生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_脂肪乳剤
出願番号:1998061517
年次:2005
IPC分類:7,A61K9/107,A61K47/10,B01F3/08,B01J13/00


特許情報キャッシュ

佐野 實 難波 良平 福田 博 JP 3695499 特許公報(B2) 20050708 1998061517 19980312 脂肪乳剤 ニプロ株式会社 000135036 佐野 實 難波 良平 福田 博 JP 1997057613 19970312 20050914 7 A61K9/107 A61K47/10 B01F3/08 B01J13/00 JP A61K9/107 A61K47/10 B01F3/08 A B01J13/00 A 7 A61K 9/107 A61K 47/10 国際公開第95/035157(WO,A1) 4 1998310517 19981124 8 20030515 清野 千秋 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は脂肪乳剤に関し、詳しくは極微小粒径の脂肪粒子が水中に乳化されて得られる、室温でも長期間保存可能な安定で澄明な脂肪乳剤に関する。【0002】【従来の技術】通常、患者への栄養補給は経腸的に摂取させることが自然であり、また最良の方法と考えられている。しかし、腸管からの栄養補給が不十分または不可能な患者への栄養補給は経静脈的に行わざるを得ない。脂肪乳剤はアミノ酸輸液剤、糖質輸液剤等とともに栄養輸液剤の一種であって、単位質量あたりのカロリー量が糖質輸液もしくはアミノ酸輸液と比較して2倍以上と高く、しかも浸透圧をほとんど有さず等張化が容易であるので末梢静脈から脂肪乳剤を投与しても静脈炎を起こしにくい。【0003】脂肪乳剤は、必須脂肪酸の補給、体蛋白質および窒素源の消費抑制といった治療にも使用されるが、主にエネルギ−補給手段として術前、術後、急・慢性消化器疾患、消耗性疾患、熱傷、外傷、長期にわたる意識不明状態等の所見を呈する患者に投与されている。脂肪乳剤は油脂を乳化剤で乳化し、グリセリン、グルコ−ス等を添加して製造された輸液製剤である。日本薬局方では乳濁性注射剤中の粒子径は7μm 以下に規定されているが、一般に市販されている脂肪乳剤は1μm 以下の平均粒子径に調整されている。【0004】すなわち、一般に市販されている脂肪乳剤は、大豆油等の植物油を油脂1重量部に対して乳化剤を0.06〜0.12重量部添加して、高速回転攪拌機で粗乳化した後、ゴ−リンホモジナイザ−、マイクロフルイダイザ−等の高圧乳化機を用い、圧力 350〜1750kgf/cm2 の条件下で精乳化して製造されている。このようにして得られた脂肪乳剤の平均粒子径は、0.17〜0.30μm であり、粗大粒子を含む多分散の乳剤であり、孔径0.22μm のフアイナルフイルタ−を通過しないものが多くあった。脂肪乳剤と他の輸液製剤とを同時に投与する場合、脂肪粒子は凝集または粗大化して0.22〜0.45μm のフイルタ−を通過できなかったり、混合後に配合変化を起こしたりすることがあった。【0005】また、特開平5-9111号公報には、油脂をグリセリン、グルコ−スとともに、乳化剤を用いて乳化して平均粒子径が0.17μm 以下の脂肪乳剤が得られることが紹介されている。該公報の実施例によると、脂肪乳剤の最小平均粒子径は0.10μm を超えた値である。そして、かかる脂肪乳剤は、高圧蒸気滅菌の前後においても白色の均質な乳剤であって、良好な乳化状態を長期間維持することができ、安定性が著しく向上し、他の輸液製剤と混合しても相分離が起こりにくくなるといっている。【0006】【発明が解決しようとする課題】かかる脂肪乳剤は平均粒子径0.10〜0.17μm であるにもかかわらず白濁しているのは、可視光の下限波長360nm 以上の粒子径の脂肪粒子が多数含有された分散度の高い粒度分布をもった系であって入射光が散乱を起こすためである。白濁した脂肪乳剤は、異物の混入、高圧蒸気滅菌あるいは他の輸液製剤との混合による脂肪粒子の凝集、配合変化を目視によって確認することができない問題点を有している。【0007】1994年4月18日に米国食品医薬品局(FDA)は、電解質、アミノ酸、糖、脂肪乳剤を混合した輸液を投与中に死亡した症例および呼吸困難に陥った症例が各々2症例ずつあり、その原因が肺の毛細血管にリン酸カルシウムの沈澱物が堆積して塞栓していることであると究明し、医療関係者宛に高カロリ−輸液剤は生命を脅かす危険があるので沈澱物が生じないように細心の注意を払うようにと警告している。そして、脂肪乳剤の配合は沈澱物の確認を不可能にするので電解質、アミノ酸、糖とは別の経路で患者に投与されるべきであると勧告している。本発明の目的は、かかる従来の脂肪乳剤の問題点を解決するために研究されたものであって、極微小粒径の脂肪粒子が水中に乳化されて得られる室温でも長期間保存可能な安定で澄明な脂肪乳剤を提供することである。【0008】【課題を解決するための手段】本発明者等は、安定で澄明な脂肪乳剤を得るために鋭意検討した結果、油脂を水中で乳化させる際に、乳化剤の添加量を多くし、少なくとも2000kgf/cm2 の高圧噴射ホモジナイザ−を使用して油脂を精乳化することによって、平均粒子径が 0.003〜0.100 μm の脂肪粒子からなる脂肪乳剤が得られることを見出し本発明に到達した。すなわち、本発明は乳化剤を用いて油脂を水中で乳化させて得られる脂肪粒子の平均粒子径が0.003 〜0.100 μm である脂肪乳剤である。また、本発明は前記脂肪乳剤において、脂肪乳剤の濁度が200 度未満である脂肪乳剤である。更に、本発明は前記脂肪乳剤において、乳化剤の添加量が油脂1重量部に対して0.15〜3.00重量部である脂肪乳剤である。更にまた、本発明は前記脂肪乳剤において、油脂を乳化剤とともに水中に分散させた後、少なくとも2000kgf/cm2 の圧力で油脂を乳化させる脂肪乳剤である。また、本発明は前記脂肪乳剤において、グリセリンが脂肪乳剤中に1〜90重量%含有されてなる脂肪乳剤である。【0009】【発明の実施の形態】本発明の脂肪乳剤は、乳化剤を用いて油脂を水中で乳化させて得られる極微小粒径の脂肪粒子からなる澄明なものである。油脂としては、植物油、魚油、合成トリグリセリド等が挙げられ、特に大豆油、トウモロコシ油、ヤシ油、サフラワ−油、エゴマ油等の植物油が好ましい。また、乳化剤としては、精製卵黄レシチン、精製ダイズレシチン、水素添加精製卵黄レシチン、水素添加精製ダイズレシチン、セスキオレイン酸ソルビタン、プロピレングリコ−ル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン、ポリソルベ−ト等が挙げられ、特に精製卵黄レシチン、精製ダイズレシチンが好ましい。乳化剤の添加量は、油脂1重量部に対して0.15〜3.00重量部、好ましくは0.2 〜1重量部である。乳化剤の添加量が0.15重量部未満であると、極微小粒径の脂肪粒子が得にくくなる傾向があり、3.00重量部を超えると遊離脂肪酸量が増大して毒性の原因となる傾向がある。【0010】油脂と乳化剤を前記配合量で水相に分散させ、例えば高圧噴射式ホモジナイザ−を用いて粗乳化し、次いで該粗乳化液を高圧噴射式ホモジナイザ−を用いて少なくとも2000kgf/cm2 、好ましくは少なくとも3000kgf/cm2 の処理圧力で精乳化することによって、平均粒子径が 0.003〜0.100 μm の脂肪粒子の脂肪乳剤が得られる。本発明の脂肪乳剤の脂肪粒子の平均粒子径は 0.003〜0.100 μm 、好ましくは0.003 〜0.050 μm であり、最大粒子径は多くとも0.15μm 、好ましくは多くとも0.10μm である。そして、得られた脂肪乳剤は、透明もしくは半透明の澄明なものであり、40℃の雰囲気中に6ケ月間放置しても脂肪粒子の凝集が認められず、孔径0.22μm の親水性フイルタ−で落差1mで自然滴下により濾過しても脂肪乳剤は全量通過した。本発明の脂肪乳剤の濁度は200 度未満、好ましくは1〜150 度、更に好ましくは5〜50度である。【0011】本発明の脂肪乳剤は、孔径0.22μm の親水性フイルタ−を全量通過する極微小粒径の脂肪粒子からなるので、濾過滅菌だけでも充分であるが、必要に応じて脂肪乳剤を容器に充填して密封した後、高圧蒸気滅菌、熱水浸漬滅菌してもよい。本発明の脂肪乳剤は、栄養輸液剤として、そのままの状態あるいは水で希釈して、脂肪乳剤単独、あるいは糖質、電解質、アミノ酸、ビタミン剤等と混合して患者の静脈、経口、経腸等から投与される。【0012】本発明の脂肪乳剤に澄明化剤を添加して水相と油相の屈折率を近づけると、脂肪乳剤は澄明となる。澄明化剤としては、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、グルコース、スクロース、リン酸塩等が挙げられ、特にグリセリンが好ましい。脂肪乳剤の澄明性は添加量に比例して良好になるが、好ましくは脂肪乳剤中1〜90重量%、特に30〜60重量%が好ましい。グリセリンの添加量が90重量%を超えると、脂肪乳剤中の油分の含有量が少なくなり、患者への脂肪乳剤の投与量が増加したり、粘度が高くなりすぎるため、好ましくない。【0013】【実施例】以下、実施例により本発明の一例を説明する。【実施例1】精製卵黄レシチン10g と濃グリセリン25g と精製水900gとを混合し、高速回転攪拌ミキサ−Clearmix(M-Technique社製) で均一に分散させた。この分散液に精製ダイズ油 10gを加え、高圧噴射式ホモジナイザ−DeBEE(BEE INTERNATIONAL 社製)を用い、デユアルフイ−ド法で粗乳化させ粗乳化液を得た。この粗乳化液に精製水を加え全量を1000mlとした後、高圧噴射式ホモジナイザ−DeBEE を用いリバ−ス法で処理圧力3150kgf/cm2 で精乳化した。そして調製後の脂肪乳剤のpHをpH調整剤を用いて7付近に調整し、高圧蒸気滅菌を行った。このようにして得られた脂肪乳剤の澄明性、吸光度、脂肪粒子の平均粒子径、最大粒子径、最小粒子径を表1に示す。【0014】なお、表1の測定項目の測定方法は次の通りである。(1) 脂肪粒子の平均粒子径、最大粒子径、最小粒子径粒子径・粒度分布測定装置 NICOMP Model 380 ZLS(Particle Sizing System 社製)を用いて、脂肪乳剤中の脂肪粒子の粒子径を測定した。(2) 脂肪乳剤の澄明性U3000吸光度測定器(日立製作所製)を使用し、脂肪乳剤の波長660nmにおける吸光度を測定し、カオリン1mg/リットルの同一波長における吸光度を1度として濁度を算出した。(3) 脂肪乳剤の吸光度U3000吸光度測定器(日立製作所製)を使用し、波長660nm における脂肪乳剤の吸光度を測定した。【0015】【実施例2】精製ダイズレシチン10g と濃グリセリン25g と精製水900gとを混合し、高速回転攪拌ミキサ−Clearmixで均一に分散させた。この分散液に精製サフラワ−油5g を加え、高圧噴射式ホモジナイザ−DeBEE を用い、デユアルフイ−ド法で粗乳化させ粗乳化液を得た。この粗乳化液に精製水を加え全量を1000mlとした後、高圧噴射式ホモジナイザ−DeBEE を用いリバ−ス法で処理圧力3150kgf/cm2 で精乳化した。そして調製後の脂肪乳剤のpHをpH調整剤を用いて7付近に調整し、高圧蒸気滅菌を行った。このようにして得られた脂肪乳剤の澄明性、吸光度、脂肪粒子の平均粒子径、最大粒子径、最小粒子径を表1に示す。【0016】【実施例3】ポリソルベ−ト80(花王社製)10g と濃グリセリン25g と精製水900gとを混合し、高速回転攪拌ミキサ−Clearmixで均一に分散させた。この分散液に精製ダイズ油10g を加え、高圧噴射式ホモジナイザ−DeBEE を用い、デユアルフイ−ド法で粗乳化させ粗乳化液を得た。この粗乳化液に精製水を加え全量を1000mlとした後、高圧噴射式ホモジナイザ−DeBEE を用いリバ−ス法で処理圧力3150kgf/cm2 で精乳化した。そして調製後の脂肪乳剤のpHをpH調整剤を用いて7付近に調整し、高圧蒸気滅菌を行った。このようにして得られた脂肪乳剤の澄明性、吸光度、脂肪粒子の平均粒子径、最大粒子径、最小粒子径を表1に示す。【0017】【実施例4】精製ダイズ油50g と精製卵黄レシチン25g とを均質に混和させた後に、濃グリセリン900 g及び適量の精製水を加え、高速回転攪拌ミキサ−Clearmixを用い粗乳化し粗乳化液を得た。この粗乳化液に精製水を加え全量を1000mlとした後、高圧噴射式ホモジナイザ−DeBEE を用いリバース法で処理圧力3150kgf/cm2 で精乳化した。そして調製後の脂肪乳剤のpHをpH調整剤を用いて7付近に調整し、高圧蒸気滅菌を行った。このようにして得られた脂肪乳剤の澄明性、吸光度、脂肪粒子の平均粒子径、最大粒子径、最小粒子径を表1に示す。【0018】【比較例1】精製水900ml に濃グリセリン25g を溶かし、精製卵黄レシチン1.25gを分散させた後、高速回転攪拌ミキサ−Clearmixを用いてダイズ油10g を粗乳化させた。粗乳化液に精製水を加え全量を1000mlとした。次いで、高圧ホモジナイザ−「ゴ−リン」(APV 社製)を用い、処理圧力700 kgf/cm2 で精乳化した。そして調製後の脂肪乳剤のpHをpH調整剤を用いて7付近に調整し、高圧蒸気滅菌を行った。このようにして得られた脂肪乳剤の澄明性、吸光度、脂肪粒子の平均粒子径、最大粒子径、最小粒子径を表1に示す。【0019】【表1】【0020】表1から明らかなように、本発明の実施である実施例1〜4で得られた脂肪乳剤は、脂肪粒子の平均粒子径は0.10μm 以下で最大粒子径でも実施例4の0.1280μm であり、可視光の下限波長360nm 以下であり、澄明性がよく、波長660nm における吸光度も従来の方法に準じて調製した比較例1の脂肪乳剤と比較して著しく低い。【0021】【実施例5】精製ダイズ油50gと精製卵黄レシチン50gとを均質に混和させた後に、濃グリセリン100 g及び適量の精製水を加え、高速回転攪拌ミキサーClearmixを用い、粗乳化し粗乳化液を得た。このようにして得られた粗乳化液に精製水を加え全量を1000mlとした後、高圧噴射式ホモジナイザーDeBEE を用い、リバース法にて処理圧力3150kgf/cm2 で精乳化処理を行った。そして、調製後の脂肪乳剤のpHをpH調整剤を用いて7付近に調整し、高圧蒸気滅菌を行った。このようにして得られた脂肪乳剤の濁度、脂肪粒子の平均粒子径、最大粒子径を表2に示す。【0022】【実施例6】〜【実施例10】実施例5において、脂肪乳剤中のグリセリン添加量を表2に示す重量割合に変更して得られた脂肪乳剤の濁度、脂肪粒子の平均粒子径、最大粒子径を表2に示す。【0023】【表2】【0024】表2から明らかなように、グリセリンの添加量が60重量%付近まで増加するにつれて濁度が小さくなり、脂肪乳剤の澄明性が向上している。【0025】【実施例11】精製ダイズ油50gと精製卵黄レシチン50gとを均質に混和させた後に、ソルビトール溶液667g及び適量の精製水を加え、高速回転攪拌ミキサーClearmixを用いて粗乳化し粗乳化液を得た。このようにして得られた粗乳化液に精製水を加え全量を1000mlとした後、高圧噴射式ホモジナイザーDeBEE を用い、リバース法にて3150kgf/cm2 の圧力で精乳化処理を行った。そして、調製後の脂肪乳剤のpHをpH調整剤を用いて7付近に調整し、高圧蒸気滅菌を行った。このようにして得られた脂肪乳剤の濁度、脂肪粒子の平均粒子径、最大粒子径を表3に示す。【0026】【実施例12】精製ダイズ油50gと精製卵黄レシチン50gとを均質に混和させた後に、グルコース400g及び適量の精製水を加え、高速回転攪拌ミキサーClearmixを用いて粗乳化し粗乳化液を得た。このようにして得られた粗乳化液に精製水を加え全量を1000mlとした後、高圧噴射式ホモジナイザーDeBEE を用い、リバース法にて3150kgf/cm2 の圧力で精乳化処理を行った。そして、調製後の脂肪乳剤のpHをpH調整剤を用いて7付近に調整し、高圧蒸気滅菌を行った。このようにして得られた脂肪乳剤の濁度、脂肪粒子の平均粒子径、最大粒子径を表3に示す。【0027】【実施例13】精製ダイズ油50gと精製卵黄レシチン50gとを均質に混和させた後に、適量の精製水を加え、高速回転攪拌ミキサーClearmixを用いて粗乳化し粗乳化液を得た。このようにして得られた粗乳化液に精製水を加え全量を500 mlとした後、高圧噴射式ホモジナイザーDeBEE を用い、リバース法にて3150kgf/cm2 の圧力で精乳化処理を行った。そして、得られた精乳化液に濃グリセリン500 gおよび精製水を加えpHをpH調整剤を用いて7付近に調整し、全量を1000mlとし高圧蒸気滅菌を行った。このようにして得られた脂肪乳剤の濁度、脂肪粒子の平均粒子径、最大粒子径を表3に示す。【0028】【実施例14】精製ダイズ油50gと精製卵黄レシチン50gとを均質に混和させた後に、適量の精製水を加え、高速回転攪拌ミキサーClearmixを用いて粗乳化し粗乳化液を得た。このようにして得られた粗乳化液に精製水を加え全量を500 mlとした後、高圧噴射式ホモジナイザーDeBEE を用い、リバース法にて3150kgf/cm2 の圧力で精乳化処理を行った。そして、得られた精乳化液にソルビトール溶液667gおよび精製水を加えpHをpH調整剤を用いて7付近に調整し、全量を1000mlとし高圧蒸気滅菌を行った。このようにして得られた脂肪乳剤の濁度、脂肪粒子の平均粒子径、最大粒子径を表3に示す。【0029】【表3】【0030】表3から明らかなように、澄明化剤としてグリセリン以外のものを使用しても脂肪乳剤の澄明性は向上した。【0031】【発明の効果】本発明の脂肪乳剤は、極微小粒径の脂肪粒子が水中に乳化された澄明なものであり、脂肪乳剤中の不溶性異物、凝集した脂肪粒子、配合変化の発見が容易であるので、脂肪乳剤中からかかる不純物を除去することが容易であり、肺の毛細血管が異物で塞栓して患者が死亡したり呼吸困難になることはない。また、本発明の脂肪乳剤は、室温でも長期間保存可能な安定なものである。 油脂および乳化剤と、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、グルコース、スクロース、リン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有し、乳化剤の添加量が油脂1重量部に対して0.15〜3.00重量部であり、油脂を乳化剤とともに水中分散させた後、少なくとも3150kgf/cm2の圧力で油脂を乳化させて得られる、脂肪粒子の平均粒子径が0.003〜0.100μmである脂肪乳剤。 10〜90重量%の澄明化剤を含有する、請求項1記載の脂肪乳剤。 20〜90重量%の澄明化剤を含有する、請求項1記載の脂肪乳剤。 30〜90重量%の澄明化剤を含有する、請求項1記載の脂肪乳剤。


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