生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_安定化オルトケイ酸含有調製物および生物学的調製物
出願番号:1995520520
年次:2006
IPC分類:C01B 33/20,C01B 33/12,A23K 1/175,A61K 33/00


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ブロンデール,ステファン・レイモンド JP 3808499 特許公報(B2) 20060526 1995520520 19950207 安定化オルトケイ酸含有調製物および生物学的調製物 バイオ・ミネラルズ・ナムローゼ・フェンノートシャップ 青山 葆 田中 光雄 ブロンデール,ステファン・レイモンド NL 94.00189 19940207 20060809 C01B 33/20 20060101AFI20060720BHJP C01B 33/12 20060101ALI20060720BHJP A23K 1/175 20060101ALI20060720BHJP A61K 33/00 20060101ALI20060720BHJP JPC01B33/20C01B33/12 AA23K1/175A61K33/00 C01B 33/20-39/54 特開平04−059614(JP,A) Gmelins Handbuch der Anorganischen Chemie Silicium Teil B, Verlag Chemie Gmbh., Weinheim/Bergstrasse, 1959年,p.409-410 15 NL1995000054 19950207 WO1995021124 19950810 1997508349 19970826 6 20010912 西山 義之 ケイ素は、植物、動物およびヒトのための必須の微量元素である。水様環境(watery environment)では、ケイ素は、まず、オルトケイ酸として存在し、次いで、素早く、重縮合によりポリケイ酸に転換され、次いで、コロイド状溶液およびゲルに変わる。最後に、不溶性ケイ酸塩が形成される。炭素含有化合物についての炭酸と同様に、オルトケイ酸は、有機ケイ素化合物についての最も重要な代謝産物である。水ガラス(オルトケイ酸ナトリウム)は、オルトケイ酸の通常の原料であるが、しかしながら、哺乳動物への経口投与後に加水分解し、重縮合を介して不溶性かつ非吸収性のゲルを形成する。オルトケイ酸エチルおよびオルトケイ酸グリコールの如きアルコールエステルなどの有機ケイ素化合物は、乏しい溶解性および加水分解に対する低い耐性のために、とりわけ許容されない毒性のために、生物学的系において用いることができない。したがって、ケイ素は、爪、毛髪、皮膚、歯、コラーゲン、結合組織、骨に対して正の生物学的効果を有しており、細胞発生を助長し、感染および毒素に対する免疫系を刺激し、退行(老化)プロセスを阻害するので、前記欠点を有しないケイ素含有調製物が必要とされている。本発明は、オルトケイ酸が安定化剤の存在下で形成されると、重縮合が阻害され、回避すらされ、さらに、有機ケイ素化合物が実質的に生じないという見識に基づいている。したがって、本発明の第1の態様は、安定化剤を用いて安定化され、有機ケイ素化合物を実質的に含まないオルトケイ酸を含有する調製物に関する。本発明の第2の態様は、i)安定化剤含有溶液を準備し、ii)該安定化剤含有溶液に無機ケイ素化合物を溶解させ、iii)ケイ素化合物をオルトケイ酸に加水分解することからなる請求の範囲第1項〜第7項の調製物の製造方法に関する。本発明の第3の態様は、請求の範囲第1項〜第7項の調製物、および/または、請求の範囲第8項〜第13項の調製物、および薬理学的に許容される希釈剤を含有する生物学的調製物に関する。本発明の生物学的調製物は、粘膜の破壊を伴う慢性感染:副鼻腔炎および潰瘍の形態、結合組織についての問題、動脈硬化症、骨および腱の問題、婦人科学(フィブロイド、多嚢胞性アデノパシー);および子供の成長:リンパ系の過負荷による再発性感染を有する子供のために用いることができる。安定化剤を用いる安定化は、好ましくは、オルトケイ酸のシラノール基と複合体を形成する遊離電子対を有する窒素原子を含有する安定化剤を用いて生じる。第四アンモニウム化合物、例えば、テトラアルキル化合物(ここで、各アルキル基は、例えば、1〜5個の炭素原子を含有し、特に、メチルおよびエチル基である)を用いるのが好ましい。トリアルキルヒドロキシアルキル化合物(ここで、ヒドロキシ基は、好ましくは、メタノールまたはエタノールである)が非常によく推奨される。コリンは、非常に好適であることが判明しており、さらに、オルトケイ酸のための溶液をも形成する安定化剤の選択を提供し、したがって、不活性溶媒が省略されるという点で推奨される。安定化剤の他のまたはさらなるタイプは、プロリンおよびセリンなどのアミノ酸である。セリンは、胃における摂取を増強し、さらなる安定性を与える。オルトケイ酸含有調製物の調製のための出発点は、安定化剤を含有する溶液であり、ここで、不活性溶媒を用いることもできる。水のオルトケイ酸への影響下で加水分解する無機ケイ素化合物は、この溶液中に取り込まれるとすぐに、存在する安定化剤によって安定化される。安定化剤含有溶液は、無機ケイ素化合物の添加直後に加水分解を始めることができる。通常、水などの加水分解剤の添加後まで加水分解を生じることができない安定化剤含有溶液が推奨される。安定化剤としてコリンを用いる場合、乾燥塩酸を用いてコリン塩酸塩に転換することができる。この液体安定化剤にハロゲン化ケイ素、特に、四塩化ケイ素などの無機ケイ素化合物を取り込ませることができる。無機ケイ素化合物と同時または加水分解剤の添加後、無機ケイ素化合物のオルトケイ酸への加水分解が起こる。続いて、in situで形成されたケイ酸を、安定化剤との複合体を形成させることによって安定化させる。安定化剤が複合体を形成するだけであり、オルトケイ酸との反応、特に、エステル化反応に参加しないことは、ここでは非常に重要なことである。次いで、固有の毒性を有する有機ケイ素化合物は生成されず、胃において吸収されず、血液循環に侵入しないことが達成される。複合体を形成した後、オルトケイ酸含有溶液を、所望により、例えば、アルカリ液、特に水酸化ナトリウムなどの塩基の添加によって一部中和することができる。4より低い、特に、3より低いpH、一般的には、1〜3の範囲にあるpHへの中和を行うことができ、これにより、オルトケイ酸の重縮合が実質的に回避される。所望により、当該調製物のさらなる精製は、活性炭上の汚染物質の吸収、所望により、次いで、濾過を介して行うことができる。所望により、加水分解剤、特に、水の含量は、例えば蒸留によるような、加水分解剤の除去によって減少させることができ、これによって、安定化剤としてコリンを用いる場合、一定の粘度が達成される。次いで、一般的に、1重量%、好ましくは、約4重量%、例えば、8重量%のケイ素含量を有する調製物が得られる。非常に良好な調製物は、ケイ素3〜5重量%、コリン塩酸塩70重量%および水(残量)を含有する。この調製物のpHは、1〜3の範囲内である。生物学的調製物は、植物、動物およびヒトにオルトケイ酸を投与するという目的のために、この調製された調製物から製造することができ、これによって、ケイ素の生物学的利用能は、非常に改良される。前記て調製された溶液は、生物学的調製物として、例えば、爪の着色剤などとして塗布することができる。ケトナゾールによる治療が如何なる改善も与えなかった場合、3週間1日当たり2%Si溶液0.5mlの使用量により、無菌類感染が消失した(3人の患者)。例えば、リンゴ酸などの食用酸を添加すると、ウマへの投与に非常に適している調製物が得られる。固体担体、例えば、ウシの餌を添加する場合、ウシにケイ素を投与するための安定形態でオルトケイ酸を含有するウシの餌のペレットは、圧縮することができる。シュガー/マルトースを固体担体として用いると、錠剤およびゲル剤を形成することができる。グルクロン酸緩衝液の使用を介して、クリーム基剤による調製物を形成することができる。ここで、pHは、4未満であり、該クリーム剤は、局所的皮膚適用に適している。生物学的適用のための調製物を得るために、全ての種類の希釈剤を用いることができることは明らかであろう。かかる希釈剤としては、エタノールなどの低級アルカノール、ジクロロメタン、酢酸エチル、グリセリンおよびポリアルコール類を挙げることができる。調製例コリン塩酸塩(UCB)を真空下で乾燥させる(100℃/6時間)。コリン塩酸塩を乾燥塩酸で処理する。40℃以下に維持されている温度で、形成されたコリン溶液に塩酸ケイ素(1mol/mol)を添加する。加水分解のために、冷却しつつ、該溶液に水(氷/氷水)を添加する。ここで、該温度は、−20℃〜−30℃の範囲内に保持される。次いで、水酸化ナトリウムを添加することによって、オルトケイ酸を含有する溶液を中和する。ここで、0℃以下の温度への冷却が起こる。pH中和は、約1.3に達する。次いで、活性炭による精製を行い、次いで、形成された沈殿物および活性炭を濾去する。真空下で蒸留した後、ケイ素3重量%、コリン塩酸塩70重量%および水(残量)を含有する調製物を得る。液体マトリックスとしてグリセロールを用いるFAB/MSにより、コリン等方性について典型的な、M/Z 104(℃)での分子カチオンおよびM/Z243/245でのMC-内転についてのスペクトルが得られる。このスペクトルは、コリンについてのスペクトルと同一である。コリン/アルコールグループを示す調製物のNMRスペクトル元素分析により、コリン24±2重量%およびN 9±1重量%が得られる。これは、窒素に対するコリンの比1:1を示す。次いで、2.7〜3.0への中和を行う。該調製物は、室温で貯蔵すると、2年間を超えて安定である。製剤化例製剤化例A生物学的調製物は、オルトケイ酸の形態でのケイ素3重量%、コリン塩酸塩70重量%、水(残量)を含有し、pH2.7〜3.0である。この液体は、経口および皮膚用投与に適している。製剤化例B前記で調製した生物学的調製物をウシの餌と混合し、最終的に0.001〜0.005重量%の濃度でオルトケイ酸としてケイ素を含有する。この混合物をペレットに圧縮することができ、これをウシに投与する。製剤化例C調製物Aをシュガーおよび/またはマルトースと混合し、Si 0.1〜0.2重量%の含量でオルトケイ酸の形態でケイ素を含有する錠剤に圧縮する。製剤化例Dケイ素含有クリーム剤を以下のとおり調製する。Imwitor 9607%、Miglyol 812 10%、Softigon 7012%、Marlowet TA 252%、Lanette N[ヘンケル(Henkel)]4%、Isopropylmyristate 3%を含有する脂肪相、Inositol 0.2%、Gluconate緩衝液0.05M、pH3.8(100まで)、グリセロール10%を含有する水相ならびに調製物Aおよび香料。脂肪相を80℃で溶融し、その後、80℃に加熱した水相を混合し、次いで、冷却する。固化直前に、調製物Aおよび香料(4滴)を添加する。該クリーム剤は、最終的に、オルトケイ酸としてケイ素0.01〜0.05重量%を含有する。所望により、0.01Mクエン酸緩衝液(pH3.5〜3.8)中での希釈(1:30)によって、およびフレーバーリング剤(ラズベリーなど)を添加することによって、フレーバーリング剤を添加することができる。 安定化剤を用いて安定化され、有機ケイ素化合物を含まないオルトケイ酸を含有する調製物。 オルトケイ酸が窒素含有安定化剤を用いて安定化される請求項1記載の調製物。 安定化剤が第四アンモニウム化合物である請求項2記載の調製物。 第四アンモニウム化合物がテトラ−アルキルアンモニウム化合物である請求項3記載の調製物。 第四アンモニウム化合物がトリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウム化合物である請求項4記載の調製物。 第四アンモニウム化合物がコリンである請求項5記載の調製物。 安定化剤がアミノ酸である請求項2記載の調製物。 アミノ酸がプロリンおよびセリンである請求項7記載の調製物。 i)安定化剤含有溶液を準備し、ii)該安定化剤含有溶液に無機ケイ素化合物を溶解させ、iii)ケイ素化合物をオルトケイ酸に加水分解することからなる請求項1〜8のいずれか1項記載の調製物の製造方法。 ケイ素化合物がハロゲン化ケイ素である請求項9記載の方法。 ケイ素化合物が四塩化ケイ素である請求項9記載の方法。 安定化されたオルトケイ酸を含有する溶液が4より低いpHになる請求項9〜11のいずれか1項記載の方法。 安定化剤が塩化物/塩酸塩である請求項9〜12のいずれか1項記載の方法。 安定化されたオルトケイ酸を含有する溶液が1重量%より多いケイ素含量に濃縮される請求項9〜13のいずれか1項記載の方法。 請求項1〜8のいずれか1項記載の調製物、および/または、請求項9〜14のいずれか1項記載の方法に従って製造した調製物、および薬理学的に許容される希釈剤を含有する生物学的調製物。


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