タイトル: | 特許公報(B2)_歯磨き組成物 |
出願番号: | 1996505434 |
年次: | 2005 |
IPC分類: | 7,A61K7/16 |
ゲイツ,シェリル・テレサ バノン,マーティン・エドワード JP 3640967 特許公報(B2) 20050128 1996505434 19950718 歯磨き組成物 スミスクライン・ビーチャム・パブリック・リミテッド・カンパニー 青山 葆 田中 光雄 ゲイツ,シェリル・テレサ バノン,マーティン・エドワード GB 9414721.2 19940721 20050420 7 A61K7/16 JP A61K7/16 7 A61K 7/16 米国特許第03939261(US,A) 米国特許第04071615(US,A) 米国特許第03954962(US,A) 米国特許第04988500(US,A) 米国特許第03954962(US,A) 8 EP1995002826 19950718 WO1996003108 19960208 1998503189 19980324 7 20020517 榊原 貴子 本発明は歯磨き組成物、特に非水性(無水)歯磨き組成物に関する。適当には、かかる非水性組成物は、水性環境で不安定であり、かつ該環境と不適合な他の物質を含有してもよい。典型的な歯磨き処方の水性系への溶解性が限定されるか、または該水性系と反応する多くの物質がある。この問題を処方の間に解決する一の方法は、これらの水感受性物質をカプセル化し、それらが歯磨き処方中に存在する水性成分と相互作用することを防止することである。カプセル化は歯磨き組成物の処方において有効に用いることができる周知かつ使用されている技法であるが、カプセル化された物質は拡散または「カプセル破砕」により残りの生成物中にある水と頻繁に接触するため、その技法はその問題を完全に解決してはいない。これらの物質の安定性を改良する別の方法が提案されており、その方法は無水組成物の使用に関連する。ザ・プロクター&ギャンブル・カンパニーに譲渡された米国特許第4988500号(Hunterら)は、カルボキシビニルポリマーと、中和剤と、過酸化物または過ホウ酸塩の化合物と、無水湿潤剤とからなる無水経口用組成物を開示かつ特許請求している。しかし、許容される粘度特性を付与する歯磨き組成物を得るには、カルボキシビニルポリマーを中和する必要がある。コルゲート−パルモリブ・カンパニーに譲渡された米国特許第4647451号(Piechota)は、ポリサッカリドガムおよびグリセリン湿潤剤を含有する無水歯磨き剤を記載する。所望により、分散剤としてポリエチレングリコールを添加してもよい。この度、歯磨き剤を、水相と不適合である成分と一緒に処方し、かつ処理することに伴う問題が、従来の歯磨き処方と同様に許容される、改良された非水性処方を用いることで解決されることが見いだされた。したがって、本発明は、カルボキシビニルポリマーと、湿潤剤と、ポリエチレングリコールと、歯科学上許容される研磨剤とからなる非水性歯磨き組成物を提供するものである。カルボキシビニルポリマーは酸の形態にて用いられ、必ずしも中和した形態を要しない。カルボキシビニルポリマーは湿潤剤を粘性にし、必要とする研磨剤を懸濁させるために必要なレオロジーもまた提供する。本明細書にて用いる「レオロジー」なる語は、処方の流れ特性を反映するものである。本発明の歯磨き剤に用いるのに適当なカルボキシビニルポリマーは、ポリアリルシュークロース、例えば、カルボポール(Carbopol)974および934で架橋した、またはジビニルグリコール、例えば、ノベオン(Noveon)AA−1で架橋したアクリル酸のコポリマーである。カルボポールポリマーは、B.F.Goodrich Companyで製造されている。カルボポール974が好ましい。カルボキシビニルポリマーは、歯磨き剤の0.1ないし7.5w/w%、好ましくは0.3〜1.0%、より好ましくは約0.35重量%の範囲で配合されていてもよい。本発明で用いるのに適当な湿潤剤は、グリセリン、ソルビトールおよびプロピレングリコールまたはその混合物を包含する。商業上入手可能なグリセリンは、グリセリンと結合している0.5〜2.0重量%の水を含有することがよく知られている。典型的には、この量は0.5〜1.0重量%である。この少量の水はグリセリンに結合しており、したがって、他の成分に利用されない。当業者はさらに非水性であるグリセリン配合の組成物を考えるであろう。湿潤剤はいずれにおいてもできる限り無水でなければならず、固体形態で用いることが好ましい。グリセリンが好ましい湿潤剤である。湿潤剤を用いてその処方を100%にするため、湿潤剤は歯磨き剤の20〜90重量%の範囲にて配合される。好ましくは、湿潤剤は歯磨き剤の35〜75%、より好ましくは45〜70重量%で存在する。ポリエチレングリコールは、その処方の粘着性をいくらか減少させ、滑らかな感触を付与するのに選択される。適当には、ポリエチレングリコールはPEG300およびPEG400より選択される。PEG400が好ましい。有利には、ポリエチレングリコールは歯磨きの0.1〜40重量%、好ましくは15〜20重量%の範囲にて存在する。滑らかで、何ら粘性を示さない製品を得るために、要求される、カルボキシビニルポリマーのポリエチレングリコールに対する割合に言及することがおそらくはより適当である。有利には、カルボキシビニルポリマーのポリエチレングリコールに対する割合は、1:15ないし1:20、好ましくは1:17.5の範囲にある。本発明で用いるのに適当な研磨剤は、例えば、シリカ、オルトリン酸亜鉛、炭酸水素ナトリウム(重ソウ)、プラスチック粒子、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウムおよびピロリン酸カルシウムまたはその混合物を包含する。シリカ研磨剤は、天然アモルファスシリカ、例えば、珪藻土;または沈降性シリカのような合成アモルファスシリカ、例えば、ローヌ・プーラン社製の「チクソジル(Tixosil)53B」またはシリカ・キセロゲルのようなシリカゲル;またはその混合物である。一般に、本発明の歯磨き組成物に用いるのに適する研磨剤の量は、当該分野における周知の技法に従って、許容される洗浄および研磨のレベルを得るのに経験により決定されるであろう。適当には、研磨剤は歯磨き剤の約5ないし約60重量%、好ましくは約5ないし約30重量%で存在する。従来の歯磨き剤のレオロジーに近い特性を製品に付与するために、増粘剤が処方中に存在することが有利である。適当には、増粘剤は、増粘性シリカ、例えば、デグサ社で製造されている「サイデント(Sident22S)」である。増粘性シリカは、歯磨き剤の0.01〜10重量%、好ましくは5.0〜7.0重量%の範囲で存在する。界面活性剤は、通常、洗浄および/または泡立て特性を付与するために、歯磨き剤に添加される。水溶液の形態ではなく、固体粉末として添加できることを条件として、歯磨き処方に用いられる従来のいずれかの界面活性剤を本発明において用いてもよい。適当な界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性および両性界面活性剤を包含する。適当なノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリエトキシル化ソルビトールエステル、特にポリエトキシル化ソルビトールモノエステル、例えば、PEG(40)ソルビタンジイソステアレート、および「ツゥーン(Tween)」の商品名でICIより販売されている製品;エチレンオキシドとプロピレンオキシドのポリ凝集体(ポロオキサマー(poloxamer))、例えば、「プルロニック(Pluronic)」の商品名でBASF−Wyandotteより販売されている製品;プロピレングリコールの凝集体;ポリエトキシル化硬化ヒマシ油、例えば、クレモホールス;および脂肪エステルを包含する。適当なアニオン性界面活性剤は、例えば、アルブライト・アンド・ウィルソン(Albright and Wilson)より販売され、「SLS」として知られているラウリル硫酸ナトリウムを包含する。この物質が含まれていてもよく、本発明においては粉末形として用いる。特に好ましいアニオン性界面活性剤はクロダ・ケミカルズ(Croda Chemicals)より販売され、「アジノール(Adinol)CT95」の商品名で販売されているナトリウムメチルコシルタウレートである。界面活性剤は歯磨き剤の0.005〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲で配合するのが有利である。有利には、本発明に係る歯磨き剤は、さらに、イオン性フッ化物、例えば、アルカリ金属フッ化物、アミンフッ化物およびイオン性モノフルオロホスフェート、例えば、アルカリ金属モノフルオロホスフェートを包含し、処方剤中に配合され、100および3000ppm、好ましくは500〜2000ppmのフッ化物を提供することができるフッ素イオン含有の化合物が配合されていてもよい。好ましくはイオン性フッ化物まはたモノフルオロホスフェートは、アルカリ金属フッ化物またはモノフルオロホスフェート、例えば、各々、フッ化ナトリウムまたはモノフルオロリン酸ナトリウムである。水性環境下ではその不安定性のため従来の歯磨き処方で用いられないフッ化錫もまた、前記したレベルで用いることができる。フッ化物供給源がイオン性モノフルオロリン酸塩である場合、イオン性モノフルオロリン酸塩の活性を強化することが知られているグリセロリン酸カルシウムが所望により配合されていてもよい。イオン性フッ素含有化合物を本発明の歯磨き剤に配合する場合、研磨剤がイオン性フッ素含有化合物と適合するようにその研磨剤を選択すべきである。すなわち、例えば、フッ化ナトリウムは、不溶性フッ化カルシウムのようなフッ化物の喪失をもたらすような過剰なカルシウムイオンからなる研磨剤と配合しないことが当該分野にて知られている。したがって、不溶性の研磨剤、例えば、シリカ、アルミナ、オルトリン酸亜鉛またはプラスチック粒子が好ましい。別法として、カルシウム研磨剤、例えば、炭酸カルシウムを、アルカリ金属モノフルオロホスフェート、モノフルオロリン酸ナトリウムと一緒に用いてもよい。本発明に係る歯磨き剤はまた、歯磨き処方にて慣用的に用いられる他の試薬、例えば、着色剤、美白剤、例えば、二酸化チタン;保存剤および甘味剤を含有してもよい。必要ならば、抗プラーク形成剤、例えば、トリクロザン、クロルヘキシジン、塩化セチルピリジニウムおよびニチン(好ましくは、精製形、Ambicin Nとして入手可能)、抗結石剤、例えば、ピロリン酸塩、抗感受性剤、ストロンチウムまたはカリウム塩、ポリマー強化剤、例えば、ガントレッツ(Gantrez)を配合してもよい。息清澄剤、例えば炭酸水素ナトリウムおよび歯美白剤、例えば過酸化水素およびトリポリリン酸ナトリウムもまた、適当なレベルで配合してもよい。一般に、かかる試薬は、処方中、少しの配合量または割合にて存在し、通常、組成物の0.001〜5重量%にて配合される。とにかく、水性環境で不安定かつ不適合である活性剤のいずれか活性な成分または組み合わせをまた、本発明の処方に添加してもよい。フレーバー剤もまた、通常、組成物の1.0重量%の典型的なレベルで処方に添加してもよい。適当な甘味剤は、サッカリン、シクラメートおよびアセサルファームKを包含し、歯磨き剤の0.01〜0.5重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%で配合してもよい。タウマチンのような補助甘味剤をまた、歯磨き剤の0.001〜0.1、好ましくは0.005〜0.05重量%のレベルで配合してもよい。タウマチンの適当なブレンドが、Tate and Lyle plcより「タリン(TALIN)」の商品名で販売されている。本発明に係る歯磨き剤はまた、抗着色剤を含有してもよい。適当な抗着色剤は、例えば、米国特許第4256731号に開示されている化合物などのカルボン酸、米国特許第4080441号に開示されている化合物などのアミノカルボン酸化合物、および米国特許第4118474号に開示されているようなホスホノ酢酸を包含する。抗着色剤を歯磨き処方中に配合しても、または歯磨き剤の後に用いるための別の組成物として提供してもよい。本発明に係る歯磨き剤は、消費者の許容できる、従来の歯磨き剤に匹敵する製品を得るのに必須の、25,000〜100,000センチポイズの初期粘度を有する。水で3:1の割合に希釈した場合、その処方のpHは8.0よりも下でなければならない。歯磨きの粘度はTF20スピンドルのブロックフィールド・ビスコメーターを用いて測定する。本発明に係る歯磨き剤は、その成分を必要な割合で、かつ都合のよい順序で混合し、その後に必要ならば、そのpHを調整することにより常法により調製される。特に好ましい方法にて、ポリビニルポリマーおよび湿潤剤を、例えば、満足の行く粘度を得るために、要すれば、例えば50〜70℃の温度まで加熱しながら一緒に激しく撹拌する。ついで、ポリエチレングリコールおよび増粘性シリカを該混合物に加え、つづいて特別頑丈な混合機を用いて研磨剤をその中に分散させる。(配合するならば)フッ化物塩のような活性剤を加え、つづいて最終段階で界面活性剤およびフレーバー剤を真空下で最終混合を行いながら添加した。以下の実施例を用いて本発明を説明する。実施例1成分 %w/wカルボポール974P 1.00増粘性シリカ 4.00研磨性シリカ 14.00フッ化ナトリウム 0.23二酸化チタン 1.00アジノールCT95 2.00サッカリン 0.33ポリエチレングリコール(400) 17.50フレーバー剤 1.00グリセリン 適量実施例2成分 %w/wカルボポール974P 1.00増粘性シリカ 6.50研磨性シリカ 14.00フッ化ナトリウム 0.23二酸化チタン 1.00アジノールCT95 2.00サッカリン 0.33ポリエチレングリコール(400) 17.50グリセリン 適量実施例3成分 %w/wカルボポール974P 0.50増粘性シリカ 6.50研磨性シリカ 14.00フッ化ナトリウム 0.23二酸化チタン 1.00アジノールCT95 2.00サッカリン 0.33ポリエチレングリコール(400) 17.50グリセリン 適量実施例4成分 %w/wカルボポール974P 0.35増粘性シリカ 6.50研磨性シリカ 14.00フッ化ナトリウム 0.23二酸化チタン 1.00アジノールCT95 2.00サッカリン 0.33ポリエチレングリコール(400) 17.50グリセリン 適量実施例5成分 %w/wカルボポール974P 0.35増粘性シリカ 6.50研磨性シリカ 14.00フッ化ナトリウム 0.23二酸化チタン 1.00アジノールCT95 2.00サッカリン 0.33ポリエチレングリコール(400) 6.20グリセリン 適量カルボポール974PはGoodrich plcの商品名である。アジノールCT95はCroda Chemicalsの商品名である。 酸形態で用いられるカルボキシビニルポリマーと、無水湿潤剤と、0.1ないし40重量%のポリエチレングリコールと、歯科学上許容される研磨剤を含む非水性歯磨き組成物であって、カルボキシビニルポリマーとポリエチレングリコールの割合が1:15ないし1:20であり、歯磨きの初期粘度の範囲が25,000ないし100,000mPasである組成物。 カルボキシビニルポリマーが、ポリアリルシュークロースまたはジビニルグリコールで架橋したアクリル酸のコポリマーである請求項1記載の組成物。 カルボキシビニルポリマーが、歯磨き剤の0.1ないし7.5重量%の配合量にて存在する請求項1または2記載の組成物。 無水湿潤剤が、グリセリン、ソルビトールまたはプロピレングリコールあるいはその混合物である請求項1、2または3記載の組成物。 無水湿潤剤が、歯磨き剤の20ないし90重量%の範囲にて存在する請求項4記載の組成物。 研磨剤が、シリカ、オルトリン酸亜鉛、炭酸水素ナトリウム、プラスチック粒子、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウムまたはピロリン酸カルシウムあるいはその混合物から選択される前記した請求項のいずれか1つに記載の組成物。 さらに、増粘性シリカを含む前記した請求項のいずれか1つに記載の組成物。 カルボキシビニルポリマーおよび無水湿潤剤を、十分な粘度を得るために、 50〜70℃で加熱しながら、または加熱せずに、一緒に激しく撹拌し、残りの成分を所定の割合で混合した後、 そのpHを調整するか、または調整しないことを含む、前記した請求項のいずれかに記載の組成物の製法。