生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_アミン安定化非晶質ホスファイト
出願番号:1995266547
年次:2008
IPC分類:C09K 15/32,C07C 211/09,C07C 211/13,C07F 9/141,C07F 9/48,C07F 9/6574,C08K 5/17,C08K 5/50,C08K 5/524


特許情報キャッシュ

ジェームス・アラン・マホッド JP 4195730 特許公報(B2) 20081003 1995266547 19951016 アミン安定化非晶質ホスファイト ケムチュア コーポレイション 505365356 浅村 皓 100066692 浅村 肇 100072040 安藤 克則 100107504 亀岡 幹生 100117569 ジェームス・アラン・マホッド US 08/325726 19941019 20081210 C09K 15/32 20060101AFI20081120BHJP C07C 211/09 20060101ALI20081120BHJP C07C 211/13 20060101ALI20081120BHJP C07F 9/141 20060101ALI20081120BHJP C07F 9/48 20060101ALI20081120BHJP C07F 9/6574 20060101ALI20081120BHJP C08K 5/17 20060101ALI20081120BHJP C08K 5/50 20060101ALI20081120BHJP C08K 5/524 20060101ALI20081120BHJP JPC09K15/32 DC07C211/09C07C211/13C07F9/141C07F9/48C07F9/6574 AC08K5/17C08K5/50C08K5/524 C09K 15/00〜15/34 C07C 211/09 C07C 211/13 C07F 9/141 C07F 9/48 C07F 9/6574 C08K 5/17 C08K 5/50 C08K 5/524 特開平05−230282(JP,A) 米国特許第03553298(US,A) 特開平01−254744(JP,A) 特開昭61−017595(JP,A) 特開平02−265938(JP,A) 特開平06−199877(JP,A) 特開昭61−063686(JP,A) 14 1996245958 19960924 15 20021016 中島 庸子 【0001】【産業上の利用分野】本発明は固体状ホスファイト安定剤組成物に関する。特に本発明は改善された加水分解安定性を示す固体状ホスファイト安定剤組成物に関するものである。【0002】【従来の技術】従来、ホスファイトの加水分解耐性を改善するために、アミン化合物がホスファイト、特にペンタエリトリットホスファイトと一緒に使用されてきた(1978年9月26日発行のYorkの米国特許第4,116,926号明細書参照)。Yorkの米国特許明細書は、アミン化合物とホスファイト化合物とを組み合わせて使用することによってホスファイトに改善された安定性を付与し得ることを教示しているが、それらはなお周囲温度において湿潤状態に長時間暴露されると水重量の増加を示す組成物を与え得るものである。したがって、長時間に亘って加水分解耐性を示すペンタエリトリットホスファイト組成物を提供する必要がある。【0003】【発明の概要】本発明は改善された加水分解安定性をもつ非晶質(ガラス状、非結晶状の)固体状ホスファイト安定剤組成物を提供するもので、該組成物は有機ホスファイト及び脂肪族ポリアミンの溶融配合物を含んでなり、より好ましくは結晶質ホスファイト及び脂肪族第1級ジアミンの配合物を含んでなる。これらの配合物は、驚くべきことにかつ予想外に、ホスファイト及びトリイソプロパノールアミンを含有してなる溶融配合組成物と比較して及びホスファイト及び脂肪族ポリアミンの粉砕混合物と比較して、よりすぐれた加水分解安定性を示した。固体状の安定剤組成物は重合体組成物を熱酸化的分解に対して安定化する添加剤として有用である。【0004】【発明の詳細な開示】適当な燐化合物はホスファイト及びホスホナイトを包含する。適当なホスファイトは一般式:【0005】【化2】【0006】(式中、R1 、R2 、R3 及び各R4 は同一でも異なってもよいハイドロカルビル基を表し、それらはアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール又はアラルキル基のいずれかであることができ;R5 は水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール又はアラルキル基であることができる)から選んだ化合物を包含する。ホスファイトはまた一般式:【0007】【化3】【0008】から選ぶこともでき、そして適当なホスホナイトは一般式:【0009】【化4】【0010】の化合物を包含する。上記両式中、R7 及びR8 基は独立的にアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリール又はアラルキル基のいずれかを表す。ホスファイトは好ましくは(a)式:【0011】【化5】【0012】(式中、R7 は1ないし約20個の炭素原子を含む脂肪族基、5ないし約8個の炭素原子を含むシクロアルキル環、又は6ないし約14個の炭素原子を含むアリール、アルカリール又はアラルキル基である)の化合物、及び(b)式:【0013】【化6】【0014】(式中、R7 は前記の意義を有する)の化合物からなる群から選定し得るペンタエリトリットホスファイトである。これらの化合物の例としてはR7 が脂肪族基であるものが挙げられ;その場合R7 は(a)メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−オクタデシル、等のようなアルキル基、(b)メトキシエチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、等のような2ないし約20個の炭素原子をもつアルコキシアルキル基、及び(c)メトキシカルボエチル、プロピルオキシカルボエチル、デシルオキシカルボエチル等のような2ないし約20個の炭素原子をもつアルコキシカルボアルキル基、であり得る。R7 がシクロアルキル環である場合のR7 の例はシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル等を包含する。R7 がアリール基である場合の例はフェニル及びナフチル基である。アリール基はブロムフェニル基の場合のごとくハロゲン化されていてもよい。最後に、R7 が7ないし約14個の炭素原子をもつアルカリール基、すなわちアルキル置換フェニル基又はナフチル基である場合、その例はメチルフェニル、t−ブチルフェニル、ノニルフェニル等であり、そしてR7 が7ないし約14個の炭素原子をもつアラルキル基、すなわちアリール置換アルキル基の場合、その例はベンジル及びフェニルエチル基である。アルカリール基又はアラルキル基は2−クロルエチルフェニル基の場合のごとくハロゲン化されていてもよい。もっとも好ましくは、ホスファイトはその純粋な形態(常態)では結晶質ホスファイトである。【0015】上記定義されたペンタエリトリットホスファイトの例はジメチルペンタエリトリットジホスファイト、ジエチルペンタエリトリットジホスファイト、ジドデシルペンタエリトリットジホスファイト、ジオクタデシルペンタエリトリットジホスファイト、ジフェニルペンタエリトリットジホスファイト、ジトリルペンタエリトリットジホスファイト、ジ−p−クロルフェニルペンタエリトリットジホスファイト、ジベンジルペンタエリトリットジホスファイト、等である。定義されたかゝる化合物の別の例は米国特許第2,847,443号、同第2,961,454号、同第3,000,850号、同第3,205,250号及び同第3,737,485号明細書に開示されている。【0016】より好ましくは、R7 基は1−20個の炭素原子をもつアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基又はベンジル基である。もっとも好ましくは、R7 基はn−ヘキシル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−デシル、n−テトラデシル、n−オクタデシル基等のような約6個ないし約20個の炭素原子を含む高級アルキル基である。 好ましい種類のホスファイトは式:【0017】【化7】【0018】をもつものである。別の好ましいホスファイトは一般式:【0019】【化8】【0020】(式中、R6 及びR9 はそれぞれ1−10個の炭素原子をもつアルキル基、好ましくはそれぞれt−ブチル基である)をもつものである。脂肪族ポリアミンは好ましくは175℃を超える、より好ましくは190℃を超える、もっとも好ましくは200℃を超える沸点を有する。脂肪族ポリアミンは第1級、第2級又は第3級アミン基を含み得る。これらのアミン基は第1級アミン基であることが好ましい。ポリアミンは2個、3個又はそれ以上のアミン基を含有し得る、換言すればジアミン、トリアミン又はより高級のポリアミンであり得る。好ましいポリアミンは式:H2 N−R10−NH2 (式中、R10はC6 ないしC10二価アルキル基から選んだ基である)の脂肪族第1級ジアミンであり、より好ましくは該ジアミンは1,6−ジアミノヘキサン及び1,10−ジアミノデカンから選定される。適当な脂肪族第2級ジアミンは一般式:(式中、R11はC1 −C10二価アルキル基でありそしてR12はC1 −C10一価アルキル基である)によって表し得る。適当な脂肪族第3級ジアミンは一般式:(式中、R11及びR12は前記の意義を有する)によって表し得る。もっとも好ましいポリアミンは脂肪族第1級ジアミンである。【0021】さらに本発明は、結晶質ホスファイト及びポリアミンを溶融配合して溶融配合物を形成し、そして得られる溶融配合物を冷却して非晶質固体状ホスファイト組成物を形成する工程を含んでなる方法を提供する。この方法はさらに該ホスファイトを周囲温度において10日を超える期間[おそらくは湿潤状態で(>60%の相対湿度で)]貯蔵し、ついで該ホスファイト組成物を熱可塑性重合体、たとえばポリプロピレンのようなポリオレフィン、と配合処理してその熱酸化安定性を改善する工程を包含し得る。【0022】本発明の安定剤組成物は該安定剤組成物の全重量に基づいて10重量%ないし99.9重量%、より好ましくは90ないし99.8重量%、さらに好ましくは96ないし99.5重量%、もっとも好ましくは97ないし99重量%のホスファイトを含有する。ポリアミンは好ましくは該安定剤組成物の全重量に基づいて0.1ないし10重量%、より好ましくは0.2ないし5重量%、さらに好ましくは0.5ないし4重量%、もっとも好ましくは1ないし3重量%の濃度で存在する。該安定剤組成物は粉末及びペレットのような非晶質(非結晶状)粒子の形態である。該安定剤組成物は、好ましくは、重合体物質のような他の物質及びワックス、合成及び石油系乾燥潤滑油及びグリースのような他の有機物質;たとえば脂肪、牛脂、ラード、たら肝油、鯨油のような動物油;ひまし油、アマニ油、ピーナッツ油、綿実油、等のような植物油;重油、ジーゼル燃料油、ガソリン、等を10重量%未満の量で含有する。換言すれば、安定剤組成物は他の物質を実質的に含有しない、すなわち他の有機物質の含量が1%未満である、ことが好ましく、他の有機物質を含有しないことがより好ましい。安定剤組成物はトリイソプロピルアミンのようなモノアミンを本質的に含有しないことが好ましい。本発明の組成物は該組成物の均質性を確保するために非晶質であることが好ましい。本発明の組成物は単なる機械的配合処理又は溶液配合処理よりも溶融配合処理によって得ることが好ましく、かく溶融混合によって製造された組成物は単なる機械的(乾式)又は溶液配合処理によって製造された同様の組成物と比較して、驚くべきことにかつ予想外に、すぐれた加水分解安定性を示す。【0023】【実施例の記載】つぎに本発明を実施例及び比較例を挙げてさらに説明する。まず、比較例A−H及び実施例1−2について説明する。比較例Aは結晶状ビス(2,4−ジ−第3級ブチルフェニル)ペンタエリトリットジホスファイト(Phos1)である。比較例Bは99重量%のPhos1と1重量%のトリスイソプロパノールアミン(TIPA)との粉砕(機械的乾式配合処理)混合物である。比較例Cは99重量%のPhos1と1重量%のTIPAとのガラス状(非晶質)溶融配合物である。比較例Dは99重量%のPhos1と1重量%の1,10−ジアミノデカン(DAD)との粉砕混合物である。実施例1は99重量%のPhos1と1重量%のDADとの非晶質溶融配合物である。実施例1の性質が比較例A−Dと比較してすぐれている点に注目されたい。比較例Eは結晶状の式:【0024】【化9】【0025】のホスファイト(Phos2)であった。比較例Fはガラス状のPhos2であった。比較例Gは99重量%のPhos2と1重量%の“ティニュビン(Tinuvin)770”ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)セバケートとの非晶質溶融配合物であった。比較例Hは99重量%のPhos2と1重量%のトリオクチルアミンとの非晶質溶融配合物であった。実施例2は99重量%のPhos2と1重量%の1,10−ジアミノデカンとの非晶質溶融配合物であった。比較例E−Hと比較して実施例2の性能がすぐれている点に注目されたい。具体的に示せば、これらの試料を室温(略70°F)で75%の公称相対湿度に長時間暴露し、そして所与の暴露時間における重量増加%を測定してその加水分解安定性を評価する。すなわち、これらの種々の水準の加水分解安定性は重量増加%値が低いほど加水分解安定性がより高いものと評価される。【0026】実施例3は99重量部(pbw)のビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリトリットジホスファイトと1重量部の1,6−ジアミノヘキサンとの非晶質固体(溶融配合物)である。比較例Iは結晶質のビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリトリットジホスファイトである。比較例Jはビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリトリットジホスファイトの非晶質固体である。比較例Kは99pbwのビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリトリットジホスファイトと1pbwのオクタデシルアミンとの配合物である。比較例Lは95.4pbwのビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリトリットジホスファイトと4.6pbwのオクタデシルアミンとの非晶質固体(溶融配合物)である。比較例Lは実施例3と同一の塩基当量水準のアミンを使用するものである。比較例I−Lは比較のためのものである。比較例I−Lと比較して実施例3の重量増加は実質的に改善された加水分解耐性を示している点に注目されたい。かゝる実質的な加水分解耐性の増加は驚くべきことでありかつ予想外のものである。【0027】 下記成分を含む、溶融配合によって得られる、熱可塑性樹脂用の固体状非晶質安定剤組成物:(A)当該安定剤組成物の全重量に基づいて90〜99.9重量%の濃度で存在する、 一般式: (式中、R7は1ないし約20個の炭素原子を含む脂肪族基、5ないし約8個の炭素原子を含むシクロアルキル環、又は6ないし約14個の炭素原子を含むアリール、アルカリール又はアラルキル基である。)のホスファイト、 式:のホスファイト、及び 一般式:(式中、R6及びR9はそれぞれ1−10個の炭素原子をもつアルキル基である。)のホスファイトから選択される燐化合物;及び(B)当該安定剤組成物の全重量に基づいて0.1〜10重量%の濃度で存在する、H2NR10NH2(R10はC6 ないしC10二価アルキル基から選択される。)から選択される脂肪族ポリアミン。 前記燐化合物が当該組成物の全重量に基づいて90〜99.8重量%の濃度で存在する、請求項1記載の安定剤組成物。 前記燐化合物が当該組成物の全重量に基づいて96〜99.5重量%の濃度で存在する、請求項1記載の安定剤組成物。 前記安定剤組成物が前記燐化合物及び前記ポリアミンから本質的になる、請求項1記載の安定剤組成物。 前記安定剤組成物が前記燐化合物及び前記ポリアミンからなる、請求項1記載の安定剤組成物。 前記燐化合物が一般式: (式中、R7は1ないし約20個の炭素原子を含む脂肪族基、5ないし約8個の炭素原子を含むシクロアルキル環、又は6ないし約14個の炭素原子を含むアリール、アルカリール又はアラルキル基である。)のホスファイト、 式:のホスファイト、及び 一般式:(式中、R6及びR9はそれぞれ1−10個の炭素原子をもつアルキル基である。)のホスファイトから選択されるホスファイトである、請求項1記載の安定剤組成物。 前記燐化合物が2,4,6−トリ−第3級−ブチルフェニル2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールホスファイトである、請求項1記載の安定剤組成物。 前記燐化合物がビス(2,4−ジ−第3級−ブチルフェニル)ペンタエリトリットジホスファイトである、請求項1記載の安定剤組成物。 前記組成物が10ナノメーターないし2ミリメーターの範囲から選んだ数平均粒度をもつ粉末の形態である、請求項1記載の安定剤組成物。 前記組成物がフレークの形態である、請求項1記載の安定剤組成物。 燐化合物及び脂肪族ポリアミンを、組成物の全重量に基づいて燐化合物90ないし99.9重量%及びポリアミン0.1ないし10重量%を含有する組成物を形成するように、溶融配合する工程であって、前記燐化合物は、 一般式: (式中、R7は1ないし約20個の炭素原子を含む脂肪族基、5ないし約8個の炭素原子を含むシクロアルキル環、又は6ないし約14個の炭素原子を含むアリール、アルカリール又はアラルキル基である。)のホスファイト、 式:のホスファイト、及び 一般式:(式中、R6及びR9はそれぞれ1−10個の炭素原子をもつアルキル基である。)のホスファイトから選択される燐化合物であり、前記脂肪族ポリアミンはH2NR10NH2(R10はC6 ないしC10二価アルキル基から選択される。)から選択される脂肪族ポリアミンである、前記溶融配合工程、 を含んでなる、改善された加水分解安定性を示す、熱可塑性樹脂用の固体状非晶質安定剤組成物の製造法。 R6及びR9はそれぞれt−ブチル基である、請求項1記載の安定剤組成物。 R6及びR9はそれぞれt−ブチル基である、請求項6記載の安定剤組成物。 R6及びR9はそれぞれt−ブチル基である、請求項11記載の方法。


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