生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ポリヨードアレーン誘導体の製造方法
出願番号:1997039551
年次:2009
IPC分類:C07C 25/02,C07C 17/12


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割石 幸司 JP 4221066 特許公報(B2) 20081121 1997039551 19970224 ポリヨードアレーン誘導体の製造方法 富士フイルム株式会社 306037311 高松 猛 100115107 矢澤 清純 100132986 割石 幸司 20090212 C07C 25/02 20060101AFI20090122BHJP C07C 17/12 20060101ALI20090122BHJP JPC07C25/02C07C17/12 C07C 25/02 C07C 17/12 特開平04−221328(JP,A) J.Med.Chem.,1984,Vol.27,No.8,P1071−1077 1 1998236991 19980908 6 20030725 山田 泰之 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、有機電導体分野で用いられる電子受容体であるテトラシアノキノジメタン(TCNQ)誘導体中間体として重要な素材であるジヨードベンゼン誘導体を高収率で製造する方法に関する。【0002】【従来の技術】近年、電荷移動錯体を用いた有機電導体の研究開発が活発に行われている。特に、電子受容体として、テトラシアノキノジメタン(TCNQ)およびこれらの誘導体が用いられている。これらTCNQ誘導体の合成は、Tetrahedron Lett.,26,1553(1985)に記載されてあるように中間体としてジヨードベンゼン誘導体を経由して合成される。ジヨードベンゼン誘導体は、対応するジブロモ体をヨウ素化して得られるが、より工程の簡略化が可能なベンゼン誘導体の直接的ジヨード化による方法も知られている。ヨウ素化剤として容易に入手でき簡便な操作が可能な一塩化ヨウ素を用いた例が、J.Med.Chem.,27,1071(1985)、あるいはJ.Chem.Soc.,713(1953)に記載されている。しかし、これらの酢酸中における一塩化ヨウ素を用いた方法は、収率が20〜36%と低くTCNQ誘導体の合成条件として慣用するための工業的製造方法としては経済性の面で問題を含んでいるのが現状である。【0003】【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来の方法における製造の経済性に関する上記の問題点を排除し、簡便にして高収率なポリヨードアレーン誘導体の製造方法を提供することにある。【0004】【課題を解決するための手段】 上記目的は、下記の(1)によって達成された。(1)1,4−置換ベンゼンを、一塩化ヨウ素とアルコール中で反応させることを特徴とする下記一般式(1)で表されるジヨードベンゼンの製造方法。【0005】【化2】【0006】 式中、R1 、R2 は、アルコキシ基を表す。【0007】【発明の実施の形態】以下に本発明の詳細を説明する。本発明の要点は、アルコール中におけるアレーン化合物の一塩化ヨウ素によるポリヨード化反応である。アルコールとしては、置換または無置換の飽和アルキルアルコールが好ましく、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキシルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。より好ましくは、無置換の飽和アルキルアルコールであり、さらに好ましくは、メタノール、エタノール、イソプロパノールである。アルコールの使用量は、一塩化ヨウ素に対して50〜1000重量%が好ましい。これらアルコールは単独で用いてもよく、また2種以上のアルコールを混合させて用いてもよい。さらに、アルコール以外の他の溶媒と混合させて用いてもよい。例えば、水、酢酸等のカルボン酸系溶媒、酢酸エチルなどのエステル系溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン系溶媒、アセトニトリルなどのニトリル系溶媒、DMFなどのアミド系溶媒、THFなどのエーテル系溶媒、ヘキサンなどの炭化水素系溶媒、等が挙げられる。これらの溶媒に対するアルコールの含有量は、10容量%以上が好ましく、さらに好ましくは、50容量%以上であり、特に好ましくは80%以上である。【0008】使用されるアレーン化合物としては例えば、ベンゼン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、アズレン誘導体、アセナフチレン誘導体、フェナントレン誘導体、トリフェニレン誘導体、クリセン誘導体、ナフタセン誘導体、プレイアデン誘導体、ピセン誘導体、ペンタフェン誘導体、ペンタセン誘導体等が挙げられる。【0009】アレーン化合物は置換基を有していることが好ましい。置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、シクロヘキシル、メトキシエチル、エトキシカルボニルエチル、シアノエチル、ジエチルアミノエチル、ヒドロキシエチル、クロロエチル、アセトキシエチル等)、アラルキル基(例えば、ベンジル、カルボキシベンジル等)、アルケニル基(例、ビニル等)、アルキニル基(例、エチニル等)、アリール基(例えば、フェニル、4−メチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3、5−ジカルボキシフェニル等)、アシル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブタノイル、クロロアセチル等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル等)、スルフィニル基(例えば、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル、オクタンスルフィニル等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル、4−メチルフェノキシカルボニル、4−メトキシフェニルカルボニル等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、n−ブトキシ、メトキシエトキシ等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ、4−メトキシフェノキシなど)、アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(例、フェニルチオ等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、ベンゾイルオキシ、クロロアセチルオキシなど)、スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ等)、カルバモイルオキシ基(例えば、メチルカルバモイルオキシ、ジエチルカルバモイルオキシ等)、アミノ基(例えば、無置換のアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アニリノ、メトキシフェニルアミノ、クロロフェニルアミノ、モリホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ、ピリジルアミノ、メトキシカルボニルアミノ、n−ブトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、メチルカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、エチルチオカルバモイルアミノ、メチルスルファモイルアミノ、フェニルスルファモイルアミノ、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、エチルチオカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、クロロアセチルアミノ、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ等)、カルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、t−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、モルホリノカルバモイル、ピロリジノカルバモイル等)、スルファモイル基(例えば、無置換のスルファモイル、メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素等)、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基等が挙げられる。好ましくは、ハメット則のσp値が0を越えない置換基である。【0010】ハメット則のσp 値(例えば、Chem.Rev.,91.165(1991)に記載されている)が0を越えない置換基としては、例えば、メチル(−0.17)、エチル(−0.15)、プロピル(−0.13)等のアルキル基、メトキシ(−0.27)、エトキシ(−0.24)、ブトキシ(−0.32)等のアルコキシ基、水酸基(−0.37)、メチルチオ(0.00)等のチオアルキル基、ジメチルアミノ(−0.83)、アシルアミノ(0.00)、エトキシカルボニルアミノ(−0.15)等のアミノ基、等が挙げられる。好ましくは、アルコキシ基である。【0011】置換基が2個以上ある場合、それぞれの置換基に対するハメット則のσp 値の総和が0を越えない置換基の組み合わせが好ましい。さらに好ましくは、ハメット則のσp 値が0を越えない置換基同志の組み合わせである。特に好ましくは、アルコキシ基同志の組み合わせである。【0012】好ましいアレーン化合物としては、ベンゼン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体であり、特に好ましくは、ベンゼン誘導体である。【0013】ベンゼン誘導体が2つの置換基を有する場合、互いにパラの位置に置換されていることが好ましい。【0014】一塩化ヨウ素の使用量は、アレーン化合物に対して2〜8倍モルが好ましい。より好ましくは3〜5倍モルである。また、本合成における反応は室温(例えば20℃)でも進行するが、より高温、例えば例示のアルコール溶媒の沸点の方が迅速に進行する。【0015】溶媒に対するアレーン化合物および一塩化ヨウ素の添加順序に特に限定はない。すなわち、一塩化ヨウ素をあらかじめ溶媒であるアルコールに溶解した後にアレーン化合物を添加してもよいし、溶媒にアレーン化合物を添加後に一塩化ヨウ素を加えてもよい。添加時の温度に関しても反応液の沸点以下ならば特に限定はない。【0016】【実施例】以下、本発明をさらに詳しく説明するために実施例を示すが、これは本発明を限定するものではない。実施例11,4−ジメトキシ−2,5−ジヨードベンゼン(化合物No.1)の合成メタノール300mlに一塩化ヨウ素175gを溶解し、この溶液に1,4−ジメトキシベンゼン35gを添加し、加熱還流で4時間反応させた。反応後、室温まで冷却して生成した結晶を濾過、メタノール300mlで洗浄し、化合物No.1を84g(収率85%)得た。融点は171−172℃であった。【0017】実施例21,4−ジブトキシ−2,5−ジヨードベンゼン(化合物No.2)の合成実施例1において1,4−ジメトキシベンゼン35gの代わりに1,4−ジブトキシベンゼン55gを用いたほかは実施例1と同様操作にて化合物No.2を98g(収率82%)得た。融点は83−85℃であった。【0018】実施例3化合物No.1の合成イソプロパノール300mlに1,4−ジメトキシベンゼン35gを溶解し、この溶液に一塩化ヨウ素175gを添加し、70℃で4時間反応させた。反応後、室温まで冷却して生成した結晶を濾過、イソプロパノール300mlで洗浄し、化合物No.1を80g(収率82%)得た。融点は171−172℃であった。【0019】比較例1化合物No.1の合成酢酸10mlに一塩化ヨウ素7.5gを溶解し、この溶液に1,4−ジメトキシベンゼン1.6gを添加し、70℃で4時間反応させた。反応後、室温まで冷却して生成した結晶を濾過、メタノール10mlで洗浄し、化合物No.1を1.4g(収率31%)得た。融点は171−172℃であった。【0020】上記に示すように、本発明の実施例1から3では、ジヨードベンゼン誘導体を高収率で得られるのに対し、従来の溶媒としてアルコールを用いない比較例1では、収率が低くなってしまった。【0021】【発明の効果】本発明により、有機電導体に用いられる代表的電子受容体であるTCNQ誘導体中間体として重要なジヨードベンゼン誘導体を、簡便な操作でかつ収率よく安定に供給することが可能となった。 1,4−置換ベンゼンを、一塩化ヨウ素とアルコール中で反応させることを特徴とする下記一般式(1)で表されるジヨードベンゼンの製造方法。 式中、R1、R2は、アルコキシ基を表す。


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