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タイトル:特許公報(B2)_置換クロマトグラフィー法および精製ヘモグロビン産物
出願番号:1995509458
年次:2008
IPC分類:C07K 14/805,C07K 1/18


特許情報キャッシュ

プリウラ、ダイアナ ワイフェン、ダイアン アシュラフ、サルマン マグニン、アンソニー・エー JP 4057049 特許公報(B2) 20071221 1995509458 19940920 置換クロマトグラフィー法および精製ヘモグロビン産物 ヘモソル インコーポレーテッド 500461608 鈴江 武彦 100058479 村松 貞男 100084618 橋本 良郎 100092196 プリウラ、ダイアナ ワイフェン、ダイアン アシュラフ、サルマン マグニン、アンソニー・エー CA 2,106,612 19930921 20080305 C07K 14/805 20060101AFI20080214BHJP C07K 1/18 20060101ALI20080214BHJP JPC07K14/805C07K1/18 C07K1/00-19/00 特表平2−503676(JP,A) 特開平5−178900(JP,A) 特表平5−504766(JP,A) 国際公開第92/13875(WO,A1) 14 CA1994000514 19940920 WO1995008574 19950330 1996503714 19960423 30 20010627 2004024869 20041206 鵜飼 健 鈴木 恵理子 小暮 道明 本発明はクロマトグラフィーによるヘモグロビン精製に関するものである。より詳しくは、溶質の少なくとも99%をヘモグロビンが占めている溶液を得るために、商業的スケールでヘモグロビンを精製するためのクロマトグラフィー法に関するものである。本発明はまた、血液代替物としての利用にむけて、予期しえなかった有効な特性を有する新規なヘモグロビン産物にも関連する。ヘモグロビンを基盤とする血液代替物の開発は、市場の関心を集め続けている。そして最近の開発により、分子内架橋(intramolecular crosslinking)のような適切な修飾や幾つかの場合には重合の後、哺乳類の血液細胞由来のヘモグロビンは、血液代替物の基盤として大いに見込みがあることが示された。しかしながら開発が進むにつれ、ヘモグロビンの純度に対する要求がますます増大してきた。従来、ヘモグロビンは赤血球細胞の洗浄、穏和な溶血およびそれに引き続く溶解物の濾過によって得られる状態、すなわちストロマフリーでさえあればよいと信じられていた。その後、リン脂質のような夾雑物の微量残基の存在が、動物試験での産物に対するより特異的な反応、例えば血管収縮をもたらすことが見い出だされた。この産物は、何段階かのジアフィルトレーション(diafiltration)工程に付された後でさえ、許容できない程度の極微量の赤血球酵素、修飾されたヘモグロビンまたはヘモグロビンの異型体、リン脂質および表面抗原のような、有害であることが疑われる夾雑物を有している。血液代替物の領域、特にヘモグロビンを基盤とした酸素運搬体で最も差し迫った課題の一つは、商業的なスケールでのヘモグロビンの効率的かつ経済的な精製を行うための、費用に対して最も効率の良い方法を開発することである。この方法は血液代替物としての利用にむけて提案されている他の可能な血液増量剤や酸素運搬液との競合において優勢となるに違いない。分析的分離において解析や分析の時間は重要である一方、商業的もしくは半商業的スケールでの使用のためのクロマトグラフィーを準備する上で重要なパラメーターは以下の通りである:-- ある一定のレベルの純度で単位時間当たりに分離される物質の量(スループット);および-- カラムサイズ、媒体、緩衝液、設備、構成成分や試薬の循環や再利用等のような方法の経済性。費用に対して最も効率の良い生産方法に関する判断基準に見合うヘモグロビンの精製について報告された方法はない。ヘモグロビンを基盤とした血液代替物は、単一の形態のヘモグロビンか、または、2種類以上の形態が存在する場合には、公知の複数の形態のヘモグロビンからなる注意深くコントロールされた組成物のいずれか一方を基盤とする必要がある。それ故、好結果を期待できるヘモグロビン精製法には、単一の形態のヘモグロビンを他の形態のヘモグロビンから分離することと同時に、赤血球酵素、蛋白質、リン脂質および抗原のような構成成分が混入した赤血球細胞から所望の形態のヘモグロビンを分離することが必要とされている。クロマトグラフィー法はヘモグロビン溶液の精製に応用されてきた。ヒシャら(Hsia et al.)の米国特許第4,925,474号は、ヘモグロビンのDPGサイトに対し選択的な化学的結合親和性を示すリガンドがカラムの定常相(stationary phase)に結合させられたカラムを用いた、ヘモグロビン精製への親和性クロマトグラフィーの技術の応用を開示している。イオン交換クロマトグラフィーの技術もまたヘモグロビン精製に応用されている。イオン交換クロマトグラフィー法の基本的な原理はよく知られている。ある溶液中の異なる種類の混合物は適切に調製されたイオン交換カラムにかけられる。混合物中の種のそれぞれはこのカラムの化学反応基に対して異なる親和性を持っている。例えば溶液のpHのようなカラムの条件を変えることにより、選択的にカラムに結合させたり、溶出させたりすることをアレンジして、混合物から単一の種を個々に分離することが可能である。ヘモグロビンのような蛋白質の精製へのこの技術の応用は、小さなスケールでの操作や分析の仕事に用いられた場合を除き、経済的に魅力的なものではない。例えば酸素運搬蘇生液(oxygen carrying resuscitative fluid)(血液代替物)として利用するために、ヘモグロビンが工業的スケールで精製される場合、従来実施されたような技術は実際的ではない。クロマトグラフィーカラムに吸収させたり、溶出させられるべきヘモグロビンの量は非常に多いので、必要とされるカラムサイズは非現実的な程大きく、高価なものとなる。クリステンセンら(Christensen et al.)のJ.Biochem.Pys.17(1988),143-154はヒトヘモグロビンのクロマトグラフィーによる精製を報告した。ここで用いられた方法は、標準的なイオン交換クロマトグラフィーによる手法に相当するものであったが、生産レベルまでの経済的なスケールアップの可能性をもたらし得なかった。ウインスロウとチヤップマン(Winslow and Chapman),の”Pilot-Scale Preparation of Hemoglobin Solutions”,”Methods in Enzymology”,vol.231,P3(1994)は出発原料として古くなった(outdated)ヒト血液を用い、ストロマが含まれていないヘモグロビン(SFH)、高純度のヘモグロビンAO及び架橋したヘモグロビンの調製を開示している。SFHは濾過により調製された。強(strong)陰イオン交換媒体とイオン強度勾配を用いたプロセススケールのクロマトグラフィーにより、ヘモグロビンAOはSFHから調製された。クリステンセンらとウィンスロウらの両グループは、現在はウォルターリード陸軍研究所(Walter Reed Army Institute of Research)として知られているレターマン陸軍研究所(Letterman Army Institute for Research)(LAIR)で行われた仕事を報告している。ロッシュとフェオラ(Rausch and Feola)(Biopure)の米国特許第5,084,588号はヘモグロビンの分離と精製に応用するための標準的な陰イオンと陽イオン交換クロマトグラフィーについて開示している。陰イオン交換クロマトグラフィーの場合、3つの標準的な手法がこの特許の中に記載されている:a)高められたpHでのHbの結合とpHの勾配の下降、もしくはより低いpHの段階的な勾配による溶出;b)高いpH、低イオン強度でのHbの結合と塩濃度の勾配による溶出;c)ヘモグロビンは陰イオン交換体に結合せず、しかもカラムに保持されないで通り抜けるが、不純物(より酸性が強い夾雑物)はカラムに捕らえられるようなpH条件下でのローディング(loading)。a)とb)の手法は多数報告されていたが、ヘモグロビン生産物を十分に溶かし込むためには低いローディングキャパシティ(loading capacities)の制限を強いられるために、大スケールでの生産のために興味をひくものでない。これらのローディングキャパシティは通常20-30 mg/mlしかなく、従ってヘモグロビンの商業的なスケールでの精製のためには極端に大きく、また高価なカラムを必要とする。例えば、最終的にヘモグロビンを基盤とした酸素運搬体(HBOC)のわずか50gmの量を得るために、1.5-2.5リットルのカラムが必要となるだろう。一方、c)の手法は表面的には最も実用的なように見えるが、実際には、正常なヒト成人の修飾されていないヘモグロビンAOやHbAlcのような幾つかの主要な夾雑物のクロマトグラフィー的な特性がこの手法を実際に応用するために十分に明確にされていないことがわかっている。哺乳類のヘモグロビンの陽イオン交換クロマトグラフィーに対する標準的な手法は同様の制限をもつ。米国特許第5,084,588号にも含有される蛋白質の99.9%以上がウシヘモグロビンであるウシヘモグロビン溶液が開示されているが、蛋白質組成について同定したデータは挙げられていない。本発明の目的はヘモグロビンの精製に関する新規なクロマトグラフィー法を提供することにある。本発明のさらなる目的は、少なくとも60%のヘモグロビンを含む、夾雑物が混入している水溶液から、99%以上の純度のヘモグロビン水溶液を商業用スケールで、かつ経済的に許容可能な形で生産し得るクロマトグラフィー法を提供することである。本発明のさらなる、そしてより詳しい目的は、今までに報告されていないヘモグロビンもしくは架橋ヘモグロビンが溶質の少なくとも99%を占めていて、純度が高い状態にあり、血液代替物として用いられた場合にには生体内でこれまでに報告されていない特性を示すヘモグロビンもしくは架橋ヘモグロビンの水溶液を商業的に利用できる量で提供することである。本発明は、あらかじめ選択されたヘモグロビン種およびHbの水溶液であって、Hbが溶質の約60%から約99%までを占めている水溶液を、2段階でイオン交換クロマトグラフィーにかける方法を提供する。そのステージの1つは陰イオン交換クロマトグラフィーであり、もう1つは陽イオン交換クロマトグラフィーである。2つのタイプのイオン交換クロマトグラフィーはどちらの順番でも実行可能である。前述のあらかじめ選択されたヘモグロビン種、例えばHbAoの粗溶液は、クロマトグラフィーの第1のステージ、例えば陰イオン交換クロマトグラフィーに、混合溶質の全ての構成成分がこのクロマトグラフィーカラムの固定相に吸収されるように選択された条件下でかけられる。陰イオン交換について言えば、この条件は比較的高いpHを要求する。この条件はまた、低イオン強度の供給溶液を用いて、非常に高い効率でのカラムのローディング(loading)が達成されるように選択される。このことにより、固相クロマトグラフィーの媒体上の実質的にすべての利用可能な(accessible)部位が供給溶液の種で占められる状況が導かれる。このステージで集められた溶出液は蛋白質産物を含んでいない。ここで上に定義された供給水溶液の追加量をローディングすることにより、HbAoと選択された条件下ではカラムに対してより低い親和性しかもたない夾雑物との置換が達成される。本報で上述の置換を達成するために用いられた条件(以下、オーバーロード条件という)の下で、カラムに対してより高い親和性を有する夾雑物種は、選択されたHb及びカラムに対してより低い親和性しか持たない夾雑物との置換を起こし、Hbおよび低親和性の夾雑物がカラムから溶出される。このクロマトグラフィーによる分離の第1ステージが陰イオン交換クロマトグラフィーである場合、選択されたHb種よりも酸性の強い夾雑物はクロマトグラフィーカラムの固定相に吸収され、そのことによりHb種は、選択されたHb種から分離され、塩基性がより強い夾雑物とともに溶出液に現れる。第1のステージとして陽イオン交換クロマトグラフィーが選択された場合には、上述のより塩基性の強い夾雑物はカラムに対する親和性が高いため、溶出液に出現する、上述のより酸性が強い夾雑物及び選択されたヘモグロビン種と分離される。さらに、本発明の方法のクロマトグラフィーの第2段階では、第1のカラムからの溶出液に含まれている部分的に精製されたヘモグロビン種について、異なるpH条件下で、第2段階のイオン交換クロマトグラフィーが実行される。第1のカラムからの溶出液がヘモグロビン種と上述のより塩基性の強い夾雑物を含んでいる場合、第2段階のクロマトグラフィーは陽イオン交換クロマトグラフィーであり、これとは逆に、ヘモグロビン種と上述のより酸性の強い夾雑物を含んでいる場合には、第2段階のクロマトグラフィーは陰イオン交換クロマトグラフィーである。カラム内にオーバーロード条件を生じさせるために、この未精製の溶液の第2のカラムへの供給は飽和ローディングに達し、過剰になるまで繰り返し行われる。オーバーロード条件で、上述のあらかじめ選択されたヘモグロビン種は、上述の選択された条件下でより高い親和性をもつ夾雑物で置換されることにより、カラムから溶出される。これによりヘモグロビン種は高純度の状態で第2のカラムから溶出液中に集められる。それ故、本発明の方法は一般的に”二段階自己置換クロマトグラフィー”("two stage self-displacement chromatography")とも呼ばれる。この結果、Hb種は極めて純度が高い状態、通常99%以上の純度で、商業的にも魅力的な収量でカラムから溶出される。選択されたHb種よりも酸性の強い夾雑物は一方のカラム樹脂に付着したままであり、選択されたHb種よりも塩基性の強い夾雑物は別のカラム樹脂に付着したままでいる。これらのカラムは従来の洗浄と再生方法を用いることにより容易に再生され得る。特に、大規模に工業的なスケールで本方法の操作をうまく行う上で重要な因子は、Hb種の溶出を可能にする、夾雑物と一緒の、選択的で高いカラムのローディングである。本発明の方法がヒトヘモグロビンAOの精製に応用される場合、今までに報告されていない組成や特性をもつ新規なヒトヘモグロビンが生じた。従って、このヘモグロビン産物は本報に記載されている精製方法とは独立した、本発明の別の見地を構成している。この産物はどのヒトヘモグロビンAO産物との関連においても今までには見られず、また報告がされていない大変望ましい特性及び特徴を持ち、血液代替物の基盤としての利用との関連で特に有益である。これらの特性として、ウィルス性粒子、特に脂質に包まれたウィルスの粒子が実質的に全く存在しないこと;生体内で投与された場合、産物により示される血管作用性(Vasoactivity)が実質的に欠損していること;そして、他のヘモグロビン調製物の同様な投与と比較して乳酸デヒドロゲナーゼの放出が減少していることにより証明された通り、試験管内でのインキュベーションで内皮細胞に対する毒性が欠損していることが挙げられる。さらに本発明の産物はまた、エンドトキシンを持たないこと、他の発熱物質(パイロジェン)を持たないといった、血液代替物用のヘモグロビンの標準的な望ましい特性に関して、他の既知のヘモグロビン調製物と比較して改良されている。添付した図の説明図1は本発明の好ましい方法の第1の陰イオン交換部分の概略図である;図2は本発明の好ましい方法の第2の陽イオン交換の部分の同様の図である;図3は以下に示す例2と3の結果から導かれる分析的陰イオン交換クロマトグラムである;図4は以下に示す例4の結果から導かれる分析的陰イオン交換クロマトグラムである;図5は以下に示す例8の結果の特性図である;図6は以下に示す例13の産物の分析についてペーパー等電点分離ストリップ(paper isoelectric focussing strips)を複写したものである;図7は以下に示す例13に報告されている染色とブロッティング実験の結果を複写したものである;図8は以下に示す例14の結果の特性図である;図9と9Aは以下に示す例15の結果の特性図である;及び図10は以下に示す例16の結果の特性図である;通常の用語にあるような置換クロマトグラフィー(displacement chromatography)もしくは置換溶出(displacement elution)は蛋白質分離の分野ではよく知られている技術である。この技術はサンプルをクロマトグラフィーカラムから回収する際に用いられる3つの型のうちの1つである。この技術が溶液中の蛋白質の混合物からそれぞれの蛋白質を分離するために応用される場合、カラム内では入り口から出口にむけて親和性が低くなる順番で蛋白質の序列が設定されているために、マトリックス上でより親和性がより高い蛋白質は親和性のより低い蛋白質と置き換わる。蛋白質が他の蛋白質と置換する場合、その種間での明確な境界線が形成されることはほとんどない。それゆえ、ヘモグロビンのような単一蛋白質の高純度溶液を調製するためにこの技術を応用することは禁忌(contraindicated)とされてきた。もし単一の非蛋白質性の置換種が選択されたならば、その物質がカラムに対し非常に高い親和性を持っていた場合には、クロマトグラフィーマトリックスはこれと結合してしまい、そのことによりカラムの再利用のための再生は大変難しくなるという結果を招くかもしれない。本方法は精製された成人ヒトヘモグロビンAo(HbAo)の調製においてその主要な商業的有益性を示しており、それ故本方法は便宜のため、特にそれに関連して記載されている。しかしながら、本方法はHbAo精製に限定されるものではなく、選択された架橋ヘモグロビン誘導体、選択されたウシヘモグロビン変異体、胎児のヘモグロビンや鎌状細胞ヘモグロビンなどの他のヘモグロビン変異体、遺伝的に操作されたヘモグロビンなどのような他の選択されたヘモグロビン種にもさらに応用可能である。本発明の方法は、血液代替物を生産するための商業的スケールでのヘモグロビンHbAoの精製への利用に関し、経済的に非常に魅力的である。本方法は非常に高効率なカラムローディングキャパシティを提供する。本方法では、比較的大量の未精製ヘモグロビン溶液を精製するために、結果として比較的小さなサイズのカラムを利用することが可能である。標準的な方法により赤血球細胞から得られたヘモグロビン溶液の与えられたバッチ、そこにはヘモグロビンが通常80%含まれ、また蛋白質性のものから非蛋白質性のものまでのさまざまな種類の夾雑物も含まれているが、そのバッチを精製するために、本方法はバッチ法もしくは連続法で実行可能である。さらに、未精製ヘモグロビン溶液自体が置換媒体として用いられる。不便さ、複雑さそして出費が伴う単一の置換体の供給や利用はこれにより避けられる。本発明の技術を必要とする精製されたHbAo溶液を作るための代表的な一連の過程は、正常な成人の赤血球細胞から始まる。これらはプールされ、白血球を取り除くために随意濾過にかけられる。これらの細胞は血清蛋白を取り除くために洗浄され、ヘモグロビンと他の細胞構成成分を抽出するために溶解させられる。この溶解物は赤血球細胞膜を取り除くため濾過され、その後結果として生じたヘモグロビン溶液はジアフィルトレイト(diafiltered)され、濃縮される。未精製ヘモグロビン抽出液はCO-Hb複合体を形成させるために一酸化炭素で処理され、次いで、低温殺菌するために加熱される。これにより溶液中のウィルス性混入物が不活化される。その後、このヘモグロビン抽出液は残存物や細胞の残骸物をさらに取り除くために遠心分離され、濾過された。このヘモグロビン抽出液はこの時点で本発明の自己置換法に付される準備ができている本発明の好ましい態様によれば、クロマトグラフィー法の第1ステージは陰イオン交換プロセスであり、第2ステージは陽イオン交換プロセスである。第1の陰イオン交換プロセスは、高いpH(例えばpH7-10、好ましくはpH8.5-9.0)および低イオン強度(例えば低導電率)の条件下で好適に行われる。この導電率は3mS(ミリジーメンス)以下、好ましくは1mS以下が好適である。このような条件は必然的に脱塩緩衝液を必要とする。所望のHbAo種はこれらの条件下では、あらゆる他の種と共に初めにカラム媒体に結合し得る。カラムへの未精製なHbAo溶液の供給が続くにつれて、マトリックスに対しHbAoよりも高い親和性を示すこれらの種、典型的にはより酸性の強い夾雑物は、HbAoとより塩基性の強い夾雑物を徐々にカラムから追い出す。結果として、より酸性の強い夾雑物だけがカラムに結合したままでHbAoとより塩基性が強い夾雑物の全てが追い出されるために、カラムのオーバーロードが達成される。ほとんどの場合、これはカラム製造者が推薦するものよりずっと過剰なローディングである。HbAoからのより酸性の強い夾雑物のクロマトグラフィー分離はこのようにしてこのステージで達成される。未精製ヘモグロビンの供給は、1分間あたり10cm、好ましくは1分間あたり約1cmを越えないゆっくりとした直線的流速で行われる。このことはカラムの速度論的な平衡をもたらす。供給濃度範囲は重要ではないが、0.1%-20%、より好ましくは2-7%の範囲であることが望ましい。オーバーロード状態が達成されているか否かはカラム溶出液の分析によりモニターすることができる。すなわち、溶出液の組成中に酸性の夾雑物が全くないか、もしくは微量にしか存在しない場合に、カラムの実質的な最大ローディングが達成されている。添付した図表の図1は本発明の陰イオン交換過程の一部を概略的に説明している。図1中の過程のAステージに示された、化学基,-N+R3(陰イオン交換樹脂の典型的なもの、ただし単なる例示に過ぎない)をもつイオン交換カラムは、より酸性の強い夾雑物を示す星形、HbAoを示す楕円形、及びより塩基性の強い夾雑物を示す長方形によって表現された種の混合物を含む溶液が供給されている。ステージBに示されるキャパシティローディング(capacity loading)状態で、実質的に全てのカラムの活性化学基N-R3は混合物中に含まれている種のうちのどれか1つに静電チャージすることにより結合している。図1のステージCに説明されているオーバーロード状態に到達するために、キャパシティロードされた(capacity loaded)カラムに同じ溶液がさらに供給される。この時点で、これらの条件下でカラムに対してより高い親和性を示している、より酸性の強い構成成分(星形で示されている)により、より塩基性の強い夾雑物(長方形で示される)の全てとHbAo(楕円形で示された)の幾つかは、このカラムから追い出される。図1に示されたステージDに至るまで、オーバーロードしたカラムへ同じ溶液をさらに供給し続ける。ここで、選択された条件下では酸性の種の親和性が高いために、酸性の種はカラムから実質的に全てのHbAoを追い出している。この時点でカラムから流出した溶出液には酸性の夾雑物は実質的に検出できない程度の量しか含まれない。かなり純粋であるが、いくらかのより塩基性の強い種を含んでいるHbAo溶液が、このようにして得られる。本発明の好ましい方法の第2段階では陽イオン交換カラムが使用され、第1段階と同様のオーバロード条件まで、第1のカラムからの溶出液が供給される。所望のHbAoと他の所望ではないより塩基性の強い夾雑物は、オーバーロードした量で結合されている。第1のカラムからの部分的に精製されたヘモグロビン溶液は第2のカラムへ続けて供給される。固定相および液層の速度論的平衡を可能にするために、比較的遅い供給速度、適切には1分間あたり10cmもしくはそれ以下、より好ましくは約1分間あたり1cmが再度採用される。陽イオン交換カラムの溶出のローディングにさきだち、第1のカラムからの溶出液のpHは、適切にはpH5-9の範囲、好ましくはpH6.5-8.5、最も好ましくはpH7-8の範囲に調整される。低イオン強度の溶液、すなわち、3mS以下の導電率、好ましくは1mS以下の導電率の溶液が用いられた。非常に遅い流速と非常に高倍率の供給希釈液が用いられる場合に限って、2.5mSというような大きな導電率でも有効である。ここでもオーバーロードした状態が用いられる。より親和性が高い、すなわちHbAoより塩基性が高い蛋白質性の夾雑物がカラムからHbAoを追い出し、この結果HbAoは非常に純粋な形で溶出され回収された。添付した図の図2は、図1と同様な方法で、SO3基を持つ陽イオン交換カラム内で起こるこの方法の一部を概略的に説明している。適切なpH調整の後、第1カラムからの溶出液はカラムに供給され、初めにステージAにおいて、カラムの化学基に静電気的に結合するHbAo(楕円形)及びより塩基性の強い夾雑物(長方形)の両方によりキャパシティローディングが達成される。これらの化学基はスルホン基として描かれているが、カルボキシル基のような他の代替物物が全く同じように選択されても良い。溶出液のカラムへの供給は、図2のステージBに示されたオーバーロード状態を達成するために続けられる。ここではこれらの条件下で、カラムに対する親和性がより高いため、上述のより塩基性の強い夾雑物がカラム上でHbAoを置換している。図2のステージCに示されるように、オーバロードしたカラムへの供給を継続することにより、結果としてほぼ純度100%のHbAoが追い出され、カラムから溶出液の形で溶液として得られる。カラムローディング(column loading)が高くなるに従い、カラムからの精製されたHbAoの回収率が高くなる。溶出液はその中の塩基性種(長方形)の有無を検出するためにモニターされる。カラムからの追い出しによるHbAoのこれ以上の回収を達成することはできず、この時点で最大ローディング(maxium loading)が定義される。本報で用いられている用語としての、より塩基性の強い夾雑物とは、HbAoを溶出するのに必要であるよりも高いpHでカラムから溶出する夾雑物のことを指す。逆に、"より酸性の強い夾雑物"という用語はHbAoを溶出するのに必要である(pH)よりも低いpHでカラムから溶出する夾雑物を指す。陰イオン交換クロマトグラフィーが初めに実施される本発明による好ましい方法においては、より塩基性の強い夾雑物はHbAoより前に溶出し、より酸性の強い夾雑物はHbAoより後に溶出する。このクロマトグラフィーに用いられるイオン交換媒体に依存して、溶出順序の重要でない変化に関してさまざまな異なる溶出特性を観察することができる。第1のカラムと第2のカラムの両方に関して、未精製ヘモグロビン溶液の流速は、未精製ヘモグロビン溶液の選ばれた濃度に対して最適化されるべきである。2-7%の範囲のより高い濃度では、1cm/分もしくはそれ以下の直線的流速がヘモグロビン溶液には最適である。2cm/分ほどの速い流速は、より低濃度、例えば1% Hb未満の溶液を分離する際にうまく応用できる。低ローディングキャパシティ(low loading capacities)でのイオン交換クロマトグラフィーの分離能力は通常直線的流速に敏感ではない;しかしながら、本発明の方法に関しては、クロマトグラフィーの最中の速度平衡は流速にかなり依存している。しかしながら、供給溶液の濃度はどちらのステージにおいても重要ではない。より酸性の強い成分を除去するために陰イオン交換クロマトグラフィーを第1に、より塩基性の強い成分を除去するために陽イオン交換クロマトグラフィーを第2に使用する本発明の置換クロマトグラフィー法を用いることで、我々は血清蛋白質や膜蛋白質のような他の蛋白質が実質的に全く検出されない程度の量で全く存在せず、例外的な純度のHbAoの高収率を商業的スケールで達成することができる。分析用の陰イオン交換クロマトグラフィーによってアッセイされた純度は99%を越えており、通常は99.5%以上である。このステージの有効なキャパシティー(capacities)は通常のクロマトグラフィー法で観察されるキャパシティーより、少なくとも1オーダー大きな値である。蛋白質性の夾雑物の除去に加えて、本発明の方法により、実質的に純粋な(>99.5%)HbAoを残すために、修飾されたヘモグロビン及び他の所望でない形態のヘモグロビンを実質的に完全に除去することも可能となる。さらに、以下より詳細に説明するように、活性型もしくは不活性型のカプセルに包まれたウィルス性粒子も実質的に完全に除去できる。標準的なイオン交換 吸着/溶出 クロマトグラフィーを用いる方法と比較した場合の、本発明の方法のスケールアップに関する利益を、以下の表1に示した。"自己置換"の列の数値は以下に示された本発明の過程の例から引用されている。"吸着/溶出"の列の数値は前述のウィンスロウら(Winslow et al.)の文献から得られる。これらの数値から、本発明の自己置換クロマトグラフィー法は合理的に小さなカラムでより高速に行うことができることは明らかである。また、低圧条件下で周囲温度にて行うことができる。従来のクロマトグラフィー法に関して報告されている値の10ー20倍の有効ローディングキャパシティが達成され、これにより比較的小さな容量のカラムが使用可能になる。このことは水の要求量を減少させ、廃棄物や緩衝液の要求量も減少させる。これらは全て、この方法の商業的経済性を顕著に改良する。陽イオン交換カラム由来の溶出液を構成している精製されたヘモグロビン溶液はえり抜きの緩衝液中にダイジアフィルトレート(diafiltered)され、所望のHbAoの濃度に調整することができる。定常相(stationary phase)として、本発明の過程で用いられるイオン交換ゲルの材料について特に決定的なことはない。この選択はまさに技術の熟練の問題である。もしそれがイオン交換モードにおいてある種を分離するために選択された親和性条件下で操作することを好結果で導き出すことができるならば、一般的な、市販の利用可能な、どのようなゲルでも用いることができる。イオン交換媒体用支持体の一般的な種類には、微小多孔性、微細網状(macroreticular)及び非多孔性タイプ、ジビニルベンゼン架橋ポリスチレン及びポリメタクリル酸塩、ポリアルキルレンアミン、セルロース、デキストラン、アガロース、シリカ、セラミック、ガラス、アルミナ及び金属粒子等が含まれる。市販の利用可能な支持体としては、ポロスメディア(POROS media)、フラクトゲル(Fractogel)、ハイパーディー(HyperD)、ダウエックス(Dowex)、アンバーライト(Amberlite)、デュオライト(Duolite)、バイオ−レックス(Bio-Rex)、シェレックス(Chelex)、セファデックス(Sephadex)、セファロース(Sepharose)、トーヨーパール(Toyopearl)、マクロプレップ(Macro-prep)、バイオ−プロトコール(Bio-Protocol)、アクセル(Accell)、モノタイプス(Monotypes)及びその他の登録商標で売られている物が含まれる。イオン交換のためにこれらの支持体に付着させられている官能基は、硫酸塩(sulphonate)、硫酸プロピル(sulphopropyl)、カルボキシルメチル(carboxymethyl)、カルボン酸塩(carboxylate)、リン(phospho)、第4アミン(quaternary amine)、第4アミノエチル(quaternary aminoethyl)、ポリエチレンイミン(polyethyleenemine)、トリメチルアミノエチル(trimethylaminoethyl)、ジエチルアミノエチル(diethylaminoethyl)、ジメチルアミノエチル(dimethylaminoethyl)、アスパルタミド(aspartamide)等が含まれる。本発明の方法は少なくとも99.5%の純度を持ち、また予測していなかったことだが、活性型もしくは不活性型のウィルス粒子、特にHIV,単純ヘルペスウィルス(HSV)そして多くの例においてヒトC型肝炎のモデルとなっているウシ下痢症ウィルスのような、脂質で包まれたウィルスに汚染されていないHbAo溶液を生産するためにも行うことができる。これらは非常に重要で厄介な血液を汚染するウィルスの幾つかである。これは本発明の使用から導かれる大変重要な、付加的な利点であり、本発明の方法を試み、結果を分析する以前には予想され得なかったことである。本発明に従う好ましい方法には、前述したように、精製に先立つ、不活性ウィルスに対する低温殺菌の段階が含まれているが、精製過程の一部としてウィルス粒子の除去が達成されることは特に有利である。それにより血液代替物から、低温殺菌を生き延びたかもしれないいかなる活性ウィルス粒子も、また残存するいかなる不活性ウィルス粒子も除去される。これら全ては追加の特別なウィルス粒子の除去工程もなく、またウィルス除去を目的としたいかなる特別の試薬等の添加も必要とせずに達成することができる。脂質で包まれたウィルスの実質的に完全な除去が達成できる。他のウィルス数においても顕著な減少が達成できる。本発明のヘモグロビン産物は、出願人が知る限り以前に報告されたどのヘモグロビン産物よりも高い純度を有する。おそらくはその純度の例外的な状態のため、もしくは他のまだ十分に説明できない因子のため、本発明の産物は、少なくとも大規模生産されたものについてはこれまでヘモグロビン産物に関して報告されていない、予期し得なかった有利な特性を示した。より詳しくは、本発明の産物であるHbAoは、等電点電気泳動(isoelectric focussing)やイムノブロット分析により定量されたように、赤血球細胞膜蛋白質を全く含まない。免疫吸着技術(immunoabsorption techniques)により検出されたように、4μg以下のレベル、典型的には2-4μgHSA/100mgHbで微量のヒト血清アルブミン(HSA)が存在する。本発明の産物中に時折検出される他の蛋白質はヘモグロビンのαグロブリン鎖とβグロブリン鎖の画分のみであり、これらは100mgヘモグロビンあたり1μgを越えることはない。この非常に高いレベルの純度において本発明の産物は独特であり、以下に説明する予期しなかった特性を示す。その1つは血管収縮活性(vasoconstrictor activity)が低減されているかもしくは存在しないことである。もう1つは培養した内皮細胞に対する毒性が欠如していることである。以前に報告された高度に精製されたヘモグロビンは、架橋したものも架橋していないものも、注入に際し、昇圧反応を結果として生じている(1,2)。それらの産物が明らかに大変高度に精製されたため、現在の学説ではこの反応の原因となる固有の特性がヘモグロビン自体にあるに違いないと提唱されている。詳しくは、この効果の原因である酸化窒素へ結合することはヘモグロビンの能力であると考えられている。酸化窒素はまた内皮に由来する弛緩因子とも言われており、内皮細胞により酸化窒素合成酵素の作用を通して合成された、効能の強い血管拡張剤である。ヘモグロビン分子は高い親和性をもって酸化窒素と結合するため、ヘモグロビン溶液、特に架橋ヘモグロビンの溶液の静脈への注入により、酸化窒素はマスクされ、血管収縮による高血圧反応が誘発されることが仮定されており、現在のところ受け入れられている。本発明の産物はイソボレミック交換(isovolemic exchange)や出血ショック(hemorrhagic shock)のモデルにおいて昇圧反応がないという知見は、このように完全に予期しなかったことであり、ヘモグロビンの固有の特性に関連する現行の学説や確信に反している。以前に報告された血管収縮活性の原因は完全にヘモグロビン固有の特性にあるのではなく、少なくとも部分的には、以前に報告されたヘモグロビンについての大変高純度であるという報告にも関わらず極少量存在している、これまではうまく除去されなかった不純物によるものであるということを本発明は示唆している。本発明の産物から、公的に割り当てられた米国特許出願番号(08/231,945 1994年4月21日出願)に開示された方法を用いて作られた、架橋及び重合したヘモグロビン産物においても、本発明の産物が昇圧活性がないという利点は持続した。さらに、本発明の産物では、以前に報告されたヘモグロビンよりも、試験管内での投与において、内皮細胞に対する毒性が非常に減少していることが示された。クロマトグラフィー的に精製されたヘモグロビンを含む、先に説明したオキシヘモグロビン溶液についての研究により、対照の内皮細胞培養の培地中の乳酸デヒドロゲナーゼのレベルと比べて内皮細胞培養培地中の乳酸デヒドロゲナーゼが顕著に増加していることにより示されるような、細胞の損傷が例示された。乳酸デヒドロゲナーゼは細胞の損傷のマーカーである。供試溶液は高度に精製された状態にあるオキシヘモグロビンを含有していたので、この毒性もまたオキシヘモグロビン固来の特性であると仮定され、受け入れられた(3)。予期しないことに、また意義深いことには、本発明によるヘモグロビンは乳酸デヒドロゲナーゼの放出をもたらさないことが見いだされた。本発明のヘモグロビンとは対照的に、他のクロマトグラフィー的方法により精製されたストロマフリー(stroma-free)ヘモグロビン溶液との内皮細胞をインキュベーションでは、乳酸デヒドロゲナーゼ放出の顕著な増加が観察された。いかなる血液代替物も、そして血液代替物用のいかなる構成成分、もしくは原料も、有害であることが知られている不純物を除くために十分に精製されるべきであることは一般に了解されており、またそれは自明のことである。これまでに認められたそのような有害な不純物には細胞ストロマ、エンドトキシンおよびその他の発熱物質、非ヘモグロビン蛋白質、リン脂質等が含まれる。従来技術の人工血液代替物中には、1つあるいはそれ以上のそのような不純物は"実質的に存在していない"と報告されている。しかしながら、"実質的に存在しない"という用語は相対的で主観的な用語であり、その用語の解釈や制限は従来技術の項において使用及び説明した関連するパラメーターの決定法に依存している。改良された精製技術と分析技術により、血液代替物や大変高度なレベルで精製されたヘモグロビン産物についての報告が導かれた。例えば、従来の技術論文には、存在する蛋白質の99.9%以上が1つあるいはさらにもう1つの形態のヘモグロビンである、ヘモグロビン溶液の報告が含まれている(前述のロッシュら(Rausch et al.)、米国特許第5,084,588号参照)。本発明に従うと、この純度でさえ、使用に耐える血液代替物としては十分に高いとは言えない。というのは、残った不純物の特性により血管収縮効果が引き起こされたり、細胞毒性が示されたりするかもしれないからである。ウォルターリード陸軍研究所(WRAIR)から入手しうる、精製度に関して工業的標準として一般的に認められているストロマフリーヘモグロビンには、その多くが全蛋白質の0.01%より少ない割合で存在している多くの(>10)異なった夾雑蛋白質が含まれていることを示し得る。これは表面的には非常に少量であるが、一方で血液代替物としてのヘモグロビンは比較的大量に被験者に投与され、そして投与されたいかなる混合物においてもそれが有害であるかどうかを決めるのは、投与された不純物の濃度ではなく総量であるという事実がある。ヘモグロビンを基盤とする血液代替物溶液1単位には、ヘモグロビンが25-50g含まれるだろう。そのため0.01%の不純物は2.5-5mgの不純物に相当する。含有されるさまざまな種類の蛋白質の中で、このレベルにおいて非常に有害であるものが1つか2つは多分存在するだろう。本発明は、非ヘモグロビン蛋白質含量が0.5%以下、望ましくは0.1%以下であるヘモグロビン産物を提供し、多分、しかし必然的ではないが、結果として識別可能な血管収縮効果は示されず、内皮細胞に対する著しい毒性も示されないだろう。本発明はまた上記に論じたように、商業的に魅力的なスケールでそのようなヘモグロビン溶液を製造できる方法を提供した。さらに別の本発明での顕著に有利な点は、そのプロ血液凝固反応(procoagulant activity)が低減していることである。入手可能な、またこれまでに報告された他のストロマフリーヘモグロビン産物と比較して、本発明の産物では血液の凝集を促進する作用物の含量が大変顕著に減少していることは明白である。以下に示す、限定されない例により、説明を目的として本発明はさらに詳細に示される。例1−粗Hb溶解物の調製96ユニット(約30L)のパックされた同一血液型の赤血球細胞(RBCs)はプールされた後、24Lの0.9%塩水溶液で希釈された。次にこのプールはあらゆる残存白血球を除去するため、20μと8μのポリプロピレンフィルターを通して濾過された。白血球の濾過後、RBCsは3.5m2の0.3μセプラコアポリエーテルスルホン中空繊維膜(Sepracor polyethersulphone hollow fibre membranes)を用い、体積一定のジアフィルトレーション(diafiltration)において、6倍容量の0.9%塩水で洗浄された。その後、その洗浄緩衝液は50mMのトリス溶解緩衝液(Tris lysing buffer)で置換された。そしてRBCsは6倍容量のこの溶解緩衝液へ徐々に溶血した。粗溶解物は集められ、30K分子量カットオフ(MWCO)ミリポアPTTK膜(30K Molecular Weight Cut Off Millipore PTTK membrane)を用いて、総ヘモグロビン(THb)約2.5%から約9.0%THbに濃縮された。一度濃縮されると、ヘモグロビンをCOHb体に転化するためにタンク内にはCOガスが充填された。溶解物はジャケットが設けられたタンク(jaketed tank)内で、62±2℃で10時間、低温殺菌された。低温殺菌された溶解物は冷やされ、そして遠心分離された。ミリポア0.8μフィルターを通す、更に目の細かい濾過(depth filtration)により、別のミリポア30K PTTK膜上でのジアフィルトレーション(diafiltration)用に低温殺菌された溶解物が調製された。その物質は導電率が0.3 mSより小さく、pHが8.9±0.2になるまで、5mMトリスpH8.9でジアフィルター(dia-filtered)された。次いで、それは4.5-5%THbに希釈された。この時点で、次のクロマトグラフィーでの精製の用意ができた。例2−陰イオン交換樹脂上での自己置換クロマトグラフィー陰イオン交換樹脂パルセプティブ ポロスHQ-50(PerSeptive Poros HQ-50)で充填されたA1x10cmカラムは、カラムの4倍容量の1N NaClで洗浄され、5 mMトリス緩衝液,pH 8.8を用いて平衡に達せられた。平衡に達した後、例1で示されたようにして調製された、5mMトリス,pH 8.8中の3%(3 g/100ml)粗ヘモグロビン溶解物(〜85% HbAo)50mlが0.78ml/分(1cm/分)の流速でカラムにロードされた。これは結果としてカラムのオーバーロードをもたらす。このオーバーロードは、製造者が述べている50mg /mlのローディングキャパシティと比較すると、樹脂1mlあたりロードされた溶質は200mgとなった状態であった。溶出液は集められた。その後、カラムはカラムの2倍容量の5 mMトリス,pH8.8の緩衝液で洗浄され、この溶出液はロード中に集められた溶出液とともにプールされた。その後カラムは、残留している蛋白質を溶出させるために1N NaClで洗浄され、そしてこの洗浄用溶出液は捨てられた。このカラムはカラムの3倍容量の1M NaCl/HClとカラムの4倍容量の1M NaOHを用いて再生された。以下の例11でさらに詳細に説明されるように、陰イオン交換樹脂からのヘモグロビン溶出液はpH勾配を用い、分析用陰イオン交換カラム上で分析された。この溶出液は、図3に示されたように、約95-96%HbAoであると定量され、カラムにロードされたHbAoの回収率は90%であった。例3−陰イオン交換樹脂上での自己置換クロマトグラフィーメルク フラクトゲル-TMAE(Merck Fractogel-TMAE)が充填されたA1x10cmカラムは、カラムの4倍容量の1N NaClで洗浄され、5 mMトリス緩衝液,pH 8.8を用いて平衡に達せられた。平衡に達した後、例1で示されたようにして調製された、5mMトリス,pH 8.8中の3%(3 g/100ml)の粗ヘモグロビン溶解物(-85% HbAo)50mlが0.78 ml/分(1cm/分)の流速でカラムにロードされた。これは同様に結果としてカラムのオーバーロードを導いた。溶出液は集められた。その後、カラムはカラムの2倍容量の5mMトリス,pH8.8の緩衝液で洗浄され、この溶出液はロード中に集められた溶出液とともにプールされた。次いでカラムは、残留している蛋白質を溶出させるために1N NaClで洗浄され、そしてこの洗浄用溶出液は捨てられた。このカラムはカラムの3倍容量の0.5N HClとカラムの4倍容量の1M NaOHを用いて再生された。以下の例11でさら詳細に説明されるように、陰イオン交換樹脂からのヘモグロビン溶出液はpH勾配を用い、分析用陰イオン交換カラム上で分析された。この溶出液は、図3で示されたように、約95-96%HbAoであると定量され、このカラムにロードされたHbAoの回収率は73%であった。例4−陽イオン交換樹脂上での自己置換クロマトグラフィーパルセプティブ ポロスHS-50(PerSeptive PorosHS-50)が充填されたA1x10cmカラムは、カラムの4倍容量の1N NaClで洗浄され、5mMトリス緩衝液,pH7.5を用いて平衡に達せられた。平衡に達した後、例2と3で示されたようにして調製された、5mMトリスpH7.5中の2.0%(2 g/100ml)の陰イオン交換で精製されたヘモグロビン(〜95%HbAo)120mlが0.78ml/分(1cm/分)の流速でカラムにロードされた。これは結果として製造者の推奨値の約5倍程度までのカラムの実質的なオーバーロードをもたらした。溶出液は集められた。その後、カラムはカラムの2倍容量の5mMトリス,pH7.5の緩衝液で洗浄され、この溶出液はロード中に集められた溶出液とともにプールされた。その後カラムは、残留している蛋白質を溶出させるために1N NaClで洗浄され、そしてこれは捨てられた。このカラムはカラムの3倍容量の0.5N HClとカラムの4倍容量の1M NaOHを用いて再生された。図4で示されるように、陽イオン交換樹脂からのヘモグロビン溶出液は、pH勾配を用い、分析用陽イオン交換カラム上で分析された。この溶出液は図4に示されるように、99%を越えたHbAoであると定量され、カラムにロードされたHbAoの回収率は約90%であった。例5陰イオン交換樹脂(第1ステージ)上での自己置換クロマトグラフィーに及ぼす導電率の影響が研究された。置換クロマトグラフィーが効果的であるかどうかは、導電率により決定される、緩衝液及び/またはサンプルのイオン強度に強く依存している。下の表2中に要約された実験は、例1の粗溶解物をバイオシステム社(Biosystems Inc.)のポロスHQ-50(Poros HQ-50)陰イオン交換樹脂に供給することにより実行された。カラムからの溶出液は分析用陰イオン交換クロマトグラフィーにより分析された。番号1の運転中に得られた画分は検出可能な酸性夾雑物は全くなかったが、一方、番号2の運転からの画分では、第1画分ですら酸性夾雑物で汚染されていた。例6−蛋白質ロード(PROTEIN LOAD)の関数としての収率カラムをオーバーロードすることにより、精製されたHbAoの高い回収が達成される。下の表3で報告された実験では、陽イオン交換ポロスHS-50樹脂上での非常に高率なオーバーロードが例証されている。このオーバーロードは、全ての結合部位が夾雑物によって占有されることを保証し、これにより精製されたHbAoの回収率がより高くなる。第1の実験におけるオーバーロードは製造者の推奨値(308mg蛋白質/mL)の13.5倍であった。第2の実験におけるオーバーロードは製造者の推奨値の約5倍であった。より高率のオーバーロードにより、カラムからのHbAoの回収率の顕著な改善がもたらされる。例7−小型と大型のカラムの間での比較本発明の置換クロマトグラフィー法は大型のカラムでも小型のカラムでも使用され得る。陰イオン交換樹脂ポロスHQ-50(Poros HQ-50)の後に続けて陽イオン交換樹脂ポロスHS-50(Poros HS-50)を用い、15L及び10Lのカラムのそれぞれについて10mlカラムとの間での比較がなされた。ポロスHQ-50(Poros HQ-50)カラムへ供給した溶液は例1で示されたようにして調製された。HQ-50カラムからの溶出液はHS-50カラムに供給された。表4はポロスHQ-50(Poros HQ-50)カラム使用の条件と結果を示す。表5にはポロスHS-50(POROS HS-50)カラム使用の条件と結果を示す。これらの結果は、本発明の方法のどちらのステージも、商品化することを目的として、少なくとも10-15Lのカラムサイズまではスケールアップされ得ることを示す。例8−等電点電気泳動(IEF)による粗ヘモグロビン溶解物及び精製されたヘモグロビンの分析等電点電気泳動(IEF)分析は、市販の入手可能な両性電解質を用いてその中に安定なpH勾配が確立されたアガロースより成るゲルを用いて実行された。用いられた両性電解質は、その90%がpH5-8の範囲にあり、10%がpH3.5-10.0の範囲にあるようなものであった。ゲル中のアガロースは最終濃度1.25%であり、両性電解質は最終濃度約2%で存在した。純度を評価するために、ゲルは十分にオーバーロードされた(1レーンあたり蛋白質1mgがロードされた)。電気泳動は、蛋白質が均一にまっすぐなバンドとして移動することを確実にするために、低電流設定で行われた。安定状態に到達した後、バンドをさらに鋭くするために短時間電圧数と電流が増加された。電気泳動後、アガロースゲル中の蛋白質はトリクロロ酢酸溶液とスルホサリチル酸(sulfo-salicylic acid)の溶液を用いて固定された。この固定の段階の後、蛋白質バンドを視覚化するためにゲルはクーマシーブルー(Comasie-Blue)で染色された。スキャニングすることを目的として、ゲルは空気乾燥され、その後粗ヘモグロビン溶解物と精製されたヘモグロビンを含む、等電点分離された(electrofocussed)レーンの軌跡を得るためにレーザーデンシトメーター(laser densitometer)が用いられた。例1に示されたようにして調製された粗ヘモグロビン溶解物と本発明に従い調製された精製HbAoとの間でのIEFの比較を図5に示す。ヘモグロビン溶液の精製は、例2に示されたポロスHQ-50カラムおよび例4に示されたポロスHS-50を順番に用いることにより行われた。例9−粗ヘモグロビン溶解物及び精製ヘモグロビンの免疫学的アッセイ本発明の方法に従い調製された、例1由来の粗ヘモグロビン溶解物と、精製されたヘモグロビンにおいて種々の夾雑物の量をアッセイするために、免疫染色(immuno-staining)の技術が使用された。アガロースゲル上での蛋白質の等電点電気泳動後、蛋白質はキャピラリーブロッティングを用いニトロセルロースペーパー上に移された。このペーパー上に残存しているフリーな結合部位は、加水分解された魚ゼラチン溶液中でそのブロットをインキュベーションすることによりブロックされた。インキュベーション後、そのブロットはトリス緩衝塩水(TBS)で洗浄した後、一次抗体とともにインキュベートされた。(一次抗体とは、それに対してサンプルが検査されることになっている抗体のことである。例えば、抗-ヒト血清アルブミン(抗-HSA)はヘモグロビン溶液においてHSAに関する検査のために用いられるであろう)。このインキュベーション後、ブロットはTBSで洗浄され、その一次抗体に対する抗体である、マーカー酵素(例えば西洋ワサビパーオキシダーゼ)に結合させた二次抗体と共にインキュベートされた。二次抗体と一緒のインキュベーション後、そのブロットは再びTBSで洗浄され、その後マーカー酵素の基質が添加された。二次抗体が一次抗体に結合した部位には着色した沈殿が現れた。この一次抗体はその抗原と結合している。従って着色した沈殿はIEFゲル上の一次抗原に対する抗原の量と位置を示している。これらの結果が下の表7に示された。この表において、"++++++"は強シグナルを示し、"+"はかろうじて検出できるシグナルを示し、そして"-"はシグナルが検出されなかったことを示す。例10−ヒト血清アルブミン−免疫検出(HSA-ID)クロマトグラフィー法はヘモグロビン溶液中に存在するHSAの量を定量するために用いられた。この方法では、カラム内のマトリックスに対して共有結合する抗体(抗-HSA)が用いられた。サンプルがカラムに注入されると、抗体(HSA)に対応する抗原を除く全てのものがロード/洗浄の段階の間に通過する。溶出緩衝液を用いて、カラムから結合した抗原(HSA)が溶出され、そのピークの面積がサンプル中に存在する抗原を定量するために用いられた。アッセイのために用いられた免疫検出*(ID)カートリッジはパーセプティブ バイオシステム社(Perseptive Biosystems)のものであった。このアッセイに用いられた流速は2ml/分であった。カートリッジ型カラム(1.6mmD x 26mmL)はローディング緩衝液(10mMリン酸緩衝液+300mM NaCl,pH7.2)で平衡化され、その後50μlのサンプルが注入された。ローディング緩衝液は0.25分間カラムを洗浄するために用いられ、その後、溶出緩衝液が結合したHSAをカラムから溶出するために用いられた(3.5分間)。溶出液は220nm及び414nmにセットされたベックマン ダイオード アレイ検出装置(Beckman diode array detector)を用いてモニターされた。その後カラムは次の注入のためにローディング緩衝液で再平衡化された。この方法を用いて、精製ヘモグロビン中に存在するHSAの量はヘモグロビンを基にして0.005%重量%以下であると評価された。*登録商標例11−分析用陰イオン交換クロマトグラフィー例2及び例4の産物中のヘモグロビンの純度を分析するために用いられたクロマトグラフィー法は以下の通りである。このアッセイはフゥスマンおよびドジィ(Huisman & Dozy)(4)によって報告された方法に基づいた。カラムに全ての蛋白質を結合させる、高いpH(pH8.5)で陰イオン交換カラムにサンプルをローディングし、その後pH8.5からpH6.5までのpH勾配が、カラムから蛋白質を連続的に溶出させるために用いられた。このクロマトグラフィーアッセイを用いて、非常に類似した蛋白質(例えば種々のヘモグロビン異型体)を分離することができた。パーセプティブ バイオシステム社(Perseptive Biosystems)のA4.6 mm x 100mm分析用陰イオン交換カラムがアッセイに用いられた。用いられた緩衝液はA)25mMトリス+25mMビス−トリス,pH 8.5及びB)25mMトリス+25mMビス−トリス,pH6.5であった。このアッセイは5ml/分の流速で行われた。カラムが緩衝液Bで平衡に達した後、サンプル10μl(濃度10mg THb/ml)がカラムに注入され、勾配(カラム容積の25倍容量以上で100%緩衝液Aから100%緩衝液Bまで)が始められた。蛋白質ピークを同定するために、溶出液は280nmでのUV検出によりモニターされた。図3に陰イオン交換で精製されたヘモグロビン(例2の産物)のクロマトグラフィーのプロフィールを示し、図4にはこのアッセイにより分析された際の精製HbAo(例4の産物)のクロマトグラフィーのプロフィールを示す。この方法はヘモグロビン溶液の純度を検査するための標準的アッセイである。本発明の精製されたHbAoではストロマフリーヘモグロビン中で観察された全ての夾雑物が除去されていることが判明した。HbAoピークに先立つ小さな肩(shoulder)が時折みられ、それはHbAoの酸化体によるものと考えられる。この分析的方法により、本発明の純度は通常99.5%より大きいことが分かった。例12−ウィルスの除去本発明の方法は粗ヘモグロビンからウィルスを除去する能力に関して試験された。例1に示されたようにして調製された粗溶解物のサンプルに対して、また陰イオンカラムから溶出した部分的に精製されたヘモグロビン溶液のサンプル、すなわち、例2及び3由来の産物に対して、アッセイ量の以下のウィルスが活性な形で加えられた。:ポリオウィルスタイプ1ヒト免疫不全ウィルス(HIV)ウシ下痢ウィルス(ヒト肝炎ウィルスのモデルである)単純ヘルペスウィルスタイプ1(HSV-1)それぞれのカラムからの溶出液の一部がアッセイ用細胞系に添加された。ポリオウィルス、ヘルペスウィルス及びウシ下痢ウィルスの場合においては、存在する活性なウィルスはアッセイ用細胞と相互に作用してプラークを形成する。既知の標準的なアッセイがなされた。HIVの場合においては、溶出液の一部が組織培養培地に添加された。存在するウィルスの量は細胞系の生育の変化により定量された。この変化はTCID50(組織培養細胞に対する50%感染量)として知られている。この結果は以下の表7に報告される。これらの結果は以下のことを示す。本発明の陰イオン交換自己置換、もしくは陽イオン交換自己置換の段階のいずれかを用いると、ポリオウィルスの量はわずかに減少した。しかし、HIV,HSV及びウシ下痢ウィルスでは、陰イオン交換クロマトグラフィーの後、ロードされたウィルスが顕著に減少した。陽イオン交換クロマトグラフィーの後では、その程度は低減した。このことは全く予期されなかったことであるが、本発明の利用の重要な利点を呈示している。例13−等電点電気泳動及びウェスタンブロッティングによる純度分析等電点電気泳動(IEF)実験はサラビス及びザムチェック(Saravis and Zamcheck)の技術を用いて行われた。(5)IEFゲルはアガロース(最終濃度1%)で投げ込まれ(cast)、pH勾配は両性電解質(ファルマシア バイオテック社)(Pharmacia Biotech Inc.,Piscataway,N.J.)を用い、90%がpH5-8の範囲にあり、10%がpH3-5の範囲にあるように作製された。典型的には、100mg/mlの濃度のHb溶液10μlがIEFゲル上にロードされた。蛋白質のフォカッシング(focussing)後、ゲルは10%トリクロロ酢酸(TCA)を用いて固定され、乾燥され、クーマシーブルー[3]にて染色された。通常、1レーンあたりにロードされる総蛋白質は1mgであった。等電点電気泳動(IEF)分析が本発明に従い精製された4つ(4)の異なるロットのHbAoと、SFHの純度を比較するために行われた。1レーンあたりHb総量50μgもしくはHb総量1mgがロードされた。この結果は図6に示される。レーン20はHb総量50μgでロードされたストロマフリーヘモグロビンを示し、レーン22,24,26及び28は同量ロードされた、本発明に従い精製されたHbのロットを示している。レーン30は総量1mgでロードされたSFHを示し、レーン32,34,36及び38は同量ロードされた、本発明に従って精製されたHbのロットを示している。総量50μgのHbサンプルのロードでは、精製されたHbAoとSFHが同様の純度であることが示された。しかしながら、1レーンあたりのHb総量1mgでは、多くの赤血球細胞蛋白質および血漿蛋白質もしくは膜蛋白質の何れか一方がSFHレーン中には観察されたが、精製されたHbAoレーン中には存在しなかった。pI 5.2あたりに、おそらくグロブリン鎖画分に起因すると思われる非常にかすかな蛋白質のバンドが、精製されたHbAoレーン中に観察された。50μgのサンプルがロードされたレーン中のHbAoより上のバンドは、等電点電気泳動中に形成された、より強く陽性に荷電されたMetHb種に起因する。等電点電気泳動後、さらに本発明の産物の純度を詳細に調べるために、抗体染色(免疫染色)の使用も含むウェスタンブロッティングが行われた。すなわち、IEFゲルからの蛋白質はキャピラリーブロッティングを用いてニトロセルロースペーパーに移し変えられた。ニトロセルロースペーパー上の残存しているフリーな部位は、加水分解された魚ゼラチン(ノーランド産物社製、高純度液体ゼラチン)(Hipure Liquid Gelatin,Norland Products Inc.,New Brunswick,N.J.)とともにブロットをインキュベーションすることによりブロックされた。その後、そのブロットはヒト血漿に対するウサギ抗体(Dako Corp.,Santa Barbara,CA,Lot #010)(トリス緩衝塩水(Tris-buffered saline)中で1:500に希釈された抗体)とともにインキュベートされた。一晩のインキュベートの後、ブロットは魚ゼラチンを1%含有するトリス緩衝塩水(TBS)で洗浄され、その後、ヤギ-抗-ウサギIgG-西洋ワサビパーオキシダーゼ(HRP)(TBS中で1:1000に希釈された)とともにインキュベートされた。1時間のインキュベートの後、ブロットは魚ゼラチンを1%含有するTBSで再度洗浄された。抗原-抗体-HRP複合体は、4-クロロ-1-ナフトール(30mg/20mlメタノール)と過酸化水素(100mlTBS中で50μl)を用いて視覚化された。暗紫色の沈殿のバンドは抗原、特に血漿蛋白質の存在を示している。ストロマフリーのヘモグロビン、本発明のHb、IEF-発明のHb、ウォルターリード陸軍研究所(WRAIR)(前述のWinslowらの論文で示されたようにして精製された)からの精製されたHb及びシグマ社製の精製されたHb(Sigma Corporation)(現行の診断試薬のカタログ中に"ヘモグロビンAo"として記載されている、参照番号H0267)の各2サンプルは、IEFゲルでフォーカス(focussed)された。ゲルの半分はクーマシーブルーを用いて染色され、残りの半分はニトロセルロースペーパーにブロットされた。ブロットはその後、ヒト血漿−ヒト血漿抗体複合体を視覚化させるために染色された。この結果は図7に示される。この図において、レーン40はストロマフリーヘモグロビンのIEFクマシーブルー染色であり、レーン42,44及び46は、本発明に従うHbAo、WRAIR Hb、そしてシグマHbに由来のレーンにそれぞれ相当している。レーン48はストロマフリーヘモグロビンのウェスタンブロット−ヒト血漿抗体試験であり、レーン50,52及び54は本発明に従うHbAo、WRAIR Hb、そしてシグマHbに由来するレーンにそれぞれ相当する。顕著な量の蛋白質がSFH中に検出された。対照的に、本発明の産物のレーンでは非常に微量のヒト血清アルブミン(HSA)が検出されたにすぎない。本発明の産物において他の血漿蛋白質は検出されなかった。検出可能なレベルのHSAはWRAIR HbAoにおいては見いだされなかったが、HbAoバンドの上下には多くの他の血漿蛋白質が検出された。シグマ標準HbAoは顕著な濃度のHSAを含む多くの血漿夾雑物を含んでいる。例14−覚醒ラットにおける急性血液量減少の研究本発明の産物の血圧上昇活性に関して分析した。6グループ(標本数=6)にランダムに分けられたスプラグ-ダウリィ ラット(Sprague-Dawley rats)は4日間かけて順応させた。その期間中に、タバタおよびチャン(Tabata and Chang)(6)の技術を用いて長期カニューレの挿入が行われた。適正にカニューレを挿入された動物は、静脈にヘパリン,150 IU/Kgが投与された。1つの動脈のカニューレは、血圧及び心拍数のために、ストラサム圧力変換器(Stratham pressure transducer)に接続された。これらのパラメーターはグラスポリグラフレコーダー(Grass polygraph recorder)に連続的に記録された。安定したベースラインが記録された後、ウィッガーズ(Wiggers)の方法に従い致死的な出血ショックが誘発された。この方法では別の動脈カテーテルから、0.5 ml/分の割合で2つの段階に分けて総血液容量の67%を除去することが含まれる。ショック誘発直後に、それぞれのラットは0.5ml/分の速度で供試物を供与された。すなわち、供試物は、血液相同体、本発明(HbAo)に対応するHbAo、または、米国特許出願第08/231,945号(1994年4月21日出願)に説明されたo-ラフィノース架橋剤(o-raffinose crosslinking reagent)(3倍容量)と反応させた、本発明の架橋HbAoである。平均動脈圧(MAP)及び心拍数(heart rate)が注入完了後30分まで記録された。それぞれのラットは別々のカゴに戻され、体重、ヘマトクリット(hematocrit)及び生存に関して14日間モニターされた。この結果は、図8にグラフで示された。そこにはMAPが時間に対してプロットされている。このデータにより、本発明の産物は、覚醒ラットモデルにおける出血ショック後の平均動脈圧の回復において全血と同程度に効果的である、高度に精製された形のヘモグロビンAoであることが示された。完血とHbAoで処理されたグループの間で、回復した動脈圧もしくは心拍数の相違は観察されなかった。例15−ラットにおけるイソボレミック交換注入の血行力学的影響本発明のHbAoは、覚醒ラットにおけるイソボレミック交換注入(isovolemic exchange transfusion)に際しての血行力学的影響を評価するためにアッセイされた。ラットの腸骨の外側周辺の静脈と動脈に大腿部領域を経てカニューレが挿入された[ケイパートおよびチャン(Keipert and Chang)参照(6)]。24時間の回復期間後、覚醒ラットには連続的な50%イソボレリック交換注入が施された。交換注入の間、腸骨動脈を通して除去された血液は、流量一定の注入ポンプを用いて0.5 ml/分の速度で腸骨の周辺の静脈を通して供試溶液により置換された。血圧と心泊数は:(1)交換の前、30分間,(2)交換の間,そして(3)交換後2-3時間、連続的にモニターされた。平均動脈圧と心拍数は血圧の軌跡から算出された。1グループのラット(4頭)は、ヒト血清アルブミン,HSAが注入された。別のグループのラット(6頭)については、ストロマフリーヘモグロビン(SFH)が供試溶液であった。また別のグループのラット(8頭)については、本発明のHbAoの産物が供試溶液であった。この結果が図9と9aに図示された。供試溶液の全てについて、平均動脈圧は交換注入操作の最中に10-20 mm Hg上昇した。アルブミン対照溶液を用いると、平均動脈圧は交換後のモニター期間以外の間はベースラインを15mm Hg下回り、そして約2.5時間の交換後モニタリング期間中を通じて減少したレベルが維持された(図9)。これらの観察は以前ケイパートおよびチャン(Keipert and Chang)(8)により公表された観察と一致する。ストロマフリーヘモグロビンを用いると、平均動脈圧は交換期間の最後にはベースラインまで回復した。ただし、交換後のモニタリング期間中、交換後30-40分でベースラインを最大で〜15 mm Hg上回るまで増加した(図9a)。対照的に、本発明のHbAoを用いると、交換後の平均動脈圧はベースラインまでもどり、交換後5 mm Hgを越えずに増加し、それにより正常な範囲内でMAPを維持した。この研究の結果により、本発明におけるHbAoは、ストロマフリーヘモグロビンを用いた交換注入に関連した強い血管作用性(potent vasoactivity)を欠くことが示された。例16−ヘモグロビン組成物にさらされた後の内皮細胞における酸化による損傷を測定するための試験管内での組織培養アッセイ本発明のHbAoは、培養中の内皮細胞に酸化損傷(oxidative injury)を誘導するかもしれない特性に関してアッセイされた。培地中で乳酸デヒドロゲナーゼ活性を放つことは、細胞の損傷及び細胞毒性のためのマーカーとなる。ブタ胸部大動脈由来の内皮細胞は群集を作るまで培養され、繰り返し継代して1:3の割合に継代培養された。7つ目の経代の48時間以内に細胞は実験に用いられた。細胞の損傷は、細胞から培地中に放出された乳酸デヒドロゲナーゼの量を測定することによりアッセイされた。ヘモグロビン溶液が添加される前に、培地は除かれ、細胞はリン酸緩衝塩水で2度洗浄された。細胞は完全EGM培地中で6もしくは24時間、37℃(標本数=4-6)にてヘモグロビン(250μl ヘム)とともにインキュベートされた。完全EGM培地中のみでインキュベートされた細胞はネガティブコントロールとして使用された。インキュベート期間の最後に、それぞれのウェルから50μlの培地が取り出され、乳酸デヒドロゲナーゼ活性が乳酸デヒドロゲナーゼアッセイ(シグマ;Sigma)により測定された。それぞれのウェルにおける乳酸デヒドロゲナーゼは、2% トライトン X-100を添加した後の細胞から放出したもの(全放出LDH)と比べられ、全放出量に対する割合として示された。6時間のインキュベーション後、ストロマフリーヘモグロビンSFH(74.4±4.2%,p<0.005)の存在下で乳酸デヒドロゲナーゼ放出の顕著な増加が観察された。同様だがより小さい増加がウォルターリード陸軍研究所由来の精製されたヘモグロビンで観察された。対照(37.5+/-2.2%)と比較した場合、本発明の精製されたHbAo(39.8±2.3%)では増加は観察されなかった。乳酸デヒドロゲナーゼ放出はストロマフリーヘモグロビン存在下での24時間のインキュベーション後さらに増加した(99.6±3.5%)が、本発明のHbAo(41.6±4.6%)では対照(34.1±2.6%)と比較して変化は見られなかった。本発明において示された方法により調製されたHbAoと共に培養された内皮細胞のインキュベーションは、細胞の損傷に関するマーカーである乳酸デヒドロゲナーゼ活性の放出を促進しなかった。結局、培養された内皮細胞に対する細胞毒性はヘモグロビン溶液の本来の特性ではなく、HbAoの精製により、ストロマフリーヘモグロビン中に存在する細胞毒性の成分は取り除かれた。例17−プロ血液凝固活性の除去本発明の産物はそこに含まれる血液の凝固を増強する作用物に関してアッセイされた。ビーセルら(Biesseles et al.)の方法が使用された(9)。モルモットはハイポノームTMで麻酔され、頚動脈内にサイラスティックカニューレが挿入された。カニューレ挿入後、体積で30%の血液(体重の約2%として算出された)が抜きとられ、等量の供試溶液で置換された。カニューレへの接近を保つために、1時間あたり2.5mlの割合で1%のヒトアルブミン溶液が注入された。アルブミン注入の開始をもって実験の開始とした。血液凝固の際、フィブリノーゲンから生成されることが知られているフィブリノペプチド A(FPA)が、それ自体では血液凝固を引き起こさない量のXa因子(8-9 μg/Kg)の注入の前後で測定された。血液サンプルは、ヘパリン(1000 U/ml)、トラシオール(Trasyol)(1000 U/ml)及びクエン酸ナトリウム(3.8%)を含む抗血液凝固剤混合物中に集められ、分離され、血漿は氷上で保存された。血漿サンプルは、レースマ(Leessma,1984)(10)の方法でFPAの分析について示されたようにして処理された。そして、形成されたFPAは、以前にゲリッツ(Gerrits(11))により公表されたRIA方法を用いて測定された。血漿蛋白質は、リン酸緩衝塩水中で等容量の40% PEG 6000で沈殿させられた。上清溶液が沸騰水バス中で加熱され、遠心分離され、アッセイ用に保存された。この結果は以下の表8に示された。これらのデータにより、ストロマフリーのヘモグロビンと比較すると、本発明の産物はプロ血液凝固活性を本質的には全く持たないことが示される。このようなプロ血液凝固活性は、多くは脂質及びリン脂質による供試溶液の汚染に基づくものであると考えられる。例18−酵素結合免疫吸着検定(ELISA)技術によるヒト血清蛋白質の汚染の定量本発明の精製されたヘモグロビン産物における血清蛋白質夾雑物の量はサンドウィッチELISA(sandwichELISA)技術により測定され、他の利用可能なヘモグロビン産物のそれと比較された。本例においては、一般的な手法及びバトラー,ジェイ.イー.(Butler,J.E).(12)の技術に従うサンドウィッチELISA技術が用いられた。ダイナテック96ウエル、1 mm 4 マイクロタイタープレートは、固相ヤギ血清に吸収された、トリス緩衝塩水で1:40に希釈されたウサギ抗−ヒト血清抗体(ダコ社)(Dako Corporation,Santa Barbara,CA,Lot# 072)でコートされた。2時間、37℃でのインキュベーション後、プレートはトリス緩衝塩水(TBS)で洗浄され、プレート上の残されたフリーな部位は、加水分解された魚ゼラチン(高純度液体ゼラチン,ノーランド産物社)(Hipure Liquid Gelatin,Norland products Inc.,New Brunswick,N.J.)とともにインキュベートすることによりブロックされた。1時間のインキュベーション後、プレートはTBSで洗浄され、そして供試物は2倍継続的希釈方法(two-fold serial dilutions)をもって加えられた。1時間のインキュベーション後、プレートは再びTBSで洗浄され、TBSで1:1000に希釈された1% 魚ゼラチンを含む固相ウサギ血清でコートされたヤギ−抗ヒト血清抗体,IgG画分(アキュレートケミカルアンドサイエンテイフックコーポレーション)(Accurate Chemical and Scientific Corporation,Westbury N.Y.,Lot#H036)とともにインキュベートされた。1時間のインキュベーション後、プレートはTBSで洗浄され、その後TBSで1:250に希釈された親和性精製ウサギ 抗ヤギ 抗体、IgG画分(西洋ワサビパーオキシダーゼ HRPを結合させてある)(バイオラッド ロット # 75312)(BioRad Lot #75312)とともにインキュベートされた。2時間のインキュベーション後、プレートはTBSで洗浄された。抗原-抗体-HRP複合体はo-フェニルジアミン-ジクロライド(OPD-26 mg/15ml クエン酸,pH 5.0)を用いることにより視覚化された。うす黄色は、抗原、特に血清蛋白質の存在を示す。それらの吸光度はモレキュラー デバイス サーモマックス マイクロプレート リーダー(Molecular Devices Thermomax microplate reader)を用いて490 nmで読みとられた。正常なヒト血清(ディメンション ラボラトリーズ社)(Dimension Laboratories Inc.,Mississauga,Ontario,Lot # 30317)、シグマ社の精製HbAo(H-0267)、ウォルターレード陸軍研究所(WRAIR)(Lot#92092)由来のHbAo、本発明の精製HbAoの各2サンプルがアッセイされた。その結果は表9に要約される。本発明の産物は0.0004%を超える血清蛋白質を含まず、一方、他の供試されたサンプルは、血清蛋白質を、少なくとも1オーダー高いレベルで含んでいることが明らかである。実行された全てのアッセイにおいて、本発明の産物においては、検出された血清蛋白質はヒト血清アルブミンのみであった。他の競合する産物で見いだされた血清蛋白質は、HSAや他の血清蛋白質から成る雑多な混合物であることは明らかである。 所望のヘモグロビンが溶質の約60%から約99%を占める汚染赤血球成分から該所望のヘモグロビン形態を分離すると共に他から該所望のヘモグロビン形態を分離する方法であって、第1のクロマトグラフィーの段階において、該所望のヘモグロビン形態を包含する粗溶液をクロマトグラフィーカラムに供給し、該所望のヘモグロビンよりも酸性が強い粗溶液の構成成分の方が優先的なカラムへの結合親和性を示す、pHが7〜10の陰イオン交換条件下、または、該所望のヘモグロビンよりも塩基性が強い粗溶液の構成成分の方が優先的なカラムへの結合親和性を示す、pHが5〜9の陽イオン交換条件下のいずれか一方においてクロマトグラフィーに付すこと、第1のクロマトグラフィーの段階において、カラムが該所望のヘモグロビン形態およびこれより高い親和性を有する構成成分で完全にロードされるまで粗溶液の供給を続けること、第1のクロマトグラフィーの段階において、カラムにオーバーロードをもたらし、結果としてカラムからの該所望のヘモグロビン形態の追い出しを引き起こすために粗溶液の供給をさらに続けること、第2のクロマトグラフィーの段階において、第1の段階からの該所望のヘモグロビン形態を含んでいる溶出液をクロマトグラフィーカラムに供給し、第1の段階で選択されていない陰イオン交換条件下または陽イオン交換条件下でクロマトグラフィーに付すこと、第2のクロマトグラフィーの段階において、第2の段階の条件下でカラムが該所望のヘモグロビン形態および該所望のヘモグロビン形態より高い親和性を有する構成成分で完全にロードされるまで溶出液の供給を続けること、第2のクロマトグラフィーの段階において、カラムにオーバーロードをもたらし、結果としてカラムからの該所望のヘモグロビン形態の追い出しを引き起こすために溶出液の供給をさらに続けることを具備する方法。 第1の段階が陰イオン交換条件下にあり、かつ第2段階が陽イオン交換条件下にある請求項1記載の方法。 所望のヘモグロビン形態が正常な成人のヒトヘモグロビンHbAoである請求項2記載の方法。 第1の段階で、陰イオン交換法が、pH7〜10の範囲で、3mS以下の低伝導率の供給溶液を用いて行われる請求項3記載の方法。 第1の段階で、陰イオン交換法が、pH8.5〜9.0の範囲で、1mS以下の伝導率の供給溶液を用いて行われる請求項4記載の方法。 供給溶液が1分間あたり10cmを越えない流速でカラムに供給される請求項4記載の方法。 供給溶液の濃度が0.1〜20%の範囲内である請求項6記載の方法。 第2の段階で、陽イオン交換クロマトグラフィーが、pH6.5〜8.5の範囲で、導電率が3mS以下の供給溶液を用いて行われる請求項4記載の方法。 第2の段階で、陽イオン交換クロマトグラフィーが、pH7〜8の範囲で、導電率が3mS以下の供給溶液を用いて行われる請求項4記載の方法。 第2の段階で、陽イオン交換クロマトグラフィーが、pH5〜9の範囲で、導電率が3mS以下の供給溶液を用いて行われる請求項4記載の方法。 第2の段階で、陽イオン交換クロマトグラフィーが、pH7〜7.5の範囲で、導電率が1mS以下の供給溶液を用いて行われる請求項8記載の方法。 第2の段階で、陽イオン交換カラムに1分間あたり10cmを越えない流速で供給溶液が供給される請求項8記載の方法。 第2の段階の陽イオン交換カラムへの供給溶液の濃度が2〜7%の範囲である請求項8記載の方法。 第2の段階の陽イオン交換カラムへの供給溶液の濃度が2〜6%の範囲である請求項8記載の方法。


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