生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ヒト治療のための組換え抗CD4抗体
出願番号:1997511411
年次:2005
IPC分類:7,C12N15/09,A61K39/395,A61P11/06,A61P29/00,A61P35/00,A61P35/02,A61P37/00,C07K16/46,C12P21/08


特許情報キャッシュ

ハンナ,ナビル ニューマン,ローランド・エイ レフ,ミッチェル・イー JP 3619866 特許公報(B2) 20041126 1997511411 19960905 ヒト治療のための組換え抗CD4抗体 バイオジェン・アイデック・インコーポレイテッド 青山 葆 田村 恭生 ハンナ,ナビル ニューマン,ローランド・エイ レフ,ミッチェル・イー US 08/523,894 19950906 20050216 7C12N15/09A61K39/395A61P11/06A61P29/00A61P35/00A61P35/02A61P37/00C07K16/46C12P21/08 JPC12N15/00 AA61K39/395 UA61P11/06A61P29/00 101A61P35/00A61P35/02A61P37/00C07K16/46C12P21/08 7 C12N 15/00 - 15/90 A61K 39/395 C07K 16/00 - 16/46 C12P 21/00 - 21/08 CA/BIOSIS/MEDLINE/WPIDS(STN) 特表平06−509708(JP,A) 特表平04−505919(JP,A) Arthritis and Rheumatism,1994年,Vol.37,No.9,p.S336,abst.no.1054 International Immunology,1993年,Vol.5,No.3,pp.283-291 Nature,1988年 4月 7日,Vol.332,p.563-564 Molecular Immunology,1993年,Vol.30,No.1,pp.105-108 19 US1996014324 19960905 WO1997009351 19970313 1999514216 19991207 75 20010702 新留 豊 発明の技術分野この出願は、米国特許出願第08/476,237号(該出願は1995年1月25日に出願された米国特許出願第08/397,072号(該出願は1992年7月10日に出願された米国特許出願第07/912,292号(該出願は1992年3月23日に出願されたニューマン(Newman)らの米国特許出願第07/856,281号(該出願は1991年7月25日に出願された米国特許出願第07/735,064号の一部継続出願である)の一部継続出願である)の継続出願である)の一部継続出願である)の一部継続出願である(その図面も含めて全体を参照のため本明細書中に引用する)。本発明は、ヒト治療に有用なCD4に特異的な組換え抗体、および該抗体の製造方法に関する。発明の背景CD4は、胸腺細胞の大部分および末梢T細胞の一部を含むTリンパ球系列の細胞の表面で主として発現される表面糖タンパク質である。CD4はまた幾つかの非リンパ性細胞によっても低レベルで発現されるが、そのような多様な細胞分布の機能的意義は未知である。成熟T細胞上では、CD4は抗原提示細胞で発現されるMHCクラスII分子との相互作用を通じて共認識(co−recongnition)機能を果たす。CD4+T細胞は、ウイルス、細菌、真菌および寄生虫感染に対するT依存性応答の間にT細胞およびB細胞の機能を制御するヘルパーサブセットを主として構成する。自己免疫疾患の発病の間、とりわけ自己抗原に対する寛容が破壊されたときに、CD4+T細胞は炎症応答に関与し、その結果、関節および組織の破壊となる。これらプロセスは、造血系列の炎症細胞の補充、抗体、炎症性サイトカインおよびメディエーターの産生、およびキラー細胞の活性化により容易となる。滑膜の炎症疾患である慢性関節リウマチ(RA)は自己免疫現象の一つの現れであり、関節の糜爛、変形および破壊という結果になる。ほとんどの自己免疫疾患と同様に、RAの病因は充分に定められていない。しかしながら、RAは罹患した関節中での活性化CD4+Tリンパ球レベルが上昇している特徴を有することが知られている。現在のところRAの治療法は存在しない。RAの第一系列(line)の療法は、RA症状の寛解をもたらし、短期間の機能的な能力を改善することに向けられている。基礎疾患を標的としたアザチオプリン、メトトレキセートおよびプレドニゾロンなどの第二および第三系列の免疫抑制剤は一層重篤なケースで投与され、その有効性は穏やかにすぎないかまたは慢性療法で受け入れ難い毒性を示すかのいずれかである。これらはまた、関節の破壊から保護することはない。RAとは別に、CD4+細胞は、乾癬、インスリン依存性糖尿病、全身性エリテマトーデスおよび炎症性腸疾患を含む他の慢性状態にも関与している。さらに、CD4発現は他の自己免疫疾患に関与している可能性もある。T細胞が自己免疫疾患の進行および維持に関与しているとするならば、免疫抑制は重要な治療戦略となる。サイクロスポリンAなどの利用可能な免疫抑制剤は、移植拒絶の治療に使用するのに成功している。しかしながら、その毒性のある副作用は免疫抑制剤による自己免疫疾患の慢性療法を受け入れ難くしている。臨床現場におけるCD4+サブセットを含む全T細胞集団の枯渇は、胸管排液法、全リンパ放射線療法およびリンホフェレシス(lymphopheresis)を含む方法により行われ、ある種の患者において臨床的改善を得ている。しかしながら、現在の戦略は、正味の(solid)臓器毒性や主要な副作用を引き起こすことなく不必要な免疫応答を阻止する一層選択的な薬剤に向けられている。この可能性を達成しうる一つの方法は、モノクローナル抗体(mAbs)を用いた疾患媒体T細胞の選択的除去または不活性によるものである。CD4に対するモノクローナル抗体は、そのような一つの戦略である。自己免疫および臓器移植の動物モデルにおいて、抗CD4モノクローナル抗体は予防的または治療的に投与した場合に疾患の進行を阻止あるいは逆転させる。さらに、RA、乾癬、炎症性腸疾患および全身性脈管炎における抗CD4モノクローナル抗体を用いた幾つかの臨床的試みから得られた初期の結果は、潜在的な治療効能の幾つかの予備的な証拠を提供している。本質的に、抗CD4モノクローナル抗体療法の目的は、とりわけ自己免疫疾患の急性期にCD4+細胞の自己破壊活性を阻止することである。最終的な治療目標は、日和見感染に対する正常な宿主の防御を損なうことなく、基礎疾患を保持している障害性(insulting)抗原(または特定の組織)に対する免疫不応答(アネルギー)または長期にわたる寛容の状態を付与することにある。RA以外にも、CD4モノクローナル抗体は、他の自己免疫疾患、たとえばインスリン依存性糖尿病、全身性エリテマトーデス、乾癬、炎症性腸疾患および多発性硬化症の治療にも有益である。免疫療法剤としての抗CD4モノクローナル抗体の重要性のため、多くの企業や研究者グループが抗CD4モノクローナル抗体を潜在的な治療剤として報告している。たとえば、セントコール(Centocor)は、CD4に対するキメラマウスモノクローナル抗体であるセンタラ(Centara)と称する抗CD4モノクローナル抗体を報告している。さらに、ジョンソン・アンド・ジョンソン/オーソ(Johnson & Johnson/Ortho)は、ヒト化マウスモノクローナル抗体であるOKT−4a、抗CD4モノクローナル抗体を報告している。さらに、バロー・ウエルカム(Burroughs Wellcome)は、CD4に対するヒト化ラットモノクローナル抗体である抗CD4モノクローナル抗体を報告している。また、サンドス(Sandoz)およびメドイミューン(Med Immune)(メルク(Merck)と共同研究)の両者は、CD4に特異的な抗CD4マウス−ヒト化モノクローナル抗体を開発している。さらに、ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson)、イムノテック(Immunotech)およびベーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)は、抗CD4モノクローナル抗体を開発している。抗CD4モノクローナル抗体とは別に、種々の免疫調節剤や薬剤がRAの治療に応用可能として開示されている。そのような免疫調節剤および薬剤には、たとえば、細胞接着ブロッカー、サイトカイン受容体ブロッカー、イムノトキシンおよびT細胞受容体アンタゴニストが含まれる。具体例としては、ガンマインターフェロン、抗ICAM−1(白血球の通行(trafficking)、接着を阻止するマウス抗CD54モノクローナル抗体)、カンパス(Campath)−1H(ラット−ヒト化CDw52モノクローナル抗体)IL−1受容体、cA2(TNF−アルファキメラモノクローナル抗体)、CDP571(抗TNFモノクローナル抗体)、抗IL−2R(ヒト化−マウス抗CD25モノクローナル抗体)、SDZ CHH380(マウス−ヒト化抗CD7モノクローナル抗体)、DAB486IL−2(IL−2融合トキシン、CD4およびCD8細胞に非特異的)、アントリル(Antril)(IL−1RA)、抗TCR(T細胞受容体サブセットを標的とするモノクローナル抗体およびタンパク質)、およびXomaZyme−CD5(マウス抗CD5トキシンコンジュゲート)が挙げられる。また、自己免疫疾患の治療に潜在的に応用可能な他の免疫調節剤および免疫抑制剤として、ラパマイシン(Rapamycin)(経口免疫抑制剤)、テラフェクチン(Therafectin)、レフルノミド(Leflunomide)(免疫抑制性のプロドラッグ)、テニダップ(Tenidap)(サイトカインモデュレーター/COインヒビター)、IMM−125およびRS−61443(経口免疫抑制剤)が挙げられる。上記のように、潜在的に治療に応用可能なCD4に対する多くのモノクローナル抗体が報告されている。その大部分において、これら抗体はマウスモノクローナル抗体、キメラまたはマウス−ヒト化抗CD4モノクローナル抗体を含む。マウスモノクローナル抗体は、急性および慢性の両者のヒト疾患、たとえば白血病、リンパ腫、固形腫瘍(たとえば、結腸癌、乳癌、肝臓癌)、AIDSおよび自己免疫疾患の診断において並びに治療のための治療剤として臨床試験において潜在的に有用性を有する。しかしながら、マウス抗体は、しばしば該マウスモノクローナル抗体に対する宿主における免疫抗体応答となるため不利である。マウス/ヒトキメラ抗体もまた報告されている。これら抗体は、親マウス抗体の結合特性およびヒト定常領域に付随するエフェクター機能を含む。たとえば、キャビリー(Cabilly)ら、米国特許第4,816,567号;シェーメーカー(Shoemaker)ら、米国特許第4,978,775号;ビーバーズ(Beavers)ら、米国特許第4,975,369号;およびボス(Boss)ら、米国特許第4,816,397号(これらすべてを参照のため本明細書中に引用する)を参照。一般に、これらキメラ抗体は、すでに存在しているマウスハイブリドーマから抽出したDNAからゲノム遺伝子ライブラリーを調製するに際して構築される[ニシュマン(Nishman)ら、47 Cancer Research、999(1987)]。ついで、このライブラリーを、正しい抗体フラグメント再配列パターンを示す重鎖および軽鎖両者からの可変領域遺伝子についてスクリーニングする。ついで、クローニングした可変領域遺伝子を、適当な重鎖または軽鎖ヒト定常領域遺伝子のクローニングカセットを含む発現ベクター中にライゲートする。ついで、これらキメラ遺伝子を、選択細胞株、通常はマウスミエローマ株にて発現させる。しかしながら、かかるキメラ抗体はヒト治療に用いられているとはいうものの、若干の問題がある。マウスモノクローナル抗体と同様に、ヒト受容者はキメラ抗体に対しても抗体を産生する。このことは、キメラ抗体を用いた継続療法の有効性にとって不利である。従来のキメラ抗体に対する改良として、何人かの研究者はかかる問題のないヒトモノクローナル抗体の産生方法を開示している。たとえば、エーリッヒ(Erlich)ら、34 Clinical Chemistry、1681(1988);エーリッヒら、7 Hybridoma、385(1988);エーリッヒら、6 Hybridoma、151(1987);およびエーリッヒら、1 Human Antibody Hybridomas、23(1990)を参照。これら参考文献はまた、非ヒト霊長類の抗体、たとえばチンパンジーのモノクローナル抗体がヒト抗体と構造的に類似しているためにヒトにおいて充分に許容されるに違いないことを仮定している。しかしながら、ヒトにおける抗体の産生には明らかに倫理的な障害がある。ヒト抗体はアカゲザルにおいて非免疫原性であるので(すなわち、抗体応答を引き起こさないので)、エーリッヒらはまた霊長類抗体がヒトにおいて非免疫原性であるに違いないことを予測している。エーリッヒら(上掲)は、霊長類抗体がヒト免疫グロブリンの定常領域と同じ定常領域を有するか、または少なくともヒト抗体が互いに異なっている以上にはヒト免疫グロブリンとは異なることのない構造を有するならば、抗体をヒトにおいて試験する必要はないことを示している。それゆえ、彼らはチンパンジー抗体がヒト治療に有用であることを示唆している。ヒトにおいてしばしば抗原性を示す公知のキメラ抗体の改良として、関連出願である米国特許出願第08/476,237号(1995年6月7日出願)、同第08/347,072号(1995年1月25日出願)、および同第07/912,212号(1992年7月10日出願)、07/856,281号(1992年3月23日出願)および同第07/735,064号(1991年7月25日出願)明細書(すべて参照のため本明細書中に引用する)には、旧世界のサルモノクローナル抗体、およびクローニングしたヒト、チンパンジーまたは他のサルの定常領域または他のサルのフレームワーク領域に融合させた旧世界サル抗体(たとえば、ヒヒまたはマカークザル)の可変ドメインを含む、組換え法により該モノクローナル抗体から製造したキメラ抗体の製造が記載されている。これら出願は、とりわけ、ヒト抗原に対するかかる旧世界サル抗体およびそれから由来するキメラ抗体の製造、並びにかかるキメラ組換え抗体のヒト疾患の治療のための免疫治療剤としての使用を記載している。これら出願は、チンパンジーとは違って進化的に離れたサル(たとえば、ヒヒまたはマカークザル(カニクイザルおよびアカゲザルを含む))が、比較的保存されたヒト抗原、たとえばCD4およびCD54に対してさえもこれらサルにおいてヒト抗原に対する抗体を産生させうるほど充分にヒトと異なっているのみならず、ヒト抗体に構造的に類似した抗体を有するほどヒトに充分に類似しており、かかるサル抗体またはそれに由来する組換えキメラ抗体をヒトに導入した場合に宿主の抗−抗体応答を生じないという驚くべき知見に基づいている。これら出願は、かかるキメラ抗体が、ヒト治療に用いる幾つかの従来の抗体(公知のキメラ抗体を含む)と違って、幾つかの欠点、たとえば、(1)慢性状態を治療するのに必要な繰り返し投与によるヒト抗−抗体(HAA)の免疫原性および誘発、(2)ヒト抗体に比べると比較的短い半減期、および(3)ヒト細胞または補体とのエフェクター機能の欠如、を有しないことを開示している。これら欠点の欠如はヒト治療における有意な利点である。たとえば、慢性ヒト疾患(自己免疫疾患を含む)または抗体の長期にわたる投与が必要とされる疾患の場合、繰り返し抗体療法の主要な障害の一つは該治療抗体に対する宿主の応答である。また、かかる応答が完全にではないにしても優勢に抗体分子の定常領域に向けられたものであり、一旦かかる応答が存在すれば該抗体または同じイソタイプの他の抗体を用いた治療の有効性が排斥されるかまたは低減される。上記出願に記載された組換えキメラ抗体は、この問題を回避し、適当な特異性と所望のエフェクター機能とを有する抗体の産生、および組換え抗体の産生におけるその使用を可能とするであろう。これら組換え抗体は、一般に、免疫したサルに由来する抗体の可変領域の適当な部分(抗原結合に必要である)およびヒトまたはチンパンジーに由来する抗体の定常領域を含む。それゆえ、このことにより、サルモノクローナル抗体の特異性および高親和性、およびヒトまたはチンパンジーの定常領域の適当な選択による所望のエフェクター機能を保持することが可能となる。これら関連出願の幾つかは、とりわけCD4に対する特異性を有するサル/ヒトキメラ抗体(CE9.1と称する)を例示しており、この抗体はカニクイザルにおいて産生した抗CD4モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖可変ドメイン並びにヒト免疫グロブリン軽鎖ラムダ定常領域および重鎖ガンマ1定常領域を含む。この抗体はある種のT細胞枯渇活性を有するが、該活性は従来のCD4モノクローナル抗体に比べると低いものである。しかしながら、T細胞枯渇活性がより低いかまたは該活性を有しない抗体を産生することが望まれる。なぜなら、このことは該抗体の治療能を高めるからである。これら出願にはさらに、かかるキメラ抗体の産生のための好ましいベクター系、とりわけTCAE5.2およびTCAE6が記載されており、該ベクター系は下記のものを含む:(1)直列につながった4つの転写カセット:(a)ヒト免疫グロブリン軽鎖定常領域。TCAE5.2では、これはヒト免疫グロブリンカッパ軽鎖定常領域(カバット(Kabat)番号でアミノ酸108−214。アロタイプKm3)であり、TCAE6では、これはヒト免疫グロブリン軽鎖ラムダ定常領域(カバット番号でアミノ酸108−215、遺伝子型Ozマイナス、Mcgマイナス、Keマイナスのアロタイプ)である。(b)ヒト免疫グロブリン重鎖定常領域;両構築物において、ヒト免疫グロブリン重鎖はガンマ/定常領域である(カバット番号でアミノ酸114−478アロタイプGm1a、Gm12)。(c)DHFR;それ自体の真核プロモーターおよびポリアデニル化領域を含む;および(d)NEO;これも、それ自体の真核プロモーターおよびポリアデニル化領域を含む。(2)ヒト免疫グロブリン軽鎖および重鎖カセットは、免疫グロブリンの分泌のための合成シグナル配列を含む;および(3)ヒト免疫グロブリン軽鎖および重鎖カセットは、軽鎖および重鎖免疫グロブリン可変領域の挿入を可能とし、翻訳の読み取り枠を保持し、免疫グロブリン鎖に通常認められるアミノ酸を変化させることのない、特定のDNA連結部(links)を含む。しかしながら、以前に記載されていることの如何にかかわらず、CD4に対する特異性を有し、ヒトにおける免疫原性が低く、たとえば慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患の治療に用いることができる改良された抗体に対する必要性が当該技術分野に依然として存在する。とりわけ、改良された特性、たとえば、一層長い半減期を示し、および/または枯渇活性が実質的に欠いているかまたは欠失している抗CD4抗体を産生することに対する必要性が存在する。発明の目的この目的のため、本発明の目的は、改良された特性、たとえば一層長い半減期、ヒトにおける低い免疫原性および/またはT細胞枯渇活性の減少または不在を有する、CD4に特異的な新規なモノクローナルおよびキメラ抗体を提供することにある。さらに詳しくは、本発明の目的は、CD4に特異的な旧世界サル免疫グロブリンの抗原認識部位およびヒトまたはサル定常ドメイン配列、とりわけヒトカッパまたはラムダ軽鎖定常領域およびヒトガンマ1またはガンマ4またはエフェクター機能が改変され安定性がガンマ4イソタイプよりも改善された変異ガンマ4重鎖定常領域配列を含む抗CD4キメラ抗体を産生させることにある。本発明のさらに詳しい目的は、サルまたはヒト定常ドメイン配列、好ましくはヒトカッパまたはラムダ軽鎖定常ドメイン配列およびヒトガンマ1またはガンマ4定常ドメイン配列またはエフェクター機能が改変され安定性がガンマ4イソタイプよりも改善された変異ガンマ4重鎖に融合した、図1に示す特定のサル抗CD4可変重鎖配列および図2に示すサル抗CD4可変軽鎖配列を含む新規なモノクローナルおよびキメラ抗体を提供することにある。本発明の他の目的は、かかる改良キメラ抗CD4抗体の発現を提供するDNA配列および該キメラ抗CD4抗体の発現に用いるベクターおよび宿主細胞を提供することにある。かかるベクターは上記出願(参照のため本明細書中に引用する)において言及された発現ベクターを含むのが好ましく、宿主細胞はCHO細胞が好ましいであろう。本発明のさらに他の目的は、CD4関連疾患、とりわけ自己免疫疾患の治療または予防に使用する医薬組成物を提供することにあり、該医薬組成物は、薬理学的に許容しうる担体とともに該改良キメラ抗CD4抗体を予防または治療に有効な量にて含む。本発明のさらに他のの目的は、薬理学的に許容しうる担体とともに該新規キメラ抗CD4抗体を予防または治療に有効な量にて投与することによる、CD4関連疾患、とりわけ自己免疫疾患、および免疫抑制が望まれる他の状態の治療または予防法を提供することにある。【図面の簡単な説明】図1は、CE9.1の重鎖可変ドメインのアミノ酸配列およびDNA配列を示す。図2は、CE9.1の軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列およびDNA配列を示す。図3は、CE9.1に含まれるヒトラムダ可変および定常ドメインのアミノ酸配列およびDNA配列を示す。図4は、重鎖可変および定常ガンマ4配列をコードするDNA配列およびアミノ酸配列を示す。図5は、E変異を有するヒト重鎖ガンマ4をコードするDNA配列およびアミノ酸配列を示す。図6は、PおよびE変異を有するヒト重鎖ガンマ4をコードするDNA配列およびアミノ酸配列を示す。図7−1、図7−2および図8は、本発明において有用な種々のリーダー配列の核酸配列を示す。図9は、新鮮なヒトPMNCへのCE9.1の結合のスキャッターグラムを示し、ここでパネルA右上四分儀はCE9.1およびOKT3で二重染色したリンパ球を示し、パネルB右上四分儀はCE9.1およびOKT4で二重染色した集団を示し、パネルC右上四分儀はCD8およびCE9.1で二重染色した細胞の不在を示し、パネルD対照は通常ヒトIgGで染色した細胞を示す。図10a、図10bおよび図10cは、CE9.1のFc受容体結合特性を示すものであり、該測定は、(a)γIFN誘発した新鮮な単球(陰性対照はCE9.1のF(ab')2フラグメントを使用)を使用した、(b)γIFN誘発したまたは誘発しない新鮮な単球を使用した、および(c)sCD4の存在下または抗体の不在下での、結合性線維芽細胞のCD4+フローサイトメトリーヒストグラムの凝集を示す。図11は、CE9.1によるヒト混合リンパ球反応の抑制を示すものであり、その際、(a)新鮮なヒトPBLsを応答者として用い、関連のない提供者からのマイトマイシンC処理した刺激細胞を所定濃度範囲のCE9.1の抑制特性を試験するために用い、抑制の測定はチミジン導入またはIL−2産生の量により行い、(b)チンパンジーの応答者および関連のないチンパンジー刺激者を用いたMLR(その際、マウス抗ヒトCD4抗体であるLeu3aを対照として使用)。図12は、CE9.1の抗体依存性細胞障害能を示すものであり、その際、SupT−18標的細胞の溶解をγインターフェロン刺激エフェクター細胞の存在下で行い、4D9はマウス抗CD4モノクローナル抗体IgG2aである。図13は、CE9.1の存在下または不在下でのSupT−18細胞へのC1qの結合のフローサイトメトリーヒストグラムを示すものであり、その際、10,000の事象を記録し、その結果をヒストグラムとして表し、PRO945は高い抗CD4血清力価を有するサルからのポリクローナル抗体であり、陰性対照はCE9.1の不在下でのC1qプラス抗C1qであった。図14は、CE9.1の補体依存性細胞障害アッセイを示すものであり、その際、SupT−18細胞の溶解はCE9.1およびウサギ補体の存在下で行い、4D9は補体に結合しうるサブクラスIgG2aのマウス抗CD4対照であり、PRO965は高い抗CD4力価を有するカニクイザルからのポリクローナル抗体混合物である。図15は、6匹のチンパンジーにおける高投与量薬理学研究であり、その際、末梢血中に150〜300日の期間にわたって発現されたCD4、CD8レベルを調べ、CD4調節細胞の数を示すCD3−CD8曲線をも示す;上部パネル:グループ1−チンパンジーのカウントをモニターした。矢印はCE9.1投与を示す。(2)食塩水対照グループ。中央のパネル:グループ2−10mg/kgのCE9.1を与えたチンパンジー(2)。CD4カウントが基準線の30%以内に戻ったときに投与を繰り返した。下部のパネル:グループ3−10mg/kgのCE9.1を与えたチンパンジー(2)。CD4カウントが基準線の70%以内に戻ったときに投与を繰り返した。図16は、ヒトγ4定常領域を得るのに適当なPCRプライマーを示す。図17は、CE9γ4PE重鎖配列を示す。図18は、CE9.1、CE9γ4(G4)、CE9γ4(G4E)およびCE9γPE(G4PE)の非還元SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動を示す。半量体分子が約80kDの分子量のところに認められる。図19は、SPR進行曲線の会合相および解離相のデータを含む。図20は、初期MLRでのCD4モノクローナル抗体構築物の効果を示す。図21は、IFN−γ誘発単球細胞株THP−1のCD4+線維芽細胞形質転換体への接着を示す。図22は、CE9.1、CE9γ4、CE9γ4EおよびCE9γKのFcRおよびCD4-媒体接着を示す。図23は、CE9γ4PE、CE9.1およびHuCD4に対するマウス固定抗体を用いたCDCおよびADCCの結果を示す。図24は、1mg/kgのCE9γ4EおよびCE9γ4PEを雄スプラーグ−ドーリーラットにボーラス投与後の血漿濃度を示す。図25は、HuCD4トランスジェニックマウスでの卵アルブミン特異的抗体応答におけるモノクローナル抗体処理の効果を示す。発明の詳細な説明本発明は、所望のサルまたはヒト定常ドメイン配列、好ましくはヒトガンマ1、ガンマ4または変異ガンマ4ヒト重鎖定常ドメインおよびヒトカッパまたはラムダ軽鎖定常ドメイン配列に融合した旧世界サル抗CD4モノクローナル抗体の可変領域の抗原結合部分を含む、CD4に特異的な新規モノクローナルキメラ抗体を提供する。これら抗体は従来の抗CD4モノクローナル抗体に関連して改善された特性、たとえばヒトCD4に対する高親和性およびヒトにおける免疫原性のほとんどまたは完全な不在を示す。ガンマ4の態様はエフェクター機能、たとえばFc受容体結合活性や補体結合の減少または不在を示し、T細胞枯渇活性をほとんどまたは全く示さない。CD4に特異的な旧世界サルモノクローナル抗体およびCD4に特異的な旧世界サルモノクローナル抗体を産生するクローンを得る方法は、上記関連特許出願(参照のため本明細書中に引用する)に記載されている。一般に、この方法は、旧世界サルを旧世界サルが抗CD4抗体を産生するような条件下でヒトCD4抗原に対して免疫し、抗CD4抗体の産生を担うサルの細胞を、たとえばハイブリドーマ融合、ヘルペス・パピオ(Herpes papio)によるウイルス形質転換、単一B細胞クローニング(いわゆる「一過性不死化」)および組換え免疫グロブリンのライブラリーの産生により不死化することを含む。好ましい態様において、この方法は、サルの末梢血白血球、脾臓、骨髄またはリンパ節のいずれかからB細胞を選択し、適当な抗体を産生するコア(core)を選択し、該不死化細胞株から該抗体をコードする免疫グロブリン遺伝子を回収し、該遺伝子を産生細胞株(すなわち、ヒト治療に有用な抗体の充分な産生を可能とする細胞株)中で発現させることを含む。上記出願で定義されているように、旧世界サルにはヒヒおよびマカークザル(アカゲザルおよびカニクイザルを含む)が含まれる。上記のように、好ましい態様において本発明のキメラ抗体は、ヒト定常ドメイン配列に融合した、図1および図2に示す抗CD4旧世界サル可変重鎖および軽鎖配列を含むであろう。これら特定の可変重鎖および可変軽鎖ドメイン配列を得るのに適した手段は、1990年6月7日に出願した米国特許出願第08/473,237号および1995年1月25日に出願した同第08/397,072号並びに1992年7月10日に出願した同第07/912,292号(すべて参照のためその全体を本明細書中に引用する)に詳細に記載されている。これら出願はさらにこれら配列の全核酸配列およびアミノ酸配列を開示している。これら可変重鎖および軽鎖ドメイン配列は、あらゆる所望のヒト定常ドメイン配列に融合させることができる。特定の選択は、得られたキメラ抗CD4抗体のエフェクター機能に影響を及ぼすであろう。好ましくは、ヒト重鎖定常ドメインは、ガンマ1、ガンマ4または本明細書中でガンマ4Eと称する変異ガンマ4定常ドメインまたは本明細書中でガンマ4PEと称する変異ガンマ4を含むであろう。ガンマ4を選択することは、T細胞枯渇活性が欠失したまたは実質的に欠失した(ガンマ1に比べて80〜100%)キメラ抗体が得られることがわかっているので有利である。このことはガンマ4定常ドメインが補体に結合することができないためであると思われる。定常ドメインはまた、得られるキメラ抗体の特性たとえば安定性を高めるためおよび/または枯渇活性を除去するために変異させてよい。とりわけ、ガンマ4ドメインのPおよびE修飾(以下に記載する)は、活性、安定性の増大および枯渇活性の除去をもたらすヒンジ領域でのガンマ4の修飾である。さらに、他の修飾もまた特性の高められたキメラ抗体をもたらすに違いないことが期待される。本発明のキメラ抗CD4抗体中に含まれるヒト軽鎖定常ドメインは、ヒトカッパまたはラムダ軽鎖定常領域であるのが好ましく、ヒトラムダ軽鎖定常領域であるのがさらに好ましいであろう。ヒトガンマ1、ガンマ4、カッパおよびラムダ定常ドメインをコードするアミノ酸配列およびDNA配列は当該技術分野で知られている。また、ヒトガンマ4およびEおよびPE変異体およびラムダ定常ドメイン配列のアミノ酸配列および核酸配列は、それぞれ図4〜6および図3に記載してある。本発明の具体的態様としては、ヒトIgG1の定常ドメインとともにヒトsCD4免疫カニクイザルから得られた抗原結合ドメインを含み、CE9.1と称する特定のキメラ抗CD4モノクローナル抗体、およびそれから得られたモノクローナルキメラ抗体、たとえばCE9γ4、CE9γ4λKおよびCE9γ4E、CE9γ4PE(これらはCE9.1と同じ抗原結合ドメインを有するが、ヒトIgG4Fc結合ドメインフレームワークで遺伝子に操作されている)が挙げられる。モノクローナル抗体CE9γ4Eは、抗体のヒンジ領域近傍でロイシン→グルタミン酸変異(L236E)を含む(E修飾)。モノクローナル抗体CE9γ4PEは、同じロイシン→グルタミン酸変異に加えてセリン→プロリン変異(S229P)を含む(「E」および「P」修飾)。CE9γ4Kλ抗体は、ヒトKサブタイプからの軽鎖定常領域をヒトλサブタイプからの軽鎖定常領域で置換している点がCE9γ4と異なっている。これら定常ドメインのスイッチおよび変異を行ったのは、IgG抗体の生物学的応答がそのカルボキシ末端ドメインの構成、すなわちアイソタイプに依存することが知られているからである。それゆえ、抗体アイソタイプをタンパク質工学により変えることにより、IgG抗体、さらに詳しくは本発明のキメラ抗CD4モノクローナル抗体の生物学的応答を修飾することが可能となる。この操作戦略から得られる望ましい結果として、抗体のFc部分のアイソタイプのスイッチを行ってもCD4抗原結合Fab領域の結合親和性が低減することはないということがあった。しかしながら、このことは最初からわかっていたのではなかった。定常領域の変化またはその修飾はCD4結合に悪影響を及ぼす可能性があった。それゆえ、抗体特性、とりわけCD4抗原結合に対する修飾の効果を決定するために、得られた抗体をアッセイした。抗原結合に対する定常ドメインスイッチが及ぼす可能性のある効果を測定するため、公知のアッセイ法を用いることができる。とりわけ、CD4とCE9.1、CE9γ4、CE9γ4λK、CE9γ4EおよびCE9γ4PEとの相互作用の研究を、スキャッチャード分析および表面プラスモン共鳴(surface plasmon resonance)(SPR)により行った。これらアッセイの結果は、各被験抗体へのCD4結合が等価であることを示した。抗体へのCD4結合の25℃での平衡解離定数は、SPRによりすべて約1.0ナノモルであることがわかった。これら測定はさらに以下のことを示している:(1)抗体へのCD4結合は2部位独立および同一結合モデルにより起こる;および(2)抗原結合ドメインの機能的結合特性は、ガンマ1、ガンマ4または変異ガンマ4アイソタイプを含む抗体のFc部分に施した構造的修飾とは独立である。それゆえ、本発明は、IgG1とIgG4との間でのアイソタイプスイッチが抗原結合親和性を損なうことなく抗体、さらに詳しくはCD4に対する抗体を設計するうえで有用な戦略であるという証拠を提供する。また、以下に記載するように、ガンマ1定常ドメインをガンマ4で置換すると、Fc受容体結合、補体結合およびT細胞枯渇活性が実質的に低減され、さらにEおよびP修飾はそれぞれFc受容体結合およびT細胞枯渇活性をさらに排除し、抗体の安定性を高めることがわかった。それゆえ、本発明に従って製造した(ヒトガンマ4定常ドメインまたはその変異形を含むように設計した)他のキメラ抗体をFcエフェクター機能変化により選択して、T細胞枯渇活性が実質的に欠失しているかまたは完全に欠失しているもの、および/または安定性の高められたものとしうることは妥当なことである。T細胞枯渇活性、Fcエフェクター機能、および抗体安定性のアッセイ法は当該技術分野で公知である。それゆえ、本発明は特定の組換え抗体を提供するものであり、該抗体はヒトCD4抗原に向けられた霊長類/ヒトキメラモノクローナル抗体であり、改善された特性、たとえば低いT細胞枯渇活性および高い安定性を示す。これら特性が得られることにより、これら組換え抗体は免疫調節剤として特別の有用性を有し、自己免疫疾患、たとえば慢性関節リウマチ、乾癬、全身性エリテマトーデス(SLE)並びに非自己免疫適応症、たとえば移植細胞対宿主病(GVHD)、臓器移植拒絶、喘息およびHIVの治療に特に有用である。本発明の抗体はまた、遺伝子療法の補助としての有用性をも有する。とりわけ、本発明の抗体は、ベクター(治療用DNAを含む)投与の前、同時または後に該ベクターに対する宿主体液応答を防いだり少なくするために投与することができる。これら疾患は、CD4関連状態の例示にすぎない。実施例に一層詳細に記載するように、CE9.1組換え抗体は、カニクイザルからの抗原結合可変Fvドメインをヒト定常領域、たとえばIgG1定常ドメインに移植することにより製造される。さらに詳しくは、CE9.1抗体はヒトガンマ1ドメインおよびラムダ定常ドメインを含む。CE9γ4、CE9γ4λK、CE9γ4EおよびCE9γ4PEは、ガンマ4定常ドメインまたはその変異形およびラムダまたはカッパ定常領域のいずれかを含む。得られた組換え抗体配列はヒト免疫グロブリン配列と区別することができない。その結果、これら抗体、並びに同様の方法により製造した他のCD4抗体は、ヒトにインビボ投与したときに、CD4に対する同様のマウスモノクローナルまたはマウス−ヒトキメラ抗体に比べて低減した免疫原性を有するかまたは免疫原性を有せず、一層遅い血清クリアランスを示すに違いない。CE9.1抗体はヒトのドメイン1に結合するが、マカークザルでは抗原提示細胞上のMHCクラスII分子との相互作用に関与する領域であるCD4に結合する。また、アッセイは他の例示した抗体がCE9.1と同じ抗原結合特性を有することを示した。CE9.1抗体についてインビトロおよびインビボの両方で強力な免疫調節活性が観察された。これら特性、すなわちマウスまたは齧歯類由来の他の公知の抗ヒトCD4モノクローナル抗体に比べて低い免疫原性、遅い血清クリアランスおよび強力な免疫調節能を有することによって、この抗体および本明細書中に記載する他の抗体は、免疫抑制が望まれる疾患、たとえば慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患および慢性炎症性疾患の長期療法に特に適している。しかしながら、これら抗体は他の多くの疾患状態、一例として橋本甲状腺炎、原発性粘液水腫、甲状腺中毒/グレイブス病、若年性悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎、自己免疫性心炎、アジソン病、未熟(premature)月経、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、重症筋無力症、多発性硬化症、男性不妊、尋常性天疱瘡、天疱瘡、交感性眼炎、水晶体性(phacogenic)ぶどう膜炎、自己免疫性溶解性貧血、特発性血小板減少性紫斑病、特発性白血球減少症、原発性胆汁性肝硬変、慢性活動性肝硬変(HBsAg陰性)、特発性肝硬変、炎症性腸疾患症候群、シェーグレン症候群、乾癬、慢性関節リウマチ、皮膚筋炎、強皮症、混合組織結合性疾患(mixed tissue connective disease)、円板状エリテマトーデス、全身性脈管炎、および全身性エリテマトーデス(SLE)の治療にも有用であるに違いないことが期待される。上記のように、慢性関節リウマチ(RA)は滑膜の炎症性疾患であり、関節の糜爛、変形および破壊という結果となる自己免疫現象の一つの明示を含む。ほとんどの自己免疫疾患がそうであるようにRAの病因は充分に定められていないが、罹患した関節での活性化CD4+Tリンパ球レベルが上昇しているという特徴を有する。現在のところRAの治療手段はなく、この衰弱性疾患の治療はもっぱら症状の寛解および短期間での機能的能力の改善に向けられている。さらに、基礎疾患に対して向けられたアザチオプリン、メトトレキセートおよびプレドニゾロンなどの第二および第三ラインの免疫抑制剤およびステロイド剤は一層重篤なケースにのみ用いられており、通常、穏やかにしか有効でなく、慢性療法に用いた場合には許容しがたい毒性を示す。対照的に、本発明の抗体は、マウスまたは齧歯類由来の他の公知の抗ヒトCD4モノクローナル抗体に比べて低減した免疫原性、より長い半減期および強力な免疫調節活性を示すという事実により、長期の慢性的な投与に適しているであろうことが期待される。本質的に、本明細書に例示する組換え抗CD4モノクローナル抗体または本発明および上記出願(参照のため引用する)の記載に従って製造した他の抗体は、とりわけ慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患の急性相の際にCD4+細胞の破壊活性を阻止または変化させることにより治療作用を発現するであろうと思われる。それゆえ、本発明による抗体の投与は、日和見感染に対する正常な宿主防御を損なうことなく、基礎疾患を保持している障害性抗原(または特定の組織)に対する免疫不応答(アネルギー)または長期寛容の状態を生じさせるであろう。RAに限らず、CD4モノクローナル抗体は上記疾患の治療に有利であるに違いなく、インスリン依存性糖尿病、全身性エリテマトーデス、肝硬変、炎症性腸疾患、多発性硬化症、並びに他の自己免疫疾患の治療に特に応用できる。本発明の抗体はまた、非自己免疫疾患、たとえば白血病、リンパ腫、移植細胞対宿主病、臓器移植拒絶、喘息およびHIVの治療にも有用である。本発明により製造した組換え抗CD4モノクローナル抗体は、下記メカニズムの1またはそれ以上により所望のインビボ治療作用を発現する:(i)CD4とMHCクラスII分子との相互作用の阻止;(ii)細胞表面CD4のダウンモデュレーション;(iii)アネルギーおよび/またはアポトーシスの誘起;(iv)CD4細胞の枯渇;または(v)自己抗原に対する寛容の誘発。CD4+細胞の一過性の枯渇は免疫抑制という結果となり、おそらく、さもなくば活動の昂進した免疫系が正常化されるが、抗CD4抗体がインビボ作用を示す主要なメカニズムは必ずしもT細胞枯渇に依存するものではない。むしろ、CD4分子への抗体の結合は、T細胞受容体に結合した抗原によるヘルパーT細胞の活性化を防ぎ、抗原特異的なT細胞アネルギーまたは寛容に導くと思われる。たとえば、ヒトガンマ1ドメインを含むCE9.1抗体は実質的な免疫抑制活性を示す。しかしながら、該抗体はチンパンジーでCD4細胞を部分的に枯渇させるにすぎない。さらに、ヒトでの結果は、該抗体が現在臨床試験されている他のモノクローナル抗体に比べて細胞枯渇が実質的に低いことを示している。また、インビボ実験モデルにおいて、臓器移植時に投与した非枯渇性抗CD4抗体によって同種移植特異的寛容が誘発された。寛容状態の維持には枯渇性抗CD4抗体は必要ではないが、抗原が継続して存在することに依存すると思われる。これら知見に基づき、本発明の組換え抗体または本発明に従って製造した他の組換え抗CD4抗体は自己免疫疾患の治療に適していることが期待される。抗CD4抗体による簡単な処理計画により、自己抗原に対するヘルパーT細胞応答が妨害され、全身性の免疫抑制なしで長期の臨床的改善がもたらされるであろう。本明細書に含まれる知見に基づき、また公知の方法を用いて、当業者であれば本明細書に例示した組換え抗CD4抗体並びに実質的に本発明に従って製造した他の抗体の安全、寛容かつ有効な投与計画を容易に実施できる。上記のように、CE9.1は抗CD4モノクローナルマカークザル−ヒトキメラ抗体であり、これはIgG1分子であってチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で発現され、ヒト免疫グロブリンフレームワーク領域と91〜95%のホモロジーを示す。それゆえ、この分子はヒトにおいて免疫原性応答が低減しているかまたは免疫原性応答を示さず、マウスモノクローナル抗体またはマウス−ヒトキメラ抗体に比べて一層長い血清半減期を示す。たとえば、該抗体が非リンパ性組織に結合するという証拠は試験において観察されていない。予想されるように、該抗体は末梢血から他の臓器にいたるリンパ細胞のすべてではないが幾つかに結合する。該抗体はまた、チンパンジーのCD4+T細胞とは反応するが、アカゲザル、カニクイザルまたはブタオザル、ヒヒ、ラット、マウスまたはウサギのCD4+T細胞とは反応しないことがわかった。それゆえ、この反応性に基づき、チンパンジーは関連する種を含み、該抗体のインビボでの薬理学的効果、すなわち有効な免疫抑制剤として機能する能力が確認される。CE9.1抗体はチンパンジーにおいて可逆性(reversible)T細胞枯渇活性を示す。さらに、該抗体は、ヒト血清で予想される一層長い半減期および可能な免疫学的副作用の低減によって、現行のマウスおよびマウス/キメラ抗CD4モノクローナル抗体に比べて改良されているようである。また、ヒト定常ドメイン配列が存在することによって、本発明の抗体はヒトに投与したときにヒト抗体の正常なエフェクター機能を保持しているであろうことが予想される。実際、CE9.1抗体および他の関連抗体のエフェクター機能は幾つかの異なるアッセイにおいて評定されている。CE9.1抗体は、混合リンパ球反応(MLR)において抑制活性を示すこと、弱いC1q結合を示すこと、しかしながら、補体媒体細胞性細胞障害は示さないことがわかった。該抗体はまた、抗体依存性補体細胞性細胞障害活性(ADDC)を示し、FcRに結合することがわかった。CE9.1抗体はまた、チンパンジーにおいてインビボで評定され、その投与がCD4細胞の部分的な枯渇およびCD4受容体の修飾を引き起こすことがわかった。CE9.1を種々の投与量でチンパンジーに投与した。さらに詳しくは、0.1、0.3、1、5および10mg/kgの投与量を7日および14日の間隔でチンパンジーに投与したときの効果を調べた。毒性についての臨床的な形跡は観察されなかった。1mg/kgまたはそれ以上の投与量は、投与24時間後に循環CD4+細胞の80〜95%の減少を引き起こした。CD4+細胞の有意の減退は、1mg/kgの投与7日後に観察されなかった。5mg/kgの投与量の後、循環CD4+細胞数は7日後にはベースラインの約40%まで、14日後にはベースラインの約60%まで回復した。10mg/kgの投与量の後では、循環CD4+細胞数は処置7日後には回復せず、投与42日後にベースラインの40%まで回復しただけであった。他の臨床病理パラメータにおいて変化は観察されなかった。CE9.1抗体をヒトでも試験した。たとえば、CE9.1抗体の活性を慢性関節リウマチ患者において単回投与−漸増相1試験(single dose−escalating phase 1)においても評定した。これらの結果は将来非常に有望なものであった。詳しくは、投与した患者の約半分において触ると痛い関節スコア(tender joint score)において少なくとも30%改善され、有害な事象プロフィル(adverse event profile)も極めて良性であった。さらに、以下に記載するように、最初のうちはCE9.1は枯渇させると思われたが、事実は該抗体は単回投与で部分的かつ一過性に枯渇を示しただけであった。該抗体の部分的な非枯渇特性は有益である。なぜなら、多くの動物試験においてCD4+T細胞枯渇が明らかにCD4モノクローナル抗体の有効性にとって必要でないことが報告されているからである。[カーテロン(Carteron)ら、「L3T4に対するモノクローナル抗体の投与の間の免疫寛容の誘発はL3T4+細胞に依存しない」、Underlying Journal of Immunology、140:713〜716(1988);カーテロンら、「F(ab')2抗CD4および完全抗CD4モノクローナル抗体は狼瘡がちのNZB/NZWマウスの腎臓においてCD4+T細胞、CD8+T細胞およびBTT細胞およびB細胞の蓄積を阻止する」、Clinical Immunology Immunopathology、56:373〜383(1990)を参照]。それゆえ、該抗体は、(i)CD4とそのカウンターレセプターMHC IIとの相互作用を阻止することによって、または(ii)細胞表面からのCD4の修飾(modulation)を引き起こすことによって、古典的な受容体アンタゴニストのように機能する。これら条件下で、CD4受容体の参与を必要とするCD4+T細胞応答は弱められるかまたは阻止される。本発明のCE9.1抗体がヒトにおいて枯渇活性をほとんど示さないという事実は有利である。なぜなら、このことは安全性を高め、CD4+細胞数を頻繁にモニターする必要をなくし、有効性をも改善するからである。CE9.1抗体を、Fc受容体および補体結合メカニズムによりインビボにおいてCD4細胞数を減少させるようにデザインした。チンパンジーにおける研究はCE9.1がCD4細胞の部分的な枯渇を引き起こすことを示しており、初期の結果はヒトでの細胞枯渇が他の公知のモノクローナル抗体に比べてはるかに低減することを示している。しかしながら、枯渇活性の欠如した抗体を産生させることも望ましい。「非枯渇」CD4モノクローナル抗体の有用性は以下の理由により改善される:(i)CD4細胞の枯渇はCD4モノクローナル抗体の有効性に必要でない;(ii)CD4細胞枯渇の不在は安全性を高めるに違いない;(iii)安全性の向上はモノクローナル抗体を疾患プロセスの初期に使用することを可能にする;(iv)CD4細胞枯渇の不在は有効性を高めるに違いない;および(v)CD4細胞枯渇の不在はCD4細胞数を頻繁にモニターする必要を回避または低減させ、それゆえ治療全体の便利さおよびコストが向上する。このことは、多くの動物モデルにおいてCD4+T細胞枯渇がCD4モノクローナル抗体の有効性に必要でないことが示されているという事実により支持されている。それゆえ、非枯渇CD4モノクローナル抗体は、(i)CD4とそのカウンターレセプターMHC IIとの相互作用を阻止することにより、(ii)細胞表面からのCD4の修飾を引き起こすことにより、または(iii)T細胞アネルギーおよび/またはアポトーシスを引き起こすことにより古典的な受容体アンタゴニストのように機能する。それにより、CD4受容体の参与を必要とするCD4+T細胞応答が変えられまたは阻止される。一般に、強または高親和性の抗原により引き起こされるT細胞応答はCD4−コレセプター機能と独立であると思われ、それゆえCD4モノクローナル抗体によっては有効に阻止されない。反対に、弱い抗原(自己抗原など)に対するT細胞応答はCD4−コレセプター機能を必要とし、それゆえCD4モノクローナル抗体により抑制される。通常、強い自己反応性のT細胞(自己抗原に対する高親和性TCRを有するT細胞)は「クローン欠失」により胸腺中で排除され、それゆえ末梢部では出現することはない。対照的に、自己免疫応答を引き起こすT細胞は、末梢寛容の正常なメカニズムを逃れた弱い自己反応性の細胞であると思われる。そのような細胞は、応答の完全な作動(elaboration)のためにCD4などのコレセプターの参与に依存する。それゆえ、コレセプターの阻止はこれらT細胞から非常に重要なコシグナリング機能を奪い、その結果、部分的な活性化またはアネルギーとなる。また、上記のように、安全性の一層増大した(一層長いインビボ半減期)CD4特異的なキメラ抗体を産生することも、さらに望まれる。この目的のため、ガンマ4ヒト定常ドメインを含む種々のキメラ抗体を合成した。このドメインを選択したのは、該ドメインがヒト補体やFCγ1受容体に明らかに結合しないからであった。それゆえ、該定常ドメインを含むキメラ抗体はT細胞枯渇活性を欠如しているかまたは実質的に欠如していると仮定された。また、ガンマ4定常ドメインに公知の修飾を施した幾つかの抗体も作成した。とりわけ、幾つかの抗体はダンカン(Duncan)らのNature、332:563〜564(1988)およびウインター(Winter)らのWO88/07089(1988)に記載された「E」修飾を含んでおり、該修飾は補体およびFCγ1受容体結合を低減させると開示されている。この修飾は、あらゆる残留Fc受容体結合を軽減する236位(248カバット番号)でのロイシンのグルタミン酸への変化を含む。また、幾つかのキメラ抗体はアンガル(Angal)らのMol.Immunol.、30:105〜8(1993)に開示されている「P」修飾を含む。229位(241カバット番号)でのセリンのプロリンへの変化を含むこの修飾は、重鎖間でのジスルフィド結合を安定化させることにより安定性(血清半減期)を高め、該修飾を欠くキメラIgG4に比べて改善組織分布を高めると報告されている。さらに詳しくは、CE9γ4の開発の理論的根拠は、補体結合を排除し、FcR結合活性を減少させることであった。この抗体は、ヒトガンマ4定常ドメイン(ガンマ1ではなく)を含む点でCE9.1と異なる。しかしながら、このことは望ましいことであったが、その成果は日常的または予想しうる性質のものではなかった。実際、本発明者らは非修飾γ9を含むキメラ抗体がγ2抗体と同じFc受容体結合を有することを見出した。対照的に、CE9γ4λK製造の理論的根拠はγ4構築物の生産性を高めることにあった。この抗体は、ヒトラムダ軽鎖の代わりにヒトカッパ軽鎖を含む点でCE9.1と異なる。CE9γ4抗体の刺激単球および単球細胞株への結合を測定するFc受容体結合アッセイによるインビトロでの該抗体の評定は、該抗体が依然としてFc受容体結合活性を有していることを示した。さらに、このアッセイにおいてCE9γ4結合はCE9.1(ガンマ1)と区別しえなかった。それゆえ、CE9γE製造の理論的根拠は、非修飾γ4を含むキメラ抗体に対して残留するあらゆるFcR結合性を完全に排除することにあった。CE9γEは、一つの部位で修飾した(E修飾)ガンマ4定常ドメインを含む。最後に、CE9γ4PE製造の理論的根拠は、非修飾γ4または一つの部位に変異(E修飾)を含むキメラ抗体に対して安定性を高めることにあった。この抗体は、2つの部位で修飾した(PおよびE修飾)ガンマ4定常ドメインを含む。上記のように、ヒトγ4定常ドメインを、エフェクター機能、すなわちヒトFcγ受容体またはC1qとの反応性の排除、およびインビボでのCD4+細胞の枯渇の不在のためのアイソタイプとして選択した。これら4つの候補を選択し、CHO細胞で発現させた。これら候補モノクローナル抗体の2つ、すなわちCE9γ4EおよびCE9γ4PEをさらに検討するために選択した。上記のように、これら抗体は両者とも、γ4定常領域に付随する残留FcR結合を除去するためにCH2領域中にグルタミン酸置換が導入されている。さらに、CE9γ4PEは、重鎖ジスルフィド結合相互作用の安定性を高める目的でヒンジ領域中にプロリン置換を含む。これら抗体は、CD4に対する親和性、分子量、熱変性に対する安定性、MLRの抑制、FcRへの結合の不在、およびADCCおよびCDCにおける活性の欠如において互いに区別できないことがわかった。それゆえ、これら両者抗体は、FcRおよび補体エフェクター機能を有しない高親和性CD4モノクローナル抗体のインビトロでの基準を示す。CE9.1およびCE9γ4PEの特性を表1において比較してある。低減したFc受容体結合配列は、1γ1含有キメラ抗体に比べてFc受容体への結合が低減した、好ましくは少なくとも30〜80%低減した、より好ましくは少なくとも50〜80%低減した、最も好ましくは完全に排除されたキメラ抗体を指すことを意図したものである。しかしながら、非修飾ガンマ4キメラ抗体で得られた結果から明らかなように、所望の成果は予想しえる性質のものではなかった。それゆえ、これら結果から、ヒトCD4に結合し、特定の定常ドメイン配列の選択によってある種のエフェクター機能を欠くキメラ抗体を本発明に従って製造しうることが確認された。例示したキメラ抗CD4抗体または本発明に従って製造した他のキメラ抗体を自己免疫疾患、たとえば慢性関節リウマチの治療のための免疫抑制剤またはCD4モジュレーターとして用いるに際して、かかる抗体を単独または特定の疾患状態の治療に適した他の化合物とともに投与することができる。たとえば、たとえば、本発明の抗体は、他のタンパク質、たとえばTNF−アルファに対するモノクローナル抗体可溶性受容体タンパク質、IL2受容体に対するモノクローナル抗体、CD40/gp39相互作用をアンタゴナイズするモノクローナル抗体と受容体との融合タンパク質、およびB7/CD28相互作用をアンタゴナイズするモノクローナル抗体中のCTLA4−Igと組み合わせて投与してよい。また、慢性関節リウマチの治療の場合、本発明の抗体を他の治療剤、たとえばラパマイシン、レフルノミド、テニダップ、RS−61443(マイコフェノレートモフェチル(Mycophenolate Mofetil))、スレニル(Surenyl)(ヒアルロン酸ナトリウム)、抗TCR(Vβ17)ペプチドワクチン、アネルバX(Anerva X)(抗MHCワクチン)、および体外プロテインA免疫吸着剤またはそれらの組み合わせとともに投与してよい。さらに、本発明の抗体は、本発明に従って製造した他の抗体またはヒトCD4に特異的な当該技術分野で公知の他の抗体とともに投与してよい。このことにより、これら抗体がたとえばCD4タンパク質の異なるエピトープに結合する場合には相乗効果を示す結果となる。下記実施例は、本発明をさらに記載するために提示するものである。実施例1CD4に対する特異性を有するサル/ヒトキメラ抗体のクローニングおよび発現以下に示すのは、本発明の方法および抗体の特別の例示である。サル不死化B細胞株の生成成体カニクイザル(ホワイト・サンズ・ニュー・メキシコ・プライメート・センター(White Sands New Mexico Primate Center))を、標準アジュバントを用い、150〜300μgの可溶性CD4(sCD4)またはCD4陽性細胞株SupT1からの細胞膜(1×108細胞)で複数の箇所にて筋肉内で免疫した。免疫を2〜3週間毎に合計6回繰り返した。サルの片方の腿部の鼠蹊部に100μgのsCD4を注射することによりブースター投与を行い、1週間後、同腿部から水きりしたリンパ節を外科的に摘出した。リンパ節組織をかきまぜ(slicing)、滅菌DMEM培地で濯ぐことにより該組織からリンパ球を取り出した。細胞浮遊液をナイロンガーゼに通し、1000×gで10分間遠心分離にかけることにより回収した。約1×108のリンパ球をトリス−塩化アンモニウム緩衝液(16mM、pH7.5)中に浮遊させ、37℃に5分間温めて赤血球を溶解させた。リンパ球を遠心分離により回収し、L−ロイシンメチルエステル(LME)中に再浮遊させ、37℃で45分間インキュベートした。LME処理した細胞をナイロンスクリーンで濾過し、遠心分離にかけた。1mlのウシ胎仔血清を加え、細胞を浮遊させ、血清不含RPMIで2回洗浄した。細胞数をカウントし、単一の50ml容コニカル遠心管中で同数のK6H6/B5ヘテロミエローマ細胞(血清不含培地で前以て2回洗浄)と混合した。細胞を、1分間かけて穏やかに撹拌しながらゆっくりと加えた1mlの50%PEG(ポリエチレングリコール)中に穏やかに浮遊させた。ついで、穏やかに撹拌しながら5分間かけて20mlの血清不含培地を加えて再浮遊させてPEGを希釈した。血清不含培地で2回洗浄した後、20%ウシ胎仔血清およびゲンタマイシンを含有するRPMI培地中に5×105/0.1mlの濃度にて再浮遊させ、0.1ml/ウエルにて96ウエルマイクロ組織培養プレート中に入れた。各ウエルに等容量のHAT培地(0.1ml)を加え、スクリーニングする前にハイブリドーマを14〜17日間増殖させた。抗CD4産生についての融合細胞ハイブリドーマのスクリーニング抗CD4特異性を決定するアッセイは以下のようであった:ELISAプレートを組換えsCD4で100ng/ウエルの濃度にてコーテイングし、PBS中の1%ウシ血清アルブミンでブロツクした。ハイブリドーマ上澄み液の50μlアリコートを各ウエルから取り、sCD4コーテイングプレートとともに60分間インキュベートした。125I標識ヤギ抗ヒトまたはヤギ抗サルIgとともに60分間インキュベートすることにより結合を検出した。蒸留水で4回洗浄した後、ウエルをガンマカウンター中でカウントした。陽性のウエルを2回再アッセイし、それらウエルからのハイブリドーマ細胞を3回、最初は5細胞/ウエルにて、ついで1細胞/ウエルにて2回、サブクローニングした。この段階で抗sCD4陽性を細胞表面CD4へ結合する能力についてスクリーニングした。このことは、抗CD4マウスモノクローナル抗体(1F3と称する)のCD4陽性細胞株SupT1への結合の抑制により行った。簡単に説明すると、このことは、種々の量のサル抗CD4および10μgの125I標識1F3を96ウエルプレート中で3×105SupT1細胞/ウエルとともに同時にインキュベートすることにより行った。室温(約20〜25℃)で1時間インキュベートした後、細胞を真空によりガラス繊維フィルター上に取った。PBSで充分に洗浄した後、フィルターをガンマカウンターでカウントして、1F3のSupT1細胞への結合のサルハイブリドーマ上澄み液による抑制を決定した。1F3に対して強い抑制を示す抗体を産生する候補クローンを選択した。クローンを、ヒトアイソタイプ決定試薬を用いてアイソタイプを決定したところ、ラムダ軽鎖を有するIgG2であることがわかった。この細胞株の免疫グロブリン遺伝子をクローニングするため、より多数まで増殖させた。サル不死化B細胞からの重鎖および軽鎖可変領域遺伝子のクローニンググアニジニウムイソチオシアネート法を用い、1×107のサル不死化B細胞から全RNAを単離した。全RNAの1/10を用い、オリゴ−dTオリゴヌクレオチドプライマーおよび逆転写酵素を用いて一本鎖cDNAを作成した。一本鎖cDNAの1/10を用いてPCR反応を行った。6つのPCR反応は、それぞれ、Nhe I部位を含むIgG3'定常領域オリゴヌクレオチドとともにSal I制限部位を含む6つの5'VHファミリー特異的オリゴヌクレオチドプライマーの一つを含んでいた(ともに図7−1に示す)。同様に、Bal II部位を含む5つの5'ラムダリーダー配列オリゴヌクレオチドプライマーの一つおよびAvr II部位を含む3'ラムダ定常領域プライマーを用い、5つのPCR反応を行った。反応条件は上記の通りであった。各PCR反応は3回ずつ行った。重鎖および軽鎖増幅反応のそれぞれの生成物を1.2%アガロースゲル上の電気泳動にかけた。VH4重鎖プライマーおよびラムダプライマーは、アガロースゲル電気泳動上で強いバンドを与えた。これら反応の生成物を用いてベクターTCAE6(ヒトIgG1およびヒトラムダ定常領域配列を含む)中にクローニングした。発現ベクターTCAE6中への2つの可変領域遺伝子のクローニングを順番に行った。まず、重鎖PCR産物およびベクターTCAE6を制限酵素Sal IおよびNhe Iで消化し、生成物をフエノール/クロロホルム抽出し、セファデックス(SEPHADEX)G−25スピンカラムを通した。PCR産物をT4DNAリガーゼの存在下、14℃にて一夜、切断ベクターにライゲートした。合計約500ngのDNAを10μlの容量にて挿入物/ベクターモル比10:1でライゲートした。ライゲートした物質を用いてXL−1Blueコンピテント細胞(ストラタジーン)を形質転換し、形質転換した細胞を50μg/mlのアンピシリンを含有するLBアガープレート上に播種した。アンピシリン耐性のコロニーを取り、5mlのミニ培養(minicultures)として増殖させた。これら各培養液からプラスミドDNAを標準アルカリ溶解法により抽出し、制限酵素Sal IおよびNhe Iで切断し、生成物を1.2%アガロースゲル上の電気泳動にかけた。約450bpの挿入物を有するプラスミドをその後の軽鎖可変領域のクローニングのための鋳型として用いた。軽鎖PCR反応の生成物および重鎖挿入物を含有するプラスミドを制限酵素Bgl IIおよびAvr IIで切断し、一緒にライゲートした。Bgl IIおよびAvr IIで切断することにより、プラスミドミニ培養をスクリーニングした。約400〜450bpの挿入物を与える消化物を陽性としてスコアした。Sal I/Nhe IおよびBgl II/Avr IIの両挿入物を含有するプラスミドをDNA配列決定のためさらに大量に増殖させた。タンデムなキメラ抗体発現ベクターTCAE5.2およびTCAE6は、ベクターCLDNに由来するものであり、ベクターCLDN自体はベクターRLDN10bの誘導体である[253 Science、77〜79(1991)]。RLDN10bは発現ベクターTNDの誘導体である[7 DNA、651〜661(1988)]。RLDN10bはベクターTNDと以下の点で異なる。ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)転写カセット(プロモーター、cDNA、およびポリアデニル化領域)を、組織プラスミノーゲンアクチベーターカセット(t−PA発現カセット)とネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(NEO)カセットとの間に、これら3つのカセットがタンデムになり同じ転写方向となるように置いた。さらに、CLDN中のDHFR遺伝子プロモーターはマウスベータグロビンメジャープロモーター[3 Mol.Cell.Biol.、1246〜54(1983)]で置換され、t−PA cDNAはポリリンカーで置換されていた。3つのすべての真核転写カセット(発現、DHFR、NEO)は、制限エンドヌクレアーゼNot Iで消化することにより細菌プラスミドDNA(pUC9誘導体)から分離することができる。CLDNはポリリンカーの前のラウスLTRがヒトサイトメガロウイルス前初期遺伝子プロモーターエンハンサーで置換されているのでRLDN10bと異なる[41 Cell、521(1985)]。発現ベクターTCAE5.2およびTCAE6は以下の点でCLDNと異なる:(1)これら発現ベクターは4つの転写カセット(3つのカセットの代わりに)をタンデムに含有する:(a)PCRによるcDNAの増幅によって得られたヒト免疫グロブリン軽鎖定常領域。これはTCAE5.2ではヒト免疫グロブリン軽鎖カッパ定常領域(カバット番号でアミノ酸108〜214、アロタイプKm3)であり、TCAE6ではヒト免疫グロブリン軽鎖ラムダ定常領域(カバット番号でアミノ酸108〜215、遺伝子型Ozマイナス、Mcgマイナス、Keマイナスアロタイプ)である。(b)ヒト免疫グロブリン重鎖定常領域;両構築物においてヒト免疫グロブリン重鎖はガンマ1定常領域(カバット番号でアミノ酸114〜478アロタイプGm1a、Gm1z)であり、これはPCRによるcDNAの増幅によって得られたものであった。(c)DHFR;それ自体の真核プロモーターおよびポリアデニル化領域を含む。(d)NEO;これも、それ自体の真核プロモーターおよびポリアデニル化領域を含む。(2)ヒト免疫グロブリン軽鎖および重鎖カセットは、免疫グロブリン鎖の分泌のための合成シグナル配列を含む。(3)ヒト免疫グロブリン軽鎖および重鎖カセットは、軽鎖および重鎖免疫グロブリン可変領域の挿入を可能とし、翻訳読み取り枠を保持し、免疫グロブリン鎖に通常認められるアミノ酸を変えることのない特定のDNAリンカーを含む。上記変化を導入することにより、ベクターTCAE5.2およびTCAE6が構築された。抗CD4ヘテロハイブリドーマ細胞株E9.1からの免疫グロブリン軽鎖および重鎖可変領域遺伝子のTCAE6中へのクローニングにより、ATCCに寄託した構築物が得られた。寄託してありCE9.1抗体をコードする構築物は、抗CD4ハイブリドーマ細胞株E9.1からクローニングしたカニクイザル免疫グロブリン重鎖可変領域およびカニクイザル免疫グロブリン軽鎖可変領域(その配列は、それぞれ図1および図2に示してある)を含む。重鎖定常領域はヒト由来のガンマ1アイソタイプであり、Gm1a、Gm1zアロタイプである。ラムダ軽鎖定常領域もまたヒト由来であり、Ozマイナス、mcgマイナス遺伝子型であり、Keマイナスアロタイプである。免疫グロブリン遺伝子を上記出願(参照のため本明細書中に引用する)に記載された哺乳動物発現ベクターTCAE6中にクローニングすると、該ベクターを哺乳動物細胞株CHO中にエレクトポレーションしたときにサル/ヒト抗CD4キメラ抗体を産生した。本明細書に記載したDNA構築物を用いて細菌株XL−1Blueを形質転換し、抗生物質アンピシリンで選択し、15%グリセリンを含有する滅菌LB培地中の細菌菌体浮遊液として寄託した。DNA配列決定プラスミドDNAを培養液から調製した。これをさらに2.5M塩化ナトリウムと20%ポリエチレングリコール(6容量)との混合物で氷上で15分間沈殿させる(1容量)ことにより精製した。10,000×gにて20分間遠心分離後、ペレットを70%エタノールで洗浄し、再度遠心分離し、スピーディバック(Speedivac)(サバント(Savant))で乾燥させた。このDNAのペレットを脱イオン水中に150〜250μg/mlの濃度にて再懸濁させた。5μgの二本鎖DNAに対してサンガーの方法を用いて配列決定を行った。発現ベクター内の軽鎖かまたは重鎖のいずれかの挿入物の上流および下流の配列に相補的なシークエンシングプライマーを用いた。これら挿入物を5'→3'および3'→5'の両方向に配列決定した。PCR反応の間にヌクレオチド変化が導入されていないか否かを決定するため、それぞれPCR反応から得られた抗CD4軽鎖の2つのクローンおよび抗CD4重鎖の2つのクローンを別々に平行して配列決定した。選択した重鎖および軽鎖の両クローンはその全長にわたって同一であることがわかり、増幅プロセスの間に誤りが導入されなかったことが確認された。抗CD4重鎖および軽鎖の配列を図1および図2に示す。サル/ヒトキメラ抗CD4の発現発現ベクターTCAE5.2およびTCAE6は細胞株Sp2/0およびCHO中での安定な導入発現に用いることができるのみならず、SV40複製起点を含むために細胞株COS中でも一過性に発現することができる。COS細胞発現は以下のようにして行った:COS細胞をトランスフェクションの1日前に播種して翌日に50〜70%コンフルエント細胞となるようにした。培地を除き、細胞をトランスフェクション緩衝液(TB−140mM NaCl、25mMトリス、5mM KCl、0.5mM Na2HPO4、1mM MgCl2、1mM CaCl2)で2回洗浄した。抗CD4サル/ヒトキメラ重鎖および軽鎖免疫グロブリン鎖を含有する塩化セシウム洗浄TCAE6プラスミド(30μg)を、1皿当たり3mlのDEAEデキストラン(TB中に1mg/ml)と混合した。DNAを細胞とともに37℃にて1時間インキュベートした。DNA溶液を除き、20%グリセリン(3ml)と1.5〜2.5分間置換し、その後、細胞をTBで2回洗浄した。細胞を100μMクロロキンを含有する新たな培地(5ml)中で37℃にて3〜5時間インキュベートし、その後、培地で2回洗浄し、通常のDMEMとともに72時間インキュベートした。トランスフェクションしたCOS細胞からの上澄み液(100μl)を種々の濃度にて抗体の存在についてELISAベースの方法によりアッセイした。ヤギ抗ヒトラムダを用いて96ウエルアッセイプレートをコーテイングし、ペルオキシダーゼ標識したヤギ抗ヒトIgGを検出抗体として標準ELISA条件下で用いた。COS細胞は10〜40ng/mlのサル/ヒトキメラ抗体を産生することがわかった。より多量の上澄み液を10倍に濃縮し、CD4陽性SupT1細胞に対する直接結合RIAに用いた。親の全サル抗体および関連のないヒト抗体免疫グロブリンを、それぞれ、正および負の対照として用いた。また、サル抗CD4およびサル/ヒトキメラ抗CD4を用いて高親和性マウス抗CD4(1F3)抗体への結合を抑制した。これら結果は、サル/ヒトキメラ組換え抗体(ATCC No.69030)がCD4陽性細胞に結合するのみならず、全サルまたは1F3自体とほぼ同じ濃度にてCD4陽性細胞への1F3の結合を抑制しうることを示した。実施例2本実施例は、T細胞増殖およびMLRにおけるIL−2産生に対する影響、Fc受容体および補体結合特性、およびADCCおよびCDC応答を媒体する能力を含むCE9.1のインビトロ機能特性に関する。さらに、CD4受容体媒体に対するインビボ効果および末梢血におけるリンパ球を分析した。以下のことを分析した。以下の材料および方法を本実施例に用いた。[アンダーソン(Anderson)ら、「ヒトCD4に対する霊長類化モノクローナル抗体のインビトロおよびインビボ特徴付け:モノクローナル抗体はCD4受容体調節を引き起こすがチンパンジーにおいてCD4 T細胞枯渇は引き起こさない」]。材料および方法霊長類化(PRIMATIZEDTM)抗CD4の分子構築および発現以前に記載されたようにして[ニューマン(Newman,R.A.)ら、「ヒトの免疫療法のための組換え抗体の霊長類化:ヒトCD4に対するマカークザル/ヒトキメラ抗体」、Biotechnology、10:1455(1992)]、可変領域免疫グロブリン遺伝子をPCRにより増幅し、sCD4で免疫したサルから得たヘテロハイブリドーマからクローニングした。重鎖および軽鎖可変領域遺伝子をカセット発現ベクターTCAE6中にタンデムに挿入し、DHFR-CHO細胞中に安定に導入した後にIgG1λとして発現させた[ニューマンら、上掲]。増大量のメトトレキセート中での3ラウンドの増幅により、8日間にわたって750μg/mLの過剰の抗体レベルを発現する細胞株が得られた。製造細胞株を生成し、これを浮遊培養で増殖させ、中空繊維リアクターを接種する前に段階的に拡張させた[エバンス(Evans)ら、「中空繊維バイオリアクターを用いたマウスモノクローナル抗体の大スケール製造」、BioTechniques 6(8):762(1988)]。リアクターからの培養上澄み液を、前以てリン酸緩衝食塩水(pH7.2)で125ml/分にて平衡化しておいたプロセプ(Prosep)Aカラム(300ml、バイオプロセシング・インク(Bioprocessing Inc.))に通すことによりモノクローナル抗体CE9.1を精製した。このカラムをベースラインが確立されるまでPBSで洗浄し、結合抗体を5カラム容量の0.2M酢酸/0.1Mグリシン緩衝液(pH4.0)で溶出した。溶出液をpH5.5とし、Q−セファロースカラム(ファルマシア)に通した。CE9.1はカラムに結合し、これを25mMトリス−HCl(pH8.5)で洗浄した。抗体を100mM NaClを含有する50mMトリス−HCl(pH6.5)で溶出し、USP注射用通常食塩水に対する脱濾過(defiltration)(ミリポア・ペリコン(Millipore Pellicon))により濃縮した。最後にCE9.1を0.04μmナイロン66NDPフィルター(ポール・フィルトレーション(Pall Filtration))で濾過した。結合特異性:CE9.1のCD4+SupT−18細胞への結合96ウエルのU底マイクロタイタープレート(コーニング(Coning))を、0.2%ウシ血清アルブミンおよび0.1%アジ化ナトリウムを含有するPBSで氷上、1時間、プレブロッキングした。同緩衝液で前以て洗浄したSupT−18細胞(1×105)を、種々の濃度(2.4pg/mL〜10μg/mL)のCE9.1と氷上で30分間インキュベートした。細胞を2回洗浄し、第二層抗体(FITC−標識ヤギ抗マウスIg)とともに氷上で30分間インキュベートした。細胞を2回洗浄し、固定緩衝液(PBS中の2%ホルムアルデヒド)中で再浮遊させ、ファックスキャン(FACScan)フローサイトメトリー(ベクトン・ディッキンソン(Becton Dickinson))を用いて分析した。結合特異性:ヒト末梢血白血球へのCE9.1の結合のフロー分析標準フィコール/ハイパック(Ficoll/Hypaque)遠心分離法[ボユム(Boyum,A.)、「血液白血球、顆粒球およびリンパ球の分離」、Tissue Antigens 4:269(1974)]を用い、単核白血球をヒト末梢血から単離した。末梢血単核白血球(PMNC)を含有する界面層を取り、ハンクスの平衡塩類溶液(HBSS)で洗浄し、細胞数をかぞえた。5×106細胞を20μlのCE9.1(25μg/mL)とともに4℃で30分間インキュベートした。ついで、細胞をHBSSで洗浄し、20μlのヤギ抗体ヒトIGG−FITC(フィッシャー・サイエンティフィック(Fisher Scientific))とともにインキュベートした。氷上でさらに30分間インキュベートした後、自動補正および検量(Calibrite)ビーズでの前検量を用いたベクトン・ディッキンソンファックスキャン装置にて細胞を分析した。生きたリンパ球集団を前方(forward)光vs直角光散乱により同定し、全リンパ球集団を他の事象をゲーティングする(gating out)ことにより単離した。その後の蛍光測定はゲーティングしたリンパ球事象のみを反映していた。二重染色細胞の定量およびその後のチンパンジー血に対する研究に用いたモノクローナル抗体としては、抗ヒトCD3(Leu−4−FITC;ベクトン・ディッキンソン);フルオレセイン結合抗ヒトCDS(Leu−2a−FITC;ベクトン・ディッキンソン);フィコエリトリン結合抗ヒトCD8(Leu−2a−PE;ベクトン・ディッキンソン);フィコエリトリン結合抗ヒトCD20(Leu−16−PE;ベクトン・ディッキンソン);フルオレセイン結合ヤギ抗ヒトIgG F(ab')2(カッペル(Cappel));およびフィコエリトリン結合マウス抗CD4(OKT4:オルソ・ファーマシューティカルズ(Ortho Pharmaceuticals))が挙げられる。ヒト組織交差反応性CE9.1をヒト正常組織上で交差反応性について評定した。アビジン−ビオチンイムノペルオキシダーゼ法[ウイルチック(Wilchek,M.)ら、「生物分析的応用におけるアビジン−ビオチン複合体」、Anal.Biochem.、171:1(1983)]を用い、ビオチン化CE9.1を32の異なる組織からのクリオスタット切断凍結切片上で試験した。SupT1細胞(CD4+)を正の対照として用い、SB細胞(CD4-)を負の対照として用いた。関連のないビオチン化マウス/ヒト(IgG1)キメラ抗体を負の抗体対照として用いた。大抵の組織について3つの別々の試料を調べ、CE9.1との反応性を0〜3+のスケールで評価した。幾つかの組織については組織内の異なる構造を別に評価した。たとえば、肝臓では肝細胞、胆管およびクッパー細胞を独立に評価した。種特異性幾つかの一般的な研究室霊長類および非霊長類からの末梢血を、CD4陽性T細胞との可能な交差反応性を同定するためにCE9.1を用いてスクリーニングした。この群には、チンパンジー、ヒヒ、アカゲザル、カニクイザル、ブタオザオザル、ラット、マウス、ウサギおよびイヌが含まれていた。血球を全血(1〜5mL)から4℃での遠心分離(1500rpmにて5分間)により単離し、等容量のPBS中に再浮遊させて洗浄した。このプロセスをもう1回繰り返し、血球を等容量のウシ胎仔血清中に再浮遊させた。各種からの200μlの血球浮遊液を20μlのCE9.1(25mg/mL)とともに15mL容のコニカル遠心管に入れた。抗体と血球とを混合し、氷上に30分間置き、ついでHBSSで充分に洗浄した。ついで、20μlのヤギ抗体ヒトIgG−FITC(フィッシャー・サイエンティフィック)を加え、試料を混合した。氷上でさらに30分間インキュベートした後、試料を氷から取り、前以て37℃に温めておいた10mLの溶解緩衝液(0.16M塩化アンモニウムおよび0.1M EDTAナトリウムを含有する0.01M重炭酸カリウム、pH7.4)を加えた。試料を室温にて15分間インキュベートし、ついで1500rpmにて5分間遠心分離にかけた。標識された血球ペレットを1%ウシ血清アルブミンおよび0.05%アジ化ナトリウムを含有するHBSS(pH7.4)中でさらに2回洗浄した。標識血球を固定化緩衝液(1.0%ホルムアルデヒドを含有する0.5M塩化ナトリウム;0.22μmのフィルターで濾過)中に再浮遊させることにより固定した。試料を上記ベクター・ディッキンソンファックスキャン装置で分析した。インビトロ機能アッセイ:一者(one way)および三者(three way)混合リンパ球反応ヒトまたはチンパンジーT細胞(1.3×105)をCE9.1とともにまたはCE9.1なしで、平底マイクロウエル中、それぞれヒトまたはチンパンジー由来の関連のない提供者から得たマイトマイシンC処理PBMC(6.0×104)とともに7日間培養した。1μCi/ウエルのトリチウム化チミジンを、培養の最後の18時間の間に培養液に加えた。マイクロタイタープレートを遠心分離にかけ、細胞ペレットをHBSSで洗浄し、ついで液体シンチレーションカウンターでカウントした。各試料をを3回アッセイした。3つの別々の関連のないドナーをスティミュレーターおよびレスポンダー混合物として用いてヒトMLRを行った。このプロトコールを採用したのは、赤十字バフィーコート血液のHLA特性付けされていないランダムな試料で良好な応答が得られる機会を最大にするためであった。このプロトコールではドナー血液はいずれもマイトマイシンCで処理することも放射線処理することもなかった。CE9.1のFc受容体結合活性を測定するためのTHP−1細胞接着アッセイこのアッセイは、2つの細胞株、すなわちCD4を発現する一方の細胞株とFc受容体を発現する他方の細胞株との間での抗CD4抗体による架橋に依存する。使用したCD4発現パートナーは、ヒトCD4でトランスフェクションした接着性マウス線維芽細胞株DAP(DAP/CD4)であった。Fc受容体を有する細胞はTHP−1であった。DAP/CD4細胞を96ウエル平底プレート中に入れ(100μl/ウエル;25,000細胞/ウエル)、一夜接着させた。THP−1細胞を50mLのRPMI培地中に再浮遊させ(1×106細胞/mL)、50U/mLのγIFNを加えることにより37℃で24時間誘発させた。γIFN誘発THP−1細胞をカルシン(calcine)アセトメトキシエステル(CAM、モレキュラー・プボーブズ(Molecular Probes))で以下のようにして負荷した;細胞を負荷緩衝液(カルシウムおよびマグネシウムおよび0.1%ウシ血清アルブミンを含有するダルベッコPBS)で洗浄し、10mLの同緩衝液中に5×106細胞/mLにて再浮遊させた。CAM(DMSO中に1mg/mL)を負荷緩衝液で希釈し(1:50)、THP−1細胞浮遊液に1:1v/vにて加えた。室温にて20分間インキュベートした後、25mLの新鮮な負荷緩衝液を各4mLの細胞/CAM混合物に加え、室温にてさらに40分間インキュベートした。ついで、細胞を負荷緩衝液で2回洗浄し、8×106細胞/mLにて再浮遊させた。PBS中のCE9.1の系列希釈(カルシウム、マグネシウムまたはBSAなし)をCD4+DAP細胞を入れたウエルに加え、室温にて5分間インキュベートした。ついで、50μlのCAM負荷THP−1細胞浮遊液を加え、プレートを暗所、室温にて1時間、インキュベートした。DAP細胞なしの対照ウエルもアッセイした。インキュベート後、ウエルでPBSで3回洗浄した。最後の洗浄後、ウエル当たり100μlのPBSを加え、ついで10μlの20%トリトンX−100を加えた。シェーカー上に10〜15秒間置いた後、プレートをフルオロスキャン(Fluoroscan)(MTX・ラブ・システムズ・インク(MTX Lab Systems Inc.))で読み取った。CE9.1のFc受容体結合活性を測定するための活性化単球結合アッセイ以下の差異を有する他は、上記THP−1細胞の記載と同様にしてFc受容体アッセイを行った。単球の調製は、標準フィコール/ハイパックおよびパーコール(Percoll)勾配分離により新鮮なヒト末梢血から行った。単球を上記のようにしてγIFNで刺激したが、刺激は48時間行った。プレートを刺激単球で24時間コーティングし、このアッセイではCD4+細胞株supT−18を上記CAMで負荷した。ついで、SupT18細胞を、上記刺激単球でコーティングしたプレートに加えた。このアッセイの主な差異は、負荷されプレート上のFc含有細胞に加えられるCD4+細胞株CAMである。THP−1細胞を用いる上記アッセイにおいて順序は逆であった。FcγIIトランスフェクションマウス線維芽細胞への結合ヒトFCRHでトランスフェクションしたマウス線維芽細胞株(CDW32−L)をATCCから得た。CE9.1をsCD4の存在下および不在下でインキュベートすることにより、該抗体の直接結合を決定した。CE9.1の結合の検出は、西洋ワサビペルオキシダーゼにコンジュゲートしたヤギ抗ヒトIg抗体(サザーン・バイオテク(Southern Biotech))とともにインキュベートすることにより行った。CE9.1のFabフラグメントは酵素消化により得られ、負の対照として用いた。sCD4の存在下で細胞とともに前以てインキュベートしたCE9.1(またはFabフラグメント)から得られた吸光値を、sCD4の不在下での抗体から得られた吸光値から差し引いた。ADCCアッセイ(supT1細胞の溶解)新鮮なヘパリン処理ヒト血液試料を回収し、PMNCをフィコール/ハイパック上での標準遠心分離手順により単離した。バフィーコート中の赤血球を塩化アンモニウム緩衝液で溶解し、血球をハンクの平衡塩類溶液で2回洗浄した。末梢リンパ球(PBL)をRPMI/10%ウシ胎仔血清(FCS)1mL当たり10単位のIL−2で37℃、5%CO2にて24時間刺激した。24時間後、PBLをRPMI/5%FCS中に再浮遊させた。SupT1−18細胞(1×106)を100μCiの51Crとともに37℃、5%CO2にて1時間インキュベートすることにより標識した。細胞をRPMI/5%FCSで2回洗浄し、1×104細胞を各ウエルに加えた。3ロットのCE9.1抗体をRPMI/5%FCSで1:2に系列希釈し、アリコートを3つずつSUPT1−18含有ウエルに37℃、5%CO2にて30分間加えた。100μLの1%トリトンX−100および100μLの培地を、それぞれ最大および自発的放出対照として用いた。IL−2刺激したPBL(8×105細胞)をウエルに加えた。プレートを900rpmにて3分間遠心分離にかけ、37℃、5%CO2にて16時間インキュベートした。各ウエルから上澄み液を回収し、放射能の量をガンマカウンターでカウントした。アッセイは3回行った。細胞の溶解パーセントは下記式:を用いて決定した。C1q結合アッセイC1qアッセイを4×106/mLにて浮遊させたSupT1−18CD4陽性細胞株を用いて行った。CE9.1および対照のアフィニティー精製サル抗CD4抗体(50μl)を20μg/mLの等価な濃度にて2×105CD4陽性標的細胞に加えた。細胞浮遊液および抗体を氷上で1時間インキュベートし、ついでPBS中の1%BSAで2回洗浄した。50μLのヒトC1q(10μg/mL)を各管に加え、氷上で1時間インキュベートした。各管を2回洗浄し、ついでウサギ抗ヒトC1qFITCの1:15希釈(50μL)とともにインキュベートした(1時間、氷上、暗所)。細胞を再度2回洗浄し、0.5mLの1%ホルムアルデヒド/PBS中に固定した。データ取得および分析のためにコンソート(Consort)30ソフトウエアを用い、細胞をベクトン・ディッキンソンファックスチャンフローサイトメトリーで分析した。補体媒体細胞障害アッセイSupT1−18細胞(1×106)を100μCiの51Crとともに37℃、5%CO2にて1時間インキュベートすることにより標識した。細胞をRPMI/5%FCSで2回洗浄し、1×104細胞を各ウエルに加えた。CE9.1および対照の抗CD4抗体をRPMI/5%FCSで1;2に系列希釈し、50μlのアリコートを3つずつSUPT1−18含有ウエルに加えた。100μLの1%トリトンXまたは100μLの培地を、それぞれ51Crの最大放出および自発的放出を測定するためにウエルに加えた。37℃、5%CO2にて90分間インキュベートした後、ウサギ補体(カッペル)の1;5希釈をウエルに加えた。プレートを37℃、5%CO2にてさらに90分間インキュベートし、ついで900rpmにて3分間遠心分離にかけた。各ウエルから上澄み液を回収し、放射能をガンマカウンターでカウントした。アッセイは3回行った。細胞の溶解パーセントは下記式:を用いて決定した。チンパンジーでのインビボ研究6匹のチンパンジーを各群2匹の3群に分けた:グループ1(食塩水対照);グループII(10.0mg/kgCE9.1抗体)、およびグループIII(10.0mg/kgCE9.1抗体)。グループIIの動物は、そのCD4+T細胞カウントがベースラインの30%に復帰するように、30日後に10mg/kgのCE9.1で再処理した。グループIIIの動物は、そのCD4+T細胞カウントがベースラインの70%に復帰するように、30日後に10mg/kgのCE9.1で再処理した。これら値が30日目までに達成されない場合には、CD4+T細胞値が各グループについての標的値に達するまで動物を2週間間隔でCD3+、CD4+およびCD8+T細胞値についてスクリーニングする。この時点で動物に3つの投与量の最大まで10.0mg/kgのCE9.1抗体を再度静脈内投与する。全白血球数、リンパ球および顆粒球値、およびCD3+、CD4およびCD8+リンパ球亜集団のベースライン決定は、投与する前の−6日目および0日目、そして投与後の24時間および14日目に行った。本研究では、各10mg/kgの投与量で行う3つの処理サイクルをチンパンジーに投与した。結果モノクローナル抗体CE9.1の結合特異性可溶性CD4へのCE9.1の結合についてのSPRによる親和性測定は、1.0nMのKdを示している(ブリガム−バーク(Brigham−Burke)ら、North American BIAsymposium 1995(印刷中))。CD4細胞株に対しては結合は認められず、抑制試験はCD4+細胞への結合が可溶性CD4により化学量論的に完全に阻止されることを示した。CE9.1反応性の特異性を決定するため、新たに単離したヒトPBMCへの結合を二重染色フローサイトメトリー分析により決定した。図9は、CD3+細胞の約2/3がCE9.1に結合することを示している。リンパ性の亜集団内では、OKT4に結合する細胞はすべてCE9.1についても陽性であったが、CD8+細胞はすべて陰性であった。幾つかのCD3-細胞もまたCE9.1との反応性を示したが、この反応性の性質は明らかには決定されていない。リンパ由来および非リンパ由来の32の異なる正常ヒト組織を含むCE9.1の組織反応性を決定するため、免疫組織化学的分析を行った。非リンパ系組織としては、主要な臓器、脳、心臓、骨格筋、皮膚、肝臓、腎臓、腺および生殖の各組織が挙げられる。かかる分析は、リンパ節、脾臓、扁桃および末梢血などのリンパ由来の組織以外はいかなる組織とも交差反応性を示さなかった(データは示していない)。リンパ凝集に限られる染色もまた、大腸、肺、食道および皮膚において観察された。CE9.1によるヒトMLRの抑制T細胞応答に対するCE9.1の影響を、ヒトMLRによりIL−2産生または増殖応答として評定した。CE9.1は10〜30ng/mlのIC50にて増殖およびIL−2産生の両方を阻止し、60ng/mlにて約80%抑制した(図10)。CE9.1のFc受容体結合アッセイCE9.1と単球上のFc受容体との反応性を決定するため、CD4およびFc受容体ベースの細胞−細胞接着アッセイを開発した。一つのアッセイ態様において、単球を新鮮なPBMCからパーコール勾配遠心分離により単離し、マイクロタイタープレート中に播種し、γIFNで48時間刺激した。48時間後、染料負荷したCD4+SupT1細胞をCE9.1の存在下または不在下にて活性化接着単球に加えた。この接着アッセイの第二の態様においては、単球性の非接着性細胞株THP−1をγIFNで刺激した。24時間後、活性化THP−1細胞にマーカー染料を負荷し、CE9.1の存在下または不在下にて、前以て(24時間前に)マイクロタイタープレート中に播種しておいた接着性のCD4+線維芽細胞トランスフェクタントに加えた。いずれの場合も、細胞−細胞接着は、一方の細胞上のCD4および他方の細胞上のFc受容体へのモノクローナル抗体の結合に依存している。γIFN活性化新鮮単球およびCD4+SupT1T細胞に基づいて図10a、10bおよび10cに示したデータは、投与量に依存した仕方で細胞−細胞接着を媒体し、およそのED50が20ng/mlであることを示している。接着はsCD4によって完全に阻止され、CE9.1のF(ab')2フラグメントによっては媒体されえなかった。γIFNによって活性化されていない単球はCE9.1には結合することはできなかった(図10b)。同様のデータは、THP−1およびCD4+線維芽細胞アッセイに基づくアッセイでも得られた(データは示していない)。ヒトFCγR II受容体でトランスフェクションしたマウス線維芽細胞株へのCE9.1の直接結合もまた観察された(データは示していない)。抗体依存性細胞媒体細胞障害(ADCC)ADCCアッセイにおいて標的として用いた放射性標識SupT1細胞は、CE9.1の存在下でエフェクター細胞により特異的に溶解されることが示された。最大の細胞障害は約6μg/mlで達成され、合計の特異的溶解は約50%であった(図12)。正の対照としてIgG2aアイソタイプの抗CD4(4D9)を用いた。この抗体はCE9.1と非常によく似た挙動を示し、合計の細胞溶解も同レベルであった。それゆえ、CE9.1はエフェクター細胞上のFc受容体に非常に有効に結合し、CD4+標的細胞株の殺戮を媒体する。CE9.1による補体結合C1qの結合を上記(材料および方法)のようにしてフローサイトメトリーにより測定した。図13に示すように、CE9.1がガンマ1サブタイプのヒト重鎖定常領域を含むという事実にもかかわらず、C1qに対して最小の結合しか示さなかった(図13)。アフィニティー精製したサル抗CD4血清抗体はC1q結合を有効に媒体したので、CE9.1によるC1q結合の欠如は該抗体に特異的な性質であることが示唆された。CE9.1によるC1q結合の欠如は、補体結合の不安定さに反映される(図14)。サル血清からアフィニティー精製した抗CD4抗体およびマウスモノクローナルIgG2aは、ともに同じ濃度範囲で有意の溶解を与える。CE9.1種交差反応性異なる種からのリンパ球のフローサイトメトリー分析は、チンパンジーおよびヒト細胞のみがCE9.1に強力に結合することを示した。ヒヒはCE9.1に対して弱い反応性を示した唯一の他の種であった(ヒヒよりも10倍弱い)。ヒトおよびチンパンジーのリンパ球はともに、該モノクローナル抗体と等しく充分に反応した(表2)。このことは、CE9.1によるチンパンジーMLRにおけるT細胞増殖およびIL−2産生の匹敵しうる抑制に反映されていた(データは示していない)。6匹のチンパンジーにおけるインビボ研究単一のチンパンジーにおける漸増投与量研究でのCD4細胞の枯渇の欠如に基づき、10mg/kgの投与量を4匹のチンパンジーに与えた(さらに、対照群における2匹の動物には食塩水を与えた)。材料および方法において記載したように、2つの投与量群にはそれぞれ10mg/kgを該研究の0日目に与えた。図15は、これら動物におけるCD4およびCD8数に対する影響を要約している。抗体投与の直後からCD4受容体を発現する細胞が減少しているのがわかる。CD4数の減少は所定の抗体の各投与直後にのみ認められた。食塩水の対照群では同様のCD4数の変化は認められなかった。CD8数は処理を通じて影響を受けなかったが、日毎ベースの変動は観察された(図15、左のパネル、白丸)。CD3+−CD8+集団を調べることにより、CD4数において一層劇的でない下降が観察された。データは、CD4抗原修飾の結果であるCD3+CD8-T細胞集団の出現を示唆している。修飾の正確なメカニズムは現段階では不明であるが、他のリンパ球または単球細胞上で発現されたFc受容体による架橋の結果のCD4分子のインターナリゼーションまたはシェディング(shedding)が含まれる。図15における細胞数の比較は、主要な効果はCD4受容体の修飾によるものではあるが、CD4+細胞の幾らかの枯渇が起こることを示している。大抵の場合、この修飾効果は抗体投与直後の約7〜10日の間持続すると思われ、その後、CD4発現はベースラインレベルの直下に戻る。合計のCD4数はベースラインの時点に比べて10〜50%下降したままであるが、処理を止めると正常範囲に戻る。これらチンパンジーを150日まで(グループ1および2)または300日まで(グループ3)の期間追跡した。グループ2の動物のCD4数は最終処理後の80日目に正常レベルに戻ったが、グループ3の動物は同じ時間枠でベースラインの20%以内に戻った。実施例3本実施例は、PおよびE変化を導入したヒトγ4アイソタイプを含むマカークザル/ヒトキメラ抗CD4抗体であるCE9γ4PEを生成するために哺乳動物細胞に用いるDNA発現ベクターの遺伝子構築を記載する。DNA発現ベクターの構築それぞれNhe I部位およびBamH I部位を含む5'IDECプライマー#479および3'IDECプライマー#462(図16参照)を用い、細胞株TPIT10.4(モリソン(S.Morrison)、UCLA、から入手)からPCRによりヒトガンマ4重鎖遺伝子を単離した。ヒトガンマ4の全クローニング断片の配列を決定したところ、カバットらによって記載されたもの(NIHパブリケーション(NIH Publication)、第5版、No.91−3242、U.S.Dept.of Health and Human Services(1991))と同じであることがわかった(図17参照)。Nhe I/NamH I断片を発現ベクターAnex2中にクローニングした。このプラスミドからの全軽鎖および重鎖免疫グロブリン遺伝子をBgl II−Sac I断片上にて他の発現プラスミドに移した。このプラスミドは、NEOSPLA3F中の抗CD4(G4、L、Oz−)と称した。ガンマ4定常領域中のアミノ酸#229および236を変えるためにPCR突然変異誘発を用いた。それぞれNhe IおよびBspH I制限部位を含む5'プライマーGE212(ミッドランド(Midland))および3'IDECプライマー#698を用いてPCRを行い(図16参照)、該断片を抗CD4(G4、L、Oz−)プラスミド中に3部ライゲーション(three part ligation)によりクローニングし、配列プラスミドをNEOSPLA3F中の抗CD4(G4(PE)、L、Oz−)と称した。実施例4チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞での発現プラスミドの導入および抗体産生クローンの選択CHO細胞(DG44)(ウアラウプ(Urlaub)ら、Som.Cell Mol.Genet.、16:555〜566(1986))を、50μMヒポキサンチン(GIBCO/BRL,CHO培地)および8μMチミジン(GIBCO/BRL,CHO培地)を含有するCHO−S−SFM II培地中で増殖させた。この培地をCHO培地プラスHTと称する。0.4ml容の使い捨てキュベット中でBTX600エレクトロポレーション装置(BTX、サンジエゴ、カリフォルニア)を用い、4×106細胞および5μgのプラスミドDNA[NEOSPLA3F中の抗CD4(γ4(PE)、ラムダ、OZ−)]で5つのエレクトロポレーションを行った。エレクトロポレーションの前にプラスミドをPac Iで制限分解して哺乳動物細胞中で発現される遺伝子を該プラスミドを細菌で増殖させるのに用いるプラスミド部分から分離した。エレクトロポレーションの条件は、230ボルト、400マイクロファラデー、13オームであった。各エレクトロポレーションを単一の96ウエルディッシュに播種した(約40,000細胞/ウエル)。エレクトロポレーションの2日後、ディッシュに400μg/ml活性化合物にてG418(ジェネティシン、GIBCO)を含有するCHO培地+HTを与え、その後はコロニーが生ずるまで必要に応じて与えた。コンフルエントなコロニーからの上澄み液を、ヒト抗体に特異的にELISAによりキメラ免疫グロブリンの存在についてアッセイした。5つのプレート上で(480ウエルから)28のG418耐性コロニーが生じた。最も抗体を発現するG418耐性コロニー(クローン5C1)は、エレクトロポレーションの30日後にコンフルエントであった。サザーンブロット分析は、クローン5C1が単一コピー挿入であることを示している(データは示していない)。125ml容スピナー中で105細胞/mlにて接種した4日間の培養において、このクローンは28時間毎に倍増し、抗体の産生速度は0.5pg/細胞/日(0.9mg/L)であった。増幅クローン5C1をスケールアップし、CHO培地+5nMメトトレキセート(MTX、シグマ(+)アメトプテリン(Amethopterin))を入れた96ウエルディッシュ中に106細胞/プレートから3×104細胞/プレートまでの種々の濃度にて播種した。20日後、クローン5C1−5B9は3×105細胞/プレート上でコンフルエントになった(このプレート上で96ウエルのうち49ウエルが増殖した)。このクローンをスケールアップした。T150中にて105細胞/mlにて接種した4日間の培養において、このクローンは35.5時間毎に倍増し、抗体の産生速度は15.3pg/細胞/日(18mg/L)であった。クローン5C1−5B9をスケールアップし、CHO培地+50nMメトトレキセートを入れた96ウエル−ディッシュ中に100細胞/プレートから3×104細胞/プレートまでの種々の濃度にて播種した。36日後、クローン5C1−5B9 50C1は105細胞/プレート上で〜60%コンフルエントになった(このプレート上で96ウエルのうち50ウエルが増殖した)。このクローンをスケールアップした。CE9γ4PEペアレントシードストック(Parent Seed Stock;PSS)のフェーズI供給のための細胞バンククローン5C1−5B9−50C1の50nM MTX PSSを凍結させた。これら細胞を、CHO培地プラス50nM MTXを入れた500ml容スピナー中で培養させた。凍結時、培養液は1.1×106細胞/mlの濃度に達し、生存率は96%で倍増時間は29.3時間であった。抗体産生はELISAにより約27pg/細胞/日と決定された。細胞を培養液から遠心分離し、95%のJRHバイオサイエンスィズ(Biosciences)ウシ胎仔血清および5%シグマ共通マスター混合物(this common master mixture)中に2.0×107細胞/mlの密度にてバイアルに入れ、細胞を含む1mlの凍結培地をバイアル凍結した。バイアルを−70℃にて凍結し、翌日、液体窒素タンクに入れた。一つの50nM MTX PSSバイアルを凍結し、CHO培地プラス50nM MTXを入れた100ml容スピナー中に播種した。3日後、このスピナーを2×105細胞/mlにて2×125mlスピナーに分けた。一方のスピナーはCHO培地プラス50nM MTXを含み、他方のスピナーはCHO培地のみを含む。3日後、CHO培地単独のスピナーから15mlの細胞および培地を凍結し、マイコプラズマ試験の考慮のため(Points to Consider Mycloplasma testing)テクタジェン(Tektagen)に送付した。MTXを用いたおよびMTXを用いない産生を8週間継続した。テクタジェンからの結果は、CHO;クローン5C1−5B9−50C1ペアレントシードストック中の抗CD4(ガンマ4(PE)、ラムダ、OZ−)NEOSPLA3Fがマイコプラズマ不含であることを示した。50nM NM PSSの10のバイアルを液体窒素中での貯蔵に移した。マスター細胞バンク(MCB)クローン5C1−5B9−50C1の2つの50mM MTX PSSバイアルを解凍し、CHO培地プラス50nM MTXを入れた100ml容スピナー中で播種した。この培養液を、2000mLの容量、密度9.5×105および生存率98%を達成するまで、徐々により大きなスピナーフラスコ中に6日間拡張した。培地から細胞を遠心分離し、95%JRHバイオサイエンスィズウシ胎仔血清および5%シグマハイブリマックス(Hybrimax)DMSO中に2.0×107細胞の密度にて再浮遊させた。凍結培地中の細胞浮遊液をMCB G4PE50−M−Aとしてデザインした80のクリオバイアルのそれぞれの中にアリコートした(10mL)。これらバイアルを−70℃にて凍結した。24時間後、この細胞バンクを液体窒素中での貯蔵に移した。実施例5CD4モノクローナル抗体の安定性CE9γ4PE溶液およびCE9γ4E溶液の物理的および化学的安定性を5℃、40℃で3カ月間モニターし、SDS−PAGE(還元および非還元)、IEF、逆相HPLC、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)およびELISAにより簡単に拡散される。RP−HPLCおよび非還元SDS−PAGEによる最初の試験は、CE9γ4Eが2つの主要な分子種、すなわち非還元の全分子と分析条件下で2つの等価な「ハフマー」と称するユニットに分離される非共有結合により会合した分子とからなることを示唆している。興味深いことに、これら2つのモノクローナル抗体の生物分析プロフィールに主要な差異は、SEC、IEF、SDS−PAGE(還元)およびELISAにより観察されなかった。図18は、CE9γ4PEおよびCE9γ4Eの溶液でのモノマーおよび「ハフマー」のSDS−PAGE(非還元)分析を示す。CE9γ4Eでの「ハフマー」の量は、試験したいずれの条件においても3カ月にわたって最初の試験と比べて一定のままであった。CE9γ4PEでの「ハフマー」含量は試験したいずれの時点の条件下でも2%以下であった。CE9γ4EとCE9γ4PEとの間には5℃および40℃において安定性に主要な差異は観察されなかった。拡散光の下で貯蔵したCE9γ4E溶液はCE9γ4PEに比べて安定性がわずかに劣っている。これらデータは、CE9γ4Eの「ハフマー」が全分子の全体的な安定性に有意の影響を及ぼさないことを示唆している。CE9γ4PE溶液とCE9γ4E溶液との間には物理的安定性において主要な差異は観察されなかった。表面プラスモン共鳴(Surface Plasmon Resonance)によるCD4モノクローナル抗体の親和性および化学量論可溶性CD4の固定化モノクローナル抗体への結合の化学量論は、BIAコア(ファルマシア)上での飽和結合実験により決定することができる。SPRプログレスの会合相および解離相に関するデータ(図19)を、オシャネッセイ(O'Shannessey)ら、Anal.Biochem.、212:467〜468(1993)に記載されているように速度式の積分形を用いて直接分析した。CD4のモル数/モルモノクローナル抗体のモル数として表した結合データの要約を表3に示す。このデータから、いずれの場合においても結合の化学量論が1.5:1よりも大きいことがわかる。BIAコアが固相相互作用系であること、および固定化プロトコールがランダムであることから、これら結果は各モノクローナル抗体の両抗原結合部位が機能的であることを示唆している。それゆえ、CD4結合の化学量論はすべてのモノクローナル抗体について同じであり、理論値の2.0に近いものであった。さらに親和性測定は、親和性がすべてのモノクローナル抗体複合体について同じ、すなわち約1.0nMであることを示している。実施例6CE9γ4PEのインビトロ生物学的評価要約CE9.1、CE9γ4PE、および他のガンマ4誘導体を、Fab領域により媒体される活性(MLR)およびFcドメインにより媒体される活性(Fc受容体結合、ADCCおよびCDC)について比較した。Fab依存性の活性(MLR)はモノクローナル抗体間で差異がなかったが、Fc受容体結合特性においては区別された。非修飾ガンマ4誘導体であるCE9γ4はFc受容体に対して驚くほど強い結合を示したが、CE9γ4EおよびCE9γ4EPにおけるE変異は、この結合並びにADCC活性を欠失させた。混合リンパ球応答(MLR)に対するモノクローナル抗体の作用アロ抗原により駆動されたT細胞増殖およびIL−2産生に対するモノクローナル抗体構築物の効果を決定するため、三者混合リンパ球反応(MLR)アッセイを行った。MLRはCD4+T細胞の存在に依存しており、この応答の大部分はCD4受容体と抗原提示細胞上のMHCクラスII分子との相互作用を介した該受容体の参与に依存している。MLR応答は、インビボでの臓器移植拒絶反応のインビトロ関連側面である。他の薬剤との関連では、MLRはまたシクロスポリンAなどの免疫抑制剤によっても阻止される。すべてのモノクローナル抗体は、T細胞の増殖応答およびIL−2産生の両観点からみてMLRを阻止する能力において等価であった(図20および表4)。それゆえ、ヒトλ4構造中へのCE9.1のVドメインの移植およびヒンジドメインおよびCH2ドメイン中での「P&E]置換は、インビトロでのCD4依存性T細胞応答を阻止するモノクローナル抗体の能力に影響を及ぼさなかった。結論すべてのモノクローナル抗体はMLRの抑制において等価である。モノクローナル抗体のFc受容体結合特性Fc受容体結合の決定のアッセイの確認CE9γ4PEはFcR結合活性を欠失するようにデザインされていた。この活性を測定するため、モノクローナル抗体を介した架橋によるFcRとCD4とに媒体された細胞の結合に基づくアッセイを開発した。このアッセイは、インビボでのFcRとモノクローナル抗体とに媒体されたCD4細胞の枯渇のインビトロ関連として、モノクローナル抗体のCD4およびFcR結合機能を同時に測定するものである。図21は、CE9.1が接着アッセイにおいてCD4+線維芽細胞(CD4でトランスフェクションした線維芽細胞株)へのFcR発現単球(IFN−γにより誘発されたTHP−1細胞)の接着を容易にすることを示している。結合はモノクローナル抗体CE9.1のFcドメインに依存している。なぜなら、切断後のF(ab')2は結合を容易にできなかったからである。結合にはまたCE9.1上の抗原認識部位が必要である。なぜなら、sCD4によって該部位が占領されると細胞−細胞接着が阻止されるからである。モノクローナル抗体のFc受容体結合活性の決定モノクローナル抗体CE9.1(IgG1)、CE9γ4(IgG4)、CE9γ4λK(IgG4λKハイブリッド)、CE9γ4E(IgG4、E変異体)およびCE9γ4PE(IgG4、PE変異体)を、細胞表面CD4およびFcRに同時に結合する能力について評価した。予想されるように、CE9.1は本アッセイにおいて良好な結合活性を有していた。驚くべきことに、IgG4構築物であるCE9γ4およびCE9γ4λKはFcRに対して充分な親和性を保持しており、本アッセイにおいてCE9.1と区別できないほどであった。本アッセイにおいて、CE9γ4EおよびCE9γ4PEにおけるように「E」置換が導入された場合にのみ、活性が失われた(図22参照)。CE9γ4PEのインビトロC1q結合特性補体系は、その様々な機能的補体のなかでも、細胞溶解および破壊に導くような仕方である種の抗体と相互作用する能力を含む。ヒトIgG1抗体は、通常、C1qに結合する能力を有しており、該抗体が特異性を有する表面抗原を含む標的細胞を枯渇させる。IgG4のような他のヒトアイソタイプはC1qに結合する能力が低減しており、それゆえ標的細胞を枯渇させることができない。ガンマ4構築物でのCE9γ4PEの工学設計は、理論的に補体結合を防ぐという目的を達成し、該抗体をCD4標的細胞に結合させて潜在的な破壊的副作用を排除する。ウサギ補体の存在下でのクロム標識CD4+SupT1細胞の補体媒体細胞溶解の古典的方法を用い、CE9γ4PEとCE9.1とのCDCエフェクター特性を比較した。これら研究において、HuCD4に対するマウス補体結合性モノクローナル抗体、4D9(IgG2a)を正の対照として用いた。CE9.1およびCE9γ4PEの両者ともウサギ補体を結合することはできなかった(図23)。以前よりCE9.1はC1qへの結合が弱く、それゆえヒト補体に結合できないことがわかっていた。これら結果は、両構築物が補体エフェクターメカニズムによって細胞溶解を促進することができないことを示している。CE9γ4PEのインビトロADCCエフェクター特性FcRを介してモノクローナル抗体に結合することができ、細胞障害能を有する細胞は、抗体によりコーティングされた標的細胞に対するADCCを媒体することができる。CD4分子を発現するヒトT細胞はモノクローナル抗体CE9.1により認識され、このことがFcR含有キラー細胞、顆粒球および/またはマクロファージによる攻撃を刺激する。CE9γ4PEの工学操作の目的はモノクローナル抗体がFcRに結合する能力を除くことであり、それによってモノクローナル抗体は依然として免疫抑制性でありながら補助細胞がCD4標的細胞の枯渇を媒体する能力が排除される。クロム標識CD4+SupT1細胞の細胞性細胞障害の古典的方法を用い、CE9γ4PEとCE9.1とのADCCエフェクター特性を比較した。マウスCD4モノクローナル抗体4D9(IgG2a、K)を正の対照として選択した。エフェクター細胞はバフィーコートから得たヒト末梢血白血球であった。図12は、モノクローナル抗体4D9およびCE9.1の両者がCD4+細胞の特異的溶解を媒体する能力を示す。同じ条件下においてCE9γ4PEはほとんど作用を有しなかった。これら結果は、CE9γ4PEがFcRまたは補体のいずれかのメカニズムにおいても細胞溶解を媒体することができないことを示している。実施例7CE9γ4EおよびCE9γ4PEの比較PK分析2つのリードλ4モノクローナル抗体であるCE9γ4EおよびCE9γ4PEの比較薬動力学を雄スプラーグ−ドーリーラットにおいて調べた。CE9γ4EまたはCE9γ4PEを静脈内ボーラス投与として1mg/kg(1群当たり4匹の動物)にて投与し、血液試料を投与4週間後に採取した。循環しているヒトIgGの存在のみならず組換えヒト可溶性CD4に結合する能力をも確かめるべくデザインされたsCD4/抗ヒトIgGサンドイッチELISAを用い、血漿のCE9γ4EおよびCE9γ4PEの濃度を決定した。1mg/kgのCD4モノクローナル抗体の静脈内ボーラス投与後、CE9γ4Eの血漿濃度は3相で下降したが、CE9γ4PEの血漿濃度は2相で下降した(図24)。比較の目的のため、およびCE9γ4Eについてはデータ時点の数が不充分なために最終相を適切に記載することがでないことに鑑み、すべての血漿濃度−時間プロフィールを2相モデルを用いて分析した。小さな個体間の変動が観察された。優勢な第二相t1/2はCE9γ4Eについては約4日であり、CE9γ4PEについては9日であり、それぞれ血漿濃度−時間曲線下の全面積の67%および93%を占めていた。CE9γ4PEの見かけの血漿クリアランスは低く(6.4ml/時/kg)、CE9γ4Eのクリアランスの約半分であった。それゆえ、PE変異体γ4モノクローナル抗体であるCE9γ4PEの薬動力学的特性はラットにおける他のヒト化γ1モノクローナル抗体と同様である。ラットにおける機能的に完全なCE9γ4PEの長い循環半減期はまた、ヒトに投与したときにCE9γ4PEが一層長期間にわたって有効であることを示唆している。これら結果から、PE変異体であるCE9γ4PEが、ラットにおいてCE9γ4E変異体に比べて2倍低いクリアランスおよび一層長い半減期を有することが確認される。薬動力学的パラメーターの略語:CL=全血漿クリアランス;AUC0-inf=血漿濃度v時間曲線下の全面積;MRT=平均残存時間;T1/2-1=最初の相における見かけの半減期;T1/2-2=第二の相における見かけの半減期;%AUC2=第二の相の間の血漿濃度v時間曲線下の面積のパーセント;VSS=定常状態での分布容量これら結果に基づき、CE9γ4PEは、たとえば静脈内投与による治療的使用に適している。他の投与経路もまた適している。実施例8HuCD4+トランスジェニックマウスにおけるインビボ薬理学的研究HuCD4+トランスジェニックマウスの説明はじめにCE9.1およびCE9γ4PEの高度の種特異性はインビボでの効果の評価を困難なものにしている。CE9.1については、薬理学的応答はチンパンジーにおいて用量依存性のCD4+細胞の枯渇により容易にモニターできた。この活性はCE9γ4PEでは期待されたように存在しないので、本発明者らは効果を評価するための他の手段を用いた。とりわけ、HuCD4+トランスジェニックマウスにおいて効果を調べた。本系における研究を以下に記載する。HuCD4+トランスジェニックUCSFにて開発したHuCD4トランスジェニックマウス[キレーン(Killeen)ら、EMBO J.、12:1547〜53(1993)]において、内在性のMuCD4遺伝子を相同組換えにより破壊し、MuCD4プロモーターの制御下でヒトCD4ミニトランスジーンを導入した。ホモ接合まで交雑育種したこれらマウスにおいて、HuCD4はMuCD4を置換している。HuCD4は胸腺での正の選択および負の選択を復帰させ、正常マウスに匹敵するレベルで単一の陽性末梢CD4+またはCD8+T細胞の産生へと導く。さらに、MuCD4ノックアウト親と比較すると、成熟HuCD4 T細胞は正常マウスのT細胞に類似した特性を示す:(1)インビボでの血清IgGレベルが正常レベルまで回復されており、(2)これら動物はインビトロNMRにおいて適当なMHC依存性応答を示す。これらマウスの遺伝的背景は、最初のノックアウト実験およびトランスジェニック実験において異なる株の胚性幹細胞およびマウスを使用する必要から、若干複雑である。最初のノックアウト/トランスジェニックマウスをその後、MHC遺伝子座におけるホモ接合まで育種し、現在SBにおいて用いているマウスはH−2ddハプロタイプのものである。結果は、これらマウスにおいて外来抗原、卵アルブミンに対する良好な応答が得られることを示し、最初の研究はCE9γ4PEについてインビボ活性を示した。HuCD4トランスジェニックマウスにおけるCE9γ4PEの予備的評価12匹のHuCD4トランスジェニックマウス(H−2dd)を入手し、CE9γ4PEをIF3(マウス抗ヒトCD4)およびGK1.5と比較するのに用いた。マウスに−2日目、−1日目および0日目に1mgの抗体を腹腔内投与し、最後の投与の3時間後にOVAで免疫した。2週間後にマウスを屠殺し、血清および細胞を機能的活性について評価した。OVA特異的な抗体応答を図25に示す。予想されるように、マウスCD4に対するモノクローナル抗体(GK1.5)は体液性応答に対して何ら効果を有しなかったが、HuCD4に対する両モノクローナル抗体は該応答を阻止した。これら2つのモノクローナル抗体のうちでCE9γ4PEは一層劇的であった。すべてのグループのマウスがConAおよびLSに応答したが、卵アルブミンに対する応答およびMLRにおいては若干の変動があった。このことは、この動物のバッチが雄および雌の両マウスを含んでおり、異なる年齢のものであったという事実によるものであった。MuCD4−/−(CD4ノックアウト)マウスおよびHuCD4+/+(トランスジェニックマウス)をCE9.1、CE9γ4PEまたは食塩水で処理した。この研究は28日間行い、試料を1日目、3日目、7日目、14日目および28日目に採取した。CD4+T細胞およびCD8+T細胞のその後を追跡するため、これらマウスの脾臓細胞の3色フローサイトメトリー分析を用いた。T細胞レベルを調べるため、以下の抗体を用いた:CD3−PE、OKT4−FITC、CD8−TC。これらマウスにおけるT細胞およびB細胞のその後を追跡するため、以下の抗体を用いた:CD3−PE、CD2−FITC、CD45−TC。CE9.1またはCE9γ4PEコーティング細胞のその後を追跡するため、以下のモノクローナル抗体パネルを用いた:OKT4−TC、Leu3a−FITC、CD3−TC。得られたデータは、CE9.1およびCE9γ4PEの両者で処理したトランスジェニックマウス(HuCD4+/+)において、1日目にすべてのCD4+細胞が抗体でコーティングされることを示した。コーティングは数日続き、28日目までにはもはや検出できなかった。CE9.1処理マウスにおいて処理したCD4+細胞の全数は、28日目においてさえも有意に減少した。対照的に、CE9γ4PE処理マウスでは全CD4+細胞の減少を示さなかった。両抗体はCD4受容体修飾の証拠を示した。CE9.1処理マウスにおいてCD8+細胞パーセントの代償的な増大が認められたが、これらの絶対数が該処理によって有意に影響されたという証拠はなかった。CE9γ4PE処理マウスにおいても同様にCD8+細胞数は影響を受けなかった。すべての実験において、いずれの抗体でもB細胞数は一定のままであった。チンパンジーにおけるインビボ研究6匹のチンパンジーを、15mg/kgまでの増大投与量の抗体注入後のCD4+T細胞の枯渇および/または細胞表面からのCD4受容体の修飾について調べた。末梢血試料を該研究の開始の3週間および2週間前に各チンパンジーから採取し、CD4+T細胞のベースラインレベルを確立した。CD4+細胞に加えて、CD3+細胞およびCD8+細胞レベルをもフローサイトメトリーにより測定した。CD4分子の異なる部分に結合し、CE9γ4PEと結合について競合しないモノクローナル抗体OKT4を対照として用いた。全CD3+数からCD8+数を差し引くことによりCD4+T細胞数の理論値を計算することができた。この値をOKT4を求めるCD4+細胞の測定値と比較することにより、CD4受容体修飾をCD4+細胞枯渇から区別することができた。研究の開始の際に各チンパンジーに食塩水を静脈内注入した。注入後直ちに、および3日後および14日後に血液試料を採取した。CE9γ4PE(0.05mg/kg)を各チンパンジーに注入し、血液試料を3日後および14日後に採取した。CD4+細胞をモニターし、もし正常範囲であれば次の投与量レベルのCE9γ4PEを与えた。すべての場合において各チンパンジーには以下のプロトコールを与えた:食塩水、0.05mg/kg CE9γ4PE、1.5mg/kg CE9γ4PE、食塩水、15mg/kg CE9γ4PE。食塩水または0.05mg/kgのCE9γ4PEを注入した後にはCD4レベルに影響は認められなかった。1.5mg/kgでは、CD4+細胞コーティングが観察され、細胞表面からのCD4受容体の一過性で部分的な修飾が認められたが、CD4+細胞の枯渇は認められなかった。15mg/kgのCE9γ4PEではCD4+細胞の枯渇はいずれの動物においても認められなかったが、すべての動物において有意の修飾が認められた。この修飾効果は一過性のものであり、14〜21日目にはベースラインに回復した。いずれの動物においても副作用は認められなかった。CE9γ4PEは投与後2日まで細胞表面上に検出され、血清中に検出することができた。CE9γ4PEは非枯渇抗体としてデザインされたものであり、比較的高い投与量である15mg/kgにおいてさえもいずれの動物でも枯渇は観察されなかった。CE9γ4PEはチンパンジーの血清中で安定であり、21日目まで循環血液中に残存した。用途本明細書に記載した方法または同等の方法により産生された抗体は、機能的な生物学的アッセイにおいて特徴付けるためのアフィニティークロマトグラフィーとサイズ排除クロマトグラフィーとの併用により精製することができる。これらアッセイは、特異性および結合親和性並びに発現されたアイソタイプに関連するエフェクター機能、たとえばADCC、または補体結合の決定を含む。かかる抗体は、B細胞リンパ腫、AIDS、自己免疫疾患および炎症性疾患を含む感染疾患、および臓器移植を含む、CD4発現およびT細胞が関与する多くのヒト疾患に対する受動または能動治療剤として用いることができる。これら抗体は、天然の形態か、または抗体/キレート、抗体/薬剤または抗体/毒素複合体の一部として用いることができる。さらに、全抗体または抗体フラグメント(Fab2、Fab、Fv)を、造影剤として、または抗イディオタイプ応答を生成するための能動免疫療法における可能なワクチンまたは免疫原として用いることができる。治療効果を得るのに有用な抗体の量は、当業者によく知られた標準法により決定することができる。これら抗体は、一般に、薬理学的に許容しうる緩衝液中にて標準法により提供され、所望の経路により投与することができる。本明細書において特許請求している抗体の有効性およびヒトにより寛容のため、これら抗体をヒトにおいて種々の疾患または疾患状態を治癒するために繰り返し投与することができる。本発明の抗CD4組換え抗体(またはそのフラグメント)はまた、免疫修飾の誘発、たとえばヒトまたは動物の免疫系の抑制の誘発にも有用である。それゆえ、本発明は、本発明による該抗体の有効かつ非毒性量を、予防または治療を必要とするヒトまたは他の動物に投与することによる、ヒトまたは他の動物において予防的または治療的に免疫修飾を誘発する方法に関する。本発明の化合物が免疫抑制を誘発する能力は、この目的に用いられる標準試験、たとえば混合リンパ球反応試験またはチミジンの取り込みにより測定されるT細胞増殖の抑制を測定する試験により示すことができる。本発明の抗体が免疫抑制の誘発において有用性を有することは、該抗体が移植臓器または組織(たとえば、腎臓、心臓、肺、骨髄、皮膚、角膜等)への抵抗または拒絶の治療または予防;自己免疫疾患、増殖性疾患および過増殖性疾患の治療または予防、免疫学的に投薬される疾患(たとえば、慢性関節リウマチ、エリテマトーデス、全身性エリテマトーデス、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、1型糖尿病、ぶどう膜炎、ネフローゼ症候群、乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎および深部湿疹性皮膚炎(further eczematous dermatitis)、脂漏性皮膚炎、天疱瘡、水泡性天疱瘡、表皮水泡症、蕁麻疹、血管浮腫、脈管炎、紅斑、皮膚好酸球増加症、円形脱毛症等)の皮膚提示(cutaneous manifestation)の治療または予防;可逆性閉塞性気道疾患(reversible obstructive airways disease)、消化管炎症およびアレルギー(たとえば、腹腔疾患、直腸炎、好酸球増加性胃腸炎、肥満細胞症、クローン病および潰瘍性大腸炎)および食物関連アレルギー(たとえば、偏頭痛、鼻炎および湿疹)の治療に有用であることを意味する。本発明の抗体はまた、免疫修飾が望ましい非自己免疫疾患、たとえば、とりわけ移植片対宿主病(GVHD)、臓器移植拒絶、喘息、HIV、白血病、リンパ腫の治療に潜在的な有用性を有する。当業者であれば、日常的な実験により、免疫抑制を誘発する目的のために有効かつ非毒性の抗体量を決定することができるであろう。しかしながら、一般に、有効投与量は約0.05〜100mg/kg体重/日の範囲であろう。本発明の抗体(またはそのフラグメント)はまた、哺乳動物における腫瘍の治療に有用であろう。さらに詳しくは、本発明の抗体は、腫瘍のサイズを小さくし、腫瘍の増殖を抑制し、および/または腫瘍を有する動物の生存期間を延ばすのに有用である。従って、本発明は、有効かつ非毒性の量の抗体をヒトまたは他の動物に投与することによる、ヒトまたは他の動物における腫瘍の治療方法にも関する。当業者であれば、日常的な実験により、発癌性腫瘍を治療する目的のために有効かつ非毒性の抗体量を決定することができるであろう。しかしながら、一般に、有効投与量は約0.05〜100mg/kg体重/日の範囲であろう。本発明の抗体は、上記治療方法に従い、治療または予防効果を得るのに充分な量にてヒトまたは他の動物に投与することができる。本発明のかかる抗体は、公知の方法に従って本発明の抗体を通常の薬理学的に許容しうる担体または希釈剤と混合することによって調製した通常の剤型にて、かかるヒトまたは他の動物に投与することができる。薬理学的に許容しうる担体または希釈剤の形態および特性が、該担体または希釈剤とともに用いる活性成分の量、投与経路および他のよく知られた変数によって指定されつことは当業者により認識されるであろう。本発明の抗体(またはそのフラグメント)の投与経路は、経口、非経口、吸入または局所であってよい。本明細書において用いる非経口なる語は、静脈内、筋肉内、皮下、直腸、膣または腹腔内投与を含む。非経口投与の皮下および筋肉内形態が一般に好ましい。予防的または治療的に免疫抑制を誘発するために、あるいは発癌性腫瘍を治療するために用いる本発明の化合物の1日当たりの非経口および経口投与量は、一般に、約0.05〜100mg/kg体重/日の範囲であるが、約0.5〜10mg/kg体重/日が好ましい。本発明の抗体はまた、吸入によっても投与することができる。「吸入」とは鼻内および経口吸入投与を意味する。かかる投与に適した剤型、たとえばアエロゾル製剤または計量投与吸入器は、常法により製造することができる。使用すべき本発明の化合物の好ましい投与量は、一般に約10〜100mgの範囲である。本発明の抗体はまた、局所的に投与することができる。局所投与とは、非全身的な投与をいい、本発明の抗体(またはそのフラグメント)化合物の表皮外面への適用、頬面窩洞への適用および該抗体の耳、目および鼻および血流へ有意に侵入することのない部位への点滴注入を含む。全身投与とは、経口、静脈内、腹腔内および筋肉内投与をいう。治療的または予防的効果に必要な抗体の量は、もちろん、選択した抗体、治療しようとする状態の性質および重篤度および治療を受ける動物により変わるであろうし、最終的には医師の裁量に任される。本発明の抗体の適当な局所投与量は、一般に、約1〜100mg/kg体重/日の範囲であろう。製剤抗体またはそのフラグメントを単独で投与することも可能ではあるが、医薬製剤として投与するのが好ましい。活性成分は、局所投与の場合、製剤の0.001%〜10%w/w、たとえば1〜2重量%を構成してよく、10%w/wもの高含量を構成してもよいが、5%w/wを越えないのが好ましく、製剤の0.1〜1%w/wであるのがより好ましい。本発明の局所製剤は、1またはそれ以上の許容しうる担体および任意の他の治療成分とともに治療剤成分を含む。担体は、製剤中の他の成分と両立でき、投与された者に有害でないという意味で「許容しうる」ものでなければならない。局所投与に適した製剤としては、治療の必要な部位の皮膚を浸透するのに適した液体または半固体製剤、たとえばリニメント剤、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤またはパスタ剤、および目、耳または鼻に投与するのに適した点眼剤が挙げられる。本発明による点眼剤は、滅菌水性または油性溶液または懸濁液を含んでいてよく、殺菌剤および/または抗真菌剤および/または他の適当な保存剤の適当な水溶液中に活性成分を溶解し、好ましくは界面活性剤を含ませることにより調製できる。ついで、得られた溶液を濾過により清澄化し、適当な容器に移し、ついで該容器を密封し、オートクレーブするかまたは90〜100℃にて1時間半保持することにより滅菌する。別法として、溶液を濾過滅菌し、無菌法により容器に移してもよい。点眼剤に含めるのに適した殺菌剤および抗真菌剤の例としては、硝酸フェニル水銀または酢酸フェニル水銀(0.002%)、塩化ベンザルコニウム(0.01%)および酢酸クロルヘキシジン(0.01%)が挙げられる。油性溶液の調製に適した溶媒としては、グリセリン、希釈アルコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。本発明によるローション剤としては、皮膚または目に適用するのに適したものが挙げられる。眼科用ローション剤は任意に殺菌剤を含む滅菌水溶液を含み、点眼剤の製造法と同様の方法により調製できる。皮膚用のローション剤またはリニメント剤はまた、乾燥促進剤や皮膚冷却剤、たとえばアルコールやアセトン、および/または湿潤剤、たとえばグリセリンまたはヒマシ油やラッカセイ油などの油を含んでいてよい。本発明によるクリーム剤、軟膏剤またはパスタ剤は、活性成分の外用半固体製剤である。これら製剤は、適当な機械の助けをかりて、単独または水性または非水性流体中の溶液または懸濁液中の細分もしくは粉末形状の活性成分を脂肪性または非脂肪性基剤と混合することにより製造できる。基剤は、硬パラフィン、軟パラフィンまたは流動パラフィン、グリセリン、蜜蝋、金属石鹸;漿剤;アーモンド油、トウモロコシ油、ラッカセイ油、ヒマシ油またはオリーブ油などの天然由来の油;羊毛脂またはその誘導体、またはステアリン酸やオレイン酸などの脂肪酸をプロピレングリコールやマクロゴールなどのアルコールとともに含んでいてよい。これら製剤はまた、陰イオン性、陽イオン性または非イオン性界面活性剤などの適当な界面活性剤、たとえばソルビタンエステルやそのポリオキシエチレン誘導体などを含んでいてよい。懸濁化剤、たとえば天然ゴム、セルロース誘導体または石英シリカ(silicaceous silica)などの無機物質、およびラノリンなどの他の成分も含んでいてよい。当業者であれば、本発明の抗体またはそのフラグメントの最適量および個々の投与の間隔が、治療しようとする状態の性質および程度、投与の形態、経路および部位、および治療しようとする特定の動物により決定されること、およびかかる最適さが常法により決定しうることを認識するであろう。また、当業者であれば、治療の最適コース、すなわち所定の日数の間に投与する本発明の抗体またはそのフラグメントの投与の回数が治療決定試験の通常のコースを用いて当業者により確認されうることがわかるであろう。さらに労かけることなく、当業者であれば上記の記載に従い、本発明を最大限に利用することができると思われる。それゆえ、以下に記載するのは単に例示のためのものであって、いかなる意味においても本発明の範囲を限定することを意図するものではない。カプセル製剤カプセル剤の形態の本発明の医薬組成物は、標準的なツーピースハードゼラチンカプセルに50mgの粉末形状の本発明の抗体またはそのフラグメント、100mgの乳糖、32mgのタルクおよび8mgのステアリン酸マグネシウムを充填することにより調製する。注射用非経口組成物注射による投与に適した形態の本発明の医薬組成物は、本発明の抗体またはそのフラグメント1.5重量%を10容量%プロピレングリコールおよび水中で撹拌することにより調製する。この溶液を濾過滅菌する。軟膏組成物本発明の抗体またはそのフラグメント1.0g白色ワセリン100.0gまで本発明の抗体またはそのフラグメントを少量のビヒクル中に分散させて滑らかで均一な生成物を得る。ついで、折り畳める金属チューブに該分散液を充填する。局所クリーム組成物本発明の抗体またはそのフラグメント1.0gポーラワックスGP200 20.0g無水ラノリン2.0g白色蜜蝋2.5gヒドロキシ安息香酸メチル0.1g蒸留水100.0gまでポーラワックス、蜜蝋およびラノリンを60℃にていっしょに加熱する。ヒドロキシ安息香酸メチルの溶液を加え、高速撹拌により均一にする。ついで、温度を50℃に下げる。ついで、本発明の抗体またはそのフラグメントを加え、充分に分散させ、低速撹拌により組成物を冷却する。局所ローション組成物本発明の抗体またはそのフラグメント1.0gソルビタンモノラウレート0.6g、ポリソルベート20 0.6gセトステアリルアルコール1.2g、グリセリン6.0gヒドロキシ安息香酸メチル0.2g精製水B.P.100.0mlまで(B.P.=英国薬局方)ヒドロキシ安息香酸メチルおよびグリセリンを75℃にて70mlの水中に溶解する。ソルビタンモノラウレート、ポリソルベート20およびセトステアリルアルコールを75℃にていっしょに融解し、上記水溶液に加える。得られたエマルジョンを均一にし、連続撹拌により冷却し、本発明の抗体またはそのフラグメントを残りの水中の懸濁液として加える。懸濁液全体を均一になるまで撹拌する。点眼組成物本発明の抗体またはそのフラグメント0.5gヒドロキシ安息香酸メチル0.01gヒドロキシ安息香酸プロピル0.04g精製水B.P.100.0mlまでヒドロキシ安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピルを75℃にて70mlの精製水中に溶解し、得られた溶液を冷却する。ついで、本発明の抗体またはそのフラグメントを加え、溶液をメンブランフィルター(0.022μm孔径)で濾過滅菌し、適当な滅菌容器に無菌的に充填する。吸入による投与のための組成物15〜20ml容のアエロゾル容器:10mgの本発明の抗体またはそのフラグメントを0.2〜0.5%の滑沢剤、たとえばポリソルベート85またはオレイン酸と混合し、該混合物を噴射剤、たとえばフレオン中、好ましくは(1,2ジクロロテトラフルオロエタン)およびジフルオロクロロメタンとともに分散させ、鼻内かまたは経口吸入投与のいずれかに適合した適当なアエロゾル容器に入れる。15〜20ml容のアエロゾル容器のための吸入投与用組成物:10mgの本発明の抗体またはそのフラグメントをエタノール(6〜8ml)中に溶解し、0.1〜0.2%の滑沢剤、たとえばポリソルベート85またはオレイン酸を加え、これを噴射剤、たとえばフレオン中、好ましくは(1,2ジクロロテトラフルオロエタン)およびジフルオロクロロメタンとともに分散させ、鼻内かまたは経口吸入投与のいずれかに適合した適当なアエロゾル容器に入れる。本発明の抗体および医薬組成物は、非経口投与、すなわち皮下、筋肉内または静脈内投与に特に有用である。非経口投与用組成物は、一般に、適当な担体、好ましくは水性担体中に溶解した本発明の抗体またはそのフラグメントまたはその混合物の溶液を含むであろう。様々な水性担体、たとえば水、緩衝水溶液、0.4%食塩水、0.3%グリシンなどを用いることができる。これら溶液は滅菌してあり、一般に微粒子物質を含まない。これら溶液は、通常の、よく知られた滅菌法により滅菌できる。これら組成物は、適当な生理条件に必要な薬理学的に許容しうる添加物質、たとえばpH調節剤や緩衝化剤などを含んでいてよい。かかる医薬製剤中の本発明の抗体またはそのフラグメントの濃度は、広範囲に、すなわち約0.5重量%未満、通常少なくとも約1重量%から15または20重量%の高濃度までであってよく、選択した特定の投与法に従い、主として流体の容量、粘度等に基づいて選択されるであろう。それゆえ、筋肉内注射用の本発明の医薬組成物は、1mLの滅菌緩衝水溶液、および50mgの本発明の抗体またはそのフラグメントを含有するように調製できる。同様に、静脈内注入用の本発明の医薬組成物は、250mLの滅菌緩衝水溶液、および150mgの本発明の抗体またはそのフラグメントを含有するように調製できる。非経口投与用組成物の実際の調製方法はよく知られており、あるいは当業者には明らかであり、たとえばレミントンのファーマシューティカル・サイエンス(Remington's Pharmaceutical Science)、第15版、マック・パブリシング・カンパニー(Mack Publishing Company)、イーストン・ペンシルベニア(参照のため本明細書中に引用する)に一層詳細に記載されている。本発明の抗体(またはそのフラグメント)は貯蔵のために凍結乾燥することができ、使用前に適当な担体中で再構成することができる。この技術は通常の免疫グロブリンで有効であることが示されており、当該技術分野で知られた凍結乾燥および再構成法を用いることができる。意図する結果に応じて、本発明の医薬組成物は予防および/または治療処置のために投与することができる。特定の適用において、すでに疾患を患う患者に該疾患およびその合併症を治癒もしくは少なくとも部分的に阻止するのに充分な量にて組成物を投与する。予防的な適用においては、本発明の抗体またはその混合物を含有する組成物を、いまだ疾患状態にない患者に投与して患者の耐性を高める。医薬組成物の単回または多回投与を、処置に当たった医師により選択された投与量レベルおよび投与パターンにて行うことができる。いずれにしても、本発明の医薬組成物は、患者を有効に処置するに充分な所定量の本発明の変異抗体(またはそのフラグメント)を提供する。本発明の抗体はまた、該抗体と同じ療法に有用なペプチド性かまたは非ペプチド性の化合物(摸倣物)のデザインおよび合成に用いることができる。たとえば、サラゴビ(Saragovi)ら、Science、253:792〜795(1991)を参照。寄託CE9.1を発現するTCAE6中の株XL1Blue、Anti−CD4はATCCに寄託してあり、その受託番号は69030である。この寄託は1992年7月9日になされた。出願人およびその譲受人は、これら培養物が、発行された特許の期間の終了前、培養物の最新の請求の5年後、または30年、のうちいずれか遅くまでに死亡した場合には該培養物を取り替える義務を有すること、およびかかる特許の発行を寄託機関に通知する義務を有すること知っており、該特許が発行されたときに本寄託は公衆に非変更的に入手可能となるであろう。そのときまで、本寄託は37C.F.R.セクション1−14および35U.S.C.セクション112の規定に基づき、特許庁長官に入手可能とされるであろう。他の態様は下記特許請求の範囲にある。配列表配列番号:1配列の長さ:420塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)起源生物名:サルゲノム内での位置染色体/セグメント名:CE9.1の重鎖可変ドメイン配列の特徴NAME/KEY:CDS存在位置:4..420配列の特徴NAME/KEY:mat_peptide存在位置:61..420配列配列番号:2配列の長さ:139アミノ酸配列の型:アミノ酸トポロジー:直線状配列の種類:タンパク質配列配列番号:3配列の長さ:387塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)起源生物名:サルゲノム内での位置染色体/セグメント名:CE9.1の軽鎖可変ドメイン配列の特徴NAME/KEY:CDS存在位置:4..387配列の特徴NAME/KEY:mat_peptide存在位置:61..387配列配列番号:4配列の長さ:128アミノ酸配列の型:アミノ酸トポロジー:直線状配列の種類:タンパク質配列配列番号:5配列の長さ:702塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)起源生物名:ホモ・サピエンスゲノム内での位置染色体/セグメント名:CE9.1中のラムダ可変ドメインおよび定常ドメイン配列の特徴NAME/KEY:CDS存在位置:1..702配列の特徴NAME/KEY:mat_peptide存在位置:1..702配列配列番号:6配列の長さ:234アミノ酸配列の型:アミノ酸トポロジー:直線状配列の種類:タンパク質配列配列番号:7配列の長さ:1404塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)ゲノム内での位置染色体/セグメント名:重鎖可変および定常ガンマ4配列の特徴NAME/KEY:CDS存在位置:1..1404配列の特徴NAME/KEY:mat_peptide存在位置:1..1404配列配列番号:8配列の長さ:468アミノ酸配列の型:アミノ酸トポロジー:直線状配列の種類:タンパク質配列配列番号:9配列の長さ:1404塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)起源生物名:ホモ・サピエンスゲノム内での位置染色体/セグメント名:E変異を有する重鎖ガンマ4配列の特徴NAME/KEY:CDS存在位置:1..1404配列の特徴NAME/KEY:mat_peptide存在位置:1..1404配列配列番号:10配列の長さ:468アミノ酸配列の型:アミノ酸トポロジー:直線状配列の種類:タンパク質配列配列番号:11配列の長さ:1404塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)起源生物名:ホモ・サピエンスゲノム内での位置染色体/セグメント名:PおよびE変異を有する重鎖ガンマ4配列の特徴NAME/KEY:CDS存在位置:1..1404配列の特徴NAME/KEY:mat_peptide存在位置:1..1404配列配列番号:12配列の長さ:468アミノ酸配列の型:アミノ酸トポロジー:直線状配列の種類:タンパク質配列配列番号:13配列の長さ:26塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:VH1リーダー配列配列配列番号:14配列の長さ:31塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:VH2リーダー配列配列配列番号:15配列の長さ:29塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:VH3リーダー配列配列配列番号:16配列の長さ:31塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:VH4リーダー配列配列配列番号:17配列の長さ:31塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:VH5リーダー配列配列配列番号:18配列の長さ:31塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:VH6リーダー配列配列配列番号:19配列の長さ:30塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Mlu I部位を有するVH1リーダー配列配列配列番号:20配列の長さ:30塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Mlu I部位を有するVH2リーダー配列配列配列番号:21配列の長さ:27塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Mlu I部位を有するVH3リーダー配列配列配列番号:22配列の長さ:27塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Mlu I部位を有するVH4リーダー配列配列配列番号:23配列の長さ:30塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Mlu I部位を有するVH5リーダー配列配列配列番号:24配列の長さ:23塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Xho I部位を有するVH1、3a、5プライマー配列配列番号:25配列の長さ:23塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Xho I部位を有するVH2プライマー配列配列番号:26配列の長さ:23塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Xho I部位を有するVH3bプライマー配列配列番号:27配列の長さ:23塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Xho I部位を有するVH4プライマー配列配列番号:28配列の長さ:23塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Xho I部位を有するVH6プライマー配列配列番号:29配列の長さ:26塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:YES起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Nhe I部位を有するIgG1−4プライマー配列配列番号:30配列の長さ:38塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Bgl II部位を有するカッパ軽鎖プライマー配列配列番号:31配列の長さ:37塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NOゲノム内での位置染色体/セグメント名:Bgl II部位を有するカッパ軽鎖プライマー配列配列番号:32配列の長さ:41塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Bgl II部位を有するカッパ軽鎖プライマー配列配列番号:33配列の長さ:41塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Bgl II部位を有するカッパ軽鎖プライマー配列配列番号:34配列の長さ:39塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Bgl II部位を有するラムダ軽鎖プライマー配列配列番号:35配列の長さ:39塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Bgl II部位を有するラムダ軽鎖プライマー配列配列番号:36配列の長さ:39塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Bgl II部位を有するラムダ軽鎖プライマー配列配列番号:37配列の長さ:39塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Bgl II部位を有するラムダ軽鎖プライマー配列配列番号:38配列の長さ:38塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NO起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Bgl II部位を有するラムダ軽鎖プライマー配列配列番号:39配列の長さ:36塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:YES起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Kpn1部位およびBsiW1部位を有するカッパ軽鎖プライマー配列配列番号:40配列の長さ:30塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:YES起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Kpn1部位およびBsiW1部位を有するカッパ軽鎖プライマー配列配列番号:41配列の長さ:30塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:YES起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Hind III部位およびKpn1部位を有するラムダ軽鎖プライマー配列配列番号:42配列の長さ:36塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:YES起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Kpn1部位を有するラムダ軽鎖プライマー配列配列番号:43配列の長さ:27塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:YES起源生物名:ヒトまたはサルゲノム内での位置染色体/セグメント名:Avr II部位を有するラムダ軽鎖プライマー配列配列番号:44配列の長さ:17塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NOゲノム内での位置染色体/セグメント名:VH1重鎖可変領域配列配列番号:45配列の長さ:20塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NOゲノム内での位置染色体/セグメント名:VH2重鎖可変領域配列配列番号:46配列の長さ:20塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NOゲノム内での位置染色体/セグメント名:VH3重鎖可変領域配列配列番号:47配列の長さ:20塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NOゲノム内での位置染色体/セグメント名:VH4重鎖可変領域配列配列番号:48配列の長さ:20塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NOゲノム内での位置染色体/セグメント名:VH5重鎖可変領域配列配列番号:49配列の長さ:20塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:NOゲノム内での位置染色体/セグメント名:VH6重鎖可変領域配列配列番号:50配列の長さ:16塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:YESゲノム内での位置染色体/セグメント名:IgM重鎖定常領域配列配列番号:51配列の長さ:17塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:YESゲノム内での位置染色体/セグメント名:IgG1−4重鎖定常領域配列配列番号:52配列の長さ:21塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)ゲノム内での位置染色体/セグメント名:カッパ軽鎖可変領域配列配列番号:53配列の長さ:21塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)ゲノム内での位置染色体/セグメント名:ラムダ軽鎖可変領域配列配列番号:54配列の長さ:19塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:YESゲノム内での位置染色体/セグメント名:カッパ軽鎖定常領域配列配列番号:55配列の長さ:20塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)アンチセンス:YESゲノム内での位置染色体/セグメント名:ラムダ軽鎖定常領域配列配列番号:56配列の長さ:30塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)ゲノム内での位置染色体/セグメント名:ヒトガンマ4定常領域のためのPCRプライマー配列配列番号:57配列の長さ:31塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)ゲノム内での位置染色体/セグメント名:ヒトガンマ4定常領域のためのPCRプライマー配列配列番号:58配列の長さ:96塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)ゲノム内での位置染色体/セグメント名:ヒトガンマ4のPCR突然変異誘発配列配列番号:59配列の長さ:27塩基対配列の型:核酸鎖の数:一本鎖トポロジー:直線状配列の種類:DNA(genomic)ゲノム内での位置染色体/セグメント名:ヒトガンマ4のPCR突然変異誘発配列 ヒトCD4に対して産生された旧世界サルモノクローナル抗体の可変重鎖および軽鎖配列およびヒト定常重鎖および軽鎖配列を含み、その際、該ヒト定常重鎖配列が、ガンマ4アイソタイプ、または236位でのグルタミン酸によるロイシンの置換および/または229位でのプロリンによるセリンの置換により変異したガンマ4アイソタイプから選ばれる、ヒトCD4に特異的なキメラ抗体。 該重鎖配列が、図4(配列番号8)に示すガンマ4重鎖配列、図5(配列番号10)に示すガンマ4重鎖配列および図6(配列番号12)に示すガンマ4重鎖配列よりなる群から選ばれる、請求項1に記載のキメラ抗体。 該可変重鎖および軽鎖抗原結合配列が図1(配列番号2)および図2(配列番号4)に示すものである、請求項1に記載のキメラ抗体。 該軽鎖配列が図3(配列番号6)に示す配列である、請求項2に記載のキメラ抗体。 請求項1に記載のキメラ抗体をコードする組換えDNA。 請求項2に記載のキメラ抗体をコードする組換えDNA。 請求項3に記載のキメラ抗体をコードする組換えDNA。 請求項4に記載のキメラ抗体をコードし、その発現を提供する組換えDNA。 請求項5に記載の組換えDNAを組換え宿主細胞中で発現することを含む、CD4に特異的なキメラ抗体の製造方法。 請求項6に記載の組換えDNAを組換え宿主細胞中で発現することを含む、CD4に特異的なキメラ抗体の製造方法。 請求項7に記載の組換えDNAを組換え宿主細胞中で発現することを含む、CD4に特異的なキメラ抗体の製造方法。 請求項8に記載の組換えDNAを組換え宿主細胞中で発現することを含む、CD4に特異的なキメラ抗体の製造方法。 ヒトCD4に対して産生された旧世界サルモノクローナル抗体の可変重鎖および軽鎖配列およびヒト定常重鎖および軽鎖配列を含み、その際、該ヒト定常重鎖配列が、ガンマ4アイソタイプ、または236位でのグルタミン酸によるロイシンの置換および/または229位でのプロリンによるセリンの置換により変異したガンマ4アイソタイプから選ばれる、ヒトCD4に特異的なキメラ抗体を、ヒトにおいて免疫抑制を引き起こすのに治療的または予防的に有効な量にて含む、ヒトの免疫抑制剤。 該キメラ抗体において、該重鎖配列が、図4(配列番号8)に示すガンマ4重鎖配列、図5(配列番号10)に示すガンマ4重鎖配列および図6(配列番号12)に示すガンマ4重鎖配列よりなる群から選ばれる、請求項13に記載のヒトの免疫抑制剤。 該キメラ抗体において該可変重鎖および軽鎖抗原結合配列が図1(配列番号2)および図2(配列番号4)に示すものである、請求項13に記載のヒトの免疫抑制剤。 該キメラ抗体において、該軽鎖配列が図3(配列番号6)に示す配列である、請求項14に記載のヒトの免疫抑制剤。 自己免疫疾患用である、請求項13、14、15または16に記載のヒトの免疫抑制剤。 該自己免疫疾患が慢性関節リウマチである、請求項17に記載のヒトの免疫抑制剤。 移植片対宿主病、喘息および臓器移植拒絶より選ばれる疾患用である、請求項13、14、15または16に記載のヒトの免疫抑制剤。


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