タイトル: | 特許公報(B2)_スルホンアミド誘導体の製造法および中間体 |
出願番号: | 1996129447 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | C07D 209/30 |
下村 直之 生田 博憲 赤松 啓史 大和 隆志 JP 3868534 特許公報(B2) 20061020 1996129447 19960524 スルホンアミド誘導体の製造法および中間体 エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社 506137147 古谷 聡 100087642 溝部 孝彦 100076680 持田 信二 100091845 義経 和昌 100098408 下村 直之 生田 博憲 赤松 啓史 大和 隆志 20070117 C07D 209/30 20060101AFI20061221BHJP JPC07D209/30 C07D209/00-209/96 CAplus(STN) CAOLD(STN) CASREACT(STN) REGISTRY(STN) 特開平07−165708(JP,A) 特開昭62−053962(JP,A) 米国特許第03472870(US,A) 米国特許第05283247(US,A) 芝哲夫,7.2 アミンの塩基性,ライフサイエンス 有機化学,(株)化学同人,1982年,第1版,p.126-127 小川信男,(2-pyrimidinylamino)phenyl acetic Acid 誘導体の合成と抗炎症作用,薬学雑誌,1987年,Vol.107, No.2,p.111-122 Ramadas Krishnamurthy,Iron-ammonium chloride - a convenient and inexpensive reductant,Synthetic Communications,1992年,Vol.22, No.22,p.3189-3195 6 1997316053 19971209 11 20021129 今村 玲英子 【0001】【産業上の利用分野】本発明は、特開平7-165708号公報あるいは特願平7-37456号等に開示された、医薬として優れた作用を有するスルホンアミド誘導体(II)の、工業的に優れた新規製造方法に関する。【0002】【従来技術】スルホンアミド誘導体(II)製造にあたり必要な合成中間体の製造法として、例えば、特開平7-165708号公報の製造例10には、3-クロロ-7-ニトロインドールを塩化第一錫および塩酸と反応させて、7-アミノ-3-クロロインドールを製造する方法が記載されている。[従来法(1)]【0003】【化7】【0004】また同中間体の製法として、特願平7-37456号の製造例1には、水酸化ナトリウムの存在下に3-クロロ-7-ニトロインドールとハイドロサルファイトナトリウムを反応させて、7-アミノ-3-クロロインドールを製造する方法が記載されている。[従来法(2)]【0005】【化8】【0006】次に、スルホンアミド誘導体(II)の従来製造法として、特開平7-165708号公報の実施例19には、7-アミノインドールと4-クロロスルホニルベンゼンスルホンアミドを反応させてN-(7-インドリル)-1,4-ベンゼンジスルホンアミドとし、次いでN-クロロコハク酸イミドと反応させて、N-(3-クロロ-7-インドリル)-1,4-ベンゼンジスルホンアミドを製造する方法が記載されている。[従来法(3)]【0007】【化9】【0008】さらに、特願平7-37456号の製造例4には、7-アミノ-3-クロロインドールと4-シアノベンゼンスルホニルクロリドを反応させて、N-(3-クロロ-7-インドリル)-4-シアノベンゼンスルホンアミドを製造する方法が記載されている。[従来法(4)]【0009】【化10】【0010】【本発明が解決しようとする問題点】しかし、上記従来法(1)あるいは同(2)に記載された、3-クロロ-7-ニトロインドールを還元して、7-アミノ-3-クロロインドールを製造する方法は収率が低く(従来法(1);67%、同(2);77%)、工業的製法としては不十分であった。また生成した7-アミノ-3-クロロインドールは不安定であり、極めて酸化されやすい問題点があった。【0011】次に、上記従来法(3)に記載された、N-(3-クロロ-7-インドリル)-1,4-ベンゼンジスルホンアミドを製造する方法においても、やはりトータル収率が45.3%と低く、工業的製法として十分なものではなかった。また、従来法(3)においては最終工程において塩素化を行うが、その際に置換位置選択性が低く過剰反応が起こりやすく、N-クロロ体、インドール骨格の他位置への多付加体などの副生成物が生じ、精製が困難となる欠点もあった。【0012】さらに、上記従来法(4)に記載された、N-(3-クロロ-7-インドリル)-4-シアノベンゼンスルホンアミドを製造する方法においても収率が77.2%であり、工業的製法としてと必ずしも満足できるものではなかった。【0013】このように、医薬として優れた作用を有するスルホンアミド誘導体(II)の、工業的に優れた製造方法は、まだ確立されていないのが現状であり、新たな優れた方法が求められていた。【0014】【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題点の改善を目指して鋭意研究を進めてきた。その結果、ニトロ化合物(III)を鉄および塩化アンモニウムと反応させてアミン塩酸塩(I)とし、次いで塩化スルホニル誘導体と反応させることにより、目的とするスルホンアミド誘導体(II)が収率・純度よく製造することを見出し本発明を完成するに至った。具体的には、下記一般式で表されるニトロ化合物(III)【0015】【化11】【0016】(式中、Xはハロゲン原子を意味する。)を鉄および塩化アンモニウムと反応させて下記一般式で表されるアミン塩酸塩(I)【0017】【化12】【0018】(式中、Xは前記と同様の意味を有する。)とし、次いで一般式RSO2Clで表される塩化スルホニル誘導体(Rは置換されていてもよい芳香環または置換されていてもよい複素環を意味する。)を反応させる下記一般式で表されるスルホンアミド誘導体(II)の製造法に関する。【0019】【化13】【0020】(式中、RおよびXは前記と同様の意味を有する。)本製造法をまとめて工程図で示すと、以下の通りである。【0021】【化14】【0022】ここで、各一般式中におけるXはハロゲン原子を意味し、より具体的には塩素原子、臭素原子、フッ素原子またはヨウ素原子を挙げることができるが、中でも塩素原子または臭素原子がより好ましく、塩素原子がさらに好ましい。また同じくRは、置換されていてもよい芳香環または置換されていてもよい複素環を意味する。芳香環としてより具体的には、例えばフェニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、アンスラニル基などを挙げることができ、中でもフェニル基がより好ましいが限定されない。複素環としてより具体的には、例えばピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、インドリル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジル基、ナフチリジニル基、キノキサニル基、キナゾリニル基、フラニル基、ピラニル基、チエニル基などを挙げることができ、中でもピリジル基、キノリル基、フラニル基、チエニル基がより好ましいが限定されない。【0023】なお、芳香環または複素環は置換されていてもよく、置換基として具体的には、例えばスルファモイル基、カルバモイル基、低級アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン化低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、チオ低級アルコキシ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキル基で置換されていてもよいアミノ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基などを挙げることができ、スルファモイル基がより好ましいが限定されない。【0024】ニトロ化合物(III)として、さらに具体的には、例えば以下の化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。(1) 7-ニトロ-3-クロロインドール(2) 6-ニトロ-3-クロロインドール(3) 5-ニトロ-3-クロロインドール(4) 4-ニトロ-3-クロロインドール(5) 7-ニトロ-2-クロロインドール(6) 6-ニトロ-2-クロロインドール(7) 5-ニトロ-2-クロロインドール(8) 4-ニトロ-2-クロロインドール【0025】アミン塩酸塩(I)として、さらに具体的には、例えば以下の化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。(1) 7-アミノ-3-クロロインドール塩酸塩(2) 6-アミノ-3-クロロインドール塩酸塩(3) 5-アミノ-3-クロロインドール塩酸塩(4) 4-アミノ-3-クロロインドール塩酸塩(5) 7-アミノ-2-クロロインドール塩酸塩(6) 6-アミノ-2-クロロインドール塩酸塩(7) 5-アミノ-2-クロロインドール塩酸塩(8) 4-アミノ-2-クロロインドール塩酸塩【0026】スルホンアミド誘導体(II)として、さらに具体的には、例えば以下の化合物を挙げることができるが、これらに限定されない。(1) N-(3-クロロ-7-インドリル)-1,4-ベンゼンジスルホンアミド(2) N-(3-クロロ-7-インドリル)-4-シアノベンゼンスルホンアミド(3) N-(3-クロロ-7-インドリル)-4-ニトロベンゼンスルホンアミド(4) N-(3-クロロ-7-インドリル)-4-アミノベンゼンスルホンアミド(5) N-(3-クロロ-7-インドリル)-4-(メタンスルホンアミド)ベンゼンスルホンアミド(6) 3-クロロ-N-(3-クロロ-7-インドリル)ベンゼンスルホンアミド(7) 4-カルバモイル-N-(3-クロロ-7-インドリル)ベンゼンスルホンアミド(8) N-(3-クロロ-7-インドリル)-4-(メトキシカルボニルアミノ)ベンゼンスルホンアミド(9) N-(3-クロロ-7-インドリル)-4-(N-メトキシスルファモイル)ベンゼンスルホンアミド(10) N-(3-クロロ-7-インドリル)-4-(ジメチルアミノスルホニルアミノ)ベンゼンスルホンアミド【0027】次いで本発明にかかる各工程を詳細に説明する。(前記[化14]参照)(1) 工程1ニトロ化合物(III)を鉄および塩化アンモニウムと反応させてアミン塩酸塩(I)を製造する工程であり、具体的にはニトロ基をアミノ基に還元する工程である。一般的にニトロ基をアミノ基に還元する方法は数多くあるが、本発明にかかるニトロ化合物(III)のように分子内にハロゲン原子を有する場合、ハロゲン原子も還元されて脱ハロゲン化反応が同時に進行する問題点があった。例えば、特開平7-165708号公報の製造例10に記載されている、白金−炭素触媒を用いた還元法では、脱塩素体が主に生成し、目的物が十分に得られない。しかし、本発明方法では、脱ハロゲン化は全く起こらず、ニトロ基のみ選択的に還元することができる。本工程は、通常はシンセティック・コミュニケーションズ(Synthetic Comunications),22(22),3189-3195,1992. に記載された方法に従って実施することができるが、本発明におけるより好ましい反応条件を示せば以下の通りである。【0028】溶媒は水または極性溶媒が好ましく、2種以上の混合溶媒を用いることもできる。極性溶媒として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、3-ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール等の低級アルコール類、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシドなどの水と混和する溶媒等を挙げることができるが、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノールがより好ましく、2-プロパノールがさらに好ましい。最も好ましいのは、水と2-プロパノールの混合溶媒である。なお、溶媒の使用量は限定されず、通常はニトロ化合物(III)に対し1〜100倍重量を用いる。【0029】鉄は比表面積の多い形態のものが好ましく、具体的には鉄粉を挙げることができる。鉄粉の使用量も限定されないが、通常はニトロ化合物(III)に対し1〜100倍重量を用いる。【0030】塩化アンモニウムは粉末を直接添加してもよいが、通常は水溶液として加える。塩化アンモニウムの使用量も限定されず、通常はニトロ化合物(III)に対し0.01〜100当量を用いるが、好ましくは0.1〜10当量である。【0031】反応条件も限定されないが、通常はニトロ化合物(III)と溶媒を混合し、ここに塩化アンモニウムの水溶液を加えて撹拌を続ける。この際、反応温度も限定されず、0℃〜溶媒還流温度において実施することができるが、30〜90℃がより好ましい。なお、50℃で実施した場合、約2時間程度で反応が終了する。なお、本工程は窒素、アルゴン等の不活性ガス存在下に行うことにより、さらに高純度・無着色の目的物を得ることができる。【0032】反応終了後には反応液を塩基性とし、溶媒で抽出し、さらに塩化水素/酢酸エチルあるいは塩化水素ガス吹き込み等で処理して、目的とするアミン塩酸塩(I)を得ることができる。また生成物は、再結晶等によりさらに精製することもできる。【0033】(2) 工程2本工程は、アミン塩酸塩(I)と塩化スルホニル誘導体を反応させてスルホンアミド誘導体(II)を製造する工程である。本工程は通常のスルホンアミド化の常法に従って、実施することができるが、好ましくは、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、炭酸カリウム等の脱塩酸剤存在下に行う。【0034】また本発明においては、工程1を実施してアミン塩酸塩(I)を単離した後、工程2を実施してもよいし、アミン塩酸塩(I)を単離せずに工程1・2を連続反応として行うこともできる。【0035】ここで、本発明における合成中間体である7-アミノ-3-クロロインドール塩酸塩は新規化合物である。一方、従来知られていた7-アミノ-3-クロロインドールの遊離体は酸化的に極めて不安定であり、従来法においては、遊離体として単離した後、次いでスルホンアミド化を行っていたが、合成中間体として保存できず、製造中の取り扱いに細心の注意を要し、スルホンアミド化後の精製も非常に困難であるなど、多くの問題点を有していた。しかし、塩酸塩にすることにより、安定性が飛躍的に向上し、上記問題点がすべて解決されるだけでなく、続くスルホンアミド化工程においては、遊離体に戻さず塩酸塩のまま利用することができ、工業的に極めて大きな有用性を有している。このように、新規化合物である7-アミノ-3-クロロインドール塩酸塩は、従来知られていた遊離体に対し、非常に重要な価値を持つ化合物である。【0036】続いて本発明を具体的に説明するため、以下に実施例および比較例を掲げるが、本発明がこれらに限定されないことは言うまでもない。【実施例】実施例1 7-アミノ-3-クロロインドール塩酸塩の合成【0037】【化15】【0038】3-クロロ-7-ニトロインドール 9.83gと2-プロパノール(300ml)の混合物に、窒素雰囲気下、鉄粉 11.17g、塩化アンモニウム 21.4gの水(300ml)溶液を加え、60℃の油浴中にて2時間加熱攪拌した。反応液を濾過し、残渣をエタノール(300ml)で洗い込み、濾液を約半量まで減圧濃縮した。ここに水(100ml)、ジエチルエーテル(400ml)と1N-水酸化ナトリウム水溶液(200ml)を加えて分液し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(300ml)、水(300ml)、飽和食塩水(300ml)で順次洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、約半量まで濃縮した。ここに4N-塩化水素/酢酸エチル溶液(50ml)を加え、析出した結晶を濾取し、ジエチルエーテル(300ml)で洗い、真空乾燥して標題化合物 9.64gを得た。(収率;95%、純度;99.8%)【0039】1H-NMR(500MHz,DMSO-d6); δ(ppm) 11.73(1H,s)、11.50-7.70(3H,br)、7.67(1H,d,J=2.7Hz)、7.45-7.40(1H,m)、7.17-7.12(2H,m).FAB-MS; m/z=167 (MH+).【0040】比較例1 7-アミノ-3-クロロインドールの合成特願平7-37456号の製造例1に従って、1N-水酸化ナトリウムの存在下に3-クロロ-7-ニトロインドールとハイドロサルファイトナトリウムで還元し、7-アミノ-3-クロロインドールを得た。(収率:77%、純度;86%)【0041】同様にして0.25N-水酸化ナトリウムを用いて7-アミノ-3-クロロインドールを得た。(収率:42%、純度;98.7%)【0042】実施例2 N-(3-クロロ-7-インドリル)-1,4-ベンゼンジスルホンアミドの合成【0043】【化16】【0044】7-アミノ-3-クロロインドール塩酸塩 2.18gとテトラヒドロフラン(36ml)の混合物に、氷冷下、ピリジン(2.6ml)、4-クロロスルホニルベンゼンスルホンアミド 2.80gを順次加え、1.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチル(350ml)、0.5N-塩酸(300ml)を加えて分液し、有機層を飽和食塩水(200ml)で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(250ml)、飽和食塩水(200ml)で順次洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(350ml)に溶解し、活性炭 2gを加えて80℃の油浴中で30分間脱色した。活性炭を濾去した後、減圧濃縮して標題化合物 4.09gを得た。(収率;98.7%)【0045】実施例3 N-(3-クロロ-7-インドリル)-1,4-ベンゼンジスルホンアミドの合成 3-クロロ-7-ニトロインドール 590mgと2-プロパノール(10ml)の混合物に、窒素雰囲気下、鉄粉 503mg、塩化アンモニウム 32mgの水(2ml)溶液を加え、60℃の油浴にて2時間加熱攪拌した。反応液を氷冷し、受器に1N-塩酸(3ml)を入れておき、活性炭 590mgを敷いたセライトを通して濾過し、残渣を酢酸エチル(15ml)で洗い込んだ。この濾液を氷冷し、ピリジン(0.97ml)、4-クロロスルホニルベンゼンスルホンアミド 767mgの酢酸エチル(5ml)溶液を順次加え、そのまま3時間攪拌した。反応液を1N-塩酸(10ml)で2回、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)で2回、飽和食塩水(10ml)で1回順次洗い、活性炭、無水硫酸マグネシウムで脱色、乾燥した後溶媒を留去し、白色の標題化合物 1.0gを得た。(収率;86.3%)【0046】実施例4 N-(3-クロロ-7-インドリル)-1,4-ベンゼンジスルホンアミドの合成 3-クロロ-7-ニトロインドール 100g、2-プロパノール(1.2L)の混合物に、窒素雰囲気下、塩化アンモニウム 5.44gの水(300ml)溶液を加え、60℃の水浴で加熱した後、鉄粉 28.4gを40分間隔で3回加え、それぞれ2-プロパノール(100ml)で洗い込んだ。1時間加熱攪拌した後、反応液を氷冷し、受器に1N-塩酸(510ml)を入れておき、活性炭 50gを敷いたセライトを通して濾過し、2-プロパノール(100ml)と酢酸エチル(1L)で洗い込んだ。この濾液を氷冷し、ピリジン(165ml)、4-クロロスルホニルベンゼンスルホンアミド 143.1gの酢酸エチル(700ml)溶液を加え、そのまま19時間攪拌した。反応液を1N-塩酸(1.5L)で2回、水(200ml)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(1.5L)、飽和食塩水(200ml)で順次洗い、活性炭 30g、無水硫酸マグネシウム 100gで脱色、乾燥した後濾過し、酢酸エチル(500ml)で洗った。溶媒を一部留去して約1Lとした後、トルエン(2L)を加え、60℃で1時間加熱攪拌後、さらに酢酸エチルを留去し、析出した結晶を濾過、トルエン、ヘキサンで洗浄、減圧乾燥し、白色の標題化合物 184.1gを得た。(収率:93.8%、純度;99.2%)上記の結晶にアセトン(1.1L)を加え、加熱溶解後、水(1.1L)をゆっくり加え、一晩室温で攪拌して析出した結晶を濾過し、(1:2)アセトン/水混合液(700ml)で洗った後減圧乾燥し、白色の標題化合物 157.0gを得た。(再結晶収率;85%、純度;99.8%) 下記一般式で表されるアミン塩酸塩(I)(式中、Xはハロゲン原子を意味する)と一般式RSO2Clで表される塩化スルホニル誘導体(Rは置換されていてもよい芳香環または置換されていてもよい複素環を意味する。)を反応させることを特徴とする下記一般式で表されるスルホンアミド誘導体(II)の製造法。(式中、RおよびXは前記と同様の意味を有する。) 下記一般式で表されるニトロ化合物(III)(式中、Xは前記と同様の意味を有する。)を鉄および塩化アンモニウムと反応させて下記一般式で表されるアミン塩酸塩(I)(式中、Xは前記と同様の意味を有する。)とし、次いで一般式RSO2Clで表される塩化スルホニル誘導体(Rは前記と同様の意味を有する。)を反応させることを特徴とする下記一般式で表されるスルホンアミド誘導体(II)の製造法。(式中、RおよびXは前記と同様の意味を有する。) ニトロ化合物(III)を鉄および塩化アンモニウムと反応させる工程において、溶媒として低級アルコールと水の混合物を用いる請求項2記載のスルホンアミド誘導体(II)の製造法。 ニトロ化合物(III)を鉄および塩化アンモニウムと反応させる工程において、反応温度が30〜90℃である請求項2または3記載のスルホンアミド誘導体(II)の製造法。 Rがスルファモイルフェニル基であり、Xが塩素原子である請求項1記載のスルホンアミド誘導体(II)の製造法。 Rがスルファモイルフェニル基であり、Xが塩素原子である請求項2ないし4記載のスルホンアミド誘導体(II)の製造法。