生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_シクロヘキサンジメタノールの製造方法
出願番号:1998179906
年次:2005
IPC分類:7,C07C29/149,B01J23/80,B01J23/86,C07C29/80,C07C31/27,C07B61/00


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伊藤 博 岩村 泰一郎 吉田 安久 中澤 幹郎 JP 3629957 特許公報(B2) 20041224 1998179906 19980626 シクロヘキサンジメタノールの製造方法 新日本理化株式会社 000191250 伊藤 博 岩村 泰一郎 吉田 安久 中澤 幹郎 20050316 7 C07C29/149 B01J23/80 B01J23/86 C07C29/80 C07C31/27 C07B61/00 JP C07C29/149 B01J23/80 X B01J23/86 X C07C29/80 C07C31/27 C07B61/00 300 7 C07C 29/147- 29/149 C07C 29/74- 29/80 C07C 31/27 特開平02−131442(JP,A) 特開平04−169549(JP,A) 特開平05−058929(JP,A) 特開昭51−063136(JP,A) 特開昭51−036405(JP,A) 特開平07−238043(JP,A) 6 2000007595 20000111 10 20020328 松本 直子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、シクロヘキサンジメタノール(以下「CHDM」と略記する。)の製造方法に関し、より詳しくは、アルデヒド含有量の少ないCHDMの製造方法に関する。CHDMは、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂及びポリカーボネート樹脂等のジオール成分として適用することにより、これらの樹脂の耐熱性、透明性、耐候性及び成型性の向上等に有効である。特にポリエチレンテレフタレ−トの改質に有用な化合物として注目されている。【0002】【従来の技術】CHDMの製造方法としては、シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルのエステル基を銅系触媒の存在下、還元してCHDMを含む反応粗物を得、次いで当該反応粗物を減圧蒸留する方法が知られている。当該還元反応に効果的な銅系触媒としては、銅クロマイト、銅酸化物/亜鉛酸化物、銅酸化物/チタン酸化物、銅酸化物/鉄酸化物、更にこれらの助触媒としてバリウム、マグネシウム及び亜鉛の酸化物で変性したうえで還元活性化した触媒等が挙げられる(米国特許第3334149号、特開平6−192146号、特開平7−196549号、米国特許第5334779号、米国特許第5030771号)。【0003】又、一般に、1級飽和アルコールを銅の存在下、高温に加熱すると脱水素反応が起き、アルデヒドが生成することが知られている(JOHN A.MONICK,「ALCOHOLS」,p44,REINHOLD BOOKCORPORATION(1968))。【0004】本発明者等の検討によれば、銅系触媒を使用してシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルを還元して得られる反応粗物中には銅(金属又はイオン)が含まれており、反応粗物の減圧蒸留中に蒸留液温が高くなると、不純物として混在する銅がCHDMのヒドロキシメチル基の脱水素反応触媒として働き、ホルミルシクロヘキサンメタノール(以下「アルデヒド化合物」と略記する。)が副生し、蒸留したCHDM中に混入してくる。かかるアルデヒド化合物を含むCHDMをジオール成分として前記樹脂を製造した場合、目的とする重合度が得られなかったり、樹脂が着色したり、更には臭気の面で問題となる。【0005】【発明が解決しようとする課題】本発明は、銅系触媒の存在下、シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルのエステル基を還元して得られるCHDMを含む反応粗物を減圧蒸留して精製するに際し、アルデヒド化合物を殆ど含まない高品質のCHDMの製造方法を提供することを目的とする。【0006】【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルのエステル基を還元して得られる反応粗物を減圧蒸留して精製されたCHDMを製造するに際し、蒸留中の缶液に含まれる銅含有量を特定濃度以下に保持することにより、アルデヒド化合物の含有量が極めて微量のCHDMを得ることが出来ることを見いだし、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。【0007】即ち、本発明に係るCHDMの製造方法は、一般式(1)[式中、Rは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。]で表されるシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルを銅系触媒の存在下、還元して得られる一般式(2)で表されるシクロヘキサンジメタノールを含む反応粗物を減圧下で蒸留するに際し、蒸留中の缶液に含まれる銅の含有量を蒸留の開始時から終了時まで5ppm以下に保つことを特徴とする。【0008】【発明の実施の形態】本発明に係るCHDMとしては、1,2−CHDM、1,3−CHDM及び1,4−CHDMが例示される。【0009】これらのCHDMは、例えば、銅系触媒の存在下、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルなど、それぞれ対応する置換位置のエステル基を有するシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルを還元して得られる化合物である。【0010】これらのジエステルを構成するアルキル基は、炭素数が1〜4であって、脂肪族一価アルコールに由来するものである。【0011】シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルとして、具体的には、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソプロピル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソプロピル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジエチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソプロピル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソブチル等が例示される。【0012】還元反応で使用される銅系触媒としては、エステル還元能を有する公知の銅含有触媒が使用でき、具体的には、銅酸化物/クロム酸化物、銅酸化物/亜鉛酸化物、銅酸化物/チタン酸化物、銅酸化物/鉄酸化物、更にこれらの助触媒としてバリウム、マンガン、アルミ、亜鉛又はマグネシウ等の酸化物を含有する触媒が例示される。【0013】以上の銅系触媒のうち、いわゆるアドキンス型の市販されている銅酸化物/クロム酸化物成型触媒や銅酸化物/亜鉛酸化物成型触媒及びこれらに酸化バリウムや酸化マンガン等の助触媒を含む成型触媒が特に好ましい。【0014】固定床用銅系成型触媒は、反応に使用する前に予備還元処理が一般に好ましい。予備還元処理は、水素/窒素混合ガス流通下、常圧又は加圧下にて、150〜300℃の温度範囲内で水素濃度を徐々に、上昇させながら実施する一般的な方法が採用できる。【0015】シクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルの還元反応の圧力としては、185〜300kg/cm2、温度は200〜280℃の範囲が好適である。【0016】本発明に係る固定床還元反応の形態としては、前記銅系成型触媒を充填した固定床反応装置の上部から水素ガスと原料を供給し、生成物と過剰の水素を反応器下部から抜き出す流下法、又は下部から水素ガスと原料を供給し、生成物と過剰の水素を反応器上部から抜き出す上昇法のいずれでも可能である。【0017】かくして得られる反応粗物を減圧蒸留して精製されたCHDMを得るに際し、減圧蒸留中の缶液に含まれる銅含有量は5ppm以下である。5ppmを越える条件下で蒸留精製した場合には、アルデヒド化合物の量が増加し、本発明所定の効果を得ることができない。【0018】又、本発明において、減圧蒸留前の反応粗物に含まれる銅を吸着剤を用いて予め除去することは、蒸留精製中に副生するアルデヒド化合物の量を低減する上で効果的な工業的処理方法である。特に上記吸着処理を適用して当該銅含有量を1ppm以下に低減することにより、副生するアルデヒド化合物の量を極めて少量とすることができる。【0019】かかる銅の吸着剤としては、活性炭、多孔性無機化合物及びカチオン交換体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の吸着性物質が推奨される。以上の吸着性物質の中でも活性炭が効果、価格の面で工業的に最も好ましい。【0020】活性炭としては、一般に工業的に入手できるものが使用できる。木材、木炭、ヤシガラ、石炭のいずれを原料にしたものでも良く、水蒸気賦活炭でも塩化亜鉛賦活炭のいずれでも使用できるが、好ましくは水蒸気賦活炭が使用される。形状は粉末炭、粒状炭のいずれでも使用できるが、前者は処理原料である反応粗物と混合して吸着濾過する回分法を採用し、後者は反応粗物を粒状活性炭の固定層に通過させて吸着処理する連続法を採用出来る。処理温度は反応粗物の融点以上であって、200℃以下の範囲が好ましい。【0021】多孔性無機化合物としては、天然ゼオライト、合成ゼオライト、活性白土、シリカゲル、活性アルミナ 、ハイドロタルサイト等が挙げられる。形状は、粉末、粒状のいずれでも使用できるが、前者は処理原料である反応粗物と混合して吸着濾過する回分法を採用し、後者は反応粗物を粒状活性炭の固定層に通過させて吸着処理する連続法を採用出来る。処理温度は反応粗物の融点以上あって、200℃以下の範囲が好ましい。【0022】カチオン交換体としては、例えばカチオン交換樹脂や無機系カチオン交換体が挙げられる。【0023】カチオン交換樹脂としては、樹脂母体にスルホン酸基、カルボン酸基等のカチオン交換基を有する樹脂が例示される。樹脂母体としては、一般にはスチレン樹脂、スチレン系共重合系樹脂、フッ素化エチレン樹脂、フェノール樹脂、アクリル酸系樹脂等が用いられる。吸着方法としては、カラムに充填した球状のカチオン交換樹脂層に反応粗物を通過させ吸着処理する連続法が採用出来る。一方、処理温度は原料の融点以上であって、100℃以下の範囲が好ましい。100℃を越えると樹脂の耐熱性の限界を越えるので問題である。【0024】無機系カチオン交換体としては、ジルコニウム系、スズ系、アンチモン系、チタン系及びビスマス系のものが例示される。形状は、粉末、粒状のいずれでも使用できるが、前者は処理原料である反応粗物と混合して吸着濾過する回分法を採用し、後者は反応粗物を粒状活性炭の固定層に通過させて吸着処理する連続法を採用出来る。処理温度は反応粗物の融点以上あって、200℃以下の範囲が好ましい。【0025】処理方法が連続方式のときは、吸着剤の種類に拘わらず、粒状吸着剤を充填したカラム内に反応粗物をカラム上方から下方に通過させる流下方式、又はカラム下方から上方に通過させる上昇方式のいずれの方式をも採用出来る。【0026】通液速度(LHSV)は、処理条件及び吸着剤の種類によって異なるが、0.5〜20h−1の範囲が好ましい。0.5h−1未満では生産性が低く、20h−1 を越える場合には、その処理効果が低くなり、いずれも好ましくない。【0027】一方、処理方法が回分方式のときは、その処理条件は、吸着剤の種類によって異なってくるが、一般的には次のような条件が例示出来る。即ち、吸着剤の添加量は0.1〜10重量%の範囲であり、より好ましくは0.3〜5重量%の範囲である。0.1重量%未満ではその効果は小さく、10重量%を越えて適用しても大きな添加効果が認められない。【0028】処理時間としては、一般に0.1〜10時間の範囲が好ましい。0.1時間未満ではその処理効果が低く、10時間を越える場合には生産性が低くなりいずれも好ましくない。【0029】更に、反応粗物を溶媒に溶解して溶液として処理することも可能である。溶媒の種類は、特に限定されず、原料のCHDMを溶解するものであって、且つCHDMに不活性なものであれば良い。特に、アルコール類が好んで用いられる。【0030】当該アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール等が例示される。特に、工業的にメタノールが推奨される。【0031】溶媒の使用量は、適宜選択され、系中のCHDMの濃度が10重量%以上、好ましくは30重量%以上となるように調整される。10重量%未満では生産性が悪く問題となる。【0032】尚、吸着剤の種類に拘わらず、反応粗物の着色及び空気酸化を防止するために、いずれも窒素雰囲気下で行うことが好ましい。【0033】反応粗物を減圧蒸留精製するに際し、水素化ナトリウムホウ素(以下「SBH」と略記する。)、次亜リン酸ナトリウム又は次亜リン酸ナトリウムの水和物を添加して減圧蒸留することにより、アルデヒド化合物の副生を更に低減出来る。特に吸着処理を併用した場合、その効果は顕著である。本発明で用いるSBH及び次亜リン酸ナトリウムは、共に工業的に入手可能なものであり、特に後者は一水和物が一般的である。【0034】その添加量は、減圧蒸留中に脱水素して発生してくるアルデヒド化合物を還元し、元のCHDMに還元出来る量以上であれば十分であり、具体的には反応粗物に対して0.01〜5重量%の範囲が好ましい。 0.01重量%未満ではその添加効果は少なく、5重量%を越えて用いた場合では製品高となり、且つ減圧蒸留ピッチ中の無機物の含有量が大きくなり蒸留釜からの排出が困難となる。【0035】使用形態は粉末のまま、又は水溶液として添加使用出来る。【0036】一方、処理温度は、前記反応粗物の減圧蒸留条件であれば十分その還元作用の発現が可能である。【0037】粗物の減圧蒸留は、回分蒸留でも連続蒸留のいずれでも可能である。いずれの蒸留方式であっても、減圧蒸留中の缶液の推奨される温度は130〜250℃であり、特に150〜230℃が好ましい。130℃未満では、たとえ高真空であってもCHDMの留出は困難であり、一方、250℃を越えると脱水素反応が顕著となり好ましくない。【0038】減圧蒸留装置塔頂の減圧度としては、30mmHg以下、好ましくは15mmHg以下が良い。減圧度が30mmHgを越えると缶液温が高くなり、前記の不都合な脱水素反応が顕著となる。【0039】【実施例】以下に製造例及び実施例を掲げて本発明を具体的に説明する。【0040】サンプル組成ガスクロマトグラフィーによって分析した。分析条件はガラス製2mカラムを用い、充填剤として15%DEGS/Chromosorbを使用し、カラム温度180℃、キャリアーガスとして窒素を60ml/minの流量にて行った。【0041】銅の含有量原子吸光分析法によって分析した。【0042】アルデヒド化合物の含有量ジニトロフェニルヒドラジン比色法によって分析した。【0043】製造例1容量0.314Lの固定床反応装置にマンガンを含む円筒状(直径3.5mm×高さ3.5mm)の銅−クロム酸化物成型触媒(酸化銅40重量%、酸化クロム45重量%、酸化マンガン2.1重量%)499gを充填し、水素/窒素混合ガスにて加熱下に予備還元処理を行った。予備活性化処理後、純度95.4%の1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルを320ml/h(LHSV=1.02h−1)の送液速度で250℃、180kg/cm2Gの条件下、反応塔の上部から水素ガス 7.4Nm3/hと共に供給してエステル基の還元反応を連続的に行った。この固定床連続還元反応によって塔下部から得られた反応粗物の分析結果を以下に示す。1,3−CHDM純度 92.2%アルデヒド含有量 0.0ppm銅含有量 4.2ppm【0044】製造例2反応圧力を200kg/cm2Gとした以外は、製造例1と同様の条件で還元反応を連続的に行った。この固定床連続還元反応によって得られた反応粗物の分析結果を以下に示す。1,3−CHDM純度 96.3%アルデヒド化合物含有量 0.0 ppm銅含有量 0.46ppm【0045】製造例3製造例1で使用した装置に円筒状(直径3.5mm×高さ3.5mm)の銅−亜鉛−アルミニウム酸化物成型触媒(酸化銅 42重量%、酸化亜鉛 重量44%、酸化アルミニウム 3重量%)487gを充填し、水素/窒素混合ガスにて加熱下に予備還元処理を行った。予備活性化処理後、純度96.2%の1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチルを320ml/h(LHSV/V=1.02h−1)の送液速度で250℃、180kg/cm2Gの条件下、反応塔の上部から水素ガス 7.4Nm3/hと共に供給してエステル基の還元反応を連続的に行った。この固定床連続還元反応によって塔下部から得られた反応粗物の分析結果を以下に示す。1,4−CHDM純度 93.3%アルデヒド化合物含有量 0.0ppm銅含有量 3.8ppm【0046】実施例1製造例1で得られた反応粗物(1,3−CHDM純度:92.2%、銅含有量:4.2ppm)を100℃に保ちながら、吸着剤として粒状活性炭(商品名:粒状白鷺KL、武田薬品工業社製、水蒸気賦活、以下「粒状活性炭A」という。)150mlを充填した内径15mm、長さ1.0mのガラス製カラムに下降流で空間速度(LHSV)5h−1(供給速度=750mL/h)にて通液して銅の吸着処理を行った。次いで、吸着処理して得た反応粗物1kgを25cmのウィドマー精留塔を備えた2L蒸留フラスコに仕込み、初留20重量%(対反応粗物)を留去した後、160〜175℃/10〜15mmHg(缶液温:180〜225℃)の条件下で減圧蒸留を実施して主留70重量%(対反応粗物)を留出後、フラスコにピッチとして10重量%(対反応粗物)残して減圧蒸留を終了した。当該反応粗物の吸着処理結果及び減圧蒸留の結果を第1表に示す。【0047】実施例2吸着剤として、粒状活性炭(商品名:顆粒炭SGS、二村化学工業社製、塩化亜鉛賦活、以下「粒状活性炭B」という。)を使用した他は実施例1と同様にして減圧蒸留した。当該反応粗物の吸着処理結果及び減圧蒸留の結果を第1表に示す。【0048】実施例3吸着剤として、合成ゼオライト(商品名:ゼオラムA−3、東ソー社製、柱状品、3mmΦ)を使用した他は実施例1と同様にして減圧蒸留した。当該反応粗物の吸着処理結果及び減圧蒸留の結果を第1表に示す。【0049】実施例4吸着剤として、カチオン交換樹脂(商品名:ダイアイオンPK208、三菱化学社製、球状品、ポーラス型、ポリスチレン系スルホン基型)を使用した他は実施例1と同様にして減圧蒸留した。当該反応粗物の吸着処理結果及び減圧蒸留の結果を第1表に示す。【0050】比較例1製造例1で得られた反応粗物の吸着剤処理を行わなかった以外は実施例1と同様に減圧蒸留を行った。 当該反応粗物の減圧蒸留結果を表1に示す。【0051】【0052】実施例5製造例2で得られた反応粗物(1,3−CHDM純度:96.3%、銅含有量:0.46ppm)を吸着処理しなかった以外は実施例1と同様に減圧蒸留を行ったところ、蒸留後の缶液に含まれる銅含有量は4.8ppmであり、主留分中のアルデヒド化合物量は35ppmであった。【0053】実施例6製造例3で得られた反応粗物(1,4−CHDM純度 93.3%、銅含有量 3.8ppm)を100℃に保ちながら、「粒状活性炭A」を150ml充填したガラス製カラムに下降流で空間速度(LHSV)4h−1(供給速度=600mL/h)にて通液して,銅の吸着処理を行った後、減圧蒸留原料とした。次いで、吸着処理して得た反応粗物1kgを25cmのウィドマー精留塔を備えた2L蒸留フラスコに仕込み、初留20重量%(対反応粗物)を留去した後、160〜175℃/10〜15mmHg(缶液温:180〜220℃)の条件下で減圧蒸留を実施して主留70重量%(対反応粗物)を留出後、フラスコにピッチとして10重量%(対反応粗物)残して減圧蒸留を終了した。当該反応粗物の吸着処理結果及び減圧蒸留の結果を第2表に示す。【0054】実施例7吸着剤として、合成ゼオライト(商品名:ゼオラムA−3)を使用した他は実施例6と同様にして減圧蒸留した。当該反応粗物の吸着処理結果及び減圧蒸留の結果を第2表に示す。【0055】実施例8吸着剤として、カチオン交換樹脂(商品名:ダイアイオンPK208)を使用した他は実施例6と同様にして減圧蒸留した。当該反応粗物の吸着処理結果及び減圧蒸留の結果を第2表に示す。【0056】比較例2製造例3で得られた反応粗物(銅含有量:3.8ppm)の吸着剤処理を行わなかった以外は実施例6と同様に減圧蒸留を行った。当該反応粗物の減圧蒸留結果を表2に示す。【0057】【0058】実施例9製造例3で得られた反応粗物(1,4−CHDM純度:93.3%、銅含有量:3.8ppm)を実施例6と同様に「粒状活性炭A]で吸着処理した後、得られた反応粗物(吸着処理液中の銅含有量:0.31ppm)に還元剤としてSBHを0.2重量%(対反応粗物)を添加した以外は実施例6と同様の減圧蒸留を行ったところ、蒸留後の缶液に含まれる銅含有量は2.9ppmであり、主留分中のアルデヒド化合物量は2.2ppmであった。【0059】実施例10反応粗物(吸着処理液中の銅含有量:0.31ppm)に還元剤としてSBHに代えて次亜リン酸ナトリウム一水和物(NaH2PO2・H2O)0.5重量%(対反応粗物)を添加した以外は実施例9と同様にして減圧蒸留を行ったところ、蒸留後の缶液に含まれる銅含有量は2.8ppmであり、主留分中のアルデヒド化合物量は2.5ppmであった。【0060】実施例11製造例3で得られた反応粗物(銅含有量 3.8ppm)12kgを原料とし、「粒状活性炭A」1.5Lを充填した大型ガラス製カラム(内径40mm、長さ1.5m)を用い、当該反応粗物を100℃に保ちながら空間速度4h−1(供給速度=6L/h)にてカラム下降流にて通液して,銅の吸着処理を行った。この吸着処理した反応粗物(銅含有量 0.39ppm)を回分蒸留装置(20L容量)にて、沸点範囲が 170℃/15mmHg(液温〜190℃)になるまでの初留分20%を留出させて1,4−CHDM純度96.8%のトッピング品(銅含有量0.49ppm)9.2kgを得た。【0061】更に、当該トッピング品9kgを原料として連続蒸留装置にて減圧蒸留を行った。即ち、精留用の規則性充填物(SUS316)を充填した理論段数10段の連続蒸留塔に前記トッピング品を1L/hの速度で連続供給し、還流状態が定常になってから、還流比(R/D)=2、減圧度15mmHg、留出温度170℃、缶液温度185℃に設定し、塔頂から主留分を約0.9L/h、塔底から高沸点物分を約0.1L/hの速度で連続的に抜き出しつつ行った。5時間減圧蒸留(最終缶液中の銅含有量:3.8ppm)を実施して、主留分(1,4−CHDM純度:99.7%)を約4.5kg、高沸点物分を約0.5kg得た。主留分中のアルデヒド含有量は35ppmであった。【0062】【発明の効果】本発明に係る条件を適用することにより、不純アルデヒドの副生が極めて小さい高品質のCHDMを工業的に製造することができる。 一般式(1)[式中、Rは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。]で表されるシクロヘキサンジカルボン酸ジアルキルを銅系触媒の存在下で還元して得られる一般式(2)で表されるシクロヘキサンジメタノールを含む反応粗物を減圧下で蒸留するに際し、蒸留中の缶液に含まれる銅の含有量を蒸留の開始時から終了時まで5ppm以下に保つことを特徴とするシクロヘキサンジメタノールの製造方法。 シクロヘキサンジメタノールを含む反応粗物中に含まれる銅の含有量を吸着剤を用いて吸着処理して低減した後、減圧下で蒸留することを特徴とする請求項1に記載のシクロヘキサンジメタノールの製造方法。 吸着処理後の銅含有量が1ppm以下である請求項2に記載のシクロヘキサンジメタノールの製造方法。 吸着剤が、活性炭、多孔性無機化合物及びカチオン交換体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の吸着性物質である請求項2又は請求項3に記載のシクロヘキサンジメタノールの製造方法。 水素化ナトリウムホウ素、次亜リン酸ナトリウム又は次亜リン酸ナトリウムの水和物の存在下、減圧下で蒸留することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの請求項に記載のシクロヘキサンジメタノールの製造方法。 缶液温度を130〜250℃に制御しながら減圧下で蒸留することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの請求項に記載のシクロヘキサンジメタノールの製造方法。


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