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タイトル:特許公報(B2)_フレッシュコンクリートの空気量測定方法
出願番号:1997144195
年次:2007
IPC分類:G01N 33/38


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若松 岳 竹田 宣典 平田 隆祥 JP 3937509 特許公報(B2) 20070406 1997144195 19970602 フレッシュコンクリートの空気量測定方法 株式会社大林組 000000549 松本 雅利 100087686 若松 岳 竹田 宣典 平田 隆祥 20070627 G01N 33/38 20060101AFI20070607BHJP JPG01N33/38 G01N 33/38 特開平07−005165(JP,A) 土木学会コンクリート委員会,7.フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法(空気室圧力方法)(JIS A 1128−1993),コンクリート標準示方書【平成6年版】規準編,社団法人 土木学会,1994年 3月,p.397−401 土木学会コンクリート委員会,4.まだ固まらないコンクリートの空気量の容積による試験方法(容積方法)(JIS A1118−1975(1989確認)),コンクリート標準示方書【平成6年版】規準編,社団法人 土木学会,1994年 3月,p.387−391 3 1998332685 19981218 8 20040402 白形 由美子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、フレッシュコンクリートの空気量の測定方法に関するものである。【0002】【従来の技術】フレッシュコンクリートの空気量の測定は、例えば、JISに規定されている空気室圧力方法(JIS A 1128-1993)により一般的に行われている。この空気量の測定方法では、図3に示す空気量測定器が用いられている。【0003】同図に示した空気量測定器は、測定容器1と圧力計2とを有している。測定容器1は、上端が開口し、内部に測定対象コンクリートCを収納する容器本体1aと、容器本体1aの上端開口を気密閉塞する密閉蓋1bとを有している。【0004】密閉蓋1aの上面上には、隔壁1cを設けることにより空気室3が形成されている。圧力計2は、空気室3内の圧力を測定するようになっている。【0005】密閉蓋1bには、容器本体1a内と空気室3との間を連通・閉塞する作動弁4と、容器1内に水を注水する注水口5とが設けられている。【0006】このような構造の空気量測定器を用いる測定方法では、ボイルの法則(PV=一定,P=圧力,V=気体の体積)利用し、コンクリートC中の空気量の体積変化による圧力変化を圧力計2で読取ることにより、コンクリートC中の見掛けの空気量を測定し、得られた値から骨材修正係数を減ずることにより空気量が求められる。【0007】しかしながら、このような従来のフレッシュコンクリートの空気量測定方法には、以下に説明する技術的な課題があった。【0008】【発明が解決しようとする課題】すなわち、上述した空気量測定器を用いる空気量測定方法では、容器本体1a内に測定対象コンクリートを詰めた後に、コンクリートの天端をストレートエッジを用いて、すり切るように指導されているとともに、容器本体1aの天端についているモルタルやコンクリートを、密閉蓋1bの装着前にウエスで拭き取るように指導されている。【0009】ところが、このようなすり切り操作や拭き取り作業は面倒である上に、特に、すり切り操作は、測定精度が低下する一因となっていた。【0010】つまり、すり切り操作を行うと、コンクリート中のモルタルのみが容器本体1aの外に出易く、モルタルのみが排出されると、コンクリート配合が実体と異なってくる。【0011】また、すり切り操作を行う際に、コンクリートの天端が、容器本体1aの天端より低くても、水の表面張力でモルタルがストレートエッジ側に引き寄せられ、コンクリートの天端が、容器本体1aの天端と同一であると錯誤する場合があり、このまま測定が行われると、見掛けの空気量は、注水法では、小さくなり、非注水法では、大きくなるという問題があった。【0012】さらに、特に注水法においては、作業手順を間違えたり、作動弁4の劣化などにより、空気室3内に容器1側から水が逆流して測定精度が低下するなどの問題も指摘されていた。【0013】本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、面倒な操作や作業を伴うことなく、測定精度を向上させることができるフレッシュコンクリートの空気量測定方法を提供することにある。【0014】【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、容器本体と密閉蓋とを備えた容器を用いるフレッシュコンクリートの空気量測定方法において、前記容器本体内に測定対象コンクリートを収容して、前記密閉蓋で閉塞し、前記測定対象コンクリート上の空間部に一次注水して、全体重量W1を測定し、前記空間部に2次注水して、前記空間部の圧力値P2と全体重量W2とを測定し、式v0=P2・v2/(P2−P1)v2=(W2−W1)/ρTP1;大気圧,ρT;水のT℃における比重,v2;2次注水量から前記測定対象コンクリートの見掛けの空気量v0(実容積)を求めるようにした。ここで、いま、容器の容積V0’が既知であり、容器と収容したコンクリートの重量の和がW0とすると、一次注水重量W0’は、W0’=W1−W0となる。1次注水量をv1とすると、コンクリートの容積Vは、V=V0’−v1=(V0’−W0’)/ρTとして求められるので、フレッシュコンクリートの空気量v0’(%)は、v0/V×100で容積%として求めることができる。このような測定方法によれば、容器本体内に測定対象コンクリートを収容すれば空気量の測定が可能になり、天端のすり切り操作や拭き取り作業が不要になる。また、本発明の測定方法では、すり切り操作を行わないので、測定対象コンクリートの実体の変更がなく、ありのままでの測定が行われ、測定精度の低下を回避することができる。さらに、従来の測定器のように空気室がないので、水の逆流による測定精度の低下も発生しない。また、本発明の測定方法では、前記2次注水の後に、3次注水して、前記空間部の圧力値P3と全体重量W3とを測定し、式v0=(P3・v3−P2・v2)/(P3−P2)v2,v3;1次注水量を含まない一次注水以降の加圧した水の積算量から前記測定対象コンクリートの見掛けの空気量v0を求めることができる。この測定方法によれば、大気圧P1を測定することなく、見掛けの空気量v0を求めることができる。【0015】【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明にかかるフレッシュコンクリートの空気量測定方法の一実施例を示している。【0016】図2は、同測定方法に使用される測定器の容器10の詳細であり、容器10は、容器本体12と密閉蓋14とを有している。【0017】容器本体12は、上端が開口した有底円筒形状のものであり、上端開口縁には、フランジ部12aが形成されている。【0018】密閉蓋14は、容器本体12のフランジ部12aと接合するフランジ部14aが下端外周縁に設けられた円錐台部14bと、円錐台部14bの上端に垂設され、上端が開口した円筒部14cとを備え、全体形状が概略逆ロート状に形成されいる。【0019】円錐台部14bの傾斜面には、開閉可能な注水口16と、後述する圧力校正器24の接続が可能であって、かつ、開閉自在な接続口18とが設けられている。円筒部14cには、内部の空気を排出した後に、容器10内を密封するための開閉弁20が設けられている。【0020】なお、図1,2においては、密閉蓋14の円錐台部14bの傾斜角度を図示の都合上、概略90°程度に拡開した状態にしているが、実際には、この傾斜角度は、概略180°に近い平坦な角度に設定する。【0021】このような容器10を使用してフレッシュコンクリートの空気量を測定する際には、まず、図1(a)に示すように、容器本体12内に測定対象コンクリートCを収容する。【0022】測定対象コンクリートCの収容状態は、容器本体12の天端近傍まで充填する必要はなく、任意の高さでよく、すり切り操作を行う必要はない。【0023】次いで、図1(b)に示すように、容器本体12のフランジ部12aに、密閉蓋14のフランジ部14aを接合して、容器本体14内を気密密閉した後に、接続口18を閉止し、かつ、開閉弁20を解放した状態で、注水口16を解放して、コンクリートCの上部側の空間に注水する。【0024】そして、容器10の内部の空気が追い出されて、空間が水と置換されると、注水口16を閉止し、接続口18に圧力校正器24を接続して、接続口18から注水し、容器10の内部(接続口18に残存していた空気)の空気を追い出す。【0025】その後、開閉弁20を閉止し、容器10内を概略大気圧に保つ。なお、この場合、コンクリートCには、注水した水の圧力が加えられているが、コンクリートCの充填量を天端近傍までとし、密閉蓋14の円錐台部14bの傾斜角度を180°近くにすると、このときの注水量は、非常に少なくなるので、注水した水の圧力は無視できる。【0026】密閉蓋14で閉塞された容器10は、注水前に重量計22上に載せておき、以上の1次注水が完了すると、その全体重量W1を測定する。【0027】この場合、容器10の容器の容積V0’および、容器10と収容したコンクリートCの重量の和W0を予め重量計22で測定しておくと、一次注水重量W0’(1次注水量v1に等しい)は、W0’=W1−W0として求めることができ、この一次注水重量W0’と、水のT℃における比重ρTからコンクリートCの容積Vは、V=V0’−W0’/ρTとして求められるので、フレッシュコンクリートCの空気量v0’(%)や、コンクリートCの単位容積重量を算出することができる。【0028】全体重量W1の測定が終了すると、そのままの状態で、図1(d)に示すように、接続口18に圧力校正器24を接続して、接続口18を解放する。圧力校正器24は、それ自身から2次注水を接続口18側に送り込み、その圧力値を測定するものであり、例えば、ドラックジャパン株式会社発売のDPI601HAV(液圧高圧形)を用いることができる。【0029】このような2次注水を行うと、コンクリート中の空気が圧縮されて、体積が収縮するが、この収縮量は、注水量に等しくなる。【0030】つまり、測定対象コンクリートCの見掛けの空気量がv0(実容積)であり、これが2次注水によりv2だけ収縮したとすると、v2=(W2−W1)/ρT ……▲1▼の関係が成り立つ。ただし、ρT;水のT℃における比重とする。【0031】一方、ボイルの法則により、図1(c),(d)の状態において、それぞれ以下の関係が成り立つ。P1・v0=k ……▲2▼P2(v0−v2)=k ……▲3▼ここで、P1;大気圧とする。【0032】以上の▲1▼〜▲3▼式から、測定対象コンクリートCの見掛けの空気量v0=P2・v2/(P2−P1)となり、P1,P2,v2は、それぞれ測定できるので、空気量v0(実容積)を求めることができる。【0033】この場合、2次注水の量ないしは加圧圧力は、複数の値を段階的に設定し、それぞれの注水量ないしは圧力値で測定を行い、複数の見掛けの空気量vnを求め、これらの平均値を見掛けの空気量とすることもできる。【0034】以上のようにして見掛けの空気量v0が求められると、コンクリートCの容積Vを予め求めておくと、見掛けの空気量v0’(%)は、v0/V×100で求めることができ、従来と同様に骨材修正係数での補正を行い、真の空気量を決定する。【0035】さて、以上のようにして行われるフレッシュコンクリートの空気量測定方法によれば、容器本体12内に測定対象コンクリートCを収容すれば空気量v0の測定が可能になり、天端のすり切り操作や拭き取り作業が不要になり、面倒な操作や作業が排除される。【0036】この場合、容器本体12内に充填する測定対象コンクリートCの高さは、均す必要がなく、例えば、本体12の開口部から上方に多少盛り上がっていても、密閉蓋14に接触しなければ測定することができる。【0037】また、本発明の測定方法では、すり切り操作を行わないので、測定対象コンクリートCの実体の変更がなく、ありのままでの測定が行われ、測定精度の低下を回避することができる。【0038】さらに、従来の測定器のように空気室がないので、水の逆流による測定精度の低下も発生しない。【0039】次に、本発明の別の実施例について説明する。上記実施例で説明した測定方法では、大気圧P1の測定が必要になるが、以下のような測定方法を行えば、この測定が不要になる。【0040】その測定方法は、図1(d)に示した2次注水の後に、3次注水して、空間部の圧力値P3と全体重量W3とを測定する。2次および3次注水において、v2,v3を1次注水量を含まない一次注水以降の加圧した水の積算量とすると、以下の関係式が成り立つ。P1・v0=P2(v0−v2) ……▲4▼P1・v0=P3(v0−v3) ……▲5▼この式▲4▼,▲5▼式を変形すると、v0=(P3・v3−P2・v2)/(P3−P2) ……▲6▼となり、P2,P3,v2,v3がそれぞれ既知なので、この式から見掛けの空気量v0(実容積)および空気量v0’(%)をそれぞれ求めることができる。【0041】なお、本発明の測定方法では、例えば、重量計22および圧力校正器24の出力信号をA/D変換器を介して、パソコンなどに入力すると、予め組まれたプログラムに従って、見掛けの空気量V0(複数の見掛けの空気量V0の平均値の演算も含む)を演算し、見掛けの空気量V0から空気量を自動的に求めることも可能である。【0042】また、図1(c)で説明したようにコンクリートCの単位容積重量を求めておくと、この単位容積重量と空気量および使用配合とから、コンクリートの水セメント比を求めることもできる。【0043】【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、本発明にかかるフレッシュコンクリートの空気量測定方法によれば、面倒な操作や作業を伴うことなく、測定精度を向上させることができる。【図面の簡単な説明】【図1】本発明にかかるフレッシュコンクリートの空気量測定方法の一実施例の測定手順を順に示す断面説明図である。【図2】図1の測定方法で使用する容器の断面説明図である。【図3】従来の空気量測定器の説明図である。【符号の説明】10 容器12 容器本体14 密閉蓋16 注水口18 接続口20 開閉弁22 重量計24 圧力校正器 容器本体と密閉蓋とを備えた容器を用いるフレッシュコンクリートの空気量測定方法において、前記容器本体内に測定対象コンクリートを収容して、前記密閉蓋で閉塞し、前記測定対象コンクリート上の空間部に一次注水して、全体重量W1を測定し、前記空間部に2次注水して、前記空間部の圧力値P2と全体重量W2とを測定し、式v0=P2・v2/(P2−P1)v2=(W2−W1)/ρTP1;大気圧,ρT;水のT℃における比重,v2;2次注水量から前記測定対象コンクリートの見掛けの空気量v0を求めることを特徴とするフレッシュコンクリートの空気量測定方法。 請求項1記載のフレッシュコンクリートの空気量測定方法において、前記2次注水の後に、3次注水して、前記空間部の圧力値P3と全体重量W3とを測定し、式v0=(P3・v3−P2・v2)/(P3−P2)v2,v3;1次注水量を含まない一次注水以降の加圧した水の積算量から前記測定対象コンクリートの見掛けの空気量v0を求めることを特徴とするフレッシュコンクリートの空気量測定方法。 前記測定対象コンクリートの容積値Vを測定し、前記空気量v0をこの容積値Vで除算することにより、前記空気量v0を容積%として求めることを特徴とする請求項1または2記載のフレッシュコンクリートの空気量測定方法。


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