生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_成長因子複合体の抽出方法
出願番号:1997533003
年次:2008
IPC分類:C07K 14/475,A61P 1/00,A61P 1/02,A61P 15/14,A61P 17/00,A61P 17/02,A61P 17/14,A61P 19/00,A61P 19/10,A61P 21/00,A61P 35/00


特許情報キャッシュ

ハンス・メイヤー ヘルマン・ワスマー デッター・ホフマン JP 4051475 特許公報(B2) 20071214 1997533003 19970311 成長因子複合体の抽出方法 バイオイコール アーゲー 市之瀬 宮夫 ハンス・メイヤー ヘルマン・ワスマー デッター・ホフマン CH 686/96 19960315 EP 96111328.9 19960713 20080227 C07K 14/475 20060101AFI20080207BHJP A61P 1/00 20060101ALI20080207BHJP A61P 1/02 20060101ALI20080207BHJP A61P 15/14 20060101ALI20080207BHJP A61P 17/00 20060101ALI20080207BHJP A61P 17/02 20060101ALI20080207BHJP A61P 17/14 20060101ALI20080207BHJP A61P 19/00 20060101ALI20080207BHJP A61P 19/10 20060101ALI20080207BHJP A61P 21/00 20060101ALI20080207BHJP A61P 35/00 20060101ALI20080207BHJP JPC07K14/475A61P1/00A61P1/02A61P15/14A61P17/00A61P17/02A61P17/14A61P19/00A61P19/10A61P21/00A61P35/00 C07K 14/475 A61P 1/02 A61P 15/14 A61P 17/02 JSTPlus(JDream2) BIOSIS/WPI(DIALOG) 特表平09−512536(JP,A) 特開平01−294689(JP,A) 特開平06−279312(JP,A) 国際公開第95/029933(WO,A1) 国際公開第95/026984(WO,A1) 欧州特許出願公開第00313515(EP,A1) 特開平01−300898(JP,A) 特開平02−036196(JP,A) 特開平03−048697(JP,A) 特開平03−101699(JP,A) 特開昭62−030719(JP,A) 特公昭44−012744(JP,B1) 6 CH1997000097 19970311 WO1997034929 19970925 2000507236 20000613 13 20040311 引地 進 発明の簡単な概要成長因子複合体を抽出するための本発明の方法は、天然成長因子を含有する物質に水を加え、酸を加えることによってpH値を2.5〜3.2に調節し、生じた沈殿を上澄み液から分離し、水溶液中の成長因子複合体を水と混和しうる有機溶媒の添加によって沈殿させ、液体相から分離し、乾燥させ、得られた粉末を必要な場合には透析することを特徴とする。発明の背景成長因子は特異的な生物学的性質を有するので、特に重要なポリペプチドである。それらの特別な性質のために、成長因子自体は、特に組合せとして、薬剤及びコスメチックの有望なコンパウンド(compound)である。今まで、成長因子の抽出は、主として単一種類の成長因子を生じる、非常に時間と費用とを要するプロセスであった。EP313,515の特許明細書によると、出発物質に1種類以上のクロマトグラフィー方法を施し、必要な場合には、さらなる精製工程を施す、乳成長因子(MGF)の単離方法が述べられている。この大規模な抽出方法によると、乳から単一種類の成長因子が得られるにすぎない。WO95/29933は乳からの数種類の成長因子の製造を述べている。この労力を要する方法では、ミクロ濾過を受けた低温殺菌(pasteurized)ホエーが出発物質として用いられる(詳細はオーストラリア特許明細書第645589号に述べられている)。次に、50mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)と平衡させたカチオン交換樹脂に、このタンパク質含有物質を供給する。同じ緩衝液による洗浄操作後に、タンパク質を0.4M NaClによって溶出し、水に対して透析濾過し(diafiltrated)、限外濾過によって濃縮して、凍結乾燥する。さらなる精製工程によりラクトアルブミン10mg/mlを含有する画分を生じる(画分はそれぞれ100μlから成る)。WO95/26984の特許明細書は牛乳からのカチオン交換クロマトグラフィーとその後の透析とによるインシュリン様成長因子の製造を述べている。JP6279312も、乳又はホエーを特定温度にまで加熱し、遠心分離し、上澄み液を8kDa限外フィルターに通すことによるインシュリン様成長因子の製造を述べている。先行技術とは対照的に、本発明は簡単で費用がかからず、しかも高収率をあげる方法を開示する:1kgの商業的乳粉末から、活性な成長因子複合体を含有する炭水化物350g〜420gが単離される。この複合体は大部分がラクトースから成る。出発物質として牛乳を用いると、タンパク質の比率は8%〜17%である。必要な場合には、ラクトースの大部分を透析によって除去することができる。しかし、治療目的のためには、透析されていないラクトース含有物質が有利である、というのは、このやり方で生物学的に高度に活性な因子の正確で、再現可能な投与量をかなり簡単に管理することができるからである。個々の乳成長因子の作用は最近15年間に詳しく研究されている。特に、生物学的に活性なポリペプチドが種々な細胞機能の調節、刺激又は阻害等のような生理学的機能を有することが判明している(Am.J.Med.Sci.1991,301,2,124〜132)。Pittelkow M.R.(Advances in Dermatology,1991,7,55〜81)は、幾つかの乳ペプチドが真皮構造のメインテナンスのために重要である細胞過程の天然のメディエーターとして作用することを実証することができた。成長因子の生物学的活性はマイグレーション試験及び/又は成長試験によって評価することができる。マイグレーション試験はBuerk R.R.(Proc.Nat.Acad.Sci.,1973,70,2,369〜372)に従っておこなわれる:細胞(例えば、Balb/C−3T3−線維芽細胞)が融合性単層に成長した後に、10mm幅の面積をかみそりの刃によって取り出す。乳成長因子の添加によって、細胞マイグレーションは対照に比べて増加する。同様にBalb−C−3T3−線維芽細胞に対しておこなわれた成長試験は、乳成長因子による線維芽細胞の処理時の細胞成長の増加を明らかにした。先行技術dえは、単一因子又は2種類の成長因子の組合せの使用が述べられている。WO95/29933は、乳から製造されるGFE−2と略記される成長因子を述べている。この成長因子は創傷治療のために並びに胃腸の障害、疾患又は潰瘍に対して用いられる。EP367447は例えば創傷、潰瘍、火傷の治療又は放射線療法後の再上皮形成のためのような、上皮細胞の成長刺激のためのヒト細胞トランスフォーミング成長因子の使用を述べている。FR2472385とFR2533438は単離された種々の成長因子の化粧用途について述べている。JP6040858は脱毛症の予防と治療のためのヘアートニックに線維芽細胞成長因子を用いている。EP313515は練り歯磨き、マウスウォッシュ(うがい薬)、コスメティック及び栄養製剤への乳成長因子の使用を述べている。本発明は、協調して作用することができる一連の天然成長因子を含む。EP313515に開示されているように、種々な成長因子は組合わされたときに相乗的に作用する。前記特許明細書では、良好な創傷治癒を達成するために、乳成長因子が上皮成長因子(EGF)又はトランスフォーミング成長因子α(TGF−α)と組合わされる。本発明は、最終生成物が種々な成長因子の組合せを既に含有するという利点を有する。発明の詳細な記述天然成長因子を含有する物質(以下では、“出発物質”と呼ぶ)は下記物質:例えば、ヒト乳、牛乳、ヤギ乳、ヒツジ乳、ウマ乳等のような、哺乳動物からの乳;対応するホエー;例えば、鶏卵、アヒル卵、ダチョウ卵等のような、鳥類の卵;例えば、マス卵、チョウザメ卵等のような魚卵;例えば、ヒト血液、ウシ血液、ヤギ血液、ヒツジ血液、ウマ血液等のような、哺乳動物からの血液;例えば、ヒト尿、ウシ尿、ヤギ尿、ヒツジ尿、ウマ尿等のような、哺乳動物からの尿;並びに蜂蜜及び植物種子であることができる。好ましい出発物質はヒト乳、牛乳、鶏卵、マス卵及びウシ血液である。特に好ましい出発物質は脱脂牛乳、又はチーズ製造から得られるそのホエー又は、例えば噴霧乾燥によって得られる商業的に入手可能なホエー粉末である。成長因子複合体を抽出するための本発明の方法は、出発物質として本明細書に挙げた全ての例に対して適用することができ、一般に、成長に寄与する又はそれ自体が成長する(例えば種子)全ての出発物質に用いることができる。一般的にいえば、本発明の方法は任意のペプチド含有出発物質又はタンパク質含有出発物質に用いることができる。固体出発物質に、水を加えて、それらを均質な溶液にしてから、さらに処理する。脂肪含有出発物質は脱脂してから、例えばスキミング(skimming)によるような、慣用的な方法で処理する。本発明による成長因子の抽出を本明細書の以下において、固体乾燥物質が未加工乳におけるよりも濃縮されている脱脂乳からの成長因子複合体の抽出を例として説明する。高含量の固体乳乾燥物質を有する、このような出発物質は、天然乳をスキミング後に緩和な条件下で水分の蒸発によって濃縮することによって、又は脱脂乳から得られた乾燥乳に適当な量の水分を混合することによって製造される。少なくとも100g/lの乾燥物質、特に脱脂牛乳からの乾燥乳を含有する脱脂乳が好ましい出発物質である。出発物質を含有する溶液のpHを2.5〜3.2に調節するために、例えばモノ−、ジー及びトリカルボン酸並びにそれらから誘導されるヒドロキシ酸のような、一般に鉱酸及び有機酸を用いることができる。適当な鉱酸は塩酸、硫酸及びリン酸である。適当な有機酸はギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸(α−ヒドロキシプロピオン酸)、β−ヒドロキシプロピレン酸、リンゴ酸、酒石酸、アスコルビン酸及びクエン酸である。酸は水溶液として最も良く用いられる。好ましい酸はギ酸、酢酸、乳酸及びクエン酸である。80%乳酸が特に好ましい。pH値の調節のために必要な酸量を室温において激しく撹拌しながら水溶液として乳に加えることが好ましく、この添加は一般に発熱反応なしに進行する。好ましくは、pH値を酸の添加によって2.5〜2.7に調節する。この後に、混合物をさらに15〜30分間撹拌することが好ましい。酸添加から生じた第一の沈殿物は、例えば目の詰んだワイヤーガーゼ又は漉し布又は遠心分離によるような、濾過によって分離することが好ましい。第一の沈殿物から付着性(adhering)成長因子含有水溶液を加圧によって除去することが好ましい。微細な構造の粘着性沈殿が得られる。酸処理によって得られた第一の沈殿物を上澄み液から完全に分離するために、例えばリカーフィルター(liquorfilter)又はプリーツフィルター(pleated filter)によって水溶液をもう一度濾過することがさらに好ましい。酸による第一の沈殿物の分離によって得られる成長因子含有水溶液は重要な中間生成物であり、本発明の対象(subject)でもある。第一の沈殿物の分離後に得られる水溶液に加えられる、水と混和性の有機溶剤は、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール又はイソプロパノールのような低級アルカノール、並びに例えばアセトン、メチルエチルケトン及びジエチルケトンのような低級ケトンでありうる。好ましい水と混和性の有機溶剤はイソプロパノールとアセトンである。アセトンが特に好ましい。成長因子複合体を分離するために水と混和性の有機溶剤を添加する前に、成長因子含有水溶液を0℃〜10℃、好ましくは3℃〜5℃の温度に冷却する。成長因子複合体を沈殿させるために、水と混和性の有機溶剤を一般に撹拌しながら水溶液に加える。有機溶剤と水溶液とは2:1から10:1までの容量比で用いられる。水と混和性の有機溶剤の、水溶液に対する容量比は好ましくは4:1から6:1までである。沈殿した成長因子複合体(第二の沈殿物)は濾過又は遠心分離によって分離することができる。これを好ましくは分離に用いた溶剤によって洗浄し、室温において又はやや高い温度において真空下で乾燥させる。続いて、必要な場合には、得られた粉末をさらに濃縮するためにイオンを含まない流水に対して透析する。隔膜の透過度は3.6kDa未満の分子量を有する分子のみが通過するように選択する。得られた生成物を乾燥後に脂溶性溶剤によって抽出するならば、その生物学的活性が増強することが判明している。この抽出は通常の装置によってそれ自体公知の方法で連続的にも不連続的にもおこなうことができる。連続抽出は例えばソックスレー装置によっておこなうことができる。不連続抽出は好ましくは、本発明の方法によって得られた生成物を乾燥後に溶剤中に懸濁させることによっておこなう。懸濁液を数分間、例えば5〜20分間撹拌し、生成物を分離して、乾燥させる。可能な脂溶性溶剤は好ましくは、例えば塩化メチレン、クロロホルム及び四塩化炭素のような低沸点ハロゲン化脂肪族炭化水素である。好ましい溶剤は塩化メチレンである。牛乳から本発明の方法によって製造した成長因子複合体は白色の結晶質粉末である。この粉末に含まれる活性ポリペプチド、いわゆる成長因子は文献(M.R.Pittelkow,Advances in Dermatology,1991,7,55)から公知である。最も良く知られ、最も良く研究されている乳成長因子はトランスフォーミング成長因子α(TGF−α)、トランスフォーミング成長因子β(TGF−β)、線維芽細胞成長因子(FGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、インシュリン様成長因子(IGF)及び上皮成長因子(EGF)である。前述した出発物質の全ては、成長因子複合体を抽出するための本発明の方法に使用可能である。しかし、得られる成長因子複合体は出発物質に依存して活性ポリペプチドの組成において異なる。本発明の異なる成長因子に対応して、表1で質量スペクトルを、表2では保持時間を、図1と2ではSDS pageゲル電気泳動図を示す。本発明による成長因子複合体は主としてラクトースから成り、約2%〜15%のタンパク質を含有する。タンパク質部分は透析によって強く増加する可能性がある。タンパク質含量をM.M.Bradfordの方法[Analytical Biochemistry,1976,72,248〜254]によって測定する:・ 牛乳粉末からのGFC: 5.0重量%のタンパク質・ 透析した牛乳粉末からのGFC:21.0重量%のタンパク質・ 牛乳ホエーからのGFC: 5.0重量%のタンパク質・ ヒト乳からのGFC: 14.5重量%のタンパク質・ 透析したヒト乳からのGFC: 76.0重量%のタンパク質・ 鶏卵からのGFC: 10.5重量%のタンパク質・ 魚卵からのGFC: 2.5重量%のタンパク質生理的に良好に許容される補助剤とキャリヤー材料とを用いて適当に製剤化した後に、本発明による成長因子複合体は例えば下記のような、多くの可能な医学的及びコスメティック用途を有する:・ 創傷、火傷、血腫、湿疹、潰瘍等の治癒を促進しながらの治療のため、・ 例えば、抜歯等の後の歯周炎のような口腔粘膜の治癒を促進しながらの治療のため、・ 例えば、鼻の乾燥粘膜、手術後の出血傾向等のような、鼻粘膜の治癒を促進しながらの治療のため、・ 例えば、瘢痕の改善、蜂巣炎、老人性皮膚等のような、皮膚構造の改善のため、・ 例えば、脱毛症の治療と予防のため、・ 例えば、皮膚癌、肺癌、胃癌等のような、癌の治療のため、・ 胃腸の障害、疾患及び潰瘍の治療のため、・ 骨粗しょう症の治療と予防のため、・ 例えば、幼児栄養、非経口栄養等のような、食品補充物として、・ 筋肉量の発達のため、及び・ 哺乳動物における乳産出量を高めるための獣医学薬剤中に。本発明の成長因子複合体は、上記適応に用いられる、あらゆる慣習的生薬形(galenic form)に有効成分として加工されることができる。組成物中の有効成分(成長因子複合体)の含量は0.001〜99%、好ましくは0.01%〜50%、特に好ましくは0.1%〜10%であることができる。局所使用には0.5%の含量、経口使用には75%の含量が事実上特に好ましい。局所治療に用いられる、あらゆる組成物に成長因子複合体を加工することができる。このような組成物は例えば、軟膏、クリーム、ゲル、ペースト並びにまた練り歯磨き、エマルジョン、溶液、マウスウオッシュ、スプレーのような皮膚及び粘膜用の局所用途、又は浴用添加剤、プラスター、及び軟膏若しくはペーストを含有するガーゼとしてである。成長因子複合体は例えば注入及び注射のための溶液として非経口薬剤に加工されることもできる。経口組成物は、例えば、胃液中で崩壊する錠剤又は糖衣錠であるか、又は他の固体製剤、いわゆる浸透圧ポンプ系、成長因子複合体の遅延放出を保証する単層状若しくは多層状固体製剤、成長因子複合体を即時放出若しくは遅延放出するためのカプセル中のペレット若しくは圧縮ペレット、特殊な方法を用いてシールされた軟質ゼラチンカプセル若しくは硬質ゼラチンカプセル抽出の溶液、例えば発泡錠、発泡顆粒、溶解錠若しくは溶解顆粒のような水若しくは他の飲料中に可溶性の製剤、又は濃縮物として若しくは水若しくは他の飲料中で希釈して服用するための例えば滴剤若しくはシロップのような液体製剤である。本発明はさらに、これらの製剤の製造方法であって、治療有効量の成長因子複合体を生理的に不活性な賦形剤と共に生薬投与形(galenic form of administration)にすることを特徴とする上記方法を包含する。薬剤製剤の製造のために、溶解、凍結乾燥、混合及び懸濁プロセスのような、慣用的な方法が用いられる。局所製剤の製造のためには、成長因子複合体の水溶液が適当である。これらの水溶液は親水性軟膏基剤に、例えばマクロゴール又はポリエチレングリコール軟膏に、疎水性脂質成分、水及び界面活性剤を含有するクリームに、例えばゼラチン及びセルロースエーテルのような親水性高分子化合物を有するゲルに、高度に濃縮された懸濁液軟膏からのペーストに、並びに油、アラビアゴム及び水を用いたエマルジョンに加工される。局所組成物の製造は慣用的な方法によっておこなわれる。非経口投与のためには、水溶液が最も適するが、例えば注射用の油性懸濁液(適当な親油性溶剤又はビヒクルは例えばゴマ油のような植物油、例えばエチルオレエート及びトリグリセリドのような脂肪酸エステルである);例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール及び/又はデキストランのような、粘度を高める化合物と、必要な場合には、安定剤とを含有する、注射用の水性懸濁液のような、有効成分の懸濁液も適する。経口用の組成物は、成長因子複合体を固体キャリヤー材料と一緒にすることによって得ることができ、得られた混合物を必要な場合には顆粒化し、望ましい又は必要な場合には、適当な補助コンパウンドの添加後に、錠剤又は糖衣錠コアに加工される。適当なキャリヤー材料は好ましくは糖(例えば、ラクトース、サッカロース、マンニトール又はソルビトール)と、セルロース製剤及び/又はリン酸カルシウム(例えば、リン酸三カルシウム又はリン酸水素カルシウム)とのような充填剤コンパウンド(filling compound)であり、例えばトウモロコシ、小麦、米若しくはジャガイモからの澱粉ペースト、又はゼラチン、トラガントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及び/又はポリビニルピロリドンのような結合剤、及び/又は必要な場合には、例えば上記澱粉形、さらにカルボキシメチル澱粉、クロスメッシュ状(crossmeshed)ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸又はその塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)のようなブラスティング剤(blasting agent)も適当である。補助剤は好ましくは流動調節剤と潤滑剤、例えばケイ酸、タルク、ステアリン酸又はその塩(例えば、ステアリン酸マグネシウム若しくはステアリン酸カルシウム)及び/又はポリエチレングリコールである。糖衣錠コアには、任意にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール及び/又は二酸化チタンを含有する濃縮糖溶液、又は適当な有機溶媒若しくは溶媒混合物中のワニス溶液、又は胃液に耐性な被膜を製造するために適当な、例えばアセチルセルロースフタレート若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのようなセルロース製剤の溶液を用いて、任意に胃液に耐性な、適当な被膜を与える。経口用のさらに有用な組成物は、二部式硬質ゼラチンカプセル並びに、例えばグリセリン又はソルビトールのような軟化剤(tenderizer)を含有する軟質密閉ゼラチンカプセルである。硬質カプセルは例えばラクトースのような充填剤コンパウンドと、例えば澱粉のような結合剤及び/又は例えばタルク若しくはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤と、任意に安定剤とを加えることによって顆粒状の成長因子複合体を含有することができる。軟質カプセルでは、成長因子複合体を好ましくは、例えば脂肪油、パラフィン油又は液体ポリエチレングリコールのような適当な液体中に溶解又は懸濁させる。本発明を下記実施例によって説明する:実施例1:乾燥牛乳−GFCの抽出脱脂乾燥牛乳 150g脱イオン水 700g乳酸(80%) 120gアセトン 3,560g脱イオン水 300gアセトン 150g1.700gの脱イオン水を含有するビーカーに撹拌しながら(Heidolphスターラー,約200rpm)150gの脱脂乾燥乳を徐々に(5分間以内)加えた。懸濁液をさらに20分間撹拌する。2.120gの乳酸を徐々に(5分間以内)加え、懸濁液をさらに15分間撹拌する。3.ビーカーの内容物を遠心機に移し、6,000rpmにおいて20分間遠心分離する。4.上澄み水溶液を注ぎ出す。遠心機中の固体ペレットを、約300gの脱イオン水を加えることによって、ペーストに加工し、再び遠心分離する。5.上澄み水溶液を一緒にして、リカーフィルターに通して濾過する。成長因子含有水溶液は淡黄色であり、オパール様光沢を有する。6.エーレンマイヤーフラスコ中の900gの水溶液に、3,560gのアセトンを徐々に(5分間以内)撹拌しながら(Heidolphスターラー,200rpm)加えて、懸濁液をさらに5分間撹拌する。生じる沈殿を室温において一晩沈降させる。7.翌日、沈殿をガラスシンター吸引フィルターG4上で吸引して、50gのアセトンによって3回洗浄し、好ましくは窒素ガス下の真空乾燥室において40℃で乾燥させる。収量:約58gの乾燥牛乳−GFC。参考例1:母乳−GFCの抽出ヒト乳 600ml乳酸(80%) 90mlアセトン 1,500ml1.600mlのヒト乳を6,000rpmにおいて20分間遠心分離する。上部脂肪層を除去し、残留溶液を真空下で300mlにまで蒸発させる。2.90mlの乳酸を徐々に(5分間以内)加えて、溶液をさらに15分間撹拌する。実施例1の項目3〜7の操作に従う。収量:約40gの母乳−GFC。参考例2:鶏卵−GFCの抽出卵黄 6脱イオン水 200ml乳酸(80%) 100mlアセトン 1,500ml1.6個の卵黄を真空下で乾燥するまで蒸発させ(約44g乾燥物質)、200mlの脱イオン水中に懸濁させる。2.100mlの乳酸を懸濁液に徐々に(5分間以内)加える。非常に微細な濾過不能な沈殿が形成される。3.懸濁液を透析管(カットオフ:3,000MW)内で水に対して2日間透析する。4.透析管からの300mlの水溶液をエーレンマイヤーフラスコ中で1,500mlのアセトンを撹拌しながら(Heidolphスターラー,200rpm)加える(徐々に添加、即ち、5分間以内)ことによって沈殿させる。混合物をさらに5分間撹拌する。沈殿を室温において一晩沈降させる。5.翌日、沈殿をガラスシンター吸引フィルターG4上で吸引し、50mlのアセトンによって3回洗浄し、真空乾燥室において40℃で乾燥させる。収量:約4gの鶏卵−GFC。実施例2:魚卵−GFCの抽出マス卵 100g脱イオン水 500ml乳酸(80%) 80mlアセトン 2,500ml1.100gのマス卵を500mlの脱イオン水に添加し、ミキサーを用いて崩壊させる。2.80mlの乳酸を徐々に(5分間以内)加え、懸濁液をさらに15分間撹拌する。3.生じる沈殿を遠心機に移し、6,000rpmにおいて20分間遠心分離する。上澄みの成長因子含有水溶液(約500ml)を注ぎ出す。4.500mlの水溶液をエーレンマイヤーフラスコ中で2,500mlのアセトンを撹拌しながら(Heidolphスターラー,200rpm)加える(徐々に添加、即ち、5分間以内)ことによって沈殿させる。混合物をさらに5分間撹拌する。沈殿を室温において一晩沈降させる。5.翌日、沈殿をガラスシンター吸引フィルターG4上で吸引し、50mlのアセトンによって3回洗浄し、真空乾燥室において40℃で乾燥させる。収量:約1.5gの魚卵−GFC。実施例3:ヒト血液−GFCの抽出ヒト血液 150ml脱イオン水 225ml乳酸(80%) 45mlアセトン 1,600ml1.150mlのヒト血液を225mlの脱イオン水によって希釈する。2.45mlの乳酸を撹拌しながら(Heidolphスターラー,約200rpm)徐々に(5分間以内)加え、懸濁液をさらに15分間撹拌する。3.生じる沈殿を遠心機に移し、6,000rpmにおいて20分間遠心分離する。上澄みの成長因子含有水溶液(約320ml)を注ぎ出す。4.320mlの水溶液をエーレンマウヤーフラスコ中で1,600mlのアセトンを撹拌しながら(Heidolphスターラー,200rpm)加える(徐々に添加、即ち、5分間以内)ことによって沈殿させる。混合物をさらに5分間撹拌する。沈殿を室温において一晩沈降させる。5.翌日、沈殿をガラスシンター吸引フィルターG4上で吸引し、50mlのアセトンによって3回洗浄し、真空乾燥室において40℃で乾燥させる。収量:約22gのヒト血液−GFC。実施例4:牛乳ホエー−GFCの抽出牛乳からの乾燥ホエー 100g脱イオン水 500ml乳酸 100mlアセトン 3,500ml1.100gの乾燥ホエーを500mlの脱イオン水に添加し、撹拌しながら(Heidolphスターラー,200rpm)分解させる。2.100mlの乳酸を加え、懸濁液を約1時間撹拌する。3.生じる沈殿を遠心機に移し、5,500rpmにおいて20分間遠心分離する。上澄みの成長因子含有水溶液(約570ml)を注ぎ出す。4.水溶液を2部分に分割し、各1,500mlのアセトンを加えることによって、撹拌しながら(Heidolphスターラー,200rpm)沈殿させる。沈殿を室温において一晩沈降させる。5.翌日、沈殿をガラスシンター吸引フィルターG4上で吸引し、50mlのアセトンによって3回洗浄し、真空乾燥室において40℃で乾燥させる。収量:約73.4gの牛乳ホエー−GFC。実施例5:GFC−創傷ゲル(wound gel)0.5%100gの創傷ゲルは下記成分を含有する:carbopol 980NF 0.50g脱イオン水 92.84g水中1M トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン 6.16g成長因子複合体(GFC) 0.50g60gの脱イオン水を200gビーカー中で中等度の速度において撹拌する。0.5gのcarbopol 980NFを撹拌しながら徐々に加え、さらに10分間撹拌し、15分間膨潤させ、5gのトリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタンを計量して試験管中に入れ、0.5gのGFCを加えて、良好に懸濁させる。GFC溶液をゲルの塊に加え、スパチュラで混合する。pH値を1Mトリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタンによって撹拌しながら6〜7に調節する。さらに撹拌しながら、ゲルの塊を脱イオン水によって100gに希釈して、さらに約5分間撹拌する。実施例6:GFC−練り歯磨き0.5%100gの練り歯磨きは下記成分を含有する:成長因子複合体(GFC) 0.50g炭酸カルシウム 37.00gaerosil200 1.00gグリセリン 25.00gパラフィン 0.50gペパーミント油 1.00gフッ化Na 0.76gサッカリン 0.01g脱イオン水 27.28gカルボキシメチルセルロース 0.80gラウリル硫酸Na 2.00g脱イオン水 4.15gGFCと、炭酸カルシウムと、aerocil200とを乳鉢中で乳棒によって超微粉砕する。グリセリンと、パラフィンと、ペパーミント油とを加え、乳棒でペースト化する。脱イオン水と、フッ化Naと、サッカリンとをビーカー中で5分間撹拌してから、ペースト化炭酸カルシウム混合物に加える。ラウリル硫酸Naをビーカーに加えて、残りの水を加える。約30℃に加熱して、撹拌しながら懸濁させ、得られた懸濁液をペースト化炭酸カルシウム混合物に加える。ペーストを手によって充分に撹拌して、三軸ローラーミル(3-roller-mill)にグレード3で通し;この塊を再び撹拌する。得られたペーストのpH値は10である。感覚器官を刺激するため必要である場合には、pH値をクエン酸によって中性又はやや酸性値に調節することができる。実施例7:注射用の2%GFC溶液1リットルの注射溶液の組成:成長因子複合体 20.0gアスコルビン酸 45.0g注射用水 935.0g935.0gの注射用水をエーレンマイヤーフラスコ中に計量して入れる。45gのアスコルビン酸を加えて、(フラスコを閉じた状態で)900rpmにおける約10分間以内の撹拌で溶解させる。20gのGFCを加えて、GFCが殆ど溶解するまで、溶液を約1時間撹拌する。溶液を滅菌フィルターに通して滅菌褐色ガラスボトル中に直接濾過する。実施例8:GFC粉末100mgの注射液各100mgのGFCを含有する200個のボトル用の組成:成長因子複合体 20.0g各5mlを含有する200個の溶液アンプル(solvent ampule)用の組成:アスコルビン酸 45.0g注射用水 935.0g20gのGFCを滅菌フラスコ中に計量して入れる。935.0gの注射用水をエーレンマイヤーフラスコ中に計量して入れる。45gのアスコルビン酸を水に加えて、(フラスコを閉じた状態で)900rpmにおける約10分間以内の撹拌で溶解させる。溶液を滅菌フィルターに通して滅菌褐色ガラスフラスコ中に直接濾過する。5mlの溶液を各溶液アンプルに移す。使用前に、溶液アンプルの内容物を滅菌GFC含有フラスコ中に注射針によって注入して、フラスコを注意深く振動しながらGFCを溶解させる。実施例9:500mgのGFC錠剤1000個の錠剤は下記成分を含有する:成長因子複合体 500.0g微細結晶質セルロース 86.0gNa−カルボキシメチル澱粉 50.6gpovidon K30 30.0gケイ酸、超微粉砕化、合成 3.2gひまし油、硬化 5.2gイソプロパノール 湿らせるためGFCと、セルロースと、Na−カルボキシメチル澱粉とを計量し、ふるい分けし(メッシュ幅710μm)、混合する。混合物を乳鉢中で乳棒によって超微粉砕し、約180gのイソプロパノールによって湿らせる。湿った混合物を乾燥室において50℃で3時間乾燥させ、ふるい分けする(メッシュ幅710μm)。ケイ酸とひまし油とを顆粒に加えて、混合物を閉じた容器内で充分に混合する。錠剤プレス(Korsch EKO)で13mm直径のスタンプによって錠剤を圧縮成形して、675mgの重量(500mgのGFCに対応)を有する錠剤を得た。 天然の成長因子含有物質からの成長因子複合体の抽出方法であって、(a)天然の成長因子含有物質に水を加える工程と、(b)工程(a)で得られた成長因子含有水溶液のpH値を酸の添加により2.5〜3.2に調節して、第一の沈殿物を得る工程と、(c)得られた第一の沈殿物を上澄み液から分離する工程と、(d)水と混和性の有機溶剤を工程(c)において分離された上澄み液に添加して、第二の沈殿物を生じさせる工程と、(e)生じた第二の沈殿物を分離して、乾燥させる工程とを含むことを特徴とする上記成長因子複合体の抽出方法。 天然の成長因子含有物質が、哺乳動物からの乳ホエー、鳥卵、魚卵、哺乳動物からの血液、哺乳動物からの尿、蜂蜜及び植物の種子から選ばれることを特徴とする請求項1記載の方法。 pH値を2.5〜3.2に調節するために、鉱酸、又はモノ−、ジ−もしくはトリカルボン酸又はこれらのカルボン酸から誘導されるヒドロキシカルボン酸を用いることを特徴とする請求項1記載の方法。 低級アルカノール又は低級ジアルキルケトンを水と混和性の有機溶剤として用いて、成長因子複合体を分離することを特徴とする請求項1記載の方法。 水と混和性の有機溶剤と、成長因子含有水溶液とを2:1から10:1までの量比で混合することを特徴とする請求項1記載の方法。 乾燥後に得られる成長因子複合体を脂溶性溶剤によって抽出すること特徴とする請求項1記載の方法。


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