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タイトル:特許公報(B2)_ジチオカルバミン酸金属塩水溶液からなるキレート剤およびその製法。
出願番号:1995353743
年次:2007
IPC分類:C09K 3/00,C07C 331/16,B09B 3/00


特許情報キャッシュ

権平 英昭 JP 3912812 特許公報(B2) 20070209 1995353743 19951228 ジチオカルバミン酸金属塩水溶液からなるキレート剤およびその製法。 日本曹達株式会社 000004307 廣田 雅紀 100107984 松橋 泰典 100113860 権平 英昭 20070509 C09K 3/00 20060101AFI20070412BHJP C07C 331/16 20060101ALI20070412BHJP B09B 3/00 20060101ALI20070412BHJP JPC09K3/00 108C07C331/16B09B3/00 304G C09K 3/00 B09B 3/00 C07C331/00 CA(STN) REGISTRY(STN) 特開昭49−099978(JP,A) 特開昭51−115419(JP,A) 特開昭61−027958(JP,A) 特公昭36−008349(JP,B1) 特開平06−079254(JP,A) 特開平03−231921(JP,A) チェコスロバキア国特許第245072号明細書 チェコスロバキア国特許第237725号明細書 6 1997183763 19970715 9 20020628 前田 憲彦 【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、工場排水や都市ゴミ、産業廃棄物を焼却処分した時に排出される焼却灰、排ガスとともに排出される灰分などの中に含まれる有害な重金属を無害化処理するときに使用されるキレート剤に関するものである。【0002】【従来の技術】工場排水や産業廃棄物から排出される灰には人体に有害な重金属類が多量に含まれている。最近では焼却プラントから排ガスとともに排出される灰分、例えば電気集塵機で捕集されるEP灰やバグフィルターで捕集された灰分など(本明細書では「飛灰」と略称する)に含まれている鉛、カドミウム、水銀などの重金属が処理地において雨水などにより溶出されることが問題とされている。【0003】これらの重金属含有ダストまたは焼却灰に重金属固定剤を添加する方法が広く採用されている。この種の重金属固定剤としてジチオカルボキシ基を官能基として有するアミン誘導体の液体キレート剤が重金属固定化効率に優れることが知られている。【0004】ジチオカルボキシ基を官能基として有するアミン誘導体は通常、水溶液として使用される液体キレート剤である。この中で、少なくとも1つの一級アミノ基を有する化合物であって、その一級アミノ基を水溶液中で二硫化炭素および金属水酸化物によりジチオカルバミン酸塩に変換した化合物が特公昭56−39358号、特開平3−231921号、特開平6−79254号に記載されている。【0005】特に、N1 ,N2 −ビス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミンのナトリウム塩の製法が特開平3−231921号、特開平6−79254号に詳細に記載されている。特開平3−231921号の製法は、ジエチレントリアミンと水に二硫化炭素を滴下、反応を行い、その後、過剰の水酸化ナトリウム水溶液を添加して該キレート剤水溶液を製造している。この方法では反応の進行にともなってpHが低下し10以下になる。また水酸化ナトリウムを添加終了後、pHは14以上となる。この結果得られたN1 ,N2 ,N3 −トリス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミンナトリウム塩を主成分とする水溶液には不純物が存在し、C13−NMRのスペクトルにおいて、260〜280ppmの領域に主成分以外に由来するピークを示すばかりでなく、ビス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミン金属塩および/またはモノ(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミン金属塩やそれらの誘導体などの副生成物を含有している。特開平6−79254号の製法は、ジエチレントリアミンと水および水酸化ナトリウムに二硫化炭素を滴下、反応を行い該キレート剤水溶液を製造している。この方法では反応の初期においてはpHは14以上になり、反応の進行にともなってpHが低下し10以下になる。この結果得られたN1 ,N2 ,N3 −トリス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミンナトリウム塩を主成分とする水溶液は上述した製法と同様不純物等を含む。【0006】上記のようにN1 ,N2 ,N3 −トリス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミンナトリウム塩など少なくとも1つの一級アミノ基を有する化合物を二硫化炭素と金属水酸化物とにより反応することにより得られる該一級アミンのジチオカルバミン酸金属塩を主成分として含有する水溶液であって不純物を含有しないものは得られていない。また、これらの製法により得られた水溶液は使用形態または保存状況によりに二硫化炭素を発生するなどの問題があった。【0007】【発明が解決しようとする課題】本発明は、ジチオカルバミン酸金属塩を主成分として含有する水溶液であって保存時に二硫化炭素を発生しない水溶液を得ることを目的とする。【0008】【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも1つの一級アミノ基を有する化合物を二硫化炭素と金属水酸化物とにより反応することにより得られる該一級アミンのジチオカルバミン酸金属塩を主成分として含有する保存時の二硫化炭素の発生が抑制された水溶液である。【0009】少なくとも1つの一級アミノ基を有する化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、iso−プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、iso−ブチルアミン、n−アミルアミン、iso−アミルアミン、2−アミノペンタン、3−アミノペンタン、ネオペンチルアミン、1,2−ジメチルプロピルアミン、n−ヘキシルアミン、1,3−ジメチル−n−ブチルアミン、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、α−フェニルエチルアミン、フェネチルアミン、フェネチルアミン、アリルアミン、ポリアミン、エチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,3−ジアミノペンタン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、N′−メチル−2,2′−ジアミノジメチルアミン、N,N′−ビス(3−アミノプロピル)−メチルアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミンなどを挙げることができる。特に一級アミノ基と二級アミノ基の両方を有する下記化合物が好適であり、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、イミノビスプロピルアミン、N−メチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−プロピルエチレンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン、N−ブチルエチレンジアミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−プロピル−1,3−プロパンジアミン、N−イソプロピル−1,3−プロパンジアミン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、4−(2−アミノエチル)ピペリジン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールなどを挙げることができる。また、これらの化合物の二種以上を混合して使用してもよい。【0010】一級アミノ基または二級アミノ基をジチオカルバミン酸金属塩に変換するには一般に二硫化炭素および金属水酸化物とを用い、水溶液中で反応する。この場合、アミノ基と二硫化炭素の反応性は二級アミノ基に比べて一級アミノ基は極めて遅い。この為、一級アミノ基をジチオカルバミン酸金属塩に変換する場合、さまざまな副生成物が生じ、純度の高いジチオカルバミン酸金属塩水溶液を得ることができなかった。これらの反応によって得られたジチオカルバミン酸金属塩を主成分とする水溶液を重金属固定用のキレート剤として使用する場合、その保存または使用状況によっては二硫化炭素を発生し、作業上好ましくない。【0011】我々は、鋭意検討した結果、その水溶液がトリチオ炭酸塩を含まない、および/またはC13−NMRのスペクトルにおいて、260〜280ppmの領域に主成分以外に由来するピークを示さない場合、その水溶液は非常に安定化されており、保存時に二硫化炭素を発生しないことを見出した。しかし、一旦、水溶液にトリチオ炭酸塩が含まれた場合、またC13−NMRのスペクトルにおける260〜280ppmの領域のピークが生じた場合、それらを取り除くことは非常に難しく、それらを実質的に含まない純度の高いジチオカルバミン酸金属塩を得る製法は知られていなかった。【0012】本発明の製法は、トリチオ炭酸塩を含まない、および/またはC13−NMRのスペクトルにおいて、260〜280ppmの領域に主成分以外に由来するピークを示さない安定化された純度の高いジチオカルバミン酸金属塩を得る、保存時に二硫化炭素の発生が抑制された水溶液を得るものである。【0013】また、少なくとも1つの一級アミノ基を有する化合物と二硫化炭素と金属水酸化物とを水溶媒中反応させるにあたり、その反応中の水溶液のpHを10から14の範囲に調整しながら反応させることを特徴とする製法である。【0014】上記反応をpHが14以上のアルカリ性で行った場合、二硫化炭素はアミンと反応するばかりか、金属水酸化物との反応が進行し、副生成物として金属のトリチオ炭酸塩が生成し、またC13−NMRのスペクトルにおいて、260〜280ppmの領域に主成分以外に由来するピークがある。トリチオ炭酸塩は金属水酸化物が苛性ソーダならNa2 CS3 、消石灰ならCaCS3 である。これらの化合物は溶液のpHが酸性側にずれたり、加熱された場合は分解を起こし、二硫化炭素や硫化水素などの有害ガス発生となる不安定な化合物であると考えられる。水溶液での反応をpHが14より小さい条件で行った場合、上記トリチオ炭酸塩やC13−NMRのスペクトルにおいて、260〜280ppmの領域に主成分以外に由来するピークを示すことはなく保存時に二硫化炭素の発生が抑制された水溶液が得られる。【0015】また反応がpH10以下で行われた場合、目的物質であるジチオカルバミン酸塩の生成が難しくなり、収率が著しく低下する。また、アミノ基含有化合物として一級アミノ基と二級アミノ基の両方を有する化合物を使用した場合、反応がpH10以下で行われると、その中に少なくとも1つの一級アミノ基が未変換であり、二級アミノ基がジチオカルバミン酸塩となった副生成物が生成しやすくなる。この副生成物は不安定な化合物であり、保存中に分子内環化反応、或いは分子間結合を起こし、硫化水素を脱離してチオ尿素誘導体を生成してしまう。【0016】その代表的な化合物として、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミンなどが挙げられる。特にジエチレントリアミンのトリス・ジチオカルバミン酸金属塩は重金属固定用キレート剤として重要である。この場合上述したように副生成物としてビス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミン金属塩および/またはモノ(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミン金属塩が生成する場合がある。これら化合物が含まれていると、保存時に下記のような分子内環化物ができ、その過程で有害物質の硫化水素ガスが発生する。よって本発明の水溶液には実質的に一級アミノ基が未変換であり二級アミノ基がジチオカルバミン酸塩となった副生成物を含まないものである。とくにジエチレントリアミンの場合ビス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミン金属塩および/またはモノ(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミン金属塩を含まないものであり、またpHを調整することによるそれらを含まない製法である。【0017】【化1】【0018】上記の製法によって製造された水溶液、即ち保存時の二硫化炭素の発生が抑制された水溶液はさらにその抑制効果を増加するために反応終了後、金属水酸化物を添加することが望ましい。即ち、反応原料である二硫化炭素の90%以上消滅後、水溶液に金属水酸化物を生成ジチオカルバミン酸金属塩化合物の0.01から200モル%添加することである。これによりpHを13以上にして保存するのが好ましい。こうしておけば、空気中の炭酸ガスなどが混入してpHを低下させたり、あるいは高温にさらされたとしてもジチオカルバミン酸塩の分解を抑えることが出来るので安定な長期保存が可能となる。【0019】【発明の実施の形態】水溶液のpHを10から14の範囲に調整しながら反応を行う方法としては、反応中のpHを測定しながらアルカリ量を調節しながら行えばよく、種々採用することができる。例えば、次の様な方法がある。反応するアミノ基含有化合物(以後、単にアミンと略す)またはアミンと金属水酸化物を水に溶解させてpHを10から14の範囲に調整した水溶液を予め調製し、この水溶液の中に二硫化炭素を滴下していく。反応が進行しジチオカルバミン酸塩が生成してくるとpHが徐々に低下してくるのでpHが10から14の範囲を逸脱しようとしたならば金属水酸化物の水溶液を滴下し、10から14の範囲に調整する。また、pHが10から14の範囲に調整さえしていればアミンまたはアミンと金属水酸化物の予め調製した水溶液に二硫化炭素と金属水酸化物の水溶液を交互に一定量滴下する多段階分割仕込みの方法を用いることもできる。【0020】pHを調整する為に使用する金属水酸化物は水溶液だけでなく粉末や粒状、塊状等どのような形態のものでも使用できる。金属水酸化物としては水酸化ナトリム、水酸化カルシウム、水酸化カリウムなどを挙げることができる。【0021】調整するpHの範囲は10から14であるが、好ましくは11から14であり、特に好ましくは11.5から13である。【0022】反応は50℃以下、好ましくは40℃以下、特に好ましくは30℃以下で行う。この温度で反応するのは、高温では一級アミンはジチオカルバミン酸塩と分子間で反応し、硫化水素を脱離しチオ尿素誘導体を生成するからである。また、ジエチレントリアミンやトリエチレンテトラミンのような一級アミノ基と二級アミノ基の両方を持つ多価アミンでは分子内でアミン塩を生成し、分子内環化反応が起こり、硫化水素を脱離しエチレンチオ尿素誘導体を生成してしまう。【0023】反応の終点は、水溶液中で分散している二硫化炭素の粒が消失した時点を目安としてNMRで確認して終点を決定する。【0024】反応終了後、水溶液の保存安定性をさらに増加させる目的でアルカリをさらに添加することが好ましい。使用するアルカリは反応で使用したものと同じものを添加するのが好ましい。添加量は生成したジチオカルバミン酸塩に対して0.01から200モル%、好ましくは10から100である。添加時期は、二硫化炭素が消失した時点が最も好ましいが、反応がほぼ終了した反応率90%以上の時点で添加すればよい。また反応終了後、保存時の何時添加してもよい。【0025】反応終了後は、過剰に仕込んだ二硫化炭素および溶存する酸素を追い出すため窒素ガスによるバブリングを行い、遮光性のある褐色の容器に密閉保存することが望ましい。【0026】【実施例】本発明を以下の実施例により具体的に説明する。但し、本発明は下記実施例によって何ら制限を受けるものではない。【0027】実施例1300mlの4つ口フラスコの中に攪拌子を入れ、ジエチレントリアミン(DETA)を21.7g(0.20mol)、水 27.7gを入れた。この時のpHは13.3であった。pHメータ、ジムロート冷却管、二硫化炭素を56.4g(0.72mol)入れた滴下ロート、31.6wt%NaOH水溶液 51.8g(0.60mol)を入れた滴下ロートを取り付けて、スターラー攪拌をしながら30℃の水浴中で反応を行った。二硫化炭素の滴下を開始してから約15分後に溶液のpHが10になったのでNaOH水溶液の滴下を開始し、pHが10から14の範囲に調整されるようにした。反応を開始してから約6時間後に二硫化炭素の分散による濁りが消失した。この溶液からサンプリングし、C13−NMRで測定した。トリス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミンを示す4本のシグナルがそれぞれ48ppm、55ppm、212ppm、213ppmに観測された。280ppm付近にはシグナルは観測されず、トリチオ炭酸ソーダは観測されなかった。この時点で反応を終了し、窒素バブリングをして過剰の二硫化炭素、溶存酸素を追い出して黄橙色の溶液を得た。この溶液のpHは12.1であった。第1図にC13−NMRスペクトルを示した。【0028】比較例1300mlの4つ口フラスコの中に攪拌子を入れ、ジエチレントリアミン(DETA) 21.7g(0.20mol)、水 27.7g、31.6wt%NaOH水溶液 51.8g(0.60mol)を入れた。この時のpHは14以上であった。pHメータ、ジムロート冷却管、二硫化炭素を56.4g(0.72mol)入れた滴下ロートを取り付けて、スターラー攪拌をしながら30℃の水浴中で反応を行った。反応を開始してから約6時間後に二硫化炭素の分散による濁りが消失した。この溶液からサンプリングし、C13−NMRで測定した。トリス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミンを示す4本のシグナルがそれぞれ48ppm、55ppm、212ppm、213ppmに観測された。その他にトリチオ炭酸ソーダと思われる270ppm付近のシグナル、炭酸ソーダを示す170ppmのシグナル、副生成物のエチレンチオ尿素誘導体を示すシグナルが45ppm、47〜48ppm、52ppm、182ppm、212ppmに観測された。この時点で反応を終了し、窒素バブリングをして過剰の二硫化炭素、溶存酸素を追い出して朱色の溶液を得た。この溶液のpHは14以上であった。第2図にC13−NMRスペクトルを示した。【0029】実施例2実施例1で得られたトリス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミンのNa塩の水溶液を225mlのマヨネーズ瓶に10g採取し、更に25wt%の苛性ソーダの水溶液を1g添加した。マヨネーズ瓶の上部をサランラップで覆い輪ゴムで止めて密閉系にした。この試料を100℃のオーブンに入れて1時間加熱した。オーブンから取り出した後直ちに北川式CS2 検知管(光明理化学工業製No.141SB型)をサランラップの上からマヨネーズ瓶に差し込んでCS2 の濃度を測定した。その結果CS2 は検知されなかった。【0030】比較例225wt%の苛性ソーダの水溶液を1g添加しなかった以外は実施例2と同様な方法でCS2 の濃度を測定した。その結果、CS2 の濃度は50ppm以上であった。【0031】【発明の効果】少なくとも1つの一級アミノ基を有する化合物を二硫化炭素と金属水酸化物とにより反応することにより得られる該一級アミンのジチオカルバミン酸金属塩を主成分として含有する保存時の二硫化炭素の発生が抑制された水溶液を得ることができる。また同時に保存時の硫化水素の発生も抑制できる。【図面の簡単な説明】【図1】不純物を含まないトリス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミン水溶液のC13−NMRスペクトル【図2】従来法で製造したトリス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミン水溶液のC13−NMRスペクトル 分子内に一級アミノ基および二級アミノ基を有する化合物と二硫化炭素と金属水酸化物とを反応することにより得られる、前記一級アミノ基および二級アミノ基の両方をジチオカルバミン酸塩に変換した化合物を含有する水溶液であって、その中に、一級アミノ基が未変換であり二級アミノ基がジチオカルバミン酸塩となった副生成物を実質的に含まないジチオカルバミン酸塩水溶液からなるキレート剤。 C13−NMRのスペクトルにおいて、260〜280ppmの領域に主成分以外に由来するピークを示さない請求項1記載のジチオカルバミン酸塩水溶液からなるキレート剤。 トリチオ炭酸塩を実質的に含まない請求項1記載のジチオカルバミン酸塩水溶液からなるキレート剤。 分子内に一級アミノ基および二級アミノ基を有する化合物がジエチレントリアミンであり、生成するジチオカルバミン酸金属塩がN1,N2,N3−トリス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミン金属塩である場合、ビス(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミン金属塩および/またはモノ(ジチオカルボキシ)ジエチレントリアミン金属塩を実質的に含有しない請求項1〜3のいずれか記載のジチオカルバミン酸塩水溶液からなるキレート剤。 分子内に一級アミノ基および二級アミノ基を有する化合物と二硫化炭素と金属水酸化物とを反応させるにあたり、その反応中のpHを10から14の範囲に調整しながら反応させ、請求項1〜4のいずれかに記載のジチオカルバミン酸塩水溶液を製造することを特徴とする水溶液の製法。 反応原料である二硫化炭素の90%以上消滅後、水溶液に金属水酸化物を生成ジチオカルバミン酸金属塩化合物の0.01から200モル%添加することを特徴とする請求項5記載の水溶液の製法。


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