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タイトル:特許公報(B2)_植物種ホウセンカの粉砕した植物又はその構成部分の粉砕物を含有する染髪料組成物及びその応用
出願番号:1996526068
年次:2005
IPC分類:7,A61K7/13


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ベルクール−カストロ ベアリス マルタン,リシヤール JP 3631759 特許公報(B2) 20041224 1996526068 19960229 植物種ホウセンカの粉砕した植物又はその構成部分の粉砕物を含有する染髪料組成物及びその応用 ロレアル 浜野 孝雄 森田 哲二 ベルクール−カストロ ベアリス マルタン,リシヤール FR 95/02361 19950301 20050323 7 A61K7/13 JP A61K7/13 7 A61K 7/00 - 7/50 特開平05−328909(JP,A) 特開平03−098589(JP,A) 特開平03−227909(JP,A) 特開昭57−209209(JP,A) 特開昭57−209208(JP,A) 特開昭62−000273(JP,A) 15 FR1996000319 19960229 WO1996026706 19960906 1997512564 19971216 7 20010214 福井 悟 本発明は染髪料組成物及びかゝる組成物を用いて毛髪を染色する方法に関する。より詳しく言えば本発明は植物種ホウセンカ(Impatiens balsamina)の少なくとも1つの器官を粉砕した生成物を着色剤として含有する染髪組成物に関する。多数の染料が毛髪を染色するのに現在用いられており、その大部分は合成起源のものであり、染料は直接染料であるか又は酸化染料(その着色能力は酸化剤の存在下でのみ発現される)の何れかである。合成染料を施用すると若干の人にはアレルギー現象を生じてしまう。これらの人々の場合には、かゝる合成染料の使用を避けるのが望ましいことは全く明らかである。これは、アレルギー反応が更にまれとなる植物起源の染料生成物が大いに好ましいと今や見られる理由の1つである。毛髪を染色するのに最も広く用いられる植物材料の1つは、指甲花(Lawsonia inermis)植物の乾燥した葉を粉砕した結果の産物であるヘンナ粉末である。然しながら、ヘンナの染色特性は植物の源産地及び収穫時期の関数として特に変化する。それ故均一で容易に再現し得る染色能力を有する植物起源の染色材料を手に入れるのが重要である。今般見出された所によれば、ホウセンカ(インパチエンス バルサミナ)植物の少なくとも1つの器官を粉砕した生成物は、特に液体担体中の分散物の形で毛髪に施用した時には特に有利な着色剤を成し、前記の分散物は、着色が発現するに必要な時間毛髪を被覆し得るものであってしかも毛髪に接着し得るに十分な程に濃厚である。それ故本発明の要旨は植物種ホウセンカの粉砕植物又は該植物の構成部分の粉砕物を着色剤として含有する粉末形の染髪組成物を提供するものである。粉砕生成物は特に植物の根、葉、花、着生部分(即ち根を除いた植物全体)を原料として又は植物全体を原料として得ることができる。特定の具体例によると、粉砕生成物は少なくとも部分的に脱水されており、これは特にその貯蔵を容易とするものである。着色剤は特に植物又は植物の一部分を凍結乾燥し且つ粉砕することにより得られる。本発明の染髪料組成物は十分に貯蔵し得るように特に乾燥粉末の形で製造できる。例えば植物又は植物の構成部分(場合によっては前もって粉末にした)を凍結乾燥して当初の新鮮な未処理の植物(又は植物の構成部分)の質量の10%以下、特に5%以下を表わす質量生成物を得ることができ、次いで適当ならば得られた凍結乾燥生成物を粉砕する。凍結乾燥した又はしていない粉砕生成物の粒子の寸法は例えば0.1〜2000ミクロン(μm)の程度であり、特に0.5〜750μm、特に1〜500μmである。本発明の染髪料組成物は勿論他の慣用成分又は賦形剤を含有でき、例えば増粘剤(例えばゴム、ペクチン、アルギネート)、表面活性剤、抗酸化剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝剤又はpH調節剤、分散剤、毛髪処理剤又はコンディショナー、フィルム形成剤、防腐剤及び不透明化剤を含有できる。これらの別成分は粉末の形で又は粉砕生成物を含浸する溶液(例えば次後に除去される揮発性溶剤中の溶液)の形で添加する。染髪料組成物はまた別の着色剤、特に植物質の着色剤を、エキスの形であるいは着色剤を含有する植物又はその一部分を粉砕して得られる粉末の形で含有できる。ホウセンカの粉砕生成物は粉末状の組成物の全体の2〜100%を成す。ホウセンカの若干の器官特にこの植物の根は試験管内で容易に生長させ得る。これらの栽培物を試験管内で生成し得る条件は以下の実験部分に与えてある。即ち定常の実験によって前もって測定した均一な栽培条件を用いることにより、製造時期が何時であろうと均一な特性を有する着色剤を得ることができる。毛髪に施用するには、本発明の組成物を、適当な液体担体に入れた粉砕生成物の分散物の形とし、該分散物は毛髪に施用した時に流下することなく毛髪に付着するに十分な粘稠度を有するものである。本発明の別の要旨は、次の工程:(a)植物種ホウセンカの粉砕植物又は植物の構成部分の粉砕物を適当な液体担体中に含有する水性分散物の形で組成物を入手し、その際該分散物は毛髪に施用した後に流れ落ちることなく毛髪を被覆し且つ毛髪に付着するのに十分な粘稠度を有するものとし、(b)染色すべき毛髪を前記の(a)で入手した組成物と接触させ、(c)所望の着色を得るのに十分な期間接触を維持する工程を包含する染髪方法を提供する。前記の工程(a)で得た水性分散物は毛髪を被覆するパップ(poultice)の形で施用される。染色材料(粉砕生成物)の重量割合は乾燥物質の重量として、組成物の全重量に関して一般に1〜50重量%の範囲内にあり、特に3〜40重量%である。所望ならば、組成物の粘稠度はゴム、ペクチン、アルギネート等の如き慣用の増粘剤の添加により増大させ得る。すぐ使用できる組成物は一般に5〜45ポイズの粘度を有し、例えば8〜35ポイズの粘度を有する。すぐに使用できる組成物を得るのに用いた液体担体は水性担体であり、特に水又は水と毛髪及び頭皮に施用するのに相溶性である溶剤(例えばエタノールの如き低級アルコール)との混合物である。毛髪手入れの美容法で慣用である賦形剤又は助剤例えばpH調節剤、ヘアートリートメント又はコンディショナー、湿潤剤、増粘剤等は使用時に組成物に追加的に添加できる。即席の水性分散物のpHは一般に2.5〜12であり、好ましくは3〜10.5である。本発明の染髪料組成物と毛髪との間の接触時間は、毛髪の当初の色及び毛髪に付与するのが望ましい色合いに応じて特に決まるものである。接触時間は毛髪試料について簡単な定常実験により系統的に決定される。接触時間は例えば5分〜4時間特に15分〜1時間で変動し得る。染髪料組成物を毛髪に施用し、慣用の加熱手段を応用して大体45℃を超えない温度で作業し得る。何らの加熱手段なしに周囲温度で又はわずかに加温した水で作業することもできる。所望の接触時間後に、毛髪をゆすいで施用した組成物の固形残渣を特に除去する。白色の毛髪については本発明の染髪料組成物はホウセンカの粉砕根生成物の場合銅色の金髪色を与え、金髪については銅色の陽光部が得られる。ホウセンカの別の部分を用いると、例えば中度の黄褐色から濃褐色までの範囲に亘り得る種々の色合いを得ることができる(以下の実験部分参照)。本発明の組成物を志願者に施用すると、これらの組成物は何らの炎症作用やアレルギー作用を有しないことを示した。更には、得られた着色は良好な挙動を示し、特にシャンプー及び発汗に十分に耐える。次の実施例は本発明を例示するものである。実施例1:ホウセンカ(Impatiens balsamina)の根の栽培ホウセンカの葉の複数片を次の条件下で、以下に組成を与えた無菌の寒天ゲル培地(培地A)上で栽培した:ホウセンカの複数枚の葉を40g/lの濃度で次亜塩素酸カルシウムの水溶液に15分間浸漬して葉を浄化した。次に葉を4回の連続的な処理により無菌水中でゆすいだ。次に葉を大体0.5cm2の複数片に切刻み、次いで1皿当り2枚の葉片の割合で寒天ゲルを含有する培地Aに配置した。栽培物は26℃で暗所に保持した。これらの複数枚の葉片の若干は根毛を生じることが均一に認められる。これらの根毛は次後に無菌の液体培地A(寒天ゲルなし)に移送された。かくして得られた根を、暗所で攪拌しながら(100回転/分)26℃の温度でこの液体培地中に維持した。移植は例えば2週間毎に行うことができる。これを行うには、根を取出し、再生長させて25g/lの割合で新規な培地Aに移植した。この新規な培地は1個のフラスコ当り100mlの割合で250mlの三角フラスコに前もって分配され、115℃で20分間殺菌してある。数回の維持サイクルの結果として、若干の根株(strain)は根の色として示した表現型多様化を示し:根株の若干は着色したピンクであると思われ、然るに当初は根は色が淡黄色であった。これらの根を分離し、増殖した。かくしてホウセンカの種々の根株が得られ、特に根株Ib1(ピンク色に着色せず)及びIb2(わずかなピンク色を呈する)が得られた。2週間の栽培から得られるホウセンカの根を凍結乾燥した。これを行うには、根の組織を取出し、深冷凍結後に凍結乾燥した。25gの新鮮な材料(根)当り大体1gの凍結乾燥した生成物が得られる。凍結乾燥した生成物を粉砕により微粉末にした。該粉末の粒度は1〜2μの程度のものである。用いた培地Aは次の組成を有した: 成 分 濃 度(mg 1-1) KNO3 1900.000NH4NO3 1650.000KH2PO4 170.000MgSO4・7H2O 370.000CaCl2・2H2O 440.000MnSO4・4H2O 22.300H3BO3 6.200ZnSO4・7H2O 8.600Na2MoO4・2H2O 0.250CuSO4・5H2O 0.025CoCl2・6H2O 0.025KI 0.830FeSO4・7H2O 27.850メソイノシトール 100.000ニコチン酸 0.500ピリドキシン・HCl 0.500チアミン・HCl 0.100L−グリシン 2.000Na2EDTA 37.300ナフチル酢酸(NAA) 1.000キネチン 0.060蔗 糖 30000.0pHは滅菌前に5.8に調節した。寒天ゲル培地Aの場合には8g/lの濃度で寒天を添加した。実施例2実施例1で得られた粉末化凍結乾燥生成物1.5gを10mlの水と混合してペーストを形成した。かくして得られたペーストを、一房の白色毛髪の長さの半分(毛髪の毛根側)にまでパップの形で施用した。施用は周囲温度で3時間30分維持した。次いで毛髪を流水で沢山ゆすいで染料ペーストを除去し、次いで乾燥した。根株Ib1及びIb2を原料として得られる粉末を用いると、かくして処理した毛髪は銅色の陽光部と共に金髪の色(ブロンドカラー)となった。着色は均一である。根栽培物の或る根株を用いると、よりピンク色の色調と共に、得られた色合いにわずかな差異が認められた。同じ単一の確立された根栽培物では、所与の時間同様な毛髪に施用すると染色特性が均一のまゝである生成物を与える。別の実験では、毛髪への施用は3時間30分の代りに30分間維持した。着色の強さはその時わがすに低かった。毛髪の当初の色に応じて、それ故施用時間の関数として色の強さを所望の程度に調節できる。特定の所望の色合いを得るために望ましい接触時間は、雑多な元の色を有する一房の毛髪について行なった定常実験によって前もって決定できる。実施例3ホウセンカ(Impatiens balsamina)を種子から栽培した。着生部分を収穫し、粉砕器で粉末にした。粉砕生成物は大体0.5mmの平均粒度で得られた。次いで次の組成物を製造した:粉砕生成物 20g微温水 100gにする十分量水酸化ナトリウム pH9.5にする十分量この組成物を45℃の温度で一房の灰色毛髪(90%の白色毛髪を含有する)に施用し、毛髪を45℃で30分間維持し、次いで毛髪を水でゆすぎ、乾燥した。中度の黄褐色の毛髪が得られた。実施例4ホウセンカ(Impatiens balsamina)の種々の構成部分から得られた粉砕生成物を実施例3の如く製造し次いで凍結乾燥した。次いで次の組成物を製造した:粉砕した凍結乾燥済み生成物 xg微温水(30℃) 100gにする十分量塩 酸 pH5.5にする十分量粉砕生成物の種類及び使用量及びまた染色操作の結果(実施例3に記載の如く行なった)を以下に示す。実施例520mlの水と3gの粉砕した凍結乾燥生成物とを混合し、得られた組成物を室温で灰色の毛髪に使用し、組成物を室温(21℃)で1時間染色作用させ次いで毛髪をゆすぎ且つ乾燥した。花の粉砕生成物を用いると、かなり強い銅色のブロンドカラーの毛髪が得られた。葉の粉砕生成物を用いると、同様なカラーの毛髪が得られた。根の粉砕生成物を用いると、わずかに金色のブロンドカラーの毛髪が得られた。実施例6:粉末形の組成物次の組成物を製造した:ホウセンカ(Impatiens balsamina)の粉末化した葉55gトラガカントゴム 1gペクチン 1gジステアリルジメチルアンモニウムクロライド 0.8gクエン酸三ナトリウム 全体を100gにする十分量使用時に、この組成物をその重量の1.5倍の水と38℃で混合した。得られた混合物を淡いブロンド色の毛髪に施用し、45分間接触させておいた。ゆすいだ後に、毛髪は美的な銅色の金色陽光部を示す。 植物種ホウセンカ(Impatiens balsamina)の粉砕植物又は該植物の構成成分の粉砕物を着色剤として含有してなる染髪料組成物。 前記の着色剤は少なくとも部分的には脱水した粉砕生成物である請求の範囲1記載の組成物。 粉砕生成物の質量は当初の新鮮な植物又は新鮮な植物の構成部分の質量の10%以下を表わす請求の範囲1又は2の何れか1項に記載の組成物。 着色剤は粉砕した凍結乾燥生成物である請求の範囲1〜3の何れかに記載の組成物。 植物の構成部分は根、葉、花及び着生部分から選ばれる請求の範囲1〜4の何れかに記載の組成物。 着色剤に加えて更に少なくとも1種の賦形剤及び/又は少なくとも1種のヘアートリートメントを含有する請求の範囲1〜5の何れかに記載の組成物。 前記の賦形剤及び/又はヘアートリートメントは増粘剤、表面活性剤、抗酸化剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、緩衝剤、分散剤、染色剤、フィルム形成剤、不透明化剤及び香料から選ばれる請求の範囲6記載の組成物。 前記の賦形剤及び/又はヘアートリートメントは粉末の形で又は粉砕生成物を含浸させる溶液の形で添加する請求の範囲7記載の組成物。 前記の粉砕生成物は0.1〜2000μmの粒度を有する請求の範囲1〜8の何れかに記載の組成物。 粒度は0.5〜750μmの寸法を有する請求の範囲9記載の組成物。 粒度は1〜500μmの寸法を有する請求の範囲10記載の組成物。 次の工程:(a)植物種ホウセンカの粉砕植物又は該植物の構成部分の粉砕物を適当な液体担体中に含有する水性分散物の形で組成物を入手し、その際該分散物あ毛髪に施用した後に流下することなく毛髪を被覆し且つ毛髪に付着するのに十分な粘稠度を有するペースト状物を形成するものとし、(b)染色すべき毛髪を前記の(a)で入手した組成物と接触させ、(c)所望の着色を得るのに十分な期間接触を維持する工程を包含することを特徴とする、染髪方法。 前記の分散物は請求の範囲1〜11の何れかに定義した如き組成物から得られる請求の範囲12記載の方法。 接触時間は5分〜4時間の範囲にある請求の範囲12又は13記載の方法。 接触時間は15分〜1時間の間である請求の範囲12〜14の何れかに記載の方法。


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