生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_疎水性薬剤の投与システム
出願番号:1995523917
年次:2008
IPC分類:A61K 9/08,A61K 47/10,A61K 47/12,A61K 47/14,A61K 47/44


特許情報キャッシュ

レイシー・ジョナサン・アーネスト エンブレトン・ジョナサン・ケネス アン・ペリー・エリザベス JP 4170386 特許公報(B2) 20080815 1995523917 19950316 疎水性薬剤の投与システム アール.ピー.シェーラー リミテッド 595053180 志賀 正武 100064908 渡邊 隆 100089037 村山 靖彦 100108453 実広 信哉 100110364 廣澤 邦則 100109601 レイシー・ジョナサン・アーネスト エンブレトン・ジョナサン・ケネス アン・ペリー・エリザベス GB 9405304.8 19940316 20081022 A61K 9/08 20060101AFI20081002BHJP A61K 47/10 20060101ALI20081002BHJP A61K 47/12 20060101ALI20081002BHJP A61K 47/14 20060101ALI20081002BHJP A61K 47/44 20060101ALI20081002BHJP JPA61K9/08A61K47/10A61K47/12A61K47/14A61K47/44 A61K9/08 A61K47/10,47/12,47/14,47/44 特開平2−255623(JP,A) 特開昭53−72814(JP,A) 特表平6−502143(JP,A) 特表平5−505800(JP,A) 特表平4−507418(JP,A) 11 GB1995000561 19950316 WO1995024893 19950921 1998503750 19980407 30 19990415 2003002394 20030213 森田 ひとみ 谷口 博 星野 紹英 【0001】疎水性薬剤の投与システム【0002】本発明は、疎水性薬剤の経口薬剤投与システムに関するものであり、更に詳細には、かかるシステムからの疎水性薬剤の生体内有効率を改善することに関する。【0003】よく知られているように、経口投与される医薬的に活性な成分の多くは水に少ししか溶解しない。この疎水性という性質が、生体内で満足できる生体内有効率を示す薬剤を製剤することをしばしば困難にしている。生体内有効率が低いということは有効な治療ができなかったり、より高い投与量が必要になったり、そして(もしくは)望ましくない副作用を惹起したりすることになる。【0004】長年の間、薬剤製剤技術は進歩して、疎水性薬剤を経口投与するための数多くのシステムが開発された。かかるシステムの多くは油をベースとしており、疎水性薬剤は、時には共溶剤を含有している油に拡散もしくは溶解されている。かかる製剤にとって、油は薬剤の吸収を促進するための重要な成分と思われる。しかしながら、油単独に薬剤を含ませて投与することは、その油が胃腸管の水性環境とよく混ざらないことから有利であるとはいえない。この良く混ざらないことは、胃が空になることを非常に不安定とし、その結果小腸からの薬剤の吸収も不安定にすることになる。【0005】従って、油の水性液体への拡散性を増加させるために、オイルベースの医薬薬剤に界面活性剤成分を含有させることは通常の手段である。親油性界面活性剤(つまり、HLB<10)は、油の乳化性を促進することができるが、得られる乳化物は通常、その大きさの点で粗すぎて使用することができない。親水性界面活性剤(つまり、HLB>10)は、水中油型(o/w)乳化物を形成するという点では非常に優れていて、急速にかつ一定して胃から移動し易く、かつ、非常に大きな表面積に関連して、より早くかつより完全な吸収を促進することができる微細で均一な乳化物を作製することができる。しかしながら、親水性界面活性剤それ自体はしばしば、油成分と十分には混ざらなく、良好な均一性を確保することができない。その結果、オイルベースの薬剤製剤の界面活性剤成分は、通常、親油性と疎水性の界面活性剤との混合物からなっている。【0006】保存性と、患者による使用するための利便性のために、オイルベースの薬剤製剤は一般には硬質カプセルもしくはソフトカプセルに充填されている。【0007】最近の特許文献に記載された疎水性薬剤のオイルベース製剤の例を2、3例示する。【0008】GB-A-2015339には、薬剤が価値ある免疫抑制剤であるサイクロスポリン、その担体が下記の成分からなる医薬組成物が記載されている。(a)天然もしくは脱水素化植物油トリグリセリドとポリアルキレンポリオールとのエステル交換生成物、(b)エタノールおよび(c)植物性油。【0009】他方、GB-A-2228198は、サイクロスポリンのエタノールを含有しない薬剤を提供することを目的としており、その明細書には、キャリヤーシステムが、(a)脂肪酸トリグリセリド、(b)グリセロール脂肪酸部分エステルまたはプロピレングリコールもしくはソルビトール完全もしくは部分エステルおよび(c)親水性−親油性比率(HLB)が少なくとも10であるテンサイド(Tenside)からなる組成物が記載されている。【0010】これらの組成物は、患者の胃腸管中の胆汁酸もしくはその塩の相対的有効性とは少なくとも実質的に独立した形態で、サイクロスポリンの吸収を可能にすることが示唆されている。【0011】サイクロスポリンに対する別のキャリヤーシステムがGB-A-222770には提案されている。これは、マイクロエマルジョンまたはマイクロエマルジョン・プレコンセントレート(前濃縮物)の形態を取っていて、これは下記の構成からなっている。(a)親水性相、(b)親油性相、例えば中鎖脂肪酸トリグリセリド、および(c)界面活性剤。【0012】サイクロスポリンに対する更に別のキャリヤーシステムがGB-A-2257359には提案されている。これは、下記の構成からなっている。(a)1,2−プロピレングリコール、(b)混合モノ、ジおよびトリグリセリド、および(c)親水性界面活性剤。【0013】WO92/10996は、血清コレステロール低下剤であるプロブコール(probucol)の生体内有効率を改善することに関している。これには、プロブコールを、一般式CxH2xO2(式中、xは4、6、8、10、12、14または16である)で表される脂肪酸のプロピレングリコールエステルに溶解することが提案されている。【0014】最後に、WO92/21348には、ベンゾジアゼピン(benzodiazapine)、つまり3R(+)-N-(2、3-ジヒドロ-1-メチル-2-オキソ-5-フェニル-1H-1、4-ベンゾジアゼピン-3-イル)-N’-(3-メチルフェニル)ウレアの医薬薬剤が記載されている。この薬剤には、担体(キャリヤー)は、グリセリドとC8-C10の鎖長を持つ植物性油脂肪酸とのエステル化生成物もしくはポリエーテル生成物から選ばれた医薬的に許容される油と、エチレンオキサイドと共重合されたポリアルコールのオレイン酸もしくはラウリン酸エステルから選ばれた医薬的に許容される界面活性剤から構成されている。【0015】上述した特許明細書は、疎水性薬剤の経口で投与される薬剤に関する特許文献についての包括的な検討をするように意図されたものではない。しかしながら、それらは、現在の製剤技術の重要な特長を例示するのには役に立つものである。つまり、それらに示されていることは、大かれ少なかれ経験的ではあるが、各疎水性薬剤について別個のキャリヤーシステムを開発することが一般的に必要であるということである。つまり、広い範囲の異なる疎水性薬剤に適している単一の薬剤キャリヤーシステムは現在のところ存在していない。各疎水性薬剤に対して別個のキャリヤーシステムを工夫することは、勿論、時間がかかりかつ費用も掛かるものである。【0016】その上、疎水性薬剤に対して開発された現在の薬剤キャリヤーシステムはしばしば、生体内有効率を所望するレベルまで達成することができない。したがって、多くの疎水性薬剤に対しては、その薬剤の胃腸管中での生体内有効率を増加するためのキャリヤーシステムを開発する必要性が残っている。【0017】多くの疎水性薬剤が食物と一緒に投与された場合には、その薬剤の生体内有効率が改善されることは長い間の観察で判明している。従って、患者はしばしば薬剤を食事時に服用することが指示される。この観察を説明する多くの原理が展開され、これらは次のようなものである。つまり、(a)胃の中が空になるのを遅らせて、薬剤が小腸に達する前にできるだけ多くの薬剤を溶解させるか、もしくは小腸中の特定の吸収部位での滞留時間をより長くさせること、(b)薬剤を食物(例えば高脂肪食)に直接反応させるかまたは溶解させること、(c)肝臓中の血流を食物関連で増加させて、初回パス代謝を減少させること、および(d)胃腸の分泌(例えば胆汁酸)を増加させて、薬剤の溶解性を改善すること。【0018】しかしながら、いずれの特定の薬剤について明確な機構を同定することは通常不可能であり、改善された製剤システムを工夫するために利用することができる一般的に適用できる原理は今まで開発されていない。【0019】本発明者らは、胃腸管における疎水性薬剤の溶解に影響する要因を詳しく調査して、その結果、疎水性薬剤の現存する配合物に比べて、多くの場合に生体内有効率を増強することができる、疎水性薬剤のためのキャリヤーシステムを開発することができた。【0020】更に、本発明者らが開発したキャリヤーシステムは、広範囲の異なる疎水性薬剤に対して一般的に適していることが判明した。それによって、研究努力と費用をこれまで通常要していたのに比べて相当軽減して、個々の疎水性薬剤について満足のいく製剤を提供することができる展望が開けた。【0021】本発明は下記の3つの重要な発見に基づいている。つまり、(i)胃腸管中での脂肪油の自然油分解が油と共に投与された疎水性薬剤の溶解性を増加させること。本発明者らは、この所見を説明できると思われる機構を明らかにした。(ii)疎水性薬剤のオイルベース製剤に従来慣用されている親水性界面活性剤の全てではないが、それらの大部分によって、上記の有用な油分解が、完全に防止されるわけではないが、実際に遅延されること、および(iii)従来の親水性界面活性剤のこの油分解抑制効果が、親油性界面活性剤を適切に選択して共用することにより少なくとも実質的に排除することができること。【0022】経口投与できるオイルベースの薬剤の製剤に慣用されている親水性界面活性剤が油分解プロセスおよび生体内での薬剤吸収を実際に緩和させることができるという知見は、疎水性薬剤のためのキャリヤーシステムで所望のレベルの生体内有効率を得るためにこれまで経験した困難の多くを説明することができる。いずれの場合にも、本発明者らが行った発見によって、本発明者らは疎水性薬剤のための改善されたキャリヤーシステムを開発することができた。【0023】本発明者らはまた、市販されている薬剤製剤に通常は使用されてなく、油の生体内での油分解を実質的には遅延させない、1群の親水性界面活性剤を発見した。【0024】つまり、本発明の最も広い態様では、疎水性薬剤のためのキャリヤーシステムを提供することであり、該キャリヤーシステムは次ぎの構成からなっている。つまり、(a)消化性油および(b)キャリヤーシステムを投与した際に生体内で油を拡散するための医薬的に許容できる界面活性剤であって、親水性界面活性剤部分からなり、かつ、該消化性油の油分解を実質的には抑制しないようなもの。【0025】本発明はまた、医薬組成物を提供するものであって、該組成物は下記の成分からなっている。つまり、(a)疎水性薬剤および(b)本発明に係る薬剤キャリヤーシステム。【0026】前述したように、薬剤製剤技術において使用される親水性界面活性剤の大部分は消化性油成分の分解を抑制する。したがって、これらの場合には、親水性界面活性剤の抑制効果を実質的に減少する親油性界面活性剤を使用しなければならない。【0027】従って、本発明は、好ましい態様においては、下記の構成からなる疎水性薬剤のためのキャリヤーシステムを提供するものである。つまり、(a)消化性油、(b)キャリヤーシステムを投与した際に生体内で油を拡散するための医薬的に許容できる界面活性剤であって、上記界面活性剤は、(i)その親水性界面活性剤部分が、上記消化性油の生体内での分解を実質的に抑制するものであり、そして、(ii)その親油性界面活性剤部分が、上記親水性界面活性剤部分の前述した抑制効果を少なくとも実質的に減少させることができるものからなっている。【0028】親油性界面活性剤がそれ自体消化性油であるかまたは油分解性生成物の原料として使用される場合には、好ましい態様としてのキャリヤーシステムの変形として、消化性油を別個に使用しなくてよいか、または少なくとも消化性油成分の濃度を低減することができる。【0029】更にまた、本発明は、上記薬剤が上記消化性油の生体内での油分解を実質的に抑制する親水性界面活性剤を含有する消化性油に拡散もしくは溶解された医薬組成物から、疎水性薬剤の生体内での生体内有効率を改善する方法を提供する。その方法は、上記組成物に、上記親水性界面活性剤の上記抑制効果を少なくとも実質的に軽減することができる親油性界面活性剤を添加することからなる。【0030】その上更に、本発明は、消化性油と親水性界面活性剤とからなる薬剤キャリヤーシステム中において、親水性界面活性剤が消化性油の生体内の油分解に対して及ぼす抑制効果を実質的に減少させるために親油性界面活性剤を使用することにも関している。【0031】既に示したように、本発明の好ましい態様の重要な特長は、該当するキャリヤーシステムにおいて、親水性界面活性剤成分の油分解抑制効果を少なくとも実質的に排除することができるところの親油性界面活性剤(つまり、HLB値が10未満の界面活性剤)の選択である。いずれの親油性界面活性剤がこの目的に適しているかどうかは、後述する試験方法に従って生体外試験によって決めることができる。【0032】本発明者らは、薬剤キャリヤーシステムに通常使用されている親油性界面活性剤の多くが有効でなく、親水性界面活性剤の油分解抑制性質を満足のいく程度には排除できないことを見出している。しかしながら、本発明の目的に使用することができる親油性界面活性剤の例は下記の通りである。つまり、1.脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、カプリン酸、カプリル酸。そのうち、オレイン酸が好ましい。2.脂肪酸のモノおよび/もしくはジーグリセリド、例えば、インビトール(Imwitor)988(モノ−/ジ−カプリル酸グリセリル)インビトール(Imwitor)742(モノ−/ジ−カプリル酸/カプリン酸グリセリル)インビトール(Imwitor)308(モノ−カプリル酸グリセリル)インビトール(Imwitor)191(モノ−/ジ−ステアリン酸グリセリル)ソフチゲン(Softigen)701(モノ−/ジ−リシノール酸グリセリル)カプムル(Capmul)MCM(カプリル酸/カプリン酸グリセリル)カプムル(Capmul)GMO(モノ−オレイン酸グリセリル)カプムル(Capmul)GDL(ジラウリン酸グリセリル)メーシン(Maisine)(モノ−オレイン酸グリセリル)ペセオール(Peceol)(モノ−オレイン酸グリセリル)ミベロール(Myverol)18-92(ひまわり油からの蒸留モノグリセリド)ミベロール(Myverol)18-02(脱水素化された大豆油からの蒸留モノグリセリド)この群の親油性界面活性剤のうちで好ましいものは、カプリル酸/カプリン酸の部分グリセリド、例えば、インビトール(Imwitor)988やインビトール(Imwi tor)742である。3.脂肪酸のモノ−/ジ−グリセリドの酢酸、コハク酸、乳酸、クエン酸および/もしくは酒石酸エステル、例えば、マイバセット(Myvacet)9−45(蒸留アセチル化モノグリセリド)ミグリオール(Miglyol)829(カプリル酸/カプリン酸ジグリセリルサクシネート)マイベロール(Myverol)SMG(モノー/ジーサクシニル化モノグリセリド)インビトール(Imwitor)370(グリセリルステアレートサイトレート)インビトール(Imwitor)375(グリセリルモノステアレート/サイトレート/ラクテート)クロダテム(Crodatem)T22(モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル)この群の内で好ましい界面活性剤はマイバセット(Myvacet)9−45である。4.脂肪酸のプロピレングリコールモノ−/ジ−エステル、例えば、ラウログリコール(Lauroglycol)(プロピレングリコールモノラウレート)ミルピル(Mirpyl)(プロピレングリコールモノミリステート)カプテックス(Captex)200(プロピレングリコールジカプリレート/ジーカプレート)ミグリオール(Miglyol)840(プロピレングリコールジカプリレート/ジーカプレート)ネオビー(Neobee)M-20(プロピレングリコールジカプリレート/ジーカプレート)この群の内で好ましい界面活性剤はネオビー(Neobee)M-20である。5.脂肪酸のポリグリセロールエステル、例えば、プルロール・オレイク(Plurol oleique)(オレイン酸ポリグリセリル)カプロール(Caprol)ET(混合脂肪酸ポリグリセリル)ドリューウポール(Drewpol)10.10.10(オレイン酸ポリグリセリル)この群の内で好ましい界面活性剤はプルロール・オレイクである。6.ヒマシ油エトキシレート(低エトキシレート含量、HLB<10)、例えば、エトカス(Etocas)5(1モルのヒマシ油を5モルのエチレンオキサイドで反応させた)サンドキシレート(Sandoxylate)5(1モルのヒマシ油を5モルのエチレンオキサイドで反応させた)7.酸およびエステルエトキシレート(エチレンオキサイドを脂肪酸もしくは脂肪酸のグリセロールエステルで反応させて生成、HLB<10)、例えば、クロデット(Crodet)04(ポリオキシエチレン(4)ラウリン酸)シトロール(Cithrol)2MS(ポリオキシエチレン(2)ステアリン酸)マルロゾル(Marlosol)183(ポリオキシエチレン(3)ステアリン酸)マルロウェット(Marlowet)G12DO(グリセロール12EOジオレエート)8.脂肪酸のソルビタンエステル、例えば、スパン(Span)20(ソルビタンモノラウレート)クリル(Crill)1(ソルビタンモノラウレート)クリル(Crill)4(ソルビタンモノオレエート)。【0033】商標「インビトール(Imwitor)」、「ミグリオール(Miglyol)」および「マルロゾル(Marlosol)」の界面活性剤は、イギリス国ミルトン・ケインズに所在するハル社から入手することができる。【0034】商標「カプムル(Capmul)」、「カプテックス(Captex)」および「カプロール(C aprol)」の界面活性剤は、スエーデン国カールスハムンに所在するカールスハムンス社から入手することができる。【0035】商標「メーシン(Maisine)」、「ペセオール(Peceol)」、「ラウログリコール(Lauroglycol)」、「ミルピル(Mirpyl)」および「プルロール・オレイク(Plurol oleique)」の界面活性剤は、フランス国セデス、センプリースに所在するガテフォス社から入手することができる。【0036】商標「マイベロール(Myverol)」および「マイバセット(Myvacet)」の界面活性剤は、アメリカ国テネシーに所在するイーストマン・ケミカル・プロダクツ社から入手することができる。【0037】商標「クロダテム(Crodatem)」、「エトカス(Etocas)」、「クロデット(Crodet)」、「シトロール(Cithrol)」および「クリル(Crill)」の界面活性剤は、イギリス国ノースハンバーサイドに所在するクローダ・ケミカルズ社から入手することができる。【0038】商標「ネオビー(Neobee)」および「ドリューウポール(Drewpol)」の界面活性剤は、フランス国ベレップに所在するステパンユーロップ社から入手することができる。【0039】商標「スパン(Span)20」の界面活性剤は、イギリス国クリーブランドに所在するアイシーアイ・サーファクタンツ社から入手することができる。【0040】商標「サンドキシレート(Sandoxylate)5」の界面活性剤は、イギリス国リーズに所在するサンド・ケミカルズ社から入手することができる。【0041】界面活性剤の供給先についての更に詳細については、イギリス国ダーリントンに所在するテルゴ・データ社から出版されている文献「Surfactants Europa」第2版(1989)から入手することができる。【0042】上記に例示した適当な親油性界面活性剤の群の内、脂肪酸(つまり、上記の第1群)か、脂肪酸のモノ−および/もしくはジ−グリセリド(つまり、上記第2群)のいずれかを使用するのが好ましい。【0043】更にまた、上記第1群から第5群の界面活性剤は、本発明における消化性油として作用するか、または油分解性生成物の源として作用することが可能である。【0044】適切な親油性界面活性剤の混合物、例えば、上記に例示したようなものの混合物は、必要に応じて使用することができ、ある場合には有利であることが判明している。例えば、Imwitor 988界面活性剤とMaisine界面活性剤との混合物ならびにオレイン酸とMaisine界面活性剤との混合物はある種の配合物においては特に有用であることが分かっている。【0045】なお、上記に例示した親油性界面活性剤の全てが常に、親水性界面活性剤成分の油分解抑制効果を実質的に軽減することができるというわけではないことは十分に認識しておくべきである。下記に例として示すような、その抑制効果が特に強い場合には、これらの親油性界面活性剤のいくつかはその抑制効果を十分には打ち消すことができない。しかしながら、本明細書で後述する生体外試験では、問題となる薬剤キャリヤーシステムのためのあらゆる親油性界面活性剤が適当であるかどうかを容易に評価することができる。【0046】われわれの試験で本目的のためには余り適当でないことが見出されたよく知られた医薬的に許容できる親油性界面活性剤のいくつかの例を下記に示す。1.天然または脱水素化植物性油トリグリセリドとポリアルキレンポリオールとのエステル交換生成物(HLB<10)、例えば、ラブラフィル(Labrafil)M1944CS(ポリオキシエチル化アプリコット核油)ラブラフィル(Labrafil)M2125CS(ポリオキシエチル化トウモロコシ油)ゲルシール(Gelucire)37/06(ポリオキシエチル化脱水素化油)2.アルコールエチオキシレート(HLB<10)、例えば、ボルポ(Volpo)N3(ポリオキシエチル化(3)オレイルエーテル)ブライジュ(Brij)93(ポリオキシエチル化(2)オレイルエーテル)マルロウエット(Marlowet)LA4(ポリオキシエチル化(4)ラウリルエーテル)3.ポリオキシエチレンーポリオキシプロピレン共重合体およびブロック共重合体(HLB<10)、例えば、シンペロニック(Synperonic)PE L42(HLB=8)シンペロニック(Synperonic)PE L61(HLB=3)【0047】「ラブラフィル(Labrafil)」、「ゲルシール(Gelucire)」、「ボルポ(Volpo)」、「ブライジュ(Brij)」、「マルロウエット(Marlowet)」および「シンペロニック(Synperonic)」は商標である。【0048】いずれの医薬的に許容される親水性界面活性剤(つまり、HLB値が10より大きい)は本発明に使用することができる。それらの例をいくつか下記に示す。1.リン脂質、特にレシチン、好ましくは大豆レシチン。2.ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸誘導体、例えば、ツイーン(Tween)20(ポリオキシエチレン(20)モノラウレート)ツイーン(Tween)80(ポリオキシエチレン(20)モノオレエート)クリレット(Crillet)4(ポリオキシエチレン(20)モノオレエート)モンタノックス(Montanox)40(ポリオキシエチレン(20)モノパルミテート)ツイーン(Tween)80が好ましい。3.ヒマシ油もしくは水素化ヒマシ油エトキシレート(HLB>10)、例えば、クレモフォール(Cremophor)EL(ポリオキシエチレン(35)ヒマシ油)クレモフォール(Cremophor)RH40(ポリオキシエチレン(40)水素化ヒマシ油)エトカス(Etocas)40(ポリオキシエチレン(40)ヒマシ油)ニッコール(Nikkol)HCO-60(ポリオキシエチレン(60)水素化ヒマシ油)クレモフォール(Cremophor)RH40が好ましい。4.脂肪酸エトキシレート(HLB>10)、例えば、マイルジ(Myrj)45(ポリオキシエチレン(8)ステアレート)タガット(Tagat)L(ポリオキシエチレン(30)モノラウレート)マルロゾル(Marlosol)1820(ポリオキシエチレン(20)ステアレート)マルロゾル(Marlosol)OL15(ポリオキシエチレン(15)オレエート)マイルジ(Myrj)45が好ましい。5.アルコールエトキシレート(HLB>10)、例えば、ブライジ(Brij)96(ポリオキシエチレン(10)オレイルエーテル)ボルポ(Volpo)015(ポリオキシエチレン(15)オレイルエーテル)マルロウエット(Marlowet)OA30(ポリオキシエチレン(30)オレイルエーテル)マルロウエット(Marlowet)LMA20(ポリオキシエチレン(20)C12−C14脂肪酸エーテル)6.ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体およびブロック共重合体(HLB>10)、例えば、シンペロニック(Synperonic)PE L44(HLB=16)シンペロニック(Synperonic)F127(HLB=22)7.アニオニック界面活性剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムオレイン酸ナトリウムジオクチルスルホコハク酸ナトリウム8.アルキルフェノール界面活性剤(HLB>10)、例えば、トリトン(Triton)N-101(ポリオキシエチレン(9-10)ノニルフェノール)シンペロニック(Synperonic)NP9(ポリオキシエチレン(9)ノニルフェノール)最も好ましい親水性界面活性剤はクレモフォール(Cremophor)RH40である。【0049】商標「ツイーン(Tween)」、「マイルジ(Myrj)」、「ブライジ(Brij)」および「シンペロニック(Synperonic)」界面活性剤は、イギリス国クリーブランドに所在するアイシーアイ・サーファクタンツ社から入手することができる。【0050】商標「クリレット(Crillet)」、「エトカス(Etocas)」および「ボルポ(Volpo)」界面活性剤は、イギリス国ノースハンバーサイドに所在するクローダ・ケミカルズ社から入手することができる。【0051】商標「モンタノックス(Montanox)」界面活性剤は、フランス国パリ所在のSEPP IC社から入手することができる。【0052】商標「クレモフォール(Cremophor)」界面活性剤は、イギリス国チェーシャー、チェドル・ヒューム所在のBASF社から入手することができる。【0053】商標「ニッコール(Nikkol)HCO-60」界面活性剤は、日本国東京所在のニッコー化学会社から入手することができる。【0054】商標「マルロゾル(Marlosol)」および「マルロウエット(Marlowet)」界面活性剤は、イギリス国ミルトン・ケインズに所在するハル社から入手することができる。【0055】商標「タガット(Tagat)L」界面活性剤は、イギリス国ルイスリップ所在のThゴールドシュミット社から入手することができる。【0056】商標「トリトン(Triton)N-101」界面活性剤は、イギリス国クロドン所在のローム・アンド・ハース(UK)社から入手することができる。【0057】更に、これらの混合物も使用することができる。【0058】前述したように、1群の親水性界面活性剤、つまり、ポリオキシエチレングリコールとカプリン酸ならびにカプリル酸のグリセロールエステルとのエステル交換生成物が、消化性油の生体内油分解を実質的には抑制しないことを、驚いたことに見出した。したがって、この群の親水性界面活性剤を使用すれば、親油性界面活性剤成分を全く含有させる必要がない。しかし、親油性界面活性剤が望まれた場合でも、従来の配合物の場合と同じように、つまり、油分解機構に対する効果については関係なく選択することもできる。【0059】言い換えると、本発明の更なる態様においては、本発明は、下記の構成からなるキャリヤーシステムを提供するものである。つまり、そのキャリヤーシステムは、(a)消化性油と、(b)親水性界面活性剤としての、ポリオキシエチレングリコールとカプリン酸および/またはカプリル酸のグリセロールエステルとのエステル交換生成物と、(c)必要に応じて使用される親油性界面活性剤とからなっている。【0060】本発明のこの態様において使用することができる親水性界面活性剤の例としては、例えば、次ぎのようなものが例として挙げられる。ラブラゾル(Labrasol)(カプリル酸/カプリン酸グリセリルおよびカプリル酸/カプリン酸PEG-8)ソフチゲン(Softigen)767(PEG-8カプリル酸/カプリン酸グリセリド)ラブラゾル(Labrasol)が好ましい。これはフランス所在のガテフォス社から入手することができる。ソフチゲン(Softigen)767はイギリス国ケインズ所在のハル社から入手することができる。【0061】この群のその他の親水性界面活性剤が本発明に適しているかどうかは、後述する生体外試験で容易に決めることができる。【0062】本薬剤キャリヤーシステムの必須成分は消化性油である。本明細書において「消化性油」という用語は、通常の生理条件下での生体内での膵臓リパーゼの存在下での脱エステル化を受けることができる油を意味している。本発明における消化性油は、疎水性薬剤に対するベースキャリヤーを提供する機能として作用するばかりでなく、またかつ本発明にとって特有であるが、油分解性生成物の生体内での源としても作用していて、それによって疎水性薬剤の生体内での吸収を促進している。【0063】ヒトが消費しても安全でありかつ容易に消化されることが知られているところの、本発明に使用される好ましい消化性油は、中鎖(C8−C12)または長鎖(C14−C22)の脂肪酸と、低分子量(C6まで)のモノ−、ジ−もしくはポリ水酸基含有アルコールとの完全もしくは部分エステルである。そのうち、中鎖(C8−C12)トリグリセリドおよびまたは長鎖(C14−C22)トリ−およびジ−グリセリドの混合物を使用するのが特に好ましい。これらの混合物には、モノ−グリセリドも含有されていてもよい。本発明に使用される好ましい消化性油の例としては、次ぎのようなものが挙げられる。つまり、1.植物性油、例えば、下表に示したような植物性油(下表には、例示した油の典型的な分析を全脂肪酸に対する%で示している)【0064】【表1】【0065】使用することができるその他の植物性油としては、マツヨイグサ、ブドウ種子、小麦胚芽、ゴマ、アボガド、アーモンドおよびアプリコット種などが挙げられる。2.動物性油:動物性油としては、魚肝油、サメ肝油およびミンク鯨油などが挙げられる。【0066】使用できる更に別のトリグリセリドとしては、飽和C6−C12脂肪酸を含有するトリグリセリド、例えば、分別ココナッツ油のような分別植物性油などが挙げられる。有用なカプリル酸および/もしくはカプリン酸トリグリセリド油の例としては、ミグリオール810(Miglyol 810),ミグリオール812(Miglyol 812),ネオビーM5(Neobee M5),ネオビー0(Neobee 0),カプテックス300(Captex 300),カプテックス355(Capte x 355),カプテックス8000(Captex 8000)などが挙げられる。商標「Miglyol」油はハル(UK)社から、商標「Neobee」油はステファン・ヨーロッパ社から、商標「Captex」油はカルルスハムンズ社から入手することができる。【0067】いずれの場合にも、どの油を選択するかどうかは、膵臓リパーゼによって生成される油分解性生成物と、特定の薬剤との相対的溶解性に依存している。大豆油はしばしば好ましい長鎖脂肪酸トリグリセリド油であり、Miglyol 812はしばしば好ましい中鎖脂肪酸トリグリセリド油である。長鎖と中鎖の脂肪酸油を混合することは最適な効果を生み出すことがある。【0068】本発明の特長は、界面活性剤成分を適切に選択することによって達成される消化性油の生体内での油分解を抑制するよりはむしろ、その作用を促進することが可能であるばかりではなく、本発明の好ましい態様において達成される油分解の発生する割合を制御することもまたできるということである。これに関連して、余りにも急激な油分解は時には薬剤を沈殿させる原因となる。なぜならば、油分解性生成物が薬剤が溶解してしまう前に吸収されてしまうからである。したがって、油分解の割合を制御できれば、多くの場合明らかに有利である。油分解割合を制御することは、製剤中の界面活性剤と消化性油成分ならびにその相対比率を適切に選択することによって行うことができる。つまり、例えば、中鎖トリグリセリドは、それ単独または低濃度の長鎖グリセリドと一緒の場合には、急激な油分解を受ける。混合物中の長鎖グリセリドの比率を大きくしていくと、油分解速度は遅くなる。また、長鎖グリセリドだけを使用した場合には、油分解速度は最も遅くなる。【0069】前述したように、ある種の油分解性界面活性剤はまた、消化性油成分の1部もしくは全部に代わって使用することもできる。このことは、例えば、非常に速い速度での油分解が要求される場合とか、または、薬剤をベヒクルに溶解して溶液(薬剤の油に対する溶解性は、部分グリセリドのような誘導賦形剤に溶解する場合より低い傾向がある)を作製することが望まれる場合には、好都合である。【0070】本発明の好ましい疎水性薬剤キャリヤーシステムにおける消化性油、親水性界面活性剤および親油性界面活性剤の相対的割合は、一般には、特に決定的ではない。ただし、親油性界面活性剤の濃度が、親水性界面活性剤の油分解抑制性質を要求されるように排除することができる程度に十分な濃度でなければならない。しかしながら、一般には、下記のような相対濃度(重量比で)が好ましい(なお、下表において、百分率は、消化性油、親水性界面活性剤および親油性界面活性剤の総量に対するものである)。【0071】【表2】【0072】上記割合は勿論、親油性界面活性剤が消化性油成分の1部もしくは全部の代わりとして使用される場合には調節をする必要がある。【0073】本発明において特に有利なことは、本キャリヤーシステムが広範囲の疎水性薬剤(Log P>2)と共に使用することができることである。したがって、親水性界面活性剤が存在することによって惹起されるところの消化性油の油分解に対する抑制効果を軽減するかまたは除去することができる親油性界面活性剤を含有させることによって、もしくは、実質的に抑制効果を示さない親水性界面活性剤を適切に選択することによって、多くの疎水性薬剤を、高レベルの生体内有効率を持つ経口製剤に容易に配合することができることが判明した。いずれの特定の疎水性薬剤にとっても、消化性油と界面活性剤システムを適切に選択することと、最適の性質を得るために、それらの相対的比率を特定することは尚必要であるけれども、キャリヤーシステムにとって主に要求されること、つまり、それが油分解生成物の源となり、かつ、それが生体内で展開することがシステムの他の成分によって抑制されてはならないという要求は依然として変わっていない。したがって、これまで問題になっていたよりは、本発明では、ずっと少ない労力と費用で、疎水性薬剤を満足のいくように完全に配合することが可能である。【0074】本発明によって配合することができる疎水性薬剤としては、次ぎのような例を挙げることができる。鎮痛薬ならびに抗炎症薬:アロキシプリン(aloxiprin)、オーラノフイン(auranofin)、アザプロパゾン(azapropazone)、ベノリレート(benorylate)、ジフルニサール(diflunisal)、エトドラック(etodolac)、フェンブフェン(fenbufen)、フェノプロフェンカルシム(fenoprofen calcim)、フルールビプロフェン(flurbi profen)、イブプロフェン(ibuprofen)、インドメサシン(indomethacin)、ケトプロフェン(ketoprofen)、メクロフェナミン酸(meclofenamic acid)、メフェナミン酸(mefenamic acid)、ナブメトン(nabumetone)、ナプロキセン(naproxen)、オキシフェンブタゾン(oxyphenbutazone)、フェニルブタゾン(phenylbutazone)、ピロキシカム(piroxicam)、スリンダック(sulindac)。駆虫薬:アルベンダゾール(albendazole)、ジフェニウムハイドロナトエート(bepheniun hydroxynaphthoate)、カムベンダゾール(cambendazole)、ジクロロフェン(dichlorophen)、イバーメクチン(ivermectin)、メベンダゾール(mebendazole)、オキサムニキン(oxamniquine)、オクスフェンダゾール(oxfendazole)、オキサンタールエムボネート(oxantel embonate)、プラジクワンテル(praziquantel)、ピランテルエムボネート(pyrantel embonate)、チアベンダゾール(thiabendazole)。抗不整脈剤:ミオダロン塩酸塩(amiodarone HCl)、ジソピラミド(disopyramide)、フレカイニドアセテート(flecainide acetate)、キニジンスルフェート(quinidine sulphate)。抗菌剤:ベネタミンペニシリン(benethamine penicillin)、シノキサシン(cinoxacin)、シプロフロキサシン研鑽塩(ciprofloxacin HCl)、クラリスロマイシン(clarithromycin)、クロファジミン(clofazimine)、クロキサシリン(cloxacillin)、デメクロサイクリン(demeclocycline)、ドキシサイクリン(doxycycline)、エリスロマイシン(erythromycin)、エチオナミド(ethionamide)、イミペネム(imipenem)、ナリジキシン酸(nalidixic acid)、ニトロフラントイン(nitrofurantoin)、リファンピシン(rifampicin)、スピラマイシン(spiramycin)、スルファベンザミド(sulphabenzamide)、スルファドキシン(sulphadoxine)、スルファメラジン(sulphamerazine)、スルファセタミド(sulphacetamide)、スルファジアジン(sulphadiazine)、スルファフラゾール(sulphafurazole)、スルファメタキサゾール(sulphamethoxazole)、スルファピリジン(sulphapyridine)、テトラサイクリン(tetracycline)、トリメトプリム(trimethoprim)。抗凝固剤:ジクマロール(dicoumarol)、ジピリダモール(dipyridamole)、ニクマロン(nicoumalone)、フェニンジオン(phenindione)。抗うつ薬:アモキサピン(amoxapine)、マプロチリン塩酸塩(maprotiline HCl)、ミアンセリン塩酸塩(mianserin HCl)、ノルトリプチリン塩酸塩(nortriptyline HCl)、トラゾドン塩酸塩(trazodone HCl)、トリミプラミンマレエート(trimipramine maleate)。抗糖尿病薬:アセトヘキアミド(acetohexamide)、クロロプロパミド(chlorpropamide)、グリベンクラミド(qlibenclamide)、グリクラジド(gliclazide)、グリピジド(glipizide)、トラザミド(tolazamide)、トルブタミド(tolbutamide)。抗てんかん剤:ベクラミド(beclamide)、カルバマゼピン(carbamazepine)、クロナゼパム(clonazepam)、エトトイン(ethotoin)、メトイン(methoin)、メトスキシミド(methsuxinide)、メチルフェノバルビトン(methylphenobarbitone)、オキシカルバゼピン(oxcarbazepine)、パラメタジオン(paramethadione)、フェナセミド(phenacemide)、フェノバルビトン(phenobarbitone)、フェニトイン(phenytoin)、フェンスキシミド(phensuximide)、プリモドン(primidone)、スルチアム(sulthiame)、ヴァルプロン酸(valproic acid)。抗真菌剤:アンフォテリシン(amphotericin)、ブトコナゾールナイトレート(butoconazole nitrate)、クロトリマゾール(clotrimazole)、エコナゾールナイトレート(econazole nitrate)、フルコナゾール(fluconazole)、フルシトシン(flucytosine)、グリセオフルビン(griseofulvin)、イトラコナゾール(itraconazole)、ケトコナゾール(ketoconazole)、ミコナゾール(miconazole)、ナタマイシン(natamycin)、ニスタチン(nystatin)、スルコナゾールナイトレート(sulconazole nitrate)、テルビナフイン塩酸塩(terbinafine HCl)、テルコナゾール(terconazole)、チオコナゾール(tioconazole)、ウンデシレン酸(undecenoic acid)。抗通風薬:アロプリノール(allopurinol)、プロベネシド(probenecid)、スルフインピラゾン(sulphinpyrazone)。抗高血圧剤:アムロジピン(amlodipine)、ベニジピン(benidipine)、ダロジピン(darodipine)、ジリタゼム塩酸塩(dilitazem HCl)、ジアゾキシド(diazoxide)、フェロジピン(felodipine)、グアナベンズアセテート(guanabenz acetate)、イスラジピン(isradipine)、ミノキシジル(minoxidil)、ニカルジピン塩酸塩(nicardipine HCl)、ニフェジピン(nifedipine)、ニモジピン(nimodipine)、フェノキシベンザミン塩酸塩(phenoxybenzamine HCl)、プラゾシン塩酸塩(prazosin HCl)、レセルピン(reserpine)、テラゾシン塩酸塩(terazosin HCl)。抗マラリア薬:アモジアキン(amodiaquine)、クロロキン(chloroquine)、クロルプロガニル塩酸塩(chlorproguanil HCl)、ハロファントリン塩酸塩(halofantrine HCl)、メフロキン塩酸塩(mefloquine HCl)、プロガニル塩酸塩(proguanil HCl)、ピリメタミン(pyrimethamine)、キニン硫酸塩(quinine sulphate)。抗偏頭痛薬:ジヒドロエルゴタミンメシレート(dihydroergotamine mesylate)、エルゴタミンタートレート(ergotamine tartrate)、メチセルギドマレエート(methysergide maleate)、ピゾチフェンマレエート(pizotifen maleate)、スマトリプタンサクシネート(sumatriptan succinate)。抗ムスカリン薬:アトロピン(atropine)、ベンズヘキソール塩酸塩(benzhexol HCl)、ビペリデン(biperiden)、エトプロパジン塩酸塩(ethopropazine HCl)、ヒオスシアミン(hyoscyamine)、メペンゾレートブロマイド(mepenzolate bromide)、オキシフェンシルシミン塩酸塩(oxyphencylcimine HCl)、トロピカミド(tropicamide)。抗腫瘍薬および免疫抑制剤:アミノグルテチミド(Aminoglutethimide)、アムサクリン(amsacrine)、アザチオプリン(azathioprine)、ブスルファン(busulphan)、クロアムブシル(chlorambucil)、シクロスポリン(cyclosporin)、ダカルバジン(Dacarbazine)、エストラムスチン(estramustine)、エトポシド(etoposide)、ロムスチン(lomustine)、メルファラン(melphalan)、メルカプトプリン(mercaptopurine)、メトトレキセート(methotrexate)、マイトマイシン(mitomycin)、ミトテーン(mitotane)、ミトザントローン(mitozantrone)、プロカルバジン塩酸塩(procarbazine HCl)、タモキシフェンサイトレート(tamoxifen citrate)、テストラクトン(Testolactone)。抗原虫剤:ベンズニダゾール(benznidazole)、クリオキノール(Clioquinol)、デコキネート(decoquinate)、ジヨードヒドロキシキノロン(diiodohydroxyquinoline)、ジロキサニドフロエート(diloxanide furoate)、ジニトルミド(dinitolmide)、フルゾリドン(furzolidone)、メトロニダゾール(metronidazole)、ニモラゾール(nimorazole)、ニトロフラゾン(nitrofurazone)、オルニダゾール(ornidazole)、チニダゾール(tinidazole)。抗甲状腺薬:カルビマゾール(carbimazole)、プロピルチオウラシル(propylthiouracil)。不安寛解剤、鎮静剤、催眠薬および神経弛緩剤:アルプラゾラム(Alprazolam)、アミロバルビトン(amylobarbitone)、バルビトン(barbitone)、ベンタゼパム(bentazepam)、ブロマゼパム(bromazepam)、ブロムペリドール(bromperidol)、ブロチゾラム(brotizolam)、ブトバルビトン(butobarbitone)、カルブロマール(carbromal)、クロルジアゼポキシド(chlordiazepoxide)、クロルメチアゾール(chlormethiazole)、クロルプロマジン(chlorpromazine)、クロバザム(clobazam)、クロチナゼパム(clotiazepam)、クロザピン(clozapine)、ジアゼパム(diazepam)、ドロペリドール(droperidol)、エチナメート(ethinamate)、フルナミソン(flunanisone)、フルニトラゼパム(flunitrazepam)、フルオプロマジン(fluopromazine)、フルペンチキソールデカノエート(flupenthixol decanoate)、フルフェナジンデカノエート(fluphenazine decanoate)、フルラゼパム(flurazepam)、ハロペリドール(haloperidol)、ロラゼパム(lorazepam)、ロルメタゼパム(lormetazepam)、メダゼパム(medazepam)、メプロバメート(meprobamate)、メタクワロン(methaqualone)、ミダゾラム(midazolam)、ニトラゼパム(nitrazepam)、オキサゼパム(oxazepam)、ペントバルビトン(pentobarbitone)、ペルフェナジンピモジド(perphenazine pimozide)、プロクロルペラジン(prochlorperazine)、スルピリド(sulpiride)、テマゼパム(temazepam)、チオリダジン(thioridazine)、トリアゾラム(triazolam)、ゾピクロン(zopiclone)。β−ブロッカー:アセブトロール(acebutolol)、アルプレノロール(alprenolol)、アテノロール(atenolol)、ラベタロール(labetalol)、メトプロロール(metoprolol)、ナドロール(nadolol)、オキシプレノロール(oxprenolol)、ピンドロール(pindolol)、プロプラノロール(propranolol)。強心変力剤:アムリノン(amrinone)、ジギトキシン(digitoxin)、ジゴキシン(digoxin)、エノキシモン(enoximone)、ラナトシド(lanatosideC)、メデイゴキシン(medigoxin)。副腎皮質ステロイド:ベクロメタソン(beclomethasone)、ベタメタソン(betamethasone)、ブデソニド(budesonide)、コルチソンアセテート(Cortisone acetate)、デソキシメタソン(desoxymethasone)、デキサメタソン(dexamethasone)、フルドロコルチソンアセテート(fludrocortisone acatate)、フルニソリド(flunisolide)、フルコルトロン(flucortolone)、フルチカソンプロピオネート(flutic asone propionate)、ヒドロコルチソン(hydrocortisone)、メチルプレドニソロン(methylprednisolone)、プレドニソロン(prednisolone)、プレドニソン(prednisone)、トリアムシノロン(triamcinolone)。利尿剤:アセタゾラミド(acetazolamide)、アミロリド(amiloride)、ベンドロフルアジド(bendrofluazide)、ブメタニド(bumetanide)、クロロチアジド(chlorothiazide)、クロルサリドン(chlorthalidone)、エタクリン酸(Ethacrynic acid)、フルセミド(frusemide)、メトラゾン(metolazone)、スピロノラクトン(spironolactone)、トリアムテレン(Triamterene)。抗パーキンソン病薬:ブロモクリプチンメシレート(bromocriptine mesylate)、リスリドマレエート(Lysuride maleate)。胃腸薬:ビサコヂル(bisacodyl)、シメチヂン(cimetidine)、シサプリド(cisapride)、ジフェノキシレート塩酸塩(diphenoxylate HCl)、ドムペリドン(domperidone)、ファモチヂン(famotidine)、ロペラミド(loperamide)、メサラジン(mesalazine)、ニザチヂン(nizatidine)、オメプラゾール(omeprazole)、オンダンセトロン塩酸塩(Ondansetron HCl)、ラニチヂン塩酸塩(ranitidine HCl)、スルファサラジン(sulphasalazine)。ヒスタミンHレセプター拮抗剤:アクリヴァスチン(acrivastine)、アステミゾール(astemizole)、シンナリジン(cinnarizine)、サイクリジン(cyclizine)、シプロヘプタジン塩酸塩(cyproheptadine HCl)、ジメンヒドリネート(dimenhydrinate)、フルナリジン塩酸塩(flunarizine HCl)、ロランタジン(loratadine)、メクロジン塩酸塩(meclozine HCl)、オキサトミド(oxatomide)、テルフェナジン(terfenadine)。脂質調節剤:ベザフィブレート(bezafibrate)、クロフィブレート(clofibrate)、フェノフィブレート(fenofibrate)、ゲムフィブロジルgemfibrozil)、プロブコル(probucol)。硝酸塩および抗狭心剤:硝酸アミル(amyl nitrate)、グリセリルトリナイトレート(glyceryl trinitrate)、イソソルビドジナイトレート(isosorbide dinitrate)、イソソルビドモノナイトレート(isosorbide mononitrate)、ペンタエリスリトールテトラナイトレート(pentaerythritol tetranitrate)。栄養剤:ベータカロチン、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンK。オピオイド鎮痛剤:コデイン(codeine)、デキストロプロピオキシフェン(dextropropyoxyphene)、ジアモルフィン(Diamorphine)、ジヒドロコデイン(dihydrocodeine)、メプタジノール(meptazinol)、メサドン(methadone)、モルフィネ(mor phine)、ナルブフィン(nalbuphine)、ペンタゾシン(pentazocine)。性ホルモン剤:クロミフェンサイトレート(clomiphene citrate)、ダナゾール(danazol)、エチニロエストラジオール(ethinyloestradiol)、メドロキシプロゲステロンアセテート(medroxyprogesterone acetate)、メストラノール(mestranol)、メチルテストステロン(methyltestostero ne)、ノレシステロン(norethisterone)、ノルゲストレル(norgestrel)、エストラジオール(oestradiol)、共役エストロゲン(conjugated oestrogens)、プロゲステロン(progesterone)、スタノゾロール(stanozolol)、スチボエストロール(stiboestrol)、テストステロン(testosterone)、チボロン(tibolone)。興奮剤:アンフェタミン(amphetamine)、デキサムフェタミン(dexamphetamine)、デクスフェンフルラミン(dexfenfluramine)、フェンフルラミン(fenfluramine)、メジンドール(mazindol)。【0075】疎水性薬剤の混合物は、勿論、治療的に有効であれば、使用することができる。【0076】本発明の医薬組成物の特に有利な態様は、活性成分としてプロゲステロンを含むものである。【0077】最終医薬配合物中の薬剤の濃度は、その薬剤から所望の治療効果が提供されるのに要求される程度である必要があるが、一般的には、最終組成物の重量に対して0.1%ないし50%の範囲であればよい。しかしながら、多くの場合、薬剤の本組成物は、公知の薬剤組成物よりもより高い生体内有効率を有しているので、治療効果を損なうことなく、従来の製剤に比べて、薬剤濃度を減ずることができる。【0078】原理に拘束されることを望まなくて、本発明者らは、油分解機構が疎水性薬剤の溶解性を増進していると考えていることを説明するために、以下の説明を行うことにする。【0079】最初に、胃腸管中を通過している間に、消化性油(典型的にはトリグリセリド)を含有する薬剤配合物が受ける生化学的変化、特に物理化学的変化について考察する必要がある。【0080】胃の中では、油は物理的に胃酸によって乳化されて、水中油(o/w)乳化物を生成する。疎水性薬剤は主に、この乳化物の拡散相(つまり、油相)中に、溶液かまたは部分懸濁液として存在している。【0081】その水中油乳化物は、胃の中では余り消化されず、その結果疎水性薬剤は、油相の1部として小腸上部に入ることになる。それによって、胃が空になる。【0082】一旦小腸に入ると、乳化された油は、膵臓から分泌される膵リパーゼとコリパーゼの作用によって急激に油分解を受ける。これによって、分解している脂肪小滴の表面に個別の液体状の結晶性生成物が生成してくる。これらは、モノグリセリドと、脂肪酸、つまり、トリグリセリドの油分解の最終生成物から構成されている。次いで、これらの液体状の結晶は更に、肝臓と胆嚢から分泌される胆汁酸塩によって拡散されて溶解されて、液胞と主に混合腸ミセルを生成する。これらの超微小体には液状の炭化水素核が含まれていて、その核が疎水性薬剤の溶解にとって優れた環境を提供している。したがって、内生胆汁酸塩と脂肪消化の生成物の間で生成される混合ミセルは「シンク」として作用し、そのシンクの中に、その主要溶剤(つまり、油)が消化されるに従って、疎水性薬剤が分配される。【0083】対照的に、小腸に油分解を受ける食物性脂肪が存在しない場合には、疎水性薬剤、例えば錠剤は最初に、ミセル構造(この場合には、純粋な胆汁酸塩ミセル)中に取り込まれる前に、水に溶解されなければならない。結晶疎水性薬剤が水に溶解することは、溶解した疎水性薬剤が脂肪小滴から混合腸ミセル中に流入することに比べて、極めて緩やかでかつ効果が非常に少ない方法である。効果が少ないのは、混合腸ミセルは、純粋な胆汁酸塩に比べて、疎水性薬剤を溶解する力がより一層高いからである。このことは、抗高リポタンパク血症剤であるフェノフィブレートについての試験によって示されている。つまり、その試験で、この薬剤が、混合腸ミセルには、胆汁酸塩だけの場合に比べて、20倍以上もよく溶解することが判明した。【0084】溶解された疎水性薬剤が詰まった混合腸ミセルは、撹拌されない水層を通って吸収膜の表面に移行する。ミセルは、実際、非常に高い動的構造をしてきて、水と急激に平衡状態になる。つまり、ミセルは、一定して崩壊し、再形成し続けている。その上、その崩壊は、小腸細胞膜の表面近くのミクロ雰囲気中に典型的に見出される酸性pHによって促進される。したがって、水に溶解された疎水性薬剤モノマーは、混合腸ミセルと急速に平衡状態になるが、小腸細胞によって吸収されるところの、実際の種であると考えられる。【0085】本発明に係る医薬組成物は、均質な生成物を制御して製造するには、均一であることが通常要求される。従来のオイルベースの配合物では、親水性溶媒を使用すると、均一性を達成することと種々の成分の間で相分離を行うことの助けになることが時にはある。この目的に有用な医薬的に許容できる溶媒の例としては、例えば、エタノール、トリアセチン、プロピレングリコールなどが挙げられる。使用する場合には、その溶媒の量は、薬剤キャリヤーシステムに対して0.1%ないし20%、好ましくは5%ないし15%である。【0086】本発明の組成物に含有させることができるその他の任意成分としては、例えば、トコフェロール、トコフェロールアセテート、アスコルビルパルミテート、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、プロピルガレートなどの抗酸化剤、クエン酸、酒石酸、フマール酸、酢酸、グリシン、アルギニン、リジン、リン酸水素カリウムなどのpH調節剤、脱水素化植物性油、蜜ロウ、コロイダルシリコーンジオキシド、ゴム類、セルロース、珪酸類、ベントナイトなどの増量剤/懸濁剤、チェリー、レモン、アニス果実などの賦香剤、アスパルテーム、サッカリン、シクラメートなどの矯味料などが挙げられる。【0087】本発明における経口投与用の医薬組成物は、常温において固体、液体または半固体であってもよいが、好ましくは液体である。本発明に係る特に好ましい組成物は、液体状の経口単位適用量に分けた形式であって、より好ましいのは硬質カプセルもしくは軟質カプセル、例えば、ゼラチンカプセルに充填された形式である。オイルベース医薬製剤をカプセルに充填する技術は公知であり、ここで説明する必要がないので省略する。【0088】本発明に係る薬剤キャリヤーシステムおよび医薬製剤は、オイルベース薬剤キャリヤーシステムに対する従来技術で製造することができる。本発明の好ましいキャリヤーシステムを製造するための典型的な方法では、油成分を秤量して適当なステンレススチール容器に入れ、次いで親油性界面活性剤を秤量して、容器に添加する。2種の液体の混合は、ホモゲナイザーミキサーまたはその他の高剪断装置によって行われる。材料が室温で固体状である場合には、十分な熱を加えて、化学分解を惹起させることなく、流動性を確保する。次いで、親水性界面活性剤を、ステンレススチール容器の中のその他の2種の成分に添加し、同じ装置を用いて混合する。更に、必要ならば、親水性溶媒を混合しながら最後に添加する。その後、疎水性薬剤を秤量し、上記液体に添加し、均一な溶液か懸濁液のいずれかが生成するまで混合を続ける。得られた配合物は、通常脱気され、硬質カプセルまたは軟質カプセルに充填する。ある場合には、充填された配合物は、加工を助けるために、適当なジャケット付きの容器を用いて、加温して保存することもできる。【0089】生体内での油分解効果が、疎水性薬剤の生体内有効率を増強することに実質的に寄与するために、単位適用量の形式、例えば、カプセルには、消化性油を少なくとも25mg、好ましくは少なくとも100mg含有するのが好ましい。【0090】GB-B-2228198の実施例2aに、硬質または軟質ゼラチンカプセルを経由して経口投与するための下記の成分を含むサイクロスポリン含有製剤が記載されている。つまり、サイクロスポリン 50mgMiglyol 812 100mgImwitor 742 100mgCremophor RH40 100mg【0091】このサイクロスポリン組成物には、消化性油と、親水性界面活性剤と、その親水性界面活性剤(CremophorRH40)と、この親水性界面活性剤の消化性油(Miglyol812)に対する油分解抑制効果を減少させるところの親油性界面活性剤(Imwitor742)とが含まれている。しかしながら、そのImwitor742は、GB-B-2228198の著者にとっては明らかに知られていなかったこれらの性質を付与するために用いられてはいない。それに、サイクロスポリンを含む医薬組成物を特許請求もしていない。【0092】前述したように、本発明の目的のために、親油性界面活性剤の適合性を決定する生体外試験方法を開発した。その試験方法の詳細を以下に示す。【0093】[試験:親水性界面活性剤と親油性界面活性剤の適合性を決定するための生体外試験]コリパーゼの存在下での膵リパーゼは、乳化された油の油分解(加水分解もしくは脱エステル化とも言う)に対して触媒作用を及ぼして、脂肪酸を生成する。脂肪酸生成の割合、つまり、油分解の割合の測定は、後述するように、pH装置で連続滴定によって行うことができる。【0094】pH装置は、例えば、pHメーターと、オートビューレットと、自動滴定ユニットとから構成されている。これらの装置は、製品番号PHM82、ABU80、TTT80として、デンマーク国コペンハーゲン所在のRadiometer社から入手することができる。pHメーターは、pH装置での滴定に適した電極に取り付けられる(例えば、カロメルやガラス電極(同社のコード番号945−462と945−463)。加えて、RadiometerTTA80のような、高剪断スターラー(Radiometerスターラーコード847−714またはそれと同等のもの)を取り付けた滴定アセンブリーユニットが必要である。pH装置は、製造会社の指示に従って設定し、操作した。そして、使用直前に37.5±0.5℃で認定バッファー標準によって検定した。【0095】反応は、37.5±0.5℃に維持したガラス恒温容器で行う。この容器は、内径が約7.5cmで、高さが約7.0cmのものを使用する。実験の間、反応容器は滴定アセンブリーユニットの下に置いて、pH電極とスターラーとの両方の先端が液レベルより下面に少なくとも1cmのところになるように設定する。また、実験の間中、反応容器の内容は漏れたり、吹き出したりしないようにする必要がある。【0096】油分解試験を行うためには、次ぎのものが必要である。塩化カルシウム、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウムペレット、トリスーマレエートバッファー(例えば、イギリス国ドーセット所在のシグマ社のトリズママレエート(TRIZMA MALEATE)など)標準水酸化ナトリウム溶液(例えば、ドーセット、プール所在のBDH社からの1.0M(N)「アナラR(AnalaR)」など)パンクレアチン(USP仕様、酵素活性の源として)ナトリウムタウロコレート(ナトリウム塩、約98%)L−α−ホスファチヂルコリン(L−α−レシチン)型X−E(乾燥卵黄からの)。【0097】油分解試験は、下記のようにして調製した、模擬腸液、pH6.50の中で行った。最初に、下記の材料1L容のフラスコに入れて秤量し、蒸留水で印のところまで希釈して、トリス−マレエ−ト50mM、CaCl2・H2O5mM、NaCl150mMを含む約pH6.5のバッファー1Lを調製する。CaCl2・H2O 0.74gNaCl 8.77gトリス−マレエ−ト 11.86gNaOH 1.59g【0098】約0.42gのナトリウムタウロコレートを、前述したpH6.5のバッファー100mlに添加する。混合物をゆっくり撹拌して、胆汁酸塩を完全に溶解させる。得られた溶液を約50℃に加温する(イギリス国イーストリー所在のStuart Scientifi c社の磁気撹拌/ホットプレート、型番SM3を用いて)。次いで、これに約0.12gの固体レシチンを連続的に撹拌しながら添加する。加熱と撹拌は、レシチンが完全に溶解してしまうまで、通常は30分間行う。【0099】その後、上記模擬腸液100mlをpH装置の反応容器に注入する。必要ならば、10μlの消泡剤(例えば、ダウコーニング社の「アンチフォームM」など)を反応容器に添加してもよい。【0100】pH装置の反応容器中の模擬腸液の温度は、油分解試験の間中、37.5±0.5℃の一定に維持する。これは、例えば、適当な温度制御器(例えば、イギリス国イングランド、オーレスベリー所在のB. Braun Biomedical社のThermomix M.E. Th ermoregulator)によって水浴から水を環流させて行うことができる。【0101】pH装置の反応容器中の模擬腸液の温度が所定の温度に達したときに、基材を所定量添加する(詳細については後述する説明を参照のこと)。【0102】pH装置の反応容器を滴定アセンブリの下の位置に移動させる。封止が完全になされているかどうか、また反応溶液が容器から漏れないかをチャックする。スターラーの電源を入れ、撹拌を開始する(注:スターラーのスイッチを入れた時間を0(ゼロ)時点に設定する)。【0103】pHを5分毎に調べながら、撹拌を30分間続ける。pHは、5−15分後に一定のレベルになり、30分間の残り半分の期間は変化しないようにする(例えば、±0.02単位以上にはならないように)。もしもpHがこの15分間の間に±0.02単位以上変化する場合は、装置かまたは設定方法に誤りがあるので、その問題が修正されるまで実験は行うべきではない。ただし、pHが前述したように安定すれば、実験を次ぎの手順で進める。【0104】30分目に、pHを正確に6.50になるように滴定する(例えば、オ−トタイトレ−タ−を用いて1.0M NaOHで)。使用した滴定液の量を記録し、オ−トタイトレ−タ−の滴定液量表示目盛を再度ゼロに戻す。【0105】35分目に、パンクレアチン溶液1.0mlをpH装置の反応容器中の模擬腸液に添加する。なお、パンクレアチン溶液は使用20分前に調製すべきである(詳細については後述する記載を参照のこと)。最終点を6.50に設定して、直ちに滴定システムを動かし、同時に、タイマーをゼロに設定し、滴定を開始する。【0106】滴定速度を制御するpH装置(例えば、滴定レート、比例バンドなど)の設定は、pHが目的とする最終点(PH=6.5)からpH0.05単位以上は絶対に逸脱しないように調整すべきである。60分の時点(つまり、パンクレアチン溶液を添加し、滴定を開始して60分後)で、消費した滴定液の容量を調べる。この時点でのpHは、目的とする最終点(PH=6.5)から±0.02の範囲内にあるべきである。【0107】使用した基材の正確な重量と、滴定液の濃度は特に決定的ではない。しかしながら、使用した基材の消化性油成分は、重量として約1.0gであるべきである。その場合に、滴定液として1.0M NaOHを使用することが勧められる。反応容器に添加した各基材成分の正確な重量は記録しておくべきである。滴定液のモル濃度(例えば、1.0M NaOH)は、一次標準として追跡されるべきである。【0108】親水性界面活性剤が消化性油の油分解を抑制しているかどうかを決めるためには、以下に述べる基材を用いて、油分解を前述した手順に従って行う。(a)消化性油成分だけ、(b)消化性油成分と、親水性界面活性剤とを、試験配合物に存在する割合に配合し、これら2つの成分を反応媒体に添加する前に完全に混合する。基材(b)によって60分後に消費された滴定液のモル濃度が、基材(a)によって消費された濃度の50%末満であれば、親水性界面活性剤は油分解を実質的に抑制していることになる。更に、下記の基材を用いて油分解試験を行う。(c)消化性油成分と、親水性界面活性剤と、親油性界面活性剤の候補とを、試験配合物に存在することができる割合で配合する。【0109】消化性油成分の重量は、基材(a)ないし(c)の消化のために同一にすべきである。【0110】基材(c)によって60分後に消費された滴定液のモル濃度が、基材(a)によって消費された濃度の50%を超えていれば、親油性界面活性剤成分は、親水性界面活性剤の存在に由来する消化性油の油分解に対する抑制効果を少なくとも実質的に克服していることになる。【0111】[パンクレアチン溶液の調製]油分解試験に使用するためのパンクレアチン抽出物は、乾燥粉末1mgに対して約8トリブチレン単位(TBU)の活性を持っているべきである。(トリブチレン単位ならびにその決定方法は、例えば、パットンらの著書「Food Microstructure」、第4巻、1985、p29-41に記載されている。)【0112】しかしながら、パンクレアチン(イギリス国プール所在のシグマ社からのUSP仕様、catNo P-1500)は、乾燥粉末1mgに対して8トリブチレン単位(TBU)のリパーゼ活性を持っている典型的なものである。【0113】リパーゼ溶液は、パンクレアチンの乾燥粉末(例えば、500mg)を蒸留水(例えば、2ml)と混合して(例えば、イングランド、ローボロー所在のFisons Scientific Instruments社のWhirlimixerを用いて)、溶液(例えば、250mg/ml)を調製することができる。これらの溶液には、不溶物が含まれていて、小さいガラスバイアル(例えば、5ml容)中で調製し、使用前20分間37.5±0.5℃で保存しておくべきである。この20分間の培養時間が経過すると、その溶液を、例えば、前記と同様に、Whirlimixerで簡単に混合し、その1.0mlを取り出して(例えば、使い捨てポリプロピレン製の先端を付けたギルソンピペットを用いて)、反応溶液に添加する。【0114】本発明を下記の実施例によって更に説明する。なお、実施例における全ての「部」は、特記なき限り重量単位である。【0115】<実施例1:親油性界面活性剤の不存在下での親水性界面活性剤の分別ココナッツ油(FCO)の油分解に対する効果>同一重量(約1g)のFCOをそれだけで消化させるか、異なるレベルの親水性界面活剤性「クレモフォア(Cremophor RH40)」の存在下で消化した。実験は、上述した生体外試験方法に従って行った。この実験結果は表1に示している。その結果から、(a)Cremophor RH40がFCOの油分解を強力に抑制すること、(b)この抑制はFCO対Cremophor RH40比が減少するに従って増加することが判明した。【0116】【表3】【0117】<親油性界面活性剤(クリル(Cril l 1:ソルビタンモノオレエート))の添加によるクレモフォア(Cremophor)によって惹起されたFCO油分解抑制の反転>表1に示すように、FCOの油分解は、0.4部のCremophor RH40を1部(w/w)の油に添加した場合に、強く抑制された(つまり、60分後に80%抑制された)。しかしながら、この配合物に親油性界面活性剤であるクリル(Crill 1)を添加すると、親水性界面活性剤の抑制効果は劇的に減少した。例えば、1.5部のクリル(Crill 1)を0.4部のCremophor RH40と1.0部のFCOに添加した場合(この場合は全てw/w)、60分後の油分解抑制のレベルが80%から20%以下に減少した。【0118】<実施例2:親油性界面活性剤(クリル(Crill 4:ソルビタンモノオレエート))の存在下でのFCO油分解率に対する異なる親水性界面活性剤/親油性界面活性剤混合物の効果>同一重量(約0.5g)のFCOをそれだけで消化させるか、またはCrill 4と親水性界面活性剤の存在下で消化させることにより、例えば、Myrj 45、Crillet 4、Brij 96、Cremophor ELまたはCremophor RH40についての油分解能力を調べた。これらの成分の割合はそれぞれ0.25:0.375:0.375であった。実験は、上述した生体外試験方法に従って行った。この実験結果は図1に図示している。その結果から、Crill 4は、親水性界面活性剤であるCrillet 4、Brij 96またはCremo phor RH40のFCO油分解率に対する抑制効果を少なくとも実質的には克服することができなかった。つまり、これらの配合物では、油単独の場合に比べて、FCOの5 0%未満しか60分後には消化できなかった。【0119】他の親油性界面活性剤についてもまた、同じ配合物システムにおいてCremophor RH40のFCO油分解率に対する抑制効果を克服する能力があるかどうか評価した。この実験の結果は図2に図示している。この結果から、中鎖部分グリセリドであるImwitor 988が油分解の非常に強い再活性剤であることが判明した。Imwitor 988を含む配合物がFCO単独の場合より一層強い油分解を示す理由はImwitor 988自体が部分消化を受けるからと思われる。この配合物においてオレイン酸は、その程度は少ないけれども、Cremophor RH40のFCO油分解速度に対する抑制効果を克服する能力がある。しかしながら、試験したその他の親油性界面活性剤(つまり、Maisine、Lauroglycol、Labrafil 2125 CS)は、この配合物システムでは、油分解を回復する十分な能力を持っていなかった。【0120】<実施例3:FCO油分解率に対する異なる親水性界面活性剤の抑制効果を克服するためのImwitor 988の使用>0.25部のFCO、0.375部の親油性界面活性剤、0.375部(いずれもw/w)の親水性界面活性剤を含む配合物システムにおいて、親油性界面活性剤としてImwitor 988を使用すると上述した生体外での実験では、油の油分解率に対する親水性界面活性剤の抑制効果が完全に排除された。その上、Imwitor 988の存在によって生じたこの再活性化は、最初は阻止作用を呈した親水性界面活性剤とは実質的には独立したものである。このことを図3に図示する。ここでの結果は、同一の配合物システムにおいて親油性界面活性剤としてCrill 4が使用されているだけなのに、図1で示した結果とは著しい対照を示している。【0121】<実施例4:胆汁酸塩と親油性界面活性剤との混合ミセルによる種々の疎水性薬剤の水溶解性の増強>上述した如く、疎水性薬剤の水溶解性は、胆汁酸塩とトリグリセリド油消化による油分解生成物によって生成された混合ミセル中に導入することによって増強することができる。その水溶解性の改善は次ぎの一連の実験で示される。【0122】[方法]腸の雰囲気を模擬するために、下記の成分を使用して水性媒体を調製した。5mM Ca2+Cl2H2Oと150mM NaClとを含有する100mlのpH6.5のトリス−マレエートバッファ−溶液【0123】この媒体を、上記生体外試験方法において記載したようにして調製した。この模擬腸液に、一連の異なる成分を添加して、種々の疎水性薬剤の水溶解性が強くなるかどうかを評価した。添加した成分は下記の通りである。実験(i)成分添加なし(対照実験)実験(ii)15mM粗ウシ胆嚢胆汁酸実験(iii)15mM粗ウシ胆嚢胆汁酸+中鎖油分解生成物500mg(カプリン酸137mg、グリセリルモノカプレート98mg、カプリル酸151mgおよびグリセリルモノカプリレート114mg)実験(iv)15mM粗ウシ胆嚢胆汁酸+長鎖油分解生成物500mg(オレイン酸307mgおよびグリセリルモノオレエート193mg)【0124】前述した実験の特定の成分を模擬腸液に添加し、pH装置に取り付けたスターラーで十分に撹拌した。【0125】次いで、粉末状の薬剤を100mg反応媒体に添加し、pHを6.5に調整し、そして2.5時間撹拌した。この時点で試料を容器から取り出して、0.2ミクロンのフィルターでろ過した後、模擬腸液の溶液中の薬剤量をHPLC法で測定した。【0126】この方法で調べた薬剤は次の通りである。カルバマゼピン(Carbamazepine)、グリセオフルビン(griseofulvin)、フェノフィブレート(fenofibrate)およびプロブコール(probucol)。【0127】[結果]異なる実験で水性相中への薬剤の溶解性を示す結果を得た。調べた薬剤全てにおいて、バッファー単独の場合よりも、混合胆汁酸塩ミセルの場合がより高い溶解性が得られた。また、胆汁酸塩溶液単独の場合よりも、混合胆汁酸塩ミセルの場合がより高い溶解性が得られた。その結果を、pH6.5のバッファーシステム(実験(i))に対する溶解性として、下記に示す。【0128】【表4】【0129】このデータで、胆汁酸塩と油分解生成物との混合ミセルが疎水性薬剤の水性溶解度を実質的に増加することができることが分かる。【0130】<実施例4:プロゲステロンの水性溶解性の増強>プロゲステロンの溶解性を次ぎのようにして定めた。【0131】以下5つの水性媒体をpH装置の反応容器中で37℃でそれぞれ調製した。各溶液のpHは1.0モルの水酸化ナトリウム溶液を適当量添加して正確に6.5に調整した。pH6.5のトリス−マレエートバッファ−溶液(5mM塩化カルシウムと150mM塩化ナトリウムを含有する)pH6.5のトリス−マレエートバッファ−溶液+15mMウシ胆汁酸pH6.5のトリス−マレエートバッファ−溶液+15mMウシ朋汁酸+0.5%親水性界面活性剤(Cremophor RH40)pH6.5のトリス−マレエートバッファ−溶液+15mMウシ胆汁酸+中鎖油分解生成物、つまり、53重量%のカプリル酸−モノカプリレート(2:1モル比)および47重量%のカプリン酸−モノカプレート(2:1モル比)pH6.5のトリス−マレエートバッファ−溶液+15mMウシ胆汁酸+0.5%長鎖油分解生成物、つまり、オレイン酸−モノオレエート(2:1モル比)【0132】下記の工程を3回実施した。上記水性媒体それそれの15mlを21mlのガラスバイアルに入れた約20mg(過剰量)のプロゲステロンに添加した。各バイアルを激しく撹拌し、次いで37℃の超音波浴中に120分間放置した。60分目と120分目に、各溶液3mlを取り出して、下記の標準手法に従って、HPLCでプロゲステロンの溶解性を調べた。【0133】各試料は、ホワットマン製PVDFシリンジフィルター(13mm 0.2μm)でろ過した。最初のろ液1.5mlは捨てて、残りのろ液0.8mlを、アセトニトリル(可動相)0.8mlを琥珀色のガラスバイアル中で合体させた。ついで、バイアルを密封して、手で撹拌した後分析した。【0134】上記媒体中へのプロゲステロンの溶解度は次の通りであった。【0135】【表5】【0136】このデータでは、バッファ−単独の場合に比べて、胆汁酸塩へのプロゲステロンの溶解度は約4倍半程度増加したことが分かった。中鎖または長鎖油分解生成物のいずれかが0.5%存在した場合には、その溶解度は更に3倍も増加した。【0137】[実施例5]下記の組成物からプロゲステロン含有カプセルを作製した。【0138】【表6】【0139】Cremophor RH40、Maisina 35-1、FCOおよびImwitor 988を容器に秤量し、シルバーソン(Silverson)ミキサーで完全に混合した。エタノールをプロゲステロンに添加してスラリーにし、これを油混合物に添加した。次いで、これを超音波とシルバーソン(Silverson)ミキサーで混合した。得られたミックスの重量減はすべてエタノールの減少によるものであったので、この減少分を補うためにエタノールを添加した。このミックスを、ソフトゼラチンカプセルに詰める前に、アッセイした。【0140】次ぎに、得られたプロゲステロン含有カプセルを、市販プロゲステロン含有カプセル2種、つまり、ソフトカプセル配合物と座薬配合物に対するオープンランダム3方向交錯薬物動態試験にて比較した。この試験は、12人の健康な閉経女性ボランティアに対して、それぞれプロゲステロン200mgの同一服用量を投与して行った。48時間に亙って血漿プロゲステロンを測定した。その結果、プロゲステロン組成物を含有するカプセル投与約2時間後に、L当たり250nmol以上の最高血漿レベルに達したことが分かった。一方、市販プロゲステロン含有カプセルでも投与後約2時間でその最高血漿レベルに達したが、そのレベルは僅かに3分の1であった。座薬配合物では、約10時間後により緩やかでかつ低いピークを示した。【0141】[実施例6]下記は、ハードまたはソフトゼラチンカプセルに注入するための配合物のいくつかの例を示したものである。配合物A(溶液配合物)ポリソルベート(Polysorbate 80) 275mgプリオレン(Priolene) 275mg大豆油 185mgトリアセチン(Triacetin) 185mgフェノフイブレート(Fenofibrate) 80mg配合物B(溶液配合物)Cremophor RH40 300mg分別ココナッツ油 240mg Maisine 200mgImwitor 988 110mgエタノール 100mgプロゲステロン 50mg配合物C(懸濁液配合物)Cremophor RH40 225mg分別ココナッツ油 315mgCrill 1 360mgグリセオフルビン 100mg配合物D(懸濁液配合物)ポリソルベート 80 280mg大豆油 340mgプリオレン 280mgプロブコール 100mg配合物E(懸濁液配合物)Labrasol 320mg分別ココナッツ油 120mgフェニトイン 50mg【0142】[実施例7]下記は、ハードまたはソフトゼラチンカプセルに注入するための配合物の更にいくつかのプロゲステロン含有カプセルの例を示したものである。【0143】【表7】【0144】【表8】 疎水性薬剤(シクロスポリンを除く)のためのキャリヤーシステムであって、前記システムが、(a)消化性油と、(b)前記システムを投与することによって前記油を生体内で拡散させるための医薬的に許容できる界面活性剤とからなり、前記界面活性剤が前記消化性油の油分解を実質的に抑制しないものであり、また前記界面活性剤が、(i)前記消化性油の生体内での油分解を実質的に抑制する親水性界面活性剤成分と、(ii)前記親水性界面活性剤成分の上記抑制効果を少なくとも実質的に減少することができる親油性界面活性剤成分とからなるとともに、前記親油性界面活性剤の油分解抑制性を必要程度妨害する量使用され、前記親油性界面活性剤が、モノー/ジーカプリル酸グリセリル界面活性剤およびモノー/ジーカプリル酸/カプリン酸グリセリル界面活性剤から選ばれた1種またはそれ以上であり、前記親水性界面活性剤成分が、HLB値が10より大きいところのヒマシ油または水素化ヒマシ油エトキシレートであることを特徴とするキャリヤーシステム。 前記親水性界面活性剤成分がポリオキシエチレン水素化ひまし油である請求の範囲1のキャリヤーシステム。 前記システムが、(a)25-45重量%の消化性油と、(b)30-45重量%の親水性界面活性剤成分と、(c)20-40重量%の親油性界面活性剤成分とからなる請求の範囲1又は2のキャリヤーシステム。 前記消化性油の1部が前記親油性界面活性剤によって置換されている請求の範囲1ないし3のいずれか一項のキャリヤーシステム。 (a)シクロスポリンを除く疎水性薬剤と、(b)前記請求の範囲1ないし4のいずれか一項の薬剤キャリヤーシステムとからなる医薬組成物。 前記組成物が、0.1重量%ないし50重量%の前記薬剤と、それに対応する50重量%ないし99.9重量%の前記キャリヤーシステムとからなる請求の範囲5の医薬組成物。 前記疎水性薬剤がプロゲステロンである請求の範囲5又は6の医薬組成物。 前記組成物が液状経口投与量単位の形状である請求の範囲5ないし7のいずれか一項の医薬組成物。 請求の範囲5に記載の医薬組成物が充填されている硬質もしくは軟質カプセル。 消化性油の生体内での油分解を実質的に抑制する親水性界面活性剤を含有する消化性油に拡散もしくは溶解させた疎水性薬剤(シクロスポリンを除く)と、前記疎水性薬剤の生体内有効率を改善するために使用するための、前記親水性界面活性剤の抑制効果を少なくとも実質的に減少させることができる親油性界面活性剤とからなる請求項5の医薬組成物。 前記請求の範囲1ないし4のいずれか一項の薬剤キャリヤーシステムと、疎水性薬剤(シクロスポリンを除く)とを混合する工程を含む、前記疎水性薬剤の生体内有効率を改善するための医薬品の製造方法。


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