生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ビニレンカーボネートの製造方法
出願番号:1997362529
年次:2008
IPC分類:C07D 317/40


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古田土 稔 藤井 隆 滝口 真 市川 修治 JP 4162743 特許公報(B2) 20080801 1997362529 19971215 ビニレンカーボネートの製造方法 三菱化学株式会社 000005968 横倉 康男 100070600 古田土 稔 藤井 隆 滝口 真 市川 修治 20081008 C07D 317/40 20060101AFI20080918BHJP JPC07D317/40 C07D 317/40 REGISTRY(STN) CAplus(STN) 米国特許第03041353(US,A) 米国特許第02918478(US,A) NEWMAN, M. S., et al.,Vinylene carbonate,Journal of the American Chemical Society ,1953年,75,1263-1264 NEWMAN, M. S., et al.,Synthesis and reactions of vinylene carbonate,Journal of the American Chemical Society,1955年,77,pp. 3789-3793 2 1999180974 19990706 4 20040507 早乙女 智美 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、工業的に有利なビニレンカーボネートの製造方法に関するものである。ビニレンカーボネートは、キャパシタの電解液の溶媒として有用である(特開平5−82138号、特開平8−96852号各公報、EP−A−582410号、EP−A−708452号各明細書参照)。【0002】【従来の技術】ビニレンカーボネートの合成法としてはクロロエチレンカーボネートの脱塩化水素による方法(M.S.Newman and R.W.Addor,J.Amer.Chem.Soc.,75,1263(1953))やエチレンカーボネートの脱水素による方法(USP.3457279)等が知られている。クロロエチレンカーボネートの脱塩化水素による合成法については、クロロエチレンカーボネートにトリエチルアミンを反応させてビニレンカーボネートを合成する方法が報告されている〔J.Amer.Chem.Soc.,77,3789(1955)〕が、反応時間が還流条件下で一昼夜以上と長く、また反応溶媒としてエチルエーテルを使用しているので爆発の危険性を有し、しかも収率の面で満足するものではない。【0003】【発明が解決しようとする課題】 クロロエチレンカーボネートからビニレンカーボネートを製造する方法として、上記のように、従来知られているものはいずれも工業的生産方法としては満足行くものではない。 本発明の目的は、工業的レベルでクロロエチレンカーボネートから高活性・高選択的にビニレンカーボネートを製造する方法を提供することにある。 本発明者等は上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、驚くべきことに、反応溶媒としてテトラヒドロフランを用いて反応させることにより、高活性・高選択的にビニレンカーボネートを製造する事ができることを見いだし、本発明を完成した。【0004】【課題を解決するための手段】 本発明は、不活性ガス雰囲気下、テトラヒドロフラン溶媒中でクロロエチレンカーボートにトリエチルアミンを反応させることを特徴とするビニレンカーボネートの製造方法を提供するものである。【0005】【発明の実施の形態】本発明におけるクロロエチレンカーボネートに対するトリエチルアミンの使用量は、好ましくはクロロエチレンカーボネート1モルに対し、トリエチルアミンは0.8〜1.3モル使用される。トリエチルアミンは原液のまま反応液中に導入してもよいが、溶媒のテトラヒドロフランで希釈して導入してもよい。【0006】反応に使用するテトラヒドロフランの量は、反応が進行するにつれて、反応したクロロエチレンカーボネートの量と等モル量のトリエチルアミン塩酸塩が生成してくるので、攪拌性が損なわれない程度、例えばクロロエチレンカーボネート1容量に対し、テトラヒドロフランを0.3〜5容量の割合で用いるのが好ましい。【0007】 反応温度については、室温でも反応は進行するが、反応時間短縮のために40〜90℃で反応させるのが好ましい。 反応圧力は特に限定されない。【0008】【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。実施例1ジムロート、滴下ロートを設置した攪拌機能を備えた200ccのガラス製四つ口フラスコに、クロロエチレンカーボネート52g(424mmol)及びテトラヒドロフラン52gを仕込み、窒素雰囲気下、前記混合液を攪拌しながら、滴下ロートを用いてトリエチルアミン49g(484mmol)を約30分かけて滴下した。滴下終了後、バス温を60℃に昇温して反応を行った。反応の進行具合は、適宜サンプリングを実施してガスクロマトグラフィーにより分析を行うことでチェックした。得られた結果を表1に示す。【0009】実施例2バス温を80℃とし、還流条件下で反応を行ったこと以外は実施例1と同様の方法で反応を実施した。なお、この条件では反応液温は約75℃であった。得られた結果を同じく表1に示す。【0010】比較例1反応溶媒としてエチルエーテルを用い、還流条件下で反応を行った以外は実施例1と同様の方法で反応を実施した。得られた結果を同じく表1に示す。【0011】【表1】表1【0012】なお、表1において、Cl−ECはクロロエチレンカーボネートを、VCはビニレンカーボネートを表し、Cl−EC転化率(%)及びVC収率(%)はそれぞれ次式に従って算出した。【0013】【数1】【0014】【発明の効果】 本発明は、クロロエチレンカーボネートにトリエチルアミンを反応させてビニレンカーボネートを製造する方法において、反応溶媒としてテトラヒドロフランを用いることによりビニレンカーボネートを高活性、高選択的、工業的に製造することを可能にした。 不活性ガス雰囲気下、テトラヒドロフラン溶媒中、クロロエチレンカーボネートにトリエチルアミンを反応させることを特徴とするビニレンカーボネートの製造方法。 反応を40〜90℃で行うことを特徴とする、請求項1に記載のビニレンカーボネートの製造方法。


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