タイトル: | 特許公報(B2)_トリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートの製造方法 |
出願番号: | 1996315895 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | C07D 251/34,B01J 31/12,C07B 61/00 |
池田 久男 好田 年成 JP 4088719 特許公報(B2) 20080307 1996315895 19961127 トリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートの製造方法 日産化学工業株式会社 000003986 池田 久男 好田 年成 JP 1996261689 19961002 20080521 C07D 251/34 20060101AFI20080424BHJP B01J 31/12 20060101ALI20080424BHJP C07B 61/00 20060101ALN20080424BHJP JPC07D251/34 EB01J31/12 XC07B61/00 300 C07D 251/34 CA(STN) CASREACT(STN) REGISTRY(STN) 欧州特許出願公開第00733623(EP,A1) 特開昭58−109447(JP,A) 3 1998158252 19980616 14 20030902 榎本 佳予子 【0001】【発明の属する技術分野】本願発明は、電線ワニス、塩化ビニル樹脂の安定剤、塗料用原料、難燃剤などの分野に有用で、高い耐熱性と難燃性を持つトリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートの製造方法に関する。【0002】【従来の技術】従来、シアヌル酸とアルキレンオキシドからトリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートを製造する方法としては、特開昭56−81571号公報では、グリコールや芳香族置換低級アルコール系、メチルエチルケトンやn−プロピルケトン等のケトン類、テトラヒドロフランやジオキサン等のエーテル類の如き反応媒体にシアヌル酸と厳密に秤量されたエチレンオキシドを、水酸化アルカリ、アミン又は4級アンモニウム塩を触媒として付加反応させる製造方法が開示されている。【0003】また、ジャーナル・オブ・ザ・オーガニックケミストリー(28巻、85〜89頁、1963年)には、ジアルキルホルムアミド又はジアルキルアセトアミド中で加圧下又は常圧下にシアヌル酸とアルキレンオキシドを反応させる方法が開示されている。【0004】【発明が解決しようとする課題】上記特開昭56−81571号公報では、反応中に溶媒の一部が塩基性物質に変化し易く生成物の一部が分解して不純物を副生し、精製に困難を生ずるという問題がある。また、シアヌル酸に対するアルキレンオキシド(特に、エチレンオキシド)を当量以上に添加すると急激に収率が低下するという問題がある。【0005】また、上記ジャーナル・オブ・ザ・オーガニックケミストリーに記載の方法では、溶媒自身が低活性の触媒作用を呈する為に通常は他の触媒(例えば塩基性触媒)の存在は必要としないが、N,N’−ジアルキルホルムアミド類を溶媒にする場合、又はジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミドにベンゼンやトルエン等を混合して使用する場合には、シアヌル酸とアルキレンオキシドとの反応速度が著しく低下する。【0006】この様に従来の塩基性触媒ではシアヌル酸に対するアルキレンオキシドの添加量が当量比を越えると分解反応が急激に進む事と、溶媒乾固(溶媒の除去)の加熱状態により若干の分解が起こり、溶媒乾固して得られた製品の純度は不充分である。そのために、それらの物は再結晶法等により精製して製品化する。しかし、再結晶は結晶性の低い物質には適用し難い事や、再結晶法自体が収率の低下、溶媒の回収、溶解・冷却・濾過・乾燥という非常に長い工程となる欠点が有る。【0007】本願発明はシアヌル酸とアルキレンオキシドとを反応してトリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートを製造する方法に関して、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスフィン又は第4級ホスフォニウム塩を触媒として溶媒中で反応させるものである。そして、製造過程に起こるトリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートの分解を抑制し、高純度、高収率で製造する方法を提供するものである。この触媒を使用する本願発明の方法では、驚くべき事にシアヌル酸に対するアルキレンオキシドの添加量を当量以上に加えても収率の低下が見られないばかりか、副反応が少ないため反応液中の溶媒を乾固するだけで非常に高純度の目的物が得られる。特に、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの様な結晶性の高い化合物の場合は、再結晶による精製を行わなくても高純度の粉砕可能な白色結晶を生じるものである。【0008】【課題を解決するための手段】本願発明は、シアヌル酸と式(1):【0009】【化2】【0010】(ただし、R1及びR2は、水素原子又はアルキル基を示す。)で表されるアルキレンオキシドとを、第4級ホスフォニウム塩を触媒として溶媒中で反応させるトリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートの製造方法である。 本願発明で得られるトリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートは、式(2):【0011】【化3】【0012】で表される化合物である。【0013】【発明の実施の形態】本願発明に使用するシアヌル酸(1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオール、C3H3N3O3)は、互変異性体であるイソシアヌル酸と平衡関係にあり、本願発明ではシアヌル酸、イソシアヌル酸又は両者の混合物を使用することが出来る。【0014】本願発明に使用する式(1)で表されるアルキレンオキシドは、R1及びR2は水素原子又はアルキル基である。アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基である。更に上記R1及びR2は、水素原子、メチル基及びエチル基で有ることが好ましい。上記の式(1)で表されるアルキレンオキシドの好ましい例示化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド(即ち、メチルオキシラン)、α−ブチレンオキシド(即ち、1,2−エポキシブタン)、β−ブチレンオキシド(即ち、2,3−ジメチルオキシラン)が挙げられ、これらはそれぞれ単独でシアヌル酸との反応に使用するものである。【0015】上記アルキレンオキシドはシアヌル酸の1.00モルに対して、2.95〜4.00モル、好ましくは3.10〜3.30モルの比率で用いる。シアヌル酸1.00モルに対して、当量比でアルキレンオキシドを反応させる場合は3.00モルのアルキレンオキシドを必要とする。しかし、シアヌル酸1.00モルに対して2.95モル以上3.00モル未満のアルキレンオキシドを反応させる場合はごく少量の未反応物が生成するが、所定の温度と圧力で反応が進行していき、反応の終点を越えた段階でも温度と圧力が反応系に残る場合には、この少量の未反応物は生成物の分解反応を抑制する効果がある。従って、生成物の純度を低下させない範囲で、1.00モルのシアヌル酸に対して2.95モル以上3.00モル未満のアルキレンオキシドを反応させる事は可能である。【0016】本願発明に使用する触媒は、式(3):R3R4R5Pで表されるトリアリールホスフィン、式(4):R6R7R8Pで表されるトリアルキルホスフィン、又は式(5):R9R10R11R12P+Y-で表される第4級ホスフォニウム塩を用いることが出来る。式(3):R3R4R5Pで表されるトリアリールホスフィンにおいて、R3、R4及びR5は炭素数6〜10のアリール基であり、例えばフェニル基、トリル基が挙げられる。R3、R4及びR5の3個のアリール基は、同一の有機基とする事も異なる有機基とする事も出来る。これらトリアリールホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィンが挙げられる。【0017】式(4):R6R7R8Pで表されるトリアルキルホスフィンにおいて、R6、R7及びR8は炭素数2〜10のアルキル基であり、例えばブチル基、ヘキシル基、オクチル基が挙げられる。R6、R7及びR8の3個のアルキル基は、同一の有機基とする事も異なる有機基とする事もできる。これらトリアルキルホスフィンとしては、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィンが挙げられる。【0018】式(5):R9R10R11R12P+Y-で表される第4級ホスフォニウム塩において、R9、R10、R11及びR12は炭素数1〜18のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であるが、好ましくはR9、R10、R11及びR12の4つの有機基の内で3つの有機基がフェニル基又は置換されたフェニル基であり、例えばフェニル基やトリル基を例示することが出来る。また他の1つの有機基は炭素数1〜18のアルキル基又はアラルキル基である。また、陰イオン(Y-)は、塩素イオン(Cl-)、臭素イオン(Br-)、ヨウ素イオン(I-)等のハロゲンイオンや、カルボキシラート(−COO-)、スルホナート(−SO3-)、アルコラート(−O-)等の酸基を挙げることができる。式(4)の第4級ホスフォニウム塩は、例えばハロゲン化テトラn−ブチルホスフォニウム、ハロゲン化テトラn−プロピルホスフォニウム等のハロゲン化テトラアルキルホスフォニウム、ハロゲン化トリエチルベンジルホスフォニウム等のハロゲン化トリアルキルベンジルホスフォニウム、ハロゲン化トリフェニルメチルホスフォニウム、ハロゲン化トリフェニルエチルホスフォニウム等のハロゲン化トリフェニルモノアルキルホスフォニウム、ハロゲン化トリフェニルベンジルホスフォニウム、ハロゲン化テトラフェニルホスフォニウム、ハロゲン化トリトリルモノアリールホスフォニウム、或いはハロゲン化トリトリルモノアルキルホスフォニウム(ハロゲン原子は塩素原子又は臭素原子)が挙げられる。【0019】本願発明に用いる触媒としては、式(5)の第4級ホスフォニウム塩が好ましい。特に、好ましい触媒としては、ハロゲン化トリフェニルメチルホスフォニウム、ハロゲン化トリフェニルエチルホスフォニウム等のハロゲン化トリフェニルモノアルキルホスフォニウム、ハロゲン化トリフェニルベンジルホスフォニウム等のハロゲン化トリフェニルモノアラルキルホスフォニウム、ハロゲン化トリトリルモノメチルホスフォニウム等のハロゲン化トリトリルモノアルキルホスフォニウム(ハロゲン原子は塩素原子又は臭素原子)を例示する事が出来る。【0020】上記のトリアリールホスフィン、トリアルキルホスフィン又は第4級ホスフォニウム塩は、シアヌル酸とアルキレンオキシドの反応における触媒として作用する。トリアリールホスフィン、トリアルキルホスフィン又は第4級ホスフォニウム塩は、シアヌル酸とアルキレンオキシドの合計量に対して0.03〜5重量%の割合で存在させることが好ましい。0.03重量%未満では反応速度の促進が期待できず、また5重量%を越えて添加してもそれ以上の効果は期待できない。【0021】シアヌル酸は殆どの有機溶媒に不溶乃至僅かに溶解する為に、円滑に反応を進行させるため種々の反応媒体が提案されている。例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、脂肪族ニトリル、モルホリン、ジメチルスルホキシド、水、アルコール、グリコール、グリコールエーテル、エーテル、テトラヒドロフラン、アルキレンハライド、ジアルキルカーボネート等がある。【0022】シアヌル酸とアルキレンオキシドを反応させてトリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートを製造する時に、反応終点付近、特に反応終点を越えた段階で分解反応が起こることが知られている。特に溶媒としてジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシドを用いた場合は、分解物が多量に生成し収率も低下する。【0023】溶媒としてアルコール、グリコール、グリコールエーテル、ケトン、エーテル或いは水等が提案されている。これらは溶媒自身がオニウム塩を形成しシアヌル酸のアルキレンオキシド付加体を接触的に分解するような心配はないが、やはり化学量論量のアルキレンオキシドを反応させようとしたり、熱履歴が長い場合は多量の循環使用の出来ない分解物が生成し、安定な操業が困難でしかも純度と収率が向上しない。【0024】本願発明ではグリコールエーテル、即ちセロソルブを溶媒に用いることが純度と収率を向上させる点で好ましい。セロソルブとしては、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−フェノキシエタノールが挙げられる。上記のシアヌル酸とアルキレンオキシドとの反応は、ステンレス製オートクレーブ等の反応容器を用い、1気圧〜10気圧の圧力下で、60〜150℃の温度で、5〜50時間で行うことが出来る。【0025】本願発明において、シアヌル酸とエチレンオキシドを、上記触媒の存在下に反応させることにより、式(6):【0026】【化4】【0027】で表されるトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートが高純度・高収率で生成する。シアヌル酸とプロピレンオキシドを、上記触媒の存在下に反応させることにより、式(7):【0028】【化5】【0029】で表されるトリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートが高純度・高収率で生成する。シアヌル酸とα−ブチレンオキシドを、上記触媒の存在下に反応させることにより、式(8):【0030】【化6】【0031】で表されるトリス(2−ヒドロキシブチル)イソシアヌレートが高純度・高収率で生成する。シアヌル酸とβ−ブチレンオキシドを、上記触媒の存在下に反応させることにより、式(9):【0032】【化7】【0033】で表されるトリス(α−メチル−β−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートが高純度・高収率で生成する。【0034】【実施例】シアヌール酸〔日産化学工業(株)製〕、エチレンオキシド〔市販の試薬〕、プロピレンオキシド〔市販の試薬:メチルオキシラン〕、α−ブチレンオキシド〔大日本インキ化学工業(株):1,2−エポキシブタン〕、トリフェニルエチルホスフォニウムブロマイド〔市販の試薬〕、トリフェニルホスフィン〔市販の試薬〕、トリエチルアミン〔市販の試薬〕、水酸化ナトリウム〔市販の試薬〕、2−メトキシエタノール〔市販の試薬〕、及びジメチルホルムアミド〔市販の試薬〕を準備した。【0035】実施例1オートクレーブにシアヌール酸38.7g(0.3モル)、プロピレンオキシド57.4g(0.99モル)、2−メトキシエタノール150g、トリフェニルエチルホスフォニウムブロマイド1.16gを添加後に窒素置換を行い攪拌しながら直ちに127℃に加熱した油浴に浸してオートクレーブ内液温が120℃に達してから14時間の反応を自生蒸気圧下で行った。反応完結後、温度計を付けたナスフラスコに反応物を移し、バキュームエバポレーターにて溶媒を留去した。最終的には115℃/5torr下で30分間、溶媒を留去して、超高粘稠液体の生成物90gを得た。【0036】得られた生成物を100℃/1torrの減圧条件に2時間保持した。この処理の前後で重量変化が無く、実施例1で得られた生成物中の揮発分は0%であった。得られた生成物の水酸基含量と炭素含量、水素含量、窒素含量と酸価の分析結果は第1表の如くであり、トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートとして同定された。収率は99.0%であった。【0037】【表1】実施例1で得られたトリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートをアセトニトリルで1.0%に溶解・希釈し逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)にて、その純度を測定した。逆相液体クロマトグラフィーは紫外・可視吸光光度検出器にHITACHI(株)製の655Aを用い、測定条件はカラムにDE−413L〔RSpak:Shodex(株)製〕を使用し、イソシアヌール環の特性吸収のある210nmの波長で紫外吸収スペクトルの検出を行った。カラム温度は40℃、流量は1cc/分で測定し、溶離液に水/アセトニトリル=6/1〔vol比〕を用いた。その結果、リテンションタイム6.8分の所に単一の吸収ピークが得られた。【0038】実施例2オートクレーブにシアヌール酸32.3g(0.25モル)、α−ブチレンオキシド59.4g(0.825モル)、2−メトキシエタノール150g、トリフェニルエチルホスフォニウムブロマイド0.75gを添加後に窒素置換を行い攪拌しながら直ちに127℃に加熱した油浴に浸してオートクレーブ内液温が120℃に達してから14時間の反応を自生蒸気圧下で行った。反応完結後、温度計を付けたナスフラスコに反応物を移し、バキュームエバポレーターにて溶媒を留去した。最終的には115℃/5torr下で30分間、溶媒を留去して、超高粘稠液体85.5gを得た。【0039】得られた生成物を100℃/1torrの減圧条件に2時間保持した。この処理の前後で重量変化が無く、実施例2で得られた生成物中の揮発分は0%であった。得られた生成物の水酸基含量と炭素含量、水素含量、窒素含量と酸価の分析結果は第2表の如くであり、トリス(2−ヒドロキシブチル)イソシアヌレートとして同定された。収率は99.0%であった。【0040】【表2】実施例2で得られたトリス(2−ヒドロキシブチル)イソシアヌレートをアセトニトリルで1.0%に溶解・希釈し逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)にて、その純度を測定した。逆相液体クロマトグラフィーは紫外・可視吸光光度検出器にHITACHI(株)製の655Aを用い、測定条件はカラムにDE−413L〔RSpak:Shodex(株)製〕を使用し、イソシアヌール環の特性吸収のある210nmの波長で紫外吸収スペクトルの検出を行った。カラム温度は40℃、流量は1cc/分で測定し、溶離液に水/アセトニトリル=2/3〔vol比〕を用いた。その結果、リテンションタイム3.5分の所に単一の吸収ピークが得られた。【0041】参考例1オートクレーブにシアヌール酸32.3g(0.25モル)、α−ブチレンオキシド59.4g(0.825モル)、2−メトキシエタノール150g、トリフェニルホスフィン0.75gを添加後に窒素置換を行い攪拌しながら直ちに127℃に加熱した油浴に浸してオートクレーブ内液温が120℃に達してから14時間の反応を自生蒸気圧下で行った。反応完結後、温度計を付けたナスフラスコに反応物を移し、バキュームエバポレーターにて溶媒を留去した。最終的には115℃/5torr下で30分間、溶媒を留去して、超高粘稠液体85.0gを得た。【0042】得られた生成物を100℃/1torrの減圧条件に2時間保持した。この処理の前後で重量変化が無く、参考例1で得られた生成物中の揮発分は0%であった。得られた生成物の水酸基含量と炭素含量、水素含量、窒素含量と酸価の分析結果は第3表の如くであり、トリス(2−ヒドロキシブチル)イソシアヌレートとして同定された。収率は98.4%であった。【0043】【表3】表3―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 水酸基含量 炭素含量 水素含量 窒素含量 酸価 (%) (%) (%) (%) (モル/kg)――――――――――――――――――――――――――――――――――――分析値 14.5 52.20 7.9 12.10 0.004理論値 14.78 52.20 7.8 12.20 0――――――――――――――――――――――――――――――――――――参考例1で得られたトリス(2−ヒドロキシブチル)イソシアヌレートをアセトニトリルで1.0%に溶解・希釈し逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)にて、その純度を測定した。逆相液体クロマトグラフィーは紫外・可視吸光光度検出器にHITACHI(株)製の655Aを用い、測定条件はカラムにDE−413L〔RSpak:Shodex(株)製〕を使用し、イソシアヌール環の特性吸収のある210nmの波長で紫外吸収スペクトルの検出を行った。カラム温度は40℃、流量は1cc/分で測定し、溶離液に水/アセトニトリル=2/3〔vol比〕を用いた。その結果、リテンションタイム3.5分の所に単一の吸収ピークが得られた。【0044】実施例3オートクレーブにシアヌル酸38.7g(0.3モル)、エチレンオキシド39.6g(0.9モル)、2−メトキシエタノール150g、トリフェニルエチルホスフォニウムブロマイド0.53gを添加後に窒素置換を行い撹拌しながら直ちに127℃に加熱した湯浴に浸してオートクレーブ内液温が120℃に達してから14時間の反応を自生蒸気圧下で行った。反応完結後、温度計を付けたナスフラスコに反応物を移し、バキュームエバポレーターにて溶媒を留去した。最終的には130℃/5torr下で30分間、溶媒を留去して粉末状の生成物77.5gを得た。得られた生成物を130℃/1torrの減圧条件に2時間保持した。この処理の前後で重量変化がなく、実施例4で得られた生成物中の揮発分は0%であった。また、実施例3で得られた生成物の融点は132〜134℃であった。そして、実施例3で得られた生成物の酸価の分析結果は、0.01モル/kgであった。なお、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの理論酸価は0モル/kgである。【0045】実施例3で得られた生成物をアセトニトリルで1.0%に溶解し逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)にて、その純度を測定した。逆相液体クロマトグラフィーは紫外・可視吸光光度検出器にHITACHI(株)製の655Aを用い、測定条件はカラムにDE−413L〔RSpak:Shodex(株)製〕を使用し、イソシアヌール環の特性吸収のある210nmの波長で紫外吸収スペクトルの検出を行った。カラム温度は40℃、流量は1cc/分で測定し、溶離液に水/アセトニトリル=9/1〔vol比〕を用いた。その結果、リテンションタイム5.2分の所に吸収ピークが得られた。【0046】一方、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの標準試料として、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート〔日産化学工業(株)製〕を2回再結晶して精製した物を用いた。この2回再結晶品は元素分析で理論値と一致した。この標準試料は同一条件でRPLC測定を行い、リテンションタイム5.2分に吸収ピークが得られた。実施例3で得られたリテンションタイム5.2分のピーク面積と、標準試料のリテンションタイム5.2分のピーク面積とを比較して、実施例3の純度を求めると98%であった。【0047】なお、市販試薬のトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートも上記と同じ測定条件でRPLC測定を行うとリテンションタイム5.2分に吸収ピークが得られた。実施例3で得られた生成物は、溶媒の留去時の加熱により生成物は高温粘稠液体であるが、高純度のため室温に冷却するだけで容易に生成物の固化が可能であり、その固化品は硬く脆い為に容易に微粉末に粉砕する事ができた。【0048】実施例4オートクレーブにシアヌル酸38.7g(0.3モル)、エチレンオキシド43.6g(0.99モル)、2−メトキシエタノール150g、トリフェニルエチルホスフォニウムブロマイド0.53gを添加後に窒素置換を行い撹拌しながら直ちに127℃に加熱した湯浴に浸してオートクレーブ内液温が120℃に達してから14時間の反応を自生蒸気圧下で行った。反応完結後、温度計を付けたナスフラスコに反応物を移し、バキュームエバポレーターにて溶媒を留去した。最終的には130℃/5torr下で30分間、溶媒を留去して粉末状の生成物77.5gを得た。得られた生成物を130℃/1torrの減圧条件に2時間保持した。この処理の前後で重量変化がなく、実施例5で得られた生成物中の揮発分は0%であった。また、実施例5で得られた生成物の融点は132〜135℃であった。そして、実施例4で得られた生成物の酸価の分析結果は、0.005モル/kgであった。なお、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの理論酸価は0モル/kgである。【0049】実施例4で得られた生成物をアセトニトリルで1.0%に溶解し逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)にて、その純度を測定した。逆相液体クロマトグラフィーは紫外・可視吸光光度検出器にHITACHI(株)製の655Aを用い、測定条件はカラムにDE−413L〔RSpak:Shodex(株)製〕を使用し、イソシアヌール環の特性吸収のある210nmの波長で紫外吸収スペクトルの検出を行った。カラム温度は40℃、流量は1cc/分で測定し、溶離液に水/アセトニトリル=9/1〔vol比〕を用いた。その結果、リテンションタイム5.2分の所に吸収ピークが得られた。【0050】一方、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの標準試料として、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート〔日産化学工業(株)製〕を2回再結晶して精製した物を用いた。この2回再結晶品は元素分析で理論値と一致した。この標準試料は同一条件でRPLC測定を行い、リテンションタイム5.2分に吸収ピークが得られた。実施例4で得られたリテンションタイム5.2分のピーク面積と、標準試料のリテンションタイム5.2分のピーク面積とを比較して、実施例4の純度を求めると99%であった。【0051】なお、市販試薬のトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートも上記と同じ測定条件でRPLC測定を行うとリテンションタイム5.2分に吸収ピークが得られた。実施例4で得られた生成物は、溶媒の留去時の加熱により生成物は高温粘稠液体であるが、高純度のため室温に冷却するだけで容易に生成物の固化が可能であり、その固化品は硬く脆い為に容易に微粉末に粉砕する事ができた。【0052】比較例1オートクレーブにシアヌール酸38.7g(0.3モル)、プロピレンオキシド57.4g(0.99モル)、2−メトキシエタノール150g、トリエチルアミン1.16gを添加後に窒素置換を行い攪拌しながら直ちに127℃に加熱した油浴に浸してオートクレーブ内液温が120℃に達してから14時間の反応を自生蒸気圧下で行った。反応完結後、温度計を付けたナスフラスコに反応物を移し、バキュームエバポレーターにて溶媒を留去した。最終的には115℃/5torr下で30分間、溶媒を留去して、粘稠液体90.0gを得た。【0053】比較例1で得られた粘稠液体をアセトニトリルで1.0%に溶解・希釈し逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)測定を行った。逆相液体クロマトグラフィーは紫外・可視吸光光度検出器にHITACHI(株)製の655Aを用い、測定条件はカラムにDE−413L〔RSpak:Shodex(株)製〕を使用し、イソシアヌール環の特性吸収のある210nmの波長で紫外吸収スペクトルの検出を行った。カラム温度は40℃、流量は1cc/分で測定し、溶離液に水/アセトニトリル=6/1〔vol比〕を用いた。その結果、リテンションタイム6.8分の所に吸収ピークが存在しなかったので、トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートの生成は確認されなかった。【0054】比較例2オートクレーブにシアヌール酸32.3g(0.25モル)、α−ブチレンオキシド59.4g(0.825モル)、2−メトキシエタノール150g、トリエチルアミン0.75gを添加後に窒素置換を行い攪拌しながら直ちに127℃に加熱した油浴に浸してオートクレーブ内液温が120℃に達してから14時間の反応を自生蒸気圧下で行った。反応完結後、温度計を付けたナスフラスコに反応物を移し、バキュームエバポレーターにて溶媒を留去した。最終的には115℃/5torr下で30分間、溶媒を留去して、粘稠液体の反応生成物85gを得た。【0055】比較例2で得られた粘稠液体をアセトニトリルで1.0%に溶解・希釈し逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)測定を行った。逆相液体クロマトグラフィーは紫外・可視吸光光度検出器にHITACHI(株)製の655Aを用い、測定条件はカラムにDE−413L〔RSpak:Shodex(株)製〕を使用し、イソシアヌール環の特性吸収のある210nmの波長で紫外吸収スペクトルの検出を行った。カラム温度は40℃、流量は1cc/分で測定し、溶離液に水/アセトニトリル=2/3〔vol比〕を用いた。その結果、リテンションタイム3.5分の所に吸収ピークが存在しなかったので、トリス(2−ヒドロキシブチル)イソシアヌレートの生成は確認されなかった。【0056】比較例3オートクレーブにシアヌール酸32.3g(0.25モル)、α−ブチレンオキシド59.4g(0.825モル)、2−メトキシエタノール150gを添加後に窒素置換を行い攪拌しながら直ちに127℃に加熱した油浴に浸してオートクレーブ内液温が120℃に達してから14時間の反応を自生蒸気圧下で行った。反応完結後、温度計を付けたナスフラスコに反応物を移し、バキュームエバポレーターにて溶媒を留去した。最終的には115℃/5torr下で30分間、溶媒を留去して、粘稠液体の反応生成物85gを得た。【0057】比較例3で得られた粘稠液体をアセトニトリルで1.0%に溶解・希釈し逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)測定を行った。逆相液体クロマトグラフィーは紫外・可視吸光光度検出器にHITACHI(株)製の655Aを用い、測定条件はカラムにDE−413L〔RSpak:Shodex(株)製〕を使用し、イソシアヌール環の特性吸収のある210nmの波長で紫外吸収スペクトルの検出を行った。カラム温度は40℃、流量は1cc/分で測定し、溶離液に水/アセトニトリル=2/3〔vol比〕を用いた。その結果、リテンションタイム3.5分の所に吸収ピークが存在しなかったので、トリス(2−ヒドロキシブチル)イソシアヌレートの生成は確認されなかった。【0058】比較例4オートクレーブにシアヌール酸38.7g(0.3モル)、プロピレンオキシド57.4g(0.99モル)、ジメチルホルムアミド150g、水酸化ナトリウム0.6gを添加後に窒素置換を行い攪拌しながら直ちに127℃に加熱した油浴に浸してオートクレーブ内液温が120℃に達してから14時間の反応を自生蒸気圧下で行った。反応完結後、温度計を付けたナスフラスコに反応物を移し、バキュームエバポレーターにて溶媒を留去した。最終的には115℃/5torr下で30分間、溶媒を留去して、粘稠液体の反応生成物90gを得た。【0059】比較例4で得られた粘稠液体をアセトニトリルで1.0%に溶解・希釈し逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)測定を行った。逆相液体クロマトグラフィーは紫外・可視吸光光度検出器にHITACHI(株)製の655Aを用い、測定条件はカラムにDE−413L〔RSpak:Shodex(株)製〕を使用し、イソシアヌール環の特性吸収のある210nmの波長で紫外吸収スペクトルの検出を行った。カラム温度は40℃、流量は1cc/分で測定し、溶離液に水/アセトニトリル=6/1〔vol比〕を用いた。その結果、リテンションタイム6.8分の所に吸収ピークが存在しなかったので、トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレートの生成は確認されなかった。【0060】比較例5オートクレーブにシアヌル酸38.7g(0.3モル)、エチレンオキシド39.6g(0.9モル)、2−メトキシエタノール150g、トリエチルアミン0.75gを添加後に窒素置換を行い撹拌しながら直ちに127℃に加熱した湯浴に浸してオートクレーブ内液温が120℃に達してから14時間の反応を自生蒸気圧下で行った。反応完結後、温度計を付けたナスフラスコに反応物を移し、バキュームエバポレーターにて溶媒を留去した。最終的には130℃/5torr下で30分間、溶媒を留去して粉末状の生成物78gを得た。また、実施例5で得られた生成物の融点は120〜130℃であった。【0061】比較例5で得られた生成物をアセトニトリルで1.0%に溶解し逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)にて、その純度を測定した。逆相液体クロマトグラフィーは紫外・可視吸光光度検出器にHITACHI(株)製の655Aを用い、測定条件はカラムにDE−413L〔RSpak:Shodex(株)製〕を使用し、イソシアヌール環の特性吸収のある210nmの波長で紫外吸収スペクトルの検出を行った。カラム温度は40℃、流量は1cc/分で測定し、溶離液に水/アセトニトリル=9/1〔vol比〕を用いた。その結果、リテンションタイム5.2分の所に吸収ピークが得られ、更に他の生成物の存在を示す吸収ピークもリテンションタイム5.2分以外の所に得られた。【0062】一方、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの標準試料として、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート〔日産化学工業(株)製〕を2回再結晶して精製した物を用いた。この2回再結晶品は元素分析で理論値と一致した。この標準試料は上記と同じ測定条件でRPLC測定を行い、リテンションタイム5.2分に吸収ピークが得られた。比較例5で得られたリテンションタイム5.2分のピーク面積と、標準試料のリテンションタイム5.2分のピーク面積とを比較して、比較例5の純度を求めると85%であった。【0063】比較例5で得られた生成物は、溶媒の留去時の加熱により生成物は高温粘稠液体であるが、室温に冷却してもそれ自体の純度が低いために生成物が固化するのに長時間を要した。また、得られた固化体は粉砕出来る程度の硬さではなかったので微粉末に粉砕する事が難しかった。比較例6オートクレーブにシアヌル酸38.7g(0.3モル)、エチレンオキシド43.6g(0.99モル)、2−メトキシエタノール150g、トリエチルアミン0.75gを添加後に窒素置換を行い撹拌しながら直ちに127℃に加熱した湯浴に浸してオートクレーブ内液温が120℃に達してから14時間の反応を自生蒸気圧下で行った。反応完結後、温度計を付けたナスフラスコに反応物を移し、バキュームエバポレーターにて溶媒を留去した。最終的には130℃/5torr下で30分間、溶媒を留去して粉末状の生成物78gを得た。【0064】比較例6で得られた生成物をアセトニトリルで1.0%に溶解し逆相液体クロマトグラフィー(RPLC)にて、その純度を測定した。逆相液体クロマトグラフィーは紫外・可視吸光光度検出器にHITACHI(株)製の655Aを用い、測定条件はカラムにDE−413L〔RSpak:Shodex(株)製〕を使用し、イソシアヌール環の特性吸収のある210nmの波長で紫外吸収スペクトルの検出を行った。カラム温度は40℃、流量は1cc/分で測定し、溶離液に水/アセトニトリル=9/1〔vol比〕を用いた。その結果、リテンションタイム5.2分の所に吸収ピークが得られ、更に他の生成物を示す吸収ピークもリテンションタイム5.2分以外の所に得られた。【0065】一方、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートの標準試料として、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート〔日産化学工業(株)製〕を2回再結晶して精製した物を用いた。この2回再結晶品は元素分析で理論値と一致した。この標準試料は上記と同じ測定条件でRPLC測定を行い、リテンションタイム5.2分に吸収ピークが得られた。比較例6で得られたリテンションタイム5.2分のピーク面積と、標準試料のリテンションタイム5.2分のピーク面積とを比較して、比較例6の純度を求めると50%であった。【0066】比較例6で得られた生成物は、溶媒の留去時の加熱により生成物は高温粘稠液体であるが、室温に冷却してもそれ自体の純度が低いために生成物の固化体を得ることが難しく、室温でも高粘稠の液体となり、微粉末は得られなかった。そして融点の測定は困難であった。【0067】【発明の効果】本願発明ではシアヌール酸とアルキレンオキシドから、トリアリールホスフィン、トリアルキルホスフィン又は第4級ホスフォニウム塩を触媒として高純度・高収率でトリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートを得ることが出来る。【0068】本願発明で得られる一般式(2)で示されるトリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートは多価アルコール化合物であり、1分子中に3個の水酸基を有し、更に分子中に剛直なイソシアヌール環を有する事から、ポリウレタン原料等に使用した場合は高い耐熱性を有するポリウレタンが得られる。また、一般式(2)で示される多価アルコール化合物においてR1、R2が水素原子以外である場合は、R1、R2のアルキル基の効果によりポリプロピレンとの相溶性がよく、しかも難燃効果に有効なイソシアヌール環を有しているのでポリプロピレン等のプラスチックに添加して高い難燃効果が得られる。【0069】本願発明の方法では、トリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートが高純度で得られる為に、溶媒の留去時は加熱により生成物は高温粘稠液体であるが、高純度で得られる為に室温に冷却するだけで容易に固化が可能であり、その固化品は硬く脆い為に容易に微粉末に粉砕する事ができる。また、本発明で得られるトリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートは、感光性樹脂原料、ハンダフラックス、或いは電子材料用途に用いるワニスの増粘剤として使用する事が出来る。一般式(2)で示されるトリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートは耐熱性、相溶性が良好な為に、ポリエステル及びポリウレタンの原料として使用する事や、各種プラスチック用難燃剤等の分野に利用する事が出来る。 シアヌル酸と式(1):(ただし、R1及びR2は、水素原子又はアルキル基を示す。)で表されるアルキレンオキシドとを、第4級ホスフォニウム塩を触媒として溶媒中で反応させるトリス(2−ヒドロキシアルキル)イソシアヌレートの製造方法。 式(1)で表されるアルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、α−ブチレンオキシド、又はβ−ブチレンオキシドである請求項1に記載の製造方法。 第4級ホスフォニウム塩を、シアヌル酸と式(1)で表されるアルキレンオキシドの合計量に対して0.03〜5重量%の割合で存在させる請求項1又は請求項2に記載の製造方法。