生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_オペアンプ付き接触燃焼式ガスセンサー出力回路
出願番号:1996136917
年次:2005
IPC分類:7,G01N27/16


特許情報キャッシュ

松野 勝 JP 3703041 特許公報(B2) 20050729 1996136917 19960530 オペアンプ付き接触燃焼式ガスセンサー出力回路 矢崎総業株式会社 000006895 小栗 昌平 100105647 本多 弘徳 100105474 市川 利光 100108589 濱田 百合子 100090343 松野 勝 20051005 7 G01N27/16 JP G01N27/16 C 7 G01N 27/00-27/24 特開平06−341969(JP,A) 実開昭54−033185(JP,U) 1 1997318583 19971212 6 20030526 田中 洋介 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、とくに接触燃焼式ガスセンサーの信号出力電圧を増幅するオペアンプを有するガスセンサー出力回路であって該信号出力電圧がオペアンプの応動電圧以下の動作電圧になりうるものに関する。【0002】【従来の技術】接触燃焼式センサーは、ガスを検知するガス検知素子3Aと温度補償素子3Bの2つを用いるもので、その素子3の構造は図3−(1)のようになっている。すなわち、細い白金線でコイル31を作り、これをステム32に熔接する。そしてパラジウムを微粒のアルミナ粉末に付けた触媒とバインダーを混合した混合触媒33でこのコイル31を包み、高温で焼成する。これにステンレスネット34を被せたのが図2−(2)のガス検知素子3Aであり、また、ステンレスネットシールキャップ35を被せたのが図2−(3)の温度補償素子3Bである。【0003】かかるガス検知素子3Aと、雰囲気温度の違いによる感度差を防ぐための温度補償素子3Bと、2個の抵抗素子R1・R2とを用いて図4のようなブリッジ回路Bを組んで接触燃焼式センサーが構成されている。そこで、この接触燃焼式センサーを測定すべきガス雰囲気中に配置すると、ガスセンサーは通電時には約400°Cとなり、ステンレスネット34を通過して可燃性ガスがガス検知素子3Aに触れると触媒の働きで酸化反応が起き、この酸化反応時に発生する熱によりアルミナビーズの温度が上昇し、ビーズの中のコイル状の白金線の温度を上昇させ、そのためガス検知素子3Aの電気抵抗値が大きくなる。このガス検知素子3Aの電気抵抗値の変化を温度補償素子3Bと他の2抵抗素子R1・R2とのブリッジ回路Bにて電圧の変化として取り出し、これを増幅器Aにて増幅しその出力で警報ブザーを鳴動させたり、警報ランプを点滅させたり、外部出力回路を作動させたりするものである。【0004】図2には、この接触燃焼式センサーの出力をオペアンプを用いて増幅する従来のオペアンプ装置が示されている。同図において、例えばセンサ印加電圧Vsはもともと1.6Vと低い電圧であり、しかもオペアンプの演算中心電圧はブリッジ回路の中間点であるからその半分の0.8Vとさらに低い値となっている。一方、通常のオペアンプには入出力の応動があって、上側の電源電圧側からの1.5Vまでと下側の0V側からの1.5Vの領域は使用できない場合が多い。例えばここに用いられているオペアンプはPNP入力のものを使用することを想定しているが、そうするとこのオペアンプの入力応動範囲はほぼ0Vまで応動するものの、しかしながら出力においては入力オフセット電圧の温度特性の良いものは応動範囲が一般的に狭いため何らかの対策を必要としていた。【0005】そこで考えられる対策として、オペアンプにおいて0V付近の小さな信号電圧に対して増幅を行なうとき講じられる一般的な対策にマイナスの電源を作りだす方法が考えられる。しかしこれにはマイナス電源を作り出すためのコンバータが必要となり、そうするとこれにはどうしてもノイズが多くなってしまうという欠点があり、この対策は接触燃焼式センサー回路には適していない。【0006】そこで従来は図2に見られるように、オペアンプAの出力段にアンプバッファDを設けて出力範囲を広げるようにしていた。したがって従来装置においては、応動範囲を広げるためにはどうしてもこのアンプバッファDが余分に必要となるので、コスト高となり、従来装置も接触燃焼式センサー回路には適していない。【0007】また、応動範囲が電源電圧から0Vまでの広い応動範囲のオペアンプも確かに存在してはいる。例えば、レイル・トウ・レイル( Rail to Rail ) と呼ばれているオペアンプは応動範囲が電源電圧から0Vまでの広い応動範囲を有するきわめて便利な素子ではあるが、この素子はとても高価なものであり、接触燃焼式センサー回路には最適であるとは言えない。【0008】【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような高価なアンプバッファを設けたり、応動範囲が広い高価なオペアンプを用いることなく、応動範囲が広いしかも安価なオペアンプ装置を提供することにある。【0009】【課題を解決するための手段】 本願請求項1記載の発明は、オペアンプ付き接触燃焼式ガスセンサー出力回路に係り、ガス検知素子と温度補償素子の直列回路と第1および第2抵抗素子の直列回路と互いに並列接続してなるブリッジ回路と、当該ブリッジ回路の前記ガス検知素子と前記第1抵抗素子との接続点と、前記温度補償素子と第2抵抗素子との接続点との間にセンサ印加電圧を印加するセンサ電源と、前記ガス検知素子と前記温度補償素子との接続点を反転入力端子に接続され、前記第1および第2抵抗素子との接続点を非反転入力端子に接続された第1オペアンプとを備えた接触燃焼式ガスセンサーの信号出力電圧を増幅するオペアンプ付き接触燃焼式ガスセンサー出力回路であって前記信号出力電圧が前記第1オペアンプの応動電圧以下の動作電圧になりうるものにおいて、前記信号出力電圧をオペアンプの応動範囲内にシフトさせるフローテイングリターン電位供給回路を前記センサ電源の低電位側に直列接続し、かつ当該フローテイングリターン電位供給回路を、非反転入力端子に基準電圧素子が接続された第2オペアンプと、当該第2オペアンプの出力側に接続されたトランジスタとで構成すると共に、前記トランジスタのコレクタ側を前記前記センサ電源の低電位側および前記第2オペアンプの反転入力端子に接続して負帰還構成としたことを特徴とするものである。【0010】このオペアンプ装置を接触燃焼式センサー回路に用いるとより有効な理由は、接触燃焼式センサーでは1ボルトから2ボルト程度といった低い電圧をかけて使用するため、オペアンプの入力電圧がかなり低くなるからである。とくに最近ではさらに低くなりつつある傾向にあるのでいっそう有効である。以上のように構成することにより、信号源電圧をオペアンプの応動範囲内にシフトさせるので、従来の応動範囲の狭いオペアンプを用いても広い範囲で信号を応動させることが可能となり、したがって従来のような高価な回路装置を用いる必要がなくなる。【0011】【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施例である図1を用いて、本願発明に係るフローテイングリターン電位供給回路を設けたオペアンプ付き接触燃焼式ガスセンサー出力回路を説明する。同図において、図2で説明したのと同じくガス検知素子3Aと温度補償素子3Bと2個の抵抗素子R1・R2を用いたブリッジ回路Bのガス検知素子3Aと抵抗素子R1との接続点と、温度補償素子3Bと抵抗素子R2との接続点との間に例えば1.6Vのセンサ印加電圧Vsが印加され、ガス検知素子3Aと温度補償素子3Bとの接続点と、2個の抵抗素子R1とR2との接続点との間の電位差をオペアンプの入力信号としている。また、オペアンプには例えば12Vの電源電圧VA が与えられている。演算基準電圧はブリッジ回路Bの中間点であるからその半分の0.8Vとなっている。【0012】Cが本発明によるフローテイングリターン電位供給回路で、0電位に対して電位VF の安定した電位を供給する安定化電源の1例を示している。このフローテイングリターン電位供給回路Cは、オペアンプAc の反転入力端子に基準電圧素子Zを、出力側にトランジスタを接続し、そのトランジスタのコレクタ電圧をオペアンプAc の非反転入力端子に負帰還をかけた構成となっている。フローテイングリターン電位供給回路Cにより、コレクタ電圧VF は基準電圧素子Zの形成する安定な基準電圧素子電圧VFo(例えば1.2V)と等しくなるように維持されることとなる。したがって、この基準電圧素子電圧VFoの1.2V分だけ増幅段のオペアンプAの演算中心点が常に持ち上げられるようになり、全体で増幅回路電源電圧に対する演算基準電圧を約2Vとすることになる。この結果、従来不可能であったオペアンプの0V〜1.5V付近の不感帯における電圧増幅が可能となる。【0013】このように、前述の入力オフセット電圧の温度特性の良いもオペアンプにおいても、電源電圧範囲−3V(片側1.5V)の応動範囲は一般的に確保できるため、図2において必要としたオペアンプ個々のアンプバッファは除くことができる。また、図1における基準電圧素子Zに温度特性の良いものを使用することにより、温度に対して十分な安定度を確保することが可能となる。【0014】【発明の効果】以上、本発明によれば、オペアンプの入力信号として用いる信号源電圧がオペアンプの応動電圧以下の動作電圧になりうるオペアンプ装置に、信号源電圧をオペアンプの応動範囲内にシフトさせるフローテイングリターン電位供給回路を付加するようにしたので、信号源電圧をオペアンプの応動範囲内にシフトさせることとなり、したがって従来のような高価な回路装置を用いずに従来の応動範囲の狭いオペアンプを用いても広い範囲で信号を応動させることが可能となる。【図面の簡単な説明】【図1】接触燃焼式センサーの出力を増幅する本発明のフローテイングリターン電位供給回路付きオペアンプ装置【図2】接触燃焼式センサーの出力を増幅する従来のオペアンプ装置【図3】本願発明の実施される接触燃焼式センサーに使用される素子【図4】接触燃焼式センサーの検知原理図【符号の説明】3 素子3A ガス検知素子3B 温度補償素子31 白金線コイル32 ステム33 混合触媒34 ステンレスネット35 ステンレスネットシールキャップA オペアンプAc オペアンプB ブリッジ回路C フローテイングリターン電位供給回路D アンプバッファE 電源R1、R2 抵抗素子T トランジスタZ 基準電圧素子VS センサ電源電圧VA 増幅回路電源電圧VF コレクタ電圧VFo 基準電圧素子電圧 ガス検知素子と温度補償素子の直列回路と第1および第2抵抗素子の直列回路と互いに並列接続してなるブリッジ回路と、当該ブリッジ回路の前記ガス検知素子と前記第1抵抗素子との接続点と、前記温度補償素子と第2抵抗素子との接続点との間にセンサ印加電圧を印加するセンサ電源と、前記ガス検知素子と前記温度補償素子との接続点を反転入力端子に接続され、前記第1および第2抵抗素子との接続点を非反転入力端子に接続された第1オペアンプとを備えた接触燃焼式ガスセンサーの信号出力電圧を増幅するオペアンプ付き接触燃焼式ガスセンサー出力回路であって前記信号出力電圧が前記第1オペアンプの応動電圧以下の動作電圧になりうるものにおいて、 前記信号出力電圧をオペアンプの応動範囲内にシフトさせるフローテイングリターン電位供給回路を前記センサ電源の低電位側に直列接続し、かつ当該フローテイングリターン電位供給回路を、非反転入力端子に基準電圧素子が接続された第2オペアンプと、当該第2オペアンプの出力側に接続されたトランジスタとで構成すると共に、前記トランジスタのコレクタ側を前記前記センサ電源の低電位側および前記第2オペアンプの反転入力端子に接続して負帰還構成としたことを特徴とするオペアンプ付き接触燃焼式ガスセンサー出力回路。


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