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タイトル:特許公報(B2)_有機陰イオントランスポーター及びその遺伝子
出願番号:1998139411
年次:2011
IPC分類:C12N 15/09,C07K 14/47,C12N 5/10,C12Q 1/68,C12R 1/91


特許情報キャッシュ

遠藤 仁 金井 好克 関根 孝司 細山田 真 JP 4678899 特許公報(B2) 20110210 1998139411 19980521 有機陰イオントランスポーター及びその遺伝子 遠藤 仁 597072006 佐伯 憲生 100102668 佐伯 裕子 100147289 遠藤 仁 金井 好克 関根 孝司 細山田 真 JP 1997134182 19970523 20110427 C12N 15/09 20060101AFI20110407BHJP C07K 14/47 20060101ALI20110407BHJP C12N 5/10 20060101ALI20110407BHJP C12Q 1/68 20060101ALI20110407BHJP C12R 1/91 20060101ALN20110407BHJP JPC12N15/00 AC07K14/47C12N5/00 BC12Q1/68 AC12N5/00 BC12R1:91 C12N15/00 PUBMED MEDLINE CA BIOSIS GENEBANK EMBL DDBJ GENESEQ SWISSPROT PIR J.Biol.Chem.(1997)Vol.272,p.6471−6478 J.Biol.Chem.(1996)Vol.271,p.20719−20725 5 1999032786 19990209 24 20050512 2008000913 20080111 鈴木 恵理子 引地 進 鵜飼 健 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は有機陰イオンの輸送に関与する遺伝子と、その遺伝子がコードするポリペプチドに関する。【0002】【従来の技術】腎臓は、生体異物や薬物の体外への排出に関して、重要な役割を果たしている。アニオン性の薬物は、担体を介した経路で腎臓近位尿細管から尿中へ排出されている。このような有機陰イオンの排出は、尿細管細胞がその側底膜を介して、有機陰イオンを尿細管周囲の血液から取り込むことから始まる。【0003】側底膜における有機陰イオンの取り込みについては、例えば基質の有機陰イオンとしてパラアミノ馬尿酸を使い、摘出臓器かん流法や単離細胞膜小胞系などを用いた実験により研究されてきた。この研究の中で、有機陰イオンの取り込みには、有機陰イオントランスポーターが関与していること、また、側底膜における有機陰イオンの取り込みは、有機アニオンとジカルボン酸の交換輸送体によって介されると考えられてきた。【0004】しかし、従来の手法では、尿細管における輸送機構の詳細、例えばトランスポーター間での輸送のネットワークや腎排泄過程における薬物間の相互作用などを解析することは困難であり、有機陰イオントランスポーターの遺伝子を単離して詳細な機能解析を可能とすることが望まれていた。【0005】肝臓で発現している有機陰イオントランスポーター遺伝子については、種々の分子種がクローニングされている〔Hagenbuchら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第88巻、10629頁、1991年およびJacqueminら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第91巻、133頁、1994年〕。また、腎臓および肝臓に発現する有機陽イオントランスポータの一つであるOCT1の遺伝子クローニンングが報告されている〔Grundemannら、Nature、第372巻、549頁、1994年〕。【0006】また、ジカルボン酸のトランスポーターとして、腎臓のナトリウム依存性ジカルボン酸トランスポーター(NaDC−1)の遺伝子クローニングが報告されている〔Pajorら、J.Biol.Chem.、第270巻、5779頁、1995年〕。【0007】また、最近、ナトリウム非依存性ラット肝有機陰イオントランスポータ(oatp)の類縁遺伝子として、ラットの腎尿細管に局在する有機陰イオントランスポータOAT−K1の遺伝子のクローニングが報告された〔Saitoら、J.Biol.Chem.、第270巻、20719頁、1996年〕。しかしながら、このOAT−K1については、その輸送機構が、有機アニオンとジカルボン酸の交換輸送によるものであるとは確認されていない。【0008】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、腎臓における有機陰イオン輸送に関与する新規な有機陰イオントランスポーター遺伝子及びその遺伝子がコードするポリペプチドである有機陰イオントランスポーターを提供することにある。その他の目的については、以下の記載より明らかである。【0009】【課題を解決するための手段】本発明者らは、ラット腎臓細胞から、有機陰イオンを輸送する能力を有する新規タンパク質の遺伝子をクローニングし、さらにヒトの相同遺伝子(ホモログ)をクローニングした。さらに、これら遺伝子の産物をアフリカツメガエルの卵母細胞中で発現させて有機陰イオンの輸送能を確認することに成功し、本発明を完成するにいたった。【0010】すなわち、本発明は、以下の(A)、(B)、(C)及び(D)から選択されるタンパク質である。(A)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。(B)配列番号1で示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ有機陰イオンを輸送する能力を有するタンパク質。(C)配列番号2で示されるアミノ酸配列からなるタンパク質。(D)配列番号2で示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつ有機陰イオンを輸送する能力を有するタンパク質。【0011】また、本発明は、以下の(a)、(b)、(c)及び(d)から選択されるDNAからなる遺伝子である。(a)配列番号1で示される塩基配列からなるDNA。(b)配列番号1で示される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ有機陰イオンを輸送する能力を有するタンパク質をコードするDNA。(c)配列番号2で示される塩基配列からなるDNA。(d)配列番号2で示される塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ有機陰イオンを輸送する能力を有するタンパク質をコードするDNA。【0012】本発明の有機陰イオンを輸送する能力を有する新規タンパク質、すなわち有機陰イオントランスポーター(OAT1:Organic Anion Transporter 1)は、生体内においては腎臓の尿細管で主に発現している。【0013】また、有機陰イオントランスポーターOAT1は、その有機陰イオン輸送能(発現細胞への有機陰イオン取り込み)が細胞内ジカルボン酸の存在によって活性化される。このことから、有機アニオンとジカルボン酸の交換輸送を行うトランスポーターであると考えられる。また、交換輸送に際しては、OAT1によって有機陰イオンと交換に細胞外にだされるジカルボン酸は、ナトリウム依存性ジカルボン酸トランスポーター(NaDC−1)によって細胞に取り込まれ、リサイクルされると考えられる。【0014】また、本発明の有機陰イオントランスポーターOAT1は、環状塩基、プロスタグランジン、尿酸のほか、抗生物質、非ステロイド系抗炎症薬、利尿薬、抗腫瘍薬等種々の異なる構造を持った薬物に対してこれらを輸送する(取り込む)能力を有する、非常に広い範囲の基質選択性を有するものである。【0015】また、本発明の有機陰イオントランスポーターOAT1は、既に報告されているラット腎の有機陰イオントランスポータOAT−K1とは、相同性がなく、全く別の分子種であると考えられる。【0016】【発明の実施の形態】後記配列表の配列番号1は、ラットの腎臓由来の有機陰イオントランスポーター(ラットOAT1)の遺伝子の全長cDNA塩基配列(約2.2kbp)、及びその翻訳領域にコードされたタンパク質のアミノ酸配列(551アミノ酸)を表す。【0017】配列番号2は、ヒトの腎臓由来の有機陰イオントランスポーター(ヒトOAT1)の遺伝子の全長cDNA塩基配列(約2.2kbp)、及びその翻訳領域にコードされたタンパク質のアミノ酸配列(563アミノ酸)を表す。【0018】前記配列番号1及び2に示される塩基配列もしくはアミノ酸配列ついて、既知DNAデータベース(GenBankおよびEMBL)及びプロテインデータベース(NBRF及びSWISS−PROT)に含まれる全ての配列に対してホモロジー検索を行った結果、一致するものはなく、これら配列は、新規なものであると考えられる。【0019】本発明のタンパク質としては、配列番号1又は2で示されたアミノ酸配列を有するもののほか、例えば配列番号1又は2で示されたアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有するものが挙げられる。アミノ酸の欠失、置換もしくは付加は、有機陰イオン輸送活性が失われない程度であればよく、通常1〜約110個、好ましくは1〜約55個である。このようなタンパク質は、配列番号1又は2で示されたアミノ酸配列と通常、80%以上、好ましくは90%以上のアミノ酸配列のホモロジーを有する。【0020】また、本発明の遺伝子としては、配列番号1又は2で示された塩基配列を有するDNAを含むもののほか、配列番号1又は2で示された塩基配列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得るDNAを含むものが挙げられる。このようにハイブリダイズし得るDNAは、そのDNAにコードされるタンパク質が有機陰イオンを輸送する能力を有するものであればよい。このようなDNAは、配列番号1又は2で示された塩基配列と、通常、70%以上、好ましくは80%以上の塩基配列のホモロジーを有する。このようなDNAとしては、自然界で発見される変異型遺伝子、人為的に改変した変異型遺伝子、異種生物由来の相同遺伝子等が含まれる。【0021】本発明において、ストリンジェントな条件下でのハイブリダイゼーションは、通常のストリンジェントな条件(ローストリンジェントな条件)では、ハイブリダイゼーションを、5xSSC又はこれと同等の塩濃度のハイブリダイゼーション溶液中、37−42℃の温度条件下、約12時間行い、5xSSC又はこれと同等の塩濃度の溶液等で必要に応じて予備洗浄を行った後、1XSSC又はこれと同等の塩濃度の溶液中で洗浄を行うことにより実施できる。また、より高いストリンジェンシーを有する条件(ハイストリンジェントな条件)では、前記において、洗浄を0.1xSSC又はこれと同等の塩濃度の溶液中で行うことにより実施できる。【0022】本発明の有機陰イオントランスポーター遺伝子は、適当な哺乳動物の腎臓の組織や細胞を遺伝子源として用いてスクリーニングを行うことにより単離取得できる。哺乳動物としては、イヌ、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、サル、ブタ、ウサギ、ラット及びマウスなどの非ヒト動物のほか、ヒトが挙げられる。【0023】遺伝子のスクリーニング及び単離は、発現クローニング法(Expression Cloning)などにより好適に実施できる。【0024】例えば、ラット腎臓組織を遺伝子源として用い、これからmRNA(ポリ(A)+RNA)を調製する。これを、分画し、各画分について、ラットナトリウム依存性ジカルボン酸塩トランスポーター(rNaDC−1)のcRNAとともに、アフリカツメガエルの卵母細胞に導入する。【0025】NaDC−1遺伝子のcDNAはすでに報告されている〔Pajorら、J.Biol.Chem.、第270巻、5779頁、1995年〕ので、この配列情報から、PCR法などを用いて、容易にNaDC−1遺伝子のcDNAを得ることが可能である。得られたNaDC−1cDNAから、T3又はT7RNAポリメラーゼ等を用いて、これに相補的なRNA(cRNA)(キャップ化されたもの)を合成できる。【0026】mRNAと、NaDC−1cRNAを導入した卵母細胞について、例えばパラアミノ馬尿酸などを基質(有機陰イオン)として、細胞内への基質の輸送(取込み)を測定し、高い取り込みを示したmRNAの画分を選択することにより、OAT1のmRNAを濃縮できる。この濃縮されたmRNAをもとに、cDNAライブラリを作製する。ライブラリのcDNAから、cRNA(キャップ化されたもの)を調製し、各々のクローンについて、前記と同様にして、NaDC−1cRNAとともに卵母細胞に導入し、基質の取り込み活性を指標として、陽性クローンを選択することにより、OAT1遺伝子のcDNAを含むクローンを得ることができる。【0027】得られたcDNAについては、常法により塩基配列を決定し、翻訳領域を解析して、これにコードされるタンパク質、すなわち、OAT1のアミノ酸配列を決定することができる。【0028】得られたcDNAが、有機陰イオントランスポーター遺伝子のcDNAであること、すなわち、cDNAにコードされた遺伝子産物が有機陰イオントランスポーターであることは、例えば次のようにして検証することができる。すなわち、得られたOAT1遺伝子のcDNAから調製したcRNAを卵母細胞内に導入して発現させ、有機陰イオンを細胞内へ輸送する(取り込む)能力を、前記と同様、適当な有機陰イオンを基質とする通常の取込み試験(Kanai and Hediger、Nature、第360巻、467-471頁、1992年)により、細胞内への基質の取り込みを測定することにより確認できる。【0029】また、発現細胞について、同様の取り込み実験を応用して、OAT1の特性、例えば、OAT1がジカルボン酸との交換輸送を行っているという特性や、OAT1の基質特異性などを調べることができる。【0030】得られたOAT1遺伝子のcDNAを用いて、異なる遺伝子源で作製された適当なcDNAライブラリー又はゲノミックDNAライブラリーをスクリーニングすることにより、異なる組織、異なる生物由来の相同遺伝子や染色体遺伝子等を単離することができる。【0031】また、開示された本発明の遺伝子の塩基配列(配列番号1および2に示された塩基配列、もしくはその一部)の情報に基づいて設計された合成プライマーを用い、通常のPCR(Polymerase Chain Reaction)法によりcDNAライブラリー又はゲノミックDNAライブラリーから遺伝子を単離することができる。【0032】cDNAライブラリー及びゲノミックDNAライブラリー等のDNAライブラリーは、例えば、「モレキュラークローニング(Molecular Cloning)」[Sambrook, J., Fritsch, E.F.及びManiatis, T. 著、Cold Spring Harbor Laboratory Pressより1989年に発刊]に記載の方法により調製することができる。あるいは、市販のライブラリーがある場合はこれを用いてもよい。【0033】本発明の有機陰イオントランスポーター(OAT1)は、例えば、有機陰イオントランスポーターをコードするcDNAを用い、遺伝子組換え技術により生産することができる。例えば、有機陰イオントランスポーターをコードするDNA(cDNA等)を適当な発現ベクターに組み込み、得られた組換えDNAを適当な宿主細胞に導入することができる。ポリペプチドを生産するための発現系(宿主−ベクター系)としては、例えば、細菌、酵母、昆虫細胞および哺乳動物細胞の発現系等が挙げられる。このうち、機能タンパクを得るためには、昆虫細胞および哺乳動物細胞を用いることが好ましい。【0034】例えば、ポリペプチドを哺乳動物細胞で発現させる場合には、有機陰イオントランスポーターをコードするDNAを、適当な発現ベクター(例えば、レトロウイルス系ベクター、パピローマウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、SV40系ベクター等)中の適当なプロモーター(例えば、SV40プロモーター、LTRプロモーター、エロンゲーション1αプロモーター等)の下流に挿入して発現ベクターを構築する。次に、得られた発現ベクターで適当な動物細胞を形質転換し、形質転換体を適当な培地で培養することによって、目的とするポリペプチドが生産される。宿主とする哺乳動物細胞としては、サルCOS−7細胞、チャイニーズハムスターCHO細胞、ヒトHeLa細胞又は、腎臓組織由来の初代培養細胞やブタ腎由来LLC−PK1細胞、フクロネズミ腎由来OK細胞等の細胞株等が挙げられる。【0035】有機陰イオントランスポーターOAT1をコードするDNAとしては、例えば、配列番号1及び2に示される塩基配列を有するcDNAを用いることができるほか、前記のcDNA配列に限定されることなく、アミノ酸配列に対応するDNAを設計し、ポリペプチドをコードするDNAとして用いることもできる。この場合、ひとつのアミノ酸をコードするコドンは各々1〜6種類知られており、用いるコドンの選択は任意でよいが、例えば発現に利用する宿主のコドン使用頻度を考慮して、より発現効率の高い配列を設計することができる。設計した塩基配列を持つDNAは、DNAの化学合成、前記cDNAの断片化と結合、塩基配列の一部改変等によって取得できる。人為的な塩基配列の一部改変、変異導入は、所望の改変をコードする合成オリゴヌクレオチドからなるプライマーを利用して部位特異的変異導入法(site specific mutagenesis)[Mark, D. F. et al.、Proceedings of National Academy of Sciences、第81巻、第5662〜5666頁(1984年)] 等によって実施できる。【0036】本発明の有機陰イオントランスポーター遺伝子にストリンジェントな条件下でハイブリダイズするヌクレオチド(オリゴヌクレオチドもしくポリヌクレオチド)は、有機陰イオントランスポーター遺伝子を検出するためのプローブとして使用できるほか、有機陰イオントランスポーター遺伝子の発現を変調させるために、例えばアンチセンスオリゴヌクレオチドや、リボザイム、デコイとして使用することもできる。このようなヌクレオチドとしては、例えば、配列番号1又は2で示される塩基配列の中の通常、連続する14塩基以上の部分配列もしくはその相補的な配列を含むヌクレオチドを用いることができ、ハイブリダイズをより特異的とするためには部分配列としてより長い配列、例えば20塩基以上あるいは30塩基以上の配列を用いてもよい。【0037】また、本発明の有機陰イオントランスポーター又はこれと免疫学的同等性を有するポリペプチドを用いて、その抗体を取得することができ、抗体は、有機陰イオントランスポーターの検出や精製などに利用できる。抗体は、本発明の有機陰イオントランスポーター、その断片、またはその部分配列を有する合成ペプチド等を抗原として用いて製造できる。ポリクローナル抗体は、宿主動物(例えば、ラットやウサギ等)に抗原を接種し、免疫血清を回収する、通常の方法により製造することができる。また、モノクローナル抗体は、通常のハイブリドーマ法などの技術により製造できる。【0038】以下、実施例をもって本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を制限するものではない。【0039】なお、下記実施例において、各操作は特に明示がない限り、「モレキュラークローニング(Molecular Cloning)」[Sambrook, J., Fritsch, E.F.及びManiatis, T. 著、Cold Spring Harbor Laboratory Pressより1989年に発刊]に記載の方法により行うか、または、市販の試薬やキットを用いる場合には市販品の指示書に従って使用した。【0040】【実施例】実施例1 ラット有機陰イオントランスポーターのクローニング(1)ラットジカルボン酸塩トランスポーターcDNAの単離とcRNAの調製cDNAライブラリーは、ラットポリ(A)+RNAから、cDNA合成用キット(商品名:SuperScript Choice System、ギブコ社製)を使用して作成し、ファージベクターλZiplox(ギブコ社製)の制限酵素EcoRI切断部位に組み込んだ。PCR法にて、ウサギのナトリウム依存性ジカルボン酸トランスポーターNaDC−1遺伝子〔Pajorら、J.Biol.Chem.、第270巻、5779頁、1995年〕の第1323−1763番目の塩基に相当するセグメントを32P−dCTPでラベルし、これをプローブとして用いて、ラットのcDNAライブラリーをスクリーニングした。ハイブリダイゼーションは、37℃のハイブリダイゼーション用溶液中で一晩行い、フィルター膜は、37℃で0.1×SSC/0.1%SDSで洗浄した。ハイブリダイゼーション用溶液としては、5×SSC、3×デンハード液(Denhard’s液)、0.2% SDS、10%硫酸デキストラン、50%ホルムアミド、 0.01%Antiform B(商品名、シグマ社製)(消泡剤)、0.2mg/ml サーモン精子変性DNA、2.5mM ピロリン酸ナトリウム、25mM MESを含むpH6.5の緩衝液を用いた。λZiploxファージに組込まれたcDNA部分を、塩基配列決定のために、プラスミドpZL1に組み込み、さらにプラスミドpBluescriptIISK−(Stratagene社製)へサブクローン化した。【0041】上記により得られたラットジカルボン酸塩トランスポーターのcDNAを含むプラスミドから、T7RNAポリメラーゼを用いて、cRNA(cDNAに相補的なRNA)を調製した。【0042】得られたcRNAを、金井らの方法(Kanai and Hediger、Nature、第360巻、第467-471頁、1992年)に準じて、アフリカツメガエルの卵母細胞に注入し、この卵母細胞について、基質としてグルタル酸を用いる取り込み実験を行った。実験には、放射能ラベルした基質(14C-グルタル酸)を用い、また取り込み溶液として、ナトリウムイオンの影響を調べるためのナトリウムの取り込み溶液(96mM塩化ナトリウム、2mM塩化カリウム、1.8mM塩化カルシウム、1mM塩化マグネシウム、5mM HEPES、pH7.4)、塩化コリンイオンの影響を調べるための塩化コリン取り込み溶液(96mM塩化コリン、2mM塩化カリウム、1.8mM塩化カルシウム、1mM塩化マグネシウム、5mM HEPES、pH7.4)を用い、これらに14C-グルタル酸を1mM濃度で添加して試験液とした。コントロールにはRNAを注入しない卵母細胞を用いた。【0043】その結果を図1に示す。図1から明らかなように、塩化コリン取り込み溶液ではrNaDC−1のcRNAを注入した卵母細胞とコントロールのいずれにおいてもグルタル酸の取り込みが認められなかった。これに対し、ナトリウム取り込み溶液ではrNaDC−1のcRNAを注入した卵母細胞において著しいグルタル酸の取り込みが認められた。すなわちグルタミン酸の取り込みがナトリウム依存性であることが示され、クローニングしたcDNAがラットジカルボン酸塩トランスポーター遺伝子のものであることが確認できた。【0044】(2)ラット腎臓有機陰イオントランスポーターOAT1のクローニング金井らの方法(Kanai and Hediger、Nature、第360巻、第467-471頁、1992年)に準じて、発現クローニング法により以下のようにして行った。【0045】ゲル電気泳動によりラット腎臓ポリ(A)+RNA 400μgを分画した。【0046】分画により得られた各画分を、上記(1)で得られたラットジカルボン酸塩トランスポーターのcRNAと共に卵母細胞に注入した。卵母細胞は、基質として1mM グルタル酸を含むナトリウム取り込み溶液[96mM 塩化ナトリウム、2mM 塩化カリウム、1.8mM 塩化カルシウム、1mM 塩化マグネシウム、5mM HEPES、pH7.4]中にて予め2時間前培養したものを用いた。【0047】RNA注入した卵母細胞について、基質としてパラアミノ馬尿酸(以下PAHと略す。)を用い、基質の取り込み実験を金井らの方法(Kanai and Hediger、Nature、第360巻、第467-471頁、1992年)に準じて、以下のようにして行った。基質として14C−PAH(50μM)を含みグルタル酸を含まないナトリウム取り込み溶液中にて1時間卵母細胞を培養して、細胞内に取り込まれた放射能のカウントで基質の取り込み率を測定した。その結果、図2に示すように、この系において、ラット腎臓のポリ(A)+RNA(mRNA)だけを注入した卵母細胞、および、ラットジカルボン酸塩トランスポーターのcRNAのみを注入した卵母細胞では、PAHの取り込みは見られなかったのに対して、ラット腎臓のポリ(A)+RNAとラットジカルボン酸塩トランスポーターのcRNAの両者を注入した卵母細胞ではPAHの取り込みが認められることを確認した。コントロールにはRNAを注入しない卵母細胞を用いた。【0048】分画により得られた各RNA画分のうちRNAを注入した卵母細胞が、最も高いPAHの取り込み率を示した画分を選択した。この画分のポリ(A)+RNA(1.8〜2.4kb)について、cDNA合成及びプラスミドクローニング用キット(商品名:Superscript Plasmid System、ギブコ社製)を使用して、cDNAのライブラリーを作成した。これらDNAはプラスミドpSPORT1(ギブコ社製)の制限酵素SalI及びNotI認識部位に組み込み、得られた組換えプラスミドDNAを大腸菌DH10B株のコンピテントセル(商品名:Electro Max DH10B Competent cell、ギブコBRL社製)に導入した。得られた形質転換体をニトロセルロース膜上で培養し、1プレート当たり約500個のコロニーが得られた。これらコロニーから、プラスミドDNAを調製し、これらを制限酵素NotIで切断した。得られたDNAを用いて、in vitro転写により、キャップ化されたcRNAを合成した。【0049】得られたcRNA(約10ng)を、上記(1)で得たラットジカルボン酸塩トランスポーターのcRNA(2ng)と共に卵母細胞へ注入した。これら卵母細胞について、前記と同様にして、PAHの取り込み実験を行うことにより陽性クローンのスクリーニングを行った。スクリーニングに際しては、複数のクローンから抽出したDNAをプールしたグループについて調べ、あるグループでPAHの取り込みが確認された場合、さらにそれを複数のグループに分割し、さらにスクリーニングを行った。【0050】スクリーニングの結果、8000個のクローンから1つの陽性クローン(cRNAを注入した卵母細胞で基質の取り込みが認められるクローン)が単離された。【0051】 得られたクローン、すなわち、ラット有機陰イオントランスポーターOAT1のcDNAを含むクローンについて、塩基配列決定のための欠失クローン作製用キット(商品名:Kilo-Sequense Deletion Kit、宝酒造社製)、合成プライマー、塩基配列決定用キット(商品名:Sequenase ver.2.0、アマシャム社製)を用いてダイデオキシ法により、cDNAの塩基配列を決定した。【0052】 これにより、ラット有機陰イオントランスポーターOAT1遺伝子のcDNAの塩基配列が得られた。また、cDNAの塩基配列を常法により解析して、cDNA上の翻訳領域とそこにコードされるOAT1のアミノ酸配列を決定した。【0053】これら配列を、後記配列表の配列番号1に示した。【0054】疎水性プロット(Kyte-Doolittle hydropathy analysis)により、OAT1のアミノ酸配列を解析した結果、図3に示すように、12個の膜貫通領域(membrane-spanning domains)が予測された。また、5つの糖鎖付加部位が最初の親水性ループに予測された。6番目と7番目の膜貫通領域(transmembrane domains)の親水基のループにプロテインキナーゼC依存性のリン酸化部位と考えられる部位が4つあった。【0055】(3)種々の組織におけるOAT1遺伝子の発現(ノーザンブロティングによる解析)ラットOAT1遺伝子の全長cDNAを32P−dCTPでラベルし、これをプローブとして用いて、ラットの種々の組織から抽出したRNAに対してノーザンブロッティングを以下のように行なった。3μgのポリ(A)+RNAを1%アガロース/ ホルムアルデヒドゲルで電気泳動したのち、ニトロセルロースフィルターにトランスファーした。このフィルターを42℃で、32P-dCTPでラベルした全長のOAT1cDNAを含んだハイブリダイゼーション液で1晩ハイブリダイゼーションを行った。フィルターを、65℃にて、0.1%SDSを含む0.1xSSCで洗浄した。【0056】ノーザンブロティングの結果、図4に示すように、腎臓において、2.4kb付近と3.9kbと4.2kbに相当する2つのバンドが検出され、発現が認められた。腎臓の皮質と髄質外層ではOAT1 mRNAの発現量が多く、髄質内層では少なかった。【0057】さらに長時間の感光で、脳において2.4kb付近にかすかなバンドが検出されたが、その他の組織ではバンドは検出されず、発現は認められなかった。【0058】(4)腎組織におけるOAT1遺伝子の発現(In situハイブリダイゼーションによる解析)In situ ハイブリダイゼーションを以下のように行った。すなわち、ラットの腎臓を4% パラホルムアルデヒドで灌流することにより固定した後、これを細切り、4% パラホルムアルデヒドでさらに固定した。得られたラット腎臓を5μmの厚さに薄切し、得られた切片を、in situハイブリダイゼーションに用いた。【0059】全長のOAT1cDNAから、T7もしくはT3RNAポリメラーゼを用いて、35SでラベルしたセンスcRNAとアンチセンスcRNAを合成し、プローブとして用いた。切片をハイブリダイゼーション液で一晩プローブでハイブリダイゼーションを行ない、0.1×SSCで30分、37℃にて洗浄した。【0060】In situ ハイブリダイゼーションの結果、ラット腎臓では、OAT1 mRNAは腎臓の皮質と髄質外層、特に皮質の髄放線の部分で発現することが示された。髄質内層では発現は検出されなかった。この結果は、有機陰イオントランスポーターOAT1が近位尿細管の中間部分で最も多く発現されることを示している。【0061】実施例2 有機陰イオントランスポーターOAT1の特徴づけ(1)OAT1の輸送活性におけるグルタル酸の影響ラットOAT1遺伝子cRNAを注入した卵母細胞によるPAHの取り込み実験においてグルタル酸とのプレインキュベーションの影響を調べた。【0062】PAHの取り込み実験は、前記実施例1(2)記載方法に準じ、以下のように行った。すなわち、ラットOAT1遺伝子cRNAもしくは、ラットOAT1遺伝子cRNAとラットNaDC−1cRNAを注入した卵母細胞を、1mM グルタル酸添加もしくは無添加のナトリウム取り込み溶液中で2時間前培養したあと、14C-PAHを添加して室温で1時間培養し放射能でラベルされた基質の取り込みを測定した。【0063】その結果、図5に示すように、PAHの取り込みは、1mM グルタル酸で卵母細胞を前処置することによって増加した。また、ラットジカルボン酸塩トランスポーターとOAT1が発現している卵母細胞をグルタル酸で前処置すると,さらに14C-PAHの取り込みの増加が見られた。この結果に示されるグルタル酸の効果は、PAH取り込みの細胞内ジカルボン酸濃度依存性を示しており、OAT1が有機アニオンとジカルボン酸の交換輸送体であると考えられた。コントロールにはRNAを注入しない卵母細胞を用いた。【0064】(2)OAT1の輸送活性の塩依存性ラットOAT1遺伝子cRNAを注入した卵母細胞によるPAHの取り込み実験において培養液に添加する塩の影響を調べた。【0065】PAHの取り込み実験は、ラットOAT1遺伝子cRNAを注入した卵母細胞を用い、前記(1)記載方法に準じて実施した。但し、取り込み溶液は、塩として塩化コリンイオンを添加した場合の影響をみる場合には、ナトリウム取り込み溶液にかえて、前記実施例1の(1)で用いたものと同じ塩化コリン取り込み溶液を用いた。【0066】その結果、図6に示すように、細胞外のナトリウムをコリンと置換しても、PAH取り込みに何ら影響を与えなかった。このことから、OAT1はナトリウムイオン非依存性に働くトランスポータであることが示された。コントロールにはRNAを注入しない卵母細胞を用いた。【0067】(3)OAT1のミカエリス−メンテンの動力学試験基質PAHの濃度の違いによるPAHの取り込み率の変化を調べることにより、有機陰イオントランスポーターのミカエリス−メンテンの動力学試験を行った。【0068】PAHの取り込み実験は、ラットOAT1遺伝子cRNAを注入した卵母細胞を用い、前記(1)記載方法に準じて実施した。但し、14C-PAH取り込みは3分間測定した。その結果、図7に示すように、Km値は約14.3±2.9μMであった。このKm値は、既にin vivo 系で報告されている基底側の有機アニオントランスポート系のKm値(80μM)(Ulrich ら、Am. J. Physiol. 第254巻、F453-462頁、1988年)とほぼ同等であった。【0069】(4)OAT1の基質選択性(薬物添加による阻害試験)ラットOAT1遺伝子cRNAを注入した卵母細胞によるPAHの取り込み実験において、系への各種薬物添加の影響を調べた。【0070】PAHの取り込み実験は、ラットOAT1遺伝子cRNAを注入した卵母細胞を用い、前記(1)記載方法に準じて実施した。但し、ナトリウム取り込み溶液を用い、2mM の各種化合物(非標識)の存在下及び非存在下(コントロール)で、PAHの取り込みを測定した。【0071】その結果、図8に示すように、構造的に無関係の薬物の添加で、cis−阻害効果が観察された。セファロリジン(β−ラクタム系抗生物質)、ナリジクス酸(オールドキノロン)、フロセミドとエタクリン酸(利尿薬)、インドメタシン(非ステロイド系抗抗炎症剤)、プロベネシド(尿酸排泄薬)、バルプロ酸(抗てんかん薬)はOAT−1を介した14C−PAHの取り込みを強く阻害した(85%>)。抗腫瘍薬であるメトトレキセートはPAHの取り込みを中等度に阻害した。プロスタグランジンE2、c−AMP、c−GMP、尿酸といった内因性化合物もPAHの取り込みを阻害した。【0072】(5)OAT1の基質選択性(各種陰イオン性物質を基質とする取り込み試験)各種陰イオン性物質を基質として、OAT1による取り込みを調べた。【0073】取り込み実験は、ラットOAT1遺伝子cRNAを注入した卵母細胞を用い、前記(1)記載方法に準じて実施した。但し、基質としては、14C−PAHにかえて、放射能でラベルされた各種の化合物を用いた。コントロールにはRNAを注入しない卵母細胞を用いた。【0074】その結果、図9に示すように、メトトレキセート(3H標識物)、c−AMP(3H標識物)、c−GMP(3H標識物)、プロスタグランジンE2(3H標識物)、尿酸(14C標識物)、α−ケトグルタル酸(14C標識物)を基質とした場合に、卵母細胞への取り込みが認められた。一方、TEA(14C標識物)とタウロコール酸では取り込みを示さなかった。【0075】実施例3 ヒト有機陰イオントランスポーターのクローニング実施例1の(2)にて得たラットOAT1遺伝子のcDNA断片を標識し、これをプローブとして用いて、ヒトcDNAライブラリーをスクリーニングした。ヒトcDNAライブラリーは、遺伝子源としてヒト腎ポリ(A)+RNA(クロンテク社製)を用いて作製したヒトcDNAライブラリーを用いた。【0076】また、得られた陽性クローン、すなわち、ヒト有機陰イオントランスポーター(ヒトOAT1)cDNAを含むクローンについて、実施例1と同様にして、塩基配列を決定し、得られたcDNAの塩基配列を常法により解析して、cDNA上の翻訳領域とそこにコードされるヒトOAT1のアミノ酸配列を決定した。【0077】これらヒトOAT1の配列を、後記配列表の配列番号2に示した。【0078】ラットOAT1とヒトOAT1とのホモロジーは、アミノ酸レベルで約85%であった。また、cDNAレベルでのホモロジーは、約79%であった。【0079】【発明の効果】本発明の有機陰イオントランスポーターOAT1およびその遺伝子は、薬物排出や薬物と薬物の相互作用のインビトロでの分析など、薬物動態や毒物動態の分子レベルでの解明に有用と考えられる。また、βラクタム系抗生物質、利尿薬、非ステロイド系抗炎症薬のような腎不全の原因となる多くの薬物が、OAT1によって輸送され、薬物が腎毒性を引き起こす原因はOAT1に起因する蓄積性による可能性が示唆されることから、OAT1を用いて腎毒性を防止するのための薬物をスクリーニングする方法を開発し得ると考えられる。【0080】【配列表】【0081】【図面の簡単な説明】【図1】 ラットのナトリウム依存性ジカルボン酸塩トランスポーター(rNaDC−1)遺伝子のcRNAを注入した卵母細胞によるグルタル酸の取り込み実験の結果を示す図。【図2】 ラット腎組織由来mRNA及び/又はラットNaDC−1遺伝子のcRNAを注入した卵母細胞によるPAHの取り込み実験の結果を示す図。【図3】 ラット有機陰イオントランスポーターOAT1の疎水性プロットを示す図。【図4】 ラットの各臓器組織におけるOAT1遺伝子mRNAの発現をノーザンブロッティングにより解析した結果を示した電気泳動の写真。【図5】 ラットOAT1遺伝子cRNAを注入した卵母細胞によるPAHの取り込み実験においてグルタル酸とのプレインキュベーションの影響およびrNaDC−1との共発現の効果を調べた結果を示す図。【図6】 ラットOAT1遺伝子cRNAを注入した卵母細胞によるPAHの取り込み実験において添加するナトリウム塩の影響を調べた結果を示す図。【図7】 ラットOAT1遺伝子cRNAを注入した卵母細胞によるPAHの取り込み実験において基質PAHの濃度の影響を調べた結果を示す図。【図8】 ラットOAT1遺伝子cRNAを注入した卵母細胞によるPAHの取り込み実験において、系への各種薬物添加の影響を調べた結果を示す図。【図9】 基質として各種薬物を用いた場合の、ラットOAT1遺伝子のcRNAを注入した卵母細胞による放射能標識化合物の取り込み実験の結果を示す図。 配列番号1もしくは配列番号2で示されるアミノ酸配列、又は配列番号1もしくは配列番号2で示されるアミノ酸配列において1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる有機陰イオントランスポーターをコードするヌクレオチドを含むヌクレオチド製剤であって、導入した宿主細胞表面でジカルボン酸トランスポーターと共に発現させて、当該細胞に対して、有機アニオンとジカルボン酸との交換輸送能を付与するための、有機陰イオントランスポーターをコードするヌクレオチドを含むヌクレオチド製剤。 発現プラスミドである請求項1記載のヌクレオチド製剤。 請求項1又は2記載のヌクレオチド製剤が導入された形質転換細胞であって、当該細胞表面で有機陰イオントランスポーターと共にジカルボン酸トランスポーターが発現し、かつ有機アニオンとジカルボン酸との交換輸送能を有している形質転換細胞。 請求項3に記載の形質転換細胞に対して被検物質を作用させ、当該細胞が有する有機陰イオンとジカルボン酸との交換輸送能力を観察する工程を含む、被検物質の有機陰イオントランスポーターに対する基質としての作用を検定する方法。 請求項3に記載の形質転換細胞に対して被検物質を作用させ、当該細胞が有する有機陰イオンとジカルボン酸との交換輸送能力に対する被検物質の作用を検定する工程を含む、腎毒性を防止するための薬物をスクリーニングする方法。


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