タイトル: | 特許公報(B2)_イソマルト含有ポリマー/活性物質溶融物の押出により得られる固形薬剤 |
出願番号: | 1997513965 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | A61K 9/20,A61K 47/26,A61K 47/32,A61K 47/24 |
ユルゲン ツァイトラー ヨエルク ローゼンベルク イェルク ノイマン イェルク ブライテンバッハ JP 4041163 特許公報(B2) 20071116 1997513965 19960930 イソマルト含有ポリマー/活性物質溶融物の押出により得られる固形薬剤 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 矢野 敏雄 山崎 利臣 久野 琢也 ラインハルト・アインゼル ユルゲン ツァイトラー ヨエルク ローゼンベルク イェルク ノイマン イェルク ブライテンバッハ DE 19536394.9 19950929 20080130 A61K 9/20 20060101AFI20080110BHJP A61K 47/26 20060101ALI20080110BHJP A61K 47/32 20060101ALI20080110BHJP A61K 47/24 20060101ALI20080110BHJP JPA61K9/20A61K47/26A61K47/32A61K47/24 A61K 9/00 - 9/72 A61K 47/00 - 47/48 CAplus(STN) REGISTRY(STN) 特表平11−502209(JP,A) 特開平03−209337(JP,A) 特開昭62−242630(JP,A) 特開昭62−240061(JP,A) 特開平02−107261(JP,A) 8 EP1996004262 19960930 WO1997012603 19970410 1999512729 19991102 11 20030919 ▲高▼岡 裕美 本発明は、1種または複数の活性物質以外に、薬剤の全重量に対して、A)溶融加工可能なポリマー 2〜90重量%、B)イソマルト(Isomalt) 5〜89.9重量%、およびC)レシチン 0〜5重量%を含有する、溶剤不含の溶融物の押出およびその後の成形により得られる固形薬剤に関する。さらに本発明は該薬剤の製造方法に関する。溶融押出により製造される活性物質含有製剤は一般に公知である。水溶性ポリマー、有利にはビニルピロリドンのコポリマーの活性物質含有溶融物の押出は、例えば欧州特許出願公開第240904号明細書および欧州特許出願公開第240906号明細書に記載されている。溶融押出法は数多くの活性物質に適用可能である。様々な助剤の使用により、製造される製剤の特性例えば胃腸管における薬剤の溶解速度に対して適切に影響を与えることができる。速やかな放出を有する固形薬剤を製造する場合には、相応して高い水溶性に次いで大きな溶解速度を有する助剤を使用しなくてはならず、さらに該助剤は活性物質含有ポリマー溶融物の溶融加工性を損なってはならない。このために従来一般に糖アルコール例えばマンニトールまたはソルビトールあるいは糖例えばラクトースが使用された。しかし公知の組成物の欠点は、これらが、付形の際、特にカレンダリングの際に強い粘着傾向に起因する、部分的に劣った加工性を有することである。その他にこれらの組成物はしばしばさらに放出速度に関して望むべき点が残っている。また、強い脆化およびこれと共に現れる亀裂形成のために、錠剤の機械的負荷能力の不足には改善の余地がある。本発明の課題は、速やかな活性物質放出と同時に薬剤の極めて良好な加工性および良好な安定性を有する薬剤を見いだすことであった。これに応じて冒頭に定義した薬剤が判明した。活性物質として本発明によれば、溶融押出の加工条件下で十分な熱的安定性を有するもの全てが考えられる。適切な活性物質は例えば、以下のものである:アセブトロール、アセチルシステイン、アセチルサリチル酸、アシクロビル、アルブラゾラム(Albrazolam)、アルファカルシドール、アラントイン、アロプリノール、アンブロキソール、アミカシン、アミロリド、アミノ酢酸、アミオダロン、アミトリプチリン、アムロジピン、アモキシシリン、アンピシリン、アスコルビン酸、アスパルテーム、アステミゾール、アテノロール、ベクロメタゾン、ベンゼラジド、塩酸ベンザルコニウム、ベンゾカイン、安息香酸、ベタメタゾン、ベザフィブレート(Bezafibrate)、ビオチン、ビペリデン、ビソプロロール(Bisoprolol)、ブロマゼパム、ブロムヘキシン、ブロモクリプチン、ブデソニド(Budesonide)、ブフェキサマック、ブフロメジル(Buflomedil)、ブスピロン、カフェイン、カンフル、カプトプリル、カルバマゼピン、カルビドーパ、カルボプラチン、セファクロル、セファレキシン、セファトロキシル(Cefatroxil)、セファゾリン、セフィキシム(Cefixime)、セフォタキシム、セフタジジン、セフトリアキソン、セフロキシム、セレジリン(Celediline)、クロラムフェニコール、クロルヘキシジン、クロルフェニラミン、クロルタリドン、コリン、シクロスポリン、シラスタチン(Cilastatin)、シメチジン、シプロフロキサシン、シサプリド(Cisapride)、シスプラチン、クラリトロマイシン(Clarithromycin)、クラブラン酸、クロミブラミン(Clomibramine)、クロナゼパム、クロニジン、クロトリマゾール、コデイン、コレスチラミン、クロモグリク酸、シアノコバラミン、シプロテロン、デソゲストレル(Desogestrel)、デキサメタゾン、デクスパンテノール、デクストロメトルファン、デキストロプロポキシフェン、ジアゼパム、ジクロフェナク、ジゴキシン、ジヒドロコデイン、ジヒドロエルゴタミン、ジヒドロエルゴトキシン、ジルチアゼム、ジフェンヒドラミン、ジピリダモール、ジピロン、ジソピラミド、ドンペリドン、ドーパミン、デキソシクリン(Dexocyclin)、エナラプリル、エフェドリン、エピネフリン、エルゴカルシフェロール、エルゴタミン、エリスロマイシン、エストラジオール、エチニルエストラジオール、エトポシド、ユーカリ(Eucalyptus Globulus)、ファモチジン、フェロジピン(Felodipine)、フェノフィブレート(Fenofibrate)、フェノテロール、フェンタニール、フラビンモノヌクレオチド、フルコナゾール(Fluconazole)、フルナリジン、フルオロウラシル、フルオキセチン、フルルビプロフェン、フロセミド、ガロパミル(Gallopamil)、ゲムフィブロミル、ゲンタミンシン(Gentamincin)、イチョウ(Ginkgo Biloba)、グリベンクラミド、グリピジド、グロザピン(Glozapine)、カンゾウ(Glycyrrhiza Glabra)、グリセオフルビン、グアイフェネシン、ハロペリドール、ヘパリン、ヒアルロン酸、ヒドロクロロチアジド、ヒドロコドン、ヒドロコルチゾン、ヒドロモルホン、イブラトロピウム(Ibratropium)ヒドロキシド、イブプロフェン、イミペネム、インドメタシン、イオヘキソール、イオパミドール、イソソルビドジニトレート、イソソルビドモノニトレート、イソトレチオニン、ケトチフェン、ケトコナゾール、ケトプロフェン、ケトロラク、ラバタロン(Labatalon)、ラクツロース、レシチン、レボカルニチン、レボドーパ、レボグルタミド(Levoglutamide)、レボノルゲストレル(Levonorgestrel)、レボチロキシン、リドカイン、リパーゼ、リプラミン(Lipramin)、リジノプリル、ロペラミド、ロラゼパム、ロバスタチン、メドロキシプロゲステロン、メントール、メトトレキセート、メチルドーパ、メチルプレドニゾロン、メトクロプラミド、メトプロロール、ミコナゾール、ミダゾラム、ミノサイクリン、ミノキシジル、ミソプロストール、モルヒネ、総合ビタミンおよびミネラル、N−メチルエフェドリン、ナフチドロフリル(Naftidrofuril)、ナプロキセン、ネオマイシン、ニカルジピン、ニセルゴリン(Nicergoline)、ニコチンアミド、ニコチン、ニコチン酸、ニフェジピン、ニモジピン、ニトラゼパム、ニトレンジピン、ニザチジン、ノルエチステロン、ノルフロキサシン、ノルゲストレル、ノルトリプチリン、ナイスタチン、オフロキサシン、オメプラゾール、オンダンセトロン、パンクレアチン、パンテノール、パントテン酸、アセトアミノフェン、ペニシリンG、ペニシリンV、フェノバルビタール、フェノキシフィリン(Phenoxifylline)、フェノキシメチルペニシリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、フェニトイン、ピロキシカム、ポリミキシンB、ポビドンヨード、プラバスタチン、プラゼパム、プラゾシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、プロモクリプチン(Promocriptine)、プロパフェノン、プロプラノロール、プロキシフェリン、プソイドエフェドリン、ピリドキシン、キニジン、ラミプリル(Ramipril)、ラニチジン、レセルピン、レチノール、リボフラビン、リファンピシン、ルトシド、サッカリン、サルブタモール、サルカトニン(Salcatonin)、サリチル酸、シンバスタチン、成長ホルモン、ソタロール、スピロノラクトン、スクラルフェート、スルバクタム、スルファメトキサゾール、スルファサラジン、スルピリド、タモキシフェン、テガフール、テプレノン、テラゾシン、テルブタリン、テルフェナジン、テトラサイクリン、テオフィリン、チアミン、チクロピジン、チモロール、トラネキサム酸、トレチノイン、トリアムシノロンアセトニド、トリアムテレン、トリメトプリム、トロキセルチン、ウラシル、バルプロ酸、バンコマイシン、ベラパミル、ビタミンE、フォリン酸、ジドブジン。本発明によれば速やかに放出する形(Instant-Release-Formen)の製造に適した活性物質が特に適切である。有利な活性物質はベラパミルまたはその生理学的に相容性の塩、特に有利には塩酸ベラパミルである。さらにアセトアミノフェンは有利である。溶融加工可能な水溶性ポリマー成分A)として以下のものが挙げられる:アルキルセルロース例えばメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース例えばヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース例えばヒドロキシエチルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、N−ビニルピロリドンと酢酸ビニルとからなる、酢酸ビニル50重量%までを有するコポリマー、カルボキシアルキルセルロース例えばカルボキシメチルセルロース、多糖類例えばアルギン酸およびそのアルカリ塩およびアンモニウム塩、ポリエチレングリコールならびにこれらの水溶性ポリマーの混合物。成分A)を全ての成分の全混合物中で50〜180℃、有利には80〜140℃の範囲で軟化するか、または溶融するので、該組成物は押出可能である。場合によりこの温度での加工性は軟化剤の添加により達成してもよい。「水溶性」とは、20℃の水100gにポリマーの少なくとも0.5g、有利には少なくとも2gが溶解することを意味し、これは場合によりコロイド状であってもよい。有利なポリマー成分A)はポリビニルピロリドン以外にポリエチレングリコールおよび特に有利にはN−ビニルピロリドン60重量%と酢酸ビニル40重量%とのラジカル重合により得られるコポリマーである。ヒドロキシプロピルセルロースもまた有利である。助剤として該薬剤は商標名パラチニット(R)(Palatinit(R))で公知のイソマルトを含有する。イソマルトは水素添加したイソマルツロース(Isomaltulose)であり、これは同じ部の異性体1−O−α−D−グルコピラノシル−D−マンニットジヒドレート(1,1−GPM−ジヒドレート)と6−O−α−D−グルコピラノシル−D−ソルビット(1,6−GPS)とからなる。イソマルトの粒度は広い範囲で異なってもよく、0.1〜0.8mmの範囲の粒度は有利である。商業的に入手可能なイソマルトは、第1工程でサッカロースを酵素でイソマルツロース(6−O−α−D−グルコピラノシル−D−フルクトース)に転位させ、かつ引き続き該イソマルツロースを水素/ラネーニッケルで水素添加することにより製造される。本発明による薬剤はポリマー成分A)を2〜90重量%、有利には10〜90重量%、特に有利には10〜50重量%の量で含有する。イソマルトは5〜89.9重量%、有利には10〜70重量%、特に有利には20〜60重量%の量で使用する。活性物質の量はまた治療効果にも適合させる。活性物質を0.1〜70重量%、有利には10〜60重量%、特に有利には20〜50重量%の量で使用してもよい。量の記載はその都度薬剤の全重量(=100重量%)に対するものである。加工特性をさらに改良するために該薬剤はさらにレシチンを5重量%まで、有利には2〜5重量%含有していてもよい。本発明による製剤はさらに通常の製薬助剤例えば充填剤、潤滑剤、離型剤、流動性調整剤、軟化剤、着色剤および安定剤を約50重量%までの量で含有していてもよい。本発明による薬剤を製造するために、活性物質成分を直接ポリマーA)との物理的混合物の形で溶融するか、または既に存在するポリマー溶融物と混合してもよい。それ以外については活性物質と溶融物との混合を公知の方法の押出機、有利には1軸または2軸スクリュー押出機で、50〜180℃、有利には80〜140℃の温度範囲で行う。活性物質含有ポリマー溶融物の、本発明による製剤への付形は例えば欧州特許出願公開第240906号明細書に記載の方法により押出物のカレンダリングにより、ならびにドイツ国特許出願公開第3830355号明細書から公知の加工法により押出物を回転ナイフで破砕して体積の等しい、まだ成形可能な、凝固した表面を有する小片にし、かつ引き続き通常のタブレット成形機でプレスして錠剤にすることにより行うことができる。このようにして得られたペレットは角を丸めた後で樹脂ゼラチンカプセルに詰めてもよい。活性物質とポリマーA)とからなる溶融物または溶液に助剤を混合することが可能である。さらに助剤を活性物質と共にポリマー溶融物に組み込むことが可能である。さらに助剤、活性物質およびポリマーからなる混合物を直接溶融してもよい。一般に助剤、活性物質およびポリマーからなる物理的混合物を一緒に溶融することが一般的である。本発明による製剤を薬剤として使用し、かつ錠剤、ペレット、顆粒またはカプセルまたはその他の経口投与可能な薬剤の形で使用する。有利には本発明による製剤で、速やかに活性物質を放出する薬剤を製造する。所望の場合には、固体の製薬形は外見および/または味の改善のために通常のコーティングを有していてもよく(糖衣剤)、またはフィルムコーティング法により水性または有機性ポリマー溶液または分散液の噴霧によりフィルム錠剤に加工してもよい。本発明による薬剤の組成により活性物質の速やかな放出のみでなく、優れた加工特性もまた達成できる。特に粘着性のある活性物質、例えば塩酸ベラパミルの際に現れる、溶融物のハンドリングおよび付形の際の問題は本発明による製剤により回避される。以下の例に記載の薬剤は欧州特許出願公開第240906号明細書に記載のカレンダー法により得られた。これらは良好な機械的負荷能力を有し、かつ粘着性ではなかった。例1〜7押出/カレンダリング一般:押出機タイプ:2軸スクリュー押出機セクション数:4+頭部(ノズル)錠剤形:円形、レンズ形、重さ300mg溶融物流:20〜25kg/h活性物質放出の測定パドル法(Paddle-Methode)−USPXXIII(ベラパミル−HCl錠剤)第1625頁回転数:50rpmパドル媒体:0.1モル/1HClポリマーA)としてN−ビニルピロリドン60重量%と酢酸ビニル40重量%とからなるコポリマー(DABによる「コポリビドン(Copolyvidon)」を使用した。量の記載はその都度重量%に対するものである。例1(比較例)押出条件:活性物質放出試験により、30分後に活性物質の52.4%が放出されたことが明らかになった。例2押出条件:活性物質放出試験により30分後に活性物質の91.5%が放出されたことが明らかになった。例3押出条件:活性物質放出試験により、20分後に活性物質の65.4%が放出されたことが明らかになった。例4押出条件:活性物質放出試験により、20分後に活性物質の77.0%が放出されたことが明らかになった。例5押出条件:活性物質放出試験により、20分後に活性物質の85.8%が放出されたことが明らかになった。例6押出条件:活性物質放出試験により、30分後に活性物質の93.2%が放出されたことが明らかになった。例7(比較例)押出条件:活性物質放出試験により、30分後に活性物質の93.7%が放出されたことが明らかになった。例8活性物質放出試験により、30分後に活性物質の96.7%が放出されたことが明らかになった。例9および10アセトアミノフェン錠剤押出/カレンダリング一般:押出機タイプ:2軸スクリュー押出機錠剤形:楕円形、重さ700mg溶融物流:20〜25kg/hパドル法:USP23(アセトアミノフェン錠剤)量の記載はその都度重量%に対するものである。例9活性物質放出試験により、30分後に活性物質100%が放出されたことが明らかになった。パドル法。例10活性物質放出試験により、30分後に活性物質の98%が放出されたことが明らかになった。例11〜13複合ビタミンB錠剤押出/カレンダリング一般:押出機タイプ:2軸スクリュー押出機セクション数:4+ヘッド錠剤形:円形、レンズ形、重さ約240mg溶融物流:20〜25kg/h量の記載はその都度重量%に対するものである。例11例12例13 1種または複数の活性物質以外に、A)溶融加工可能な水溶性ポリマー 2〜90重量%、B)イソマルト 5〜89.9重量%、およびC)レシチン 0〜5重量%を含有し、この場合全ての含有物質の総計が100重量%であるべき、溶剤不含の溶融物を押し出し、かつ引き続き付形することにより得られる固形薬剤。 A)溶融加工可能な水溶性ポリマー 10〜90重量%、B)イソマルト 5〜89.9重量%、およびC)レシチン 0〜5重量%を含有し、この場合全ての含有物質の総計が100重量%であるべき、請求項1記載の薬剤。 ポリマーA)としてN−ビニルラクタムのホモポリマーまたはコポリマーを含有する、請求項1または2記載の固形薬剤。 N−ビニルピロリドンと酢酸ビニルとからなるコポリマーを含有する、請求項3記載の固形薬剤。 ポリマーA)としてヒドロキシプロピルセルロースを含有する、請求項1または2記載の固形薬剤。 活性物質としてベラパミルまたはその生理学的に相容性の塩を含有する、請求項1から4までのいずれか1項記載の固形薬剤。 付加的に通常の製薬助剤を含有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の固形薬剤。 諸成分を50〜180℃の温度で溶融物に加工することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の薬剤の製造方法。