生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_青色合成マイカ及び該合成マイカの製造方法
出願番号:1996281593
年次:2005
IPC分類:7,C01B33/42,A61K7/00,A61K7/02,A61K7/025,C08K3/34,C08L101/00,C09D7/12,C09D11/02


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高尾 裕次 山本 勝 石川 智仁 JP 3680138 特許公報(B2) 20050527 1996281593 19961004 青色合成マイカ及び該合成マイカの製造方法 トピー工業株式会社 000110251 稲垣 仁義 100080274 高尾 裕次 山本 勝 石川 智仁 20050810 7 C01B33/42 A61K7/00 A61K7/02 A61K7/025 C08K3/34 C08L101/00 C09D7/12 C09D11/02 JP C01B33/42 A61K7/00 B A61K7/02 N A61K7/025 C08K3/34 C08L101/00 C09D7/12 Z C09D11/02 7 C01B 33/20-39/54 JSTPlus(JOIS) 特開平01−275665(JP,A) 特開平07−258031(JP,A) 特開昭58−164653(JP,A) 特開昭59−126468(JP,A) 特開昭60−184570(JP,A) 6 1998114515 19980506 5 20020829 西山 義之 【0001】【発明の属する技術分野】この発明は、還元されたチタンを含有し、青色を呈する新規合成マイカ、その製造方法及び該合成マイカを配合した化粧料、塗料、プラスチック及びインキに関するものである。【0002】【従来の技術】合成マイカは、塗料、化粧料、プラスチック及びインキ等の基材として、広範な用途に利用されている。合成マイカは、耐熱性が高く、不純物を含まず、白色性が高い等の特徴を有する。【0003】一方、合成マイカは、各種元素を添加することにより、着色した合成マイカが得られることが知られている。粘土ハンドブックには、金属元素を含有するマイカの色彩として、Coを四面体位置−青色,八面体位置−ピンク、Ni−帯緑黄色、Mn−濃紫褐色、FeII−褐色、FeIII−銀灰色、Cr−褐色、Cu−薄い褐色と記載されている。このように、青色の合成マイカとしては、従来Coを含む合成マイカしか知られていない。また、“工業化学雑誌,第65巻第4号,第503頁,1962年”には、チタン含有合成マイカの色は、灰色と記載されている。【0004】【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記Coを含む合成マイカの青色は、発色が弱い欠点があり、更に強く青色に発色する合成マイカが、強く求められている。この発明は、強く青色に発色する合成マイカを提供することを目的とする。【0005】【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意研究の結果、チタンを含有する合成マイカは、灰色であるが、これを還元雰囲気中で合成することにより、強い青色に発色する合成マイカが得られるという驚くべき事実を見いだし、本発明に到達した。【0006】 即ち本発明は、還元されているチタンを結晶構造中に含有し、青色を呈することを特徴とする。 本発明の構成による合成マイカが、強く青色に発色する理由は、理論的に充分解明されていない。しかしながら、本発明の構成により還元されたチタンが、合成マイカの結晶構造中で、何らかの光吸収作用を起こし、青色を呈するものと考えられる。【0007】【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明する。本発明の合成マイカとしては、例えば、フッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母、フッ素テニオライト及びこれらの同形置換体のようなフッ素雲母が好適に使用できるが、特にフッ素金雲母を使用するのが好ましい。本発明の合成マイカの製法自体は、溶融合成、水熱合成、固相反応などいずれでも良いが、結晶性が良好であるという理由で特に溶融合成法が好ましい。溶融合成法としては、坩堝法、内熱式溶融法のいずれでも良い溶融温度は、1300℃〜1600℃程度で行えば良い。【0008】本発明においては、合成マイカ製造原料中に、チタンを配合させる必要があるが、合成マイカ製造原料中のチタンの含有量は、得たい青色の濃度により、1〜15重量%とすればよい。【0009】本発明においては、合成マイカ製造原料の溶融時に、還元性雰囲気とする必要がある。これは、溶融時に還元性ガスを注入したり、カ−ボン、ロッシエル塩、酸化第1スズ等の還元剤を添加すれば良い。内熱式溶融法では、カ−ボン電極を使用すれば、還元性となるので、更に好ましい。還元剤の量及び還元条件は、目的とする青色の濃さに応じて、適宜選択すれば良い。還元が進むにつれ、合成マイカの青色はより濃色になり、更に還元が進むと黒青色となる。【0010】溶融後、常法により冷却し、結晶化させることにより、青色の合成マイカが得られる。冷却時には、徐冷のため、断熱鋳型を用いても良い。本発明の合成マイカの青色の幅を広げるため、他の着色元素、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、セリウム、ニオブ、ホルミウム、マンガン、クロム、プルセオジム、インジウム、バナジウム、ネオジウム、エルビウム等を含有させても良い。【0011】本発明の合成マイカは、従来の合成マイカと同様にして、各種塗料に混合して塗料組成物としたり、各種プラスチックに練り込んで独特の青色を発現したプラスチックとしたり、化粧品等の着色剤としたり、インキの着色剤とすることができる。【0012】フッ素を含有する合成マイカを化粧品の用途に使用する場合には、フッ素の溶出量を基準値以下とするため、熱処理している。本発明の合成マイカを熱処理すると、酸化されて青色が消えるので、還元雰囲気中で熱処理すると良い。【0013】【実施例】次に、実施例、比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。実施例1ケイフッ化カリウム18.2重量%、炭酸カリウム4.7重量%、酸化マグネシウム28.2重量%、酸化アルミニウム11.9重量%及び二酸化ケイ素37.0重量%からなる調合物100重量部に、酸化チタン5重量部を加えて、十分混合した。この混合物を、アルミナルツボに入れ、更にカ−ボン片を加え、蓋をして、電気炉中1450℃で溶融後、炉内冷却し、チタンを3重量%含有する青色の合成マイカを得た。更に、この青色合成マイカ結晶を、ボ−ルミルで平均粒子径20μmに微粉化し、青色マイカ粉を得た。【0014】比較例1ケイフッ化カリウム18.2重量%、炭酸カリウム4.7重量%、酸化マグネシウム28.2重量%、酸化アルミニウム11.9重量%及び二酸化ケイ素37.0重量%からなる調合物100重量部に、酸化チタン5重量部を加えて、十分混合した。この混合物を、アルミナルツボに入れ、蓋をして、電気炉中1450℃で溶融後、炉内冷却し、チタンを3重量%含有する灰色の合成マイカを得た。【0015】実施例2:塗料実施例1で得た本発明の青色マイカ粉を、熱硬化性アクリルメラミン樹脂(大日本インキ製、アクリデイック47ー712とス−パ−ベッカミンG821ー60の重量比7:3の混合物)に約10重量%混合し、黒エナメル(日本ペイント社製、ス−パ−ラックF−47)を下塗した鋼板にスプレーし、ウエットオンウエットで熱硬化性アクリルメラミン樹脂(大日本インキ製、アクリデイック44ー179とス−パ−ベッカミンL117−60の重量比7:3の混合物)トップクリヤ−をスプレ−して、140℃で18分間焼付けた。得られた塗膜は、深みのある青色を示した。【0016】実施例3:プラスチック実施例1で得た本発明の青色マイカ粉5部を、塩化ビニ−ル樹脂約100部、ジオクチルフタレ−ト40部及びステアリン酸亜鉛3部と混合して、165℃に加熱した混練二本ロ−ルで3分間処理し、これを0.5mmの厚さのシ−トに成型した。透明の深みのある青色塩化ビニ−ルシ−トを得た。【0017】実施例4:化粧料(口紅)次の組成から口紅を製造した。実施例1で得た青色マイカ粉 15部赤色226号 1部香料 0.5部口紅基材 83.5部但し、上記口紅基材としては、下記のものを配合して使用した。密ろう 15部セチルアルコ−ル 3部ラノリン 15部ひまし油 62部流動パラフイン 5部このようにして製造した口紅は、青色の鮮やかな色彩を示した。【0018】実施例5:化粧料(フアンデ−ションクリ−ム)実施例1で得た青色マイカ粉 20部流動パラフイン 25部ワセリン 5部イソプロピルミリステ−ト 5部ステアリン酸 2部POE(25)モノステアレ−ト 2部黄酸化鉄 2部ベンガラ 1部タルク 5部プロピレングリコ−ル 5部グリセリン 5部香料 0.5部精製水 22.5部上記処方物を、75〜80℃で均一に溶解・混合した後、30℃まで冷却し、製品とした。この製品は、青みがあり、肌の黄身を隠す効果があるほか、鮮明度が高く、展延性に富むため大変化粧し易かった。【0019】実施例6:インキグラビアインキメジウム100部に対し、実施例1で得た青色マイカ粉15部を加え、十分混合してグラビアパ−ルインキを調合した。このインキを用いて印刷した印刷紙は、青みの優れた高級感に満ちた色を示した。【0020】【効果】以上述べたごとく、本発明によれば、チタン含有合成マイカとしては、従来公知のマイカとは、全く別異の青色を呈すると共に、Coを含有する従来の青色合成マイカと比べて、強い青色に発色するから、塗料、プラスチック、インキ、化粧品等に適用することによって、全く新しい意匠を創造できる。 還元されているチタンを結晶構造中に含有し、青色を呈することを特徴とする合成マイカ。 チタンを配合した合成マイカ製造原料を、還元性ガスの導入及び/又は還元剤の添加による還元雰囲気中で溶融合成することを特徴とする青色合成マイカの製造方法。 還元されているチタンを結晶構造中に含有し、青色を呈する合成マイカを配合したことを特徴とする化粧料。 還元されているチタンを結晶構造中に含有し、青色を呈する合成マイカを配合したことを特徴とする塗料。 還元されているチタンを結晶構造中に含有し、青色を呈する合成マイカを配合したことを特徴とするプラスチック。 還元されているチタンを結晶構造中に含有し、青色を呈する合成マイカを配合したことを特徴とするインキ。


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