タイトル: | 特許公報(B2)_脂肪族1級アルコールの酸化方法 |
出願番号: | 1998046782 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | C07C 53/126,B01J 31/28,B01J 31/30,B01J 31/32,B01J 31/34,B01J 31/36,C07C 51/235,C07B 61/00 |
村橋 俊一 高橋 正勝 JP 4030646 特許公報(B2) 20071026 1998046782 19980227 脂肪族1級アルコールの酸化方法 花王株式会社 000000918 古谷 聡 100087642 古谷 馨 100063897 溝部 孝彦 100076680 持田 信二 100091845 村橋 俊一 高橋 正勝 20080109 C07C 53/126 20060101AFI20071213BHJP B01J 31/28 20060101ALI20071213BHJP B01J 31/30 20060101ALI20071213BHJP B01J 31/32 20060101ALI20071213BHJP B01J 31/34 20060101ALI20071213BHJP B01J 31/36 20060101ALI20071213BHJP C07C 51/235 20060101ALI20071213BHJP C07B 61/00 20060101ALN20071213BHJP JPC07C53/126B01J31/28 ZB01J31/30 ZB01J31/32 ZB01J31/34 ZB01J31/36 ZC07C51/235C07B61/00 300 C07C 53/126 C07C 51/235 B01J 31/28 B01J 31/30 B01J 31/32 B01J 31/34 B01J 31/36 特開昭59−001443(JP,A) 特公昭47−004455(JP,B1) 特開平11−246473(JP,A) 特開平06−321845(JP,A) 特公昭50−009794(JP,B1) 特開昭48−019535(JP,A) J.Org.Chem.,1993年,58,7318-7319頁 第4版 実験化学講座23 有機合成V,1991年10月 7日,225−229頁 2 1999246471 19990914 9 20041021 中島 庸子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は脂肪族1級アルコールの酸化方法に関し、詳しくは、操作性が簡便で大量合成の容易な、且つ安全性の高い脂肪族1級アルコールの酸化方法に関するものである。【0002】【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルコールの酸化は、化学反応における重要な官能基変換の1つであり、幅広く研究が行われている。代表的な方法としては、下記▲1▼〜▲3▼に示す方法が挙げられる。【0003】▲1▼ CrO3による酸化方法(Jones Oxidation etc.)▲2▼ 活性化DMSOを用いる方法(Swern Oxidation, Corey-Kim Oxidation etc.)▲3▼ Al(OCH(CH3)2)3を用いる Redox反応(Oppenauer Oxidation)しかしこれらの方法は少量合成においては便利であるが、反応の後処理が繁雑であったり、有害な廃棄物を多量に副生する等の問題を有しており、大量合成には適さなかった。工業的な生産を考えた場合、触媒的な酸化法が必須となり、酸化剤は安全かつ安価なものが望ましい。古くよりPt又はPd触媒によるアルコールの酸化が報告されているが、高温、アルカリ性条件等の厳しい反応条件が必要であった(特開平6−321845、EP−201957、特開昭50−96516など)。一方、Ru触媒を用いるアルコールの効率的な酸化方法が報告されている(J. Org. Chem., 1993, 58, 7318.)。しかしながら、Ru金属は高価である為、しばしば大量合成においては問題となってくる。この様な状況により、反応性の低い脂肪族1級アルコールにおける実用的な酸化方法は殆ど報告されていないのが現状であった。【0004】このため、反応操作が簡単で安全な、また使用する触媒が安価で大量合成に適した脂肪族1級アルコールの実用的な酸化方法が強く望まれている。従って、本発明の目的は、上記問題を解決できる実用的な脂肪族1級アルコールの酸化方法を提供することにある。【0005】【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の第1群及び第2群より選ばれる金属触媒の共存下、アルデヒドを添加して反応を行うことにより上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成した。【0006】すなわち本発明は、一般式(I)R1-OH (I)〔式中、R1は炭素数5〜22の直鎖のアルキル基を示す。〕で表される脂肪族1級アルコールを酸化するに際し、Co0 、Co2+、Fe2+、Fe3+、Cu2+、Mn2+又はNi2+を含有する金属化合物からなる第1群から選ばれる金属触媒の1種以上、及びCr、Mo、V、Mn、Fe、Ni、Cu、Pd、W又はこれらの金属化合物からなる第2群から選ばれる金属触媒であって第1群から選ばれた金属触媒以外の金属触媒の1種以上の存在下、一般式(II)R2-CHO (II)〔式中、R2は炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、あるいは置換又は無置換のフェニル基、ベンジル基又はシクロアルキル基を示す。〕で表されるアルデヒドを添加して反応を行うことを特徴とする、脂肪族1級アルコールの酸化方法を提供するものである。【0007】【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。一般式(I)において、R1は炭素数5〜22、好ましくは8〜22の直鎖のアルキル基を示す。【0008】一般式(II)において、R2は炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基(ビニル基等)、あるいは置換基としてハロゲン原子等を有していてもよいフェニル基、ベンジル基又はシクロアルキル基(シクロヘキシル基等)を示すが、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、置換フェニル基又はフェニル基が反応性の点で好ましく、特にメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso −プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、フェニル基、m−クロロフェニル基が好ましく、更にはメチル基が価格の点で好ましい。【0009】本発明で用いられる第1群の金属触媒は、Co0 、Co2+、Fe2+、Fe3+、Cu2+、Mn2+又はNi2+を含有する金属化合物から選ばれるが、金属は単核であっても複核であっても良い。また、これらの水和物であっても良い。対イオンもしくは配位子としては塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、酸素原子、カルボニル、オレフィン、P含有配位子、N含有配位子、O含有配位子、カルボン酸アニオン、アルコキシド等が挙げられる。【0010】第1群の金属触媒の具体例としては、Co, Co(OAc)2・4H2O, Co(OCOC17H35)2, Co(NO3)2・6H2O, CoCl2, CoSO4・7H2O, Co(acac)2, Co(hexadecafluorophthalocyanine), FeCl2, Fe(OAc)2, FeCp2, Fe(Cp-PPh2)2, Fe(phthalocyanine), FeCl(tetraphenylporphyrinato), Fe2O3, FeCl3, Fe(OCOC17H35)3, Fe(NO3)3・9H2O, Fe(acac)3, Fe(hexafluoroacetylacetonato)3, CuCl2, CuO, Cu(acac)2, Cu(OAc)2, Cu(CF3CO2)2, Cu(CF3SO3)2, Cu(OH)2, Cu(0Me)2, Cu(NO3)2・3H2O, CuSO4,Mn(OAc)2・4H2O, NiCl2, NiO, Ni(OAc)2・4H2O, Ni(OOC-COO), Ni(acac)2, NiCp2, NiCl2(PPh3)2 等が挙げられ、Co, Co(OAc)2・4H2O, Co(NO3)2・6H2O, Fe2O3, FeCl3, Fe(NO3)3・9H2O, Cu(OAc)2, Cu(NO3)2・3H2O, Mn(OAc)2・4H2O, Ni(OAc)2・4H2Oが好ましく、Co, Co(OAc)2・4H2O, Fe2O3, Cu(OAc)2, Mn(OAc)2・4H2O,Ni(OAc)2・4H2Oが特に好ましい。【0011】本発明で用いられる第2群の金属触媒は、Cr、Mo、V、Mn、Fe、Ni、Cu、Pd、W又はこれらの金属化合物であるが、金属は単核であっても複核であっても良い。また、これらの水和物であっても良い。対イオンもしくは配位子としては塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、酸素原子、カルボニル、オレフィン、P含有配位子、N含有配位子、O含有配位子、カルボン酸アニオン、アルコキシド等が挙げられる。これらの金属触媒はそのまま用いても良いし、又はシリカ、アルミナ、ゼオライト、活性炭、高分子樹脂等の担体に担持させて用いても良い。【0012】第2群の金属触媒の具体例としては、Cr, CrO3, Cr2O3, CrCl2, Cr(CO)6, Cr(CO)3(benzene), [Cr(OAc)2・H2O]2, CrK(SO4)2・12H2O, Cr(H2NCH2CH2NH2)3Cl3 ・3.5H2O, Mo, Mo(CO)6, Mo2C, MoB, [Mo(OAc)2]2, MoCl3, MoO2, MoS2, MoSe2, MoO2Cl2, MoO2(acac)2, MoCl5, MoO3, Mo(CO)3(cycloheptatriene), H2MoO4・H2O, NaMoO4・2H2O, (NH4)6Mo7O24・2H2O, Na3[PO4・12MoO3]・nH2O, V, VCl3,V(acac)3, VO(acac)2, V2O5, NaVO3, VO(OC3H7)3, VO(phthalocyanine), Mn, Mn2(CO)10, MnO2, Mn(OAc)2・4H2O, Mn(OAc)3・2H2O, Mn(acac)3, MnCl(tetraphenylporphyrinato), Mn(ClO4)2・6H2O, MnF2, MnCO3, MnWO4, MnCl(salen), Fe, FeSi2, Fe(CO)5, Fe3(CO)12, FeCl2, Fe(OAc)2, FeCp2, Fe(ClO4)2・6H2O, Fe(Cp-PPh2)2, Fe(phthalocyanine), FeCl(tetraphenylporphyrinato), Fe2O3, FeCl3, Fe(OCOC17H35)3, Fe(NO3)3・9H2O, Fe(ClO4)3・nH2O, Fe(acac)3, Fe(hexafluoroacetylacetonato)3, FePO4・nH2O, Ni, Ni(COD)2, NiCl2(PPh3)2, NiCl2, NiO, Ni(OAc)2・4H2O, Ni(OOC-COO), Ni(acac)2, NiCp2, NiCl2(PPh3)2, Ni2O3, Cu, Cu(1,10-phenanthroline)2, CuCl, CuBr, CuI, Cu2O, Cu2S, CuCl2, CuO,Cu(acac)2, Cu(OAc)2, Cu(CF3CO2)2, Cu(CF3SO3)2, Cu(OH)2, Cu(OMe)2, Cu(NO3)2・3H2O, CuSO4, CuSCN, Cu(phthalocyanine), Pd, Pd/C, Pd/Al2O3, PdO, PdCl2, PdCl2(MeCN)2, Pd(OAc)2, Pd(acac)2, W, W(CO)6, WC, WB, WO3, WOCl4,Na2WO4・2H2O, H2WO4, Na3[PO4・12WO3]・nH2O等が挙げられ、Cr、Mo又はこれらの金属化合物が好ましく、Cr, CrO3, MoB, Mo(CO)6, MoCl3, MoO2 が特に好ましい。【0013】本発明において第1群の金属触媒と第2群の金属触媒の好ましい組合せは第1群の金属触媒としてCo, Co(OAc)2・4H2O, Fe2O3, Cu(OAc)2, Mn(OAc)2・4H2O又はNi(OAc)2・4H2Oを用い、第2群の金属触媒としてCr, CrO3, MoB, Mo(CO)6, MoCl3 又はMoO2を用いる組合せであり、より好ましい組合せは第1群の金属触媒としてCo(OAc)2・4H2O, Fe2O3, Cu(OAc)2 又はNi(OAc)2・4H2Oを用い、第2群の金属触媒としてCrO3, Mo(CO)6, MoCl3又はMoO2を用いる組合せであり、特に好ましい組合せは第1群の金属触媒としてCo(OAc)2・4H2Oを用いる上記の組合せである。【0014】本発明の方法によると、前記一般式(I)で表される脂肪族1級アルコールを酸化するに際し、前記第1群より選ばれる金属触媒、及び前記第2群より選ばれる金属触媒であって第1群から選ばれた金属触媒以外の金属触媒の存在下、前記一般式(II)で表されるアルデヒドを添加することにより反応を行うが、本発明の酸化方法の好ましい実施様態を以下に示す。【0015】反応器に一般式(I)で表される脂肪族1級アルコール、第1群より選ばれる金属触媒、第2群より選ばれる金属触媒、さらに必要なら溶媒を仕込み、一般式(II)で表されるアルデヒドを添加する。【0016】第1群より選ばれる金属触媒、及び第2群より選ばれる金属触媒の仕込み量は、それぞれ、一般式(I)で表される1級アルコールに対し 0.001〜10mol %が好ましく、0.01〜5 mol%が更に好ましい。0.001mol%より少ないと添加による効果が減少し、反応時間が長くなり好ましくない。また10 mol%を超えて用いると、好ましくない副反応が起こるようになり、また経済的に不利である。【0017】反応で用いる溶媒は、一般式(I)で表される脂肪族1級アルコールの性質により使用の有無、及び種類を選択することが出来る。例えば、一般式(I)で表される1級アルコールの融点や粘度が高くそのままでは撹拌が困難な場合、一般式(I)で表される1級アルコールの濃度と反応収率の間に相関がある場合等は、適当な量の反応溶媒を使用することが出来る。本反応で用いられる溶媒としては、一般的に有機合成で用いられている溶媒なら何でも良く、例えばヘキサン、アセトン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、アセトニトリル、酢酸、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、メタノール、水等が挙げられ、単独で用いても混合して用いても良い。【0018】前記一般式(II)で表されるアルデヒドの添加量は、一般式(I)で表される脂肪族1級アルコールに対し 0.1〜20当量が好ましく、1〜10当量が更に好ましい。0.1 当量より少ないと反応が完全には進行しなくなり、故意に原料を残存させる場合を除き好ましくない。また、20当量を超えて用いても効果は同じであるが、経済的に不利である。添加の方法は、反応の開始時に一括して仕込んでもよいし、滴下により添加を行ってもよい。【0019】反応は空気雰囲気下、酸素雰囲気下、若しくはこれらの混合気体の雰囲気下で行うが、酸素雰囲気下の方が反応が速く進行し好ましい。また、反応スケールが大きい場合、これらの気体との接触効率を高くする為に、これらの気体をバブリングにより供給するのが好ましい。【0020】酸化反応時の温度は、一般式(I)で表される脂肪族1級アルコールもしくは溶媒の融点以上、沸点以下であれば何ら問題ないが、−30〜150 ℃が好ましく、更に好ましくは0〜100 ℃である。酸化反応の時間は、0.5 〜48時間が好ましい。【0021】【発明の効果】本発明の酸化方法によると、実質的に用いる反応剤は一般式(II)で表されるアルデヒドと酸素だけである。これは従来の金属反応剤や過酸化物等の危険な酸化剤を用いる方法と比較して、著しく安全であり且つ操作が簡便である。また従来の方法の様に、有害な廃棄物は副生しない。また、従来のPt又はPd触媒による酸化方法の様に高温やアルカリ性条件下で反応を行う必要がなく、この点においても、従来法と比較して著しく安全であり、且つ操作が簡便である。【0022】これらの理由は、まず、一般式(II)で表されるアルデヒドと酸素より、第1群より選ばれる金属触媒の存在下、反応系中で酸化剤である過酸(R2-COOOH) を調製していることにある。これにより、危険な酸化剤である過酸の取り扱いに伴う種々の問題が解決された。更にこの過酸(R2-COOOH) の作用により、第2群より選ばれる金属触媒が酸化活性種となるが、この酸化活性種が一般式(I)で表される1級アルコールに対して、極めて高活性を示すことにある。これにより、厳しい条件下で反応を行う必要がなくなった。【0023】第1群に示す金属触媒の存在下、アルデヒドと酸素より過酸が生成することは以前より知られており(Trans. Faraday Soc., 1951, 47, 721., Advances in Chemistry Series, 1968, 76, 363.など)、またこれをオレフィンのエポキシ化反応(Chem. Lett., 1991, 1.など)やBacycr-Villiger 反応(Chem. Lett., 1991, 641., Tetrahedron Lett., 1992, 33, 7557.など)等に応用した例は報告されている(Bull. Chem. Soc. Jpn., 1995, 68, 17.)。しかし、これをアルコールの酸化に応用した例は、前記のRu触媒を用いる方法しか知られていない(J. Org. Chem., 1993, 58, 7318.)。【0024】本発明の方法で得られた一般式(I)で表される1級アルコールの酸化物がカルボン酸もしくはカルボン酸エステルである場合、塩基性物質で中和もしくは加水分解することによりカルボン酸塩にすることが出来る。更に一般式(I)で表される1級アルコールが長鎖の脂肪族アルコールである場合、この様にして得られるカルボン酸塩は、各種洗浄剤の基剤もしくは添加剤として使用することができる。【0025】【実施例】実施例1酸素入りの風船を備えた50ミリリットル・ナスフラスコにn−ドデカノール0.3873g(2.079mmol) 、Co(OAc)2・4H2O 0.0012g (0.0048mmol;n−ドデカノールに対して0.2mol%) 、CrO3 0.0020g(0.020mmol;n−ドデカノールに対して1 mol%) 及び酢酸エチル6mlを仕込み、室温下で撹拌した。そこへ、酢酸エチル2mlに溶解させたアセトアルデヒド0.37g(n−ドデカノールに対して4当量) を30分間かけて滴下した。その後、25℃で4.5 時間撹拌して反応物を得た。ガス・クロマトグラフィーによる分析を行ったところ、反応率は100 %、ラウリン酸の収率は69%であった。【0026】比較例1〜3実施例1と同様の反応条件で、各触媒の有無、及びアセトアルデヒドの使用量を変化させて反応を行った。反応条件及び結果を表1にまとめて示した。なお、表1中、触媒の使用量はn−ドデカノールに対する mol%、アセトアルデヒドの使用量はn−ドデカノールに対する当量で示した。【0027】【表1】【0028】実施例2〜47及び比較例4〜6実施例1と同様の反応条件で、n−ドデカノールに対して0.2mol% のCo(OAc)2・4H2O、n−ドデカノールに対して4当量のアセトアルデヒドを用いて、第2群より選ばれる金属触媒(n−ドデカノールに対して0.2mol%)の種類を表2及び表3に示すように変化させて反応を行なった。反応温度は25℃、反応時間は5時間で行なった。結果を表2及び表3にまとめて示した。【0029】【表2】【0030】【表3】 一般式(I) R1-OH (I)〔式中、R1は炭素数5〜22の直鎖のアルキル基を示す。〕で表される脂肪族1級アルコールを酸化するに際し、Co2+を含有する金属化合物からなる第1群から選ばれる金属触媒の1種以上、及びCr、Mo、V、Mn、Fe、Ni、Cu、Pd、W又はこれらの金属化合物からなる第2群から選ばれる金属触媒であって第1群から選ばれた金属触媒以外の金属触媒の1種以上の存在下、一般式(II) R2-CHO (II)〔式中、R2は炭素数1〜22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、アルケニル基、あるいは置換又は無置換のフェニル基、ベンジル基又はシクロアルキル基を示す。〕で表されるアルデヒドを添加して反応を行うことを特徴とする、脂肪族1級アルコールの酸化方法。 第2群より選ばれる金属触媒がCr、Mo又はこれらの金属化合物である請求項1記載の酸化方法。