タイトル: | 特許公報(B2)_アクリル酸亜鉛の製造方法 |
出願番号: | 1996012200 |
年次: | 2008 |
IPC分類: | C07C 57/04,C07B 61/00 |
小林 啓二 児玉 幸久 五月女 稔 斉藤 義規 JP 4041175 特許公報(B2) 20071116 1996012200 19960126 アクリル酸亜鉛の製造方法 株式会社日本触媒 000004628 日本蒸溜工業株式会社 000231420 ブリヂストンスポーツ株式会社 592014104 八田 幹雄 100072349 小林 啓二 児玉 幸久 五月女 稔 斉藤 義規 20080130 C07C 57/04 20060101AFI20080110BHJP C07B 61/00 20060101ALN20080110BHJP JPC07C57/04C07B61/00 300 C07C 57/04 C07B 61/00 特開平07−267894(JP,A) 特開昭51−141803(JP,A) 8 1997202747 19970805 10 20020809 山田 泰之 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル酸亜鉛の改良された製造方法に関する。【0002】さらに詳しく述べると、本発明は、アクリル酸亜鉛をゴム組成物や合成樹脂に配合、混練する際に生じる諸問題を改善するためのアクリル酸亜鉛の改良された製造方法に関する。【0003】【従来の技術】アクリル酸亜鉛は、架橋剤として有用な化合物であり、たとえば、ゴム組成物に配合して加硫性を改善したり、合成樹脂の改質剤として用いられている。【0004】従来、アクリル酸亜鉛を得る方法としては、有機溶媒中で、アクリル酸と亜鉛化合物を反応させ、反応液から有機溶媒を留去させた後乾燥する方法(特公昭58−14416号)、または該反応液から有機溶媒を濾過後乾燥する方法がよく知られている。しかしながら、これらの方法では、反応生成物が反応器の内壁や攪拌翼に著しく固着したり、または塊状に凝集するため、作業性が悪くなり、かつ収率も悪化し、さらにこうした作業の繰り返しにより当該装置の破損等に繋がる等の欠点を有していた。また、溶媒を減圧により除去する場合、生成したアクリル酸亜鉛中に含まれる溶媒が飛散するが、この時同時に該アクリル酸亜鉛の一部も飛散して収率が低下したり、または余分の分離回収装置等の設置が必要になるなど経済的な損失も大きいという欠点があった。【0005】上記課題を解決する方法として、アクリル酸亜鉛をゴム組成物に混練して使用する場合においては、ステアリン酸等の高級脂肪酸やその亜鉛塩を添加してアクリル酸亜鉛粒子の表面をコーティングする方法が多く提案されている(特開昭52−154436号、特開昭53−83834号、特開昭60−94434号、特開平2−218639号)。【0006】しかしながら、これらの方法では、アクリル酸と亜鉛化合物の反応工程とこれにステアリン酸等の高級脂肪酸やその亜鉛塩を添加してアクリル酸亜鉛の粒子表面をコーティングする工程が必要であり、こうした工程に応じた装置がそれぞれ必要となるものであった。さらに、こうして生成したアクリル酸亜鉛をゴム組成物に混練するに際し、325メッシュ(44μm)以下の微粉末が要求されるため、上記方法により生成されたアクリル酸亜鉛は、微粉末に粉砕する必要があるが、微粉末に粉砕するには、多大な労力を要するばかりでなく、粉砕作業中および粉砕後のアクリル酸亜鉛は、非常に発塵し易く、作業環境が悪化して衛生上の問題が発生するという欠点があった。さらにまた、ゴム組成物と混練する際に混練機の内壁や撹拌翼に固着したり、または塊状に凝集するため作業性が悪化したり、また該微粉末の拡散が不均一となり易いため、でき上がった製品が不均質となって品質の低下をきたす等の欠点を有していた。【0007】したがって、現在までにアクリル酸亜鉛の製造方法、特にアクリル酸亜鉛をゴム組成物に混練して使用する場合における当該製造方法は、なお十分であるとは言えないものである。【0008】【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の目的は、得られたアクリル酸亜鉛が本質的に微細で、該アクリル酸亜鉛を容易に微粉末に粉砕でき、該アクリル酸亜鉛をゴム組成物と混練しても固着や凝集の発生が極めて少ない状態で均一に拡散されて混練が完了し得るアクリル酸亜鉛の製造方法を提供することにある。【0009】本発明の他の目的は、製造工程の合理化に伴なう製造設備の簡略化を達成し、さらに固着や凝集の発生の防止および取り扱い作業に伴なう粉末の発塵の防止のできるアクリル酸亜鉛の製造方法を提供することにある。【0010】【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的を達成するために、アクリル酸亜鉛の製造方法に関して鋭意検討した結果、アニオン界面活性剤の存在下に、有機溶媒中に酸化亜鉛を分散させながら、アクリル酸および高級脂肪酸を該酸化亜鉛と反応させることにより得られたアクリル酸亜鉛が取扱い作業時の発塵抑制に優れていることを見出した。【0011】すなわち、上記目的は、下記(1)〜(8)により達成される。【0012】 (1)アニオン界面活性剤の存在下に、有機溶媒中に酸化亜鉛を分散させながら、該有機溶媒中で、炭素数12〜30の高級脂肪酸を該酸化亜鉛と反応させて高級脂肪酸亜鉛を生成させる工程と、アクリル酸を該酸化亜鉛と反応させてアクリル酸亜鉛を生成させる工程と、を有することを特徴とするアクリル酸亜鉛の製造方法。【0013】(2) 高級脂肪酸を添加して反応させたのち、アクリル酸を添加して反応させてなる前記(1)に記載のアクリル酸亜鉛の製造方法。【0014】(3) アクリル酸と酸化亜鉛との反応後に生成水および有機溶媒を除去して乾燥に供してなる前記(2)に記載のアクリル酸亜鉛の製造方法。【0015】(4) アニオン界面活性剤の使用量は、酸化亜鉛100重量部に対して0.03〜1.5重量部である前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のアクリル酸亜鉛の製造方法。【0016】(5) アクリル酸の使用量は、酸化亜鉛100重量部当り100〜250重量部である前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のアクリル酸亜鉛の製造方法。【0017】(6) 高級脂肪酸の添加量は、酸化亜鉛100重量部当り2〜50重量部である前記(5)に記載のアクリル酸亜鉛の製造方法。【0018】(7) 高級脂肪酸がステアリン酸またはパルミチン酸である前記(6)に記載のアクリル酸亜鉛の製造方法。【0019】(8) アニオン界面活性剤が、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムである前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載のアクリル酸亜鉛の製造方法。【0020】【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。【0021】本発明に用いられる酸化亜鉛は、通常の粉末固体で使用でき、高純度のものが好ましいが、水酸化亜鉛を含んでいてもよい。酸化亜鉛の使用量は、通常アクリル酸と高級脂肪酸との合計量に対して化学量論的に等しい量を用いて反応させるが、アクリル酸亜鉛含量が80〜98重量%、好ましくは85〜95重量%となるようにアクリル酸と高級脂肪酸の使用量を調製すればよい。また、例えばアクリル酸亜鉛がソリッドゴルフボ−ルのコアに用いる場合のように、酸化亜鉛が重量調節剤として使用される等、該使用量の過剰が支障を起こさない限り、過剰な状態で用いられてもなんら支障はない。【0022】また、アクリル酸の使用量が過剰な場合は、アクリル酸亜鉛の分離回収の際に、有機溶媒および反応生成水と共に過剰なアクリル酸を留去、乾燥すればよい。【0023】本発明に用いられるアクリル酸は、水によって希釈されていないアクリル酸が好ましいが、若干量の水を含んでいても支障はない。さらにアクリル酸中に、重合防止剤として、例えば通常用いられる、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等を含んでいても何ら支障はない。アクリル酸の使用量は、酸化亜鉛100重量部に対して100〜250重量部、好ましくは150〜200重量部である。【0024】本発明で使用する高級脂肪酸は、炭素数12〜30を有する脂肪酸であって、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸またはリノール酸等が挙げられ、さらには、これらの混合物であってもよい。該高級脂肪酸として、好ましくはパルミチン酸およびステアリン酸である。高級脂肪酸は、そのまま、あるいは反応に用いる有機溶媒またはアクリル酸に溶解して、必要により加熱溶解して用いてもよい。【0025】前記高級脂肪酸の添加量は、酸化亜鉛100重量部に対して、2〜50重量部、好ましくは10〜35重量部である。該添加量が2重量部未満では、製造中および製造後のアクリル酸亜鉛は、固着および拡散し難くなり、本発明の目的達成が不十分となる。また該添加量が50重量部を越える場合には、アクリル酸亜鉛の特性を減耗させ好ましくない。最適添加量は、アクリル酸亜鉛の使用目的の範囲内で決められる。【0026】本発明で用いられるアニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、第二級アルコールスルホコハク酸ハーフエステル塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムまたはモノエチルモノドデシルスルホコハク酸ナトリウムのようなコハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、テトラデシルサルフェートまたはオレイルサルフェートのようなアルキルサルフェート、アミドスルホネート、リシノール酸エステルの硫酸エステルナトリウム、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩、モノソジウムα−ホスホノ脂肪酸エステル、ソジウムジアルキルホスフェート等が挙げられ、これらの混合物であってもよく、好ましくは、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムが製造中および製造後のアクリル酸亜鉛において固着または塊状物の形成および発塵性を抑制させることができ好適である。該アニオン界面活性剤の使用量は、酸化亜鉛100重量部に対して0.03〜1.5重量部、好ましくは0.1〜1重量部の範囲である。また該アニオン界面活性剤は、通常反応に用いる有機溶媒に予め添加、混合して使用される。【0027】本発明で用いられる有機溶媒としては、炭化水素化合物が適し、該化合物としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられ、好ましくは、水に不溶で、水と共沸混合物を作るものがより好ましい。【0028】つぎに、本発明の具体的実施態様について説明する。【0029】十分な攪拌能力を持つ攪拌機と、加熱冷却器を備えた反応器に、所定量の有機溶媒とアニオン界面活性剤を仕込んで、攪拌しながら酸化亜鉛を仕込んで10〜70℃、好ましくは30〜50℃の懸濁液に、その温度を維持しながら高級脂肪酸を添加して高級脂肪酸亜鉛を生成させるが、添加および反応時間はその反応温度に応じて0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間の範囲で適宜選択すればよい。次いで、必要ならば冷却して10〜70℃、好ましくは15〜50℃を維持しながらアクリル酸を添加してアクリル酸亜鉛を生成させるが、添加および反応時間はその反応温度に応じて0.5〜10時間、好ましくは2〜7時間の範囲で適宜選択すればよい。該反応温度が10℃未満の場合は、反応速度が遅く時間がかかりすぎ、また70℃を越える場合では、アクリル酸およびアクリル酸亜鉛が重合反応を起こし、品質が低下して好ましくない。【0030】前記反応の後、前記アクリル酸亜鉛の分離回収は、反応器内の反応生成水と有機溶媒とを濾過により分離して10〜70℃の温度で乾燥することによっても得られるが、反応器がかき取り翼を有する攪拌機付きのニーダーブレンダー等である場合は、反応液をそのまま攪拌しながら、10〜70℃、好ましくは15〜50℃の温度で、必要により減圧して過剰なアクリル酸、有機溶媒および反応生成水を留去乾燥することが設備上の簡略化になる効率的な好ましい態様であるが、留去乾燥時間はその温度に応じて1〜20時間の範囲で適宜選択すればよい。留去乾燥温度が10℃未満の場合は時間がかかりすぎ、また70℃を超える場合ではアクリル酸およびアクリル酸亜鉛が重合を起こし、品質が低下して好ましくない。この場合、反応生成水および有機溶媒の留去は、水との共沸蒸留によることが好ましい。【0031】【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これら実施例のみに限定されるものでない事は言うまでもない。【0032】実施例1内容量10リッターのSUS−316製ジャケット付きニーダーに、有機溶媒としてトルエン5,926gおよびアニオン界面活性剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(花王株式会社製、ペレックスOT−P)11.4gを仕込み、つぎに酸化亜鉛1,411gを添加して攪拌懸濁させ、ニーダーの内部温度を40℃に保ちながら、高級脂肪酸としてトルエン1,809gに溶解させたステアリン酸540gを1時間で添加して、さらに2時間反応させた。次いで、ニーダーの内部温度を15℃に冷却後、アクリル酸2,362gを徐々に35℃に達するよう3時間かけて添加し、さらに40℃で4時間反応させた。そして徐々に減圧下20Torrに達するよう50℃まで昇温させながら、反応生成水およびトルエンの留去乾燥を5時間かけて行なって、ステアリン酸亜鉛を含むアクリル酸亜鉛3,988gを得た。【0033】また、得られたアクリル酸亜鉛を100μmのサイズのふるいにかけ、100μm未満の粒子についてはレーザー回析粒度分布測定法(日機装株式会社製マイクロトラックFRA、溶媒トルエン)により、一方、100μm以上の粒子については標準篩湿式振とう法(OCTAGON 200、溶媒トルエン)によりそれぞれの粒度分布を測定した結果を図1に示す。図1より、該アクリル酸亜鉛には、44μm以下の粒子を64重量%含んでいることが確認された。【0034】次いで、得られたアクリル酸亜鉛を解砕して100μmのふるいを通ったもの5gを50cmの高さからガラス板上に落下させたところ、粉塵は半径65cmに広がった。該アクリル酸亜鉛を解砕する際の発塵は、図1の粒度分布から微細粉末を多く含有しているにもかかわらず極めて少なく、また一部に生成した塊状物も崩壊しやすいものであった。【0035】得られた該アクリル酸亜鉛を軽く粉砕し、44μm以下の粉末30重量部と、ポリブタジエンゴム100重量部とをバンバリーミキサーで混練加熱したところ、スムーズに混練でき、バンバリーミキサーの内壁や羽根への固着および塊状物の発生はなかった。【0036】実施例2ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム11.0g、トルエン1,215gに溶解したステアリン酸347gとアクリル酸2,411gを使用した以外は、実施例1と同様にしてステアリン酸亜鉛を含むアクリル酸亜鉛3,845gを得た。【0037】実施例1と同様に、得られたアクリル酸亜鉛の粒度分布の測定結果を図2に示すが、44μm以下の粒子を63重量%含んでいた。【0038】同様に、発塵半径60cm、また混練加熱ではバンバリーミキサーの内壁および撹拌羽根への固着や塊状物は認められなかった。【0039】実施例3ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム10.6g、トルエン588gに溶解したステアリン酸168gとアクリル酸2,456gを使用した以外は、実施例1と同様にしてステアリン酸亜鉛を含むアクリル酸亜鉛3,712gを得た。【0040】実施例1と同様に、得られたアクリル酸亜鉛の粒度分布の測定結果を図3に示すが、44μm以下の粒子を65重量%含んでいた。【0041】同様に、発塵半径63cm、また混練加熱ではバンバリーミキサーの内壁および撹拌羽根への固着や塊状物は認められなかった。【0042】実施例4高級脂肪酸としてステアリン酸の代わりにトルエンに溶解させたパルミチン酸546gとアクリル酸2,345gを使用した以外は、実施例1と同様にしてパルミチン酸亜鉛を含むアクリル酸亜鉛3,961gを得た。【0043】実施例1と同様に、得られたアクリル酸亜鉛の粒度分布の測定結果を図4に示すが、44μm以下の粒子を66重量%含んでいた。【0044】同様に、発塵半径62cm、また混練加熱ではバンバリーミキサーの内壁および撹拌羽根への固着や塊状物は認められなかった。【0045】比較例1実施例1におけるジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを除いた以外は、実施例1の操作を行なってアクリル酸亜鉛3,900gを得た。その製造に際しては、撹拌羽根に多量の固着物が認められ、作業性が悪いことが確認された。【0046】実施例1と同様に、得られたアクリル酸亜鉛の粒度分布の測定結果を図5に示すが、44μm以下の粒子は28重量%と低かった。【0047】同様に、発塵半径は95cm、また混練加熱ではバンバリーミキサーの内壁および攪拌羽根への固着や塊状物が認められた。【0048】これらのことから、トルエン溶媒中のアニオン界面活性剤であるジオクチルスルホコハク酸ナトリウムの存在下で、最初に高級脂肪酸亜鉛塩、次いでアクリル酸亜鉛塩を生成させて得られる該亜鉛塩は、本質的に微細なアクリル酸亜鉛の微粉末が生成し、微粒子が多いにもかかわらず、発塵が少なく、また、加熱混練に際してもバンバリーミキサーの内壁や撹拌羽根への固着や塊状物が発生しないので、アニオン界面活性剤の存在は製造されるアクリル酸亜鉛の表面状態の改善に有用であることが確認された。【0049】【発明の効果】本発明によって得られたアクリル酸亜鉛は、先述の従来公知技術の製造方法に比べて、生成した結晶の微細化が可能であり、二次凝集等により生成したと思われる凝集塊も崩壊し易く、小さな力で解砕でき微粉化し得る。また、解砕作業および解砕後の粉体の取扱い作業において、先述の従来公知技術の製造方法により得られた製品と比べて格段に粉塵が立たず優れた作業性を有するものである。【0050】さらに、得られたアクリル酸亜鉛を、例えばゴム組成物と加熱混練して使用する場合には、固着や塊状物が発生せず、ゴム組成物との重合が十分進むため、でき上がった製品の品質を向上させるという利点を有している。【図面の簡単な説明】【図1】本発明の実施例1により得られたステアリン酸亜鉛を含むアクリル酸亜鉛の粒度分布図である。【図2】本発明の実施例2により得られたステアリン酸亜鉛を含むアクリル酸亜鉛の粒度分布図である。【図3】本発明の実施例3により得られたステアリン酸亜鉛を含むアクリル酸亜鉛の粒度分布図である。【図4】本発明の実施例4により得られたパルミチン酸亜鉛を含むアクリル酸亜鉛の粒度分布図である。【図5】本発明の比較例1により得られたステアリン酸亜鉛を含むアクリル酸亜鉛の粒度分布図である。 アニオン界面活性剤の存在下に、有機溶媒中に酸化亜鉛を分散させながら、該有機溶媒中で、 炭素数12〜30の高級脂肪酸を該酸化亜鉛と反応させて高級脂肪酸亜鉛を生成させる工程と、 アクリル酸を該酸化亜鉛と反応させてアクリル酸亜鉛を生成させる工程と、を有することを特徴とするアクリル酸亜鉛の製造方法。 高級脂肪酸を添加して反応させたのち、アクリル酸を添加して反応させてなる請求項1に記載のアクリル酸亜鉛の製造方法。 アクリル酸と酸化亜鉛との反応後に生成水および有機溶媒を除去して乾燥に供してなる請求項2に記載のアクリル酸亜鉛の製造方法。 アニオン界面活性剤の使用量は、酸化亜鉛100重量部に対して0.03〜1.5重量部である請求項1〜3のいずれか一つに記載のアクリル酸亜鉛の製造方法。 アクリル酸の使用量は、酸化亜鉛100重量部当り100〜250重量部である請求項1〜4のいずれか一つに記載のアクリル酸亜鉛の製造方法。 高級脂肪酸の添加量は、酸化亜鉛100重量部当り2〜50重量部である請求項5に記載のアクリル酸亜鉛の製造方法。 高級脂肪酸がステアリン酸またはパルミチン酸である請求項6に記載のアクリル酸亜鉛の製造方法。 アニオン界面活性剤が、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムである請求項1〜7のいずれか一つに記載のアクリル酸亜鉛の製造方法。