タイトル: | 特許公報(B2)_芳香族ニトロ化合物の接触水素化法 |
出願番号: | 1996534514 |
年次: | 2010 |
IPC分類: | C07C 209/36,C07C 211/52,C07C 213/02,C07C 217/90,C07C 303/22,C07C 303/40,C07C 309/46,C07C 311/43,B01J 23/648,C07B 61/00 |
シュトゥダー,マルティン バウマイスター,ペーター JP 4454044 特許公報(B2) 20100212 1996534514 19960507 芳香族ニトロ化合物の接触水素化法 シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト 500584309 津国 肇 100078662 束田 幸四郎 100113653 伊藤 佐保子 100119079 田中 洋子 100122747 シュトゥダー,マルティン バウマイスター,ペーター CH 1495/95 19950519 20100421 C07C 209/36 20060101AFI20100401BHJP C07C 211/52 20060101ALI20100401BHJP C07C 213/02 20060101ALI20100401BHJP C07C 217/90 20060101ALI20100401BHJP C07C 303/22 20060101ALI20100401BHJP C07C 303/40 20060101ALI20100401BHJP C07C 309/46 20060101ALI20100401BHJP C07C 311/43 20060101ALI20100401BHJP B01J 23/648 20060101ALN20100401BHJP C07B 61/00 20060101ALN20100401BHJP JPC07C209/36C07C211/52C07C213/02C07C217/90C07C303/22C07C303/40C07C309/46C07C311/43B01J23/64 102XC07B61/00 300 C07C209/00-90 C07C211/00-65 C07C213/00-10 C07C217/00-94 C07C303/00-46 C07C309/00-89 C07C311/00-65 特公昭32−9320(JP,B1) 特開昭63−316764(JP,A) 特開昭55−66545(JP,A) 特開昭49−13093(JP,A) 23 EP1996001889 19960507 WO1996036597 19961121 1999505537 19990521 11 20030422 2008026820 20081020 西川 和子 井上 千弥子 唐木 以知良 本発明は、既知の水素化触媒、典型的に、Rh、Ru、Pt、Pd、Ir、NiまたはCo存在下で、少なくとも一つの水素化触媒量のバナジウム化合物が存在している、非置換または置換芳香族ニトロ化合物の水素による水素化法に関する。本発明はまた既知の水素化触媒存在下での芳香族ニトロ化合物の水素による接触水素化における、バナジウム化合物の使用にも関する。芳香族ニトロ化合物の接触水素化は、例えば、農薬、染料および蛍光白化剤の中間体の製造のために、産業的に重要な反応である。スチルベン蛍光白化剤の製造に、例えば、4,4’−ジニトロスチルベン−2,2’−ジスルホン酸を4,4’−ジアミノ−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸に還元しなければならず、これは古典的還元法または接触水素化により達成し得る。アゾ染料の製造は、大量のジアゾニウム塩を必要とし、これは、対応するアミンから製造される。芳香族ニトロ化合物の対応する芳香族アミンへの接触水素化は、いくつかの中間体段階を経て進行する。これらの中で重要なのは、対応するニトロソ化合物および、特に、とりわけ、M.Freifelder in Handbook of Practical Catalytic Hydrogenation,Verlag,Wiley-Interscience,New York,1971に記載されているように、ヒドロキシルアミン中間体である。このヒドロキシルアミン中間体は、特定の条件下で、反応溶液中に大量に蓄積し得るため、実際上特別な問題を提起する。これは、特に芳香族ニトロ化合物にあてはまり、その水素化は、相対的に安定なアリールヒドロキシルアミンを生成する。これは、水素化をスラリーバッチ反応器で行った場合、特に重大である。極端な場合、数トンのアリールヒドロキシルアミンがこのように生成することがある。アリールヒドロキシルアミンは、多くの点で問題である。一つは、このような化合物がしばしば熱に不安定であり、H2存在下または非存在下で加熱中に、熱の強い放出と共に不均化を起こすことである。発生した熱は、更に、分解反応の引金を引き得、それは次いでひどい爆発の事故をもたらし得る。W.R.Tong et al.,AICHE Loss Prev.1977,(11),71-75は、3,4−ジクロロニトロベンゼンから3,4−ジクロロアニリンへの還元中のこのような事故を記載している。この不安定さは、水素化混合物について、徹底的で精巧な熱試験を必須にする。特に、可能性のあるヒドロキシルアミン中間体の熱反応は、徹底的に試験すべきである。F.Stoessel,J.Loss Prev.Process Ind.,1933,Vol.6,No.2,79-85は、ニトロベンゼンからアニリンへの水素化を例として使用して、この方法を記載している。アリールヒドロキシルアミンはまた強い発癌物質として知られており、したがって、中断されたまたは不完全な水素化の場合、高い危険性がある(J.A.Miller,Cancer Res.3(1970),559)。純粋アミンの製造は、第三の複雑な問題をもたらす。水素化中または反応の最後に、相当な量のアリールヒドロキシルアミンが存在する場合、次いでこれは望ましくない、着色したアゾまたはアゾキシ生産物の形成と共に縮合をもたらし得る。アリールヒドロキシルアミンの量がバッチ毎に異なるため、得られる生産物の質は、純度および外観について異なる。上記の問題は、得られる縮合物またはこのヒドロキシルアミンの最大の可能な濃度でさえ、既知でよく研究されている方法においても予測できないという事実により更に増幅される。痕跡量の不純物の存在が、予測不可能な態様でヒドロキシルアミン不純物の自発的な蓄積の引金を引き得る。例えば、Catalysis of Organic Reactions,Vol.18,(1988),135,J.R.Kosakにおいて、単に1%NaNO3の添加が、3,4−ジクロロニトロベンゼンの水素化中に、最初の<5%から約30%にその蓄積を増加させることを述べている。これらの問題を解決するために、種々の方法が先行文献で提案されている。DE−OS−2519838は、例えば、ニトロ化合物の対応するアミノ化合物への接触水素化のための連続法を記載し、それは、0.5から3mmの触媒粒子を固定ベッドに配置し、ニトロ化合物を滴下相に入れる。触媒は、好ましくは、担体、典型的に水酸化アルミニウムまたはケイ酸に保持させる。同様な連続方法が、DE−OS−2214056に記載されている。この方法においても、ニトロ化合物が固定触媒に導入されている。該触媒は、パラジウムおよびバナジウムまたはバナジウム化合物を固定する担体としてのアルミニウムスピネルから成る。DE−OS2849002は、担体物質1リットル当たり、1−20gの貴金属および1−20gの例えば、バナジウムまたはバナジウム化合物を含む、マルチコンポーネント担体触媒の存在下の連続法における、蒸気相中でのニトロベンゼンの水素化の方法を記載する。バッチ反応における芳香族ニトロ化合物の還元について、US−A−4212824は、水素化のための鉄修飾プラチナ触媒の使用を提案している。しかしながら、実際には、この鉄修飾プラチナ触媒は完全に満足ではない。多くの場合、一方ではヒドロキシルアミンの形成が完全に防止されず、他方では、水素化の速度が著しく遅くなることがある。これらの先行文献の提案は、すべて、ヒドロキシルアミンの大量の蓄積が、特に、連続法において起こらないように実際の触媒およびその活性が調節されている共通点を有する。連続相は実際の反応量において実質的に少ない量の遊離体および生産物からなるため、このことは連続法においては実質的にバッチ法の場合ほど重大ではない。一方、連続法は、大量のトン量の生産物の場合のみ経済的であり、本質的にヒドロキシルアミン蓄積なしの容易に制御可能な反応が未だに望まれている。これは、バッチ反応に関して特に重要である。更に、上記固定ベッド触媒の製造は、大量の投資を要し、複雑であり、このことがこの操作方法の経済性をさらに減じる。驚くべきことに、本発明により、芳香族ニトロ化合物の接触水素化において、ヒドロキシルアミンの蓄積は、触媒量のバナジウム化合物の添加により、ほとんど完全に防止できることが判明し、これは通常、のヒドロキシルアミンの濃度を<1%にする。この結果は、商品として入手可能な水素化触媒により達成できる。先行技術から既知のような触媒の特別な前処理または修飾は必要ではない。得られる水素化生産物は、ほとんどアゾまたはアゾキシ化合物が生成しないため、バナジウム化合物の添加無しに得られたものよりもより白色(より純粋)である。水素化は特に最終相において、該添加無しより早く進む。従って、均質性および経済性に関して、実質的な利点がもたらされる。先行技術と比較して、本発明は触媒量のバナジウム化合物が反応媒体に容易に溶解するか、または分散できて、優れた水素化結果を提供するという実質的利点を有する。本発明の一つの目的は、触媒量の少なくとも一つのバナジウム化合物が存在し、バナジウム触媒は酸化状態0、II、III、IVまたはVを有する、水素および少なくとも一つの貴金属触媒、ニッケル触媒またはコバルト触媒存在下での、溶液または融解物中の芳香族ニトロ化合物の接触水素化の方法である。好ましい方法は、バナジウム化合物を触媒量、反応媒体に溶解または分散(好ましくは溶解)させる。他の同様の好ましい方法は、バナジウム化合物を触媒と混合するか、またはそれに保持させる。バナジウム化合物を、最初に、適当な担体に保持させ、次ぎにそれを反応媒体中に該形態で分散させることも好ましい。適当な担体物質は、例えば、下記のような、粉末形の市販水素化触媒の製造に使用されているものである。触媒または担体物質への保持は、単純な方法で、典型的に、バナジウム化合物を溶解し、触媒または担体物質を溶液に懸濁させ、続いて濾過することにより行う。バナジウム化合物が、反応媒体に不溶の場合、次にそれらをスラリー状触媒と、分散スラリー状形に混合し、共に濾過することもまた可能である。酸素状態0、II、III、IVまたはVの適当なバナジウム化合物は、元素バナジウムおよび完全な無機化合物であるが、例えば、オキサレートまたはアセチルアセトネートとの有機複合体もまた可能である。好ましいバナジウム化合物はV2O5または完全な無機塩、オキソ塩または完全な無機塩またはオキソ塩の水和物である。典型的な例は、VOCl3、VCl6-、[VO(SCN)4]2-、VOSO4、NH4VO3、VCl3、VCl2または対応するFまたはBrとのハライドである。化合物は、pHに依存して、水溶液中に異なる水和物として得られる(F.A.Cotton,G.Wilkinson,Anorganische Chemie,Verlag Chemie Weinheim 1968,2nd edition,Pages 757-766)。特に好ましいバナデートまたはバナデートの水和物は、酸化状態Vのものである。アンモニウム、リチウム、ナトリウムまたはカリウムバナデートまたはこれらのバナデートの水和物が非常に好ましい。水素化すべき芳香族ニトロ化合物の量を基本にして、1−2000ppmの量、特に、5−500ppmの量でバナデート化合物を使用するのが好ましい。バナジウム化合物対触媒の重量比は、好ましくは1:1から1:10000、特に好ましくは1:10から1:1000であり、非常に好ましくは1:50から1:750である。芳香族ニトロ化合物は、水素化中不活性であるか、または水素化できる更なる基、例えば、オレフィン基でまた置換され得る。全ての基の同時水素化は、ある場合、望ましいことがある。芳香族ニトロ化合物は、1個または1個以上のニトロ基を含み得る。芳香族ニトロ化合物のある例は、芳香族炭化水素、特にベンゼン、多環式炭化水素(またテトラリンのような部分的に水素化されたもの)、ビフェニル、シクロペンタジエニルアニオンおよびシクロヘプタトリエニルアニオン、ヘテロ芳香族、典型的にピリジン、ピロール、アゾール、ジアジン、トリアジン、トリアゾール、フラン、チオフェンおよびオキサゾール、縮合芳香族、典型的にナフタレン、アントラセン、インドール、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、プリン、フタラジン、ベンゾトリアゾール、ベンゾフラン、シンノリン、キナゾール、アクリジンおよびベンゾチオフェンである。該化合物は、ニトロ基が共役芳香族系の芳香族部分に結合している条件下で、スチルベンまたはシアニンのような共役芳香族系を含むと理解される。好ましいサブグループは、芳香族基が求電子基により置換されている芳香族ニトロ化合物により形成される。求電子基は、典型的にエステル、酸クロライドまたはニトリルのようなハロゲン、スルホン酸基およびその誘導体、カルボン酸基またはその誘導体である。ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素である。フッ素、塩素または臭素が好ましい。好ましい求電子基は、ハロゲン、−SO3M、−COX(式中、Mは水素またはアルカリ金属およびXはハロゲンまたはO−C1−C12アルキル)である。C1−C12アルキルは、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルおよび異なる異性体ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルおよびドデシル基であり得る。非常に特に好ましくは、芳香族ニトロ化合物は4,4’−ジニトロスチルベン−2,2’−ジスルホン酸または式II、IIIまたはIVの化合物である。原則として、方法は、大産業規模で行う芳香族ニトロ基の芳香族アミンへの還元に適している。典型的例は、農薬、蛍光白化剤および色素の中間体である。本発明の方法は、特に、とりわけ、アゾ染料の合成におけるジアゾニウム塩の製造に使用するための、EP−A−42357に記載のもののような芳香族アミノ化合物の製造に適している。反応は、反応中不活性である適当な溶媒中の溶液で行い得るが、遊離体の融解中で行うこともできる。適当な溶媒は、典型的に水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、異性体ブタノール類およびシクロヘキサノールのようなアルコール、エーテル、エステルおよびケトン、典型的にジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチロラクトン、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−イソブチルケトンまたはシクロヘキサノン、カルボン酸、典型的に酢酸、プロピオン酸、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、スルホラン、ジメチルスルホキシドまたはアセトニトリルのような二極性/中性溶媒、無極性溶媒、典型的にトルエンまたはキシレン、塩素化芳香族炭化水素、典型的に塩化メチレン、C3−C7アルカンまたはシクロヘキサンである。これらの溶媒を、純粋な形または混合物の形で使用できる。貴金属触媒は、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウムまたはプラチナを貴金属として含み得る。ニッケル触媒またはコバルト触媒もまた適している。ニッケル触媒は、例えば、ラネイニッケルであり得る。本発明の好ましい態様において、貴金属触媒は、担体に保持させる、金属元素または酸化形のプラチナ、パラジウム、イリジウム、ロジウムまたはルテニウムである。金属元素形が特に好ましい。プラチナまたはパラジウムが非常に好ましい。特に適した担体は、活性炭素、ケイ酸、シリカゲル、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化鉛、硫酸鉛、または炭酸鉛である。活性炭素、シリカゲル、酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウムが非常に適している。貴金属触媒を、芳香族ニトロ化合物を基本にして、0.1から5重量%の量で使用するのが好ましい。方法は、好ましくは、1・105−2・107パスカルの圧力で行う。方法は、好ましくは、0−300℃、特に好ましくは20−200℃の温度範囲で行う。方法は、バッチまたは連続法で行うことができる。バッチ法が好ましい。本発明はまた水素および少なくとも一つの貴金属触媒、ニッケル触媒またはコバルト触媒の存在下、溶液または融解物中での、芳香族ニトロ化合物の接触水素化のための請求項1のバナジウム化合物の使用にも関する。以下の実施例は、本発明をより詳細に説明する。反応速度はNMRスペクトル分析で測定し、パーセントは重量である。実施例1スパージャーを備えた300mlのオートクレーブに、圧力下、式IIの化合物77gを充填する。無水テトラヒドロフラン(Merck p.a.)110.5ml、5%Pd/C(Johnson Matthey 87L)530mgおよびNH4VO3 19.4mgを次いで入れる。オートクレーブの空気をN2で置換し、反応混合物を120℃まで加熱する。120℃で、N2をH2(20バール)と置換し、スパージャーによるガス導入を開始する。120分の反応時間後、100%のアミノ化合物が得られ、ヒドロキシルアミンは0%であった。反応を通して、ヒドロキシルアミンの生成は検出できない。比較実施例1aNH4VO3の添加無しに、実施例1を繰り返す。150分の反応時間後、84%のアミノ化合物および16%のヒドロキシルアミンが得られる。反応中のヒドロキシルアミンの最大濃度は41%である。実施例2.アニリン−2−スルホン酸−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミドの製造500mlのシェーカーフラスコに、ニトロベンゼン−2−スルホン酸−(N−シクロヘキシル−N−メチル)アミド13.0g、メタノール130g、5%Pd/C 0.895gおよびバナジウム修飾剤(表1)を充填する。シェーカーフラスコを3回排気し、水素でフラッシュする。温度を40−50℃に上げ、反応を開始する(1.1バールの水素)。反応中、4−5サンプルを反応をチェックするために取る。これらのサンプルおよび反応生産物を1H−NMRで分析する。表1に示す結果が得られる。実施例3.3−アミノ−4−クロロアセトアニリドの製造実施例3a.水素化反応装置を、酢酸ナトリウム15部、NaHCO3 60部、MeOH 1320部および1−クロロ−2,4−ジニトロクロロベンゼン1015部で、窒素下、50℃で充填し、次いで、1%Pt/C 11部、NH4VO3 0.15部および水66部を添加する。水素化を60℃および18バールで行う。生産物を3−アミノ−4−クロロアセトアニリドとして単離する(785部、理論値の85%)。実施例3b.0.3l Hastalloy Bオートクレーブを、1−クロロ−2,4−ジニトロクロロベンゼン40.8g、メタノール120mlおよび5%Pt/C触媒0.21gで充填する。混合物を窒素でフラッシュし、次いで水素で、60℃および10バールで水素化する。脱ハロゲン化に関する選択性は66%である。実施例4.2,4,4’−トリクロロ−2’−アミノジフェニルエーテル(TADE)の製造2lのスチールオートクレーブを、2,4,4’−トリクロロ−2’−ニトロジフェニルエーテル330g、MeOH 330g、1%Pt+0.1%Cu/C2.8gで充填する。オートクレーブを閉じ、窒素でフラッシュする。水素化を、水素圧12バールおよび60℃で行う。計算量の水素の特定の割合の消費後、水素化を中断し、サンプルを反応混合物から取る。サンプルをDSC温度−プログラム4℃/分で加熱し、分解の放出エネルギーを測定する。アリールヒドロキシルアミンの不均化が、熱シグナルとして得られ、それは常に<100℃で可視である。ニトロ化合物の分解はまだ、>200℃で開始した反応混合物(rm)で存在する。結果を表2に記載する。蓄積アリールヒドロキシルアミンの自発的分解がニトロ化合物の分解の引金を引くという危険性は、著しく減少できる。実施例5.4,4’−ジアミノスチルベン−2,2’−ジスルホン酸ナトリウム(DAS)の製造300mlのスチールオートクレーブを、4,4’−ジニトロスチルベン−2,2’−ジスルホン酸ナトリウム48g、水174g、0.5M H2SO4 0.15ml、活性炭素1.4g、5%Pt/C 64mgおよびNH4VO3 12mgで充填する。オートクレーブを閉じ、窒素でフラッシュする。水素化を、70℃で、水素の2.5Nl/時間(最大4−5バール水素)の制御添加で行う。水素化が終了した後、オートクレーブを不活性にし、触媒を濾取し、反応混合物をHPLCで分析する。結果を表3に記載する。DNSの水素化の選択性は、触媒表面の水素の利用性に非常に依存する。従って水素化は、好ましくは十分ガスを充填した反応機中で高圧で行う。記載の方法に関して、水素化を低いH2部分圧で行うことが可能であり、それでも良好な生産物の質が得られる。水素化物は蛍光白化剤の中間体である。反応速度、従ってまた水素化により得られる熱流は、このようにH2投与量により制御できる。 水素、及び担体に付着し、粉末形である貴金属触媒、ニッケル触媒またはコバルト触媒の少なくとも一つの触媒の存在下、溶液中または融解物中での芳香族ニトロ化合物の接触水素化の方法であって、該芳香族ニトロ化合物の量を基本にして、1−2000ppmの量の少なくとも一つのバナジウム化合物が存在し、ここで該バナジウムは、酸化状態0、II、III、IVまたはVを有し、かつバナジウム化合物が、V2O5あるいは完全な無機塩、オキソ塩または完全な無機塩若しくはオキソ塩の水和物である、方法。 バナジウム化合物を反応媒体中に、該芳香族ニトロ化合物の量を基本にして、1−2000ppmの量で溶解または分散させる、請求項1記載の方法。 バナジウム化合物を触媒と混合するか、またはそれに保持させる、請求項1記載の方法。 バナジウム化合物を担体物質と混合するか、またはそれに保持させる、請求項1記載の方法。 バナジウム化合物が、酸化状態Vのバナデートまたはバナデートの水和物である、請求項1記載の方法。 バナジウム化合物が、アンモニウム、リチウム、ナトリウム若しくはカリウムバナデートまたはこれらの塩の水和物である、請求項5記載の方法。 バナジウム化合物を、水素化すべき芳香族ニトロ化合物の量を基本にして、5−500ppmの量で使用することを特徴とする、請求項1記載の方法。 バナジウム化合物対触媒の重量比が、好ましくは1:1から1:10000である、請求項1記載の方法。 バナジウム化合物対触媒の重量比が、好ましくは1:10から1:1000である、請求項8記載の方法。 バナジウム化合物対触媒の重量比が、好ましくは1:50から1:750である、請求項9記載の方法。 触媒が、貴金属としてロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、プラチナあるいは卑金属としてニッケルまたはコバルトを含む、請求項1記載の方法。 ロジウム、ルテニウム、イリジウム、プラチナまたはパラジウムを、金属元素または酸化形で担体に保持する貴金属触媒の使用を特徴とする、請求項11記載の方法。 担体が、活性炭素、ケイ酸、シリカゲル、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化鉛、硫酸鉛または炭酸鉛である、請求項12記載の方法。 担体が活性炭素、シリカゲル、酸化アルミニウムまたは炭酸カルシウムである、請求項13記載の方法。 触媒が、プラチナまたはパラジウムを含む、請求項14記載の方法。 貴金属触媒を、芳香族ニトロ化合物を基本にして、0.1から5重量%の量で使用することを特徴とする、請求項1記載の方法。 1・105−2・107パスカルの圧力で行う、請求項1記載の方法。 0−300℃の温度範囲で行う、請求項1記載の方法。 20−200℃の温度範囲で行う、請求項1記載の方法。 バッチ法として行う、請求項1記載の方法。 芳香族ニトロ化合物が求電子置換基を含む、請求項1記載の方法。 芳香族ニトロ化合物が、4,4’−ジニトロスチルベンジスルホン酸あるいは式II、IIIまたはIVで示される化合物である、請求項1記載の方法。 水素及び貴金属触媒、ニッケル触媒またはコバルト触媒の少なくとも一つの触媒の存在下、溶液中または融解物中での芳香族ニトロ化合物の接触水素化のための請求項1記載のバナジウム化合物の使用。