生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_乳化化粧料
出願番号:1998046188
年次:2004
IPC分類:7,A61K7/48,A61K7/00


特許情報キャッシュ

一色 隆 紺野 義一 小林 伸次 江川 淳一郎 JP 3543603 特許公報(B2) 20040416 1998046188 19980212 乳化化粧料 株式会社コーセー 000145862 田中 宏 100089406 樋口 榮四郎 100096563 一色 隆 紺野 義一 小林 伸次 江川 淳一郎 20040714 7 A61K7/48 A61K7/00 JP A61K7/48 A61K7/00 C A61K7/00 H A61K7/00 N A61K7/00 X 7 A61K 7/00-7/50 特開平07−126148(JP,A) 特開平05−139949(JP,A) 特開平09−263514(JP,A) 特開平09−012445(JP,A) 特開平04−009310(JP,A) 1 1999228378 19990824 8 20021112 福井 悟 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、美白効果を有し、且つ、経時安定性に優れ、使用感の良好な乳化化粧料に関する。【0002】【従来の技術】従来、化粧料に美白効果を付与する目的で、各種のビタミンC(L−アスコルビン酸)誘導体が配合されている。一例として、L−アスコルビン酸リン酸エステル塩、L−アスコルビン酸硫酸エステル塩等の水溶性ビタミンC誘導体や、L−アスコルビン酸とパルミチン酸とのモノエステル、ジエステル等の油溶性ビタミンC誘導体が汎用されていた。上述した水溶性ビタミンC誘導体は、L−アスコルビン酸と比較して酸化分解に対する安定性には優れているものの、反面、乳化化粧料に配合した場合、該誘導体を構成する塩の影響により、エマルションの凝集を生じ、安定性が低下するということが知られていた。そのため、降伏値を有する水溶性高分子、例えば、キサンタンガムやカルボキシビニルポリマーを併用したり、高級アルコールやワックス等の油剤を多量に配合し、粘性を上げて安定性を向上する試みが行われてきた。【0003】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、降伏値を有する水溶性高分子を配合しても、上述した塩の影響により粘性が低下して系の安定性を経時的に維持することが困難であった。また、油剤を多量に配合した場合は、べたつきを生じたり、さっぱり感が得られない等の感触面での制約を受けるという欠点があった。従って、美白効果を有する水溶性アスコルビン酸誘導体を配合し、且つ、安定性、使用感に優れた乳化化粧料の開発が望まれていた。【0004】【課題を解決するための手段】上記実情に鑑み、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、L−アスコルビン酸リン酸エステル塩及び/又はL−アスコルビン酸硫酸エステル塩を配合した系において、ステアロイルメチルタウリンナトリウム及び/又はパルミトイルメチルタウリンナトリウムを乳化剤に用いることにより、安定性及び使用感に優れた乳化化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。【0005】すなわち本発明は、次の成分(a)〜(d);(a)L−アスコルビン酸リン酸エステル塩及び/又はL−アスコルビン酸硫酸エステル塩0.5〜5重量%(b)ステアロイルメチルタウリンナトリウム及び/又はパルミトイルメチルタウリンナトリウム0.001〜5重量%(c)油剤0.01〜79重量%(d)水20〜99重量%を含有することを特徴とする乳化化粧料である。以下、詳述する。【0006】【発明の実施の形態】本発明で用いられる成分(a)のL−アスコルビン酸リン酸エステル塩及び/又はL−アスコルビン酸硫酸エステル塩としては、例えば、L−アスコルビン酸リン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸マグネシウム、L−アスコルビン酸リン酸カルシウム、L−アスコルビン酸硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸硫酸マグネシウム、L−アスコルビン酸硫酸カルシウム等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。【0007】本発明で用いられる成分(a)の含有量は、0.5〜5重量%(以下、単に「%」と記す)であり、より好ましくは、1〜3%である。成分(a)の含有量が0.5%未満であると、充分な美白効果が得られず、また、5%を超えて配合しても、さらなる美白効果の向上が期待できない。【0008】本発明で用いられる成分(b)は、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウムである。これらは一種又は二種用いる。【0009】本発明で用いられる成分(b)の含有量は、0.001%〜5%であり、より好ましくは0.01〜3%である。成分(b)の含有量が0.001%未満であると、乳化粒子の分散安定性を充分に確保することができず、また、5%を超えて配合すると、ステアロイルメチルタウリンナトリウム及び/又はパルミトイルメチルタウリンナトリウム自身のベタツキが生じるため、感触上好ましくない。【0010】本発明で用いられる成分(c)の油剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、天然動植物油脂類、及び半合成油脂、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、フッ素系油剤等が挙げられ、具体的には、天然動植物油脂類、及び半合成油脂としては、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等;炭化水素油としては、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)等;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸2−オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセライド、トリイソオクタン酸グリセライド、トリイソステアリン酸グリセライド、トリイソパルミチン酸グリセライド、トリー2−エチルヘキサン酸グリセライド、モノステアリン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、トリミリスチン酸グリセライド等;シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン,メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン,テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、シリコーンレジン等;フッ素系油剤としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。【0011】本発明で用いられる成分(c)の含有量は、0.01〜79%であり、より好ましくは0.1〜50%である。この範囲外では、良好な使用感が得られない。【0012】本発明で用いられる成分(d)である水の含有量は、20〜99%であり、より好ましくは40〜95%である。【0013】本発明の乳化化粧料は、上記必須成分を配合することにより得られるが、その形状は、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状のいずれであっても良い。【0014】本発明品の乳化化粧料は、上記必須成分の他に、化粧料に配合される成分、例えば、油剤、界面活性剤、粉体、顔料、染料、水溶性高分子、紫外線吸収剤、保湿剤、防腐剤、香料、各種薬剤等を本発明の効果を妨げない範囲で配合することができる。【0015】【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらによりなんら限定されるものではない。【0016】実施例1〜4及び比較例1〜4 乳化化粧料下記表1に示す組成の乳化化粧料を製造し、経時安定性と使用感について評価した。【0017】【表1】【0018】(製造方法)A:成分1〜7を80℃に加熱混合する。B:成分8〜13を80℃に加熱混合する。C:BにAを添加して撹拌し、これを冷却して乳化化粧料を得た。【0019】(評価方法)1.経時安定性得られた乳化化粧料を40℃の恒温槽にセットして、その外観変化を目視にて観察し、下記基準より評価した。[評価]◎:3ヶ月でも異常が認められない。○:1ヶ月でも異常が認められない。△:2週間で異常が認められる。×:1日で異常が認められる。【0020】2.使用感専門評価パネル10名により、皮膚に塗布した際の使用感(べたつきのなさ)を下記基準にて5段階評価し、さらにその平均点から判定した。[評価]5点:非常に良好。4点:良好。3点:普通。2点:やや不良。1点:不良。[評価]◎:平均点4.5点以上○:平均点3.5点以上4.5点未満△:平均点2.5点以上3.5点未満×:平均点2.5点未満上記各評価方法により得られた結果を表1に併せて示す。【0021】表1の結果から明らかなように、本発明に係わる実施例1〜4の乳化化粧料は、経時安定性並びに使用感に優れたものであった。それに対し、比較例においては、全ての評価項目を満足し得るものは得られなかった。【0022】【0023】(製造方法)A:成分1〜5を80℃に加熱混合する。B:成分6〜12を80℃に加熱混合する。C:BにAを添加して攪拌し、これを冷却して乳液を得た。実施例5は、経時安定性、使用感ともに優れた乳液であった。【0024】【0025】(製造方法)A:成分1〜7を80℃に加熱混合する。B:成分8〜13を80℃に加熱混合する。C:BにAを添加して攪拌し、これを冷却してクリームを得た。実施例6は、経時安定性に優れ、使用感も良好なものであった。【0026】【発明の効果】以上詳述したように、本発明の乳化化粧料は、美白効果を有し、且つ、経時安定性に優れ、使用感も良好なものである。 次の成分(a)〜(d);(a)L−アスコルビン酸リン酸エステル塩及び/又はL−アスコルビン酸硫酸エステル塩0.5〜5重量%(b)ステアロイルメチルタウリンナトリウム及び/又はパルミトイルメチルタウリンナトリウム0.001〜5重量%(c)油剤0.01〜79重量%(d)水20〜99重量%を含有することを特徴とする乳化化粧料。


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