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タイトル:特許公報(B2)_N末端メチオニンの除去方法
出願番号:1997156777
年次:2007
IPC分類:C07K 1/12,C12N 15/09,C12P 21/02,C12R 1/19


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西村 紀 末永 正人 大前 弘明 辻 伸次 JP 3913316 特許公報(B2) 20070209 1997156777 19970613 N末端メチオニンの除去方法 武田薬品工業株式会社 000002934 小林 浩 100092783 片山 英二 100095360 西村 紀 末永 正人 大前 弘明 辻 伸次 JP 1996154634 19960614 20070509 C07K 1/12 20060101AFI20070412BHJP C12N 15/09 20060101ALN20070412BHJP C12P 21/02 20060101ALN20070412BHJP C12R 1/19 20060101ALN20070412BHJP JPC07K1/12C12N15/00 AC12P21/02C12P21/02C12R1:19 Chemical Abstracts,62:5475f-h 13 1998072489 19980317 63 20040604 内藤 伸一 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、N末端にメチオニンを有するペプチド(蛋白質を含む)またはその塩からメチオニンを除去する方法に関する。【0002】【従来の技術】蛋白質が細胞内で生合成される際には、そのN末端は mRNAの開始コドンAUGに対応するメチオニンから始まっていることが知られている。しかしながらこのメチオニンは以後のプロセッシングによって取り除かれてしまうため、完成された成熟蛋白質分子にはもはや存在しないのが通例である。遺伝子組換え技術の進歩により、有用な蛋白質を微生物や動物細胞、例えば大腸菌を用いて産生することが可能となったが、本手法により産生される蛋白質には、上記メチオニンが残存している例が見い出されている。例えば、大腸菌で発現させたヒト成長ホルモンにおいてメチオニンの付加率はほぼ100%[ネイチャー(Nature),293,408(1981)]に達し、インターフェロン−αにおいては50%[ジャーナル・オブ・インターフェロン・リサーチ(J. Interferon Res.),1,381(1981)]、非グリコシル化ヒトインターロイキン−2では、天然型ヒトインターロイキン−2と同じくアラニンではじまる分子種(rIL−2)に加え、アミノ末端にさらにメチオニンの付加した分子種(Met−rIL−2)の存在が認められている。一方、N末端のアミノ酸を化学的に除去する方法としては、Dixon が、1964年に、DL−アラニルグリシンにグリオキシル酸、ピリジン、酢酸銅を反応させるとアミノ基移転反応が起こり、ピルボイルグリシンが生成すること[バイオケミストリー・ジャーナル(Biochem. J),92,661(1964)]、さらに、化合物にチオセミカルバジドを反応させるとアミド結合の解裂が起こり、グリシンを生成することを報告している[バイオケミストリー・ジャーナル(Biochem.J),90,2C(1964)]。次いで、この反応をチトクロームC−551(Pseudomonas cytochrome c−551)に応用し、N末端グルタミン酸が除去されることを報告している[バイオケミストリー・ジャーナル(Biochem. J),94,463(1965)]。しかしながら、これらは合成ペプチドまたは成熟蛋白質のN末端アミノ酸の除去に限定されており、遺伝子組換え蛋白質のN末端に付加したメチオニンの除去に、本反応を有効に利用している例は見い出せない。【0003】【発明が解決しようとする課題】同じ蛋白質であっても、N末端にメチオニンの付加した分子種とそうでない分子種とは蛋白質の高次構造、生物活性、安定性が相互に異なる可能性があり、さらにメチオニンのN末端への付加が抗原性の増加をもたらす可能性もありうるものと考えられる。従って、産業利用上の観点から、この開始コドンに対応するN末端メチオニン除去法を確立することは意義あることと考えられる。この課題を解決するため、臭化シアン(BrCN)分解によってメチオニンを取り除く方法が提案[サイエンス(Science),198,1056(1977)]されているが、この場合は所望の成熟蛋白質中にメチオニン残基が存在しないことが前提となる上、過酷な化学反応を蛋白質に付す該方法によっては、決して満足する結果は得られない。N末端にメチオニン残基を有するペプチドまたは蛋白質から、ペプチドまたは蛋白質の種類に拘わらず、選択的かつ効率的に、N末端のメチオニン残基を除去することを可能とする化学的な方法は全く知られていないが、このことは、最終生産物となるペプチドまたは蛋白質を変性させることなく、マイルドな条件下でN末端メチオニンを除去しうる化学的な反応を見い出すことの困難性に起因すると考えられる。特に、分子量が比較的大きく、遺伝子工学的に製造される蛋白質、なかでも、医薬として用いることを目的とした蛋白質から、N末端に余分に付加したメチオニンを除去する場合、メチオニン除去後に蛋白質の活性が低下しないことが要求されるため、通常、弱酸性から弱アルカリの水溶液中で加熱することなく、反応を進行させる必要があり、化学的な反応条件としては制限が多いので、良好な反応条件を見い出せないのが現状であった。【0004】【課題を解決するための手段】本発明者らは、遺伝子工学的に製造される蛋白質におけるN末端のメチオニンのみを切断することによる、天然型のアミノ酸配列を有する蛋白質の製造法を提供すべく鋭意研究したところ、メチオニンの付加した蛋白質においてメチオニンをα−ジケトン体に変換した後、有機ジアミン類を作用させて、メチオニンの付加した蛋白質から、N末端メチオニンを除去する方法を見い出すべく鋭意努力した結果、下記式(I)で表わされるメチオニンの付加したペプチドまたは蛋白質に、α−ジケトン類であるグリオキシル酸、遷移金属イオンを供与しうる硫酸銅、アミン類であるピリジンを反応させて、アミノ基移転反応を行い、メチオニンをα−ジケトン体に変換した後、さらにジアミン類であるo−フェニレンジアミンと反応させて加水分解反応を行うことにより、メチオニンの付加したペプチドまたは蛋白質から、N末端メチオニンを除去し、その活性を低下させることなく、N末端にメチオニンの付加していないペプチドまたは蛋白質を得る方法を見い出し、さらに研究を進め、本発明を完成させるに至った。【化1】[式(I)中、Xはアミノ酸残基または2以上の任意のアミノ酸数を有するペプチド鎖であればいずれでもよいが、実用的な面からは、遺伝子工学的に製造された蛋白質のXに対応する部分のペプチド鎖が挙げられる。なお、本願明細書において、蛋白質あるいはペプチドと称する場合、複数のアミノ酸からなるペプチドまたは蛋白質は、非グリコシル化またはグリコシル化ペプチドまたは蛋白質のいずれであってもよい。]【0005】すなわち、本発明は、(1)N末端に酸化されていてもよいメチオニン残基を有するペプチドまたはその塩とα−ジケトン類を反応させた後、加水分解することを特徴とする該メチオニン残基の除去方法;(2)N末端に酸化されていてもよいメチオニン残基を有するペプチドが遺伝子工学的に製造されたペプチドである前記(1)記載の方法;(3)遺伝子工学的に製造されたペプチドがN末端に酸化されていてもよいメチオニン残基が付加した成長ホルモン、ニューロトロフィン−3、ベータセルリン、副甲状腺ホルモンまたはインターロイキン−2である前記(2)記載の方法;(4)遷移金属イオンの存在下にα−ジケトン類を反応させることを特徴とする前記(1)記載の方法;(5)塩基の存在下にα−ジケトン類を反応させることを特徴とする前記(1)記載の方法;(6)遷移金属イオンおよび塩基の存在下にα−ジケトン類を反応させることを特徴とする前記(1)記載の方法;(7)α−ジケトン類がグリオキシル酸またはその塩である前記(1)記載の方法;(8)遷移金属イオンが銅イオンである前記(4)記載の方法;(9)塩基がピリジンである前記(5)記載の方法;(10)塩基を用いて加水分解することを特徴とする前記(1)記載の方法;(11)塩基がアミン類である前記(10)記載の方法;(12)塩基がジアミン類またはチオもしくはセレノセミカルバジド類である前記(10)記載の方法;(13)ジアミン類がo−フェニレンジアミンである前記(12)記載の方法;(14)遺伝子工学的に製造され、N末端にメチオニンが付加したヒト成長ホルモンまたはその塩とグリオキシル酸またはその塩とを硫酸銅およびピリジンの存在下に反応させた後、o−フェニレンジアミンと反応させることを特徴とするヒト成長ホルモンまたはその塩の製造法;(15)遺伝子工学的に製造され、N末端にメチオニンが付加したニューロトロフィン−3またはその塩とグリオキシル酸またはその塩とを硫酸銅およびピリジンの存在下に反応させた後、o−フェニレンジアミンと反応させることを特徴とするニューロトロフィン−3またはその塩の製造法;(16)遺伝子工学的に製造され、N末端にメチオニンが付加したヒトベータセルリンまたはその塩とグリオキシル酸またはその塩とを硫酸銅およびピリジンの存在下に反応させた後、o−フェニレンジアミンと反応させることを特徴とするヒトベータセルリンまたはその塩の製造法;(17)遺伝子工学的に製造され、N末端にメチオニンが付加したヒトインターロイキン−2またはその塩とグリオキシル酸またはその塩とを硫酸銅およびピリジンの存在下に反応させた後、o−フェニレンジアミンと反応させることを特徴とするヒトインターロイキン−2またはその塩の製造法;(18)遺伝子工学的に製造され、N末端にメチオニンが付加した副甲状腺ホルモンまたはその塩とグリオキシル酸またはその塩とを硫酸銅およびピリジンの存在下に反応させた後、o−フェニレンジアミンと反応させることを特徴とする副甲状腺ホルモンまたはその塩の製造法;(19)式 CH3-S(O)m-(CH2)2-CO-CO-X[式中、mは0ないし2の整数を示し、Xはアミノ酸残基またはペプチド鎖を示す。]で表される化合物またはその塩;および(20)前記(19)記載の化合物を加水分解することを特徴とするアミノ酸、ペプチドまたはその塩の製造法;などに関する。【0006】本明細書において、酸化されていてもよいメチオニン残基は、メチオニン残基またはそのS酸化体を示し、メチオニン残基のS酸化体としては、スルホキシドおよびスルホン体が挙げられる。N末端に酸化されていてもよいメチオニン残基を有するペプチドまたは蛋白質としては、式CH3-S(O)m-(CH2)2-CH(NH2)-CO-X[式中、mは0ないし2の整数を示し、Xはアミノ酸残基またはペプチド鎖を示す。]で表されるペプチドまたは蛋白質が挙げられ、これらは塩を形成してもよく、塩としては、本発明の反応を阻害しないものであれば何れでもよいが、中でも薬学的に許容可能な塩が好ましく、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸など無機酸との塩、酢酸、フタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機酸との塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などがあげられる。【0007】上記式中、mとしては0が好ましい。また、Xとしてはアミノ酸の数が2以上のペプチド鎖が好ましい。本発明の除去方法に用いるペプチドとしては、アミノ酸数が50未満のいわゆるペプチドあるいはアミノ酸数が50以上のいわゆる蛋白質の何れであってもよい。このように、本願明細書において、「ペプチド」で示される用語は、アミノ酸数が50未満の分子のみならず、アミノ酸数が50以上の分子をも含むものであるが、なかでも、アミノ酸数が50以上の分子(いわゆる蛋白質)が好ましく用いられる。好ましいペプチドとしては、アミノ酸数が2ないし1000であるペプチド、さらに好ましくはアミノ酸数が15ないし500であるペプチドが挙げられ、その具体例としては、成長ホルモン(GH)、副甲状腺ホルモン(PTH)、インシュリン、神経成長因子、脳由来神経栄養因子、毛様体神経栄養因子、グリア由来神経栄養因子、ニューロトロフィン−3、4または6、中枢神経成長因子、グリア成長因子、肺由来神経栄養因子、上皮細胞成長因子、繊維芽細胞成長因子、血小板由来成長因子、トランスフォーミング成長因子αまたはβ、血管内皮細胞成長因子、ティッシュ・プラスミノーゲン・アクチベータ、ウロキナーゼ、プロテインC、トロンボモジュリン、骨形成因子、カルシトニン、インスリン様成長因子、インターフェロン−α、βまたはγ、インターロイキン−1(α、β)〜12、顆粒コロニー刺激因子、顆粒マクロファージ・コロニー刺激因子、顆粒マクロファージ刺激因子、トロンボポエチン、エリスロポイエチン、PACAP、心房性ナトリウム利尿ペプチド、エンドセリン、巨核球成長因子、血液幹細胞成長因子、肝細胞成長因子、モチリン、イムノトキシン、腫瘍壊死因子、ヒルジン、コルチコトロピン、アンジオテンシン、アンジオテンシン2およびそのペプチド性拮抗薬、アンジオテンシン3、ブラジキニン類、ブラジキニン増強因子、α、βまたはγエンドルフィン、エンケファリン、好球中走化性因子、ガストリン、グルカゴン、成長ホルモン放出因子、キョウトルフィン、カリジン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、肥満細胞脱顆粒ペプチド、メラニン細胞刺激ホルモン、ニューロテンシン、トリプシンインヒビター、オキシトシン、プロインシュリンC−ペプチド、セクレチン、ソマトスタチン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、ユビキチン、ウロガストロン、バソプレッシン類、キニン類、タフトシン、ソマトメジン、コルチコトロピン放出因子、インスリン様成長因子、カルシトニン遺伝子関連ペプチド、PTHrP、VIP、DHI、インスリノトロピン、GRP、CCK−PZ、Galanin(ガラニン)、アカトラムペプチド(Antrum Peptide)、PPY、Pancreatic Polypeptide、PSP、パンクレアスタチン、hCG、hCS、リラキシン、血清胸腺因子、サイモポイエチン、サイモシン、ファクターXIII、ファクターVIII、プロウロキナーゼ、SOD、ファクターVIIa、アンチトロンビンなどの蛋白質およびそれらのムテイン(天然型の蛋白質に1つ以上のアミノ酸が置換、欠損または付加し、天然の蛋白質と同等またはそれ以上の生物学的または免疫学的活性を示すもの)など、あるいは化学合成などにより製造される公知または新規のペプチドなどが挙げられるが、なかでも、遺伝子工学的に製造された蛋白質、とりわけ、遺伝子工学的に製造され、N末端に酸化されていてもよいメチオニンが付加した成長ホルモン、ニューロトロフィン−3、ベータセルリン、副甲状腺ホルモン、インターロイキン−2などが好ましく用いられる。上記した天然型の蛋白質は、何れの動物種由来のものであってもよいが、実用的には、ヒト由来の蛋白質が好ましく用いられる。【0008】 本明細書において、α−ジケトン類は、上記したペプチドまたはその塩のアミノ基移転反応を進行させうるものであれば何れでもよく、例えば式R1−CO−CO−R2[式中、R1は水素またはカルボキシル基で置換されていてもよい低級アルキルもしくはフェニル基(好ましくは水素またはメチル、さらに好ましくは水素)を示し、R2は水酸基、低級アルコキシ基または低級アルキルで置換されていてもよいアミノ基(好ましくは水酸基)を示す。]で表される化合物またはその塩などが挙げられる。上記式中、R1で示される低級アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−ブチルなどの炭素数1ないし6程度のアルキル基などが挙げられ、R2で示される低級アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、i−プロポキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシなどの炭素数1ないし6程度のアルコキシ基などが挙げられる。また、R2で示される低級アルキルで置換されていてもよいアミノ基としては、前記したR1で示される低級アルキル基を1ないし2個有していてもよいアミノ基などが挙げられる。さらに、塩としては、上記したペプチドまたは蛋白質の塩と同様なものが挙げられる。α−ジケトン類の具体例としては、グリオキシル酸、ピルビン酸、オキサル酢酸、フェニルグリオキシル酸、2−オキソグルタル酸などが挙げられるが、なかでも、グリオキシル酸が好ましく用いられる。【0009】N末端に酸化されていてもよいメチオニン残基を有するペプチドまたはその塩とα−ジケトン類とのアミノ基転移反応は、通常、ペプチドまたはその塩1モルに対して、1ないし1万モル(好ましくは2000ないし4000モル)程度のα−ジケトン類を、約0ないし70℃(好ましくは約20ないし40℃)で約5分ないし2時間(好ましくは約15分ないし1時間)反応させるのが好ましい。上記したアミノ基転移反応を阻害しないものであれば何れの緩衝液(例、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液など)を用いてもよいが、なかでも、酢酸緩衝液が好ましく用いられる。また、反応のpHは、約2ないし9、なかでも、約4ないし7、とりわけ、約5ないし6に調整して、N末端に酸化されていてもよいメチオニン残基を有するペプチドまたはその塩が変性しない条件下で反応を進行させるのがよい。該アミノ基転移反応を促進するため、遷移金属イオンの存在下にα−ジケトン類を反応させることが好ましく、通常、α−ジケトン類1モルに対して、0.001ないし0.1モル(好ましくは0.01ないし0.05モル)程度の遷移金属イオンを用いるのが好ましい。遷移金属イオンとしては、例えば、銅イオン(Cu+,Cu2+)、コバルトイオン(Co2+,Co3+)、ニッケルイオン(Ni2+,Ni3+)、鉄イオン(Fe2+,Fe3+)、亜鉛イオン(Zn2+)、アルミニウムイオン(Al3+)、マンガンイオン(Mn2+など)、ガリウムイオン(Ga3+)、インジウムイオン(In3+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)などを用いることができるが、なかでも、銅イオン、コバルトイオンなど、とりわけ、銅イオン(Cu2+)が好ましく用いられる。これらの遷移金属イオンは、通常、硫酸、硝酸、塩酸、過塩素酸などの無機酸との塩または酢酸、シュウ酸、クエン酸、炭酸などの有機酸との塩として、反応溶媒に添加することができ、なかでも、硫酸銅、酢酸銅、とりわけ、硫酸銅が好ましく用いられる。【0010】また、塩基の存在下にα−ジケトン類を反応させることが好ましく、通常、α−ジケトン類1モルに対して、0.1ないし2モル(好ましくは0.5ないし1.0モル)程度の塩基を用いるのが好ましい。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアルキルアミン類、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、ルチジン、コリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、イミダゾールなどの芳香族アミン類、尿素などの有機塩基などを用いることができるが、なかでも、芳香族アミン類、とりわけ、ピリジンが好ましく用いられる。【0011】さらに、上記したアミノ基転移反応は、遷移金属イオンおよび塩基の存在下にα−ジケトン類を反応させることが好ましく、実用的には、遷移金属イオン、塩基およびα−ジケトン類の3成分(例えば、硫酸銅、ピリジンおよびグリオキシル酸など)を含有する混合液を、N末端に酸化されていてもよいメチオニン残基を有するペプチドまたはその塩を含有する水溶液に添加して、アミノ基転移反応を進行させる。該アミノ基転移反応により得られ、式 CH3-S(O)m-(CH2)2-CO-CO-X[式中、mは0ないし2の整数を示し、Xはアミノ酸残基またはペプチド鎖を示す。]で表される化合物またはその塩は、新規な化合物であり、ペプチドまたは蛋白質の公知精製手段、例えば、抽出、塩析、分配、再結晶、クロマトグラフィーなどにより、反応溶液から単離・精製することもできるが、そのまま次の加水分解反応に付すこともできる。アミノ基転移反応で得られたジケトン体は、通常、塩基による加水分解反応に付して、N末端の酸化されていてもよいメチオニン残基が除去されたアミノ酸、ペプチドまたはその塩に変換することができる。【0012】加水分解反応に用いる塩基としては、例えば、システアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアルキルアミン類、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、ルチジン、コリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、イミダゾールなどの芳香族アミン類、o−フェニレンジアミン、トリレン−3,4−ジアミン、3,4−ジアミノ安息香酸、2,3−ジアミノフェノール、4−クロロ−o−フェニレンジアミンなどのジアミン類(好ましくは芳香族ジアミン類、なかでも、o−フェニレンジアミン類)、チオセミカルバジド、アセトンチオセミカルバジド、フェニルチオセミカルバジドなどのチオセミカルバジド類、セレノセミカルバジド、アセトンセレノセミカルバジドなどのセレノセミカルバジド類などのアミン類などを用いることができるが、なかでも、アミン類、とりわけ、ジアミン類またはチオセミカルバジド類が好ましく用いられ、特に、o−フェニレンジアミンが好ましく用いられる。【0013】塩基の量は、通常、ジケトン体1モルに対して約1ないし1万モル、好ましくは約500ないし2000モルである。加水分解反応は、通常、約0ないし70℃(好ましくは約20ないし40℃)で約1ないし50時間(好ましくは約10ないし25時間)で進行させるのが好ましい。反応には、緩衝液を溶媒として用いることが好ましく、緩衝液としては、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液などが挙げられる。上記した加水分解反応を阻害しないものであれば何れの緩衝液を用いてもよいが、なかでも、酢酸緩衝液が好ましく用いられる。また、反応のpHは、約2ないし9、なかでも、約3ないし7、とりわけ、約4ないし6の中性付近に調整して、得られるアミノ酸、ペプチドまたはその塩が変性しない条件下で反応を進行させるのがよい。このようにして得られるアミノ酸、ペプチドまたはその塩は、公知の精製手段、例えば、抽出、塩析、分配、再結晶、クロマトグラフィーなどにより、反応溶液から単離・精製することもできるが、好ましい例として、例えば、SP−セファロース(ファルマシア バイオテク(株))あるいは、DEAE−5PW(トーソー(株))を介したイオン交換クロマトグラフィーなどによる精製法が挙げられる。【0014】本発明により製造されるポリペプチドはそのN末端にメチオニンを有さず、また天然の生理活性ポリペプチドと同一のアミノ酸配列を有するものとして得られるので、天然のポリペプチドと同様の活性を有し低毒性で安全に医薬品や診断用薬剤として使用できる。本発明により、メチオニンの付加したペプチドからN末端メチオニンを特異的に除去することができる。本発明の明細書および〔図面〕においてアミノ酸等の略号で表示する場合には、IUPAC−IUB Commission on Biochemical Nomenclature による略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下に示す。またアミノ酸に関して光学異性がある場合は、特に明示しなければL−体を示す。【0015】SDS : ドデシル硫酸ナトリウムGly : グリシンAla : アラニンVal : バリンLeu : ロイシンIle : イソロイシンSer : セリンThr : スレオニンCys : システインMet : メチオニンGlu : グルタミン酸Gln : グルタミンAsp : アスパラギン酸Asn : アスパラギンLys : リジンArg : アルギニンHis : ヒスチジンPhe : フェニルアラニンTyr : チロシンTrp : トリプトファンPro : プロリンAsx : Asp + AsnGlx : Glu + Gln【0016】【発明の実施の形態】以下の参考例および実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。【実施例】参考例1Met−rhGHの製造:特開昭62−171699の参考例4に記載の方法に準じて、Met−rhGHを製造した。(i) 生産菌ATCCより分譲されたヒト成長ホルモン遺伝子を有する形質転換体エシェリヒア・コリ K12 χ1776/pHGH 107(ATCC 31538)を使用した。(ii)培 養形質転換体エシェリヒア・コリ K12 χ1776/pHGH 107(ATCC 31538,IFO 14505)を2L 容マイヤーのバクト・トリプトン1%,バクト・イースト0.5%,食塩0.5%,テトラサイクリン・塩酸10mg/L,アンピシリン・ナトリウム10mg/L,チミン20mg/L およびジアミノピメリン酸100mg/L を含む液体培地(pH 7.0)1L に接種して37℃で一晩回転振盪培養した。この培養液を、リン酸1水素ナトリウム1.68%,リン酸2水素カリウム0.30%,塩化アンモニウム0.10%,食塩0.05%,消泡剤200mg/L,グルコース1.00%,カザミノ酸1.00%,硫酸マグネシウム246mg/L,テトラサイクリン・塩酸10mg/L,アンピシリン・ナトリウム10mg/L,チミン20mg/L およびジアミノピメリン酸100mg/L を含む液体培地(pH 6.8)20L の入った50L 容ジャーファーメンターに移し、37℃で10時間通気撹拌培養した。この培養液を遠心分離し、菌体を集めた。【0017】参考例2参考例1で得た湿菌体2kgを取り出し、この菌体に8M塩酸グアニジンを含む50mMトリス塩酸緩衝液(pH 8.0)6L を加え、菌体の固まりがなくなるまで十分撹拌し菌体を溶解した後、遠心分離(10,000rpm、60分)を行い約6L の菌体抽出液を得た。この菌体抽出液を約70L の10mMトリス塩酸緩衝液(pH 7.0)に対して2回透析し、透析終了後得られた透析内液約9L に、最終濃度が20%飽和硫酸アンモニウム濃度になるように硫酸アンモニウムを加えて溶解した後、遠心分離(4,200rpm、60分)を行い約10L の遠心上澄液を得た。この上澄液を2回に分けてフェニル−トヨパール650Cカラム(5cmφ×50cm)に通液し、吸着、洗浄した後、▲1▼40%飽和硫酸アンモニウムを含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH 7.0)と▲2▼10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.0)とによる濃度勾配溶出法により溶出し、Met−rhGH画分を集め、50mM炭酸水素ナトリウム溶液(pH 8.2)に対して透析した。得られた透析内液を遠心分離(4,200rpm、45分)し、約3.7L の遠心上澄液を得た。この上澄液を4回に分けてDEAE−トヨパール650Mカラム(4cmφ×50cm)に通液し、吸着、洗浄した後、▲1▼10mM炭酸水素ナトリウム溶液(pH 8.2)と▲2▼1M塩化ナトリウムを含む10mM炭酸水素ナトリウム溶液(pH 8.2)とによる濃度勾配溶出法によりMet−rhGHを溶出し、集めたMet−rhGH画分を50mM炭酸水素ナトリウム溶液(pH 8.2)に対して透析した。得られた約1.2L の透析内液をDEAE−5PWカラム(55mmφ×20cm、東ソー)及び▲1▼10mM炭酸水素ナトリウム溶液(pH 8.2)と▲2▼1M塩化ナトリウムを含む10mM炭酸水素ナトリウム溶液(pH 8.2)とによる濃度勾配溶出法を用いた高速液体クロマトグラフィーにより吸着、溶出し、約600mlのMet−rhGH画分を得た。この溶液をアミコンダイアフロー(YM−10膜、76mmφ、アミコン社)で濃縮した後、この濃縮液約294mlを、100mM炭酸水素ナトリウム溶液(pH 8.2)で平衡化したトヨパールHW−50Fカラム(8cmφ×50cm)を用いてゲルろ過を行い、Met−rhGH画分を得た。ついでマイレクスGVフィルター(0.22μm、ミリポア社)でろ過し、869mgのMet−rhGHを得た。【0018】実施例1参考例2で得られたN末端にメチオニンの付加したヒト成長ホルモン(Met−rhGH)50mgを凍結乾燥した後、50mMリン酸緩衝液(pH 8.0)40mlに溶解した後、0.1M硫酸銅5ml、グリオキシル酸2.3g、ピリジン5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2M酢酸−2M酢酸ナトリウム溶液で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−rhGHのジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に、o−フェニレンジアミンを20mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で20時間反応した。反応終了後、反応液を20mMトリス塩酸緩衝液(pH 8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた緩衝液を6ml/分の流速で展開し、N末端にメチオニンの付加していないヒト成長ホルモン(rhGH)画分をプールした。プールしたrhGH画分を20mMトリス塩酸緩衝液(pH 8.0)で平衡化したDEAE−5PW(21.5mmID×150mmL)に吸着した後、0〜100%B(B=20mMトリス塩酸緩衝液+1M NaCl、pH8.0)の段階勾配で30分間、8.5ml/分の流速で溶出を行い、rhGH画分をプールした。さらに、5%エタノールで平衡化したトヨパールHW−50(20mmID×600mmL)(トーソー(株))にrhGH画分を通液した後、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、rhGH画分をプールした後、凍結乾燥を行い、rhGHの凍結乾燥粉末を得た。【0019】実施例2(rhGHの特徴決定)a) SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた分析実施例1で得られたrhGHを Sample buffer[Laemmli, ネイチャー(Nature),227,680(1970)]に懸濁し、100mM DTTにより100℃で1分間加熱した後、マルチゲル10/20(第一化学薬品(株))で電気泳動を行った。泳動後のゲルをクマシーブリリアントブルー(Coomassie brilliant blue)で染色したところ、単一バンドの蛋白質が認められ、精製品はほぼ単一であった。結果を〔図1〕に示す。〔図1〕において、Lane 1〜3はrhGH(3μg)、blank および分子量マーカーを示す。b) N末端アミノ酸配列分析実施例1で得られたrhGHのN末端アミノ酸配列を、気相プロテインシーケンサー(アプライド バイオシステムズ モデル477A)を用いて決定した。その結果、得られたrhGHのN末端アミノ酸配列は cDNAの塩基配列から推定したrhGHのN末端アミノ酸配列と一致した。結果を〔表1〕に示す。【表1】【0020】c) アミノ酸組成分析実施例1で得られたrhGHを約20μg 用い、そのアミノ酸組成をアミノ酸分析計(ベックマン システム6300E)により決定した。その結果、rhGHの cDNAの塩基配列から推定したアミノ酸組成と一致した。結果を〔表2〕に示す。【表2】d) C末端アミノ酸分析実施例1で得られたrhGHを15n mol用いて、そのC末端アミノ酸をアミノ酸分析計(ベックマン システム6300E)により決定した。rhGHの cDNAの塩基配列から推定したC末端アミノ酸と一致した。結果を〔表3〕に示す。【表3】【0021】実施例3(rhGHの活性測定)Nb 2細胞を用いる「ジャーナル オブ クリニカル エンドクリノロジー アンド メタボリズム(Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism),51,1058(1980)」に記載の方法で測定したところ、実施例1で得られたrhGHの精製品は、標準品とほぼ同等の活性を有していた。【0022】参考例3Met−NT−3の製造:特願平8−74775号明細書の参考例1〜3および実施例1〜2に記載の方法に準じてMet−NT−3を製造した。(1)NT−3 DNAのクローニングE. coli Y1090にヒトグリオーマ由来のλgt 11 cDNAライブラリー(Clontech Laboratories, Inc.)を感染させたのち、約6×105個のファージをNZCY培地(Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Clod Spring Harbor Laboratory, 1982に記載)にまき、37℃で5時間培養した。次にナイロン膜をプレート上にのせ、1分間放置後、プレートからはずした。このナイロン膜を0.5M NaOH−1.5M NaCl、ついで1.5M NaCl−0.5M Tris−HCl pH8.0に浸し、さらに2×SSC〔Molecular Cloning, A Laboratory Manual 前掲参照〕に浸し、風乾後、80℃で2時間放置した。ヒトβNGF〔ネイチャー(Nature),303,821(1983)〕をコードするDNA(約0.38kb)を化学合成し、ニックトランスレーションによって〔α−32P〕dCTPでラベル化することによってプローブを作製した。上記で得られたナイロン膜とプローブを用いて Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Clod Spring Harbor Laboratory, 1982に記載の方法に従ってハイブリダイゼーションを行った。即ち、プローブを含むハイブリダイゼーション溶液にナイロン膜を浸し、65℃で16時間保温した。該ナイロン膜を室温において2×SSC−0.1%SDSで洗浄したのち、60℃において1×SSC−0.1%SDSで洗浄した。次にオートラジオグラフィーによって陽性クローンを得た。このようにして得られたクローンλβGN1321からEcoRIで cDNAを切り出し、プラスミド pUC118(宝酒造株式会社製)のEcoRI部位に挿入し、プラスミド pUNK5を得た。【0023】(2)大腸菌用のNT−3発現ベクターの構築参考例3(1)で得られたプラスミド pUNK5に挿入されているNT−3 cDNAには、NT−3のN末端の11番目のチロシン残基をコードする領域付近にScaI部位が、NT−3の終止コドンの50塩基下流付近にNsiI部位が存在する。そこで pUNK5より0.3kb ScaI−NsiI断片を単離し、これにアダプターNGFTE−1(35mer)、NGFTE−2(33mer)、NGFTE−3(7mer)、NGFTE−4(15mer)をT4DNAリガーゼで連結したのち制限酵素NdeIとBamHIで処理し、0.3kb NdeI−BamHI断片を得た。該アダプターを次に示す。NGFTE−1:5’TATGTACGCGGAGCATAAGAGTCACCGAGGGGAGT 3’ 35mer(配列番号:1)NGFTE−2:5’ACTCCCCTCGGTGACTCTTATGCTCCGCGTACA 3' 33mer(配列番号:2)NGFTE−3:5’TGCCAGG 3' 7merNGFTE−4:5’GATCCCTGGCATGCA 3' 15mer(配列番号:3)一方、T7プロモーターを有する発現ベクター pET−3C〔Rosenberg et al., ジーン(Gene),56,125(1987)〕をNdeIとBamHIで切断し、4.4kb NdeI−BamHI断片を単離した。上記で得られた4.4kb NdeI−BamHI断片と0.3kb NdeI−BamHI断片をT4DNAリガーゼで連結したのち、Escherichia coli DH1に導入し、得られたアンピシリン耐性の形質転換体〔Escherichia coli DH1/pENGFT103〕から単離したプラスミドを pENGFT103と命名した。【0024】(3)大腸菌用のMet−NT−3の生産参考例3(2)で得られたNT−3発現ベクター pENGFT103及びT7リゾチーム発現ベクター pLysSを用いて、Escherichia coli MM294(DE3)〔Molecular Endocrinology, 4,869(1990)〕の形質転換を行い、形質転換体 E. coli MM294(DE3)/pLysS,pENGFT103(IFO 15932,FERM BP−5483)を得た。形質転換体 E. coli MM294(DE3)/pLysS,pENGFT103を50μg/mlのアンピシリンと15μg/mlのクロラムフェニコールを含むLB培地〔1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム〕1リットルを含む2リットル容フラスコで30℃、8時間振とう培養した。得られた培養液を20リットルの主醗酵培地〔1.68%リン酸一水素ナトリウム、0.3%リン酸二水素カリウム、0.1%塩化アンモニウム、0.05%塩化ナトリウム、0.05%硫酸マグネシウム、0.02%消泡剤、0.00025%硫酸第一鉄、0.0005%塩酸チアミン、1.5%ブドウ糖、1.5%カザミノ酸〕を仕込んだ50リットル容醗酵槽へ移植して、30℃で通気撹拌培養を開始した。培養液の濁度が約500クレット単位になった時点で、100mg/L 分のイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加し、さらに培養を続け、7時間後に培養を終了した。この培養終了液を遠心分離して、約340gの湿菌体を得、−80℃に凍結保存した。【0025】(4)大腸菌用のMet−NT−3の生産(大量生産)上記形質転換体 E. coli MM294(DE3)/pLysS,pENGFT103を50μg/mlのアンピシリンと15μg/mlのクロラムフェニコールを含むLB培地〔1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム〕1リットルを含む2リットル容フラスコで30℃、16.5時間振とう培養した。得られた培養液を20リットルのLB培地〔0.02%消泡剤、50μg/mlのアンピシリン及び15μg/mlのクロラムフェニコールを含む〕を仕込んだ50リットル容醗酵槽へ移植して、30℃、7時間通気撹拌培養した。この培養液を360リットルの主醗酵培地〔1.68%リン酸一水素ナトリウム、0.3%リン酸二水素カリウム、0.1%塩化アンモニウム、0.05%塩化ナトリウム、0.05%硫酸マグネシウム、0.02%消泡剤、0.00025%硫酸第一鉄、0.0005%塩酸チアミン、1.5%ブドウ糖、1.5%カザミノ酸〕を仕込んだ500リットル容醗酵槽へ移植して、30℃で通気撹拌培養を開始した。培養液の濁度が約500クレット単位になった時点で、100mg/L 分のイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加し、さらに培養を続け、5.5時間後に培養を遠心分離して、約6kgの湿菌体を得、−80℃に凍結保存した。【0026】(5)Met−NT−3の活性化参考例3(3)で得た湿菌体のうち40gを取り出し、この菌体に10mM EDTA(pH7.0)240mlを加えて懸濁した後、氷冷下でソニファイアー450(ブランソン社)を使って超音波により細胞を破砕し、遠心分離(10000rpm、1時間)を行った。得られたペレットを同様の操作を2回行って洗浄した。次いで、50mMトリス塩酸/4M尿素/5mMジチオスレイトール(DTT)(pH8.0)を160ml加えてホモジナイズした後遠心分離を行い、得られたペレットに20mMクエン酸/8M尿素(pH3.0)を120mM加えて溶解後、遠心分離を行い、上澄液と沈降物を分離し、沈降物に対して再度同様の操作を行い得られた上澄液と先に得られた上澄液を混合し、240mlのペレット溶解液を得た。この溶解液に100mM酢酸溶液を760ml加えて希釈し、同じく100mM酢酸で平衡化したセファデックスG−25カラム(11.3cmφ×50)に通液し、尿素を除去した変性Met−NT−3溶液1640mlを得た。この溶液を4℃で2日間静置した後、50mMリン酸緩衝液/12.5%ショ糖(pH6.8)を加えて8.5L とし、5M水酸化ナトリウム又は濃リン酸を用いてpH6.0に調整し、再び4℃で2日間静置し活性化を行った。静置後200mM硫酸銅を最終濃度が10μMになるように加え、撹拌後、さらに活性化を継続するため、再度4℃に2日間静置した。【0027】(6)Met−NT−3の精製参考例3(5)で活性化を終了した溶液を、100mMリン酸緩衝液/0.1%3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチルアンモニオ]−1−プロパンスルホネート(CHAPS)(pH6.0)で平衡化したSP−セファロース Fast Flowカラム(2.5cmφ×12cm、ファルマシア バイオテク社)に通液し、吸着後200mlの100mMリン酸緩衝液/0.1%CHAPS/200mM塩化ナトリウム(pH6.0)でカラムを洗浄し、次いで100mMリン酸緩衝液/0.1%CHAPS/400mM塩化ナトリウム(pH6.0)で溶出し、Met−NT−3を含む溶出液を得た。この溶出液を Resource 15RPCカラム(2cmφ×30cm、ファルマシア バイオテク社)に吸着した後、▲1▼16%アセトニトリル/0.1%TFAと▲2▼36%アセトニトリル/0.1%TFAによる濃度勾配溶出法で溶出し、その溶出液を凍結乾燥し、約28mgのMet−NT−3の白色粉末を得た。【0028】実施例4参考例3(6)で得られたMet−NT−3 50mgを4.6mlの蒸留水で溶かした溶液に、グリオキシル酸92.5mg、ピリジン200μl、100mM硫酸銅溶液200μl を混合した溶液を加え、静かに撹拌した後、室温で15分間静置し反応させた。反応終了後、この反応液を2M酢酸緩衝液(pH4.9)で平衡化したセファデックスG−25カラム(2.5cmφ×59cm)に通液し、Met−NT−3のジケトン体36mlを集めた。この溶液にo−フェニレンジアミン78mgを加えて、37℃で15時間反応させた後、この反応終了液を、2M酢酸緩衝液(pH4.9)で平衡化したセファデックスG−25カラム(2.5cmφ×59cm)に通液し、得られたNT−3画分75mlを、ODP−50カラムを用いた▲1▼0.1%TFAと▲2▼0.1%TFA/80%アセトニトリルによる濃度勾配溶出法により、HPLCで精製した後、得られたNT−3画分を凍結乾燥し、NT−3の凍結乾燥粉末を得た。【0029】実施例5(NT−3の特徴決定)a) SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた分析実施例4で得られたNT−3を Sample buffer[Laemmli, ネイチャー(Nature),227,680(1970)]に懸濁し、100mM DTTにより100℃で1分間加熱した後、マルチゲル10/20(第一化学薬品(株))で電気泳動を行った。泳動後のゲルをクーマシーブリリアントブルーで染色したところ、単一バンドの蛋白が認められ、精製品はほぼ単一であった〔図2〕。〔図2〕において、Lane 1〜2は分子量マーカーおよびNT−3を示す。【0030】b) N末端アミノ酸配列分析実施例4で得られたNT−3のN末端アミノ酸配列分析を、気相プロテインシークェンサー477A(モデル477A、アプライドバイオシステムズ社)を用いて行った。その結果、得られたNT−3のN末端アミノ酸配列は cDNAの塩基配列から推定したNT−3のN末端アミノ酸配列と一致した。結果を〔表4〕に示す。【表4】【0031】c) アミノ酸組成分析実施例4で得られたNT−3を約20μg 用いて、そのアミノ酸組成をアミノ酸分析計(システム6300E、ベックマン社)により決定した。その結果、NT−3の cDNAの塩基配列から推定したアミノ酸組成とよく一致した。結果を〔表5〕に示す。【表5】【0032】d) C末端アミノ酸分析実施例4で得られたNT−3を15n mol用いて、そのC末端アミノ酸をアミノ酸分析計(システム6300E、ベックマン社)により決定した。その結果、NT−3の cDNAの塩基配列から推定したC末端アミノ酸と一致した。結果を〔表6〕に示す。【表6】【0033】参考例4:Met−ヒトBTCの製造特開平6−87894の実施例4〜6、8および13に記載の方法に準じて、Met−ヒトBTCを製造した。(1)大腸菌のヒトBTC cDNA発現プラスミドの構築成熟ヒトBTC(1−147アミノ酸残基)をコードする0.6Kb のEcoRI−BamHI断片を、特開平6−87894の実施例5に記載のプラスミド pTB1515から単離した。ATG翻訳開始コドン(配列番号4:5’TATGGATGGG 3’;配列番号5:5’AATTCCCATCCA 3’)を有する合成アダプターを上記0.6Kb 断片のEcoRI部位に連結した後、生成した0.6Kb NdeI−BamHI断片を、T7プロモータ(ジーン、56、125(1987))を含有するプラスミド pET−3c中へ挿入し、プラスミド pTB1505を構築した。ヒトBTCの80のアミノ酸残基(特開平6−87894の〔図10−1〕〜〔図10−2〕の1(Asp)から80(Tyr)まで)をコードするDNA断片を得るため、鋳型としてプラスミド pTB1505、プライマーとして2個のオリゴヌクレオチド(配列番号6:5’ATACATATGGATGGGAATTCCA 3’;配列番号7:5’CCGGATCCTAGTAAAACAAGTCAACTCT 3’)を用いてPCRを行った。生成物をNdeI及びBamHIで消化し、2.0%アガロースゲル電気泳動で分画し、目的とする0.25Kb DNA断片を単離した。この0.25Kb NdeI−BamHI断片を、pET−3cのT7プロモータの下流にT4DNAリガーゼで連結挿入しプラスミド pTB1516を得た(特開平6−87894の〔図13〕参照)。【0034】(2)大腸菌中でのヒトBTCの発現E. coli MM294を、T7ファージのRNAポリメラーゼ遺伝子で組換えられているラムダファージ(スチュディエ、スプラ)で溶原化した。その後、このプラスミド pLysSを E. coli MM294(DE3)へ導入し、E. coli MM294(DE3)/pLysSを得た。この菌体に参考例4(1)で得られたプラスミド pTB1516を導入し、これにより、E. coli MM294(DE3)/pLysS,pTB1516を得た。この形質転換細胞 E. coli MM294(DE3)/pLysS,pTB1516は、受託番号FERM BP−3836で1992年4月21日付で通産省工業技術院微生物工業研究所に寄託され、またこのものは1992年4月16日付で受託番号IFO 15282としてIFOに寄託されている。【0035】(3)組換え型大腸菌より産生されたBTCの精製参考例4(2)で得られた E. coli MM294(DE3)/pLysS,pTB1516を一晩培養した後、培養菌液を、20倍希釈になるようにLB培地に植菌した。37℃で2時間培養後、IPTGを最終濃度0.1mMになるように添加し、さらに3時間培養した。遠心により菌体を集め使用時まで−20℃に保存した。5リットル培養相当の菌体ストックを解凍し、氷冷した50mM Tris・HCl(pH7.4),10mM EDTA−0.2M NaCl,10% sucrose, 1mMAPMSFを含むバッファー300mlに懸濁した。これに卵白リゾチーム40mgを溶解し、4℃で2時間インキュベートした後、超音波処理を行い、20,000×gで1時間遠心して上清を取得した。この上清を200mlのQ−セファロースベットに通過させた後、TCAを最終濃度4%になるように加え、40℃で10分間静置した。20,000×gで20分遠心して集めた沈殿を、100mlの20mM Tris(pH7.4),1mM EDTA−0.15M NaCl,1mM APMSFを含むバッファーに懸濁し、乳鉢中でホモゲナイズしながら、5M NaOHを加え、pH6に調整した。このホモゲネートを100,000×gで1時間遠心して、得られた上清をS−Sepharose カラム(径1.6×10cm,pharmacia)にかけた。カラムを0.1M potassium phosphate(pH6.0),1mM EDTA,0.5mM PMSFを含むバッファーで洗浄した後、0Mから1MのNaCl 濃度勾配を400ml,200分にわたってかけ、溶出液を5ml毎に集めた。高い生物活性の認められた分画番号20から27を E. coli BTC画分として、プールした。E. coli BTC画分にTFAを最終濃度0.1%になるように添加し、C18逆相HPLCカラム(径1.0×25cm;Asahipak ODP−50,Asahi chemical)にかけた。カラムを0.1%TFAで洗浄後、0%から63%のアセトニトリル濃度勾配を、340ml,170分間にわたってかけ、BTC画分を集めた。この方法により630μg の E. coli BTCが得られた。E. coli BTCのN末端アミノ酸配列を20アミノ酸残基まで決定した。BTCは翻訳開始メチオニンから始まる予想通りのN末端を有した分子であることがわかった。【0036】実施例6参考例4(3)で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトベータセルリン(Met−BTC)20mgを、50mMリン酸緩衝液(pH8.0)16mlに溶解した後に、0.1M硫酸銅2ml、グリオキシル酸0.92g、ピリジン2mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、2M酢酸−2M酢酸ナトリウム溶液で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に反応液を通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−BTCのジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にo−フェニレンジアミンを20mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で20時間反応した。反応終了後、20mMトリス緩衝液(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に反応液を通液し、平衡化に用いた緩衝液を6ml/分の流速で展開し、N末端にメチオニンの付加していないヒトベータセルリン(BTC)画分をプールした。プールしたBTC画分をpH6.0に調整後、100mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したSP−セファロース(10mmID×200mmL)に吸着した後に、0−100%B(B=100mMリン酸緩衝液+1M NaCl、pH6.0)の段階勾配で60分間、2.0ml/分の流速で溶出を行い、BTC画分をプールした。さらに、0.1%TFAで平衡化したODP−50(10mmID×250mmL、昭和電工(株))に吸着した後、20−60%B(B=アセトニトリル/0.1%TFA)の段階勾配で40分間、2ml/分の流速で溶出した。BTCのフラクションをプールした後、凍結乾燥を行い、BTCの凍結乾燥粉末を得た。【0037】実施例7:(BTCの特徴決定)a) SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた分析実施例6で得られたBTCの1μg を Sample buffer[Laemmli, ネイチャー(Nature),227,680(1970)]に懸濁し、100mM DTTにより100℃で1分間加熱した後、マルチゲル15/25(第一化学薬品(株))で電気泳動を行った。泳動後のゲルをクーマシーブリリアントブルー(Coomassie brilliant blue)で染色したところ、単一バンドの蛋白が認められ、精製品はほぼ単一であった。結果を〔図3〕に示す。〔図3〕において、Lane 1〜2は分子量マーカーおよびBTCを示す。【0038】b) N末端アミノ酸配列分析実施例6で得られたBTCを1n mol 用いて、そのN末端アミノ酸配列を、気相プロテインシーケンサー(アプライドバイオシステムズ モデル477A)により決定した。その結果、BTCの cDNAの塩基配列から推定したN末端アミノ酸配列と一致した。結果を〔表7〕に示す。【表7】【0039】c) アミノ酸組成分析実施例6で得られたBTCを約20μg 用いて、そのアミノ酸組成をアミノ酸分析計(ベックマン システム6300E)により決定した。その結果、BTCの cDNAの塩基配列から推定したアミノ酸組成と一致した。結果を〔表8〕に示す。【表8】【0040】d) C末端アミノ酸分析実施例6で得られたBTCを15n mol用いて、そのC末端アミノ酸をアミノ酸分析計(ベックマン システム6300E)により決定した。その結果、得られたBTCの cDNAの塩基配列から推定したC末端アミノ酸と一致した。結果を〔表9〕に示す。【表9】【0041】e) BTCの生物活性モレキュラー・セル・バイオロジー、8、588(1988)に記載の方法により、BALB/C3T3 A31−714クローン4(インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー、12、463、(1973)を用いた活性測定を行い、実施例6で得られたBTCの精製品が標準品と同等の活性を有することを確認した。【0042】参考例5メチオニルヒトインターロイキン−2(Met−IL−2)の製造特開昭62−171699の参考例2に記載の方法に準じてMet−IL−2を製造した。(i)発現用プラスミドの構築ヒトIL−2遺伝子を有するプラスミド pILOT 135−8[特開昭60−115528の実施例1(vii)参照]を制限酵素HgiAIで切断した。得られた1294bpDNA断片をT4ポリメラーゼで平滑末端とし、T4DNAリガーゼを用いて、EcoRIリンカーdTGCCATGAATTCATGGCA(配列番号:8)を結合させた。得られたDNAをEcoRIで消化し、翻訳開始コドンATGおよびヒトIL−2遺伝子を有するDNA断片を得た。このDNA断片を、あらかじめEcoRI−PstI部位を消化した ptrp 781[ヌクレイック・アシズ・リサーチ,第11巻,3077頁(1983)]にT4DNAリガーゼを用いて挿入した。かくして得られた発現用プラスミド pTF1は trp プロモーターの下流に翻訳開示コドンとヒトIL−2遺伝子を有する(特開昭62−171699の〔第4図〕参照)。プラスミド pTF1を制限酵素StuIで切断し、BamHIリンカーと結合させた。このプラスミドDNAを制限酵素BamHIおよびEcoRIで処理し、ついでEcoRI−BamHI部位にλPLプロモーターを有するプラスミド pTB281に挿入した。かくして得た発現用プラスミドを pTB285と命名した(特開昭62−171699〔第5図〕参照)。【0043】(ii)形質転換体の製造上記で得たプラスミド pTB285でエシェリヒア コリN4830をコーエンらの方法[プロシージングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス(Pro. Natl. Acad. Sci. USA),第69巻,2110頁(1972)]に従い形質転換し、上記プラスミドを含有する形質転換体エシェリヒア コリN4830/pTB285を得た。(iii)形質転換体の培養形質転換体 E. coli N4830/pTB285(IFO 14437,FERM BP−852)を250ml容フラスコ内のバクト・トリプトン(ディフコ・ラボラトリーズ,アメリカ)1%,バクト・イーストエキス(ディフコ・ラボラトリーズ,アメリカ)0.5%,食塩0.5%およびアンピシリン50μg/mlを含む液体培地(pH7.0)50mlに接種して37℃で一晩回転振盪培養した。この培養液をカザミノ酸0.5%,グルコース0.5%およびアンピシリン50μg/mlを含むM9培地2.5L の入った5L 容ジャーファーメンターに移し35℃で6時間、ついで42℃でさらに3時間通気撹拌培養して培養液2.5L を得た。この培養液を遠心分離し、菌体を集め、−80℃で凍結して保存した。【0044】(iv)抽出凍結菌体20gを7M塩酸グアニジン0.1M Tris−HClを含む抽出液(pH7.0)100mlに均一に懸濁し、4℃で1時間撹拌した後、28,000×gで20分間遠心分離し上清を得た。(v)メチオニルインターロイキン−2蛋白質の部分精製得られた上清を0.01M Tris−HCl 緩衝液(pH8.5)に対して透析後、19,000×gで10分間遠心分離して得た上清を、0.01M Tris−HCl 緩衝液(pH8.5)で平衡化したDE52(DEAE−セルロース,ワットマン社製,イギリス)カラム(50ml容)に通して蛋白を吸着後、NaCl 濃度直線勾配(0〜0.15M NaCl,1L)を作成して、Met−IL−2を溶出させ、活性画分を得た。【0045】(vi)メチオニルインターロイキン−2蛋白質の精製上記で得られた活性画分をYM−5メンブラン(アミコン社製,アメリカ)を用いて、5mlに濃縮し、0.1M Tris−HCl(pH8.0)−1M NaCl 緩衝液で平衡化したセファクリルS−200(ファルマシア製,スウエーデン)カラム(500ml容)を用いて、ゲルろ過を行った。活性画分40mlをYM−5メンブランで3mlに濃縮した。得られた濃縮液を、ウルトラポアRPSC(アルテックス社製,アメリカ)カラムに吸着させ、トリフルオロ酢酸−アセトニトリル系を溶出溶媒とする高速液体クロマトグラフィーを行った。カラム,ウルトラポアRPSC(4.6×75mm);カラム温度,30℃:溶出溶媒A,0.1%トリフルオロ酢酸−99.9%水;溶出溶媒B,0.1%トリフルオロ酢酸−99.9%アセトニトリル;溶出プログラム,0分(68%+32%B)−25分(55%A+45%B)−35分(45%A+55%B)−45分(30%A+70%B)−48分(100%B);溶出速度,0.8ml/min;検出波長,230nm。本条件下で保持時間約39分のMet−IL−2画分を集めた。【0046】(vii)SP−5PWカラムによるMet−IL−2の精製Met−IL−2を含む0.005M酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0,蛋白質濃度1.03mg/ml)0.5mlを、0.025Mリン酸緩衝液(pH7.4)で平衡化した高速液体クロマトグラフィー用SP−5PWカラム(0.75×7.5cm;東ソー社製)にのせ、0.025Mリン酸緩衝液(pH7.4)を用いて蛋白質を溶出した。カラム温度は35℃に、緩衝液の流速は0.5ml/min に設定した。クロマトグラフシステムはバリアン社製5500型液体クロマトグラフを用いた。本条件下で保持時間約70分のMet−IL−2画分を集めた。【0047】実施例8参考例5で得られたメチオニルヒトインターロイキン−2(Met−IL−2)20mgを、20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、グリオキシル酸1.55g、25mM硫酸銅3.375ml、ピリジン3.375mlの混合液を加え、室温で1時間反応した。反応終了後、20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/h の流速で反応液を通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にo−フェニレンジアミンを20mM濃度になるように添加し、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/h の流速で反応液を通液し、ヒトインターロイキン−2(IL−2)画分をプールした。プールしたIL−2画分を25mMリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したSP−5PWに吸着した後、30−80%B(B:25mMリン酸緩衝液、pH8.0)pH勾配で25分間、1.0ml/min の流速で溶出を行い、IL−2画分をプールした。さらに、▲1▼0.1%TFAと▲2▼0.1%TFA+80%アセトニトリル(80%:20%)で平衡化したODP−50カラム(4.6mmID×150mmL)に吸着した後、20−100%B濃度勾配で15分間、0.8ml/min の流速で溶出を行い、精製IL−2を得た。得られたIL−2画分を凍結乾燥し、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0048】実施例9(IL−2の特徴決定)a) SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた分析実施例8で得られたIL−2の3μg を Sample buffer[Laemmli, ネイチャー(Nature),227,680(1970)]に懸濁した後、100mM DTTにより100℃で5分間の還元処理を行い、マルチゲル10/20(第一化学薬品)で電気泳動を行った。泳動後のゲルをクマシーブリリアントブルーで染色したところ、標品と同じ移動度を示し、単一バンドであった。結果を〔図4〕に示す。〔図4〕おいて、Lane 1〜2はIL−2および分子量マーカーを示す。【0049】b) N末端アミノ酸配列分析実施例8で得られたIL−2を1n mol 用いて、そのN末端アミノ酸配列を、気相プロテインシーケンサー(アプライドバイオシステム モデル477A)により決定した。その結果、IL−2の cDNAの塩基配列から予想されるN末端アミノ酸配列と一致した。結果を〔表10〕に示す。【表10】【0050】c) アミノ酸組成分析実施例8で得られたIL−2を約20μg 用いて、そのアミノ酸組成をアミノ酸分析計(ベックマン システム6300E)により決定した。その結果、IL−2の cDNA塩基配列から予想されるアミノ酸組成と一致した。結果を〔表11〕に示す。【表11】【0051】d) C末端アミノ酸分析実施例8で得られたIL−2を15n mol用いて、そのC末端アミノ酸をアミノ酸分析計(ベックマン システム6300E)により決定した。その結果、IL−2の cDNAの塩基配列から予想されるC末端アミノ酸と一致した。結果を〔表12〕に示す。【表12】【0052】e) 生物活性生物活性の測定は、インターロイキン−2依存性細胞を用いる日沼らの方法[バイオケミカル・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーションズ(Biochem. Biophys. Res. Commun.),109,363(1982)]に従って行い、実施例8で得られたIL−2の精製品が標品と同等の活性を有することを確認した。【0053】参考例6 (T7プロモーターを用いたヒト成長ホルモン(hGH)発現ベクターの構築)hGHの構造遺伝子はプラスミドpHGH107(特公平6−12996に記載、寄託番号ATCC31538およびATCC40011)からEcoRIおよびEcoRVで切断し約0.75kbの断片を単離した。一方、pET−3C〔Rosenberg et al.,ジーン(Gene)、56巻、125頁(1987年)〕をNdeIおよびBamHIで切断し、T7プロモーターおよびアンピシリン耐性遺伝子を有する約4.6kbの断片を単離した。両断片をT4DNAポリメラーゼ(DNA Blunting kit、宝酒造株式会社製)で平滑末端とし、T4DNAリガーゼで連結したのち、大腸菌JM109に導入し、アンピシリン耐性を指標として形質転換体を選択した。出現したコロニーの中から12個を拾い、これらからプラスミドを調製し制限酵素PstIによる切断パターンを調べたところ、6個のコロニーからのプラスミドにおいてhGH遺伝子が正しい方向で挿入されていることがわかった。この中の1株から得られたプラスミドをpTGA201と命名した。【0054】参考例7 (大腸菌でのMet−hGHの発現)大腸菌JM109を、T7ファージのRNAポリメラーゼ遺伝子で組み換えられているラムダファージ(スチュディエ、スプラ)で溶原化した。その後、参考例6で得られたhGH発現ベクターpTGA201をこの大腸菌JM109(DE3)へ導入し、大腸菌JM109(DE3)/pTGA201を得た。この形質転換細胞を、50μg/mlのアンピシリンを含むLB培地(1%ペプトン、0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム)1リットルを含む2リットル容フラスコ中で30℃、16時間振とう培養した。得られた培養液を、0.02%ニューポールLB−625(消泡剤;三洋化成工業製)および50μg/mlのアンピシリンを含む20リットルのLB培地を仕込んだ50リットル容発酵槽へ移植して、37℃、6時間通気撹拌培養した。この培養液を360リットルの主発酵培地(1.68%リン酸一水素ナトリウム、0.3%リン酸二水素カリウム、0.1%塩化アンモニウム、0.05%塩化ナトリウム、0.0246%硫酸マグネシウム、0.02%ニューポールLB−625、0.0005%塩酸チアミン、1.5%ブドウ糖、1.5%カザミノ酸)を仕込んだ500リットル容発酵槽に移植して、37℃で通気撹拌培養を開始した。培養液の濁度が約500クレット単位になった時点で、5.95mg/リットル分のイソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加し、さらに培養を続け、4時間後に培養液を遠心分離して、約4.5kgの湿菌体を得、−80℃に凍結保存した。上記の形質転換大腸菌JM109(DE3)/pTGA201は、受託番号FERM BP−5632として通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託され、また受託番号IFO 16001として財団法人発酵研究所(IFO)に寄託されている。【0055】参考例8 (Met−hGHの活性化)参考例7で得られた菌体2kgに50mMトリス/HCl、8Mグアニジン塩酸塩溶液(pH8.0)6リットルを加えて菌体を溶解後、遠心分離(10000rpm、120分間)を行った。得られた上澄液6リットルに50mMトリス/HCl、0.28mMGSSG、1.4mMGSH、0.7Mアルギニン(pH8.0)18リットルを加えてpH8.0に調整した後、4℃で5日間活性化を行った。【0056】参考例9 (Met−hGHの精製)参考例8で活性化の終了した再生液をペリコンカセットシステム(PTGC膜、ミリポア社)で、20mMトリス/HCl、2.5M尿素(pH8.0)を加えながら電気伝導度が10mS以下になるまで脱塩、濃縮を行った後、得られた濃縮液を遠心分離(10000rpm、60分間)し、濃縮液の上清5リットルを得た。ついでこの液を20mMトリス/HCl、2.5M尿素(pH8.0)で平衡化したDEAE−トヨパール650Mカラム(20cmφ×84cm、東ソー社)に吸着させ、十分に洗浄した後、0〜25%B(B=20mMトリス/HCl、2.5M尿素、1M塩化ナトリウム、pH8.0)の濃度勾配で100分間、300ml/分の流速で溶出を行い、Met−hGH画分として10リットルの溶出液を得た。さらに、この溶出液をペリコンカセットシステム(PTGC膜、ミリポア社)で濃縮、脱塩した。更に、高速液体クロマトグラフ法(ギルソンHPLCシステム、ギルソン社)により、この溶液をDEAE−5PWカラム(21cm×30cm、東ソー社)に通液吸着させた後、A=50mMトリス/HCl+2.5M尿素(pH8.0)、B=50mMMES[2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸]+2.5M尿素(pH4.0)とによる70〜85%BのpH勾配で、70分間、320ml/分の流速で溶出を行い、Met−hGH画分6リットルを得た。この溶出液に2Mトリス/HCl(pH7.8)溶液300ml加えてpH7.2に調整し、ついでペリコンカセットシステム(PTGC膜、ミリポア社)で濃縮、脱塩し、9,979ミリグラムのMet−hGHを得た。【0057】実施例10(N末端Metの除去)参考例9で得たMet−hGH溶液1650mlに2.5Mグリオキシル酸、35mM硫酸銅、6Mピリジン溶液413mlを加えよく撹拌した後25℃で60分間反応させた。次いで、20mMトリス/HCl、2.5M尿素(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(11.3cmφ×125cm、ファルマシア社)に3リットル/hの流速で通液し、平衡化と同じ緩衝液を用いて展開し、溶出してきたMet−hGHのジケトン体画分を、よく撹拌しながら直接4M酢酸、4M酢酸ナトリウム、80mMo−フェニレンジアミン、3M尿素溶液4リットル中に加えた。溶出終了後、この反応溶液8リットルを4℃に3日間静置した。静置後、ペリコンカセットシステム(PTGC膜、ミリポア社)で4リットルに濃縮し、20mMトリス/HCl、2.5M尿素(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(11.3cmφ×140cm、ファルマシア社)に3リットル/hの流速で通液し、hGH画分4.7リットルを集めた。更に、高速液体クロマトグラフ法(ギルソンHPLCシステム、ギルソン社)により、この溶液をDEAE−5PWカラム(21cm×30cm、東ソー社)に通液吸着させた後、A=50mMトリス/HCl+2.5M尿素(pH8.0)、B=50mMMES[2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸]+2.5M尿素(pH4.0)とによる70〜85%BのpH勾配で、70分間、320ml/分の流速で溶出を行い、hGH画分10リットルを得た。このhGH画分に2Mトリス/HCl(pH7.8)溶液を500ml加えてpH7.2に調整後、ミニタンII(PTGC膜、ミリポア社)で濃縮し、この濃縮液500mlを蒸留水で平衡化したセファクリルS−100カラム(113.cmφ×50cm、ファルマシア社)に2リットル/hの流速で通液、展開しhGH画分1651mlを得た。更に、この溶液をミリパック60(ミリポア社)でろ過し、hGH溶液1487ml(3309mgのhGH)を得た。【0058】実施例11 (hGHの特徴決定)(a)SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた分析実施例10で得られたhGHに100mMDTTを含むサンプルバッファー[Laemmli, Nature, 227, 680(1970)]を等量加えてよく撹拌し、95℃で2分間加熱後、マルチゲル10/20(第一化学薬品)で電気泳動を行った。泳動後のゲルをクーマシー・ブリリアント・ブルー(Coomassie brilliant blue)で染色した結果、約22kdに単一バンドが認められたことから、精製hGHはほぼ単一であることが確認された(図5)。図5において、レーン1〜2は分子量マーカーおよびhGHを示す。【0059】(b)アミノ酸組成分析アミノ酸組成をアミノ酸分析計(L−8500A,日立)を用いて決定した。その結果、得られたhGHのアミノ酸組成はcDNAの塩基配列から推定されるアミノ酸組成と一致した(表13)。【表13】【0060】(c)N末端アミノ酸配列分析N末端アミノ酸配列を気相プロテインシーケンサー(アプライドバイオシステムズ社、モデル477A)を用いて決定した。その結果、得られたhGHのN末端アミノ酸配列はcDNAの塩基配列から推定されたhGHのN末端アミノ酸配列と一致した(表14)。【表14】【0061】(d)C末端アミノ酸分析C末端アミノ酸をアミノ酸分析計(L−8500A,日立)を用いて決定した。得られたhGHのC末端アミノ酸はcDNAの塩基配列から推定されたC末端アミノ酸と一致した(表15)。【表15】【0062】実施例12 (hGHの活性測定)実施例10で得られた精製hGHのNb2細胞〔ジャーナル・オブ・クリニカル・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム、51巻、1058頁(1980)〕に対する増殖促進効果は、標準品(ケミコンインターナショナル社、Temecula,California,USA)と同等であった。【0063】実施例13 (N末端Metの除去)参考例9と同じ方法で得たMet−hGH溶液を限外濾過システム(ダイアフローメンブレンYM10、43mm、アミコン社)を使って20mMトリス/HCl、8M尿素(pH8.0)に置換するとともにMet−hGHの濃度が10mg/mlになるように濃縮した。この溶液1mlに4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM塩化ニッケル、6M尿素(pH7.0)溶液1mlを加えよく撹拌した後室温で60分間反応させた。次いで、この反応液を20mMトリス/HCl、4M尿素(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×30cmL、ファルマシア社)に通液し、溶出してきたMet−hGHのジケトン体画分を集め、この溶出液に等量の4M酢酸、4M酢酸ナトリウム、80mMo−フェニレンジアミン溶液を加えよく撹拌した後37℃で15時間反応した。反応後、20mMトリス/HCl(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×40cmL、ファルマシア社)に通液し、hGH画分を集めた後、更に高速液体クロマトグラフ法(ギルソンHPLCシステム、ギルソン社)により、この溶液をDEAE−5PWカラム(2.15cm×15cm、東ソー社)に通液吸着させた後、A=50mMトリス/HCl+2.5M尿素(pH8.0)、B=50mMMES[2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸]+2.5M尿素(pH4.0)とによる70〜85%BのpH勾配で、70分間、7.5ml/分の流速で溶出を行い、hGHを得た。【0064】実施例14 (N末端Metの除去)参考例9と同じ方法で得たMet−hGH溶液を限外濾過システム(ダイアフローメンブレンYM10、43mm、アミコン社)を使って20mMトリス/HCl、8M尿素(pH8.0)に置換するとともにMet−hGHの濃度が10mg/mlになるように濃縮した。この溶液1mlに4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM塩化コバルト、6M尿素(pH7.0)溶液1mlを加えよく撹拌した後室温で60分間反応させた。次いで、この反応液を20mMトリス/HCl、4M尿素(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×30cmL、ファルマシア社)に通液し、溶出してきたMet−hGHのジケトン体画分を集め、この溶出液に等量の4M酢酸、4M酢酸ナトリウム、80mMo−フェニレンジアミン溶液を加えよく撹拌した後37℃で15時間反応した。反応後、20mMトリス/HCl(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×40cmL、ファルマシア社)に通液し、hGH画分を集めた後、更に高速液体クロマトグラフ法(ギルソンHPLCシステム、ギルソン社)により、この溶液をDEAE−5PWカラム(2.15cm×15cm、東ソー社)に通液吸着させた後、A=50mMトリス/HCl+2.5M尿素(pH8.0)、B=50mMMES[2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸]+2.5M尿素(pH4.0)とによる70〜85%BのpH勾配で、70分間、7.5ml/分の流速で溶出を行い、hGHを得た。【0065】実施例15 (N末端Metの除去)参考例9と同じ方法で得たMet−hGH溶液を限外濾過システム(ダイアフローメンブレンYM10、43mm、アミコン社)を使って20mMトリス/HCl、8M尿素(pH8.0)に置換するとともにMet−hGHの濃度が10mg/mlになるように濃縮した。この溶液1mlに4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸亜鉛、6M尿素(pH7.0)溶液1mlを加えよく撹拌した後室温で60分間反応させた。次いで、この反応液を20mMトリス/HCl、4M尿素(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×30cmL、ファルマシア社)に通液し、溶出してきたMet−hGHのジケトン体画分を集め、この溶出液に等量の4M酢酸、4M酢酸ナトリウム、80mMo−フェニレンジアミン溶液を加えよく撹拌した後37℃で15時間反応した。反応後、20mMトリス/HCl(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×40cmL、ファルマシア社)に通液し、hGH画分を集めた後、更に高速液体クロマトグラフ法(ギルソンHPLCシステム、ギルソン社)により、この溶液をDEAE−5PWカラム(2.15cm×15cm、東ソー社)に通液吸着させた後、A=50mMトリス/HCl+2.5M尿素(pH8.0)、B=50mMMES[2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸]+2.5M尿素(pH4.0)とによる70〜85%BのpH勾配で、70分間、7.5ml/分の流速で溶出を行い、hGHを得た。【0066】実施例16 (N末端Metの除去)参考例9と同じ方法で得たMet−hGH溶液を限外濾過システム(ダイアフローメンブレンYM10、43mm、アミコン社)を使って20mMトリス/HCl、8M尿素(pH8.0)に置換するとともにMet−hGHの濃度が10mg/mlになるように濃縮した。この溶液1mlに4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM酢酸銅、6M尿素(pH7.0)溶液1mlを加えよく撹拌した後室温で60分間反応させた。次いで、この反応液を20mMトリス/HCl、4M尿素(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×30cmL、ファルマシア社)に通液し、溶出してきたMet−hGHのジケトン体画分を集め、この溶出液に等量の4M酢酸、4M酢酸ナトリウム、80mMo−フェニレンジアミン溶液を加えよく撹拌した後37℃で15時間反応した。反応後、20mMトリス/HCl(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×40cmL、ファルマシア社)に通液し、hGH画分を集めた後、更に高速液体クロマトグラフ法(ギルソンHPLCシステム、ギルソン社)により、この溶液をDEAE−5PWカラム(2.15cm×15cm、東ソー社)に通液吸着させた後、A=50mMトリス/HCl+2.5M尿素(pH8.0)、B=50mMMES[2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸]+2.5M尿素(pH4.0)とによる70〜85%BのpH勾配で、70分間、7.5ml/分の流速で溶出を行い、hGHを得た。【0067】実施例17 (N末端Metの除去)参考例9と同じ方法で得たMet−hGH溶液を限外濾過システム(ダイアフローメンブレンYM10、43mm、アミコン社)を使って20mMトリス/HCl、8M尿素(pH8.0)に置換するとともにMet−hGHの濃度が10mg/mlになるように濃縮した。この溶液1mlに4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸銅、6M尿素(pH7.0)溶液1mlを加えよく撹拌した後室温で60分間反応させた。次いで、この反応液を20mMトリス/HCl、4M尿素(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×30cmL、ファルマシア社)に通液し、溶出してきたMet−hGHのジケトン体画分を集め、この溶出液に等量の4M酢酸、4M酢酸ナトリウム、80mMトリレン−3,4−ジアミン溶液を加えよく撹拌した後37℃で15時間反応した。反応後、20mMトリス/HCl(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×40cmL、ファルマシア社)に通液し、hGH画分を集めた後、更に高速液体クロマトグラフ法(ギルソンHPLCシステム、ギルソン社)により、この溶液をDEAE−5PWカラム(2.15cm×15cm、東ソー社)に通液吸着させた後、A=50mMトリス/HCl+2.5M尿素(pH8.0)、B=50mMMES[2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸]+2.5M尿素(pH4.0)とによる70〜85%BのpH勾配で、70分間、7.5ml/分の流速で溶出を行い、hGHを得た。【0068】実施例18 (N末端Metの除去)参考例9と同じ方法で得たMet−hGH溶液を限外濾過システム(ダイアフローメンブレンYM10、43mm、アミコン社)を使って20mMトリス/HCl、8M尿素(pH8.0)に置換するとともにMet−hGHの濃度が10mg/mlになるように濃縮した。この溶液1mlに4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸銅、6M尿素(pH7.0)溶液1mlを加えよく撹拌した後室温で60分間反応させた。次いで、この反応液を20mMトリス/HCl、4M尿素(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×30cmL、ファルマシア社)に通液し、溶出してきたMet−hGHのジケトン体画分を集め、この溶出液に等量の4M酢酸、4M酢酸ナトリウム、80mM4−クロロ−oフェニレンジアミン溶液を加えよく撹拌した後37℃で15時間反応した。反応後、20mMトリス/HCl(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×40cmL、ファルマシア社)に通液し、hGH画分を集めた後、更に高速液体クロマトグラフ法(ギルソンHPLCシステム、ギルソン社)により、この溶液をDEAE−5PWカラム(2.15cm×15cm、東ソー社)に通液吸着させた後、A=50mMトリス/HCl+2.5M尿素(pH8.0)、B=50mMMES[2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸]+2.5M尿素(pH4.0)とによる70〜85%BのpH勾配で、70分間、7.5ml/分の流速で溶出を行い、hGHを得た。【0069】実施例19 (N末端Metの除去)参考例9と同じ方法で得たMet−hGH溶液を限外濾過システム(ダイアフローメンブレンYM10、43mm、アミコン社)を使って20mMトリス/HCl、8M尿素(pH8.0)に置換するとともにMet−hGHの濃度が10mg/mlになるように濃縮した。この溶液1mlに4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸銅、6M尿素(pH7.0)溶液1mlを加えよく撹拌した後室温で60分間反応させた。次いで、この反応液を20mMトリス/HCl、4M尿素(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×30cmL、ファルマシア社)に通液し、溶出してきたMet−hGHのジケトン体画分を集め、この溶出液に等量の4M酢酸、4M酢酸ナトリウム、80mM3,4−ジアミノ安息香酸溶液を加えよく撹拌した後37℃で15時間反応した。反応後、20mMトリス/HCl(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×40cmL、ファルマシア社)に通液し、hGH画分を集めた後、更に高速液体クロマトグラフ法(ギルソンHPLCシステム、ギルソン社)により、この溶液をDEAE−5PWカラム(2.15cm×15cm、東ソー社)に通液吸着させた後、A=50mMトリス/HCl+2.5M尿素(pH8.0)、B=50mMMES[2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸]+2.5M尿素(pH4.0)とによる70〜85%BのpH勾配で、70分間、7.5ml/分の流速で溶出を行い、hGHを得た。【0070】実施例20 (N末端Metの除去)参考例9と同じ方法で得たMet−hGH溶液を限外濾過システム(ダイアフローメンブレンYM10、43mm、アミコン社)を使って20mMトリス/HCl、8M尿素(pH8.0)に置換するとともにMet−hGHの濃度が10mg/mlになるように濃縮した。この溶液1mlに4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸銅、6M尿素(pH7.0)溶液1mlを加えよく撹拌した後室温で60分間反応させた。次いで、この反応液を20mMトリス/HCl、4M尿素(pH8.5)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×30cmL、ファルマシア社)に通液し、溶出してきたMet−hGHのジケトン体画分を集め、この溶出液に40mMになるようにシステアミンを加えよく撹拌した後37℃で15時間反応した。反応後、20mMトリス/HCl(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×40cmL、ファルマシア社)に通液し、hGH画分を集めた後、更に高速液体クロマトグラフ法(ギルソンHPLCシステム、ギルソン社)により、この溶液をDEAE−5PWカラム(2.15cm×15cm、東ソー社)に通液吸着させた後、A=50mMトリス/HCl+2.5M尿素(pH8.0)、B=50mMMES[2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸]+2.5M尿素(pH4.0)とによる70〜85%BのpH勾配で、70分間、7.5ml/分の流速で溶出を行い、hGHを得た。【0071】実施例21 (N末端Metの除去)参考例9と同じ方法で得たMet−hGH溶液を限外濾過システム(ダイアフローメンブレンYM10、43mm、アミコン社)を使って20mMトリス/HCl、3M尿素(pH8.0)に置換するとともにMet−hGHの濃度が5mg/mlになるように濃縮した。この溶液2mlに4M酢酸ナトリウム、0.8M酢酸、0.4Mグリオキシル酸、10mM硫酸銅、2.5M尿素溶液2mlを加えよく撹拌した後室温で60分間反応させた。次いで、この反応液を20mMトリス/HCl、2.5M尿素(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×30cmL、ファルマシア社)に通液し、溶出してきたMet−hGHのジケトン体画分を集め、この溶出液に等量の4M酢酸、4M酢酸ナトリウム、3M尿素、80mMo−フェニレンジアミン溶液を加えよく撹拌した後4℃で3日間反応した。反応後、20mMトリス/HCl、2.5M尿素(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×40cmL、ファルマシア社)に通液し、hGH画分を集めた後、更に高速液体クロマトグラフ法(ギルソンHPLCシステム、ギルソン社)により、この溶液をDEAE−5PWカラム(2.15cm×15cm、東ソー社)に通液吸着させた後、A=50mMトリス/HCl+2.5M尿素(pH8.0)、B=50mMMES[2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸]+2.5M尿素(pH4.0)とによる70〜85%BのpH勾配で、70分間、7.5ml/分の流速で溶出を行い、hGHを得た。【0072】実施例22 (N末端Metの除去)参考例9と同じ方法で得たMet−hGH溶液を限外濾過システム(ダイアフローメンブレンYM10、43mm、アミコン社)を使って20mMトリス/HCl、3M尿素(pH8.0)に置換するとともにMet−hGHの濃度が5mg/mlになるように濃縮した。この溶液2mlに1Mイミダゾール、0.5Mグリオキシル酸、20mM硫酸銅、2.5M尿素溶液2mlを加えよく撹拌した後室温で60分間反応させた。次いで、この反応液を20mMトリス/HCl、2.5M尿素(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×30cmL、ファルマシア社)に通液し、溶出してきたMet−hGHのジケトン体画分を集め、この溶出液に等量の4M酢酸、4M酢酸ナトリウム、3M尿素、80mMo−フェニレンジアミン溶液を加えよく撹拌した後4℃で3日間反応した。反応後、20mMトリス/HCl、2.5M尿素(pH8.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(10mmID×40cmL、ファルマシア社)に通液し、hGH画分を集めた後、更に高速液体クロマトグラフ法(ギルソンHPLCシステム、ギルソン社)により、この溶液をDEAE−5PWカラム(2.15cm×15cm、東ソー社)に通液吸着させた後、A=50mMトリス/HCl+2.5M尿素(pH8.0)、B=50mMMES[2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸]+2.5M尿素(pH4.0)とによる70〜85%BのpH勾配で、70分間、7.5ml/分の流速で溶出を行い、hGHを得た。【0073】実施例23 (N末端Metの除去)参考例4で得られたN末端にMetの付加したMet−BTC10mgを3M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM硫酸銅0.5ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5mlの混合液(pH5.0)を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−BTCのジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミンを40mM濃度となるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、反応液を50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた緩衝液を6ml/分の流速で展開し、N末端にMetの付加していないBTC画分をプールした。プールしたBTC画分をpH6.0に調整後、100mMリン酸緩衝液+200mM NaCl(pH5.0)で平衡化したSP−5PW(7.5mmID×75mmL)、東ソー(株))に吸着した後、0〜100%B(B=100mMリン酸緩衝液+200mM NaCl、pH9.0)の段階勾配で30分間、0.8ml/分の流速で溶出を行い、BTC画分をプールした、さらに、BTC画分を0.1%TFAで平衡化したODP−50(10mmID×250mmL)、昭和電工(株))に吸着した後、20〜60%B(B=80%アセトニトリル/0.1%TFA)の段階勾配で40分間、2ml/分の流速で溶出した。BTCのフラクションをプールした後、凍結乾燥を行い、BTC約760μgを得た。【0074】実施例24 (BTCの特徴決定)(a)SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた分析実施例23で得られたBTCを100mM DTTを添加したSample buffer[Laemmli, Nature, 227, 680 (1970)]に懸濁し、95℃で1分間加熱した後、マルチゲル15/25(第一化学薬品)で電気泳動を行った。泳動後のゲルをクーマシー・ブリリアント・ブルー(Coomassie brilliant blue)で染色した結果、約16Kdに単一バンドの蛋白が認められた。このことから、精製BTCはほぼ単一であり、DTTによる還元条件下でも強固な二量体を形成していることが判った(図6)。図6において、レーン1〜2は分子量マーカーおよびBTCを示す。【0075】(b)アミノ酸組成分析アミノ酸組成をアミノ酸分析計(ベックマンシステム6300E)を用いて決定した。その結果、BTCのcDNAの塩基配列から推定されたアミノ酸組成と一致した(表16)。【表16】【0076】(c)N末端アミノ酸配列分析N末端アミノ酸配列を気相プロテインシーケンサー(アプライドバイオシステムモデル477A)を用いて決定した。その結果、BTCのcDNAの塩基配列から推定されたBTCのN末端アミノ酸配列と一致した(表17)。【表17】【0077】(d)C末端アミノ酸分析C末端アミノ酸をアミノ酸分析計(ベックマンシステム6300E)を用いて決定した。得られたBTCのC末端アミノ酸はcDNAの塩基配列から推定したC末端アミノ酸と一致した(表18)。【表18】【0078】実施例25 (BTCの生物活性)モレキュラー・セル・バイオロジー、8巻、588頁(1988年)に記載の方法により、BALB/c 3T3 A31−714クローン4(インターナショナル・ジャーナル・オブ・キャンサー、12巻、463頁(1973年))を用いた活性測定を行い、実施例23で得られた精製BTCが標準品(特開平6−87894の実施例13に記載の精製BTCI)と同等の細胞増殖促進活性を有することを確認した。【0079】実施例26参考例4で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−BTC 40mgを3M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM硫酸銅0.5ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−BTCのジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、トリレン−3,4−ジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例23と同様の方法で精製を行い、BTCを得た。【0080】実施例27参考例4で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−BTC 40mgを3M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM硫酸銅0.5ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−BTCのジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、2,3−ジアミノフェノールを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例23と同様の方法で精製を行い、BTCを得た。【0081】実施例28参考例4で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−BTC 40mgを3M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM硫酸銅0.5ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−BTCのジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、3,4−ジアミノ安息香酸を40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例23と同様の方法で精製を行い、BTCを得た。【0082】実施例29参考例4で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−BTC 40mgを3M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM硫酸銅0.5ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−BTCのジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、4−クロロ−o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例23と同様の方法で精製を行い、BTCを得た。【0083】実施例30参考例4で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−BTC 40mgを3M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM硫酸銅0.5ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−BTCのジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にシステアミン40mM濃度になるように添加し、pH8.5に調製した後、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例23と同様の方法で精製を行い、BTCを得た。【0084】実施例31参考例4で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−BTC 20mgを3M尿素溶液2mlに溶解した後、4M酢酸ソーダ、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸ニッケル、6M尿素の溶液2mlを添加し、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−NT−3のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例23と同様の方法で精製を行い、BTCを得た。【0085】実施例32参考例4で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−BTC 20mgを3M尿素溶液2mlに溶解した後、4M酢酸ソーダ、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM塩化コバルト、6M尿素の溶液2mlを添加し、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−BTCのジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例23と同様の方法で精製を行い、BTCを得た。【0086】実施例33参考例4で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−BTC 20mgを3M尿素溶液2mlに溶解した後、4M酢酸ソーダ、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸亜鉛、6M尿素の溶液2mlを添加し、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−BTCのジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例23と同様の方法で精製を行い、BTCを得た。【0087】実施例34参考例4で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−BTC3 40mgを3M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM酢酸銅0.5ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−BTCのジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例23と同様の方法で精製を行い、BTCを得た。【0088】実施例35参考例4で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−BTC 20mgを3M尿素溶液2mlに溶解した後、4M酢酸ソーダ、0.8M酢酸、0.4Mグリオキシル酸、10mM硫酸銅、3M尿素の溶液2mlを添加し、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−BTCのジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例23と同様の方法で精製を行い、BTCを得た。【0089】実施例36参考例4で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−BTC 20mgを3M尿素溶液2mlに溶解した後、1Mイミダゾール、0.5Mグリオキシル酸、20mM硫酸銅、3M尿素の溶液2mlを添加し、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−BTCのジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例23と同様の方法で精製を行い、BTCを得た。【0090】実施例37参考例3で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−NT−3 40mgを3M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM硫酸銅0.5ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−NT−3のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、反応液を50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた緩衝液を6ml/分の流速で展開し、N末端にメチオニンの付加していないNT−3画分をプールした。プールしたNT−3画分をpH6.0に調整後、100mMリン酸緩衝液+200mM NaCl(pH5.0)で平衡化したSP−5PW(21.5mmID×150mmL、東ソー(株))に吸着した後、0−100%B(B=100mMリン酸緩衝液+200mM NaCl、pH9.0)の段階勾配で55分間、6ml/分の流速で溶出を行い、NT−3画分をプールした。さらに、NT−3画分を0.1%TFAで平衡化したODP−50(10mmID×250mmL、昭和電工(株))に吸着した後、20−60%B(B=80%アセトニトリル/0.1%TFA)の段階勾配で40分間、2ml/分の流速で溶出した。NT−3のフラクションをプールした後、凍結乾燥を行い、NT−3約600μg得た。【0091】実施例38(NT−3の特徴決定)a)SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた分析実施例37で得られたNT−3を100mM DTTを含む Sample buffer[Laemmli, Nature, 227, 680(1970)]に懸濁し100℃で1分間加熱した後、マルチゲル15/25(第一化学薬品)で電気泳動を行った。泳動後のゲルをクーマシー ブリリアント ブルー(Coomassie brilliant blue)で染色したところ、単一バンドの蛋白が認められ、精製品はほぼ単一であった(図7)。図7において、レーン1〜2は分子量マーカーおよびNT−3を示す。【0092】N末端アミノ酸配列分析実施例37で得られたNT−3のN末端アミノ酸配列を気相プロテインシーケンサー(アプライドバイオシステムズ モデル477A)を用いて決定した。その結果、得られたNT−3のN末端アミノ酸配列はcDNAの塩基配列から推定したNT−3のN末端アミノ酸配列と一致した。(表19)【表19】【0093】b)アミノ酸組成分析実施例37で得られたNT−3のアミノ酸組成をアミノ酸分析計(ベックマンシステム6300E)を用いて決定した。その結果、NT−3のcDNAの塩基配列から推定したアミノ酸組成と一致した(表20)【表20】【0094】C末端アミノ酸分析実施例37で得られたNT−3のC末端アミノ酸をアミノ酸分析計(ベックマン システム6300E)を用いて決定した。得られたNT−3のC末端アミノ酸配列はcDNAの塩基配列から推定したC末端アミノ酸と一致した(表21)。【表21】【0095】実施例39(NT−3の生物活性の測定)実施例37で得られたNT−3について、DRGを用いた生物活性測定を行い、CHO細胞より得られたNT−3と同等の活性を有することを確認した。【0096】実施例40参考例3で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−NT−3 40mgを3M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM硫酸銅0.5ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−NT−3のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、トリレン−3,4−ジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例37と同様の方法で精製を行い、NT−3を得た。【0097】実施例41参考例3で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−NT−3 40mgを3M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM硫酸銅0.5ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−NT−3のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、2,3−ジアミノフェノールを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例37と同様の方法で精製を行い、NT−3を得た。【0098】実施例42参考例3で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−NT−3 40mgを3M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM硫酸銅0.5ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−NT−3のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、3,4−ジアミノ安息香酸を40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例37と同様の方法で精製を行い、NT−3を得た。【0099】実施例43参考例3で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−NT−3 40mgを3M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM硫酸銅0.5ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−NT−3のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、4−クロロ−o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例37と同様の方法で精製を行い、NT−3を得た。【0100】実施例44参考例3で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−NT−3 40mgを3M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM硫酸銅0.5ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−NT−3のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にシステアミンを40mM濃度になるように添加し、pH8.5に調製した後、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例37と同様の方法で精製を行い、NT−3を得た。【0101】実施例45参考例3で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−NT−3 20mgを3M尿素溶液2mlに溶解した後、4M酢酸ソーダ、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸ニッケル、6M尿素の溶液2mlを添加し、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−NT−3のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例37と同様の方法で精製を行い、NT−3を得た。【0102】実施例46参考例3で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−NT−3 20mgを3M尿素溶液2mlに溶解した後、4M酢酸ソーダ、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM塩化コバルト、6M尿素の溶液2mlを添加し、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−NT−3のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例37と同様の方法で精製を行い、NT−3を得た。【0103】実施例47参考例3で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−NT−3 20mgを3M尿素溶液2mlに溶解した後、4M酢酸ソーダ、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸亜鉛、6M尿素の溶液2mlを添加し、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−NT−3のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例37と同様の方法で精製を行い、NT−3を得た。【0104】実施例48参考例3で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−NT−3 40mgを3M尿素溶液4mlに溶解した後、50mM酢酸銅0.5ml、グリオキシル酸0.25g、ピリジン0.5mlの混合液を加え、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−NT−3のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例37と同様の方法で精製を行い、NT−3を得た。【0105】実施例49参考例3で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−NT−3 20mgを3M尿素溶液2mlに溶解した後、4M酢酸ソーダ、0.8M酢酸、0.4Mグリオキシル酸、10mM硫酸銅、3M尿素の溶液2mlを添加し、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−NT−3のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例37と同様の方法で精製を行い、NT−3を得た。【0106】実施例50参考例3で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−NT−3 20mgを3M尿素溶液2mlに溶解した後、1Mイミダゾール、0.5Mグリオキシル酸、20mM硫酸銅、3M尿素の溶液2mlを添加し、25℃で1時間反応した。反応終了後、反応液を2.5M尿素+50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセファデックス(Sephadex)G−25カラム(25mmID×600mmL)に通液し、平衡化に用いた溶液を6ml/分の流速で展開し、Met−NT−3のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に等量の4M酢酸−4M酢酸ナトリウム溶液を加えた後、o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるように添加して、脱気、窒素ガスシールを行い、37℃で15時間反応した。反応終了後、実施例37と同様の方法で精製を行い、NT−3を得た。【0107】変性Met−NT−3の活性化および活性化されたMet−NT−3の精製は例えば以下の方法により行うこともできる。すなわち、参考例3(5)で得られたペレット溶液を遠心分離(10000rpm)した後、上澄液を1.8M尿素、0.2M Arg、0.2mM GSSG、1.0mM GSH、100mMリン酸緩衝液(pH8.5)で約20倍に希釈し、4℃、4週間で変性Met−NT−3のリフォールディングを行うことができる。また、リフォールディング終了後の再生液をpH6.0に調整し、100mM リン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したSP−セファロースカラム(22mmID×120mmL)に吸着した後、400mM NaCl/100mM リン酸緩衝液(pH6.0)で溶出し、Met−NT−3を含むフラクションをプールし、続いて0.1%TFAで平衡化したODP−50(21.5mmID×300mmL)(昭和電工(株))に吸着し、0〜80%B(B=アセトニトリル/0.1%TFA)の段階勾配で60分間、5ml/分の流速で溶出して得られるNT−3のフラクションを凍結乾燥して、Met−NT−3の粉末を得ることができる。さらに、上述のアルギニンの代わりに、シトルリン、アラニン、バリン、リジン、アスパラギン酸などを用いてリフォールディングを行うこともできる。【0108】実施例51参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、グリオキシル酸1.55g,0.1M塩化ニッケル3.375ml、4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、6M尿素の溶液、3.375mlを加え、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にo−フェニレンジアミンを40mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0109】実施例52参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、グリオキシル酸1.55g,0.1M塩化コバルト3.375ml、4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、6M尿素の溶液、3.375mlを加え、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にo−フェニレンジアミンを40mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0110】実施例53参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、グリオキシル酸1.55g,0.1M硫酸亜鉛3.375ml、4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、6M尿素の溶液、3.375mlを加え、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にo−フェニレンジアミンを40mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0111】実施例54参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、グリオキシル酸1.55g,0.1M酢酸銅3.375ml、4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、6M尿素の溶液、3.375mlを加え、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にo−フェニレンジアミンを40mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0112】実施例55参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、グリオキシル酸1.55g,0.1M硫酸銅3.375ml、ピリジン3.375mlの混合液を加え、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分をpH8.5に調製した後、システアミンを40mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0113】実施例56参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、グリオキシル酸1.55g,0.1M硫酸銅3.375ml、ピリジン3.375mlの混合液を加え、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にトリレン−3,4−ジアミンを40mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0114】実施例57参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、グリオキシル酸1.55g,0.1M硫酸銅3.375ml、ピリジン3.375mlの混合液を加え、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に4−クロロ−o−フェニレンジアミンを40mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0115】実施例58参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、グリオキシル酸1.55g,0.1M硫酸銅3.375ml、ピリジン3.375mlの混合液を加え、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に3,4−ジアミノ安息香酸を40mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0116】実施例59参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、グリオキシル酸1.55g,0.1M硫酸銅3.375ml、ピリジン3.375mlの混合液を加え、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分に2,3−ジアミノフェノールを40mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0117】実施例60参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、0.5Mグリオキシル酸、20mM硫酸亜鉛、40mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)、6M尿素の溶液を等量加え、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にo−フェニレンジアミンを20mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0118】実施例61参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、0.5Mグリオキシル酸、20mM酢酸銅、40mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)、6M尿素の溶液を等量加え、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にo−フェニレンジアミンを20mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0119】実施例62参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、0.5Mグリオキシル酸、20mM塩化ニッケル、40mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)、6M尿素の溶液を等量加え、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にo−フェニレンジアミンを20mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0120】実施例63参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、0.5Mグリオキシル酸、20mM塩化コバルト、40mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)、6M尿素の溶液を等量加え、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にo−フェニレンジアミンを20mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0121】実施例64参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、3M尿素を含む20mMトリスHCl(pH8)、2Lに対して透析した。この透析内液に1Mイミダゾール、0.5Mグリオキシル酸、20mM硫酸銅、2.5M尿素溶液を等量混ぜ、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にo−フェニレンジアミンを20mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0122】実施例65参考例5で得られたN末端にメチオニンの付加したヒトインターロイキン2(Met−IL−2)20mgを20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)27mlに溶解した後、3M尿素を含む20mMトリスHCl(pH8)、2Lに対して透析した。この透析内液に4M酢酸ナトリウム、0.4Mグリオキシル酸、10mM硫酸銅、0.8M酢酸、2.5M尿素溶液を等量混ぜ、室温で1時間反応した。反応終了後、反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)で平衡化したセファデックスG−25カラム(25mmID×600mmL)に300ml/hの流速で通液し、Met−IL−2のジケトン体画分をプールした。続いてこの画分にo−フェニレンジアミンを20mM濃度になるよう添加して、脱気、窒素ガスシールを行った後、37℃で21時間反応した。反応終了後、実施例8の方法に従い、IL−2の凍結乾燥粉末を得た。【0123】参考例10大腸菌MM294(DE3)/pE−C35PTH(IFO15213;FERM BP−3508)(特開平5−304976号)を1%バクトトリプトン、0.5%イーストエキス、0.5%塩化ナトリウム、50μg/mlのアンピシリンを含む液体培地(pH7)1Lに接種し、30℃で回転振とう培養した。この培養液1Lを1%バクトトリプトン、0.5%イーストエキス、0.5%塩化ナトリウムを含む液体培地(pH7)19Lに接種し、30℃で8時間、通気撹拌培養した。この培養液をM−9培地(1.5%カザミノ酸、1.5%グルコース、0.0005%ビタミンB1)343Lの入った500L容発酵槽へ17L移し、37℃で7時間の通気撹拌培養を行い、約350Lの培養液を得た。この培養液を遠心分離して、約4kgの湿菌体を取得し、−80℃に凍結保存した。上記の大腸菌MM294(DE3)/pE−C35PTHは、受託番号IFO15213として財団法人発酵研究所(IFO)に寄託されている。【0124】参考例11凍結菌体10gに7M塩酸グアニジンを含む20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)40mlを加え、菌体を溶解した後、遠心分離(10,000rpm、60分)を行い、約40mlの菌体抽出液を得た。この菌体抽出液を約2Lの20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)で希釈した後、遠心分離(4,200rpm、20分)を行い、約2Lの遠心上澄液を得た。この上澄液をSP−トヨパール650Mカラム(5cm×30cm)に通液し、吸着、洗浄した後、1M塩化ナトリウムを含む20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)で溶出した。この溶出液をODS−120Tカラム(21.5cm×30cm、東ソー)及び▲1▼0.1%トリフルオロ酢酸と▲2▼0.1%トリフルオロ酢酸を含む80%アセトニトリルとによる濃度勾配溶出法を用いた高速液体クロマトグラフィーにより吸着、溶出し、約30mlのMet〔Cys35〕PTH(1−84)画分を得た。この液を5Lの6M尿素を含む0.1M酢酸に対して透析し、透析液を得た。得られた透析液に約4mgのDMAP−CN(1−シアノ−4−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレート)を加え、室温で15分間反応し、Met−〔Cys(CN)35〕PTH(1−84)を得た。得られた反応液をSP−トヨパール650M(2.0cm×30cm)に通液し、吸着した後、100mM塩化ナトリウムを含む、20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)で洗浄を行い、試薬を除去した後、1M塩化ナトリウムを含む、20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)で溶出した。この溶出液を5Lの6M尿素に対して透析し、約8mlの透析液を得た。得られた透析液を氷冷し、400μlの1N水酸化ナトリウムを加え、0℃で10分間反応した。得られた反応液を20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)で平衡化したトヨパールHW−50F(2cm×50cm)を用いてゲルろ過を行い、MetPTH(1−34)画分をプールした。得られたMetPTH(1−34)画分をODS−120Tカラム(21.5cm×30cm、東ソー)及び▲1▼0.1%トリフルオロ酢酸と▲2▼0.1%トリフルオロ酢酸を含む80%アセトニトリルとによる濃度勾配溶出法を用いた高速液体クロマトグラフィーにより吸着、溶出し、約50mlのMetPTH(1−34)画分を得た。この溶出液を凍結乾燥し、約5mgのMetPTH(1−34)を得た。【0125】実施例66参考例11で得られたN末端にメチオニンの付加したMet−PTH(1−34)5mgを蒸留水1mlに溶解した後、グリオキシル酸46.4mg、硫酸銅2.5mg、ピリジン94.8mgの混合液を加え、室温で1時間反応した。反応終了後、遠心分離を行い、その上清をODP−50カラム(1cm×25cm、昭和電工)及び▲1▼10%アセトニトリルを含む20mM酢酸アンモニウム(pH5)と▲2▼60%アセトニトリルを含む20mM酢酸アンモニウム(pH5)とによる濃度勾配溶出法を用いた高速液体クロマトグラフィーにより吸着、溶出し約5.4mlのMet−PTH(1−34)のジケトン体画分をプールした。次にこの画分を凍結乾燥し、得られた凍結乾燥品に蒸留水を加え、4mlとした後、80mMのo−フェニレンジアミンを含む、4M酢酸、4M酢酸ナトリウムの混合液4mlを加え、脱気窒素ガスシールを行った後、37℃で17時間反応した。反応終了後、反応液をODP−50カラム(1cm×25cm、昭和電工)及び▲1▼0.1%トリフルオロ酢酸と▲2▼0.1%トリフルオロ酢酸を含む80%アセトニトリルとによる濃度勾配溶出法を用いた高速液体クロマトグラフィーにより吸着、溶出を行い、PTH(1−34)画分をプールした。プールしたPTH(1−34)画分を20mM酢酸アンモニウム(pH5)で5倍希釈し、2M尿素を含む20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5)で平衡化したSP−5PWカラム(7.5mm×75mm、東ソー)に吸着した後、0−50%B(B:20mMMES−2M尿素−0.5M塩化ナトリウム、pH8)濃度勾配で30分間、0.8ml/分の流速で行い、PTH(1−34)画分をプールした。この画分を1L蒸留水に対して透析し、凍結乾燥を行い、PTH(1−34)の凍結乾燥粉末を得た。【0126】実施例67(PTH(1−34)の特徴決定)a)SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた分析実施例66で得られたPTH(1−34)をサンプルバッファ[NOVEX JAPAN]に懸濁した後、Peptide-PAGE mini[TEFCO]で電気泳動を行った。泳動後のゲルをクーマシー ブリリアント ブルーで染色したところ、単一バンドであった(図8)。図8において、レーン1〜2は分子量マーカーおよびPTH(1−34)を示す。【0127】b)N末端アミノ酸配列分析N末端アミノ酸配列を気相プロテインシーケンサー(アプライドバイオシステム モデル477A)を用いて決定した。その結果、PTH(1−34)の塩基配列から予想されるN末端アミノ酸配列と一致した。(表22)【表22】【0128】c)アミノ酸組成分析アミノ酸組成をアミノ酸分析計(日立L−8500A Amino Acid Analyzer)を用いて決定した。その結果、PTH(1−34)のcDNA塩基配列から予想されるアミノ酸組成と一致した(表23)【表23】【0129】d)C末端アミノ酸分析C末端アミノ酸をアミノ酸分析計(日立L−8500A Amino Acid Analyzer)を用いて決定した。その結果、PTH(1−34)の塩基配列から予想されるC末端アミノ酸と一致した。(表24)【表24】生物活性の測定は骨芽細胞様細胞株MC3T3−E1細胞を用いる方法〔Nakagawa ,S ら、BIOCHEMICAL AND BIOPHYSICAL RESEARCH COMMUNICATIONDS,200,1735−1741(1994)〕に従って行い、標品と同等の活性を有することを確認した。【0130】実施例68参考例11で得た、N末端にメチオニンの付加したMet−PTH(1−34)5mgを1mlの4M尿素に溶解し、4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM塩化ニッケル、4M尿素溶液1mlと混合して、室温で1時間反応した。反応終了後、遠心分離を行い、その上清を実施例66と同様にODP−50カラム用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製し、Met−PTH(1−34)のジケトン体画分を得た。次にこの画分を凍結乾燥し、4mlの蒸留水に溶解後、80mMのo−フェニレンジアミンを含む、4M酢酸、4M酢酸ナトリウムの溶液4mlを加え、脱気窒素ガスシールを行った後、37℃で17時間反応した。反応終了後、実施例66と同じ方法により精製し、PTH(1−34)の凍結乾燥粉末を得た。【0131】実施例69参考例11で得た、N末端にメチオニンの付加したMet−PTH(1−34)5mgを1mlの4M尿素に溶解し、4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM塩化コバルト、4M尿素溶液1mlと混合して、室温で1時間反応した。反応終了後、遠心分離を行い、その上清を実施例66と同様にODP−50カラム用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製し、Met−PTH(1−34)のジケトン体画分を得た。次にこの画分を凍結乾燥し、4mlの蒸留水に溶解後、80mMのo−フェニレンジアミンを含む、4M酢酸、4M酢酸ナトリウムの溶液4mlを加え、脱気窒素ガスシールを行った後、37℃で17時間反応した。反応終了後、実施例66と同じ方法により精製し、PTH(1−34)の凍結乾燥粉末を得た。【0132】実施例70参考例11で得た、N末端にメチオニンの付加したMet−PTH(1−34)5mgを1mlの4M尿素に溶解し、4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸亜鉛、4M尿素溶液1mlと混合して、室温で1時間反応した。反応終了後、遠心分離を行い、その上清を実施例66と同様にODP−50カラム用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製し、Met−PTH(1−34)のジケトン体画分を得た。次にこの画分を凍結乾燥し、4mlの蒸留水に溶解後、80mMのo−フェニレンジアミンを含む、4M酢酸、4M酢酸ナトリウムの溶液4mlを加え、脱気窒素ガスシールを行った後、37℃で17時間反応した。反応終了後、実施例66と同じ方法により精製し、PTH(1−34)の凍結乾燥粉末を得た。【0133】実施例71参考例11で得た、N末端にメチオニンの付加したMet−PTH(1−34)5mgを1mlの4M尿素に溶解し、4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM酢酸銅、4M尿素溶液1mlと混合して、室温で1時間反応した。反応終了後、遠心分離を行い、その上清を実施例66と同様にODP−50カラム用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製し、Met−PTH(1−34)のジケトン体画分を得た。次にこの画分を凍結乾燥し、4mlの蒸留水に溶解後、80mMのo−フェニレンジアミンを含む、4M酢酸、4M酢酸ナトリウムの溶液4mlを加え、脱気窒素ガスシールを行った後、37℃で17時間反応した。反応終了後、実施例66と同じ方法により精製し、PTH(1−34)の凍結乾燥粉末を得た。【0134】実施例72参考例11で得た、N末端にメチオニンの付加したMet−PTH(1−34)5mgを1mlの4M尿素に溶解し、4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸銅、4M尿素溶液1mlと混合して、室温で1時間反応した。反応終了後、遠心分離を行い、その上清を実施例66と同様にODP−50カラム用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製し、Met−PTH(1−34)のジケトン体画分を得た。次にこの画分を凍結乾燥し、4mlの50mMトリス・HCl(pH8.5)に溶解後、終濃度40mMになるようにシステアミンを加え、脱気窒素ガスシールを行った後、37℃で17時間反応した。反応終了後、実施例66と同じ方法により精製し、PTH(1−34)の凍結乾燥粉末を得た。【0135】実施例73参考例11で得た、N末端にメチオニンの付加したMet−PTH(1−34)5mgを1mlの4M尿素に溶解し、4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸銅、4M尿素溶液1mlと混合して、室温で1時間反応した。反応終了後、遠心分離を行い、その上清を実施例66と同様にODP−50カラム用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製し、Met−PTH(1−34)のジケトン体画分を得た。次にこの画分を凍結乾燥し、4mlの蒸留水に溶解後、80mMのトリレン−3,4−ジアミンを含む、4M酢酸、4M酢酸ナトリウムの溶液4mlを加え、脱気窒素ガスシールを行った後、37℃で17時間反応した。反応終了後、実施例66と同じ方法により精製し、PTH(1−34)の凍結乾燥粉末を得た。【0136】実施例74参考例11で得た、N末端にメチオニンの付加したMet−PTH(1−34)5mgを1mlの4M尿素に溶解し、4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸銅、4M尿素溶液1mlと混合して、室温で1時間反応した。反応終了後、遠心分離を行い、その上清を実施例66と同様にODP−50カラム用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製し、Met−PTH(1−34)のジケトン体画分を得た。次にこの画分を凍結乾燥し、4mlの蒸留水に溶解後、80mMの4−クロロ−o−フェニレンジアミンを含む、4M酢酸、4M酢酸ナトリウムの溶液4mlを加え、脱気窒素ガスシールを行った後、37℃で17時間反応した。反応終了後、実施例66と同じ方法により精製し、PTH(1−34)の凍結乾燥粉末を得た。【0137】実施例75参考例11で得た、N末端にメチオニンの付加したMet−PTH(1−34)5mgを1mlの4M尿素に溶解し、4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸銅、4M尿素溶液1mlと混合して、室温で1時間反応した。反応終了後、遠心分離を行い、その上清を実施例66と同様にODP−50カラム用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製し、Met−PTH(1−34)のジケトン体画分を得た。次にこの画分を凍結乾燥し、4mlの蒸留水に溶解後、80mMの3,4−ジアミノ安息香酸を含む、4M酢酸、4M酢酸ナトリウムの溶液4mlを加え、脱気窒素ガスシールを行った後、37℃で17時間反応した。反応終了後、実施例66と同じ方法により精製し、PTH(1−34)の凍結乾燥粉末を得た。【0138】実施例76参考例11で得た、N末端にメチオニンの付加したMet−PTH(1−34)5mgを1mlの4M尿素に溶解し、4M酢酸ナトリウム、20mM酢酸、0.4Mグリオキシル酸、20mM硫酸銅、4M尿素溶液1mlと混合して、室温で1時間反応した。反応終了後、遠心分離を行い、その上清を実施例66と同様にODP−50カラム用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製し、Met−PTH(1−34)のジケトン体画分を得た。次にこの画分を凍結乾燥し、4mlの蒸留水に溶解後、80mMの2,3−ジアミノフェノールを含む、4M酢酸、4M酢酸ナトリウムの溶液4mlを加え、脱気窒素ガスシールを行った後、37℃で17時間反応した。反応終了後、実施例66と同じ方法により精製し、PTH(1−34)の凍結乾燥粉末を得た。【0139】実施例77参考例11で得た、N末端にメチオニンの付加したMet−PTH(1−34)5mgを1mlの3M尿素−20mMトリス/HCl(pH8.0)に溶解し、1Mイミダゾール、0.5Mグリオキシル酸、20mM硫酸銅、2.5M尿素溶液1mlとを混合して、室温で1時間反応した。反応終了後、遠心分離を行い、その上清を実施例66と同様にODP−50カラム用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製し、Met−PTH(1−34)のジケトン体画分を得た。次にこの画分を凍結乾燥し、4mlの蒸留水に溶解後、80mM o−フェニレンジアミンを含む、4M酢酸、4M酢酸ナトリウムの溶液4mlを加え、脱気窒素ガスシールを行った後、37℃で17時間反応した。反応終了後、実施例66と同じ方法により精製し、PTH(1−34)の凍結乾燥粉末を得た。【0140】実施例78参考例11で得た、N末端にメチオニンの付加したMet−PTH(1−34)5mgを1mlの3M尿素−20mMトリス/HCl(pH8.0)に溶解し、4M酢酸ナトリウム、0.8M酢酸、0.4Mグリオキシル酸、10mM硫酸銅、2.5M尿素溶液1mlとを混合して、室温で1時間反応した。反応終了後、遠心分離を行い、その上清を実施例66と同様にODP−50カラム用いた高速液体クロマトグラフィーにより精製し、Met−PTH(1−34)のジケトン体画分を得た。【0141】次にこの画分を凍結乾燥し、4mlの蒸留水に溶解後、80mM o−フェニレンジアミンを含む、4M酢酸、4M酢酸ナトリウムの溶液4mlを加え、脱気窒素ガスシールを行った後、37℃で17時間反応した。反応終了後、実施例66と同じ方法により精製し、PTH(1−34)の凍結乾燥粉末を得た。【0142】【発明の効果】本発明により、N末端に酸化されていてもよいメチオニン残基を有するペプチド、蛋白質またはその塩から、該メチオニン残基のみを選択特異的かつ効率的に取り除くことができる。また、本発明の方法によれば、ペプチドまたは蛋白質の種類に拘わらず、しかもマイルドな条件下でN末端のメチオニン残基を化学的に除去することができるので、遺伝子工学的手法により製造されたメチオニンの付加した蛋白質を原料にして、天然型のアミノ酸配列を有する蛋白質を工業的に有利に製造することができる。【0143】【配列表】【0144】【0145】【0146】【図面の簡単な説明】【図1】実施例2a) で得られた電気泳動の結果を示す。【図2】実施例5a) で得られた電気泳動の結果を示す。【図3】実施例7a) で得られた電気泳動の結果を示す。【図4】実施例9a) で得られた電気泳動の結果を示す。【図5】実施例11a) で得られた電気泳動の結果を示す。【図6】実施例24a) で得られた電気泳動の結果を示す。【図7】実施例38a) で得られた電気泳動の結果を示す。【図8】実施例67a) で得られた電気泳動の結果を示す。 N末端に酸化されていてもよいメチオニン残基を有するペプチドまたはその塩とグリオキシル酸またはその塩を遷移金属イオンおよび塩基の存在下に反応させた後、加水分解することを特徴とする該メチオニン残基の除去方法。 N末端に酸化されていてもよいメチオニン残基を有するペプチドが遺伝子工学的に製造されたペプチドである請求項1記載の方法。 遺伝子工学的に製造されたペプチドがN末端に酸化されていてもよいメチオニン残基が付加した成長ホルモン、ニューロトロフィン−3、ベータセルリン、副甲状腺ホルモンまたはインターロイキン−2である請求項2記載の方法。 塩基が、アルキルアミン類、芳香族アミン類または尿素である請求項1記載の方法。 遷移金属イオンが銅イオンである請求項1記載の方法。 塩基がピリジンである請求項4記載の方法。 塩基を用いて加水分解することを特徴とする請求項1記載の方法。 塩基がアミン類である請求項7記載の方法。 塩基がジアミン類またはチオもしくはセレノセミカルバジド類である請求項7記載の方法。 ジアミン類がo−フェニレンジアミンである請求項9記載の方法。 遺伝子工学的に製造され、N末端にメチオニンが付加したヒト成長ホルモン、ニューロトロフィン−3、ヒトベータセルリン、副甲状腺ホルモンおよびヒトインターロイキン−2から選ばれたペプチドまたはその塩とグリオキシル酸またはその塩とを硫酸銅およびピリジンの存在下に反応させた後、o−フェニレンジアミンと反応させることを特徴とする該ペプチドまたはその塩の製造法。 式 CH3-S(O)m-(CH2)2-CO-CO-X[式中、mは0ないし2の整数を示し、Xはアミノ酸の数が2以上のペプチド鎖を示す。]で表される化合物またはその塩。 請求項12記載の化合物を加水分解することを特徴とするペプチドまたはその塩の製造法。


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