タイトル: | 特許公報(B2)_特定の結晶化形態のジルパテロール塩酸塩、その製造方法及び使用される中間体物質 |
出願番号: | 1996171669 |
年次: | 2009 |
IPC分類: | C07D 487/04,A61K 31/55,A23K 1/16,A61P 3/00 |
イブ・シェブルモン ジャンイブ・ゴダール JP 4249273 特許公報(B2) 20090123 1996171669 19960612 特定の結晶化形態のジルパテロール塩酸塩、その製造方法及び使用される中間体物質 ヘキスト・ルセル・ヴェト・ソシエテ・アノニム 501272834 倉内 基弘 100067817 風間 弘志 100085774 イブ・シェブルモン ジャンイブ・ゴダール FR 95-06966 19950613 20090402 C07D 487/04 20060101AFI20090312BHJP A61K 31/55 20060101ALN20090312BHJP A23K 1/16 20060101ALN20090312BHJP A61P 3/00 20060101ALN20090312BHJP JPC07D487/04 150A61K31/55A23K1/16 302A61P3/00 171 C07D 487/04 A23K 1/16 A61K 31/33〜33/44 A61P 3/00 CAplus(STN) REGISTRY(STN) MEDLINE(STN) BIOSIS(STN) EMBASE(STN) WPIDS(STN) JSTPlus(JDreamII) JMEDPlus(JDreamII) JST7580(JDreamII) 特開昭59−130289(JP,A) 特開昭63−190834(JP,A) 欧州特許出願公開第00197188(EP,A1) 特開昭63−056256(JP,A) 特開昭58−086046(JP,A) 6 1997003069 19970107 10 20030513 當麻 博文 【0001】【発明の属する技術分野】この発明は、特定の結晶化形態のジルパテロール塩酸塩(Zilpaterol hydrochloride)、その製造方法及び使用される中間体物質に関する。【0002】【従来の技術】ジルパテロール塩酸塩{(6RS,trans)−6−(1−メチルエチル)アミノ−7−ヒドロキシ−4,5,6,7−テトラヒドロイミダゾ[5,4,1−j,k][1]ベンゾアゼピン−2(1H)−オンの塩酸塩}は、その生物学的活性について知られた物質であって、例えばフランス特許第2608046号に記載のように動物を飼育させるのに使用することができる。ジルパテロール塩酸塩は、動物、例えば牛や豚を飼育させる際に体重増加及び肉の品質を向上させることができる。従って、ジルパテロール塩酸塩は動物用の飼料又はかいばに添加することができる。まず、プレミックスを調製し、次いでこれを飼料に配合することができる。有用なプレミックス調製法は、例えば、ヨーロッパ特許出願第197188号に記載の方法を使用することによってジルパテロール塩酸塩をコーンコブ(corn cobs )に付着させることからなる。従って、活性成分の粒子は、この支持体の大きさよりも小さくなければならない。300〜800μの間の大きさを有するコーンコブにジルパテロール塩酸塩を付着させるためには、この活性成分の粒子の全部が300μ以下の大きさを有すること及びその大部分が50〜200μの間の大きさを有することが望ましい。また、活性成分の粒子は、粉塵の問題を回避したいと望むならば微細すぎないことが望ましい。【0003】【発明が解決しようとする課題】活性成分の粒子があまりにも微細であり且つ粉塵の形態で現れると、使用者にとって衛生上の問題があり、彼は、例えば、活性成分が肺胞に浸入したときには刺激を受け、被毒さえするであろう。さらに、環境に対して深刻な問題がある。従って、上記のような基準に対応する好適な粒度学的形態でジルパテロール塩酸塩を得ることが望ましかった。【0004】【課題を解決するための手段】発明の概要従って、本発明の主題は、結晶化形態の無水ジルパテロール塩酸塩であって、15μ以下の大きさの結晶を5%未満の量で含有し、結晶の残部が250μ以下の大きさを有することを特徴とする結晶化形態の無水ジルパテロール塩酸塩にある。【0005】【発明の実施の形態】また、本発明の主題は、(1)50℃以上の温度で過飽和のジルパテロール塩酸塩の水溶液又は水−エチルアルコール混合物溶液を調整し、(2)このようにして得られた過飽和の溶液を冷却して一水化物の結晶化を達成し、(3)温度を20℃以下に低下させて三水化物の結晶化を達成し、(4)乾燥を行い、このようにして微結晶生成物を無水形態で得ることを特徴とする、結晶化形態の無水ジルパテロール塩酸塩の製造方法にある。また、本発明の主題は、無水ジルパテロール塩酸塩を30℃以下の水に溶解し、ジルパテロール塩酸塩の飽和水溶液とし、これよりジルパテロール塩酸塩を三水化物として自然に再結晶させることを特徴とする別の製造方法にある。さらに、本発明は、ジルパテロール塩酸塩を60〜100℃の最小容積の温水に溶解し、この溶液を、20℃の温度で撹拌し且つ三水化物の種結晶を予め播種したジルパテロール塩酸塩の飽和水−アルコール混合物溶液中に注入し、このようにして三水化物を得、これを乾燥して所望の化合物を得ることを特徴とする、別の製造方法にある。【0006】以下に記載の実験の部は、本発明の製造方法の好ましい条件を示すものである。ジルパテロール塩酸塩の一水化物は新規な化学物質であって、それ自体本発明の主題をなす。また、ジルパテロール塩酸塩の三水化物も新規な物質であり、本発明の主題をなす。【0007】【実施例】下記の実施例は本発明を例示するものであって、それを何ら制限するものではない。【0008】製造例1400gのジルパテロール塩酸塩、480mLの水及び240mLのエタノールを反応器に一度に導入する。この懸濁液を70℃に加熱し、15分後に完全な溶解が得られた。次いで、この溶液を45℃に冷却し、一水化物の形態の結晶化の開始から30分間この温度に保持する。一水化物の特徴である針状結晶化は、光学顕微鏡による簡単な検査によって証明することができる。次いで、この懸濁液を10℃まで35分間で定常的に冷却する。このようにして得られた粘稠な懸濁液に0.2gの微粉砕した三水化物形態(H2 O=13%、粒子の97%が<10μ)を播種する。この懸濁液を10℃で、一水化物形態から三水化物形態までの変換が終了するまで撹拌する。粒状結晶化及び針状結晶の不存在は、光学顕微鏡を使用して証明することができる。この変換の時間は5〜17時間の間である。次いで、懸濁液を30℃に16時間加熱し、次いで0℃まで2時間にわたり定常的に冷却する。0℃で2時間接触させた後に、生成物を分離し、33%のエタノールを含有する100mLの水により洗浄する。結晶を20℃で減圧(15トール)下に16時間乾燥し、次いで60℃でさらに減圧下にペレット状のカリウムの存在下に24時間乾燥する。次いで、乾燥生成物を0.6mmの篩に通す。このようにして、358mgの微結晶化したジルパテロール塩酸塩(水=0.4%、エタノール=0.05%、粒子の大きさ:3%<15μ、93%<200μ、100%<245μ)を得た。【0009】製造例2反応器に200mLの水を導入し、30℃に加熱する。160gの棒状の無水ジルパテロール塩酸塩を迅速に添加する。ほとんど完全な溶解が達成される。約10分後に、結晶化が自然に発生する。光学顕微鏡による結晶の観察から、そのものが全く三水化物の形態(顆粒状の結晶)であることが示された。30℃で1時間30分接触させた後に、懸濁液を0℃まで1時間わたり定常的に冷却し、次いで0℃で2時間撹拌する。生成物を分離し、次いで母液を40mLの水で洗浄することにより置き換える。生成物を製造例1の条件で乾燥する。このようにして、144gの微結晶化したジルパテロール塩酸塩を得た。これを三次元振動機の上に置いたステンレス鋼製篩セットで篩わけする。50μの篩上に残ったものとして137gの生成物(水=0.65%、粒子の大きさ:1%<15μ、92%<200μ、99%<250μ)を回収した。【0010】製造例3反応器において30gのジルパテロール塩酸塩を50%の水を含む300mLのエタノールに溶解する。この溶液を+15℃に冷却し、次いで4gの粉砕した三水化物(H2 O=11.8%、粒子の大きさ:60%<50μ)を播種する。次いで、約85℃に保持した50%の水を含む300mLのエタノールに210gのジルパテロール塩酸塩を溶解してなる溶液を+15℃で撹拌しながら3時間にわたり定常的に添加する。次いで、懸濁液を+27℃に加熱し、27℃で20時間撹拌する。次いで、この懸濁液を0℃まで1時間30分にわたり定常的に冷却し、0℃で2時間撹拌する。次いで、懸濁液を分離し、母液を50%の水を含む80mLのエタノールにより0℃で洗浄することにより置き換える。単離された結晶を製造例1の条件下で減圧乾燥する。215gの微結晶化したジルパテロール塩酸塩(水=1.3%、粒子の大きさ:4%<15μ、90%<200μ、99%<250μ)を集めた。【0011】物理−化学的特性赤外スペクトルそれぞれの多形の特性吸収帯を以下の表1に示す。【表1】【0012】示差熱分析それぞれの多形は、示差測熱分析(DCA)によるその挙動によって特徴づけられた。それぞれの多形のDCA特性を以下の表2に示す。【表2】【0013】粉末のX線回折図形波長λ=1.54Åで銅のKα線を使用して回折図形を得た。以下の表3において、D及びI/I1 は、それぞれ格子間隔及び相対強度を表わす。それぞれの多形のX線特性を以下の表3に示す。【表3】【0014】X線回折を使用する三水化物の構造の決定三水化物は無水形態の方にゆっくりと進展させるためには実験室の雰囲気中では既にその水化水を自然に失うために、3分子の水を有する安定した結晶を得ることは非常に困難である。三水化物形態の単結晶の製造のみが、X線を使用して、ジルパテロール塩酸塩(ZC)1モル当たり3分子の水の存在を確認するのを可能にさせた。しかして、結晶系、格子パラメーター、空間群及び原子配位を決定することができた。結晶系:三斜晶系a(Å) 8.080b(Å) 10.268c(Å) 11.884α(度) 113.51β(度) 90.65γ(度) 102.34空間群 P1-Z 2R 6.6【0015】決定された原子配位を下記の表4に示す。【表4】【0016】結論所望の粒度測定結果が得られた。製造例1に従って製造された生成物から、ヨーロッパ特許出願第0197188号の方法に従って、3%(重量/重量)濃度の30kgのプレミックスを製造した。このようにして製造されたプレミックスはヒューバッハ試験に合格した。この試験は、D.ピッカードにより「供給配合機」第18頁以下(1992)に記載のように周知の試験法である。ヒューバッハ試験以下の条件:試料の大きさ:50gのプレミックスドラムの回転速度:30rpm回転時間:5分間空気流入速度:4L/minフィルターの多孔度:0.45μmに従って修正したヒューバッハ試験法を使用して粉塵を発生させる。次いで、フィルター上に保持された物質を超音波処理によってメタノール中に抽出させ、HPLCによって分析する。試験の結果:フィルター1枚当たり<0.1μgのジルパテロールヒューバッハ試験法は、得られた結晶がヨーロッパ特許出願第0197188号に記載のプレミックスの製造法にそれらを適用するのに完全に好適なものであることを示している。 結晶化形態の無水ジルパテロール塩酸塩であって、15μ以下の大きさの結晶を5%未満の量で含有し、結晶の残部が250μ以下の大きさを有することを特徴とする結晶化形態の無水ジルパテロール塩酸塩。 (1)50℃以上の温度で過飽和のジルパテロール塩酸塩の水溶液又は水−エチルアルコール混合物溶液を調整し、(2)このようにして得られた過飽和の溶液を冷却して一水化物の結晶化を達成し、(3)温度を20℃以下に低下させて三水化物の結晶化を達成し、(4)乾燥を行い、このようにして請求項1記載の化合物を得ることを特徴とする請求項1記載の化合物の製造方法。 無水ジルパテロール塩酸塩を30℃以下の水に溶解し、ジルパテロール塩酸塩の飽和水溶液とし、これよりジルパテロール塩酸塩を三水化物として自然に再結晶させることを特徴とする請求項2記載の方法の別法。 ジルパテロール塩酸塩を60〜100℃の最小容積の温水に溶解し、この溶液を、20℃の温度で撹拌し且つ三水化物の種結晶を予め播種したジルパテロール塩酸塩の飽和水−アルコール混合物溶液中に注入し、このようにして三水化物を得、これを乾燥して請求項1記載の化合物を得ることを特徴とする請求項1記載の化合物の製造方法。 新規な化学物質としてのジルパテロール塩酸塩の一水化物。 新規な化学物質としてのジルパテロール塩酸塩の三水化物。