懸念はない。本発明の点鼻剤は、公知の点鼻薬一般に用いられている方法に従って使用することができ、例えば滴下法によって行うことができる。この場合には、例えば年齢、体重等により異なり、ロテプレドノール・エタボネートの濃度を0.1〜1.0w/v%、好ましくは0.25〜0.5w/v%となるようにし、これを1日2回、1回2〜3滴ずつ懸垂頭位のまま両側鼻腔に滴下する。【0009】【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明をさらに詳細に説明し、本発明の効果を明らかにするが、これらは単なる例示であって、これらにより本発明の範囲が限定されるものではない。実施例1処方ロテプレドノール・エタボネート(粒子径2〜25μm) 0.5g塩化ナトリウム 0.9gリン酸2水素ナトリウム 0.1gポリソルベート80 0.1g滅菌精製水 100ml水酸化ナトリウムでpH7.0に調整した。得られた点鼻用水性懸濁液の浸透圧は290mOsm、粘度は1cpsであった。【0010】実施例2ロテプレドノール・エタボネート(粒子径2〜25μm) 0.5g濃グリセリン 2.6g塩化ベンザルコニウム 0.005gポリソルベート80 0.2g結晶セルロースカルメロースナトリウム(粒子径2〜300μm) 3.0g滅菌精製水 100mlクエン酸でpH5.5に調整した。得られた点鼻用水性懸濁液の浸透圧は310mOsm、粘度は4900cpsであった。【0011】試験例1モルモット嗅覚障害モデルに対する薬剤の効果1)(試験方法)試験動物として体重約300gのハートレー(Hartley)系雄性モルモット(1群4匹、11群、計44匹)を用いた。起炎剤の投与は、全身麻酔下の動物の左鼻腔にチューブを挿入し、0.5%ホルマリン溶液100μlを注入することにより行われた。起炎剤の注入後、動物の背位、頭部下垂の状態に保って、起炎剤を嗅上皮に充分作用させた。薬剤投与群には、起炎剤投与の翌日から毎日、実施例1で得られた被験液100μlを全身麻酔下で、左鼻腔にゾンデを用いて1日1回注入した。無処置群(コントロール群)には、毎日全身麻酔のみ施した。【0012】2)観察方法起炎剤投与翌日から7日後まで、各群の光学顕微鏡および走査電子顕微鏡標本を2例ずつ作成した。▲1▼ 光学顕微鏡観察動物に麻酔を施し、開胸して左心室から10%中性ホルマリン液を注射器で注入した。ただちに断頭し、上顎を10%中性ホルマリン液にて固定した。脱灰し、充分な水洗を行った後、両内眼角部の面で前頭断方向に切断した。常法に従いパラフィン包埋後、上鼻甲介とこれに対向する鼻中隔部(以下嗅部という。)の組織切片を作製し、ヘマトキシリン・エオジン(H.E.)染色を施し鏡検した。▲2▼ 走査電子顕微鏡観察動物に麻酔を施し、開胸して左心室から2.5%グルタールアルデヒド液を注射器で注入した。ただちに鼻腔を開き嗅部の鼻中隔、鼻骨および甲介骨を切断し、生理食塩液にて充分洗浄した。2.5%グルタールアルデヒド液で1時間浸漬固定し、1%四酸化オスミウム液で4時間固定した。エタノール系列にて脱水、酢酸イソアミル処理後臨界点乾燥を行い、金パラジウム蒸着を行って走査電子顕微鏡にて観察した。【0013】3)光学顕微鏡および走査電子顕微鏡観察結果無処置群(コントロール)では、起炎剤投与翌日から7日後まで、嗅上皮全体に好酸球等の細胞浸潤が認められた。また翌日および2日後には、嗅部上皮細胞および嗅細胞層等の欠落や脱落が認められ、部分的に基底細胞層が露出していた。3日後では、支持細胞および嗅細胞層等の欠落や脱落が認められだが、治癒機転の指標となる扁平上皮化生が一部に観察された。4,5日後では嗅上皮組織全体に扁平上皮化生が認められ、粘膜固有層の肥厚が観察された。7日後では、扁平上皮細胞に混在して支持細胞の再生が認められた。また、走査電子顕微鏡によって嗅上皮の嗅小胞、嗅線毛および支持細胞上の微小絨毛(以下、単に絨毛という。)を観察したが、起炎剤投与3日後において嗅細胞や支持細胞の欠落がみられ(〔図1〕の中央部から左上にかけて)、嗅細胞における嗅線毛や絨毛は観察されなかった。さらに起炎剤投与7日後においても、ほとんどこれらの細胞を認めることはできなかった。一方薬剤(LTP)投与群においても、観察期間中、嗅上皮全体に好酸球や好中球等の細胞の浸潤が認められた。しかし、起炎剤投与2日後(薬剤投与開始翌日)において、嗅線毛および絨毛の欠落が認められたものの、支持細胞および嗅細胞層等の欠落または脱落は認められなかった。3日後(薬剤投与2日後)では、一部に扁平上皮化生が認められた。5日後(薬剤投与4日後)には、絨毛の再生が認められた。粘膜固有層の肥厚はいずれの時点においても観察されなかった。また、走査電子顕微鏡によって嗅上皮の嗅小胞、嗅線毛および絨毛を観察したが、起炎剤投与7日後(薬剤投与6日後)においては、嗅上皮全体に絨毛が密生し、嗅小胞から嗅線毛が出ている像が観察できた[〔図2〕中央部から左下部、右上部にかけて、嗅細胞の嗅小胞上に多数の嗅線毛がみられ、全体、特に左上部や右下部に絨毛の密生が観察される。]。嗅部の光学顕微鏡観察結果をまとめてスコア化したものを〔表1〕として揚げる。【0014】【表1】スコア採点基準:0;嗅粘膜に異常が認められない。1;嗅線毛および絨毛の減少または/および支持細胞の再生が多く認められる。2;嗅線毛および絨毛の脱落および/または扁平上皮化生に混在して、支持細胞の再生が認められる。3;支持細胞および嗅細胞等が欠落し扁平上皮が観察され、粘膜固有層の肥厚等が認められる。4;支持細胞および嗅細胞等の脱落が認められる。以上のことから、LTPの投与により嗅上皮の再生が促進されることが示唆された。【0015】試験例21)試験方法試験動物として体重約1.3kgの幼若ダッチ(Dutch)種雄性ウサギを用いた(1群5匹、4群、計20匹)。これらの動物には固型飼料(ラボRストック:日本農産工業)及び水道水を自由に摂取させ、温度24±4℃、湿度55±15%に設定された飼育室で飼育した。試験薬剤として、0.5%ロテプレドノール・エタボネート(LTP)懸濁剤および0.1%プロピオン酸ベクロメタゾン(BP)懸濁剤(処方は下記に示す。)を用いた。また、対照として生理食塩液を用いた。試験は開始前に動物の体重および眼圧を測定し、無作為に群分けを行った。試験薬剤の投与は、動物の左右鼻孔に1滴(約50μl)ずつを8週間点鼻した。ただし、1日の投与回数は最初の1週間は1日1回、そしてそれ以後は1日2回とした。この間1週間毎に体重および眼圧を測定した。投与終了後、ペントバルビタールで屠殺し、鼻腔内の貯留液の性状および量について観察した。その後、迅速に鼻中隔の採取し、走査電子顕微鏡標本を作成して観察を行った。【0016】2)試験結果(1)体重増加に及ぼす影響各試験薬剤の長期点鼻投与におけるウサギの体重の経時的変化を〔図3〕に示した。LTP群においては体重の増加が認められたが、コントロール群と比較すると投与開始1週間後から有意な体重増加抑制が認められた。BP群においてもコントロール群と比較して有意な体重増加抑制が認められ、その抑制作用はLTP群より強く、体重の減少が認められた。(2)眼圧に及ぼす影響各試験薬剤の長期点鼻投与におけるウサギの経時的な眼圧変化を〔図4〕に示した。LTP群では、コントロール群と比較して眼圧上昇は認められなかったが、BP群では投与2週間後から試験終了まで有意な眼圧上昇が認められた。【0017】(3)鼻粘膜に及ぼす影響(i)肉眼観察鼻腔内の分泌液の観察を行った結果、膿粘性の分泌液がBP群では5例中3例に認められた。一方、コントロールおよびLTP群では膿粘性の分泌液は認められなかった。【0018】(ii)走査電子顕微鏡観察ウサギ鼻中隔の走査電子顕微鏡観察結果を〔表2〕に示した。扁平上皮および線毛細胞について観察を行った。コントロールおよびLTP群では、境界明瞭で敷石状に配列した扁平細胞が観察されたが、BP群では、扁平上皮細胞の脱落や崩壊像、不均一な細胞表面が認められた。また、コントロール群の線毛細胞領域では、方向性、起立性のある豊富な線毛が観察された。LTP群においても、5例中1例にごく軽度の線毛細胞の減少が認められたのみであった。一方、BP群では5例中全例に線毛細胞の減少が認められ、LTP群の粘膜障害はBP群と比較してはるかに軽度であった。【表2】スコア採点基準:・杯細胞0;杯細胞の隆起していない状態が認められる。1;杯細胞が扁平上皮細胞領域の1部に認められ、隆起している。2;杯細胞が扁平上皮細胞領域に多く認められ、隆起している。3;杯細胞が扁平上皮細胞領域に多く、また繊毛領域の1部に認められ、隆起している。4;杯細胞が扁平上皮細胞領域および繊毛領域に多く認められ、隆起している。・扁平上皮細胞領域0;敷石状に規則正しく配列し、くさび状の微繊毛が全体に認められる。1;上皮細胞壁の傷害が認められる。2;くさび状微繊毛の変形が認められる。3;1部細胞の欠落が認められる。4;細胞の欠落や浮腫が多く認められる。・繊毛細胞領域0;方向性、起立性があり、密集している。1;起立性がなくなり、繊毛同士の接着が認められる。2;繊毛が脱落し、粗毛になっている。3;繊毛細胞が1部欠損。4;繊毛細胞の多くが欠損。【0019】【発明の効果】本発明の嗅覚障害治療剤は、長期間投与しても眼圧上昇、鼻粘膜絨毛の減少等の副作用がなく、障害を受けた嗅上皮細胞の再生を促進させて、失われたまたは低下した嗅覚を回復させることができる。【図面の簡単な説明】【図1】コントロール群の起炎剤投与7日後におけるモルモット嗅粘膜上皮走査電子顕微鏡写真。【図2】LTP投与群の起炎剤投与7日後におけるモルモット嗅粘膜上皮走査電子顕微鏡写真。【図3】薬剤投与群のウサギの体重経時変化を表す。【図4】薬剤投与群のウサギの眼圧経時変化を表す。【符号の説明】A:嗅細胞および支持細胞の欠落部分B:嗅小胞および嗅線毛再生部分C:絨毛密生部分●:コントロール○:LTP投与群△:ベクロメタゾン投与群 ロテプレドノール・エタボネートを含有してなる嗅覚障害治療剤。 嗅覚障害治療剤が点鼻用懸濁剤である請求項1記載の剤。 0.01〜10.0w/v%のロテプレドノール・エタボネートを含有してなる請求項2記載の剤。 粒子径が1〜500μmのロテプレドノール・エタボネートを含有してなる請求項2記載の剤。


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