タイトル: | 特許公報(B2)_高細胞密度発酵法による大腸菌での組換えタンパク質の生産方法 |
出願番号: | 1997521662 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | C12N 15/09,C12N 1/21,C12P 21/00,C07K 16/00 |
ストリットマター、ヴォルフガンク マツク、ジークフリート リーゼンベルク、ディエター ホルン、ウヴェ クニュファー、ウヴェ クヤウ、マリアン ヴェンデロト、ロルフ プリュックスン、アンドレアス クレベール、アンク JP 4101879 特許公報(B2) 20080328 1997521662 19961128 高細胞密度発酵法による大腸菌での組換えタンパク質の生産方法 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 宮崎 昭夫 金田 暢之 石橋 政幸 伊藤 克博 ストリットマター、ヴォルフガンク マツク、ジークフリート リーゼンベルク、ディエター ホルン、ウヴェ クニュファー、ウヴェ クヤウ、マリアン ヴェンデロト、ロルフ プリュックスン、アンドレアス クレベール、アンク EP 95119478.6 19951211 20080618 C12N 15/09 20060101AFI20080529BHJP C12N 1/21 20060101ALI20080529BHJP C12P 21/00 20060101ALI20080529BHJP C07K 16/00 20060101ALN20080529BHJP JPC12N15/00 AC12N1/21C12P21/00 CC07K16/00 C12N 15/00 C12N 1/21 C12P 21/00 BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) PubMed BIO/TECHNOLOGY, 1993年, vol.11, 1271-1277 Journal of Biotechnology, 1995年, vol.39, 59-65 18 EP1996005260 19961128 WO1997021829 19970619 2000501936 20000222 14 20031128 森井 隆信 本発明は、特別な大腸菌の宿主/ベクター系を使用して、組換えタンパク質、特に組換え抗体分子、とりわけミニ抗体のような抗体フラグメントを効率よく生産するための流加型発酵プロセスに関する。本発明による条件下では、大腸菌細胞を最大成長速度で極めて高い細胞密度状態にまで増殖させることができる。生成物の組換え形成の後では、増殖に制限的な影響を与えるのはその生成物そのものだけであり、基質や代謝副産物が増殖を制限するようなことはない。この培養方法と、この目的のために特別に採用した極めて高い安定性を有する新規の発現ベクターとを組み合わせることで、組換えタンパク質の高い時空収率を達成することが可能であり、特に、ここで得られるタンパク質が抗体フラグメントの場合には高い生物学的活性を示す。大腸菌細胞を高細胞密度の状態になるまで培養することが、組換えタンパク質を効率的に生産するための必須の前提条件となる。以下に述べる培養法がこの目的の達成のための技術の現状である。すなわち、バッチフェーズで無制限増殖(μ=μmax)させた後、続く流加フェーズで、例えばアセテートのような成長阻止要因として作用する副産物が生成されないような制限的な方法で、炭素源(グルコース又はグリセロール)を量の調節をしながら供給する。これにより、基質に対してのみ制限的(μ<μmax)であるような方法で、高細胞密度に達するまで増殖を持続することができる(例えば、Riesenbergら, 1991, J. Biotechnol., vol.20, 17-28、Strandbergら, 1994, FEMS Microbiol. Rev., vol. 14, 53-56、Korzら, 1995, J.Biotechnol. 39, 59-65、EP-B-O 511226)。成長率が低い場合の増殖では、当然の結果として、発酵時間が長くなると同時に時空収率も低下する。このような発酵においては、培養液中の炭素源はすぐに消費されるので、炭素源濃度は実質的にはゼロとなる。組換えタンパク質の生成が開始した後は、その基質制限条件が変化することはない。炭素源を比較的大きな時間間隔をおいて不連続的に添加した後、基質消費の指標として通常使用しているpO2値が上昇した時に、さらに比較的大量の炭素源を追加添加するような方法を採用した大腸菌流加培養法も知られている(例えば、Eppsteinら、1989, Biotechonol. 7, 1178-1181)。この方法を使用した場合には、比較的長期の基質過剰の状態から基質制限の状態に頻繁に変化するために、代謝不均衡を引き起こす可能性がある。流加培養法は、その流加フェーズにおいて、最大の成長率(μ=μmax)で細胞が増殖するように工夫したものである。流加培養法は、比較的大量の炭素源が、基質制限を避けるためにオフラインでの濃度測定結果に従って比較的長い時間間隔で培養物に加えられので、実験的に複雑であり、発酵の全プロセスを通して炭素源の濃度が常に変化してしまうという欠点がある(例えば、Packら, 1993,Biotechnol., vol. 11, 1271-1277、Hahmら, 1994,Appl.Microbiol.Biotechnol.42, 100-107)。また、基質制限を避けるために、炭素源の濃度をオンラインで測定し、その濃度調節を行うタイプの流加バッチ型の培養法が報告されている。しかしながら、その培養法でも、特に高細胞密度状態での培養に関しては、下記のような欠点がある。攪拌タンク型発酵槽を使用した微生物発酵用の加圧滅菌型グルコースセンサーが最近報告されている(M.R.Phelpsら, 1995, Biotechnol.Bioeng.,vol.46, 514-524)。このセンサーは大腸菌培養での測定に使用されている。このinsituセンサーは、約2分間遅れで、培養液の現在濃度値を示す。グルコースセンサーの信号は、特にpHとpO2に依存する。このセンサーは、高細胞密度(X>80g/l)の状態ではまだ試験されていない。高細胞密度状態に達している大腸菌培養に使用した場合、in-situプローブの増殖において、付加的なエラー値が現れることが経験により判明している。さらに、発酵が進行中の場合には、このセンサー自体を正確に再び較正することは不可能である。そのようなin-situセンサーを使用した炭素源の測定を基礎とする代わりに、別の測定プロセスを基礎にした培養法の報告がある。例えば、発酵槽から半連続的に取り出した培養液と、濾過またはミクロ遠心分離により無細胞とした培養液とを、オンライン・フローインジェクション分析(FIA)又はオンライン・HPLCを使用して炭素源を測定する方法である(Klemanら, 1991, Appl. Environ. Microbiol. 57, 910-917, 918-923、Turnerら, 1994, Biotechnol. Bioeng. 44, 819-829)。予想とフィードバック制御アルゴリズムは、X=65g/lに増殖するまでグルコース濃度の変動を減少させる(Klemanら, 1991, Appl. Environ. Microbiol. 57, 910-917)。高細胞密度の状態(約80g/l〜150g/l)においては、細胞と栄養溶液を分離することが困難で時間もかかり、その結果、発酵槽中の現在のグルコース値の決定に時間的遅れが発生し、しかも、その遅れは生物量に依存し増大し、そのため、グルコース値を一定に保つことがより困難または不可能となっている。これとは対照的に、細胞分離をしない装置を使用して、一定の短い時間的遅れでグルコース濃度を測定する方法も報告されている(Pfaffら, 1995,pp.6-11,「バイオテクノロジーにおけるコンピュータ応用に関する第6回国際協議会」Garmish-Partenkirchen, FRG)。このPfaffらの方法によれば、増殖阻止剤で培養液を希釈した後、酵素-電流測定用グルコースセンサーを有するFIAをサンプル部位のすぐ近くで使用する。好気的な培養の間において、投与形態により基質制限的な増殖を強いられない大腸菌は、通常、代謝副産物であるアセテートを形成増加させる(Riesenberg, 1991, Curr. Opinion Biotechnol., vol. 2, 380-384)。このアセテートは栄養溶液中で蓄積し、それが比較的大量に存在する場合には、増殖阻止の原因となる(Panら, 1987, Biotechnol. Lett., vol.2, 89-94)。したがって、アセテートの蓄積が特異的遺伝子変換により低減される特別な大腸菌の菌株を用いた場合のみ、高細胞密度になるまでの流加培養を実施することが可能である。一方、これに関連した他の不利益に耐え得る。また、大腸菌K12の系統株としてホスホトランスアセチラーゼ陰性突然変異体があるが(Bauerら, 1990, Appl. Environ.Microbiol.,vol.56,1296-1302、Hahmら, 1994,Appl.Microbiol.Biotechnol.,vol.42, 100-107)、これを増殖した場合でも、グルコース/ミネラル塩の培地上ではその増殖も大きく減退してしまう。Phelpsらは(上記参照)、大腸菌株TOPP5を、非基質制限培養のための宿主として使用し、その生物量X=85g/lになるまで培養を行っている。しかしながら、この大腸菌株は、明らかにアセテートを蓄積せず、K12株ではない。この大腸菌TOPP5は溶血素(haemolysin)を生成するため病原性株であり、産業分野での組換えDNA産物の形成のための宿主として使用することは安全上適当でない。また、アセトラクテート・シンターゼ(ALS)をコードする遺伝子を含むプラスミドを使用して大腸菌細胞を形質転換させることにより、中間代謝の進行方向の特異的変更によるアセテート蓄積の減少が実現したという報告がある(Sanら, 1994,Ann.N.Y.Acad.Sci.,vol.721, 257-267)。しかし、この方法には、ALSをコードしているプラスミドを、「生産」遺伝子を有する第2のプラスミドと組み合わせて使用した時に、高い細胞密度の条件の下ではプラスミドが不安定になるという欠点がある。プラスミドが不安定になると(これは、高細胞密度にまで培養する場合に特に増大する)、組換え産物の生成効率がしばしば低下する。医学とバイオテクノロジーの分野においては、Fab’やF(ab’)2のような抗体または抗体フラグメントや、ミニ抗体または単鎖Fvの重要性が増している。本発明で生産しようとしているミニ抗体とは、擬似ヒンジ部により結合されている二価または二重特異性(bispecific)の単鎖Fv断片のことである。これに関連して、例えばガンの治療では、大量の抗体(約1g/投与)を使えることが重要である。この点において、一価抗体フラグメント又はこれらフラグメントの融合タンパク質、あるいはこれらの多量体の又は多重特異性の変種を、大腸菌を使用することで容易にしかも満足のいく量だけ生産することが可能である。これらのフラグメント又はタンパク質の変種の大きさは小さいもので、高い特異的結合能と関連しているしかし、タンパク質や抗体が生物学的かつ機能的に活性であるためには、特に、構造的に正確に折りたたまれていることが必要である。また、細胞当たりの生成抗体フラグメントの収量を考えた場合、細胞密度と関連した問題に注意を払う必要がある。さらに、抗体の一次配列が、インビトロでの収量の決定と、インビボでの折りたたみ構造が決定される時の重要な要素となるしたがって、例えばFabフラグメントは不溶性の細胞質または周縁細胞質の細胞塊として発現し、インビトロでは再び折りたたまれた状態となる。低細胞密度の状態で約0.14g/l(Condraら, 1990, J. Biol. Chem. 265, 2292-2295)、中間細胞密度の状態で約1〜2g/l(Shibuiら, 1993, Appl. Microbiol. Biotechnol. 38, 770-775)の不溶性抗体の収量が達成されたことが報告されている。大腸菌から生物学的活性を有する約0.2g/lの収量の二価ミニ抗体も得られている(Pack et al., 1993, Biotechnol. 11, 1993, 1271-1277)。平均的に、これらの得られた収量のうちの約5〜45%において、再折りたたみが適正になされている。既知の大腸菌の系においては、外来タンパク質の生成は、一般的には、適切な細胞密度が達成された後に、それぞれの発現系に対応した調節プロモータ系により誘導されて開始される。ここで示すことのできるプロモータ系の例としては、(i)AraCリプレッサ存在下でのaraBADプロモータ(アラビノースで誘導可能)(例えば、Betterら, 1993, Proc. Natl. Acad. Sci.(USA)90, 457-461)、(ii)phoAプロモータ(リン酸の除去により誘導可能)(例えば、Carterら, 1992, Biotechnol. 10, 163-167)、(iii)lacプロモータ系(IPTGにより誘導可能)(例ば、Packら, 1993, loc. Cit.)がある。Lac系では、概して、良好な発現をもたらすが、プロモータが誘導される前に望ましくない基礎発現が起こることや、IPTGによる誘導の後に、プラスミドが不安定化するという欠点がある。本発明の実施例の1つには、外来遺伝子として、マウス又はヒト抗体Mab425のフラグメントをコードする配列を含む特別なベクター(pHKK)が開示されている。Mab 425(ATCC HB 9629)は、既知のヒトA 432癌細胞(ATCC CRL 1555)から分離されたマウスモノクローナル抗体で、これはヒト上皮増殖因子受容体(EGFR、170kDの糖タンパク質)のエピトープと結合し、他方において、自然リガンドEGFとの結合を阻止する。Mab 425には腫瘍細胞に対する細胞毒性があり、これらの細胞の増殖を阻害する能力があることが示されている(Rodeckら, Cancer Res. 1987, 47: 3692)。WO 92/15683には、Mab 425のヒト由来のキメラ体、そのDNA、及びL鎖とH鎖を有するアミノ酸配列が開示されている。本発明の目的は、組換え大腸菌細胞を使用して、外来タンパク質、特に抗体フラグメントを、高細胞密度の条件下(HCDC=高細胞密度培養)において、高い時空収率で、基質または代謝産物による大きな増殖阻害がなく、さらに重要なプラスミドの消失やプラスミドの不安定化を引き起こすことなく、しかも、有効な生物化学的活性(結合能力および正確な折りたたみ)を高度にタンパク質が示すように生産する方法を提供することである。本発明による方法は、細胞が、バッチ全体を通して最大速度で増殖する(μ=μmax)点で特に優れた多段階バッチプロセスである。この方法を使用することで、最終的に100〜150g/l(生物量乾燥重量)の細胞密度を達成できる。さらに、本発明の方法では、発酵中にアセテートを生成することの少ない大腸菌株を選択使用しているために、アセテートの蓄積が原因で増殖が阻害されることはほとんどない。さらに、他の追加措置を採用すること、すなわちバッチフェーズの後に流加フェーズを挿入することで、炭素源の濃度がある一定の変動のない範囲内に保たれると同時に細胞の無制限増殖が可能となっている。適当な方法で関連する発現ベクターを準備することにより、調節プロモータ系の方法によるタンパク質合成の開始前に、タンパク質の望ましくない基礎発現を実質的に排除できる。上記で述べたように、発現系には通常プラスミドの消失が起こり得るが(それがときには大きな消失になることがあるが)、本発明ではlacプロモータ系のような強力なプロモータを使用することで、プラスミドは消失することなく観測される。本発明によれば、合計約25〜35時間の培養で、平均で3〜5g/lのタンパク質収量が達成可能である。抗体フラグメント、特にミニ抗体(その折りたたみ規準により特にクリティカル)の場合には、合成されたミニ抗体の約80%が生物学的活性を有し、正確な折りたたみがなされている。したがって、本発明は、外来遺伝子を運ぶプラスミドと誘導プロモータで形質転換した大腸菌細胞を使用して外来タンパク質を生産する方法に関するもので、この方法は、基質または代謝副産物による成長阻害の無い、バッチステージと流加ステージによる高細胞密度発酵の工程、及び発現したタンパク質を培養培地から分離・精製する工程を有し、この流加フェーズにおける基質濃度を、連続した自動または半自動の分析・添加システムにより制御する方法であって、その流加フェーズにおいて、(i)細胞の無制限増殖(μ=μmax)状態を維持しながら培地中の炭素源の濃度を0.1〜25g/lの範囲内で一定に保ち、(ii)細胞密度が10〜80g/lの状態でプロモータを誘導することにより外来タンパク質の生成を開始し、(iii)タンパク質合成の誘導を開始した後に、窒素、ホスフェート及び微量の塩を連続的に供給し、(iv)酸素を発酵液体培地に適当な方法で送り込むことにより全流加フェーズを通してpO2が5〜25%になるように調節する。本発明によれば、流加フェーズにおいて必要な炭素源濃度の範囲は0.1〜25g/lであり、好ましい範囲は0.5〜15g/l、特に1.0〜5g/l又は1.0〜3g/lである。特に好ましい濃度は1.5g/lである。好ましい炭素源は、グルコース、グリセロール又はこれらの2つの混合物である。本発明によれば、炭素源を、自動または半自動の添加・分析システムを使用して連続で(オンラインで)添加する。オンライン・フローインジェクション分析システム(FIA)を使用することが望ましい。バッチフェーズの後に続く流加フェーズにおいて、好ましくは調節プロモータを使用したタンパク質合成が開始した後に、窒素、好ましくはアンモニウム窒素と、ホスフェート、例えばリン酸水素二アンモニウムやリン酸二水素アンモニウムと、微量元素、例えばホウ素、マグネシウム、銅、モリブデン、コバルト、鉄、亜鉛の塩のような培地に溶ける物質を、細胞密度が50〜80g/l(生物量の乾燥重量)、好ましくは約70g/lで、総成長率が100〜150g/l、好ましくは140g/lである状態で供給する。本発明では、細胞密度が10〜80g/l、好ましくは20〜60g/l、特に好ましくは40〜50g/lの状態の時に調節プロモータを活性化させることによりタンパク質合成が開始する。本発明では、流加フェーズにおいて、酸素分圧は5〜25%、好ましくは15〜25%、特に好ましくは20%である。本発明によれば、発酵培地のpHを、全バッチの実施中に、6.5〜7.0、好ましくは6.7〜6.9、特に6.8に調整する。さらに本発明は、外来遺伝子を含み、かつ2つのターミネータシーケンスに隣接している発現カセットを有する発現ベクターを使用する生産方法に関する。これらのターミネータシーケンスのうち、特に、上流に位置しているターミネータシーケンスは、プロモータ系により開始される発現が起こる前に、タンパク質の望まない発現をうまく阻止する。ターミネータthp(Nohnoら, 1988,J.Bacteriol.170, 4097-4102)が特に望ましいが、その他の既知のターミネータシーケンスを使用してもかまわない。本発明はさらに、自殺システムを含む発現ベクターが追加的に使用される生産方法に関する。この自殺システムは、細胞内にプラスミドが存在しない場合には、細胞に対して毒性作用のあるタンパク質を産生する。どのような自殺システムがあるかは文献により知ることができる。本発明に特に適している自殺システムは、hok-sokシステムである(例えば、Gerdes K, 1988, Biotechnol. 6, 1402-1405)。このように、組換えタンパク質、特に抗体分子を効率的に生産するためには、宿主/ベクター系の特徴として、高細胞密度の状態で、プラスミドの安定性が高いこと、組換え基礎発現が少ないこと、生成量が多いことが重要である。この関係の中で、ターミネータに隣接している組換え発現カセットとの組み合わせで使用される自殺システムは、ベクターに特異的である。本発明はさらに、抗体フラグメント、特にミニ抗体をコードする外来遺伝子が使用される生産方法に関する。また本発明は、下記のような追加の特徴を有する発現ベクターが使用される生産方法に関する。原理的には、既知となっている大腸菌株の大部分は組換え技術に適しており、工業生産に使用可能である。この大腸菌を高細胞密度になるまで増殖させる場合、アセテート蓄積の少ない菌株を使用することが好ましい。アセテート蓄積が5g/l未満である菌株が特に望ましい。本発明によれば、このような菌株を選択することによって、このアセテート蓄積を少なく保つことができる。すでによく知られた、市場から入手できる大腸菌株RV308(ATCC 31608)及びその変種株の場合に、このアセテート蓄積が少なく、本発明で使用するのに適している。それゆえ、本発明は発酵中における培地内のアセテート蓄積が5g/l未満である大腸菌株が使用される生産方法に関する。また本発明は、高細胞密度発酵条件下で、外来タンパク質を発現させるための大腸菌発現ベクターに関する。このベクターは下記の特徴を有する。すなわち、この発現ベクターは、(i)上流ターミネータシーケンスと下流ターミネータシーケンス(ii)lacプロモータ/オペレータ システム(iii)T7g10シャイン・ダルガノシーケンス(iv)pelBまたはompAシグナルシーケンス(v)外来遺伝子のシーケンスを有すること。好適な実施例では、自殺システム、特にhok-sok自殺システムを有する。本発明によれば、このプロモータを他の適当なシステム、例えば上記のシステムで代替してもかまわない。上記で述べたと同様の効果を有する、その他のシグナルシーケンス、制御シーケンスも本発明に含まれる。さらに本発明は、Mab425由来のミニ抗体シーケンスを含む発現ベクターpHKK(図2)(構造により規定される)、及び特に実施例として組換え大腸菌宿主RV308[pHKK]に関する。図面の説明図1:高細胞密度の条件下でタンパク質を生産するためのバイオリアクタの実験用セットアップを示したものである。このシステムには、測定装置、表示装置、制御装置が取り付けられている。図2:最適発現ベクターpHKKとその構成成分を示したものである。このベクターは既知のベクターであるpASK40、pAK100、pKG1022由来の構成成分で構成されている。図3(a−d):大腸菌RV308[pHKK]を使用した組換え大腸菌のHCD培養を示す。バイオマス、グルコース、アンモニウム窒素、ホスフェート、アセテート、攪拌速度、pO2、排気ガス中のO2、排気ガス中のCO2、プラスミド安定性(β−ラクタマーゼ陽性コロニーでの%として示す)、タンパク質の生成(この場合は、scFv425dhlx)の時間的推移を示す。バッチフェーズと流加フェーズを5つのサブフェーズに分けている。IPTGの矢印はタンパク質生産の開始を示している。本発明による生産方法では、形質転換した大腸菌宿主細胞を使用する。選択されるプラスミドの構造は、発現させようとするタンパク質の種類に依存する。特に好ましいプラスミド構造の特徴は下記に記載した通りである。プラスミドの構築と宿主細胞の形質転換のための技術と方法は知られており、文献にも詳述されている(例えば、Sambrookら, 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor)。その他、本発明の実施例の中でもその特徴が説明されている。原料のプラスミドやプラスミド断片は市販されているし、既によく知られた構築スキームによる標準的な方法で容易に構築することも可能である。本発明によれば、形質転換した大腸菌細胞の代表的な発酵における先に行うバッチフェーズは2つのサブフェーズに分割される。適当な予備培養物への接種の後、サブフェーズIは、細胞が順応した後、成長率μがμmaxに上昇することで知られるlagフェーズにより特徴づけられる。サブフェーズIIでは、細胞はμ=μmaxの成長率で指数関数的に増殖する。pO2が100%飽和の状態から5〜15%以下の状態に低下した後、pO2値を、pO2攪拌器の速度を制御することにより、好ましくは15〜25%、より好ましくは約20%に調整する(図3c)。この調整(純粋酸素を含んだ空気を送入して調整する)は、醗酵の開始後約6時間目から12時間目に実施する必要がある。グルコース濃度(初期段階での濃度は20〜35g/lであることが好ましい)はサブフェーズIIの最終段階で低下する(このサブフェーズIIは、流加フェーズの前にあるバッチフェーズの最後の段階でもある)。但し、このグルコース濃度はどのような場合でも0.1g/l以下に低下させてはならない。この値以下に低下するようであれば、適当な量のグルコースを供給する必要がある(サブフェーズIII,図3a、流加フェーズの開始)。本発明によれば、このグルコース濃度を0.1〜25g/l、好ましくは、1〜3g/lで一定に保つようにする。この目的のために、例えば、フィード培地FS1(表1)を使用する。このグルコース濃度範囲はKs値を十分に上回っているので、細胞は引き続きμmaxの成長速度で増殖が可能である(Bergter, 1983,“Wachstum von Mikroorganismen(Growth of microorganisms)”, p.41, Gustav Fischer Verlag,Jena)。本発明によれば、グルコース濃度を自動または半自動装置を使ってモニターしながらその調整を行う。フローインジェクション分析システムをオンラインで操作することが望ましい。手動だけ又は大型の手動システムは好ましくない。流加フェーズは、醗酵開始後およそ15〜22時間で始まるが、温度、培地成分、培地濃度、リアクター規模などの個別の要因により差異があり、特に、使用する大腸菌の菌株の性質によっても変動する。流加フェーズが始まってから約4〜8時間で外来タンパク質の合成が開始される。しかし、合成開始の正確な時間は、この時点ですでに到達している培養物の細胞密度により影響され変動する。最終の細胞密度を100〜150g/lにする場合であれば、この時点での細胞密度は10〜80g/l、好ましくは20〜60g/lであることが望ましい。誘導の時点で、細胞密度が、到達目標である最大細胞密度の約10〜60%に届いていれば、その時点でタンパク質合成を開始させることが望ましい。調節プロモータシステムを開始することによりタンパク質合成が行われる。使用するプロモータにより差異があるが、一般的には、基質を添加するか、基質の物理的な量を変化させることによって開始される。Lacプロモータ(プロモータ、オペレータ及びインデューサ)の場合には、IPTG(isopropylthiogalactopyranoside)を添加することにより合成が開始する。細胞のそれ以上の増殖は、蓄積物質によってのみ制限を受けることになる。このため、本発明によれば、全体の増殖と収率に悪影響を与えるような大きな基本発現が誘導の前に起こらないことが重要である。本発明によれば、プラスミドの中の、有効なターミネータシーケンスに隣接している発現カセットに工夫を加え、この発現が起こらないようにしている。グルコースが供給され始めた時点から、醗酵培地の中の窒素およびホスフェートが無くなっていく(図3a、b)。生産が制限されるような状態を避けるために、窒素とホスフェートを同じように連続的に供給する。pH値に影響が出るので、便宜的にアンモニア塩の形で窒素を供給する(pHは6.5〜7.0、好ましくは6.8)。例えば、FS2溶液が望ましい(表1)。サブフェーズIVの特徴は、溶解性塩の形で微量物質(例えば、ホウ素、マグネシウム、鉄、コバルト、モリブデン、鉛)が供給されることである。一般的には、この供給は一定の速度で連続的に行う。サブフェーズVの特徴は、主に生成物の蓄積のために、増殖が減少することである。さらに、アセテート濃度がわずかに上昇する。しかし、培地中におけるアセテートの蓄積とアセテート濃度は驚くほどに低い。この原因として、特別な生産条件を採用していることも挙げられる。醗酵中の最大アセテート蓄積量が5g/l未満であるような大腸菌株を使用した場合にこの効果がさらに増加する。タンパク質の種類により変動するが、平均のタンパク質収量は2〜6g/lである。このタンパク質のうちの50〜95%が生物学的活性を示すが、それぞれのタンパク質の種類により変動がある。抗体フラグメントの場合、その80%以上がリフォルディング(再折りたたみ)をする。この数値は、従来法により生産した場合に比べて著しく高い。抗体フラグメント、特にミニ抗体を効率よく生産するように構築された発現プラスミドを使用する生産方法が望ましい。本発明の方法を使用すれば、この他にも多くのタンパク質、融合タンパク質、酵素を生産することが可能である。そのようなタンパク質の例として、ハイブリッド・ストレプトキナーゼ、グルコース脱水酵素、血液凝固に影響するその他のタンパク質、例えば、ヒルジン(hirudin)、トロンビン(thrombin)、ヘメンチン(hementin)、テロミン(theromin)がある。実施例1組換え大腸菌宿主を作製するために、大腸菌K12の原栄養株RV308(lac74-galISII:OP308strA)(Maurerら, 1980, J. Mol. Biol. 139, 147-161; ATCC 31608)を使用した。別の記載がないかぎり、発現ベクターによる形質転換やその他のDNA操作の手法は標準法に従った。高細胞密度醗酵での対照として、プラスミドを含まない大腸菌RV308細胞を使用した。ベクターpHKKを下記の方法で作製した(図2)。pAK100由来の小型MluIフラグメント(強力な転写ターミネータtHPを含む(Nonoら、上記参照))を、プラスミドpASK40(Skerraら, 1991, Biotechnol. 9. 273-278)へ、lac p/oの上流領域内に挿入した。さらに、次のような2つのクローニングステップによりhok-sok DNAを挿入した。pKG1022(Gerdes,1988,上記参照)由来のaphA遺伝子を、XhoIとEcoRIを用いた2回切断(double digestion)により取り除き、DNAポリメラーゼI(クレノウ フラグメント)で満たし、再度つなぎ合わせた。第2の段階で、pKG1022由来の修飾BamHIフラグメントを、第1のクローニング生成物の単一BamHI切断部位にクローン化した。ミニ抗体を単鎖abフラグメントより得た。このフラグメント内では、多様なドメインがVH−VLの方向でフレキシブルリンカー(gly4ser)3に連結され、その後にはプロリンに富むヒンジ領域と修飾ヘリックス・ターン・ヘリックス・ドメイン(dhlx)が続いている(Packら, 1993, Biotechnol. 11, 1271-1277)。マウス/ヒトMab 425のDNA配列、プライマー、L鎖とH鎖の増幅とクローニングについては、WO 92/15683に詳しく開示されている。scFv425dhlxフラグメントのペリプラズマ(periplasm)への分泌を確実にするために、VHドメインをN末端でpelBシグナルシーケンスに融着させた。T7g10リボソーム結合部位(シャイン ダルガノ)を、PCR法を用い、pEG1のXbaIとSfiI切断部位にクローン化した(Strittmatterら, 1995)。最後に、完成したscFv425dhlx発現カセットを、XhaIとHindIII切断部位にクローン化した。以上のようにして、図2で示されているような発現ベクターpHKKを作製した。実施例2表1は、エルレンマイヤーフラスコ中の予備培養のための培地成分、攪拌装置を備えたタンクリアクタ中の主培養のための培地成分(Biostat ED10, B.Braun, Biotech International, Melsungen, FRG)、フィード培地であるFS1,FS2,FS3の組成を示したものである。主培養培地(8 l)は、Riesenbergら(1991、上記参照)の培地と比較して改変したものを使用した。沈殿を防ぐために、表1で示した順序でそれぞれの成分を追加した。別途、グルコースと硫酸マグネシウムを加圧滅菌した溶液の状態で追加した。リアクターを温度26℃、圧力0.15Mpa、pH6.8、平均通気速度10 l/分で運転した。pHの調整には25%アンモニア水を使用した。醗酵中、センサーで制御しながら、pHの調整のためにアンモニア、消泡剤としてUcolub N115▲R▼を添加した。FS1は下記のような方法で調製した。すなわち、750gのグルコースを600mlのH2Oに、22.2gのMgSO4x7H2Oを50mlのH2Oにそれぞれ溶解させ、その溶液を加圧滅菌した後、混合させてFS1とした。FS2は、加圧滅菌の前に、pHを6.8に調整するために25%NH3を60ml添加しながら、227gの(NH4)2HPO4と169.5gの(NH4)H2PO4を水に溶かしてFS2とした。FS3は、下記の順番でストック溶液を使用して調製した。すなわち、50mlのクエン酸第2鉄水和物(6g/l)、0.5mlのH3BO3(30g/l)、0.5mlのMnCl2x 4H2O(10g/l)、0.5mlのEDTAx2H2O(84g/l)、0.5mlのCuCl2x2H2O(15g/l)、0.5mlのNa2MoO4x 2H2O(25g/l)、0.5mlのCoCl2x 2H2O(25g/l)、10mlのZn(CH3COO)2x 2H2O(4g/l)。実施例3事前に26℃でLB寒天上で増殖させていた数個のコロニーをペトリ皿から取り出して、20mlの液体LB培地に接種した。5時間振とう(200rpm,26℃)させた後、その1mlを500mlフラスコ中の予備培養培地100mlに移し、それをさらにインキュベートさせた。この予備培養物の10mlを100mlの新しい予備培養培地に接種した。このようにして9種類の予備培養培地を調製して、それらを醗酵槽中の8リットルの主培養培地に接種して、波長550nmでの吸光度(OD550)が約0.2になるようにした。実施例4図1は、付属品や制御装置が装着された10リットル・バイオリアクタのセットアップを示したものである。高細胞密度醗酵による培養を、デジタル測定制御装置(DCU)、マルチ醗酵制御システム(MFCS)、ガス流量制御装置を使用して実施した。炭酸ガスと酸素の放出量を継続的に測定した。接種の後、バイオサンプル・コレクタ・MX−3(New Brunswick Scientific, Watford, UK)を使用して、無菌サンプルの採取を行い、オフラインのデータ分析を行った(Webbら, 1990, Biotechnol. 8, 926-928)。制御装置を使用して、ガス流入量を10 l/分、pHを6.8、温度を26℃、圧力を0.15MPaに維持した。2つの制御ループを採用して、pO2が20%の好気的増殖状態が保たれるようにした。醗酵の全期間を通して、すべての重要な物理量が表示されるようにして、それらを記録するようにした。流加フェーズでの培地のグルコース濃度を1.5g/lに保つようにした。この目的のために、改良型フローインジェクション分析器(FIAstar 5020、光度計と検出制御ユニットが装備されている。Tecator AB、スエーデン)を使用した。この装置の詳細と運転動作に関しては、文献に記載されている細胞密度は、波長550nmでの光学密度を測定することにより測定した。プラスミド安定性はPackらの方法(1993、上記参照)により測定した。実施例5Packらの方法(1993、上記参照)により、合成されたミニ抗体の定量分析を行った。機能的ミニ抗体の定量分析はELISAにより行い、ミニ抗体の全量分析は、Laemmli(1970)の方法に従って、12%ポリアクリルアミドゲルを使用したSDS−PAGEにより実施し、その後、ゲルスキャンニングを行った。ELISAを行うために、マイクロタイタプレートに、ヒトEGFR受容体を塗布する(例えば、WO 92/15683)。結合ミニ抗体は、anti-scFv425ウサギ血清と過酸化物複合ヤギ・抗ウサギIgG(Jackson Immunoresearch Inc., USA)で検出を行った。活性ミニ抗体の収量を、精製ミニ抗体から作製した希釈シリーズにより算出した。対照において、anti-scFv425ウサギ血清は、大腸菌RV308のプラスミドを含まない粗抽出液の他の成分との交差反応を起こさないことが実証されている。さらに、この粗抽出液を、精製した状態の同じ抗体から作製した希釈シリーズに添加した場合でも、ELISAシグナルには影響を及ぼすことはなかった。ミニ抗体の全量定量を行うために、クーマシーブリリアントブルーで染色したゲルを光度計で測定して、ミニ抗体の濃度は、同じゲル上で分画されている精製ミニ抗体から作製した希釈シリーズを用いて計算した。大腸菌の宿主細胞が使用されているがミニ抗体を産生しない相似混合物を対照として用いた。 外来遺伝子を運ぶプラスミドと誘導プロモータで形質転換した大腸菌細胞を使用して外来タンパク質を生産する方法であって、基質または代謝副産物による成長阻害の無い、バッチステージと流加ステージによる高細胞密度醗酵の工程、及び発現したタンパク質を培養培地から分離・精製する工程を有し、流加フェーズにおける基質濃度を、連続した自動または半自動の分析・添加システムにより、その流加フェーズにおいて、(i)細胞の最大増殖速度(μ=μmax)の状態を維持しながら培地中の炭素源の濃度を0.1〜25g/lの範囲内で一定に保ち、(ii)細胞密度が10〜80g/lの状態でプロモータを誘導することにより外来タンパク質の生成を開始し、(iii)タンパク質合成の誘導を開始した後に、窒素、ホスフェート及び微量元素の塩を連続的に供給し、(iv)酸素を発酵液体培地に適当な方法で送り込むことにより全流加フェーズの間においてpO2が5〜25%になるように調節することによる制御を行うことを特徴とする、外来タンバク質の生産方法。 流加フェーズを通して、炭素源の濃度が1〜3g/lの範囲内で一定に保たれることを特徴とする請求項1記載の生産方法。 細胞密度が50〜80g/lの状態で、窒素、リン酸および微量元素を添加することを特徴とする請求項1又は2記載の生産方法。 前記(ii)の細胞密度が20〜60g/lであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の生産方法。 流加フェーズにおいて細胞密度を100〜150g/lにできることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の生産方法。 外来遺伝子を含み、2つのターミネータシーケンスに隣接する発現カセットを有する発現ベクターを使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の生産方法。 追加的に使用される発現ベクターには、自殺システムが含まれることを特徴とする請求項6記載の生産方法。 前記自殺システムが、hok-sok自殺システムである請求項7に記載の生産方法。 抗体フラグメントをコードする外来遺伝子が使用されることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の生産方法。 前記抗体フラグメントがミニ抗体である請求項9に記載の生産方法。 高細胞密度醗酵条件下で外来タンパク質を発現させることに適しており、(i)上流ターミネータシーケンスと下流ターミネータシーケンス、(ii)lacプロモータ/オペレータ システム、(iii)T7g10シャイン・ダルガノシーケンス、(iv)pelBまたはompAシグナルシーケンス、及び(V)外来遺伝子のシーケンスを含む大腸菌発現ベクターが使用されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の生産方法。 前記大腸菌発現ベクターが、さらに自殺システムを有することを特徴とする請求項11に記載の生産方法。 前記自殺システムが、hok-sok自殺システムである請求項12に記載の生産方法。 上流ターミネータシーケンスがtHPであり、下流ターミネータシーケンスがtLPPであることを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の生産方法。 外来遺伝子にはミニ抗体のVH鎖とVL鎖をコードするシーケンスが含まれることを特徴とする請求項11〜14のいずれか1項に記載の生産方法。 以下のpHKK構造:を有する発現ベクターが使用されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の生産方法。 醗酵フェーズにおいて、培地中に5g/l以上のアセテートを蓄積させない大腸菌株が使用されることを特徴とする請求項1〜16のいずれか1項に記載の生産方法。 大腸菌株RV308(ATCC 31608)が使用されることを特徴とする請求項17記載の生産方法。