タイトル: | 特許公報(B2)_水素添加用触媒の再生方法 |
出願番号: | 1997004879 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | B01J 23/96,B01J 23/44,B01J 38/06,B01J 38/12,C07B 35/02,C07B 61/00,C07C 5/03 |
白木 安司 涌井 顕一 河野 伸一 高橋 春美 JP 3949204 特許公報(B2) 20070427 1997004879 19970114 水素添加用触媒の再生方法 出光興産株式会社 000183646 大谷 保 100078732 白木 安司 涌井 顕一 河野 伸一 高橋 春美 20070725 B01J 23/96 20060101AFI20070705BHJP B01J 23/44 20060101ALI20070705BHJP B01J 38/06 20060101ALI20070705BHJP B01J 38/12 20060101ALI20070705BHJP C07B 35/02 20060101ALI20070705BHJP C07B 61/00 20060101ALI20070705BHJP C07C 5/03 20060101ALI20070705BHJP JPB01J23/96 MB01J23/44 MB01J38/06B01J38/12 CC07B35/02C07B61/00 300C07C5/03 B01J 21/00-38/34 米国特許第03684740(US,A) 3 1998192711 19980728 9 20031218 繁田 えい子 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は水素添加用触媒の再生方法に関し、さらに詳しくは、活性が劣化したパラジウム系水素添加用触媒における塩素やコークなどの被毒物質を除去するとともに、パラジウム金属の粒子径を小さくして金属分散度を向上させることにより、該パラジウム系水素添加用触媒をほぼ完全に再活性化させる方法に関するものである。【0002】【従来の技術】近年、パラジウム系水素添加用触媒は、石油精製工業,石油化学工業,一般化学工業などの分野において、様々な水素添加反応の触媒として多用されている。例えば原油,ナフサ留分を除いた原油,直留ナフサ,灯油,軽油,減圧留出油,常圧残渣油,減圧残渣油,エチレンプラントの熱分解装置で副生する熱分解ガソリン,コーカーやビスブレーカーなどにより熱処理を受けた炭化水素油,接触分解装置で生成したナフサ留分やリサイクル油、さらにはシェールオイル,タールサンド油,石炭からの合成油などの炭化水素油の水素添加反応や改質反応に、あるいは各種不飽和炭化水素の水素添加反応、パラフィン系炭化水素の水素化分解反応などに触媒として用いられている。【0003】しかしながら、このような水素添加反応に用いられるパラジウム系水素添加用触媒は、長期間の反応により、次第に触媒活性が低下していくことが知られている。この触媒活性の低下は、パラジウム金属上への不純物の蓄積やコークの生成、さらにはパラジウム金属の粒子径が大きくなること、即ち金属分散度が低下することなどに起因するといわれている。そして、使用することによって一度大きくなったパラジウム金属の粒子径は、通常の再生処理では元に戻すことができないため、永久劣化ともいわれ、この場合は、やむなくパラジウムを回収し、再賦活させているのが実状である。活性が劣化したパラジウム系水素添加用触媒の再生については、これまで種々の方法が提案されている。例えば石油留分中に含まれる砒素により被毒された白金又はパラジウム触媒を、常温〜250℃の温度で酸素を含むガスにより酸化処理することにより再活性化させる方法が提案されている(特公昭60−57897号公報)。しかしながら、この方法においては、砒素化合物の除去は可能であっても、白金やパラジウムの金属分散度を向上させることはできないという問題がある。また、塩素と空気の混合ガスに、さらに乾燥塩化水素を混合したガスを用いて、300〜350℃の温度で白金,パラジウム触媒を再活性化させる方法が提案されている(東ドイツ特許第120589号明細書)。しかしながら、この方法は、白金やパラジウムの触媒毒となりやすい塩素を用いている上、白金やパラジウムの金属分散度を向上させる方法ではないので、本質的な触媒の再活性化法とはいえない。【0004】【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような状況下で、活性が劣化したパラジウム系水素添加用触媒の被毒物質を除去するとともに、パラジウム金属の粒子径を小さくする、すなわち金属分散度を向上させて、該パラジウム系水素添加用触媒をほぼ完全に再活性化させる方法を提供することを目的とするものである。【0005】【課題を解決するための手段】本発明者らは、活性が劣化したパラジウム系水素添加用触媒の再活性化法について鋭意研究を重ねた結果、活性が劣化したパラジウム系水素添加用触媒として、少なくとも塩素を付着又は吸着してなる活性の劣化したパラジウム系水素添加用触媒を用い、このものをスチーミング処理したのち、特定の温度にて酸素含有気体により接触処理することによって、被毒物質の塩素及びコークなどが効果的に除去されるとともに、意外にもパラジウム金属の分散度が向上し、ほぼ完全に再活性化しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。【0006】 すなわち、本発明は、(1)少なくとも50重量ppmの塩素を付着又は吸着してなる活性の劣化したパラジウム系水素添加用触媒を150〜350℃の範囲の温度においてスチーミング処理し、次いで酸素含有気体により、100〜500℃の範囲の温度において接触処理することを特徴とする水素添加用触媒の再生方法、(2)イソブチレン重合物の水素添加反応に用いられる触媒であって、少なくとも50重量ppmの塩素を付着又は吸着してなる活性の劣化したパラジウム系水素添加用触媒を、150〜250℃の範囲の温度においてスチーミング処理し、次いで酸素含有気体により、100〜500℃の範囲の温度において接触処理することを特徴とする水素添加用触媒の再生方法、及び(3)プロピレン中のメチルアセチレン及び/又はプロパジエンの選択的水素添加反応に用いられる触媒であって、少なくとも50重量ppmの塩素を付着又は吸着してなる活性の劣化したパラジウム系水素添加用触媒を、200〜350℃の範囲の温度においてスチーミング処理し、次いで、酸素含有気体により、100〜500℃の範囲の温度において接触処理することを特徴とする水素添加用触媒の再生方法を提供するものである。【0007】【発明の実施の形態】 本発明の方法が適用される活性が劣化したパラジウム系水素添加用触媒としては、少なくとも50重量ppmの塩素を付着又は吸着したものであればよく、その由来については特に制限されず、石油精製工業,石油化学工業及び一般化学工業などの分野において、水素添加反応に触媒として使用されたものの中から任意に選択して用いることができる。このようなものとしては、例えば原油,ナフサ留分を除いた原油,直留ナフサ,灯油,軽油,減圧留出油,常圧残渣油,減圧残渣油,エチレンプラントの熱分解装置で副生する熱分解ガソリン,コーカーやビスブレーカーなどにより熱処理を受けた炭化水素油,接触分解装置で生成したナフサ留分やリサイクル油、さらにはシェールオイル,タールサンド油,石炭からの合成油などの炭化水素油の水素化反応や改質反応などに使用されたもの、あるいはプロピレン,ブチレンなどの低級オレフィンを酸触媒などを用いて2〜4量体程度に重合して得られたオリゴマーを、水素添加してイソパラフィン系ガソリンを製造する際の水素添加反応に使用されたもの、プロピレン中に存在するメチルアセチレンやプロパジエンの選択的水素添加反応に使用されたものなどであって、少なくとも50重量ppmの塩素を付着又は吸着した触媒を挙げることができる。【0008】また、パラジウム系水素添加用触媒の種類については特に制限はなく、従来前記反応などに触媒として慣用されているものが挙げられる。このパラジウム系水素添加用触媒としては、パラジウム単体でもよいが、通常は適当な担体にパラジウムを担持したものが用いられる。またパラジウムの他に第2金属としてAg,Pb,Cu,Au,Sn,Zn,Cdなどを担持したものであってもよい。ここで、パラジウムの担体としては、特に制限はなく、触媒の用途などに応じて適宜選定される。この担体としては、例えばシリカ,アルミナ,シリカアルミナ,チタニア,マグネシア,ジルコニア,結晶性アルミノシリケート(ゼオライト)などが挙げられる。上記ゼオライトとしては、合成ゼオライト,天然ゼオライトのいずれであってもよく、またX型,Y型,L型,モルデナイト型,ZSM−5型など、任意のものであってもよい。さらに、パラジウムの担持量としては特に制限はないが、通常はパラジウム金属として、触媒全量に対し、0.01〜10重量%程度である。【0009】 本発明においては、活性が劣化したパラジウム系水素添加用触媒として、少なくとも50重量ppmの塩素が付着又は吸着したものを用いることが必要である。パラジウム系水素添加用触媒に塩素が含まれていることにより、次に示す触媒の再活性化処理において、パラジウム金属の粒子径を小さくする(金属分散度の向上)効果が発揮される。この塩素の付着又は吸着量としては0.005重量%以上、好ましくは0.005〜5重量%の範囲である。この量が0.005重量%未満ではパラジウム金属の分散度向上効果が充分に発揮されないおそれがあり、また5重量%を超えるものは触媒活性の低下が著しく、通常は水素添加反応に触媒として使用されることはないので、存在しにくい。【0010】本発明の方法においては、このように少なくとも塩素が付着又は吸着してなる活性の劣化したパラジウム系水素添加用触媒に対し、まずスチーミング処理を施す。このスチーミング処理の条件については特に制限はなく、活性が劣化した触媒の由来や種類、劣化度などに応じて、適宜選定されるが、通常は150〜350℃の範囲の温度においてスチーミング処理される。この温度が150℃未満では触媒が再活性化されにくく、長時間を要し、実用的でない。また350℃を超えると温度の割には再活性化速度の向上はあまりみられず、むしろ経済的に不利となり、場合によっては触媒の形状が破壊されるおそれが生じる。さらに、スチーミング処理の際のスチーム量、即ちLHSV(液時空間速度;単位時間あたりのスチーム流通量/処理すべき触媒量)は、状況に応じて適宜選定すればよいが、通常は0.5〜5hr-1の範囲である。スチーミング処理の圧力については特に制限はないが、通常は大気圧下にて処理が行われる。また、処理時間は、活性が劣化した触媒の由来や種類,劣化度,処理温度,LHSVなどの様々な条件により左右され一概に定めることはできないが、通常は1〜50時間程度で十分である。【0011】本発明においては、活性の劣化したパラジウム系水素添加用触媒が、特にイソブチレンの重合物、例えば塩化アルミニウムなどの酸触媒の存在下に、イソブチレンを重合して得られたものを水素添加して炭化水素混合物を製造するのに用いた触媒である場合、150〜250℃の範囲の温度において、また、プロピレン中のメチルアセチレン及び/又はプロパジエンの選択的水素添加反応に用いた触媒である場合、200〜350℃の範囲の温度においてスチーミング処理するのが、触媒の再活性化効率及び経済性などの面から有利である。なお、その他のスチーミング処理条件については、前記と同じである。【0012】次に、このようにしてスチーミング処理された触媒は、さらに酸素含有気体により接触処理される。ここで、酸素含有気体としては、酸素ガス単独であってもよく、また酸素ガスと不活性ガス、例えば窒素,アルゴン,ヘリウムなどのガスとの混合物であってもよいが、デコーキング性及び経済性などの点から、特に空気が好適である。この酸素含有気体による接触処理温度は、100〜500℃の範囲で選ばれる。この温度が100℃未満では触媒が再活性化されにくく、実用的でない。また、500℃を超えると温度の割には再活性化速度の向上はあまり得られず、むしろ経済的に不利となり、場合によっては触媒の形状が破壊されるおそれが生じる。【0013】さらに、上記接触処理の際の酸素含有気体量、つまりGHSV(ガス時空間速度;単位時間あたりの酸素含有気体の流通量/処理すべき触媒量)は、状況に応じて適宜選定すればよいが、通常は100〜2000hr-1の範囲である。この接触処理の圧力については特に制限はないが、通常は大気圧下にて処理が行われる。また、処理時間は、活性が劣化した触媒の由来や種類,劣化度,処理温度,LHSVなどの様々な条件により左右され一概に定めることはできないが、通常は1〜100時間程度で十分である。本発明においては、活性の劣化したパラジウム系水素添加用触媒が、特にイソブチレンの重合物、例えば塩化アルミニウムなどの酸触媒の存在下にイソブチレンを重合して得られたものを水素添加して炭化水素混合物を製造するのに用いた触媒である場合、100〜500℃の範囲の温度において、また、プロピレン中のメチルアセチレン及び/又はプロパジエンの選択的水素添加反応に用いた触媒である場合、100〜500℃の範囲の温度において、酸素含有気体により接触処理するのが、触媒の再活性化効率及び経済性などの面から有利である。なお、その他の接触処理条件については、前記と同じである。【0014】 このようにして、少なくとも50重量ppmの塩素が付着又は吸着してなる活性が劣化したパラジウム系水素添加用触媒を再生処理することにより、塩素及びコークなどの被毒物質が除去されるとともに、パラジウム金属の分散度が向上してなるほぼ完全に再活性化されたパラジウム系水素添加用触媒が得られる。【0015】【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、触媒の再生は下記の方法に従い実施した。<触媒の再生方法>外径1インチのステンレス鋼製反応管に、使用済み触媒10ccを充填し、窒素下で所定温度まで昇温し、所望温度に達したら、水をポンプで加熱器に供給する。供給された水は所定の温度に加熱され、水蒸気となってステンレス鋼製反応管に導入される。所定時間後、水の供給を止め、空気に切替えて、空気を所定温度まで昇温させ、所定温度にて所定時間接触処理(空気酸化処理)することにより、使用済み触媒を再生する。【0016】実施例1パラジウム担持γ−アルミナ触媒(パラジウム担持量:0.5重量%)の使用済み触媒(イソブチレン反応に使用、コーク量:0.63重量%、付着塩素量:1.20重量%、金属分散度:0.27)10ccをステンレス鋼製反応管に充填し、温度:200℃、水の供給量:35cc/hrの条件で16時間スチーミング処理したのち、温度:300℃、空気流量:6リットル/hrの条件で24時間空気による接触処理を行い、使用済み触媒の再生処理を行った。再生触媒の物性を第1表に示す。なお、金属分散度は、次に示す方法に従い求めた値である(以下、同様)。金属分散度の求め方:触媒を3〜5gをガラス管に充填し、乾燥ヘリウム200cc/minの流量で150℃にて、8時間加熱し、触媒上の水分を除去した。その後、H2 下で200cc/minの流量で8時間予備還元した。予備還元した触媒に1回0.65ccのCOをパルス的にCO吸着がなくなるまで注入した。金属分散度は(吸着したCOのモル数/触媒のPd原子モル)で求めた。【0017】比較例1実施例1において、空気による接触処理温度を300℃から80℃に変更した以外は、実施例1と同様にして使用済み触媒の再生処理を行った。再生触媒の物性を第1表に示す。【0018】比較例2実施例1において、スチーミング処理を行わずに、かつ空気による接触処理条件を、温度:200℃,時間:48時間に変更した以外は、実施例1と同様にして使用済み触媒の再生処理を行った。再生触媒の物性を第1表に示す。【0019】比較例3実施例1において、使用済み触媒として、パラジウム担持γ−アルミナ触媒(パラジウム担持量:0.5重量%)の使用済み触媒(コーク量:0.50重量%、付着塩素量:なし、金属分散度:0.25)を用いた以外は、実施例1と同様にして使用済み触媒の再生処理を行った。再生触媒の物性を第1表に示す。【0020】【表1】【0021】〔注〕使用済み触媒A:付着塩素量1.20重量%、コーク量0.63重量%、金属分散度0.27使用済み触媒B:付着塩素量:なし、コーク量重量0.50%、金属分散度0.25【0022】実施例2プロピレン中のメチルアセチレン及びプロパジエンの選択的水素添加における使用済み触媒を用いた。パラジウム担持γ−アルミナ触媒(パラジウム担持量:0.1重量%)の使用済み触媒(コーク量:1.05重量%,付着塩素量:2700重量ppm,金属分散度:0.015)10ccをステンレス鋼製反応管に充填し、温度:300℃、水の供給量:35cc/hrの条件で10時間スチーミング処理を行ったのち、温度:400℃、空気量:2リットル/hrの条件で8時間空気による接触処理を行い、使用済み触媒の再生処理を行った。再生触媒の物性を第2表に示す。次に、この再生触媒10ccを、内径10mm,外径12mmのステンレス鋼製反応管に充填し、これにメチルアセチレン1.73重量%及びプロパジエン1.54重量%を含有するプロピレンと水素とを、水素/(メチルアセチレン+プロパジエン)モル比が1.5になるように仕込み、圧力:20kg/cm2 G、温度:40℃,LHSV:25hr-1の条件で、メチルアセチレン及びプロパジエンの選択的水素添加反応を行った。反応結果を第2表に示す。【0023】比較例4実施例2において、使用済み触媒の再生処理を行わずに、そのまま触媒として用い、実施例2と同様にしてメチルアセチレン及びプロパジエンの選択的水素添加反応を行った。使用済み触媒の物性及び反応結果を第2表に示す。【0024】比較例5実施例2における触媒の再生処理において、使用済み触媒のスチーミング処理を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にして実施した。再生触媒の物性及び反応結果を第2表に示す。【0025】比較例6実施例2における触媒の再生処理において、空気による接触処理を行わなかったこと以外は、実施例2と同様にして実施した。再生触媒の物性及び反応結果を第2表に示す。【0026】【表2】【0027】〔注〕比較例4は、触媒の再生処理を行わずに、使用済み触媒をそのまま反応に用いたので、触媒物性データは、使用済み触媒のデータである。【0028】実施例3塩化アルミニウム触媒の存在下にイソブチレンを重合して得られたイソブチレン重合物の水素添加反応における使用済み触媒を用いた。パラジウム担持γ−アルミナ触媒(パラジウム担持量:0.5重量%)の使用済み触媒(コーク量:0.63重量%,付着塩素量:1.2重量%,金属分散度:0.27)10ccをステンレス鋼製反応管に充填し、温度:200℃、水の供給量:35cc/hrの条件で16時間スチーミング処理を行ったのち、温度:400℃、空気量:6リットル/hrの条件で20時間空気による接触処理を行い、使用済み触媒の再生処理を行った。再生触媒の物性を第3表に示す。次に、この再生触媒10ccを、内径10mm,外径12mmのステンレス鋼製反応管に充填し、これに塩化アルミニウム触媒の存在下にイソブチレンを重合させて得られた平均重合度3のイソブチレン重合物と水素とを、水素/イソブチレン重合物モル比が2.0になるように仕込み、圧力:25kg/cm2 G、温度:220℃の条件にてイソブチレン重合物の水素添加反応を行った。反応結果を第3表に示す。【0029】比較例7実施例3において、使用済み触媒の再生処理を行わずに、そのまま触媒として用い、実施例3と同様にしてイソブチレン重合物の水素添加反応を行った。使用済み触媒の物性及び反応結果を第3表に示す。【0030】比較例8実施例3における触媒の再生処理において、使用済み触媒のスチーミング処理を行わなかったこと以外は、実施例3と同様にして実施した。再生触媒の物性及び反応結果を第3表に示す。【0031】比較例9実施例3における触媒の再生処理において、空気による接触処理を行わなかったこと以外は、実施例3と同様にして実施した。再生触媒の物性及び反応結果を第3表に示す。【0032】【表3】【0033】〔注〕比較例7は、触媒の再生処理を行わずに、使用済み触媒をそのまま反応に用いたので、触媒物性データは、使用済み触媒のデータである。【0034】【発明の効果】本発明の方法によれば、活性が劣化した触媒とて、塩素を付着又は吸着してなるパラジウム系水素添加用触媒を用いて再生処理することにより、塩素やコークなどの被毒物質が除去されるとともに、金属分散度が向上し、ほぼ完全に再活性化されたパラジウム系水素添加用触媒を得ることができる。したがって、本発明の方法は、触媒の取替交換頻度を著しく減少させることができ、工業的に利用価値が高い。 少なくとも50重量ppmの塩素を付着又は吸着してなる活性の劣化したパラジウム系水素添加用触媒を150〜350℃の範囲の温度においてスチーミング処理し、次いで酸素含有気体により、100〜500℃の範囲の温度において接触処理することを特徴とする水素添加用触媒の再生方法。 イソブチレン重合物の水素添加反応に用いられる触媒であって、少なくとも50重量ppmの塩素を付着又は吸着してなる活性の劣化したパラジウム系水素添加用触媒を、150〜250℃の範囲の温度においてスチーミング処理し、次いで酸素含有気体により、100〜500℃の範囲の温度において接触処理することを特徴とする水素添加用触媒の再生方法。 プロピレン中のメチルアセチレン及び/又はプロパジエンの選択的水素添加反応に用いられる触媒であって、少なくとも50重量ppmの塩素を付着又は吸着してなる活性の劣化したパラジウム系水素添加用触媒を、200〜350℃の範囲の温度においてスチーミング処理し、次いで酸素含有気体により、100〜500℃の範囲の温度において接触処理することを特徴とする水素添加用触媒の再生方法。