生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ノイズ除去方法
出願番号:1997271705
年次:2006
IPC分類:G01N 29/44


特許情報キャッシュ

土屋 憲一郎 大谷 靖弘 JP 3733221 特許公報(B2) 20051021 1997271705 19971003 ノイズ除去方法 JFE工建株式会社 000231132 遠山 勉 100089244 松倉 秀実 100090516 佐藤 宗徳 100091100 土屋 憲一郎 大谷 靖弘 20060111 G01N 29/44 20060101AFI20051215BHJP JPG01N29/22 501 G01N 29/00 - 29/28 A61B 8/00 - 8/15 特開平3−233353(JP,A) 特開平8−327612(JP,A) 1 1999108908 19990423 6 20031104 鈴木 俊光 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、超音波探傷装置などに適用するのに好適なノイズ除去方法に関する。【0002】【従来の技術】従来、信号のノイズ除去には、ノイズフィルタ、アース、回路切断などの物理的な手段を用いるか、または電気的なノイズキャンセラーを用いるのが普通であった。【0003】また、波形処理によりノイズ除去を行う場合もあるが、この場合には周知のように積分法が用いられている。この積分法においては、図3(A)に示すように同一の信号発生源から発生された特定の信号Sをn回(ここではn=2)検出して、同図(B)、(C)に示すように検出信号Sa、Sbを得る。【0004】そして、同図(D)に示すように検出したこれらの信号Sa、Sbを加算して検出回数n(ここではn=2)で除算することにより、検出すべき信号成分(h1+h2)/nを残したまま、各信号Sa、Sbに含まれているノイズa1、a2を(a1/n)、(a2/n)に低減することにより、除去するようになっている。【0005】すなわち、各検出信号Sa、Sbに含まれるノイズa1、a2は、それぞれ発生時期及び大きさが異なるので、これらを加算しても各ノイズa1、a2の大きさは増大しないため、各検出信号Sa、Sbを加算した後、検出回数nで除算することにより各ノイズa1、a2が1/nになって除去されるのである。【0006】【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の物理的なノイズ除去手段では、超音波と同じ周波数帯のノイズをカットできないという問題があった。例えば、図4(A)に示すように、15kHzの溶接パルスSdに、超音波と同じ周波数帯(1MHz〜10MHz)の高周波溶接のスイッチングノイズa3が重畳している場合、これを従来の物理的なノイズ除去手段で処理すると、同図(B)に示すようにスイッチングノイズa3だけが残ってしまうという問題があった。【0007】また、従来の積分法による電気的なノイズ除去は、特定信号Sの検出回数nを多くしないとノイズ除去効果が低くなるという問題があった。本発明の目的は、このような問題点を解決することにあり、超音波と同じ周波数帯のノイズを確実に除去することができ、更に、信号の検出回数を少なくしてもノイズ除去効果を上げることが可能なノイズ除去方法を提案することにある。【0008】【課題を解決するための手段】 本発明はノイズ除去方法であり、前述の技術的課題を解決するために以下のように構成されている。すなわち、本発明のノイズ除去方法は、 同一の信号発生源から発生し、抽出すべきパルス状の有効成分と、検出毎に異なるタイミングで発生するパルス状のノイズ成分を含む超音波探傷装置の反射エコーの検出信号を複数回検出し、 前記複数回検出した各反射エコーの検出信号における波形を記録し、 前記記録した各反射エコーの検出信号の波形を同一のタイミングで比較して、波高値0を含む最小の波高値を抽出することにより、信号波形を得ることを特徴とする。【0009】このノイズ除去方法は、記録した複数個の信号の波形のうち、同一のタイミングで発生した部分の最小値が残され、異なるタイミングで発生した部分が全て除去される。【0010】 また、本発明では、超音波探傷装置の反射エコーの検出信号のうち、同一のタイミングで発生する有効成分を抽出し、それ以外のノイズ成分を除去することができる。【0011】【発明の実施の形態】以下、本発明に係るノイズ除去方法の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。【0012】 図1は、本発明に係るノイズ除去方法を説明する図である。このノイズ除去方法においては、図1(A)に示すように同一の信号発生源から発生したノイズ除去すべき特定の信号Sを複数回、本実施の形態では2回検出する。そして、同図(B)及び(C)に示すように、検出した各信号S1、S2の波形を記録する。【0013】 本実施の形態では、検出信号S1にはパルス状の有効成分e1とパルス状のノイズ成分a1とが含まれており、検出信号S2にはパルス状の有効成分e2とパルス状のノイズ成分a2とが含まれている。各有効成分e1、e2は殆ど同一のタイミングで検出され、各ノイズ成分a1、a2は上記有効成分e1,e2と異なるタイミングで、且つ互いに異なるタイミングで検出される。【0014】 次に、これらの記録した各検出信号S1、S2のそれぞれの波形の波高値を同一のタイミングで比較して最小値を抽出する。これにより、同図(D)に示すように信号S4が得られる。この信号S4には、各検出信号S1、S2に同一のタイミングで発生した有効成分e1、e2のうち最小の波高値、ここでは有効成分e2が残される。【0015】 また、各検出信号S1、S2のノイズ成分a1、a2は、夫々異なるタイミングで検出されているので、各検出信号S1、S2の各ノイズ成分a1、a2が発生した範囲を同一のタイミングで比較して小さい方を抽出すると、ノイズ成分a1、a2が無いほうの波高値0が抽出される。これによって、ノイズ成分a1、a2が除去される。【0016】なお、各検出信号S1、S2の波高値の比較は、複数の位置で行われる。また、上述の実施の形態では、特定信号Sの検出回数を2回とした場合について説明したが、例えばノイズが多い場合などには、特定信号Sの検出回数を3回以上とすることができる。【0017】 このように、このノイズ除去方法においては、特定信号Sを複数回、ここでは2回検出して得られた検出信号S1、S2の波形を記録し、その波高値h1、h2を同一のタイミングで比較して最小値h2を抽出するだけなので、従来の積分法によるノイズ除去のように検出回数nを多くしなくてもノイズ除去効果を向上させることができる。また、検出信号及びノイズの周波数に影響を受けないので、超音波の周波数帯のノイズでも確実に除去することができる。【0018】このノイズ除去方法は、超音波探傷装置の反射エコーの検出時に適用することができる。この場合は、同一の反射エコーを複数回検出し、これらの検出された反射エコーの波形を記録し、各波形の波高値を所定のタイミングで比較して最小値を抽出する。これによって、反射エコーの検出信号に含まれるノイズ成分を除去することができる。また、この場合には、サンプリングしたデータを圧縮した後の波形を用いて、上述と同様にノイズ除去処理をすることができる。【0019】上述の超音波探傷装置においては、反射エコー検出用の探触子が移動している最中に反射エコーを検出して、上述と同様な方法でノイズキャンセル処理をすることもできる。【0020】 但し、この場合は、図2(A)に示すように第1回目の検出信号S1と第2回目の検出信号S2とが位置ずれするので、同図(B)に示すようにノイズキャンセル処理後の信号S5は、各検出信号S1、S2の波高値h1、h2より大幅に小さい値h3となる。したがって、この場合には、例えば検出信号S2にディレイを入れるなどして検出信号S1との位置合わせが必要になる。この位置合わせは、探触子が低速または停止している場合には不要である。【0021】【発明の効果】以上説明したように、本発明のノイズ除去方法によれば、特定の信号を複数回検出してその波形の波高値を所定のタイミングで比較して小さい方を抽出するだけでノイズを除去することができるので、ノイズ除去効果を上げることができる。また、検出信号及びノイズの周波数に拘わらずノイズを除去できるので、超音波の周波数帯のノイズも確実に除去することができる。【0022】特定の信号を超音波探傷装置における反射エコーの検出信号とした場合は、超音波探傷装置の反射エコーのノイズを容易にしかも確実に除去することができる。【図面の簡単な説明】【図1】本発明に係るノイズ除去方法を説明する図である。【図2】本発明に係るノイズ除去方法の検出信号の位置ずれを説明する図である。【図3】従来例に係るノイズキャンセラによるノイズ除去方法を説明する図である。【図4】従来例に係る物理的なノイズ除去装置によるノイズ除去方法を説明する図である。【符号の説明】S 特定の信号S1、S2 検出信号h1、h2 波高値 同一の信号発生源から発生し、抽出すべきパルス状の有効成分と、検出毎に異なるタイミングで発生するパルス状のノイズ成分を含む超音波探傷装置における反射エコーの検出信号を複数回検出し、 前記複数回検出した各反射エコーの検出信号における波形を記録し、 前記記録した各反射エコーの検出信号における各波形を同一のタイミングで比較して、波高値0を含む最小の波高値を抽出することにより、信号波形を得ることを特徴とするノイズ除去方法。


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