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タイトル:特許公報(B2)_歯科用高温鋳造用石膏系埋没材
出願番号:1997081862
年次:2004
IPC分類:7,A61C13/20,A61K6/00


特許情報キャッシュ

福田 洋一 松本 篤志 坂 清子 山田 和広 位田 めぐみ JP 3602290 特許公報(B2) 20041001 1997081862 19970314 歯科用高温鋳造用石膏系埋没材 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 000004293 加茂 裕邦 100103159 福田 洋一 松本 篤志 坂 清子 山田 和広 位田 めぐみ 20041215 7 A61C13/20 A61K6/00 JP A61C13/20 A A61K6/00 C 7 A61C 13/00 A61K 6/00 特開昭63−141906(JP,A) 特開昭54−104694(JP,A) 特公昭53−19877(JP,B2) 特開平1−131045(JP,A) 3 1998248858 19980922 11 20001228 山口 直 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、歯科用高温鋳造用石膏系埋没材に関し、より具体的には主成分である耐熱材と結合材としての半水石膏を含み、該石膏の減水剤として特定の燃焼特性(温度特性)を有する減水剤を含んでなる優れた耐高温分解性を有し、高温鋳造性を改善した歯科用高温鋳造用石膏系埋没材に関する。【0002】【従来の技術】従来、合成樹脂や金属等の鋳造法には各種のものがあるが、その一種としてロストワックス法がある。この方法は精密さが要求される歯科用金属補綴物(クラウン、ブリッジ、インレー等)の作製にも適用されている。図1はその一例として人工歯冠を作製する場合を例としたロストワックス精密鋳造法の概略を示す図である〔技報堂出版(株)「セラミック工学ハンドブック」1989年、p.1586〕。図1(a)中、符号1は歯型であり、歯型1は例えば口腔内で採取した印象母型から採得された模型から印象材により作製される。この印象材の材料としては石膏系、金属系、樹脂系、セメント系などが用いられる。【0003】上記材料から作製された歯型1の面上にワックスを加熱軟化して注入することにより、ワックスからなる鋳造用パターン2が形成され、この鋳造用パターン2は埋没工程に移される。図1(b)はその埋没工程(埋め込み工程)を示すものである。鋳造用パターン2を容器内に図示のように懸架し、これに鋳型用材料(=埋没材)3が、好ましくはスラリーとして鋳造用パターン2が埋没するように流し込まれる。鋳型用材料すなわち埋没材3は、例えば石英、クリストバライトなどの耐熱材と石膏、リン酸塩、或いはシリカゲルなどの結合材によって構成される。【0004】埋没材3が固結した後、鋳造用パターン2を構成するワックスを溶融、或いは燃焼させて除去する工程に移される。図1(c)はそのワックス除去工程前の状態を示し、図1(d)はワックス除去工程終了時の状態を示す図である。図1(c)〜(d)中符号4は固結した埋没材3で形成された鋳型であり、図1(d)中符号5はワックスが除去されて形成された空洞部分(すなわち空洞型)を示している。次いで、該空洞型5内にNiーCr系、プレシャス系、或いはセミプレシャス系金属などの融液の鋳込みが行われる。【0005】図1(e)は該融液の鋳込み状態を示している。この鋳込み工程終了後、冷却され、埋没材(鋳型用材料)3を除去して(すなわち鋳造成形体を掘り出して)鋳造成形体を取り出し、加工研磨工程が行われる。図1(f)は加工研磨工程前の状態を示し、図1(g)はその工程終了後に得られた製品、すなわち本説明例の場合人工歯冠である。以上はいわゆる間接法と称される方式であるが、口腔内で採取した印象母型に直接埋没材を注入して埋没材模型を作り、その上にワックス模型を築造し、そのワックス模型を取り外すことなく、さらにその上に埋没材を注入してワックス模型を埋設して鋳型とする直接方式も知られている(特開昭50ー113417号公報)。【0006】上記のようなロストワックス法における鋳型用材料、すなわち埋没材3(=ワックス除去工程後、鋳型となる)としては、大別して結合材として石膏を用いる石膏系埋没材と、結合材としてリン酸塩を用いるリン酸塩系埋没材とがあり、表1に示すようにそれぞれ一長一短がある。【0007】【表 1】【0008】このうち石膏系の結合材を用いる石膏系埋没材の場合には、操作性(流動性)や堀出性がよく、残留応力による変形や経時変化がないなどの諸点では優れている。しかし耐熱性に劣り、特に鋳造温度が高い場合には石膏の熱分解によりガスが発生し、これが焼き付けや鋳巣の原因となり、目的とする鋳造体が脆化し、或いは汚染されるなど、どうしても越えられないマイナス面の特性をもつという問題があった。石膏は、例えば、その種類により異なるが温度800℃若しくは850℃程度から分解が起こり、特に減水剤等の存在によりその石膏系複合体に還元が生じることにより石膏の分解が促進されることが知られている。【0009】このため、例えばロストワックス法に適用し得る埋没材としては、金合金、銀合金などの比較的溶融点の低い合金(すなわち低溶合金)の場合には石膏系の埋没材が使用され、陶材焼付用の貴金属系合金(プレシャス系=PR系)や陶材焼付用のセミプレシャス系合金、或いはNiーCr合金などの比較的溶融点の高い合金(すなわち高溶合金)の場合には、リン酸塩系の結合材を用いるリン酸塩系埋没材が使用されている。【0010】上記のように高溶合金の鋳型材としてリン酸塩系埋没材が使用されている理由は、表1に示すように高温鋳造特性すなわち高温鋳造時にガス発生がなく、また高溶合金でみられる大きな鋳造収縮をリン酸塩系埋没材の凝結時の大きな膨張で補償することができるためである。しかし、このリン酸塩系埋没材は使用時に粘性の高いコロイドシリカ溶液を使用することから操作性に難があり、また凝結膨張が不均一であるので、残留応力によりワックスパターンが変形することや鋳型強度が大き過ぎることにより、掘り出し時に目的とする鋳造体を破損するなどの欠点を有している。【0011】一方、従来の石膏系埋没材の場合には、この埋没材で作製した鋳型は適当な強度を持っているので鋳造体を破損することなく掘り出すことができるが、高溶合金の溶湯が石膏と接触すると石膏が熱分解してガスが発生し、焼き付けや鋳巣の原因となるなど根本的に越えられない物性を持つという欠点がある。このため、この課題を克服する手法として特開昭50ー113417号公報や特開昭61ー20547号公報、或いは特公昭53ー19877号公報などこれまで各種工夫がなされている。【0012】しかし、これら技術における鋳造温度は何れも高々750℃以下であり(温度750℃まで触れたものは唯一特開昭50ー113417号公報の場合のみ)、また埋没材の構成成分としてクリストバライトや石英、或いは珪石などのSiO2 成分を使用したものであるため、これを例えばプレシャス合金のような高溶合金の鋳造用として適用する場合、鋳造金属とSiO2 系成分との反応、石膏成分の分解反応によるガスの発生等により、製品である鋳造物に肌荒れが生じるなどの問題がある。しかもこの場合、粒径50μm以上のSiO2 系成分を用いた場合には、その粗粒成分により鋳物の表面状態が著しく悪くなるだけでなく、鋳造体の寸法が小さくなり、適合性が不良となるという問題がある。【0013】さらに特開昭63ー141906号公報の埋没材組成物においては、耐火材としてアルミナ等を使用し、膨張剤として天然でんぷん及び周期律表第IV、V、VI族の遷移金属の炭化物、窒化物、硼化物、珪化物、硫化物の一種又は二種以上を添加することにより、膨張が緩やかで冷却時の収縮が小さくなり、合金の鋳造収縮の補償がさらに改善されたと説明されているが、しかしこの場合にも、半水石膏を結合材として使用すると、鋳造時に石膏の熱分解によりガスが発生し、これにより鋳物の鋳造不良が生じる等の問題がある点に変わりはない。【0014】このように、これら何れにしても、高温で適用される高融点金属の鋳造時において、石膏それ自体が備える良好な操作性に加え、石膏系埋没材に要求される鋳造性、表面粗さ、掘り出し性、鋳造金属の寸法適合性等をも満足した技術は開示されていない。この点、本発明者等は、石膏系埋没材に対してコバルト化合物、チタン化合物、タングステン化合物、ニッケル化合物、クロム化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物、セレン化合物、或いはスズ化合物を添加することにより、金属鋳造時に生じる石膏の分解を抑制し、鋳造不良を防止できる石膏系埋没材組成物を開発しており(特願平8ー29123号)、これにより鋳造体における寸法変化に関する適合性を満足させることができる。【0015】ところが、それを満足させるためにはそれら成分の添加量を多くする必要があるが、その添加量を多くすると鋳造体の表面が荒れてしまうという不都合も生じる。そこで、さらに本発明者等は、石膏系鋳造埋没材の耐熱材成分としてマグネシア/アルミナ系スピネルに着目し、これを耐熱材として用いることにより、石膏の分解を抑制するとともに表面状態を改善し、操作性や堀出性が良好で、変形や経時変化がないなどの石膏系埋没材本来の特性を保持しつつ、高温鋳造特性すなわち熱膨張の問題を無くし、耐高温分解性等を改善している(特願平8ー269359号)。【0016】ところで、鋳造時において、残存ワックス等の炭素の影響により、主として次式(1)から(2)の反応が起こり、式(3)の分解方式をとることが知られている。このため、特に温度1400℃以上で鋳造され、鋳物の埋没材中での高温保持時間が長い場合には、その石膏の熱分解を抑制することが不可能となり、石膏の熱分解によるガス発生により鋳造不良を引き起こした。【化 1】CaSO4 + 4C → CaS + 4CO ↑ (1)3CaSO4 + CaS → 4CaO + 4SO2↑ (2)4CaSO4 + 4C → 4CaO + 4CO↑ + 4SO2↑ (3)【0017】上記鋳造不良をなくする別の方法として、埋没材中の通気性(気孔率)を向上させ、ガス抜けを良好にする方法が考えられる。このため使用するフィラーの粒度を考慮したものとして特公昭52ー11921号公報や特開昭54ー104694号公報がある。このうち特公昭52ー11921号公報の歯科金属床鋳造用石膏埋没材では、珪石粉末50〜60%、超硬質半水石膏粉末40〜50%、可溶性塩化物粉末1〜2%よりなる粉体混合物に水を練和してスラリーとするが、該珪石粉末について、粒度分布として100〜200メッシュ10%以下、200〜325メッシュ15%以上325メッシュ篩を通過するもの75%以下なる粒度に粉砕したものが用いられる。【0018】また、特開昭54ー104694号公報においては上記三成分珪石粉末、超硬質半水石膏粉末及び可溶性塩化物粉末の量的割合の範囲について幾分異なるが、粒度分布として200〜325メッシュ25〜40重量%、325メッシュ篩を通過するもの60〜75重量%なる珪石粉末を使用し、超硬質半水石膏粉末についても珪石粉末と同じ粒度分布とするというものである。しかし、これらによっても高温鋳造性を改善するまでには至っていない。【0019】【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱材と結合材としての半水石膏を含む歯科用高温鋳造用石膏系埋没材において、これに加える該石膏の減水剤として600℃以下で燃え抜ける減水剤を使用することにより、高温鋳造性を改善してなる耐高温分解性に優れた歯科用高温鋳造用石膏系埋没材を提供することを目的とする。【0020】【課題を解決するための手段】本発明は、耐熱材と半水石膏を含む歯科用高温鋳造用石膏系埋没材において、石膏の減水剤として温度600℃で燃え抜ける減水剤を含有することを特徴とする歯科用高温鋳造用石膏系埋没材を提供するものである。【0021】【発明の実施の形態】上記耐熱材としては、特に限定はないが、好ましくはMgOーAl2O3スピネルやアルミナ等が用いられる。このうちMgOーAl2O3スピネル(マグネシア/アルミナ系スピネル)は、例えば700℃、800℃、或いは900℃以上というような高温における鋳造に際しても、鋳造製品に鋳造不良が生じない石膏系鋳造埋没材であり(特願平8ー269359号)、本発明における耐熱材としても特に好ましく用いられる。【0022】上記マグネシア/アルミナ系スピネルにより、例えば温度1350〜1400℃、或いはそれ以上というような高温鋳造に際しても焼き付けや鋳巣が生じず、目的とする鋳造体について鋳造不良のない(脆化や汚染されることのない)石膏系埋没材とすることができる。この耐熱材は歯科用に使用されるプレシャス(貴金属)系、セミプレシャス系、或いはNiーCr系などの高融点金属を鋳造するに際して高温鋳造特性に優れ、鋳込み不良を防止し、鋳物の表面の円滑性等の特性を確保することができる。またMgOーAl2O3スピネルは、それ自体石膏埋没材用耐熱材として優れた特性を有し、金属化合物等を添加することなしに石膏の分解を抑制することができ、このため添加成分の量を減らすことができる。【0023】MgOーAl2O3スピネルの粒度については、面粗度(面粗度を損なわない)の観点から粒径が20μm(ミクロンメートル)以下であるのがよく、また平均気孔率増加(鋳造性の安定性)の観点から、その平均粒子径が8μm以上であるのがよい。その粒径が20μm程度を超えると鋳造面に荒れが生じ、例えば粒径30μmのものを使用すると、そのスピネルフィラーの粗粒性により鋳造面の表面性状(バリ発生、表面粗さ)に欠陥が生じる。なお粒径20μm以下とは、面粗度を損なわない範囲でそれより大きい粒径のものが幾分含まれていても差し支えなく、本明細書中粒径20μm以下とはその許容範囲を含めた意味である。【0024】本発明は、上記のような耐熱材とともに、結合材として半水石膏を使用する。そしてこれらを含む歯科用石膏系鋳造埋没材において、石膏の減水剤として温度600℃で燃え抜ける減水剤を含有することを特徴とするものである。なお、本発明の歯科用石膏系鋳造埋没材において、耐熱材、結合材としての石膏及び減水剤のほか、適宜の補助成分を含有する場合を含むことはもちろんである。【0025】減水剤は石膏系鋳造埋没材において混水量を少なくするために加えられるが、本発明における減水剤は、このような減水剤それ自体としての役目を果たすとともに、温度600℃を下回る温度で燃えて該鋳造埋没材から抜出る性質を有する物質である。その例としては好ましくは有機高分子物質が挙げられるが、その燃焼特性を有するものであれば、合成によるものとは限らず天然のものであってもよい。【0026】表2にその幾つかの例を示すが、これらとは限らず、減水剤それ自体としての役目を果たし、温度600℃を下回る温度で燃えて該鋳造埋没材から抜出る物質であれば使用される。本発明では、これによって高温鋳造性を改善し、耐高温分解性に優れた歯科用高温鋳造用石膏系埋没材が現実に得られる。その効果の理由としては、埋没材に高溶合金の鋳造溶湯を流し込むときに、減水剤が温度600℃を下回る温度で燃えて該鋳造埋没材から抜出ることにより多数の細孔を生じ、これが前記式(1)〜(3)に示す反応により発生するガスの抜け道となること及びその燃え抜けにより埋没体(鋳造埋没材)中にカーボンが残らないため、石膏の分解温度を下げる還元雰囲気となることが避けられることによるものと推認されるが、さらに詳細な理由は現時点では不明である。【0027】【表 2】【0028】【実施例】以下、実施例に基づき本発明をさらに詳しく説明するが、本発明がこれら実施例により制限されないことはもちろんである。本実施例においては、耐熱材としてアルミナ(実施例1)又はMgOーAl2O3スピネル(実施例2〜7、比較例1〜4)を用い、結合材としてα石膏を用いた組成物を使用して鋳造金属を作製し、それらについての試験結果を記載している。【0029】《実施例1〜7、比較例1〜4》表3に示すとおり、耐熱材として所定粒径のアルミナ及び各種粒径のスピネル(MgOーAl2O3スピネル)とα石膏を成分とする組成物を調合した。なお、減水剤の添加量は耐熱材とα石膏との合計量100重量部に対するものである。次いで、これらの各調合物を用いて図1中(b)〜(e)に示すような工程で高融点金属を鋳造した場合について、鋳造性、表面形状を試験した。表3はこれら試験の結果である。【0030】表3中「鋳造性」及び「表面形状」の欄中におけるNiーCr系とは、鋳造金属として市販の陶材焼付用NiーCr系の合金(NiーCr系の合金の溶融温度は通常1315〜1343℃程度であり、この範囲を下回るものや上回るものもあるが、本例ではNi:80wt%、Cr:15wt%、残余Mo等で、溶融温度=1330℃のもの)を用いた場合であり、PR系とは鋳造金属として市販のAuーPd系の貴金属合金(例えば陶材焼付用としては各種のものがあり、通常Auが80wt%以上で、溶融温度は1170〜1275℃程度の範囲であり、この範囲を下回るものや上回るものもあるが、本例ではAu:82wt%、残余Pd等の組成で、溶融温度=1245℃のもの)を用いた場合である。なお、表3の粒子径(μm)の欄中「−20」、「−30」とはそれぞれ篩下の意味である(−はアンダーの意味)。【0031】表3における各項目の評価基準は以下のとおりである。まず「鋳造性」については、再現性の良否及び石膏の熱分解に起因する鋳巣(巣、穴)発生の有無を観察したもので、再現性がよく、巣、穴等の鋳造欠陥が全くない場合を◎印、◎印のものに比べれば再現性にやや欠ける場合を○印、巣、穴等の鋳造不良が多い場合を△印、巣、穴等の鋳造不良が生じる場合を×印とした。【0032】次に、製品の表面形状中の「バリ発生」については、再現性が良く、バリの発生がない場合を◎印、バリの発生がある場合を△印、バリが数多く発生する場合を×印とし、製品の表面形状中「表面粗さ」については、面荒れがなく、表面が滑らかな場合を◎印、表面の滑らかさが◎印のもの程ではないが、これに準じるものを○印、部分的に面荒れがある場合を△印、面荒れが全面にある場合を×印とした。【0033】まず、実施例1〜8は減水剤として燃え抜け温度が600℃以下のものを用いた場合であるが、何れも鋳造性に優れた製品が得られている。これに対して、比較例1は減水剤として燃え抜け温度が800℃の▲5▼アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物を用いた場合、比較例2は減水剤として燃え抜け温度が800℃の▲6▼縮合ナフタレンスルホン酸のナトリウム塩を用いた場合、比較例3では減水剤として燃え抜け温度が700℃の▲7▼βーナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物ナトリウム塩を用いた場合であるが、これらの場合には、NiーCr系で鋳造性×印、すなわち巣、穴等の鋳造不良が生じてしまい、PR系でも鋳造性△印、すなわち多くの巣、穴等の鋳造不良が見られた。【0034】次に、製品の表面形状については、NiーCr系及びPR系ともに、実施例1〜7の何れの場合も「バリ発生」については再現性が良くバリの発生がなく(◎印)、「表面粗さ」については面荒れがなく表面が滑らかであった(◎印)。これらの点は比較例1〜3でも同様であるが、上記のとおりこれら比較例1〜3では鋳造性の点で劣り充分ではない。また、実施例8は耐熱材であるスピネルの粒子径を−30μm以下としたが、燃え抜け温度540℃の減水剤を用いた例である。この場合には、バリは認められるが、数多くはなく(△印)、「表面粗さ」についても部分的に面荒れはあるが(△印)、鋳造性に関しては再現性がよく、巣、穴等の鋳造欠陥は全くなかった(◎印)。このように、実施例8では鋳造性について格段に改善されており、これは減水剤として燃え抜け温度が600℃以下のものを用いたことによる効果である。【0035】【表 3】【0036】また、表4は実施例2、実施例6及び実施例7における試験終了後における埋没材について気孔径の分布、平均気孔率及び気孔率を測定したものである。表4から明らかなとおり、例えば気孔率については、実施例2では53.55%、実施例6では54.33%、実施例7では51.33%というように高い気効率が得られており、また気孔径分布についてもミクロン単位の気孔径が程よく分布していることが分かる。これは温度600℃以下で燃え抜ける減水剤の作用によるものであるが、本発明によれば、このようにして高温鋳造性に優れ、バリ発生がなく、表面が滑らかな製品が再現性よく得られる。【0037】【表 4】【0038】【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、歯科用高温鋳造用石膏系埋没材において、耐熱材と結合材としての半水石膏を含み、該石膏の減水剤として温度600℃以下で燃え抜ける減水剤を使用することにより、この石膏系埋没材を用いた鋳造時の高温鋳造性を格段に改善でき、バリ発生や面荒れがない優れた鋳造製品が得られる。【図面の簡単な説明】【図1】人工歯冠を作製する場合を例としたロストワックス精密鋳造法の概略を示す図。【符号の説明】1 型(例:歯型)2 鋳造用パターン3 鋳型用材料4 除去工程前のワックス型5 ワックスが除去されて形成された空洞部分 耐熱材と半水石膏を含む歯科用高温鋳造用石膏系埋没材において、石膏の減水剤として温度600℃で燃え抜ける減水剤を含有することを特徴とする歯科用高温鋳造用石膏系埋没材。 上記耐熱材がMgOーAl2O3スピネル粉末である請求項1記載の歯科用高温鋳造用石膏系埋没材。 上記MgOーAl2O3スピネル粉末の粒径が20μm以下で且つ平均粒子径が8μm以上の粉末である請求項2記載の歯科用高温鋳造用石膏系埋没材。


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