タイトル: | 特許公報(B2)_水分散性ブロックトイソシアネート |
出願番号: | 1997514080 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | C08G 18/80,C07D 231/12,C07D 231/16,C09D 5/44,C09D 175/04 |
リマー,イアン,ケビン スペンサー,リチャード,アラン JP 3970926 特許公報(B2) 20070615 1997514080 19961004 水分散性ブロックトイソシアネート バクセンデン ケミカルズ リミテッド 鈴木 俊一郎 リマー,イアン,ケビン スペンサー,リチャード,アラン GB 9520317.0 19951005 20070905 C08G 18/80 20060101AFI20070816BHJP C07D 231/12 20060101ALI20070816BHJP C07D 231/16 20060101ALI20070816BHJP C09D 5/44 20060101ALI20070816BHJP C09D 175/04 20060101ALI20070816BHJP JPC08G18/80C07D231/12 ZC07D231/16C09D5/44 ZC09D175/04 C08G 18/00 〜 18/87 C09D175/00 〜 175/16 国際公開第95/006674(WO,A1) 特開平07−070271(JP,A) 特表平09−504564(JP,A) 19 GB1996002440 19961004 WO1997012924 19970410 1999512772 19991102 15 20030930 松浦 新司 本発明は、水分散性ブロックトイソシアネート、その製造方法、水性貯蔵安定型材料、およびこれを含むコーティングに関する。ブロックトポリイソシアネートは、活性水素含有化合物、例えばアミンおよびアルコールなどをも含むコーティング、たとえばペイントなどで一般的に用いられる。これらコーティングは、被覆すべき物品上に付着され、次に加熱(しばしば焼付と称される)によって硬化される。焼付の間、ブロックトポリイソシアネートは解離し、イソシアネート基が活性水素含有化合物との反応に利用可能となる。これが、コーティングの架橋および硬化という結果を導く。ブロックトポリイソシアネートコーティング組成物は、理想的には、二つの特徴:(A)被覆品が分解する温度まで加熱せずに硬化させるのに十分な低解離温度および(B)有機溶媒の使用を最低限に止め得るかまたは省くことができるような水分散性を有している。しかしながら、一般的には、低解離温度を有するブロックトポリイソシアネートは、高反応性であり、したがって本来水中で不安定であるため、2つの特徴は両立しない。水分散性を向上させるための種々の手段が開示されてきた。US 4,522,851は、陰イオン性基などの親水性基をポリイソシアネート成分に化学的に組み込んでブロックトポリイソシアネートを水分散性とした水分散性ブロックトポリイソシアネートを開示している。US-A-4,507,427は、ポリイソシアネートの溶解性または分散性を保証するのに十分な塩基の存在下、ブロックトポリイソシアネートと水とを混合することによって製造される水性ブロックトポリイソシアネート溶液または分散液を開示している。US 4,098,933は、封止(ブロッキング)基がカルボン酸塩ユニットまたはポリエチレンオキシドユニットなどの親水性基を含む水分散性ブロックトポリイソシアネートを開示している。従来のブロックトポリイソシアネートの殆どは、ほぼ160℃の温度で解離する。EP-A-0159117は、これより有意に低い温度で解離するピラゾールブロックトポリイソシアネートを開示している。ピラゾールブロックトポリイソシアネートは、従来のブロックトポリイソシアネートよりも反応性であるため、本来不安定である。本発明者は、あるピラゾールブロックトポリイソシアネートが、高い反応性にもかからわず、水分散コーティング組成物に使用でき、かつこの組成物が良好な貯蔵安定性を有することを証明した。したがって、本発明は、以下の式(I)R−Ym (I)〔式中、Rは、脂肪族基、環式脂肪族基、複素環式基または芳香族基を含み、かつ少なくとも3個連続したエチレンオキサイド基または少なくとも1個のポリヒドロキシカルボン酸残基を含むm価の基であり、各基Yは、同一でも異なっていてもよく、以下の式(II)(式中R1は、アルキル、アルケニル、アラルキル、N-置換カルバミル、フェニル、NO2、ハロゲンまたは基-C(O)-O-R2(式中R2は水素またはアルキル基である))の基であり、nは1、2または3であり、かつmは2以上の整数である〕の水分散性ブロックトポリイソシアネートを提供する。好ましくは、mは2〜6の整数、例えば2、3、4、5または6である。nが2または3である場合、基R1は同一でも異なっていてもよい。R-Ymが2個以上の基-C(O)OR2を含む場合、基R2は同一であっても異なっていてもよい。加えて、本発明は、各々が以下の式R−Ym〔式中、Rは、同一であっても異なっていてもよく、各々が脂肪族基、環式脂肪族基、複素環式基または芳香族基を含むm価の基であり、ただし、5〜100当量%(好ましくは10〜100当量%)の基Rは少なくとも3個連続したエチレンオキサイド基または少なくとも1個のポリヒドロキシカルボン酸残基を含み、各基Yは、同一でも異なっていてもよく、上記式(II)の基である〕の水分散性ブロックトポリイソシアネートの水分散性混合物を提供する。更なる態様によれば、本発明は、(a)以下の式(III)Ra(NCO)q (III)(式中、Raは、脂肪族基、環式脂肪族基、複素環式基または芳香族基を含むq価の基であり、かつqは3以上の整数である)のポリイソシアネートを、-(CH2CH2O)p-(式中pは3以上)である親水性基を有する活性水素含有化合物、またはポリヒドロキシカルボン酸基或いはその誘導体と接触させて、式R(NCO)m(式中Rは脂肪族基、環式脂肪族基、複素環式基または芳香族基を含み、かつ少なくとも3個連続したエチレンオキサイド基または少なくとも1個のポリヒドロキシカルボン酸残基を含むm価の基である)の水分散性ポリイソシアネートを形成し、次いで(b)以下の式(IV)(式中R1およびnは式(I)に関して定義した通りである)のピラゾールで工程(a)で製造した水分散性ポリイソシアネートを封止することによって得られうる水分散性物質を提供する。物質が水中で分散液を形成し、この分散液が顕微鏡スケールでは均一であるが水中のこの物質の粒子または滴からなる場合、物質は本発明の目的のために水分散性であると考えられる。好ましくは、分散液はコロイドであり、このコロイドでは、例えば、分散した物質の粒子または滴は、ほぼ光の波長、例えば約500nmの直径を有する。一般的に、この粒子または滴は、多くの分子の凝集体であるが、光学顕微鏡で見るには小さすぎる。この粒子または滴は、一般的に殆どの濾紙を通過するが、通常、光散乱、沈降および浸透圧によって検出できる。好ましくは、この分散液は、水中でのブロックトポリイソシアネートのエマルジョンまたはゾルである。エマルジョンは、一般的には、液体中の液体分散液である。ゾルは、一般的には、液体中の固体分散液である。アルキル基、アルケニル基またはアラルキル基は、分岐鎖基または直鎖基であってよく、例えば、フッ素、塩素または臭素などのハロゲン、または−OHで置換されていてもよい。アルキル基は、好ましくはC1〜C6アルキル基、より好ましくはC1〜C4アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチルである。最も好ましくはメチルである。アルケニル基は、好ましくはC2〜C6のアルケニル基、例えばC2、C3、C4、C5またはC6のアルケニル基である。アラルキル基は、好ましくは、アリール部分として置換または非置換フェニル基を有している。アルキル部分は、一般的には、上述したアルキル基である。ポリヒドロキシカルボン酸は、2以上のヒドロキシ基と、1以上のカルボン酸基を有する化合物であり、例えばジメチロールプロピオン酸である。好ましくは、nは2または3である。好ましくは、mは2〜6の整数である。より好ましくは、mは2または3である。ハロゲンは、例えば、塩素、臭素またはフッ素である。好ましくは、塩素または臭素である。N-置換カルバミル基は、一般的には、式-C(0)NR3R4(式中R3およびR4は、同一でも異なっていてもよく、各々が水素、またはアルキル或いはアルケニル基であり、ただしR3およびR4は両方が水素であることはない)を有する。一つの態様によれば、式(I)のブロックトポリイソシアネートにおける基Rは、少なくとも3個連続するエチレンオキシド基または少なくとも1個のポリヒドロキシカルボン酸残基を含む。第二の態様によれば、5〜100当量%の基Rが、少なくとも3個連続するエチレンオキシド基または少なくとも1個のポリヒドロキシカルボン酸残基を含む。連続するエチレンオキシド基は、互いに直接結合する基である。3個連続するエチレンオキシド基は、-(CH2CH2O)3-として表すことができる。Rが連続するエチレンオキシド基を含むとき、好ましくは少なくとも5個、例えば7、9または12個連続するエチレンオキシド基を含む。好ましくは、Rは、未ブロックトポリイソシアネートの重量を基準として、0.01重量%〜25重量%、より好ましくは0.5重量%〜25重量%のエチレンオキシドユニットを含む。Rは、3個連続するエチレンオキシド基と連続しない、または直接結合しない更なるエチレンオキシド基を含んでいてもよい。Rがポリヒドロキシカルボン酸の残基を含む場合、少なくとも2個の残基、好ましくは少なくとも3個、例えば5、8、12またはより多くのポリヒドロキシカルボン酸残基を含む。好ましくは、未ブロックトポリイソシアネートの重量を基準として、Rは0.01〜25重量%、より好ましくは0.5重量%〜25重量%のポリヒドロキシカルボン酸残基を含む。Rは、少なくとも3個連続するエチレンオキシド基とともに、ポリヒドロキシカルボン酸の残基を含んでいてもよい。100重量%未満の基Rが少なくとも一個のポリヒドロキシカルボン酸残基または少なくとも3個連続するエンチレンオキシド基を含む場合、好ましくは、少なくとも15重量%、例えば少なくとも、20、30、40、50または60重量%の基Rが少なくとも一個のポリヒドロキシカルボン酸残基または少なくとも3個連続するエンチレンオキシド基を含む。ポリヒドロキシカルボン酸が、ジメチルロールプロピオン酸(DMPA)である場合、イソシアネート/ヒドロキシ基比は、一般的に、当量基準で、0.05〜0.7、好ましくは0.2〜0.3であり、このようにイソシアネートは過剰となっている。好ましくは、少なくとも1個のYは、である。より好ましくは、少なくとも1個のYは、である。本発明は、式R(NCO)mのポリイソシアネートを、封止剤と接触させることからなる、水分散性ポリイソシアネートの製造方法を提供する(式中Rおよびmは式(I)のブロックトポリイソシアネートについて定義したものである)。好ましくは、得られたブロックトポリイソシアネートは、遊離イソシアネート基を含まない。更に本発明は、(a)先に定義した式(III)の従来のポリイソシアネートを、-(CH2CH2O)p-(式中pは3以上)またはカルボン酸基あるいはその誘導体である親水性基を有する活性水素含有化合物と接触させて、式R(NCO)mの水分散性ポリイソシアネートを形成し、次いで(b)先に定義した式(IV)のピラゾールで工程(a)で製造した水分散性ポリイソシアネートを封止することを含む方法を提供する。本発明で用いられる封止剤は、上述のような式(IV)のピラゾールである。好ましいピラゾールとしては、3,5-ジメチルピラゾール、3-メチルピラゾール、4-ニトロ-3,5-ジメチルピラゾールおよび4-ブロモ-3,5-ジメチルピラゾールを例示できる。好ましい封止剤は、3,5-ジメチルピラゾールである。ブロックされる式R(NCO)mのポリイソシアネートは、活性水素を含有する化合物を架橋させるのに好適な、水分散性の有機ポリイソシアネートである。好適なポリイソシアネートには、例えば脂環族を含む脂肪族基、芳香族、複素環族、および混合脂肪族芳香族基が含まれる。ポリイソシアネートは、2、3またはそれ以上のイソシアネート基を有する。式R(NCO)mのポリイソシアネートは、例えばUS-4,522,851に記載されたものから選択されたものであってもよく、あるいは従来のポリイソシアネート、例えばジイソシアネートを、三つ以上連続したエチレンオキシド単位または一つ以上のポリヒドロキシカルボン酸残基を有する化合物と反応させることにより得られるポリイソシアネートプレポリマーであってもよい。従来のポリイソシアネートは、一般的に、C1〜C12アルキレンジイソシアネート、またはそれの二量体もしくは三量体、またはアリールジイソシアネート、またはシクロアルキルジイソシアネートである。この従来のポリイソシアネートとしては、例えばトルエンジイソシアネート、例えば2,4-および2,6-トルエンジイソシアネート、エチレンジイソシアネートおよびそれらの混合物、プロピレンジイソシアネート、4,4-ジフェニルメタンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレン-1,6-ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンまたはナフチレンジイソシアネート、4,4'-メチレン-ビス(フェニルイソシアネート)、4,4'-エチレン-ビス(フェニルイソシアネート)、ω,ω'-ジイソシアネート-1,3-ジメチルベンゼン、ω,ω'-ジイソシアネート-1,4-ジメチルシクロヘキサン、ω,ω'-ジイソシアネート-1,4-ジメチルベンゼン、ω,ω'-ジイソシアネート-1,3-ジメチルシクロヘキサン、1-メチル-2,4-ジイソシアネートシクロヘキサン、4,4'-メチレン-ビス(シクロヘキシルイソシアネート)、3-イソシアネート-メチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、酸-ジイソシアネート二量体、ω,ω'-ジイソシアネートジエチルベンゼン、ω,ω'-ジイソシアネートジメチルトルエン、ω,ω'-ジイソシアネートジエチルトルエン、フマル酸ビス(2-イソシアネートエチル)エステル、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,4-ビス(2-イソシアネート-プロプ-2-イル)ベンゼンおよび1,3-ビス(2-イソシアネートプロプ-2-イル)ベンゼンが挙げられる。特に好ましい従来のポリイソシアネートは、C1〜C12のアルキレンジイソシアネート、例えば1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)のビウレット、ウレットジオン(uretdione)またはイソシアヌレート類である。HMDIのイソシアヌレートは、イソシアネート“三量体”であり、以下の構造を有する。HMDIのウレットジオンは、”二量体”であり、以下の構造を有する。ポリイソシアネートプレポリマーは、過剰量の従来のポリイソシアネートと活性水素含有化合物、例えば低分子量ポリオールまたはポリアミド、例えば分子量が300以下のもの、または中分子量ポリオールまたはポリアミド、例えば分子量が300〜8000のものなどのポリオールまたはポリアミドとの反応により得ることができる。ポリヒドロキシカルボン酸の一以上の残基または三以上連続したエチレンオキシド基に加えて、ポリオールまたはポリアミドは、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、2,4,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジエタノール、水素化ビスフェノール-A、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6-ヘキサントリオール、グリセリン、ソルビトールまたはペンタエリスリトールの一種以上の二量体、三量体または多量体からなることが好ましい。好ましくは、ポリオールまたはポリアミドは、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールまたはポリエチレングリコールの一以上の残基を、好ましくは得られる未ブロックトポリイソシアネートが0.01〜25重量%のエチレンオキシド単位を含有する量で含有する。好ましくは、活性水素含有化合物は、ポリオキシアルキレンアミン、例えばJeffamine M-1000である。上記反応により得られるジ-またはポリ-イソシアネートは、以下の構造のビウレット基または下記の構造のアロファネート基を含有してもよい。ポリイソシアネートは、環状、例えばイソシアヌル酸の誘導体、例えばエステルであってもよい。ポリイソシアネートのイソシアネート基は、基R中の芳香族核と直接結合していないことが好ましい。ポリイソシアネートR(NCO)mおよびブロック化剤との間の反応は、発熱性である。反応生成物は、温度が十分に引き上げた場合に解離するため、反応混合物の温度を低く、好ましくは80℃以下に保つために冷却することが要求されるであろう。得られるブロックトポリイソシアネートは回収され、単離または精製することができる。本発明はさらに、ここで定義したような一種以上のブロックトイソシアネートの水性分散物を提供する。驚くことに、この水性分散物は、少なくとも四ヶ月間、室温にて保存安定である一方で、比較的低温度で解離する。これらの分散物は、40℃で、二、三週間から二、三ヶ月間まで保存安定であることが見出されてきた。これは、使用者に暖かい気候において低いアンブロック化温度の利用を可能にする一方で、適当な保存安定性を維持するため、有意な商業上の利益を備えている。分散物は、例えば水およびブロックトイソシアネートの混合物をかき回したり、または振り回したりすることで形成される。典型的には、分散物は、アンカースターラーを250〜300rpmで用いて形成される。また、高速の”Greaves”混合機を用いて生成物を分散させることも可能である。分散物は、さらに乳化剤、洗剤、着色剤、顔料、樹脂、界面活性剤、触媒または酸化防止剤の少なくとも一つを含有してもよい。分散物は、水およびブロックトイソシアネートのみを含有することが好ましい。一般的に、分散物は、分散物重量に対して、5〜95重量%のブロックトポリイソシアネート、好ましくは30〜70重量%、より好ましくは35〜60重量%のブロックトポリイソシアネートの混合物を含有する。本発明は、さらに上記で定義したような水性分散物と、少なくとも一つの活性水素含有化合物、例えばアルコール類、アミン類、ポリヒドロキシポリエステル類、ポリヒドロキシポリエーテル類、ポリラクトン類、ヒドロキシポリカーボネート類、ポリチオエーテル類、ポリアセタール類、ポリエーテルエステル類、ポリエステルアミド類およびポリアミド-ポリアミン樹脂、例えば二量化脂肪酸および脂肪族ポリアミドより得られる生成物から選択されるものを含有する水ベースのコーティング組成物を提供する。この活性水素原子を含有する化合物は、カルボン酸基および水酸基を含有するアクリル樹脂、水分散性ポリエステルまたはポリエーテル樹脂、または三級アミン基を含有するヒドロキシアクリル樹脂、あるいはこれらの多量体であることが好ましい。一般的に、コーティング組成物は、組成物の重量に対して、10〜90重量%の活性水素原子を含有する化合物を含有している。典型的には、コーティング組成物は、乳化剤、洗剤、着色剤、顔料、樹脂、界面活性剤、触媒、酸化防止剤、分散助剤、殺カビ剤、粘度調整剤、脱泡剤、流動添加剤または凝集溶剤の少なくとも一つを含有してもよい。本発明のコーティング組成物は、都合良くは、保存安定なコーティング処方の一成分を提供し、これは一般的に少なくとも四ヶ月、室温、すなわち15〜22℃、一般的には16、17または18℃で安定である。典型的には、本発明に係るコーティング組成物は、以下の割合で各成分を含有する:本発明のさらなる態様によれば、コーティングは、活性水素を含有する顔料キャリア、顔料、および式Iの化合物の水性分散物を含有するペイント組成物である。これらのペイントは、通常は顔料キャリアの水性分散物中に分散した顔料を含有する。この顔料キャリアは、活性水素を含有する樹脂であることが好ましく、この樹脂はポリイソシアネートにより架橋連結するものである。このペイントは、活性水素含有基あたり0.5〜2のブロックトイソシアネート基を含有することが好ましい。好適な活性水素含有樹脂としては、ポリアミド-ポリアミン樹脂、例えば二量化脂肪酸および脂肪族ポリアミドからの生成物、カルボン酸基含有アクリル樹脂、または三級アミン基含有ヒドロキシアクリル樹脂、およびこれらの多量体が挙げられる。分散した固体の全濃度は、ペイントが用いられるプロセスに依存することはもちろんである。また、様々な標準的な添加剤、例えば界面活性剤、触媒および酸化防止剤も、取り込ませてもよい。本発明に係るコーティングは、電気泳動的に、または従来のように、例えば吹付沈着、浸漬、ロールまたは刷毛による塗布、転写式塗布、スクリーン塗装、静電吹付、ドクターブレードまたは電子塗装を用いて、あるいは他の手段によって、塗装する製品に沈着させて、続いて沈着したコーティングを加熱して活性水素を含有する化合物を架橋連結することで硬化させることができる。電気泳動的沈着プロセスは公知であり、カソードおよびアノードをペイント含有漕と接触させて用いることを包含している。塗装する表面は一方の電極の表面である。電極を介して一般には1〜3000ボルトの電圧を印加するときに、ペイントは一方の電極の表面に沈着する。塗装された製品を漕から取り出し、例えばオーブン中でベーキングするなどして焼き付ける。イソシアネート基からブロック化基が分離し、活性水素を含有する化合物と反応する。この結果、コーティングの架橋連結および硬化が生じる。本発明のコーティング組成物は、一般的に、100〜180℃、例えば140℃以下、または好ましくは120℃以下の温度で硬化する。本発明は、さらにここで定義したようなブロックトイソシアネートの水性分散物の、コーティング組成物、例えばペイントとしての用途を提供する。本発明の水性分散物およびコーティング組成物の他の用途としては、透明コーティング(ペイントと同様であるが不透明顔料がない)および水ベースの織物コーティングおよび布用の架橋剤が挙げられる。低いアンブロック化温度により、水性分散物およびコーティング組成物は、より高い保存温度で溶融または劣化する、相対的に高い熱感受性の基板、例えばプラスチックの塗装に使用できる。水性分散物およびコーティング組成物の好ましい用途は、自動車産業にあり、例えば自動車用のプライマー、ベースコート、トップコートおよびラッカーとして、あるいはその成分として利用できる。本発明は、さらに成形品にコーティングを塗布すること、およびそれを加熱してコーティングの硬化を達成することを含むコーティング方法を提供する。本発明を、以下の実施例により説明する。実施例実施例1 ブロックトイソシアネートの水性分散物の製造以下の反応物を用いた:(1)を反応容器に添加した。(2)をこの反応容器にゆっくりと添加した。イソシアネート含量が20〜21モル%に到達するまで、容器を60〜70℃まで加熱した。イソシアネート含量がゼロに到達するまで(3)をゆっくりと添加しながら、温度を60〜70℃に保った。(4)および(5)を添加し、5分間混合した。水を添加し、高速ミキサーを用いて分散物を形成した。Jeffamine M-1000は、HMDI三量体と反応してポリイソシアネートプレポリマーを形成する活性水素含有化合物である。スルホスクシン酸ナトリウムは、分散物の粒子サイズを制御することを補助するイオン性界面活性剤である。実施例2 ブロックトイソシアネートの水性分散物の製造以下の反応物を用いた:(1)を反応容器に添加した。(2)を添加し、容器を60〜70℃まで加熱した。イソシアネート含量が2.8%に到達するまで(3)をゆっくりと添加しながら、温度を60〜70℃に保った。(4)を添加し、イソシアネート含量がゼロに到達するまで、反応を継続させた。このバッチを60℃まで冷却し、(5)および(6)を添加した。実施例3 白色ペイント組成物の製造成分(1)、(2)、(4)、(5)、(7)、0.06重量部の成分(3)および1.5重量部の成分(6)を、良好な顔料分散(最大粒子サイズ:Hegmann 5)を達成するために、高剪断作用下で予備混合物に形成した。二酸化チタンをゆっくりと添加し、湿潤を助けた。成分(8)〜(11)と、成分(3)および(6)の残りとを添加し、高剪断作用下で、10分間混合した。成分(2)、(4)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)および(11)は、以下の製造元から得た:2 分散助剤 Dispex 40 Allied Colloids4 殺カビ剤 Acticide SPX Thor Industrial Biocides6 粘度調整剤 Rheovis CR2 Allied Colloids7 脱泡剤 Foamex 1488 Tego Chemie Service8 流動添加剤 Aerosol 0775 Cytec Industries9 アクリルエマルジョン Xenacryl DP 9B/1283 Baxenden Chemicals Ltd.10 ブロックトイソシアネートHMDI三量体のDMPAとの反応で得て、3,5-ジメチルピラゾールでブロックした(実施例2を参照)。11 凝集溶剤 Extrapro EEP Eastman Chemical Ltd.実施例4コーティング実施例3の白色ペイント組成物を、様々な基板上に塗装し、120℃で45分間で保存した。得られたコーティングを試験して以下の結果を得た。別段述べない場合、基板は標準的なスチール試験パネルであった。実施例5 透明塗装処分方法(1)および(2)を容器に添加し、よく混合した。(3)、(4)および(5)を添加し、完全に混合した後、(6)を添加した。供給者1) Xenacryl DP9B/1345アクリルエマルジョンBaxeden Chemicals3) Tegowet KL245流動添加剤Tegoa Chemie4) Estasol凝集溶剤Chemony International 以下の式(I)R−Ym (I)〔式中、Rは、脂肪族基、環式脂肪族基、複素環式基または芳香族基を含み、かつ少なくとも3個連続したエチレンオキサイド基または少なくとも1個のポリヒドロキシカルボン酸残基を含むm価の基であり、各基Yは、同一でも異なっていてもよく、以下の式(II)(式中R1は、nが1を超える場合には同一であっても異なっていてもよく、かつ各R1は、アルキル、アルケニル、アラルキル、N-置換カルバミル、フェニル、NO2、ハロゲンまたは基-C(O)-O-R2(式中R2は水素またはアルキル基である)であり、nは0、1、2または3である)の基であり、かつmは2以上の整数である〕の水分散性ブロックトポリイソシアネート。 少なくとも1個のYが、である請求項1記載の水分散性ブロックトポリイソシアネート。 少なくとも1個のYが、である請求項1または2記載の水分散性ブロックトポリイソシアネート。 mが2〜6である、請求項1〜3のいずれかに記載の水分散性ブロックトポリイソシアネート。 各々が以下の式R−Ym〔式中、Rは、同一であっても異なっていてもよく、各々が脂肪族基、環式脂肪族基、複素環式基または芳香族基を含むm価の基であり、ただし、5〜100当量%の基Rは少なくとも3個連続したエチレンオキサイド基または少なくとも1個のポリヒドロキシカルボン酸残基を含み、各基Yは、同一でも異なっていてもよく、以下の式(II)(式中、R1は、nが1を超える場合には同一であっても異なっていてもよく、かつ各R1は、アルキル、アルケニル、アラルキル、N-置換カルバミル、フェニル、NO2、ハロゲンまたは基-C(O)-O-R2(式中R2は水素またはアルキル基である)であり、nは0、1、2または3である)の基であり、かつmは2以上の整数である〕のブロックトポリイソシアネートの水分散性混合物。 少なくとも1個のYが、である請求項5記載のブロックトポリイソシアネートの水分散性混合物。 少なくとも1個のYが、である請求項5または6記載のブロックトポリイソシアネートの水分散性混合物。 mが2〜6である、請求項5〜7のいずれかに記載のブロックトポリイソシアネートの水分散性混合物。 (a)以下の式(III)Ra(NCO)q (III)(式中、Raは、脂肪族基、環式脂肪族基、複素環式基または芳香族基を含むq価の基であり、かつqは3以上の整数である)のポリイソシアネートを、-(CH2CH2O)p-(式中pは3以上)である親水性基を有する活性水素含有化合物、またはポリヒドロキシカルボン酸基或いはその誘導体と接触させて、式R(NCO)m(式中Rは脂肪族基、環式脂肪族基、複素環式基または芳香族基を含み、かつ少なくとも3個連続したエチレンオキサイド基または少なくとも1個のポリヒドロキシカルボン酸残基を含むm価の基であり、mは2以上の整数である。)の水分散性ポリイソシアネートを形成し、次いで(b)以下の式(IV)〔式中R1は、nが1を超える場合には同一であっても異なっていてもよく、かつ各R1は、アルキル、アルケニル、アラルキル、N-置換カルバミル、フェニル、NO2、ハロゲンまたは基-C(O)-O-R2(式中R2は水素またはアルキル基である)の基であり、nは0、1、2または3である〕のピラゾールで、工程(a)で製造した水分散性ポリイソシアネートを封止することによって得られうる水分散性物質。 以下の式R(NCO)m(式中Rは脂肪族基、環式脂肪族基、複素環式基または芳香族基を含み、かつ少なくとも3個連続したエチレンオキサイド基または少なくとも1個のポリヒドロキシカルボン酸残基を含み、mは2以上の整数である)のポリイソシアネートを、以下の式(IV)〔式中R1は、nが1を超える場合には同一であっても異なっていてもよく、かつ各R1は、アルキル、アルケニル、アラルキル、N-置換カルバミル、フェニル、NO2、ハロゲンまたは基-C(O)-O-R2(式中R2は水素またはアルキル基である)の基であり、nは0、1、2または3である〕のピラゾールと接触させることを含む、上記請求項1〜4のいずれかに記載の水分散性ブロックトポリイソシアネートの製造方法。 以下の式(III)Ra(NCO)q (III)(式中、Raは、脂肪族基、環式脂肪族基、複素環式基または芳香族基を含むq価の基であり、かつqは3以上の整数である)のポリイソシアネートを、-(CH2CH2O)p-(式中pは3以上)である親水性基を有する活性水素含有化合物、またはポリヒドロキシカルボン酸基或いはその誘導体と接触させて、式R(NCO)mの水分散性ポリイソシアネートを形成する開始工程を含む請求項10記載の方法。 少なくとも一種の請求項1〜8の何れかに記載の水分散性ブロックトポリイソシアネートまたはブロックトポリイソシアネートの水分散性混合物あるいは請求項9記載の水分散性物質の水性分散液。 請求項12記載の分散液と、活性水素を含む化合物とを含むコーティング組成物。 ペイントである請求項13記載のコーティング組成物。 顔料と顔料キャリヤーとを含み、顔料キャリヤーが活性水素を含む化合物である請求項13または14記載のコーティング組成物。 活性水素含有基当り、0.5〜2個のブロックトポリイソシアネート基を含む、請求項13、14および15の何れかに記載の組成物。 基板に請求項13〜16の何れかに記載の組成物を塗布し、次いで付着した組成物を加熱してコーティングを架橋させることを含む、基板の被覆方法。 被覆された基板を加熱する工程をさらに含む請求項17記載の方法。 組成物が電着によって塗布される請求項17または18記載の方法。