タイトル: | 特許公報(B2)_ピリミジン系殺真菌薬 |
出願番号: | 1995523285 |
年次: | 2007 |
IPC分類: | C07D 239/52,A01N 43/54 |
デ・フライン,ポール・ジョン JP 3868481 特許公報(B2) 20061020 1995523285 19950227 ピリミジン系殺真菌薬 シンジェンタ リミテッド 社本 一夫 今井 庄亮 増井 忠弐 栗田 忠彦 小林 泰 藍原 誠 デ・フライン,ポール・ジョン GB 9404375.9 19940307 20070117 C07D 239/52 20060101AFI20061221BHJP A01N 43/54 20060101ALI20061221BHJP JPC07D239/52A01N43/54 C C07D239/52 特開昭62−294657(JP,A) 8 GB1995000399 19950227 WO1995024396 19950914 1997510196 19971014 19 20020206 油科 壮一 本発明は新規なピリミジン誘導体、それらの製造方法、それらを含有する組成物、およびそれらを真菌(fungi)、特に植物の真菌感染症に対処するために使用する方法に関するものである。特定のメチル2−[2−(置換ピリミジニルオキシ)フェニル]−3−メトキシアクリレート類が、殺真菌薬としてのそれらの用途と共に欧州特許出願公開EP−A−0242081号明細書に記載されている。具体的に挙げられているのは化合物、メチル2−[2−(4−トリフルオロメチルピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]−3−メトキシアクリレートおよびメチル2−[2−(4−メトキシピリミジン−2−イルオキシ)フェニル]−3−メトキシアクリレートである。4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)または4−(1,1,1−トリフルオロプロプ−2−オキシ)置換基を含む対応する化合物が蒸気活性、葉における病害根絶活性、活性スペクトルおよび/または広汎性(systemicity)に関して植物殺真菌薬として予想外の利点を示すことが今回見出された。したがって本発明によれば、一般式(I)(後の化学式の頁を参照されたい)の化合物またはその立体異性体(式中のRはHまたはCH3であり、AはCHまたはNであり、BはOCH3またはNHCH3である)が提供される。基BOC・C=A・OCH3の炭素−炭素または炭素−窒素二重結合は非対称的に置換されているので、本発明の化合物は(E)−および(Z)−幾何異性体の混合物の形で得られる可能性がある。しかしこれらの混合物は周知の方法で個々の異性体に分離することができ、本発明はそれらの異性体およびそのあらゆる割合の混合物を包含する。(E)−異性体の方が殺真菌活性が高く、したがって本発明の好ましい態様をなす。特に基WはCH3O・N=C・CO2CH3、CH3O・N=C・CONHCH3、殊にCH3O・CH=C・CO2CH3である。1観点においては本発明は式(I.1)の化合物の(E)−異性体を提供する。他の1観点においては本発明は式(I.4)の化合物の(E)−異性体を提供する。他の観点においては本発明は式(I.2)、(I.3)、(I.5)および(I.6)の化合物の(E)−異性体を提供する。本発明の式(I)の化合物[Wが基BOC・C=A・OCH3である場合の式(IA)の化合物と同等]は反応経路Iに示した工程により製造しうる。反応経路1全体において、R1はアルキルまたはアリール基であり、R2はCF3CH2またはCF3CH(CH3)であり、Xはハロゲン原子(例えばCl、Br、I)であり、Mはアルカリ金属(たとえばナトリウムまたはカリウム)であり、Tは水素またはアルカリ金属(たとえばナトリウムまたはカリウム)であり、Baは塩基(たとえば水素化ナトリウムまたは炭酸カリウム)であり、Oxは酸化剤(たとえば過マンガン酸カリウムまたはメタクロロ過安息香酸)であり、そしてWは前記に定めた基BOC・C=A・OCH3、または文献に既に記載されている方法などによりBOC・C=A・OCH3に変換しうる基である。本発明の化合物は、式(II)のフェノールを適切な塩基Baの存在下で一般式(III)のピリミジニルスルホンと反応させることにより製造しうる。あるいはそれらは式(II)のフェノレート塩をスルホン(III)と反応させることにより製造しうる。式(II)のフェノール(式中のWはBOC・C=A・OCH3である)は、たとえば欧州特許出願公開EP−A−0242081号、欧州特許出願公開EP−A−0398692号、および英国特許出願公開GB−A−2249092号明細書に記載の方法により製造し得る。式(III)の化合物は一般式(IV)のチオピリミジンから、適切な溶剤、たとえば水性酢酸中で適切な酸化剤Oxにより酸化することによって製造しうる。式(IV)のチオピリミジンは、チオピリミジン(V)から、適切な溶剤、たとえばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはテトラヒドロフラン(THF)中で式R2OMのアルコキシドと反応させることにより製造しうる。Xが塩素である化合物(V)は市販されている。あるいは式(I)の化合物は一般式(VI)のピリミジンから、適切な溶剤、たとえばDMF中で式R2OMのアルコキシドと反応させることにより製造しうる。一般式(VI)の化合物は、式(II)のフェノールを適切な溶剤、たとえばDMF中において塩基Baを用いて一般式(VII)のスルホンで処理することにより製造しうる。式(VII)のスルホンは式(V)のピリミジンから、適切な溶剤、たとえば水性酢酸またはジクロロメタン中において適切な酸化剤Oxで酸化することにより製造しうる。あるいは式(I)の本発明化合物は、Wが文献記載の標準法により基BOC・C=A・OCH3に変換しうる基である式(IA)の化合物から製造しうる。たとえばWが基CH3CO2C・C=CH・OH、CH3CO2C・C=N・OH、またはCH3NHOC・C=N・OHである場合、それを好都合な塩基Baの存在下で化合物CH3L(ここでLは脱離基、たとえばハロまたはCH3SO2・Oである)でメチル化することにより適宜な基BOC・C=A・OCH3に変換しうる。Wがフェニルグリオキシル酸誘導体、CO・CO2CH3またはCO・CONHCH3である場合、それはウィティッヒ試薬Ph3P=CH・OCH3(ここでPhはフェニルである)またはメチルヒドロキシルアミンで処理することによって適宜な基BOC・C=A・OCH3に変換しうる。式(IA)においてWが基BOC・C=A・OCH3に変換しうる基である化合物は、式(II)のフェノールを前記に従って式(III)のスルホンと反応させることにより、または式(II)のフェノールから誘導された式(VI)のピリミジンをアルコキシドR2OMと反応させることにより製造しうる。フェノール(II)は適宜置換されたフェニル酢酸誘導体から文献中において既知の方法で簡便に製造しうる(たとえば欧州特許出願公開EP−A−0178826号、欧州特許出願公開EP−A−0254426号、欧州特許出願公開EP−A−0278595号、欧州特許出願公開EP−A−0299694号、欧州特許出願公開EP−A−0398692号明細書を参照されたい)。式(I)においてAがCHまたはNであり、かつBがNHCH3である化合物は、AがCHまたはNであり、かつBがOHである対応する化合物から、文献記載の方法で、または欧州特許出願公開EP−A−0398692号明細書に記載される他の方法で製造することもできる。式(IA.1)の化合物、すなわちWがCH3CO2・C=N・OCH3である式(IA)の化合物、および式(IA.2)の化合物、すなわちWがCH3NH(O)C=N・OCH3である式(IA)の化合物は、反応経路2に示した工程によっても製造しうる。式(IA.1)の化合物は2,3−ベンゾフランジオン−3−O−メチルオキシム(IX)から、化合物(IX)を式CH3OMのメトキシドで処理したのち、一般式(III)のピリミジニルスルホンで処理することにより製造しうる。式(IX)の2,3−ベンゾフランジオン−3−O−メチルオキシムは、2,3−ベンゾフランジオンオキシム(VIII)を好都合な塩基Baの存在下で化合物CH3L(ここでLは脱離基、たとえばハロまたはCH3SO2・Oである)でメチル化することにより製造しうる。2,3−ベンゾフランジオン−3−O−メチルオキシム(IX)および2,3−ベンゾフランジオンオキシム(VIII)は、国際特許出願公開WO 93/07116号(欧州特許出願公開EP−A−0606251号)明細書に記載の方法により製造することができる。式(IA.2)の化合物は式(X)のフェノールを適切な塩基Baの存在下で一般式(III)のピリミジニルスルホンと反応させることにより製造しうる。式(X)のフェノールは式(IX)の2,3−ベンゾフランジオン−3−O−メチルオキシムをメチルアミンで処理することにより製造しうる。あるいは式(IA.2)の化合物は一般式(IA.1)の化合物をメチルアミンで処理することにより得ることができる。式(I)の化合物は有効な殺真菌薬(fungicides)であり、以下の病原体のうち1または2以上を防除するために使用しうる:イネおよびコムギにおけるPyricularia oryzaeならびに他の宿主における他のPyricularia属菌種;コムギにおけるPuccinia recondita、Puccinia striiformisおよび他のサビ病、オオムギにおけるPuccinia hordei、Puccinia striiformisおよび他のサビ病、ならびに他の宿主、たとえばシバ(turf)、ライムギ、コーヒー、セイヨウナシ類、リンゴ類、ラッカセイ類、サトウダイコン、野菜および鑑賞植物におけるサビ病;オオムギ、コムギ、ライムギおよびシバにおけるErysiphe graminis(ウドンコ病)、ならびに種々の宿主における他のウドンコ病、たとえばホップにおけるSphaerotheca macularis、ウリ類(たとえばキウリ)におけるSphaerotheca fuliginea、リンゴにおけるPodosphaera leucotrichaおよびつる植物(vines)におけるUncinula necator;穀草(たとえばコムギ、オオムギ、ライムギ)、シバおよび他の宿主におけるCochliobolus属菌種、Helminthosporium属菌種、Drechslera属菌種(Pyrenophora属菌種)、Rhynchosporium属菌種、Septoria属菌種(Mycosphaerella graminicolaおよびLeptosphaeria nodorumを含む)、Pseudocercosporella herpotrichoidesおよびGaeumannomyces graminis;ラッカセイにおけるCercospora arachidicolaおよびCercosporidium personatum、ならびに他の宿主、たとえばサトウダイコン、バナナ類、ダイズ類およびイネにおける他のCercospora属菌種;トマト類、イチゴ類、野菜、つる植物および他の宿主におけるBotrytis cinerea(ハイイロカビ)、ならびに他の宿主における他のBotrytis属菌種;野菜(たとえばキウリ)、アブラナ、リンゴ類、トマト類、穀草(たとえばコムギ)および他の宿主におけるAlternaria属菌種;リンゴ類、セイヨウナシ類、核果、堅果樹(tree nuts)および他の宿主におけるVenturia属菌種(Venturia inaequalis(かさ病(scab))を含む);穀草(たとえばコムギ)を含めた広範な宿主におけるCladosporium属菌種;核果、堅果樹および他の宿主におけるMonilinia属菌種;トマト類、シバ、コムギおよび他の宿主におけるDidymella属菌種;アブラナ、シバ、イネ、バレイショ類、コムギおよび他の宿主におけるPhoma属菌種;コムギ、木材および他の宿主におけるAspergillus属菌種およびAureobasidium属菌種;マメ類、コムギ、オオムギおよび他の宿主におけるAscochyta属菌種;つる植物におけるPlasmopara viticola;レタスにおける他のベト病、たとえばBremia lactucae、ダイズ類、タバコ、タマネギ類および他の宿主におけるPeronospora属菌種、ホップ類におけるPseudoperonospora humuli、およびウリ類におけるPseudoperonospora cubensis;シバおよび他の宿主におけるPythium属菌種(Pythium ultimumを含む);バレイショ類およびトマト類におけるPhytophthora infestans、ならびに野菜、イチゴ類、アボカド、コショウ、鑑賞植物、タバコ、ココアおよび他の宿主における他のPhytophthora属菌種;イネおよびシバにおけるThanatephorus cucumeris、ならびに種々の宿主、たとえばコムギおよびオオムギ、野菜、ワタおよびシバにおける他のRhizoctonia属菌種;シバ、ラッカセイ類、アブラナおよび他の宿主におけるSclerotinia属菌種;シバ、ラッカセイ類および他の宿主におけるSclerotium属菌種;シバ、コーヒーおよび野菜を含めた広範な宿主におけるColletotrichum属菌種;シバにおけるLaetisaria fuciformis;バナナ、ラッカセイ、柑橘類、ペカン、パパイヤおよび他の宿主におけるMycosphaerella属菌種;柑橘類、ダイズ、メロン、セイヨウナシ、ルピナスおよび他の宿主におけるDiaporthe属菌種;柑橘類、つる植物、オリーブ類、ペカン類、バラ類および他の宿主におけるElsinoe属菌種;アブラナおよび他の宿主におけるPyrenopeziza属菌種;ココアにおける維管束条斑立枯れ病(vascular streak dieback)の原因となるOncobasidium theobromae;種々の宿主、特にコムギ、オオムギ、シバおよびトウモロコシにおけるFusarium属菌種、Typhula属菌種、Microdochium nivale、Ustilago属菌種、Urocystis属菌種、Tilletia属菌種、およびClaviceps purpurea;サトウダイコンおよび他の宿主におけるRamularia属菌種;特に果実の収穫後病害(たとえばオレンジ類におけるPenicillium digitatumおよびP.italicumおよびTrichoderma viride、バナナ類におけるColletotrichum musaeおよびGloeosporium musarum、ならびにブドウ類におけるBotrytis cinerea);つる植物における他の病原体、特にEutypa lata、Guignardia bidwellii、Phellinus igniarus、Phomopsis viticola、Pseudopezicula tracheiphilaおよびStereum hirsutum;木材における他の病原体、特にCephaloascus fragrans、Ceratocystis属菌種、Ophiostoma piceae、Penicillium属菌種、Trichoderma pseudokoningii、Trichoderma viride、Trichoderma harzianum、Aspergillus niger、Leptographium lindbergiおよびAureobasidium pullulans;ならびにウイルス病の真菌ベクター、たとえば穀草におけるオオムギ黄モザイク(yellow mosaic)ウイルス(BYMV)のベクターとしてのPolymyxa graminis。さらに、ある種類の化合物は穀草におけるFusarium属菌種、Septoria属菌種、Tilletia属菌種(たとえばコムギの種子媒介病であるムギ黒穂病(bunt))、Ustilago属菌種、およびHelminthosporium属菌種、ワタにおけるRhizoctonia solani、ならびにイネにおけるPyricularia oryzaeを含めた病原体に対する種子ドレッシング剤(dressing)として有用である。特にある種類の化合物はPlasmopara viticolaおよびPythium ultimumに対する良好な根絶活性を示す。本発明化合物は植物組織内で求頂的/局部的に移動すると思われる。さらに、これらの化合物は植物上の真菌に対して蒸気相で有効であるのに十分なほど揮発性であると思われる。したがって本発明は、植物、植物の種子、または植物もしくは種子の部位(locus)に、殺真菌薬として有効な量の前記に定める化合物またはそれを含有する組成物を適用することを含む、真菌の対処方法を提供する。本発明化合物は農業用としてそのまま使用しうるが、キャリヤーまたは希釈剤を用いて組成物に配合することがより好都合である。したがって本発明は、前記に定める化合物、およびそれの許容しうるキャリヤーまたは希釈剤を含む殺真菌性組成物を提供する。固体および液体配合物を含めたすべての組成物が前記に定める化合物0.0001〜95%、より好ましくは1〜85%、たとえば1〜25%または25〜60%を含むことが好ましい。植物の葉に適用する場合、本発明の化合物を1ヘクタール当たり有効成分(本発明化合物)0.1g〜10kg、好ましくは1g〜8kg、より好ましくは10g〜4kgの割合で適用する。種子ドレッシング剤として使用する場合、本発明の化合物を種子1kg当たり有効成分(本発明化合物)0.0001g(たとえば0.001gまたは0.05g)〜10g、好ましくは0.005g〜8g、より好ましくは0.005g〜4gの割合で使用する。本発明化合物は多数の様式で適用することができる。たとえばそれらを配合して、または配合せずに、直接に植物の葉に、種子に、または植物が生育しているか、もしくは植える予定の他の培地に適用するか、あるいはそれらを噴霧、散布するか、またはクリーム剤もしくはペースト配合物として適用するか、あるいはそれらを蒸気として、または徐放性顆粒として適用することができる。適用は植物の葉、幹、枝もしくは根を含めた任意の部分に、または根を囲む土壌に、または植える前の種子に、または土壌全般に、水田の水に、または水栽培システムに行うことができる。本発明化合物は、植物に注入するか、または動電気式噴霧法その他の低容量法により植物に噴霧するか、または土地もしくは空気灌漑システムにより適用することもできる。本明細書において用いる“植物”という用語には、実生(seedings)、潅木および樹木が含まれる。さらに、本発明の殺真菌法には阻止的、保護的、予防的、全体的および根絶的処理が含まれる。本発明化合物は農業用および園芸用に組成物の形で用いることが好ましい。組成物の種類はいずれの場合も予定する個々の目的に依存するであろう。組成物は、有効成分(本発明化合物)、ならびに固定希釈剤またはキャリヤー、たとえば充填剤、たとえばカオリン、ベントナイト、多孔質ケイソウ土、ドロマイト、炭酸カルシウム、タルク、粉末状マグネシア、フラー土、石膏、ケイソウ土およびチャイナクレーを含む飛散性の散剤または顆粒剤の形であってもよい。それらの顆粒剤はさらに処理することなく土壌に適用するのに適した予め形成した(preformed)顆粒であってもよい。これらの顆粒剤は充填剤のペレットに有効成分を含浸させることにより、または有効成分と粉末状充填剤の混合物をペレット化することにより製造しうる。種子をドレッシングするための組成物は、組成物が種子に付着するのを助成する物質(たとえば鉱油)を含有しうる;あるいは有機溶剤(たとえばN−メチルピロリドン、プロピレングリコールまたはN,N−ジメチルホルムアミド)を用いて有効成分を種子ドレッシング用に配合することができる。組成物は、液体中における分散を容易にするための湿潤剤または分散助剤を含む水分散性散剤または水分散性顆粒剤の形であってもよい。散剤および顆粒剤は充填剤および懸濁化剤を含有してもよい。組成物は可溶性の散剤もしくは顆粒剤の形、または極性溶剤中の液剤の形であってもよい。可溶性散剤は、有効成分を水溶性塩、たとえば炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウムまたは多糖類、および湿潤剤または分散助剤と混合して、水に対する分散性/溶解性を改良することにより調製しうる。次いで混合物を微粉末に粉砕する。同様な組成物を顆粒化して水溶性顆粒剤を調製することもできる。液剤は、有効成分を極性溶剤、たとえばケトン類、アルコール類およびグリコールエーテル類に溶解することにより調製しうる。これらの液剤は、水希釈性を改良し、かつ噴霧タンク内での結晶化を防止するために、界面活性剤を含有しうる。所望により湿潤剤または乳化剤を含有する有機溶剤に有効成分を溶解し、次いで、同様に湿潤剤または乳化剤を含有しうる水にこの混合物を添加することにより、乳化性濃縮液または乳剤を調製しうる。適切な有機溶剤は芳香族溶剤、たとえばアルキルベンゼン類およびアルキルナフタリン類、ケトン類、たとえばシクロヘキサノンおよびメチルシクロヘキサノン、塩素化炭化水素、たとえばクロロベンゼンおよびトリクロロエタン、ならびにアルコール類、たとえばベンジルアルコール、フルフリルアルコール、ブタノールおよびグリコールエーテル類である。概して不溶性である固体の水性懸濁液濃縮液は、分散助剤と共にボールミルまたはビーズミル処理することにより調製され、懸濁化剤は固体の沈降を防止するために含有させる。噴霧剤として用いられる組成物は、配合物が推進薬、たとえばフルオロトリクロロメタンまたはジクロロジフルオロメタンの加圧下で容器内に保持されたエアゾール剤の形であってもよい。本発明化合物を乾燥状態で発煙性混合物と混合して、閉鎖空間内で本発明化合物を含有する煙を発生するのに適した組成物を調製することができる。あるいは本発明化合物をマイクロカプセル封入された形で用いることができる。それらを生物分解性ポリマー配合物中に配合して、有効物質の緩徐な制御された放出を達成することもできる。適切な添加物、たとえば処置された表面における取り込み、分布、付着力、および耐雨性を改良するための添加物を含有させることにより、種々の組成物を多様な用途に適合させることができる。多様な配合物の生物学的効率を改良するために他の添加物を含有させることができる。そのような添加物は、配合物で処置された表面における湿潤性および保持性ならびに有効物質の取り込みおよび移動性を改良するための界面活性剤であってもよく、またはさらに油性の噴霧剤添加物、たとえば特定の鉱油および天然植物油(たとえばダイズ油およびナタネ油)などの添加物、もしくはそれらと他の佐剤のブレンドを含有することもできる。本発明化合物を肥料(たとえば窒素−、カリウム−またはリン−含有肥料)との混合物として用いることもできる。式(I)の化合物を含有する、たとえばそれでコーティングされた肥料の顆粒のみを含む組成物が好ましい。それらの顆粒は最高25重量%の化合物を含有することが適切である。したがって本発明は、肥料および一般式(I)の化合物またはその塩もしくは金属錯体を含む肥料組成物をも提供する。水中分散性散剤、乳化性濃縮液および懸濁液濃縮液は、普通は界面活性剤、たとえば湿潤剤、分散助剤、乳化剤または懸濁化剤を含有するであろう。これらの物質はカチオン性、アニオン性または非イオン性物質のいずれでもよい。適切なカチオン性物質は第四アンモニウム化合物、たとえばセチルトリメチルアンモニウムブロミドである。適切なアニオン性物質はセッケン、硫酸の脂肪族モノエステルの塩類(たとえばラウリル硫酸ナトリウム)、スルホン化芳香族化合物の塩類(たとえばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リグノスルホン酸−、ブチルナフタリンスルホン酸ナトリウム、カルシウムまたはアンモニウム、ならびにジイソプロピル−およびトリイソプロピルナフタリンスルホン酸ナトリウムの混合物)である。適切な非イオン性物質は、エチレンオキシドと脂肪アルコール、たとえばオレイルもしくはセチルアルコールとの、またはアルキルフェノール、たとえばオクチル−もしくはノニルフェノール、およびオクチルクレゾールとの縮合物である。他の非イオン性物質は、長鎖脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステル類、アルキルグルコシド類、多糖類およびレシチン類、ならびに上記の部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物である。適切な懸濁化剤は親水性コロイド(たとえばポリビニルピロリドンおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム)、および膨潤性クレー、たとえばベントナイトまたはアタパルジャイトである。水性分散液または乳剤として用いる組成物は一般に高い割合の有効成分を含有する濃縮液の形で供給され、この濃縮液を使用前に水で希釈する。これらの濃縮液は好ましくは長期間の貯蔵に耐えることができ、かつその貯蔵後に水性調製物を調製するために水で希釈することができ、この水性調製物が一般的な噴霧装置によりそれらを適用しうるのに十分な期間、均質な状態を維持しなければならない。濃縮液は最高95%、適切には1〜85%、たとえば1〜25%または25〜60%(重量)の有効成分を含有することが好都合である。水性調製物を調製するために希釈したのち、それらの調製物は意図する用途に応じて種々の量の有効成分を含有しうるが、0.0001〜10重量%、たとえば0.005〜10重量%の有効成分を含有する水性調製物を使用しうる。本発明の組成物は生物学的活性をもつ他の化合物、たとえば類似の、もしくは補足的な殺真菌活性をもつ化合物、または植物生長調節活性、除草活性もしくは殺虫活性をもつ化合物を含有しうる。他の殺真菌薬を含有させることにより、得られた組成物は一般式(I)の化合物単独より広い活性スペクトルまたはより高い水準の固有活性をもつことができる。さらに、他の殺真菌薬は一般式(I)の化合物の殺真菌活性に対して相乗効果をもつものであってもよい。本発明の組成物に含有させうる殺真菌性化合物の例は以下のものである:(RS)−1−アミノプロピルホスホン酸、(RS)−4−(4−クロロフェニル)−2−フェニル−2−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イルメチル)ブチロニトリル、(Z)−N−ブト−2−エニルオキシメチル−2−クロロ−2′,6′−ジエチルアセトアニリド、1−(2−シアノ−2−メトキシイミノアセチル)−3−エチル尿素、4−(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル)ピロール−3−カルボニトリル、4−ブロモ−2−シアノ−N,N−ジメチル−6−トリフルオロメチルベンゾイミダゾール−1−スルホンアミド、5−エチル−5,8−ジヒドロ−8−オキソ(1,3)−ジオキソール−(4,5−q)キノリン−7−カルボン酸、α−[N−(3−クロロ−2,6−キシリル)−2−メトキシアセトアミド]−g−ブチロラクトン、N−(2−メトキシ−5−ピリジル)−シクロプロパンカルボキシアミド、アラニカルブ(alanycarb)、アルジモルフ(aldimorph)、アンプロピルホス(ampropylfos)、アニラジン(anilazine)、アザコナゾール(azaconazole)、BAS 490F、ベナラキシル(benalaxyl)、ベノミル(benomyl)、ビロキサゾール(biloxazol)、ビナプアクリル(binapacryl)、ビテルタノール(bitertanol)、ブラスチサイジンS、ブロムコナゾール(bromuconazole)、ブピリメート(bupirimate)、ブテナクロル(butenachlor)、ブチオベート(buthiobate)、カプタホル(captafol)、カプタン、カルベンダジム(carbendazim)、カルベンダジムクロルヒドレート(carbendazim chlorhydrate)、カルボキシン(carboxin)、キノメチオネート(chinomethionate)、クロルベンゾチアゾン(chlorbenzthiazone)、クロロネブ(chloroneb)、クロロタロニル(chlorothalonil)、クロロゾリネート(chlorozolinate)、クロジラコン(clozylacon)、銅含有化合物、たとえばオキシ塩化銅、オキシキノリン酸銅、硫酸銅、銅タレート、ボルドー液、シクロヘキシミド、シモキサニル(cymoxanil)、シプロコナゾール(cyproconazole)、シプロフラム(cyprofuram)、デバカルブ(debacarb)、ジ−2−ピリジルジスルフィド1,1′−ジオキシド、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、ダイクロン(dichlone)、ダイクロブトラゾ−ル(diclobutrazol)、ダイクロメジン(diclomezine)、ダイクロラン(dicloran)、ジデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、O,O−ジ−イソ−プロピル−S−ベンジルチオホスフェート、ジメフルアゾール(dimefluazole)、ジメトコナゾール(dimetconazole)、ジメトモルフ(dimethomorph)、ジメチリモール(dimethirimol)、ジニコナゾール(diniconazole)、ダイノキャップ(dinocap)、ジピリチオン(dipyrithione)、ジタリムフォス(ditalimfos)、ジチアノン(dithianon)、ドデモルフ(dodemorph)、ドジン(dodine)、ドグアジン(doguadine)、エジフェンホス(edifenphos)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、エタコナゾール(etaconazole)、エチリモール(ethirimol)、エトキシキン(ethoxyquin)、エチル(Z)−N−ベンジル−N−([メチル(メチル−チオエチリデンアミノ−オキシカルボニル)アミノ]チオ)−β−アラニネート、エトリジアゾール(etridiazole)、フェナミノスルフ(fenaminosulph)、フェナパニル(fenapanil)、フェナリモール(fenarimol)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フェンフラム(fenfuram)、フェンピクロニル(fenpiclonil)、フェンプロピジン(fenpropidin)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、フェンチンアセテート(fentin acetate)、フェンチンヒドロキシド、ファーバム、フェリムゾーン(ferimzone)、フルアジナム(fluazinam)、フルジオキソニル(fludioxonil)、フルオロイミド、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルジラゾール(flusilazole)、フルトラニル(flutolanil)、フルトリアホル(flutriafol)、ホルペト(folpet)、フベリダゾール(fuberidazole)、フララキシル(furalaxyl)、フラメトピル(furametpyr)、フルコナゾール−シス(furconazole-cis)、グアザチン(guazatine)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、ヒドロキシイソオキサゾール、ヒメキサゾール(hymexazole)、ICIA5504、イマザリル(imazalil)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、イプロベンホス(iprobenfos)、イプロジオン(iprodione)、イソプロパニルブチルカルバメート、イソプロチオラン(isoprothiolane)、カスガマイシン、マンコゼブ(mancozeb)、マネブ、メパニピリム(mepanipyrim)、メプロニル(mepronil)、メタラキシル(metalaxyl)、メトコナゾール(metconazole)、メトフロキサム(methfuroxam)、メチラム(metiram)、メチラム亜鉛、メトスルホバックス(metsulfovax)、マイクロブタニル(myclobutanil)、NTN0301、ネオアゾジン(neoasozin)、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル、ニトロタル−イソプロピル、ヌアリモル(nuarimol)、オフュレース(ofurace)、有機水銀化合物、オキサジキシル(oxadixyl)、オキソリン酸(oxolinic acid)、オキシカルボキシン、ペフラゾエート(pefurazoate)、ペンコナゾール(penconazole)、ペンシキュロン(pencycuron)、フェナジンオキシド、フォセチル−Al(phosetyl-Al)、リンの酸類、フタリド、ポリオキシンD(polyoxin D)、ポリラム(polyram)、プロベナゾール(probenazole)、プロクロラズ(prochloraz)、プロシミドン(procymidone)、プロパモカルブ(propamocarb)、塩酸プロパモカルブ、プロピコナゾール(propiconazole)、プロピネブ(propineb)、プロピオン酸、プロチオカルブ(prothiocarb)、ピラカルボリド(pyracarbolid)、ピラゾホス(pyrazophos)、ピリフェノックス(pyrifenox)、ピリメタニル(pyrimethanil)、ピロキロン(pyroquilon)、ピロキシフル(pyroxyfur)、ピロルニトリン(pyrrolnitrin)、第四アンモニウム化合物、キンコナゾール(quinconazole)、キノメチオネート(quinomethionate)、キントゼン(quintozene)、ラベナゾール(rabenazole)、ナトリウムペンタクロロフェネート、ストレプトマイシン、イオウ、テブコナゾール(tebuconazole)、テクロフタラム(techlofthalam)、テクナゼン(tecnazene)、テトラコナゾール(tetraconazole)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チシオフェン(thicyofen)、チフルザミド(thifluzamide)、2−(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、チオファネート−メチル(thiophanate-metyl)、サーラム、チミベンコナゾール(timibenconazole)、トルクロホス−メチル(tolclofos-methyl)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、1,1′−イミノジ(オクタメチレン)ジグアニジンの三酢酸塩、トリアジメフォン(triadimefon)、トリアジメノール(triadimenol)、トリアズブチル(triazbutyl)、トリアゾキシド(triazoxide)、トリシクラゾール(tricyclazole)、トリデモルフ(tridemorph)、トリホリン(triforine)、トリフルミゾール(triflumizole)、トリチコナゾール(triticonazole)、バリダマイシンA(validamycin A)、ベーパム、ビンクロゾリン(vinclozolin)、XRD−563、ジネブおよびジラム。一般式(I)の化合物を、種子媒介、土壌媒介または葉の真菌病に対して植物を保護するために土壌、ピートまたは他の発根媒体と混合することができる。以下の実施例は本発明を説明するものである。実施例全体において「エーテル」という用語はジエチルエーテルを意味し、別途指示しない限り硫酸マグネシウムを溶液の乾燥に使用し、溶液は減圧下で濃縮された。反応はすべて窒素雰囲気下で実施し、溶剤を使用前に適宜乾燥させた。別途明記しない限り、クロマトグラフィーは固定相としてのシリカゲルのカラム上で実施された。別途明記しない限り、1H NMRスペクトルはCDCl3溶液を用いて記録された。NMRデータは選択的なものである;すべての場合にあらゆる吸収を列記する試みは行われていない。全体において以下の略号を用いる:NMR=核磁気共鳴 m =多重項s = 一重項 br =幅広いd = 二重項 ppm=百万分率t = 三重項 mp =融点q = 四重項 DMF=N,N-ジメチルホルムアミドTHF=テトラヒドロフラン実施例1この例は(E)−メチル2−{2−[4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジン−2−イルオキシ]フェニル}−3−メトキシプロペノエート(式(I.1)の化合物)の製造につき説明する。4−クロロ−2−メチルチオピリミジン(16.0g)および炭酸カリウム(27.6g)の、DMF(90ml)中における溶液に0℃で、2,2,2−トリフルオロエタノール(10.0g)の、DMF(10ml)中における溶液を撹拌しながら添加した。撹拌を64時間続け、次いで反応混合物を水で希釈し、エーテル(150mlで3回)抽出した。合わせた抽出液をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮して、2−メチルチオ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジン(23.0g、粗収率)を透明な淡橙色の油として得た。1H NMR δ 2.57(3H,s);4.79(2H,q);6.54(1H,d);8.33(1H,d)ppm。2−メチルチオ−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジン(1.0g)の、氷酢酸(20ml)中における溶液に15℃で、過マンガン酸カリウム(2.4g)の、水(75ml)中における溶液を添加した。添加が終了した時点で、透明な溶液が得られるまでメタ重亜硫酸ナトリウム溶液(10%水溶液)を添加した。反応混合物をエーテル(70mlで3回)抽出し、抽出液を合わせてブラインで洗浄し(3回)、乾燥させ、濃縮して、2−メタンスルホニル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジン(1.0g、収率87%)を透明な油として得た。1H NMRδ 3.35(3H,s);4.91(2H,q);7.11(1H,d);8.69(1H,d)ppm。(E)−メチル2−(2−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシプロペノエート(0.81g;欧州特許出願公開EP−A−0242081号明細書の実施例3の記載に従って製造)および炭酸カリウム(0.54g)の、DMF(15ml)中における溶液に、4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−メタンスルホニルピリミジン(1.0g)の、DMF(10ml)中における溶液を滴加した。16時間撹拌したのち、反応混合物を水に注入し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮して橙色の油を得た。これを溶離剤としてのエーテルを用いてクロマトグラフィー処理して、表題化合物(0.294g、収率20%)を透明な油として得た。1H NMR(270MHz) δ 3.58(3H,s);3.73(3H,s);4.66(2H,q);6.54(1H,d);7.2-7.4(4H,m);7.43(1H,s);8.28(1H, d)ppm。実施例2この例はメチル2−{2−[4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジン−2−イルオキシ]フェニル}−グリオキサレート−O−メチルオキシム(式(I.2)の化合物)の製造につき説明する。硫酸ジメチル(5.7g)を、2,3−ベンゾフランジオン−3−オキシム(5g)および炭酸カリウム(6.2g)の、THF(250ml)中における懸濁液に滴加した。16時間後に反応混合物を濃縮し、残渣を水で希釈し、酢酸エチル中へ抽出した。抽出液を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮して緑色の油を得た。これを、ジクロロメタンを用いてクロマトグラフィー処理して、2,3−ベンゾフランジオン−3−O−メチルオキシム(2.25g、41%)を黄色固体として得た。融点76−78℃。1H NMR δ 4.34(3H,s);7.15(1H,d);7.22(1H,t);7.50(1H,t);7.99(1H,d)ppm。DMF(3ml)中のメタノール(0.25g)を、水素化ナトリウム(0.192g)の、DMF(5ml)中における懸濁液に添加した。半時間後に2,3−ベンゾフランジオン−3−O−メチルオキシム(1.35g)の、DMF(22ml)中における溶液を添加した。10分間撹拌したのち、2−メタンスルホニル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジン(1.98g、実施例1の記載に従って製造)の、DMF(20ml)中における溶液を添加した。16時間後に反応混合物を水で急冷し、酢酸エチル中へ抽出した。抽出液を合わせて2M水酸化ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ、濃縮し、溶離剤としてのジクロロメタンを用いてクロマトグラフィー処理して、表題化合物(0.545g、19%)を透明な油として得た。1H NMR δ 3.79(3H,s);3.92(3H,s);4.68(2H,q);6.59(1H,d);7.3-7.6(4H,m);8.29(1H,d)ppm。実施例3この例はメチル2−{2−[4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジン−2−イルオキシ]フェニル}グリオキサミド−O−メチルオキシム(式(I.3)の化合物)の製造につき説明する。メチルアミン(33%エタノール溶液5ml)を、2,3−ベンゾフランジオン−3−O−メチルオキシム(1.27g)の、メタノール(20ml)中における懸濁液に添加した。2時間後に反応物を濃縮し、橙色の油をエーテルで摩砕処理して、2−ヒドロキシフェニルグリオキサミド−O−メチルオキシム(1.27g、収率85%)を白色固体として得た。融点138−9℃。1H NMR δ 2.98(3H,d);4.01(3H,s);6.9(1H,brs);6.9-7.3(4H,m)ppm。2−ヒドロキシフェニルグリオキサミド−O−メチルオキシム(1.26g)および2−メタンスルホニル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジン(1.6g)の、DMF(40ml)中における混合物を、炭酸カリウム(1.7g)の、DMF(10ml)中における懸濁液に撹拌しながら添加した。3時間後に反応物を水で急冷し、酢酸エチル中へ抽出した。抽出液を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮し、溶離剤としてのエーテルを用いてクロマトグラフィー処理して、表題化合物(1.81g、収率79%)を透明な油として得た。1H NMR δ 2.83(3H,d);3.81(3H,s);4.68(2H,q);6.56(1H,d);7.2-7.5(4H,m);8.30(1H,d)ppm。実施例4この例は(E)−メチル2−{2−[4−(1,1,1−トリフルオロプロプ−2−オキシ)ピリミジン−2−イルオキシ]フェニル}−3−メトキシプロペノエート(式(I.4)の化合物)の製造につき説明する。2−メタンスルホニル−4−(1,1,1−トリフルオロプロプ−2−オキシ)ピリミジン(3.07g、実施例1に示した方法で製造)および(E)−メチル2−(2−ヒドロキシフェニル)−3−メトキシプロペノエート(2.5g)の、DMF(40ml)中における混合物を、水素化ナトリウム(0.48g)の、DMF中における懸濁液に添加した。2.5時間後に反応物を水で急冷し、酢酸エチルで抽出した。抽出液を合わせて水で洗浄し、乾燥させ、濃縮し、溶離剤としてのエーテル/ヘキサン3:1を用いてクロマトグラフィー処理して、表題化合物(1.1g、収率25%)を淡黄色の油として得た。1H NMR δ 1.42(3H,d);3.59(3H,s);3.72(3H,s);5.60(1H,m);6.49(1H,d);7.2-7.4(4H,m);7.44(1H,s);8.20(1H,d)ppm。実施例5メチル2−{2−[4−(1,1,1−トリフルオロプロプ−2−オキシ)ピリミジン−2−イルオキシ]フェニル}−グリオキサレート−O−メチルオキシム(式(I.5)の化合物)この化合物は実施例2に示した方法で製造され、ただし2−メタンスルホニル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジンの代わりに等量の2−メタンスルホニル−4−(1,1,1−トリフルオロプロプ−2−オキシ)ピリミジンを使用した。この化合物は油として得られた。1H NMR δ 1.44(3H,d);3.79(3H,s);3.91(3H,s);5.62(1H,m);6.53(1H,d);7.3-7.6(4H,m);8.26(1H,d)ppm。実施例6メチル2−{2−[4−(1,1,1−トリフルオロプロプ−2−オキシ)ピリミジン−2−イルオキシ]フェニル}−グリオキサミド−O−メチルオキシム(式(I.6)の化合物)この化合物は実施例3に示した方法で製造され、ただし2−メタンスルホニル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジンの代わりに等量の2−メタンスルホニル−4−(1,1,1−トリフルオロプロプ−2−オキシ)ピリミジンを使用した。この化合物は固体として得られた。融点87℃;1H NMR δ 1.42(3H,d);2.83(3H,d);3.79(3H,s);5.64(1H,m);6.51(1H,d);6.64(1H,brs);7.2-7.5(4H,brs);8.27(d,s)ppm。実施例7化合物を植物の種々の葉真菌病に対して試験した。用いた方法は以下のとおりである。植物を直径4cmのミニポット内でジョン・インネス・ポッティング・コンポスト(John Innes Potting Compost)(No1または2)中において生育させた。被験化合物を水性ディスパーゾル(Dispersol)Tとビーズミリングすることにより、またはアセトンもしくはアセトン/エタノール中の溶液として配合し、これを使用直前に必要濃度に希釈した。配合物(有効成分100ppm)を葉に噴霧し、または土壌中の植物の根に適用した。噴霧液は最大保持量まで適用され、根の薬液(drenches)は乾燥土壌中において約40ppm a.i.に等しい最終濃度になるまで適用された。トウィーン(Tween)20を噴霧剤が穀草に適用される時点で最終濃度0.05%となるように添加した。大部分の試験につき、植物に病原体を接種する1日もしくは2日前に、土壌(根)または葉に(噴霧により)化合物を適用した。例外はErysiphe graminisに関する試験であり、この場合は処置の24時間前に植物は接種された。葉の病原体は遊走子のう(zoosporangial)懸濁液として被験植物の葉に噴霧することにより適用された。接種後に感染が進行するのに適した環境に植物を移し、次いで病害が評価しうる状態になるまでインキュベートした。接種と評価との間の期間は病害および環境に従って4日から14日まで変化した。処置した植物それぞれに存在する病害の水準(すなわち活発に胞子形成している病原体で覆われた葉の面積)を下記の評価尺度に従って記録した:0=0%の病害がある 20=10.1−20%の病害がある1=0.1−1%の病害がある 30=20.1−30%の病害がある3=1.1−3%の病害がある 60=30.1−60%の病害がある5=3.1−5%の病害がある 90=60.1−100%の病害がある10=5.1−10%の病害がある次いでそれぞれの評価を未処置対照植物に存在する病害の水準に対する%として表示した。この計算値をPOCO(対照に対する%)値と称する。典型的な計算の例は以下のとおりである:次いでこのPOCO計算値を四捨五入して上記に示した9点評価尺度における数値の内最も近似するものに当てはめる。この特定の例においては、POCO値は四捨五入して30になるであろう。POCO計算値が2点のちょうど中間にある場合、2つの数値のうち低い方に当てはめる。結果を表1に示す。データは葉への噴霧と100ppmでの根の葉液処置との併用としての適用後の活性を表す。病害の略号Pr Puccinia recondita Tc Thanetophorus cucumerisEgt Erysiphe graminis tritici Vi Venturia inaequalisSn Septoria nodorum Pv Plasmopara viticolaPo Pyricularia oryzae Pil Phytophthora infestans lycopersici反応経路1反応経路2 一般式(I):の化合物またはその立体異性体(式中のRはHまたはCH3であり、AはCHまたはNであり、BはOCH3またはNHCH3である)。 化合物(E)−メチル2−{2−[4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジン−2−イルオキシ]フェニル}−3−メトキシプロペノエート。 化合物(E)−メチル2−{2−[4−(1,1,1−トリフルオロプロプ−2−オキシ)ピリミジン−2−イルオキシ]フェニル}−3−メトキシプロペノエート。 下記のいずれかの化合物:メチル2−{2−[4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジン−2−イルオキシ]フェニル}−グリオキサレート−O−メチルオキシム;メチル2−{2−[4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)ピリミジン−2−イルオキシ]フェニル}−グリオキサミド−O−メチルオキシム;メチル2−{2−[4−(1,1,1−トリフルオロプロプ−2−オキシ)ピリミジン−2−イルオキシ]フェニル}−グリオキサレート−O−メチルオキシム;メチル2−{2−[4−(1,1,1−トリフルオロプロプ−2−オキシ)ピリミジン−2−イルオキシ]フェニル}−グリオキサミド−O−メチルオキシム。 請求の範囲第1項に記載の化合物の製造方法であって:(a)式(II)のフェノールを適切な塩基の存在下でピリミジニルスルホン(III):と反応させるか;または(b)式(VI)のピリミジン:を適切な溶剤中で式R2OMのアルコキシドと反応させる[これらの式中、R1はアルキルまたはアリール基であり、R2はCF3CH2またはCF3CH(CH3)であり、Xはハロゲン原子であり、Mはアルカリ金属であり、Tは水素またはアルカリ金属であり、Wは基BOC・C=A・OCH3(ここでAおよびBは請求の範囲第1項に記載の意味を有する)、またはBOC・C=A・OCH3に変換しうる基である]ことを含む方法。 式(IA.1)または(IA.2)の化合物:の製造方法であって:(a)式(IX)の化合物:を式CH3OMの化合物で処理すること、および(b)こうして形成された化合物を式(III)のピリミジニルスルホン:で処理して前記式(IA)の化合物を形成すること、および、式(IA.2)の化合物を得るために、(c)式(IA.1)の化合物をメチルアミンで処理すること[これらの式中、R1はアルキルまたはアリール基であり、R2はCF3CH2またはCF3CH(CH3)であり、Mはアルカリ金属である]:を含む方法。 殺真菌薬として有効な量の請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項に記載の化合物、およびそれの殺真菌用として許容しうるキャリヤーまたは希釈剤を含む殺真菌性組成物。 植物、植物の種子、または植物もしくは種子の部位に、請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項に記載の化合物または請求の範囲第7項に記載の組成物を適用することを含む、真菌の対処方法。