生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_油中水型乳化組成物
出願番号:1996354502
年次:2005
IPC分類:7,A61K7/00,A61K7/06,A61K7/48


特許情報キャッシュ

粂井 貴行 JP 3618030 特許公報(B2) 20041119 1996354502 19961218 油中水型乳化組成物 株式会社ノエビア 000135324 小川 篤子 594044059 粂井 貴行 20050209 7 A61K7/00 A61K7/06 A61K7/48 JP A61K7/00 N A61K7/00 C A61K7/00 J A61K7/06 A61K7/48 7 A61K 7/00 - 7/50 特開平05−262618(JP,A) 特開平06−093288(JP,A) 特開昭52−066637(JP,A) 特開2002−068936(JP,A) 国際公開第96/029975(WO,A1) 特開平10−175819(JP,A) 特開平10−036221(JP,A) 特開平10−001413(JP,A) 特開平09−125090(JP,A) 特開平09−110649(JP,A) 特開平09−100225(JP,A) 特開平09−100214(JP,A) 特開昭56−040605(JP,A) 特公昭61−007403(JP,B1) 特開昭56−032408(JP,A) 特開平05−246824(JP,A) 特開昭51−079731(JP,A) 足立佳津良,FRAGRANCE JOURNAL,1995年1月号,pp.90-98 3 1998175818 19980630 13 20030212 星野 紹英 【0001】【産業上の利用分野】本発明は使用感,乳化安定性及び安全性が良好で、肌に塗布した際の清涼感に優れた油中水型乳化組成物に関する。【0002】【従来の技術】従来より用いられている油中水型乳化組成物は、皮膚表面に油膜を形成することにより水分蒸散を防止するものであり、撥水性に優れ、化粧崩れが少ないという特徴を有している。しかしその一方で、外相に存在する油相成分により、塗布したときの油性感やベタツキ感が強いという問題がある。【0003】このため、油性成分としてシリコーン油が使用されている。このシリコーン油は潤滑性や撥水性に優れた油性成分として知られており、さっぱりとした使用感を付与するとともに、耐油性をも向上させることができる。しかし、油分としてシリコーン油を多量に用いると均一に乳化させることが困難となり、更に製品の乳化安定性も低下し、水相と油相が分離したり、油がしみ出すなどの問題が生じる。【0004】また、多くの化粧料には清涼感を付与したり、成分を溶解するためにエタノールが配合されている。しかし、油中水型乳化組成物にエタノールを配合すると、安定性が悪く、水相と油相が分離してしまうという問題があった。【0005】さらに、抱水能を有する油溶性物質を用いることにより、界面活性剤を使用せずに安定な油中水型乳化組成物が得られることが開示されている(特開平7−304629号公報)。しかしながら、シリコーン油を含有し、かつ従来からある界面活性剤を配合せずとも安定な油中水型乳化組成物は未だ得られていない。【0006】【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的はシリコーン油を含有し、かつ乳化剤として従来からある界面活性剤を配合していないにも関わらず、安定性が良好で、肌に塗布した際の清涼感に優れた油中水型乳化組成物を提供することにある。【課題を解決するための手段】【0007】上記目的を達成するために、鋭意検討を行ったところ、ジメチルポリシロキサンと、特定のグリセリン脂肪酸エステルジカルボン酸縮合物、IOB値5〜30の油分を組み合わせて用いることにより、前記課題を解決した油中水型乳化組成物が得られること、更に水相にエタノールを配合しても安定でしかも清涼感のある油中水型乳化組成物が得られることを見出だし、本発明を完成した。【0008】【発明の実施の形態】本発明で用いられる特定のグリセリン脂肪酸エステルジカルボン酸縮合物は、グリセリンと、高級直鎖状脂肪酸、脂肪族ジカルボン酸及び高級分岐鎖脂肪族モノカルボン酸からなる混合物をエステル化したオリゴマー縮合物である。【0009】グリセリン脂肪酸エステルジカルボン酸縮合物に用いられる高級直鎖状脂肪酸としては、直鎖状の飽和脂肪酸が好ましく、炭素数14以上の脂肪酸が適している。具体的には、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リグノセリン酸が好ましい。前記例示の中でもミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸が皮膚に対する感触の点から好ましく、さらにはステアリン酸で最も良好な感触が得られる。【0010】グリセリン脂肪酸エステルジカルボン酸縮合物に用いられる脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナメチレンジカルボン酸、デカメチレンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、ムコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸が例示される。この中でも特にアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸が好ましくさらにはアジピン酸が最も好ましい。【0011】グリセリン脂肪酸エステルジカルボン酸縮合物に用いられる高級分岐鎖脂肪族モノカルボン酸は、炭素数が6以上で側鎖基を1以上有するものをいい、例えば2−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオトリデカン酸、イソステアリン酸等が例示される。【0012】グリセリン脂肪酸エステルジカルボン酸縮合物は、高級直鎖状脂肪酸、脂肪族ジカルボン酸、高級分岐鎖脂肪族モノカルボン酸からなる混合酸をグリセリンとエステル化したものであり、公知の方法でエステル化して得られる。【0013】エステル化には例えば、無触媒又は触媒存在下、常圧又は減圧下でのエステル化反応等が採用できる。エステル化反応終了後、定法に従って反応混合物をアルカリ脱酸、脱色剤による脱色、ついで水蒸気蒸留による脱臭精製を行うことができる。【0014】グリセリン脂肪酸エステルジカルボン酸縮合物の重合度は、1〜8の範囲であり、肌への感触、安全性の面から2〜6の重合度が好ましく、平均重合度が4となるようにエステル化反応を調整することが好ましい。【0016】グリセリン脂肪酸エステルジカルボン酸縮合物の油中水型乳化組成物全量への配合量は、0.5〜50重量%が好ましい。0.5重量%以下では、グリセリン脂肪酸エステルジカルボン酸縮合物の有する抱水性の特性を発揮することができない。また、50重量%以上配合すると、使用時の油性感が強まり、清涼感が損なわれる。さらに安定性が良好でかつ使用時の清涼感を得るため、グリセリン脂肪酸エステルジカルボン酸縮合物の油中水型乳化組成物全量に対する配合量は、1〜10重量%が更に好ましい。【0017】本発明で用いられるジメチルポリシロキサンとしては、化粧料に通常用いられるものであれば特に限定されず、直鎖状,分岐鎖状,環状のいずれのものも使用することができる。特に油性感、ベタツキ感を軽減する場合には、ジメチルポリシロキサンの一部若しくは全量で揮発性の低粘度ジメチルポリシロキサンを用いるのが好ましい。【0018】ここで、揮発性のジメチルポリシロキサンとしては、次の一般式(2)で表される低粘度ジメチルポリシロキサン又は一般式(3)で表される揮発性のジメチルシクロポリシロキサンが挙げられる。【0019】【化2】【0020】【化3】【0021】本発明においてシリコーン油は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、化粧料全量中に5〜60重量%配合することができる。さらに油性感,ベタツキ感の軽減と乳化安定性を考え合わせると、化粧料全量中に対するシリコーン油の好ましい配合量は10〜40重量%である。【0022】本発明で用いられるIOB値が5〜30の油分としては、常温で固体のものでなければよく、半固形状のものまで含む。ここでいうIOB値(Inorganic Organic Balance)とは、藤田穆の有機概念図によるもので、無機性及び有機性の値の比で表された有機化合物の極性の指標であり、この数値が高いほど極性が高くなる。【0023】具体的には、アジピン酸ジイソセチル,アジピン酸ジイソデシル,アジピン酸ジイソブチル,アジピン酸ジイソプロピル,アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル,アセチルリシノール酸メチル,アセチルリシノール酸ブチル,イソステアリルアルコール,イソステアリルグリセリルエーテル,イソステアリン酸,イソステアリン酸イソセチル,イソステアリン酸イソステアリル,イソステアリン酸イソプロピル,イソステアリン酸エチル,イソステアリン酸テトラコサングリコール,イソステアリン酸バチル,イソノナン酸イソデシル,イソノナン酸イソトリデシル,イソノナン酸イソノニル,イソパルミチン酸−2−エチルヘキシル,イソペラルゴン酸−2−エチルヘキシル,オキシステアリン酸−2−エチルヘキシル,2−エチルヘキサン酸イソステアリル,2−エチルヘキサン酸イソセチル,2−エチルヘキサン酸エチル,2−エチルヘキサン酸ステアリル,2−エチルヘキシルドデカノール,オリーブ油アルコール,オレイルアルコール,オレイン酸,オレイン酸イソデシル,オレイン酸エチル,オレイン酸−2−エチルヘキシルドデシル,オレイン酸オレイル,オレイン酸デシル,オレイン酸プロピレングリコール,2−エチルヘキサン酸セチル,カプリル酸セチル,カプロン酸アリル,コハク酸ジ−2−エチルヘキシル,ジイソステアリン酸グリセリル,ジイソステアリン酸ジグリセリル,ジイソステアリン酸プロピレングリコール,ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール,ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール,ジオレイン酸エチレングリコール,ジオレイン酸プロピレングリコール,ジカプリン酸ネオペンチルグリコール,ジカプリン酸プロピレングリコール,ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル,ステアリン酸イソセチル,ステアリン酸オクチル,セバシン酸ジイソプロピル,セバシン酸ジエチル,セバシン酸ジオクチル,デシルテトラデカノール,テトライソステアリン酸ジグリセリル,テトライソステアリン酸ペンタエリスリット,テトラオクタン酸ペンタエリスリット,トリアセチルリシノール酸グリセリル,トリイソステアリン酸グリセリル,トリイソステアリン酸ジグリセリル,トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン,トリエルシン酸グリセリル,トリオクタン酸グリセリル,トリオクタン酸トリメチロールプロパン,トリオレイン酸ソルビタン,トリカプリン酸グリセリル,トリヘプチルウンデカン酸グリセリル,乳酸オクチルドデシル,乳酸オレイル,乳酸ラウリル,ネオデカン酸オクチルドデシル,ネオペンタン酸イソステアリル,ネオペンタン酸ミリスチル,ハイドロアビエチルアルコール,パルミチン酸イソステアリル,パルミチン酸イソセチル,パルミチン酸イソブチル,パルミチン酸イソプロピル,パルミチン酸オクチル,ヒドロキシステアリン酸コレステリル,ピバリン酸イソステアリル,ピバリン酸イソデシル,ヒマシ油,ヒマシ油脂肪酸メチル,フタル酸ジエチル,フタル酸ジオクチル,フタル酸ジブチル,フタル酸ブチルベンジル,プロピオン酸エイコサニル,ヘキシルデカノール,ヘプチルウンデカノール,ペンタオクタン酸ジグリセロールソルビタン,ミリスチン酸イソセチル,ミリスチン酸イソプロピル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ミリスチン酸デシル,ミリスチン酸ブチル,ミリスチン酸イソステアリル,メチルフェニルポリシロキサン,ラウリン酸ヘキシル,リシノレイン酸オクチルドデシル,リシノレイン酸セチル,リシノレイン酸テトラヒドロフルフリル,リシノレイン酸メチル,リノール酸,リノール酸イソプロピル,リノール酸エチル,リン酸トリオレイル等が例示される。【0024】IOB値5〜30の油分の中でも特にIOB値6〜20の液状のエステル油が好ましく、その中でも特に、分岐鎖を有するアルキル基を含有し、遊離のカルボン酸残基及びアルコール残基を有さないエステル油が好ましい。例えばコハク酸ジ−2−エチルヘキシル,イソノナン酸イソノニル,イソノナン酸イソトリデシル,ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコールが例示される。このほかに、使用時の伸びの軽さ、ベタツキ感、油性感の点からメチルフェニルポリシロキサンが好ましく用いられる。【0025】IOB値5〜30の油分は、乳化組成物全量中に2〜30重量%配合するのが好ましく、特に5〜20重量%、さらに8〜15重量%配合すると、乳化安定性がより向上する。【0026】本発明においては更に清涼感を増強するために、水相にエタノールを配合することができる。エタノールを配合する場合、乳化組成物全量中に1〜20重量%配合することができ、特に清涼感を高めるためには、3〜20重量%が好ましく、清涼感と乳化安定性を考慮すると5〜10重量%が特に好ましい。【0027】更に、本発明の油中水型乳化組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、上記必須成分以外の通常化粧品、医薬部外品、医薬品などに用いられる各種任意成分を適宜配合することができる。かかる任意成分としては、例えば、ソルビトール,キシリトール,マルチトール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,ポリプロピレングリコールグリセリン,ジグリセリン,ポリグリセリン,ソルビット,ポリエチレングリコール,1,3−ブチレングリコール,コラーゲン,ヒアルロン酸塩等の保湿剤、ビタミンA油,レチノール,酢酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン,酪酸リボフラビン等のビタミンB2類、塩酸ピリドキシン等のビタミンB6類、L−アスコルビン酸,L−アスコルビルリン酸マグネシウム,L−アスコルビン酸ナトリウム等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム,D−パントテニルアルコール,パントテニルエチルエーテル,アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、エルゴカルシフェロール,コレカルシフェロール等のビタミンD類、ニコチン酸,ニコチン酸アミド,ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、α−トコフェロール,酢酸トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンP、ビオチン等のビタミン類、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸,パラアミノ安息香酸エチル,パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシル,ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のメトキシ桂皮酸誘導体類、サリチル酸オクチル,サリチル酸ミリスチル等のサリチル酸誘導体、ウロカニン酸、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤、グアガム,ローカストビーンガム,カラギーナン,クインスシード,ペクチン,マンナン等の植物系天然多糖類、キサンタンガム,デキストラン,カードラン,ヒアルロン酸等の微生物系天然多糖類、ゼラチン,カゼイン,アルブミン,コラーゲン等の動物系高分子、メチルセルロース,エチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピルセルロース,カルボキシメチルセルロース等のセルロース系半合成高分子、可溶性デンプン,カルボキシメチルデンプン,メチルデンプン等のデンプン系半合成高分子、アルギン酸プロピレングリコールエステル,アルギン酸塩等のアルギン酸系半合成高分子、ポリビニルアルコール,ポリビニルピロリドン,カルボキシビニルポリマー,ポリアクリル酸ナトリウム,ポリエチレンオキサイド等の合成高分子、ベントナイト,ラポナイト,コロイダルアルミナ等の無機物系高分子等の水溶性高分子、ジブチルヒドロキシトルエン,ブチルヒドロキシアニソール,没食子酸エステル等の酸化防止剤、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム塩,ポリリン酸ナトリウム,クエン酸,メタリン酸ナトリウム,コハク酸,グルコン酸等の金属イオン封鎖剤、胎盤抽出物,ソウハクヒエキス,グルタチオン,コウジ酸及びその誘導体類,ハイドロキノン配糖体等のハイドロキノン及びその誘導体類等の美白剤、アラントイン,アズレン,ヒドロコルチゾン,ε−アミノカプロン酸等の抗炎症剤、酸化亜鉛,アラントインヒドロキシアルミニウム,塩化アルミニウム,タンニン酸,クエン酸,乳酸等の収れん剤、メントール,カンフル等の清涼化剤、エストラジオール,エストロン,エチニルエストラジオール等の皮脂抑制剤、サリチル酸,レゾルシン等の角質剥離・溶解剤、タルク,セリサイト,マイカ,カオリン,ベントナイト,スメクタイト,バーミキュライト,ナイロン末,ポリエチレン末,無水ケイ酸,アミノ酸粉末,酸化亜鉛,酸化チタン,雲母チタン,酸化マグネシウム,硫酸バリウム,ベンガラ,黄酸化鉄,黒酸化鉄,群青等の粉体成分、ステアリン酸アルミニウムなどのゲル化剤、香料、色素等が配合できる。【0028】本発明の油中水型乳化組成物は、常法に従って製造することができる。また、本発明の対象となる油中水型乳化組成物は、一般の皮膚化粧料に限定されるものではなく、医薬部外品,外用医薬品などを包含するものであり、その剤型もその目的に応じて任意に選択することができ、固形状,クリーム状,軟膏状,乳液状,ゲル状,スティック状とすることができる。【0029】【実施例】本発明の特徴について、実施例により詳細に説明する。【0030】【表1】【0031】表1に示す処方にて本発明の実施例及び比較例を調製した。調製は、70℃で加熱攪拌溶解した油相に、予め70℃に加熱しておいた水相を徐々に添加し、ホモミキサーにて乳化後、室温まで攪拌冷却して行った。【0032】表1に示した実施例及び比較例を用いて、乳化安定性及び使用テストを行った。乳化安定性は、−5℃,40℃及び−5℃〜25℃24時間反復の各恒温槽に1ヶ月保存し、乳化状態を表2に示した基準に従い目視で評価した。使用テストは、女性10名のパネラーの顔面に塗布し、表3に示した項目について評価させた。【0033】【表2】【0034】【表3】【0035】【表4】【0036】【表5】【0037】表4及び表5に、それぞれ乳化安定性テスト及び使用テスト結果を示した。本発明の実施例1〜3は、−5℃,40℃及び−5〜25℃24時間反復の各恒温槽での1ヶ月後の乳化状態は全て良好で、分離,凝集などは認められなかった。それに対して、IOB値5〜30の油分を配合していない比較例1,IOB5〜30の油分のかわりにIOB値が0のスクワランを配合した比較例2は、全ての温度条件で分離が認められ、乳化安定性が良くなかった。さらにグリセリン脂肪酸エステルアジピン酸縮合物のかわりにシリコーン系界面活性剤であるポリオキシエチレンジメチルポリシロキサン共重合体を配合した比較例3においても反復恒温槽における乳化安定性が良くなかった。【0038】使用感においては、実施例1〜3は使用時のべたつきがなく、伸びや清涼感が良好で、しかも経時でのべたつきも気にならない良好な使用感を示した。これに対し、IOB値5〜30の油分のかわりにスクワランを配合した比較例2、及びシリコーン油を配合していない比較例4は、使用時の伸びが重く、清涼感がなく、べたつきが気になり、しかもそのべたつきが残っていた。なお、本発明の実施例使用時に、皮膚に対する刺激性,感作性,光感作性などの悪影響は認められなかった。【0039】製法:(1)〜(4)の油相及び(5)〜(9)の水相成分をそれぞれ75℃に加熱し混合均一化した後、ホモミキサーにて乳化する。冷却後40℃で(10)の成分を添加し、均一化する。【0040】製法:(7)〜(9)の油相を70℃で加熱溶解し、予め70℃に加熱しておいた(1)〜(6)の水相成分を添加し、ホモミキサーにて乳化する。冷却後40℃で(10)の成分を添加し、均一化する。【0041】製法:(1)〜(5)の油相を70℃で加熱溶解し、予め70℃に加熱しておいた(6)〜(8)の水相成分を添加し、ホモミキサーにて乳化し、室温まで攪拌冷却する。【0042】製法:(1)〜(4)の油相及び(5),(6)の水相成分をそれぞれ75℃に加熱し混合均一化した後、ホモミキサーにて乳化後冷却する。【0043】【発明の効果】本発明の油中水型乳化化粧料は、使用感,乳化安定性,安全性が良好で肌に塗布した際の清涼感に優れる。 ジメチルポリシロキサンと、グリセリン脂肪酸エステルアジピン酸縮合物,グリセリン脂肪酸エステルアゼライン酸縮合物,グリセリン脂肪酸エステルセバシン酸縮合物から選択される1種または2種以上のグリセリン脂肪酸エステルジカルボン酸縮合物及びアジピン酸ジイソセチル,アジピン酸ジイソデシル,アジピン酸ジイソブチル,アジピン酸ジイソプロピル,アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル,アセチルリシノール酸メチル,アセチルリシノール酸ブチル,イソステアリルアルコール,イソステアリルグリセリルエーテル,イソステアリン酸,イソステアリン酸イソセチル,イソステアリン酸イソステアリル,イソステアリン酸イソプロピル,イソステアリン酸エチル,イソステアリン酸テトラコサングリコール,イソステアリン酸バチル,イソノナン酸イソデシル,イソノナン酸イソトリデシル,イソノナン酸イソノニル,イソパルミチン酸-2-エチルヘキシル,イソペラルゴン酸-2-エチルヘキシル,オキシステアリン酸-2-エチルヘキシル,2-エチルヘキサン酸イソステアリル,2-エチルヘキサン酸イソセチル,2-エチルヘキサン酸エチル,2-エチルヘキサン酸ステアリル,2-エチルヘキシルドデカノール,オリーブ油アルコール,オレイルアルコール,オレイン酸,オレイン酸イソデシル,オレイン酸エチル,オレイン酸-2-エチルヘキシルドデシル,オレイン酸オレイル,オレイン酸デシル,オレイン酸プロピレングリコール,2-エチルヘキサン酸セチル,カプリル酸セチル,カプロン酸アリル,コハク酸ジ-2-エチルヘキシル,ジイソステアリン酸グリセリル,ジイソステアリン酸ジグリセリル,ジイソステアリン酸プロピレングリコール,ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール,ジ-2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール,ジオレイン酸エチレングリコール,ジオレイン酸プロピレングリコール,ジカプリン酸ネオペンチルグリコール,ジカプリン酸プロピレングリコール,ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル,ステアリン酸イソセチル,ステアリン酸オクチル,セバシン酸ジイソプロピル,セバシン酸ジエチル,セバシン酸ジオクチル,デシルテトラデカノール,テトライソステアリン酸ジグリセリル,テトライソステアリン酸ペンタエリスリット,テトラオクタン酸ペンタエリスリット,トリアセチルリシノール酸グリセリル,トリイソステアリン酸グリセリル,トリイソステアリン酸ジグリセリル,トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン,トリエルシン酸グリセリル,トリオクタン酸グリセリル,トリオクタン酸トリメチロールプロパン,トリオレイン酸ソルビタン,トリカプリン酸グリセリル,トリヘプチルウンデカン酸グリセリル,乳酸オクチルドデシル,乳酸オレイル,乳酸ラウリル,ネオデカン酸オクチルドデシル,ネオペンタン酸イソステアリル,ネオペンタン酸ミリスチル,ハイドロアビエチルアルコール,パルミチン酸イソステアリル,パルミチン酸イソセチル,パルミチン酸イソブチル,パルミチン酸イソプロピル,パルミチン酸オクチル,ヒドロキシステアリン酸コレステリル,ピバリン酸イソステアリル,ピバリン酸イソデシル,ヒマシ油,ヒマシ油脂肪酸メチル,フタル酸ジエチル,フタル酸ジオクチル,フタル酸ジブチル,フタル酸ブチルベンジル,プロピオン酸エイコサニル,ヘキシルデカノール,ヘプチルウンデカノール,ペンタオクタン酸ジグリセロールソルビタン,ミリスチン酸イソセチル,ミリスチン酸イソプロピル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ミリスチン酸デシル,ミリスチン酸ブチル,ミリスチン酸イソステアリル,メチルフェニルポリシロキサン,ラウリン酸ヘキシル,リシノレイン酸オクチルドデシル,リシノレイン酸セチル,リシノレイン酸テトラヒドロフルフリル,リシノレイン酸メチル,リノール酸,リノール酸イソプロピル,リノール酸エチル,リン酸トリオレイルから選択される1種又は2種以上のIOB値が5〜30の範囲にある液状油を必須成分として含有する油相成分と水相成分を乳化してなる油中水型乳化組成物。 メチルポリシロキサンと、グリセリン脂肪酸エステルアジピン酸縮合物,グリセリン脂肪酸エステルアゼライン酸縮合物,グリセリン脂肪酸エステルセバシン酸縮合物から選択される1種または2種以上のグリセリン脂肪酸エステルジカルボン酸縮合物及びメチルフェニルポリシロキサンを必須成分として含有する油中水型乳化組成物。 エタノールを含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の油中水型乳化組成物。


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